【実施例】
【0131】
次に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0132】
(参考例1)
図1に示した実施形態1の装置及び方法を用い、原料の火山噴出物堆積鉱物である普通シラスとしては、鹿児島県鹿屋市串良町に産出する串良シラス(含水率4.6%)を目の開き5mmのふるい4で選別したものを用いた。普通シラスである串良シラスの5mmふるい下は、密度が2.37g/cm
3であった。
【0133】
ふるい4で選別した串良シラスを、サイクロン解砕機11Aの投入口から27.3kg/hの投入速度で投入したところ、投入口では排気ブロワ18に起因する管路17A〜17Iへの吸引力が働き、詰まりのないスムーズかつ大量の原料投入が可能であった。
【0134】
普通シラスはサイクロン解砕機11A〜11Cを経て、サイクロン分級機12で粗粒Aを回収した。粗粒Aの平均粒径は1.52mm、含水率は3.5%、比重は2.50であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する密度2.50g/cm
3以上の粗粒Aの質量百分率は12.0%であった。これは、細骨材に使用できる密度2.50g/cm
3以上の粗粒の収率が12.0%であったことを意味する。
【0135】
粗粒以外はサイクロン分級機13、14及び管路17D〜17Hを経てサイクロン分級機15に送られた。サイクロン分級機15において、細粒を回収した。細粒を網目300μmのふるい19によりふるい分けした。ここで、開口12aのフランジ継手の間の隙間は1.8mm、開口15aのフランジ継手の間の隙間は0mmとした。細粒のうち、ふるい上の部分B1は、含水率は2.3%、密度は1.54g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対するふるい上の部分B1の質量百分率は8.4%であった。
【0136】
また、ふるい下の部分B2は、平均粒径は0.16mm、含水率は1.2%、比重は2.40g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対するふるい下の部分B2の質量百分率は74.4%であった。
【0137】
細粒以外の微粉は、気流に搬送されて、管路17Iを経てバグフィルタ16において、微粉Cを回収した。バグフィルタ16のろ布を通過した搬送気流は、排気ブロワ18で排出された。
【0138】
この微粉Cの平均粒径は0.0033mm、含水率は3.0%、密度は2.48g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する微粉Cの質量百分率は2.4%であった。
【0139】
なお、粗粒Aの質量百分率と、ふるい上の部分B1の質量百分率と、ふるい下の部分B2の質量百分率と、微粉Cの質量百分率を合計しても100%にならないのは、装置内に2.8%が残留したからである。
【0140】
(参考例2)
図2に示した実施形態2の装置及び方法を用い、原料の火山噴出物堆積鉱物である普通シラスとしては、鹿児島県鹿屋市串良町に産出する串良シラスを乾燥させたもの(含水率2.3%)を目の開き5mmのふるい4で選別したものを用いた。普通シラスである串良シラスの5mmふるい下は、密度が2.37g/cm
3であった。
【0141】
ふるい4で選別した串良シラスを、ロータリーフィーダ20からサイクロン分級機13に20.4kg/hの投入速度で投入した。この普通シラスは含水率が低かったためサイクロン解砕機群を経なくてもサイクロン分級機で分級できた。ここで、開口12aのフランジ継手の間の隙間は1.8mm、開口15aのフランジ継手の間の隙間は0mmとした。
【0142】
普通シラスはサイクロン分級機12で粗粒Aを回収した。粗粒Aの密度は2.51g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する密度2.50g/cm
3以上の粗粒Aの質量百分率は11.0%であった。これは、細骨材に使用できる密度2.50g/cm
3以上の粗粒の収率が11.0%であったことを意味する。
【0143】
粗粒以外はサイクロン分級機13、14及び管路17D〜17Hを経てサイクロン分級機15に送られた。サイクロン分級機15において、細粒を回収した。細粒を網目300μmのふるい19によりふるい分けした。細粒のうち、ふるい上の部分B1は、含水率は1.7%、密度は1.53g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対するふるい上の部分B1の質量百分率は8.6%であった。
【0144】
また、ふるい下の部分B2は、平均粒径は0.173mm、含水率は0.8%、密度は2.40g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対するふるい下の部分B2の質量百分率は75.1%であった。
【0145】
細粒以外の微粉は、気流に搬送されて、管路17Iを経てバグフィルタ16において、微粉Cを回収した。バグフィルタ16のろ布を通過した搬送気流は、排気ブロワ18で排出された。
【0146】
この微粉Cの平均粒径は0.0036mm、含水率は1.8%、密度は2.47g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する微粉Cの質量百分率は3.0%であった。
【0147】
なお、粗粒Aの質量百分率と、ふるい上の部分B1の質量百分率と、ふるい下の部分B2の質量百分率と、微粉Cの質量百分率を合計しても100%にならないのは、装置内に2.3%が残留したからである。
【0148】
(実施例1)
図6に示した実施形態3の装置及び方法を用い、原料の火山噴出物堆積鉱物である普通シラスとしては、鹿児島県鹿屋市串良町に産出する串良シラスを105℃で24時間乾燥させたもの(含水率0.1%)を目の開き5mmのふるい4で選別したものを用いた。
