特開2019-71412(P2019-71412A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-71412(P2019-71412A)
(43)【公開日】2019年5月9日
(54)【発明の名称】チップパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/50 20060101AFI20190412BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20190412BHJP
【FI】
   H01L23/50 F
   H01L23/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-186907(P2018-186907)
(22)【出願日】2018年10月1日
(31)【優先権主張番号】62/568,803
(32)【優先日】2017年10月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】106146106
(32)【優先日】2017年12月27日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】高 國書
(72)【発明者】
【氏名】張 道智
(72)【発明者】
【氏名】陳 文志
(72)【発明者】
【氏名】余 泰君
(72)【発明者】
【氏名】邱 柏凱
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲彦▼廷
(72)【発明者】
【氏名】韓 偉國
【テーマコード(参考)】
5F067
5F136
【Fターム(参考)】
5F067AA03
5F067BE06
5F067CA02
5F136BC06
5F136DA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リードフレームと、第1チップと、放熱構体と、絶縁カプセル体と、を備えるチップパッケージを提供する。
【解決手段】チップパッケージ10において、リードフレーム100は、第1表面112及び第1表面112とは反対側の第2表面114があるチップパッド110と、チップパッド110に接続したリード120とを有する。第1チップ210は、チップパッド110の第1表面112上に配置し、またリードフレーム100のリード120及びリード120を介して絶縁カプセル体400の外部に電気的に接続する。放熱構体300は、チップパッド110の第2表面114上に配置し、また第2表面114に付着した熱界面材料層310を有する。絶縁カプセル体400は、第1チップ210、放熱構体300及びリードフレーム100の一部分を封入する。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップパッケージにおいて、
チップパッド及び前記チップパッドに接続したリードを有するリードフレームであって、前記チップパッドは第1表面及び前記第1表面とは反対側の第2表面を有する、該リードフレームと、
前記チップパッドの前記第1表面上に配置し、また前記リードフレームの前記リードに電気的に接続された第1チップと、
前記チップパッドの前記第2表面に配置され、前記チップパッドの前記第2表面に付着した熱界面材料層を備える放熱構体であって、前記熱界面材料層は100μm〜300μmの間における厚さを有する、該放熱構体と、並びに
前記第1チップ、前記放熱構体、及び前記リードフレームの一部分を封入する絶縁カプセル体であって、前記第1チップは前記リードを介して前記絶縁カプセル体の外部に電気的に接続される、該絶縁カプセル体と
を備える、チップパッケージ。
【請求項2】
チップパッケージにおいて、
第1表面及び前記第1表面とは反対側の第2表面を有しかつリードを有するリードフレームと、
前記リードフレームの前記第1表面上に配置され、かつ前記リードフレームに電気的に接続されたチップと、
前記リードフレームの前記第2表面上に配置された放熱積層構体であって、
前記チップに対面する側の頂面を有する第1熱界面材料層、及び
前記リードフレームと前記第1熱界面材料層との間に配置されかつ第1熱界面材料層の前記頂面をカバーする第2熱界面材料層
を有し、前記第2熱界面材料層は、前記リードフレームの前記第2表面に連結される頂面及び前記頂面とは反対側の底面を有し、前記第1熱界面材料層における前記頂面の面積は、前記第2熱界面材料層における前記底面の面積に等しくかつ前記第2熱界面材料層における前記頂面の面積より大きい、該放熱積層構体と、並びに
前記チップ、前記放熱積層構体、及び前記リードフレームを封入する絶縁カプセル体であって、前記リードフレームの前記リードは前記絶縁カプセル体内から突出する、該絶縁カプセル体と
を備える、チップパッケージ。
【請求項3】
チップパッケージにおいて、
チップと、
前記チップを担持しかつ前記チップに電気的に接続されるチップキャリヤと、
前記チップキャリヤの前記チップを担持する側の側面とは反対側の側面に配置される放熱積層構体であって、
第1熱界面材料層、
前記第1熱界面材料層上に積層される第2熱界面材料層、及び
前記第2熱界面材料層上に積層され、かつ前記チップキャリヤと前記第2熱界面材料層との間に配置される第3熱界面材料層であり、前記第2熱界面材料層の材料は、前記第1熱界面材料層の材料及び前記第3熱界面材料層の材料とは異なる、該第3熱界面材料層
を有する、該放熱積層構体と、並びに
前記チップ、前記放熱積層構体、及び前記チップキャリヤを封入する絶縁カプセル体であって、前記前記チップキャリヤの一部分を露出させる、該絶縁カプセル体と
を備える、チップパッケージ。
【請求項4】
チップパッケージにおいて、
放熱デバイスと、
前記放熱デバイス上に配置され、100μm〜300μmの間における厚さを有する熱界面材料層と、
前記熱界面材料層上に配置されたパターン形成回路層であって、前記熱界面材料層は前記パターン形成回路層と前記放熱デバイスとの間に配置されている、該パターン形成回路層と、
