/g以上のBET比表面積を有する多孔質ポリアミド粒子を含む支持体に、グリシルリザグラブラ根抽出物を含浸させた組成物。該組成物の製造方法であって、グリシルリザグラブラ根抽出物を含む液体状態の活性混合物を、ポリアミド粒子に滴下又は噴霧することにより添加すること、ポリアミド粒子が塊になり始める前に活性混合物の添加を止めること、及び好ましくは少なくとも5分間撹拌を維持すること、を含む製造方法。
グリシルリザ グラブラ根抽出物が溶媒と組み合わされており、該溶媒が好ましくはアルコール、より特に好ましくはブチレングリコールである、請求項1又は2に記載の組成物。
組成物の総重量に対して、50重量%から90重量%のポリアミド粒子と10重量%から50重量%の活性混合物、好ましくは70重量%から80重量%のポリアミド粒子と20重量%から30重量%の活性混合物とを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
ポリアミド粒子が、ポリアミド12単位を含み、好ましくは50%から100%の、さらに特に好ましくは80%から100%のモル含有量のポリアミド12単位を含み、該ポリアミド粒子が、ポリアミド12の粒子、コポリアミド6/12の粒子、コポリアミド8/12の粒子、及びコポリアミド10/12の粒子並びにその混合物から好ましくは選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
ポリアミド粒子が、有機液体中の溶液及び/又は懸濁液に含まれるラクタム及び/又はラクトンのアニオン重合により、任意選択的に無機又は有機フィラーを播種することにより得られる、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
皮膚を明るくし、皮膚上の老人性斑点若しくは褐色斑点を減少させ、かつ/又は皮膚を脱色するための、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物の使用又は請求項9若しくは10に記載の化粧品の使用。
【背景技術】
【0002】
日光又は加齢による褐色斑点を減らすことは、化粧品業界の重要な目的を構成している。なおまた、特にアジア、中南米、アフリカにおいて、皮膚(特に顔の皮膚)を明るくする傾向が非常に顕著である。
【0003】
甘草(グリシルリザ グラブラ(Glycyrrhiza glabra))根抽出物の疎水性画分の主要成分であるグラブリジンは、皮膚を明るくし脱色する効果で知られている。それにもかかわらず、この物質は、特に特定のアルコール系溶媒に限定されたその溶解度のために、化粧品に配合処方するには注意が必要である。
【0004】
文献 国際公開第98/58628号は、皮膚の明るさ又はホワイトニングのための化粧品組成物に関する。該組成物は、ホワイトニング剤と、スクラブ剤と、スクラブ剤用の吸着性又は吸収性微粒子状担体と、被膜剤.を含む化粧料基材とを含む。
【0005】
文献 国際公開第2006/037665号は、ポリアミド粒子を含む粉末相と、脂肪相と、少なくとも一の感湿活性化合物とを含む無水化粧品組成物を開示している。対象用途としては、例えば脂性皮膚のケア又は皮膚の漂白である。
【0006】
また、出願人は、粒子と活性化合物との組み合せを開示している他の文献を認識している。
【0007】
例えば、文献 国際公開第96/21422号は、極性の活性外皮用剤と、本剤用の吸着性又は吸収性の微粒子状担体と、疎水性化粧料基材とを含む無水化粧品組成物について記載している。
【0008】
文献 米国特許出願公開第2002/0176843号は、特に刺激剤をさらに含む組成物における、抗刺激剤としてのポリアミド粒子の使用について記載している。
【0009】
文献 欧州特許(EP)第1493433号は、化粧品又は医薬品活性化合物が装填されている多孔性粒子について記載している。
【0010】
文献 フランス特許(FR)第2944443号は、化粧品又は医薬品を含む、ポリアミド系遊離粉末の粒子を製造するための方法について記載している。
【0011】
ヒトの皮膚を明るくしたり、ヒトの皮膚上の褐色斑点又は老人性斑点を減らしたりするための種々の新規の化粧品組成物を提供するニーズ、また、該組成物の製造を容易にするニーズが存在する。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、まず第一に、
− 8m
2/g以上のBET比表面積を有する、多孔質ポリアミド粒子を含む支持体;
− 該支持体に含浸させる活性化粧料としてのグリシルリザ グラブラ根抽出物