【0149】
この普通シラスをエアテーブル式の比重差選別装置21により重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とを選別した。作業条件は、普通シラスの供給速度が240kg/h、多孔板の孔径が1mm(1mmメッシュ)、振動装置による振動の振幅が±5mmで、振動させる偏心クランクの回転速度が495rpm、送風ファンの流量を37m
3/min、多孔板の傾きを12.5°とした。また多孔板21aの上面は断面が鋸刃状の凹凸を有し、その凹凸の高低差は5mmである。
【0150】
比重差選別装置21の重比重分は、排出口21cから排出され、そのまま回収した。その乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する密度2.50g/cm
3以上の重比重分のその質量百分率は0.6%であった。また、多孔板21aから落下した分は、排出口21fより排出され、重比重分に加えた。多孔板21aから落下した分は、乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する密度2.50g/cm
3以上の質量百分率は19.3%であった。この重比重分に多孔板落下分を合わせた重比重分Dの、乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する質量百分率は19.9%であった。これは、細骨材に使用できる密度2.50g/cm
3以上の粗粒の収率が19.9%であったことを意味する。
【0151】
比重差選別装置21の軽比重分は、排出口21dから排出された。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する軽比重分の質量百分率は35.8%であった。軽比重分はふるい23にかけてふるい上E1とふるい下E2とにふるい分けした。ふるいの網目は300μmであった。
【0152】
ふるい上の部分E1は、密度は1.43g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対するふるい上の部分E1の質量百分率は7.6%であった。
また、ふるい下の部分E2は、密度は2.33g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対するふるい下の部分E2の質量百分率は28.2%であった。
【0153】
比重差選別装置21の集塵分は、排出口21eから排出された。集塵分は管路7Aを経てサイクロン分級機22により分級してから、オーバーフロー分を、管路7Iを経てバグフィルタ16に導いて微粉Fを回収した。サイクロン分級機22のアンダーフロー分のサイクロン回収分はふるい下E2に加えた。微粉Fは、密度2.41g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する微粉Fの質量百分率は40.9%であった。
【0154】
なお、重比重分Dの質量百分率と、ふるい上の部分E1の質量百分率と、ふるい下の部分E2の質量百分率と、微粉Fの質量百分率を合計しても100%にならないのは、装置内に3.4%が残留したからである。
【0155】
(実施例2)
図9に示した実施形態4の装置及び方法を用い、原料の火山噴出物堆積鉱物である普通シラスとしては、鹿児島県鹿屋市串良町に産出する串良シラスを105℃で24時間乾燥させたもの(含水率0.1%)を目の開き5mmのふるい4で選別したものを用いた。
【0156】
この普通シラスを一段目の比重差選別装置21Aにより重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とを選別した。作業条件は、普通シラスの供給速度が355kg/h、多孔板の孔径が1mm(1mmメッシュ)、振動装置による振動の振幅が±5mmで、振動させる偏心クランクの回転速度が505rpm、送風ファンの流量を36m
3/min、多孔板の傾きを13.5°とした。また多孔板21aの上面は断面が鋸刃状の凹凸を有し、その凹凸の高低差は7mmである。
【0157】
比重差選別装置21Aの重比重分は、排出口21cから排出され、そのまま回収した。その乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する密度2.50g/cm
3以上の重比重分のその質量百分率は6.1%であった。
【0158】
比重差選別装置21Aの軽比重分は、排出口21dから排出された。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する軽比重分の質量百分率は22.9%であった。軽比重分はベルトコンベア6及びベルトフィーダ9を経由してふるい23にかけてふるい上E1とふるい下E2とにふるい分けした。ふるいの網目は300μmであった。
【0159】
比重差選別装置21Aの集塵分は、排出口21eから排出された。集塵分は管路7Aを経てサイクロン分級機22により分級してから、オーバーフロー分を、管路7Iを経てバグフィルタ16に導いて微粉Fを回収した。サイクロン分級機22のアンダーフロー分はふるい下E2に加えた。微粉Fは、密度2.40g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する微粉Fの質量百分率は17.9%であった。
比重差選別装置21Aの多孔板落下分は、排出口21fより排出された。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する多孔板落下分の質量百分率は43.1%であった。
なお、比重差選別装置21Aに供給された粗粒に対して、比重差選別装置21A内に10.0%が残留した。