前記パターン形成回路層上に配置されかつ前記パターン形成回路層に電気的に接続されているチップと、並びに
前記チップ、前記パターン形成回路層、及び前記熱界面材料層を封入する絶縁カプセル体と
を備える、チップパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ構体、及びより具体的にはチップパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的周波数の電気機器におけるコンプレッサ又はモータの制御システムの駆動システムチップ及び電源モジュールチップの多くは、分離型デバイスを使用して封入し、次に単一パッケージデバイスをシステムボード上で組み立てている。電源デバイスの電力密度を向上させ、かつ低コスト要望を達成するため、複数個の半導体デバイスが1つのパッケージ構体内で組み合わせられ、これにより小さい体積を有するパッケージ構体で高出力電力を供給して電力密度を向上させるよう、統合型又はインテリジェントな電源モジュール(IPM)が徐々に開発されてきた。このような統合型電源モジュールにとっては、電源モジュールの放熱特性が極めて重要である。
【0003】
現行の統合型電源モジュールの多くは、絶縁及び放熱の経路のためにダイレクトボンド銅(DBC)セラミック基板又はダイレクトめっき銅(DPC)セラミック基板を採用している。しかし、DBC/DPC基板におけるセラミック材料の厚さは約0.385mm〜0.635mmであり、また電源モジュールの熱抵抗は大きな厚さに起因して効果的に減らすことはできず、したがって、電源モジュールの放熱性能が影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、チップ及び放熱構体をそれぞれリードフレームのチップパッドにおける2つの対向する両側の表面に配置するチップパッケージを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、リードフレーム、第1チップ、放熱構体、及び絶縁カプセル体を備えているチップパッケージを提供する。リードフレームはチップパッド及び前記チップパッドに接続したリードを有し、また前記チップパッドは第1表面及び前記第1表面とは反対側の第2表面を有する。前記第1チップは、前記チップパッドの前記第1表面上に配置し、また前記リードフレームの前記リードに電気的に接続されている。前記放熱構体は、前記チップパッドの前記第2表面に配置され、また前記チップパッドの前記第2表面に付着した熱界面材料層を備える。前記熱界面材料層は、3W/mK〜15W/mKの間における熱伝導率、及び100μm〜300μmの間における厚さを有する。前記絶縁カプセル体は、前記第1チップ、前記放熱構体、及び前記リードフレームの一部分を封入し、また前記リードフレームの前記リードを露出させる。前記第1チップは前記リードを介して前記絶縁カプセル体の外部に電気的に接続される。
【0006】
本発明は、リードフレーム、チップ、放熱積層構体、及び絶縁カプセル体を備えているチップパッケージを提供する。前記リードフレームは第1表面及び前記第1表面とは反対側の第2表面を有する。前記リードフレームはリードを有する。前記チップは、前記リードフレームの前記第1表面上に配置され、かつ前記リードフレームに電気的に接続される。前記放熱積層構体は前記リードフレームの前記第2表面上に配置される。前記放熱積層構体は第1熱界面材料層及び第2熱界面材料層を有する。前記第1熱界面材料層は前記チップに対面する側の頂面を有する。前記第2熱界面材料層は、前記リードフレームと前記第1熱界面材料層との間に配置されかつ第1熱界面材料層の前記頂面をカバーする。前記第2熱界面材料層は、前記リードフレームの前記第2表面に連結される頂面及び前記頂面とは反対側の底面を有する。前記第1熱界面材料層における前記頂面の面積は、前記第2熱界面材料層における前記底面の面積に等しくかつ前記第2熱界面材料層における前記頂面の面積より大きい。前記絶縁カプセル体は前記チップ、前記放熱積層構体、及び前記リードフレームを封入し、また前記リードフレームの前記リードは前記絶縁カプセル体内から突出する。
【0007】
本発明は、チップ、チップキャリヤ、放熱積層構体、及び絶縁カプセル体を備えているチップパッケージを提供する。前記チップキャリヤは、前記チップを担持しかつ前記チップに電気的に接続される。前記放熱積層構体は、前記チップキャリヤの前記チップを担持する側の側面とは反対側の側面に配置される。前記放熱積層構体は、第1熱界面材料層、第2熱界面材料層、及び第3熱界面材料層を有する。前記第2熱界面材料層は前記第1熱界面材料層上に積層される。前記第3熱界面材料層は、前記第2熱界面材料層上に積層され、かつ前記チップキャリヤと前記第2熱界面材料層との間に配置される。前記第2熱界面材料層の材料は、前記第1熱界面材料層の材料及び前記第3熱界面材料層の材料とは異なる。前記絶縁カプセル体は、前記チップ、前記放熱積層構体、及び前記チップキャリヤを封入し、かつ前記前記チップキャリヤの一部分を露出させる。
【0008】
本発明は、放熱デバイス、熱界面材料層、パターン形成回路層、チップ、及び絶縁カプセル体を備えているチップパッケージを提供する。前記熱界面材料層は前記放熱デバイス上に配置される。前記熱界面材料層は、3W/mK〜15W/mKの間における熱伝導率、及び100μm〜300μmの間における厚さを有する。前記パターン形成回路層は、前記熱界面材料層上に配置される。前記熱界面材料層は前記パターン形成回路層と前記放熱デバイスとの間に配置される。前記チップは、前記パターン形成回路層上に配置されかつ前記パターン形成回路層に電気的に接続される。前記絶縁カプセル体は、前記チップ、前記パターン形成回路層、及び前記熱界面材料層を封入する。
【発明の効果】
【0009】