を含む組成物に関する。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、組成物は、粉末状、好ましくは非凝集又は非塊化粉末状である。
【0014】
本発明の一実施態様によれば、グリシルリザ グラブラ根抽出物は、溶媒(好ましくはアルコール、より特に好ましくはブチレングリコール)と組み合わされている。
【0015】
本発明の一実施態様によれば、組成物は、その総重量に対して50重量%から90重量%のポリアミド粒子と10重量%から50重量%の活性混合物、好ましくは70重量%から80重量%のポリアミド粒子と20重量%から30重量%の活性混合物とを含む。
【0016】
本発明の一実施態様によれば、粒子のポリアミドはポリアミド12単位を含み、好ましくは50%から100%の、さらに特に好ましくは80%から100%のモル含有量のポリアミド12単位を含み、該ポリアミド粒子は、好ましくはポリアミド12の粒子、コポリアミド6/12の粒子、コポリアミド8/12の粒子、及びコポリアミド10/12の粒子並びにその混合物から選択される。
【0017】
一実施態様によれば、ポリアミド粒子は、有機液体中の溶液及び/又は懸濁液に含まれるラクタム及び/又はラクトンのアニオン重合により、任意選択的に無機又は有機フィラーを播種することにより得られる。
【0018】
一実施態様によれば、ポリアミド粒子は、3から15μm、好ましくは5から12μmの平均体積直径Dv50を有する。
【0019】
本発明の別の実施態様によれば、支持体のBET比表面積は、8から30m
2/g、好ましくは8から20m
2/g、例えば9m
2/gから16m
2/gの範囲内で選択される。
【0020】
本発明はまた、上に記載の組成物を、一又は複数の化粧品的に許容可能な担体、添加剤、及び/又は他の活性物質と組み合わせて含む化粧品にも関する。
【0021】
一実施態様によれば、該化粧品は、ローション、クリーム、ジェル、遊離粉末、圧粉又はスティックの形態である。
【0022】
本発明はまた、皮膚を明るくし、皮膚上の老人性斑点若しくは褐色斑点を減少させ、かつ/又は皮膚を脱色するための、上記組成物又は上記化粧品の使用にも関する。
【0023】
本発明はまた、以下を含む、本発明の組成物を調製するための方法にも関する。
− 滴下又は噴霧することにより、グリシルリザ グラブラ根抽出物を含む液体状態の活性混合物をポリアミド粒子に添加すること;
− ポリアミド粒子が塊になり始める前に活性混合物の添加を止めること;及び
− 好ましくは少なくとも5分間、撹拌を維持すること。
【0024】
本発明は、上述のニーズを満たすことを可能にする。より具体的には、本発明は、皮膚を明るくし、かつ皮膚上の褐色斑点又は老人性斑点を減少させるための化粧品であって、その製造が簡略化されている化粧品を提供する。
【0025】
これは、活性物質としてのグリシルリザ グラブラ根抽出物と比較的高い比表面積の多孔質ポリアミド粉末との組み合わせによって達成される。これら二つの成分は、種々の化粧品に簡単に配合処方することができる組成物の形態で組み合わされる。該組成物は、事前の可溶化を必要としない、すぐに使える組成物である。
【0026】
グリシルリザ グラブラ根抽出物は、その疎水性画分の主成分として特に、所望の効果にとりわけ有利な活性化合物であるグラブリジンを含有する。
【0027】
したがって、本発明は、エマルジョンタイプの製品の配合処方のための時間の節約及び簡略化を提供し、かつ圧粉、遊離粉末、キャスト製品又はスティック等の無水製品のための新規の技術的なソリューションを提供する。
【0028】
特定の実施態様によれば、皮膚の角質層におけるグラブリジンの拡散及び/又はグラブリジンの皮膚を明るくするか若しくは斑点を減少させる効果は、本発明によって増大される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下で、本発明について詳細に且つ非限定的に記載する。
【0030】
割合、パーセンテージ又は比率は、特に断らない限り、重量基準である。
【0031】
本発明は、支持体としての多孔質ポリアミド粒子と、支持体に含浸させる活性化粧料としてのグリシルリザ グラブラ根抽出物とを含む組成物を提供する。
【0032】
該粒子の多孔性は、比表面積(SSAとも称される)により特徴付けられる。本発明の多孔質粒子は、BET法により測定されるSSAで8m