【0160】
多孔板21aから落下した分を、ベルトフィーダ8を経由して二段目の比重差選別装置21Bに供給し、この二段目の比重差選別装置21Bにより重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とを選別した。作業条件は、原料(多孔板落下分)の供給速度が153kg/h、多孔板の孔径が105μm(150メッシュ)の金属ワイヤー製の織網、振動装置による振動の振幅が±5mm、振動させる偏心クランクの回転速度が493rpm、送風ファンの流量を28m
3/min、多孔板の傾きを9°とした。
【0161】
比重差選別装置21Bの重比重分は、排出口21cから排出され、一段目の比重差選別装置21Aより選別された重比重分Dに加えた。比重差選別装置21Bに供給された多孔板落下分100%に対する比重差選別装置21Bの重比重分の質量百分率は54.8%であった。
比重差選別装置21Bの軽比重分は、排出口21dから排出された。比重差選別装置21Bに供給された多孔板落下分100%に対する軽比重分の質量百分率は11.4%であった。
この軽比重分は排出口21dから排出され、ベルトフィーダ9を経由して一段目の軽比重分と共にふるい23にかけてふるい上E1とふるい下E2とにふるい分けした。ふるいの網目は300μmであった。
比重差選別装置21Bの集塵分は、排出口21eから排出された。集塵分は管路7Bを経てサイクロン分級機22により分級してから、オーバーフロー分を、管路7Iを経てバグフィルタ16に導いて微粉Fを回収した。比重差選別装置21Bに供給された多孔板落下分100%に対する微粉Fの質量百分率は15.6%であった。
サイクロン分級機22のアンダーフロー分はふるい下E2に加えた。二段目の比重差選別装置21Bの多孔板落下分は、排出口21fより排出され、ふるい下E2に加えた。比重差選別装置21Bに供給された多孔板落下分100%に対する比重差選別装置21Bの多孔板落下分の質量百分率は0.3%であった。
なお、比重差選別装置21Bに供給された多孔板落下分100%に対して、比重差選別装置21B内に17.9%が残留した。
【0162】
一段目の比重差選別装置21Aの重比重分と二段目の比重差選別装置21Bの重比重分とを合わせた重比重分Dの密度は2.53g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する比重2.50g/cm
3以上の重比重分Dの質量百分率は29.8%であった。これは、細骨材に使用できる比重2.50g/cm
3以上の重比重分の収率が29.8%であったことを意味する。
【0163】
ふるい上の部分E1は、密度は1.44g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対するふるい上の部分E1の質量百分率は8.8%であった。
また、ふるい下の部分E2は、密度は2.29g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対するふるい下の部分E2の質量百分率は19.0%であった。
【0164】
微粉Fは、密度2.40g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する微粉Fの質量百分率は24.7%であった。
なお、重比重分Dの質量百分率と、ふるい上の部分E1の質量百分率と、ふるい下の部分E2の質量百分率と、微粉Fの質量百分率を合計しても100%にならないのは、装置内に17.7%が残留したからである。
【0165】
(実施例3)
図13に示した実施形態8の装置及び方法を用い、原料の火山噴出物堆積鉱物である普通シラスとしては、鹿児島県鹿屋市串良町に産出する串良シラス(含水率4.7%)を目の開き5mmのふるい4で選別したものを用いた。普通シラスである串良シラスの5mmふるい下は、密度が2.37g/cm
3であった。
【0166】
ふるい4で選別した串良シラスの一部を、サイクロン解砕機11Aの投入口から65.0kg/hの投入速度で投入したところ、投入口では排気ブロワ18に起因する管路17A〜17Iへの吸引力が働き、詰まりのないスムーズかつ大量の原料投入が可能であった。ここで、開口12aのフランジ継手の間の隙間は0mm、開口15aのフランジ継手の間の隙間は0.8mmとした。
【0167】
普通シラスはサイクロン分級機12で粗粒Aを回収した。粗粒以外はサイクロン分級機12、13、14及び管路17D〜17Hを経てサイクロン分級機15に送られた。サイクロン分級機15において、細粒Bを回収した。細粒B以外の微粉は、気流に搬送されて、管路17Iを経てバグフィルタ16において、微粉Cを回収した。バグフィルタ16のろ布を通過した搬送気流は、排気ブロワ18で排出された。
粗粒Aの回収率は、71.2%、細粒Bの回収率は18.9%、微粉Cの回収率は9.9%であった。細粒Bは、ベルトフィーダ9を通じて、2段式のエアテーブル式の比重差選別装置における軽比重分と合わされて300μmのふるい23で、選別される。細粒Bの18.9%に限ってのふるい23によるふるい選別の内割は、その粒径0.3mm以上の軽石の回収率は2.5%、粒径0.3mm以下の火山ガラスの回収率は16.4%であった。
【0168】
粗粒Aを一段目の比重差選別装置21Aにより重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とを選別した。作業条件は、粗粒Aの供給速度が300kg/h、多孔板の孔径が1mm(1mmメッシュ)、振動装置による振動の振幅が±5mm、振動させる偏心クランクの回転速度が505rpm、送風ファンの流量を28m
3/min、多孔板の傾きを13°とした。また多孔板21aの上面は断面が鋸刃状の凹凸を有し、その凹凸の高低差は7mmである。
【0169】