2/g以上である。BET(Brunauer−Emmet−Teller)法は、当業者に知られている方法である。BET法は、特にThe Journal of the American Chemical Society、60巻、309頁、February 1938に記載されており、国際規格ISO 5794/1(附属書D)に対応している。BET法に従って測定される比表面積は全比表面積に相当し、すなわち細孔により形成された表面積を含む。
【0033】
粒子は、有利には遊離粉末の粒子の形態であり、すなわち凝塊物又は凝集体の形態で集合していない。
【0034】
本発明の組成物において、ポリアミド粒子は、有利には3から15μm、好ましくは5から12μmの範囲の平均体積直径Dv50を有する。この平均体積直径は、通常の技術に従い、例えばISO規格 13319準拠のCoulter製Multisizer IIパーティクルサイザー(particle sizer)により測定することができる。粒径分布に基づいて、平均直径及び粒度分布の狭小化を測定する粒径分散(標準偏差)を、1から3μm又はさらにしばしば2μm未満の標準偏差で決定することが可能である。粒子の多孔性と関連するこの粒径範囲は、遅い拡散により、表皮の角質層への活性物質の良好な浸透を可能にする。
【0035】
有利には、ポリアミド粒子は回転楕円体、すなわちほぼ球体を意味する回転楕円体の形状である。
【0036】
本願で使用される用語「ポリアミド」は、一般的な意味を持ち、すなわちホモポリアミド、コポリアミド、及びコポリエステルアミド並びにその混合物を同時に包含する。
【0037】
本発明のポリアミドは、ラクタムと、アミノ酸と、及び/又は二酸とジアミンとの縮合生成物に相当し、さらに一般的にはアミド基により相互に結合される単位により形成されたポリマーに相当する。
【0038】
本発明のポリアミドはまた、欧州特許(EP)第1172396号に記載の通り、コポリエステルアミドをもたらす一又は複数のラクトンとラクタム(複数可)との共重合からも生じ得る。
【0039】
本明細書における用語「モノマー」は、「繰り返し単位」としての意味に解されるべきである。ポリアミドの繰り返し単位が二酸とジアミンとの組み合わせから成る場合は特別である。それはジアミンと二酸との組み合せ、つまり(等モル量の)ジアミン−二酸カップルであり、モノマーに相当すると考えられる。これは、二酸又はジアミンが個々には構造単位にすぎず、それ自体では重合するのに不十分であるという事実によって説明される。本発明の粒子が少なくとも二の異なるモノマーを含む場合、それらはコポリアミド又はコポリエステルアミドのようなコポリマーを形成する。
【0040】
ラクタムの例としては、主環に3から12個の置換可能な炭素原子を有するものが挙げられる。例えば、β,β−ジメチルプロピオラクタム、α,α−ジメチルプロピオラクタム、アミロラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタム、2−ピロリドン、及びウリルラクタムが挙げられる。
【0041】
二酸(又はジカルボン酸)の例としては、4から18涸の炭素原子を有する酸が挙げられる。例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、スベリン酸、イソフタル酸、ブタン二酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、テレフタル酸、スルホイソフタル酸のナトリウム塩又はリチウム塩、二量化脂肪酸(これらの二量化脂肪酸は、少なくとも98%の二量体含有量を有し、好ましくは水素化されている)、及びドデカン二酸HOOC−(CH
2)
10−COOHが挙げられる。
【0042】
ジアミンの例としては、6から12この原子を有する脂肪族ジアミンが挙げられる。これらは、飽和アクリル系及び/又は環状系であってもよい。例として、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、テトラメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、1,5−ジアミノヘキサン、2,2,4−トリメチ(trimethy)−1,6−ジアミノヘキサン、ジアミンポリオール(diamine polyol)、イソホロンジアミンジアミン(IPD)、メチルペンタメチレンジアミン(MPDM)、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン(BACM)、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(BMACM)、メタ−キシリレンジアミン、ビス−p−アミノシクロヘキシルメタン、及びトリメチルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。
【0043】
アミノ酸の例として、アルファ、オメガ−アミノ酸、例えばアミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、n−ヘプチル−11−アミノウンデカン酸、及び12−アミノドデカン酸.が挙げられる。
【0044】
ラクトンの例として、カプロラクトン、バレロラクトン、及びブチロラクトンが挙げられる。
【0045】
本発明において優先的に用いられるモノマーは、例えばラウリルラクタム、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタムなどのラクタム又はその混合物から選択される。ラウリルラクタムは、好ましくは単独で又はカプロラクタムとの混合物として用いられる。
【0046】
好ましくは、本発明のポリアミド粒子は、含浸前に、50%から100%、好ましくは80%から100%の範囲に含まれるモル含有率のポリアミド12を含む。
【0047】
一態様によると、ポリアミド粒子は、ポリアミド12粒子又はコポリアミド6/12粒子又はコポリアミド8/12粒子又はコポリアミド10/12粒子である。ポリアミド粒子は、好ましくはポリアミド12粒子及び/又はコポリアミド6/12粒子である。
【0048】
好ましくは、前記ポリアミドベースの粉末粒子は、少なくとも一部は有機液体中の溶液及び/又は懸濁液に含まれるラクタム(複数可)及び/又はラクトン(複数可)のアニオン重合により、任意選択的に無機又は有機フィラーを播種することにより得られる。例えば、文献 欧州特許(EP)第0192515号及びフランス特許第2910900号に記載の方法を参照することができる。ポリアミド粒子は、アルケマよりOrgasol(登録商標)の商品名で販売されている粉末に相当しうる。
【0049】
ポリアミド12から成るか又はポリアミド12単位を主に含有するポリアミド粒子を使用することの利点の一つは、皮膚の表面の構成成分と本ポリマーとの非常に高い適合性である。ポリアミド12鎖の分子構造は、表皮の上層の主な構成成分であるセラミド、コレステロール、及び脂肪酸のものといくつかの点において類似している。
【0050】
ポリアミド12鎖は、12個の炭素原子を含み、皮膚の脂質成分のものと類似の親油性の脂肪鎖を形成する炭化水素ベースの単位を含有する。それ故、ポリアミド12鎖は、皮膚との高い適合性、すなわち柔らかさ、刺激の欠如、優れた持続性を提供する。最後に、ポリアミド12鎖のアミド官能基は、皮膚のセラミドのアミド官能基との水素結合を確立し、本発明の粒子と皮膚表面との適合性を強化し、皮膚表面への粒子の付着を延長する極性官能基である。これは、活性物質が装填されている粒子と、皮膚表面との間の接触を延長し、かつ皮膚表面での該物質の有効性を最適化することを可能にする。
【0051】
本発明で用いられるグリシルリザ グラブラ(甘草)根抽出物は、活性物質として特にグラブリジン、すなわち以下の式:
を有する化合物を含有する。
【0052】
グリシルリザ グラブラ根抽出物は、溶媒と組み合わせて提供され、したがって「活性混合物」を形成する。
【0053】
溶媒は、好ましくはアルコール、さらに特に好ましくは植物性のアルコール、特にブチレングリコールである。エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及び種々のアルコールの混合物を使用してもよい。
【0054】
溶媒中のグリシルリザ グラブラ根抽出物の重量濃度は、例えば0.1%から20%、特に0.5%から12%、又は1%から10%、例えば約3%から8%である。
【0055】
本発明の組成物において、ポリアミド粒子の重量割合は50%から90%であり、活性混合物の重量割合は10%から50%であり、好ましくは、ポリアミド粒子の重量割合は70%からら80%であり、活性混合物の重量割合は20%から30%である。
【0056】
好ましくは、本発明の組成物中のグラブリジン重量割合は0.05%から1%、特に0.1%から0.5%である。グラブリジンは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量的に決定されうる。
【0057】
本発明の組成物は、上述のポリアミド粒子と活性混合物から本質的に成るか、又はそれらから成ることができる。あるいは、本組成物は、顔料又は防腐剤などの種々の添加剤を含むことができる。
【0058】