比重差選別装置21Aの重比重分は、排出口21cから排出され、そのまま回収した。比重差選別装置21Aに供給された粗粒に対する重比重分のその質量百分率は10.4%であった。
【0170】
比重差選別装置21Aの軽比重分は、排出口21dから排出された。比重差選別装置21Aに供給された粗粒に対する軽比重分の質量百分率は18.4%であった。軽比重分はベルトコンベア6及びベルトフィーダ9を経由してふるい23にかけてふるい上E1とふるい下E2とにふるい分けした。ふるいの網目は300μmであった。
【0171】
比重差選別装置21Aの集塵分は、排出口21eから排出された。集塵分は管路7Aを経てサイクロン分級機22により分級してから、オーバーフロー分を、管路7Cを経てバグフィルタ16に導いて微粉Fを回収した。サイクロン分級機22のアンダーフロー分はふるい下E2に加えた。微粉Fは、密度2.46g/cm
3であった。比重差選別装置21Aに供給された粗粒Aに対する微粉Fの質量百分率は14.0%であった。
【0172】
比重差選別装置21Aの多孔板落下分は、排出口21fより排出された。比重差選別装置21Aに供給された粗粒Aに対する多孔板落下分の質量百分率は46.4%であった。
なお、比重差選別装置21Aに供給された粗粒Aに対して、比重差選別装置21A内に10.8%が残留した。
【0173】
多孔板21aから落下した分を、ベルトフィーダ8を経由して二段目の比重差選別装置21Bに供給し、この二段目の比重差選別装置21Bにより重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とを選別した。作業条件は、原料(多孔板落下分)の供給速度が160kg/h、多孔板の孔径が105μm(150メッシュ)の金属ワイヤー製の織網、振動装置による振動の振幅が±5mm、振動させる偏心クランクの回転速度が493rpm、送風ファンの流量を28m
3/min、多孔板の傾きを9°とした。
【0174】
比重差選別装置21Bの重比重分は、排出口21cから排出され、一段目の比重差選別装置21Aの重比重分Dに加えた。比重差選別装置21Bに供給された多孔板落下分100%に対する比重差選別装置21Bの重比重分の質量百分率は73.1%であった。
比重差選別装置21Bの軽比重分は、排出口21dから排出された。比重差選別装置21Bに供給された多孔板落下分100%に対する軽比重分の質量百分率は6.3%であった。
この軽比重分は排出口21dから排出され、ベルトフィーダ9を経由してサイクロン分級機15からの細粒及び一段目の軽比重分と共にふるい23にかけてふるい上E1とふるい下E2とにふるい分けした。ふるいの網目は300μmであった。
比重差選別装置21Bの集塵分は、排出口21eから排出された。集塵分は管路7Bを経てサイクロン分級機22により分級してから、オーバーフロー分を、管路7Cを経てバグフィルタ16に導いて回収した。比重差選別装置21Bに供給された多孔板落下分100%に対する微粉Fの質量百分率は4.5%であった。
サイクロン分級機22のアンダーフロー分はふるい下E2に加えた。二段目の比重差選別装置21Bの多孔板落下分は、排出口21fより排出され、ふるい下E2に加えた。比重差選別装置21Bに供給された多孔板落下分100%に対する比重差選別装置21Bの多孔板落下分の質量百分率は0.8%であった。
なお、比重差選別装置21Bに供給された多孔板落下分100%に対して、比重差選別装置21B内に15.3%が残留した。
比重差選別装置21Bに供給された多孔板落下分100%に対する比重差選別装置21Bの重比重分の質量百分率は73.1%であった。
【0175】
サイクロン分級機12により回収した粗粒Aに対する一段目の比重差選別装置21Aの重比重分と二段目の比重差選別装置21Bの重比重分とを合わせた重比重分Dの質量百分率は44.3%であった。
サイクロン分級機12により回収した粗粒Aを100%に対する、サイクロン分級機15からの細粒と一段目の軽比重分と二段目の軽比重分とを合わせたふるい上E1の質量百分率は8.2%であった。
サイクロン分級機12により回収した粗粒Aを100%に対する、サイクロン分級機15からの細粒と一段目の軽比重分と二段目の軽比重分とを合わせたふるい下E2の質量百分率は13.1%であった。
サイクロン分級機12により回収した粗粒Aを100%に対する、バグフィルタ16で回収した微粉Fの質量百分率は16.1%であった。
なお、サイクロン分級機12により回収した粗粒Aを100%に対する、一段目の比重差選別装置21Aと二段目の比重差選別装置21Bとに残留した合計の質量百分率は18.3%であった。
【0176】
一段目の比重差選別装置21Aの重比重分と二段目の比重差選別装置21Bの重比重分とを合わせた重比重分Dの密度は2.53g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する比重2.50g/cm
3以上の重比重分Dの質量百分率は31.6%であった。これは、細骨材に使用できる比重2.50g/cm
3以上の重比重分の収率が31.6%であったことを意味し、投入シラス原料の含水率が4.7%と他に比べて水分を多く含んだ原料であったにも係わらず、他の実施例に比べて最も優れた収率であった。
【0177】
この重比重分Dの密度は2.53g/cm
3であり、2.50g/cm
3を超えていた。JIS A1109による吸水率は1.85%であった。実施例3により得られた重比重分Dの、ふるいを通るものの質量分率を
図14にグラフで示す。本実施例で得られた重比重分は、JIS A5308の「砂」で規定する標準粒度分布の範囲内に含まれていた。これらの特性から、重比重分は、細骨材として適切であることが分かった。
【0178】
ふるい上の部分E1は、密度は1.45g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対するふるい上の部分E1の質量百分率は8.4%であった。