本組成物はまた、一又は複数の他の活性物質、特に化粧品的に活性な物質、例えば皮膚を明るくすること又は皮膚斑点の減少を促進させる他の物質を含むことができる。このような活性物質は、特にコウジ酸、エラグ酸、アルブチン及びその誘導体、ヒドロキノン、アミノフェノール誘導体、特にN−コレステリルオキシカルボニル−パラ−アミノフェノール及びN−エチルオキシカルボニル−−パラ−アミノフェノール、イミノフェノール誘導体、L−2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸又はプロシステイン並びにその塩及びエステル、D−パンテテインスルホン酸カルシウム、アルブチン、及びグリシルリザ グラブラの他の誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、特にアスコルビルグルコシド、並びにブラックベリー、タツナミソウ、及びオトメアゼナ根抽出物等の植物の抽出物を含んでもよい。
【0059】
特定の一実施態様によれば、上記組成物は、脂肪相(特にオイル及び/又はロウなど、さらに一般的には25℃の温度で脂肪相であり、マカッチャン及びCTFA辞書の意義の範囲内で界面活性剤特性なしの化合物から成るもの)を含まない。
【0060】
本発明の組成物は、ポリアミド粒子を上述の活性混合物と接触させることにより製造することができる。特に、これを以下により行うことができる:
− 滴下又は噴霧することにより、遊離粉末状のポリアミド粒子に(液体状態の)活性混合物を撹拌しながら添加すること;
− 粉末粒子が塊になり始める前に添加を止めること;
− 少なくとも5分間、好ましくは少なくとも20分間撹拌を維持すること;次いで
− 活性混合物を含浸させた、得られた遊離粉末を回収すること。
【0061】
文献 フランス特許第2944443号はこの種の方法の例を提供している。特に、前記文献の実施例1が(類推によって)参照される。
【0062】
本発明の組成物は、化粧品(又は化粧品組成物)、特にローション、クリーム、ジェル、水/油若しくは油/水エマルジョン(該油はシリコーン又は非シリコーン油である)、遊離粉末、圧粉(又はコンパクトパウダー(compact powder))、キャスト製品(ファンデーション、リップスティックなど)又はスティックタイプの化粧品に組み込むことができる。本発明の組成物は、消臭若しくは制汗製品に組み込むか又はそれらと混合することができる。
【0063】
化粧品は、コンシーラー製品又はボディー及び/若しくは顔をメーキャップするための製品、又はファンデーション、又はフェイスケア若しくはボディーケア製品でありうる。
【0064】
化粧品は、本発明の組成物に加え、化粧品用途に適合性のある一又は複数担体、特にリキッドタイプのもの、例えば水、水性−アルコール性溶媒、一若しくは複数のオイル又はその混合物なども含みうる。オイルとして、植物性若しくは動物性の合成油又は天然油が使用されうる。一又は複数のロウ(合成又は植物性又は動物性ロウ)も含まれうる。
【0065】
それは、一又は複数の追加の活性物質(特に化粧品的に活性な物質)も含みうる。それはまた、フィラー、例えばタルク、セルロース又はフッ素金雲母も含みうる。それはまた、増粘剤(特にキサンタンガム)、界面活性剤、染料、顔料、香料、防腐剤、物理的及び化学的日焼け止め剤、金属イオン封鎖剤、ポリオール(特にグリセリン)などの保湿剤、pH調整剤(酸及び/又は塩基)又は酸化防止剤.などの添加剤も含みうる。
【0066】
一実施態様によれば、化粧品は白色顔料を含まない。
【0067】
化粧品は、それにもかかわらず、日焼け止めとしてナノ粒子を含んでもよい。
【0068】
本発明の化粧品は、種々の化合物を単純に混合することにより、従来の方法で製造することができる。
【0069】
本発明の組成物は、化粧品中に、例えば0.1%から20%、好ましくは0.5%から15%、さらに特に好ましくは1%から10%、特に2%から8%、例えば約3%から5%の重量割合で存在する。
【0070】
本発明の組成物は、それから調製される化粧品と同様に、均一で明るい顔色、皮膚を明るくすること、皮膚の脱色又は皮膚上の褐色斑点若しくは老人性斑点の減少若しくは予防を得るために使用されうる。
【0071】
好ましくは、本発明の組成物は、それから調製される化粧品と同様に、長期的な持続性を提供する。
【0072】
好ましくは、グラブリジンは、チロシナーゼ活性及び/又はスーパーオキシドアニオン生成及び/又はシクロオキシゲナーゼ活性を阻害するように本発明において使用される。
【0073】
本発明の組成物はまた、皮膚への「ソフトフォーカス」効果、皮脂吸収効果、及び結合又は圧縮効果(コンパクトパウダー状の製品の場合)も提供し、かつ改善された官能プロファイル(sensory profile)を有する。
【実施例】
【0074】
以下の実施例は本発明を限定することなく説明する。
【0075】
実施例1-化粧品配合処方
以下の重量組成を有する、皮膚を明るくするための水中油型化粧用クリームの配合処方Aが調製される。
− 水:83.44%
− クロルフェネシン(Chlorophenesin):0.28%
− キサンタンガム:0.2%
− ヒドロキシエチルアクリレート及びアクリロイルタウレート/ナトリウムジメチルコポリマー:0.5%
− アラキジルアルコール及びベヘニルアルコール並びにアラキジルグルコシド:3.0%
− カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド:5.0%
− シクロヘキサシロキサン:1.0%
− フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセリン:0.5%
− 酸化防止剤:0.08%
− グリセリン:3.0%
− 本発明の組成物:3.0%
以下の重量組成を有する、皮膚上の褐色斑点を減らすための化粧用スティックの配合処方Bが調製される。
− オクチルドデカノール:21.1%
− ホホバエステル:13.0%
− オゾケライト:2.0%
− セラアルバ:8.9%
− カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド:4.1%
− イソステアリン酸イソステアリル:10.5%
− ペンタエリスリチルテトラカプリレート/カプラート:35.6%
− 酸化防止剤:0.05%
− ジメチコン/ジナトリウムステアロイルグルタメート/アルミニウムヒドロキシド:1.5%
− 合成フッ素金雲母、二酸化チタン:0.25%
− 本発明の組成物:3.0%
以下の重量組成を有する、皮膚を明るくするため及び欠陥を取り除くための化粧用圧粉の配合処方Cが調製される。
− オクチルドデシルキシロシド:5.0%
− イソステアリン酸イソステアリル:3.0%
− タルク:44.7%
− 雲母:30.0%
− タルク及びジナトリウムステアロイルグルタメート/アルミニウムヒドロキシド:5.0%
− セルロース:5.0%
− サリチル酸:0.2%
− 顔料:2.1%
− 本発明の組成物:5.0%
皮膚のクレンジングの後に、また場合によりクリーム塗布の前に塗布されることを意図した、皮膚を明るくするためのアルコール性ローションの、以下の配合処方Dが調製される。
− 1,3−ブチレングリコール:7.00%
− アルコール:8.00%
− PEG−40水素化ヒマシ油:1.00%
− ポリアクリレートクロスポリマー−6:0.10%
− キサンタンガム:0.10%
− セルロース:5.0%
− EDTAジナトリウム:0.05%
− 水:79.15%
− PEG/PPG−17/6コポリマー:3.00%
− フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン:0.60%
− 本発明の組成物:1.0%
上記の三つの配合処方において、本発明の組成物は、コポリアミド6/12粒子(75重量%)とブチレングリコール中グリシルリザ グラブラ根抽出物(25%).から製造される。
該粒子は、10μmの平均直径Dv50を有する。
本発明の組成物は、5から9のpH、例えば7.5のpHを有する。
【0076】
実施例2-有効性テスト
実施例1の配合処方Aは、皮膚の褐色斑点の視認性の低減のために、本発明の組成物以外は配合処方Aと同じ(該組成物は3%の水と置き換えられている)であるコントロール配合処方A’と比較して、被験者でテストされる。
これらの配合処方は、配合処方Aを顔の半分に、配合処方A’を顔のもう半分に、また手にも毎日塗布するボランティアによりテストされた。ボランティアは、顔及び手に斑点のある女性20名であった。
褐色斑点の視認性の低減についての有効性は、三つの異なる方法、すなわち画像解析によって、色彩色差計を用いる測定により、及び臨床評価により、評価される。この評価は、治療開始後28日目及び56日目に実施される。
結果は、(治療開始時の初期値に比した変動として)以下の表にまとめられる:
色彩色差計による斑点の強度評価に関して、示されたパラメーターはITA角度(ITA angle)であることが明記されなければならない。高い値は、斑点の低い強度に対応し、低い値は、斑点の高い強度に対応する。