また、ふるい下の部分E2は、密度は2.33g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対するふるい下の部分E2の質量百分率は37.1%であった。
【0179】
微粉Fは、比重2.46g/cm
3であった。乾式分離装置に投入前の普通シラスに対する微粉Fの質量百分率は9.9%であった。
【0180】
なお、重比重分Dの質量百分率と、ふるい上の部分E1の質量百分率と、ふるい下の部分E2の質量百分率と、微粉Fの質量百分率を合計しても100%にならないのは、装置内に13.0%が残留したからである。この装置内に残留した割合は、未使用の気流分級装置、未使用の一段目の比重差選別装置21A、未使用の二段目の比重差選別装置21Bで初めて作業したときの値であって、これらの装置に残留する量はそれぞれ一定であるため、最初に使用した時以外は既に装置内に一定量が残留しているため、装置に供給した普通シラスからの減分は問題とならない。
参考例1〜2、実施例1〜3の原料、作業条件及び分離結果について表1及び表2に示す。
【0181】
【表1】
【0182】
【表2】
【0183】
(実施例4〜9)
実施例3で得られた微粉Fと、この微粉Fを更に粉砕して得られた粉砕微粉F2を普通ポルトランドセメントに混合した混合セメントの強度を測定した。
微粉Fは平均粒径0.033mmであった。粉砕微粉F2は、微粉Fを中央化工機製のBMC−15型の振動ミルにより4.4kg/hで供給して粉砕したものであり、平均粒径0.012mmであった。
【0184】
比較例として、普通ポルトランドセメントと標準砂と水との重量比が1:3:1のセメント材45gを用意した。実施例4〜9として、混合セメントの原料として上記の微粉F及び/又は粉砕微粉F2を用いたもの(各試料45g)を用意した。
【0185】
比較例及び実施例4〜9は、原料をペーストミキサーにて混合した。ペーストミキサーはジャパンユニックス社製のUM102であった。混合条件は直径8mmのアルミナボールを混合媒体として投入して回転速度2000rpmで30秒間混練した。
混合後、生モルタルの各試料を非接触赤外線温度計で温度測定した。その後、油を薄く塗布した2cm角のプラスティック型の3個にそれぞれ流し込んで成形した。
成形後、飽和水蒸気デシケータにて4週間経過させた後、室温で乾燥させ、3日後にプラスティック型から脱型して室温で放置した。その後、端面仕上加工して圧縮試験用試料を作製し、圧縮試験を行った。
比較例及び実施例4〜9の組成及び圧縮試験の結果を表3に示す。また、
図15に圧縮結果を棒グラフで示す。
【0186】
【表3】
【0187】
表3及び
図15から、微粉F及び/又は粉砕微粉F2を添加することにより、圧縮強度が向上した。本発明の分級により得られた微粉Fよりも、この微粉Fを粉砕した粉砕微粉F2の方が、圧縮強度が、より向上した。微粉Fと粉砕微粉F2を等量ずつ普通ポルトランドセメントに混合した混合セメントを用いたモルタルが、最大の平均圧縮強度を発現した。
【0188】
(実施例10)
図8に示した実施形態3の装置及び方法を用い、原料の火山噴出物堆積鉱物である普通シラスとしては、鹿児島県鹿屋市串良町に産出する串良シラス(含水率5.7%)を目の開き5mmのふるい4で選別したものを用いた。
【0189】
この普通シラスを一段目の比重差選別装置21Dにより重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とを選別した。作業条件は、普通シラスの供給速度が93.4kg/h、多孔板の孔径1mm(一辺1mmの角の丸いルーローの三角形)、振動装置による振動の振幅が±5mmで、振動させる偏心クランクの回転速度が304rpm、送風ファンの流量を16m
3/min、多孔板の傾きを12.6°とした。また多孔板21aの上面は断面が鋸刃状の凹凸を有し、その凹凸の高低差は10mmである。
【0190】
比重差選別装置21Dの重比重分は、21cから排出され、回収された。重比重分の質量百分率は11.9%であり、密度2.62g/cm
3、含水率0.3%であった。21fから排出された多孔板落下分は、質量百分率は20.9%であり、密度2.52g/cm
3、含水率0.5%であった。この多孔板落下分は、JIS A5308の「砂」で規定する密度2.5g/cm
3以上を満たすため、そのまま細骨材として使用できた。これらの重比重分と多孔板落下分を合わせた細骨材の質量百分率は32.8%であった。
【0191】
比重差選別装置21Dの軽比重分は、21dから排出された。軽比重分の質量百分率は19.2%であり、密度1.54g/cm
3、含水率0.9%であった。
【0192】
比重差選別装置21Dの集塵分は、21eから排出された。集塵分は管路7Aを経てサイクロン分級機22により分級してから、オーバーフロー分を、管路7Iを経てバグフィルタ16に導いて微粉Fを回収した。サイクロン分級機22のアンダーフロー分の質量百分率は46.2%であり、密度2.35g/cm
3、含水率0.3%であった。
バグフィルタ16に回収された微粉Fの質量百分率は1.8%であり、密度2.37g/cm
3、含水率3.5%あった。
【0193】
なお、比重分離のサンプリングを行う前に、同じシラス原料と同じ比重分離条件で平衡状態に達するまで予備運転させてから、測定用のシラス原料供給を開始した。これは、測定用のシラス原料投入前に多孔板21aの上に残留する細骨材相当分などからなる数cm厚さのベッド層を予め形成させておくことで、シラス原料投入初期からの分離効率を向上させることができることと、投入量と回収量の差分となる装置内残留分のロスを最小限にすることを目的として行った。
【0194】
(実施例11)
図10に示した実施形態4の装置及び方法を用い、原料の火山噴出物堆積鉱物である普通シラスとしては、鹿児島県鹿屋市串良町に産出する串良シラス(含水率5.7%)を目の開き5mmのふるい4で選別したものを用いた。
【0195】
この普通シラスを一段目の比重差選別装置21Dにより重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とを選別した。作業条件は、普通シラスの供給速度が96.9kg/h、多孔板の孔径1mm(一辺1mmの角の丸いルーローの三角形)、振動装置による振動の振幅が±5mmで、振動させる偏心クランクの回転速度が304rpm、送風ファンの流量を12m
3/min、多孔板の傾きを12.6°とした。また多孔板21aの上面は断面が鋸刃状の凹凸を有し、その凹凸の高低差は10mmである。
【0196】
比重差選別装置21Dの重比重分は、21cから排出され、回収された。重比重分の質量百分率は17.8%であり、密度2.54g/cm
3、含水率0.9%あった。
【0197】
比重差選別装置21Dの軽比重分は、21dから排出された。軽比重分の質量百分率は8.6%であり、密度1.38g/cm
3、含水率1.3%であった。この軽比重分は、JIS A5002「構造用軽量コンクリート骨材」の規格に適合するものであった。
【0198】
比重差選別装置21Dの集塵分は、21eから排出された。集塵分は管路7Aを経てサイクロン分級機22Aにより分級してから、オーバーフロー分を、管路7Iを経てバグフィルタ16Aに導いて微粉Fを回収した。サイクロン分級機22Aのアンダーフロー分の質量百分率は45.5%であり、密度2.31g/cm
3、含水率0.6%であった。
バグフィルタ16Aに回収された微粉Fの質量百分率は1.9%、密度2.36g/cm
3、含水率3.5%であった。
なお、比重分離のサンプリングを行う前に、同じシラス原料と同じ比重分離条件で平衡状態に達するまで予備運転させてから、測定用のシラス原料供給を開始した。これは、実施例10で述べた同じ理由による。
【0199】
排出口21fから排出された多孔板落下分は、質量百分率は26.2%であり、密度2.36g/cm
3、含水率0.7%であった。
この多孔板落下分を、ベルトフィーダ5を経由して二段目の比重差選別装置21Eに供給し、この二段目の比重差選別装置21Eにより重比重分と、多孔板落下分と、軽比重分と、集塵分(サイクロン回収分、バグフィルタ回収分)とに選別した。作業条件は、原料(多孔板落下分)の供給速度が23.9kg/h、多孔板の孔径が105μm(150メッシュ)の金属ワイヤー製の織網、振動装置による振動の振幅が±5mm、振動させる偏心クランクの回転速度が303rpm、送風ファンの流量を39m
3/min、多孔板の傾きを10.8°とした。
【0200】
比重差選別装置21Eの重比重分は、21cから排出され、一段目の比重差選別装置21Dより選別された重比重分Dに加えた。この重比重分の質量百分率は44.6%であった。比重差選別装置21Eの軽比重分は、21dから排出された。軽比重分の質量百分率は52.6%、密度1.79g/cm
3、含水率0.5%であった。この軽比重分は、JIS A5002「構造用軽量コンクリート骨材」の規格に適合するものであった。
比重差選別装置21Eの集塵分は、21eから排出された。集塵分は管路7Bを経てサイクロン分級機22Bにより分級してから、オーバーフロー分を、管路7Dを経てバグフィルタ16Bに導いて微粉Fを回収した。サイクロン分級機22Bで分離されたサイクロン回収分は、1.9%であった。微粉Fの質量百分率は0.8%であった。
二段目の比重差選別装置21Eの多孔板21aから落下した多孔板落下分は、ごく僅か回収され0.1%であった。
【0201】
一段目の比重差選別装置21Dの重比重分と二段目の比重差選別装置21Eの重比重分とを合わせた重比重分Dの一段目に投入した普通シラスに対する質量百分率は29.5%であった。これは、比重2.50g/cm
3以上の細骨材の収率が29.5%であったことを意味する。
【0202】
軽比重分E1の一段目に投入した普通シラスに対する質量百分率は22.4%であった。これは、軽量骨材の収率が22.4%であったことを意味する。
また、火山ガラス材細粒E2の一段目に投入した普通シラスに対する質量百分率は46.0%であった。これは、シラスバルーン原料または混和材原料の収率が46.0%であったことを意味する。
【0203】
火山ガラス材微粉Fの一段目に投入した普通シラスに対する質量百分率は2.1%であった。これは、混和材または混合セメント原料の収率が2.1%であったことを意味する。
(実施例12)
図11に示した実施形態6の装置及び方法を用い、原料の火山噴出物堆積鉱物である普通シラスとしては、鹿児島県鹿屋市串良町に産出する串良シラス(含水率5.5%)を目の開き5mmのふるい4で選別したものを用いた。
【0204】
この普通シラスを一段目の比重差選別装置21Dにより重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とを選別した。作業条件は、普通シラスの供給速度が98.3kg/h、多孔板の孔径1mm(一辺1mmの角の丸いルーローの三角形)、振動装置による振動の振幅が±5mmで、振動させる偏心クランクの回転速度が304rpm、送風ファンの流量を20m
3/min、多孔板の傾きを12.6°とした。また多孔板21aの上面は断面が鋸刃状の凹凸を有し、その凹凸の高低差は10mmである。
【0205】
比重差選別装置21Dの重比重分は、21cから排出され、回収された。重比重分の質量百分率は0.8%であり、密度2.65g/cm
3であった。21fから排出された多孔板落下分は、質量百分率は7.9%であり、密度2.58g/cm
3であった。この多孔板落下分は、JIS A5308の「砂」で規定する密度2.5g/cm
3以上を満たすため、そのまま細骨材として使用できた。
【0206】
比重差選別装置21Dの集塵分は、21eから排出された。集塵分は管路7Aを経てサイクロン分級機22Aにより分級してから、オーバーフロー分を、管路7Iを経てバグフィルタ16Aに導いて微粉Fを回収した。サイクロン分級機22Aのアンダーフロー分であるサイクロン回収分の質量百分率は60.5%であり、密度2.36g/cm
3であった。
バグフィルタ16Aに回収された微粉Fの質量百分率は1.9%であった。
なお、比重分離のサンプリングを行う前に、同じシラス原料と同じ比重分離条件で平衡状態に達するまで予備運転させてから、測定用のシラス原料供給を開始した。これは、実施例10で述べた同じ理由による。
【0207】
比重差選別装置21Dの軽比重分は、21dから排出された。軽比重分の質量百分率は28.9%であり、密度1.94g/cm
3であった。
【0208】
この軽比重分を、ベルトフィーダ5を経由して二段目の比重差選別装置21Eに供給し、この二段目の比重差選別装置21Eにより重比重分と、軽比重分と、多孔板落下分、集塵分(サイクロン回収分、バグフィルタ回収分)とに選別した。作業条件は、原料(軽比重分)の供給速度が96.7kg/h、多孔板の孔径1mm(一辺1mmの角の丸いルーローの三角形)、振動装置による振動の振幅が±5mmで、振動させる偏心クランクの回転速度が304rpm、送風ファンの流量を16m
3/min、多孔板の傾きを12.6°とした。また多孔板21aの上面は断面が鋸刃状の凹凸を有し、その凹凸の高低差は10mmである。
【0209】
比重差選別装置21Eの重比重分は、21cから排出され、一段目の比重差選別装置21Dより選別された重比重分Dに加えた。この重比重分の質量百分率は44.2%であった。比重差選別装置21Eの軽比重分は、21dから排出された。軽比重分の質量百分率は45.7%、密度1.73g/cm
3であった。
比重差選別装置21Eの集塵分は、21eから排出された。集塵分は管路7Bを経てサイクロン分級機22Bにより分級してから、オーバーフロー分を、管路7Dを経てバグフィルタ16Bに導いて微粉Fを回収した。サイクロン分級機22Bで分離されたサイクロン回収分は、1.2%であった。微粉Fの質量百分率は0.4%であった。
二段目の比重差選別装置21Eの多孔板21aから落下した多孔板落下分の質量百分率は8.5%、密度2.67g/cm
3であった。
【0210】
一段目の比重差選別装置21Dの重比重分と多孔板落下分及び二段目の比重差選別装置21Eの重比重分と多孔板落下分を合わせた重比重分Dの一段目に投入した普通シラスに対する質量百分率は24.0%であった。これは、比重2.50g/cm
3以上の細骨材の収率が24.0%であったことを意味する。
【0211】
二段目の比重差選別装置21Eの軽比重分E1の一段目に投入した普通シラスに対する質量百分率は13.2%であった。これは、軽量骨材の収率が13.2%であったことを意味する。
また、火山ガラス材細粒E2の一段目に投入した普通シラスに対する質量百分率は60.8%であった。
【0212】
火山ガラス材微粉Fの一段目に投入した普通シラスに対する質量百分率は2.0%であった。これは、混和材または混合セメント原料の収率が2.0%であったことを意味する。
【0213】
(実施例13)
図12に示した実施形態7の装置及び方法を用い、原料の火山噴出物堆積鉱物である普通シラスとしては、鹿児島県鹿屋市串良町に産出する串良シラスを室内乾燥させたもの(含水率1.6%)を目の開き5mmのふるい4で選別したものを用いた。
【0214】
この普通シラスを一段目の比重差選別装置21Dにより重比重分と、軽比重分と、集塵分と、多孔板落下分とを選別した。作業条件は、普通シラスの供給速度が103kg/h、多孔板の孔径1mm(一辺1mmの角の丸いルーローの三角形)、振動装置による振動の振幅が±5mmで、振動させる偏心クランクの回転速度が304rpm、送風ファンの流量を16m
3/min、多孔板の傾きを12.6°とした。また多孔板21aの上面は断面が鋸刃状の凹凸を有し、その凹凸の高低差は10mmである。
ここで、排気ブロワの能力を高めて管路7Aの吸出風量を実施例10よりも多い120m
3/minにして、サイクロン回収物の回収率向上を図った。
【0215】
比重差選別装置21Dの重比重分は、21cから排出され、回収された。重比重分の質量百分率は0.4%であり、密度2.69g/cm
3であった。21fから排出された多孔板落下分は、質量百分率は11.1%であり、密度2.64g/cm
3であった。この多孔板落下分は、JIS A5308の「砂」で規定する密度2.5g/cm
3以上を満たすため、そのまま細骨材として使用できた。
【0216】
比重差選別装置21Dの軽比重分は、21dから排出された。軽比重分の質量百分率は11.8%であった。
【0217】
比重差選別装置21Dの集塵分は、21eから排出された。集塵分は管路7Aを経てサイクロン分級機22Aにより分級してから、オーバーフロー分を、管路7Iを経てバグフィルタ16Aに導いて微粉Fを回収した。サイクロン分級機22Aのアンダーフロー分であるサイクロン回収分の質量百分率は73.8%であり、密度2.32g/cm
3であった。
バグフィルタ16Aに回収された微粉Fの質量回収率は、2.9%であり、密度2.38g/cm
3あった。
なお、比重分離のサンプリングを行う前に、同じシラス原料と同じ比重分離条件で平衡状態に達するまで予備運転させてから、測定用のシラス原料供給を開始した。これは、実施例10で述べた同じ理由による。
【0218】
サイクロン分級機22Aのアンダーフロー分であるサイクロン回収分には、0.3mm以上の軽石分などが含まれており、このサイクロン回収分を、ベルトフィーダ5を経由して二段目の比重差選別装置21Eに供給し、この二段目の比重差選別装置21Eにより重比重分と、多孔板落下分と、軽比重分と、集塵分(サイクロン回収分、バグフィルタ回収分)とに選別した。作業条件は、原料(サイクロン回収分)の供給速度が21.8kg/h、多孔板の孔径が105μm(150メッシュ)の金属ワイヤー製の織網、振動装置による振動の振幅が±5mm、振動させる偏心クランクの回転速度が303rpm、送風ファンの流量を39m
3/min、多孔板の傾きを10.8°とした。
【0219】
比重差選別装置21Eの重比重分は、21cから排出され、一段目の比重差選別装置21Dより選別された重比重分Dに加えた。この重比重分の質量百分率は5.1%であった。比重差選別装置21Eの軽比重分は、21dから排出された。軽比重分の質量百分率は31.3%であった。
比重差選別装置21Eの集塵分は、21eから排出された。集塵分は管路7Bを経てサイクロン分級機22Bにより分級してから、オーバーフロー分を、管路7Dを経てバグフィルタ16Bに導いて微粉Fを回収した。サイクロン分級機22Bのアンダーフロー分として分離されたサイクロン回収分は、60.2%、密度2.35g/cm
3であった。微粉Fの質量百分率は3.4%であった。
二段目の比重差選別装置21Eの多孔板21aから落下した多孔板落下分は、ごく僅か回収され0.05%未満であった。
【0220】
二段目のサイクロン分級機22Bで回収された火山ガラス材細粒E2の一段目に投入した普通シラスに対する質量百分率は44.4%であった。これは、シラスバルーン原料または混和材原料の収率が44.4%であったことを意味する。
【0221】
火山ガラス材微粉Fの一段目に投入した普通シラスに対する質量百分率は2.9%であった。これは、混和材または混合セメント原料の収率が2.9%であったことを意味する。
実施例10〜13の原料供給量及び分離結果については、表4に示す。
【0222】
【表4】
【0223】
(実施例14〜16)
実施例10で得られた微粉F3と、実施例10で得られた火山ガラス材細粒E2を更に粉砕して得られた粉砕微粉F4と、実施例3で得られた微粉Fを更に粉砕して得られた粉砕微粉F5とを、それぞれ普通ポルトランドセメントに混合した混合セメントの強度を測定した。
微粉F3は、平均粒径0.0041mmであった。粉砕微粉F4は、微粉F3をIHI製のIS−150型のローラミルにより5kg/hで供給して粉砕したものであり、平均粒径0.0051mmであった。粉砕微粉F5は、実施例3で得られた微粉Fを日本ニューマチック製のDSF−2型のJETミルに5kg/hで供給して粉砕したものであり、平均粒径0.0011mmであった。
【0224】
比較例2として、宇部三菱セメント製の普通ポルトランドセメントと標準砂と水との重量比が1:1.4:0.6のセメント材60gを用意した。実施例14〜16として、混合セメントの原料として上記の微粉F3又は粉砕微粉F4又は粉砕微粉F5を用いたもの(各試料60g)を用意した。
【0225】
比較例2及び実施例14〜16は、原料をペーストミキサーにて混合した。ペーストミキサーはジャパンユニックス社製のUM102であった。混合条件は直径8mmのアルミナボールを混合媒体として投入して回転速度2000rpmで30秒間混練した。
混合後、生モルタルの各試料を非接触赤外線温度計で温度測定した。その後、油を薄く塗布した2cm角のプラスティック型の3個にそれぞれ流し込んで成形した。
成形後、飽和水蒸気デシケータにて半日放置し、湿布を被せてから更に1日放置後、プラスティック型から脱型して、水中にて4週間経過させた後、端面仕上加工して圧縮試験用試料を作製し、圧縮試験を行った。その結果を表5に示す。
【0226】
【表5】
【0227】
表5の普通ポルトランドセメントの10%を微粉F3又は粉砕微粉F4又は粉砕微粉F5で置換した圧縮強度を比較すると、実施例14では比較例2に比べて普通ポルトランドセメントが10%少ないにも係わらず1.5MPaの強度低下に収まっており、実施例15では0.3MPaとごく僅かな低下で、実施例16では3.3MPaも上回る結果となった。
【0228】
これらの混和材の普通ポルトランドセメントに対する圧縮強度発現率を比較した。実施例14から実施例16は、比較例2に比べて普通ポルトランドセメント配合比が90%であるので、普通ポルトランドセメント90%の圧縮強度として、56.5MPaの90%に相当する50.85MPaを基底値とする。また、普通ポルトランドセメント10%当たり圧縮強度発現効果は、56.5MPaの10%である5.65MPaとする。
実施例14から実施例16の圧縮強度から基底値50.85MPaを差し引いた値を、5.65MPaで除して百分率とした値を、普通ポルトランドセメントに対する混和材の圧縮強度発現率とする。
【0229】
その結果、圧縮強度発現率は、微粉F3が73.5%、粉砕微粉F4が94.7%、粉砕微粉F5が158.4%となる。本発明の高純度の火山ガラス材は、混合セメントの原料となる混和材として、粉砕することによって、強度発現率が高くなり、平均粒径0.001mm程度にまで粉砕すると普通ポルトランドセメントを大きく上回る強度発現率を示した。
また、本発明のこれらの混和材は、普通ポルトランドセメントと異なり自硬性は無いので、ポゾラン効果を発現したものと考えられ、4週強度の向上に寄与するだけでなく、長期強度発現や耐水性、塩害抵抗性、耐酸性などの優れた効果が期待できる。
【0230】
(実施例17)
実施例10で得られた火山ガラス材細粒E2は、平均粒径0.0789mm、かさ比重1.13であった。この火山ガラス材細粒E2を、県工業技術センターで開発した炉内径130mmの媒体流動層炉において、ムライト粒子を熱媒体として、原料供給量20kg/hにて1050℃で焼成した。炉に直結したサイクロン分級機により分離回収した結果、平均粒径0.0985mm、かさ比重0.34の焼成発泡体が得られた。