上述のことに基づいて、本発明の実施形態においては、リードフレームのチップパッドの両側2つの表面にそれぞれチップ及び放熱構体を配置することによって、チップの動作から発生する熱はリードフレーム及び放熱構体を介して外部に伝導することができる。このような構成によれば、熱伝導距離がより短くなり、また熱伝導率がより高くなり、したがって、チップパッケージの放熱効率が向上する。本発明の実施形態における放熱構体は、熱界面材料の単一層、2重層、又は複数層を有して高い放熱特性を得ることができ、これによりチップの動作中に発生する大量の熱は、熱界面材料を介して迅速に伝導され、また熱伝導率に乏しい絶縁カプセル体経由の伝導なしに外部に放散させることができる。2重の熱界面材料層を有する実施形態においては、第1熱界面材料層及び第2熱界面材料層の界面における接触面の面積が増大することによって、放熱構体の放熱性能が向上する。複数の熱界面材料を有する実施形態において、第1熱界面材料層と第3熱界面材料層との間に配置する第2熱界面材料層は、3つの層のうちで最も高い熱伝導率及び最も大きい厚さを有する。この構成によれば、放熱構体の熱伝導率は増加し、これによりチップの動作中に発生した熱は、チップパッケージ内から効果的に外部に放散することができる。さらに、熱界面材料層内に熱ブロックを配置することによって、放熱構体の熱伝達特性が向上する。さらに、放熱構体は放熱デバイスを有することができ、また熱界面材料を放熱デバイスとチップとの間に配置することによって、チップパッケージの放熱効率が向上する。
【0010】
さらに本発明を詳細に説明するため、幾つかの例示的実施形態を以下に添付図面につき詳細に記載する。
【0011】
添付図面は、よりよく理解してもらうために設けたものであり、本明細書の一部に組み入れ、また一部を構成するものである。図面は、例示的実施形態を示すものであり、また明細書の記載とともに本発明の原理を説明するのに提示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本発明の第1実施形態によるチップパッケージにおけるリードフレーム及びチップの概略的な平面図である。
図1B】本発明の第1実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。
図2】本発明の第2実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。
図3】本発明の第3実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。
図4】本発明の第4実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。
図5】本発明の第5実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。
図6】本発明の第6実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。
図7】本発明の第7実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。
図8】本発明の第8実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。
図9】本発明の第9実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。
図10】本発明の第10実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1実施形態
図1Aは、本発明の第1実施形態によるチップパッケージにおけるリードフレーム及びチップの概略的な平面図であり、また図1Bは、本発明の第1実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。図1A及び1Bにつき説明すると、この実施形態のチップパッケージ10は、リードフレーム100と、第1チップ210と、放熱構体300と、及び絶縁カプセル体400とを備えることができる。図1Aの概略的平面図においては、リードフレームとチップとの間の構成を示すため、リードフレーム及びチップを封入する絶縁カプセル体を示していない。絶縁カプセル体は、図1Bの概略的断面図で示すように構成され、また図1Bは、例えば、図1Aの破線A−Aに沿う概略的断面図である。リードフレーム100は、チップパッド110と、このチップパッド110に接続したリード120とを有する。リードフレーム100の材料としては、アルミニウム、銅、等のような適当な金属材料がある。幾つかの実施形態において、リードフレームとしては、チップキャリヤ、絶縁金属基板、又はパターン形成した回路層があり、またそれらの詳細は後で他の実施形態で説明する。リードフレーム100のチップパッド110は、第1表面112と、この第1表面112の反対側の第2表面114とを有する。第1チップ210はチップパッド110の第1表面112上に配置し、またリードフレーム100のリード120に電気的に接続する。第1チップ210は、リード120を介して絶縁カプセル体400の外部に電気的に接続する。リード120は、インナーリード120aと、このインナーリード120aに接続する端部を有するアウターリード120bとを含む。例えば、アウターリード120bのインナーリード120aに接続しない他方の端部は、絶縁カプセル体400の厚さ方向に向かってインナーリード120aから離れるよう突出することができる。絶縁カプセル体400は、リードフレーム100のチップパッド110を封入し、またチップパッド110のインナーリード120aに接触し、またアウターリード120bを露出させる。幾つかの実施形態において、リードフレーム100は、チップパッド110を包囲する複数個のリード120を有し、またリード120及びチップパッド110は異なる高さに位置付ける。換言すれば、リードフレーム100におけるチップパッド110及びリード120は、窪んだ形状に配置することができる。
【0014】
幾つかの実施形態において、第1チップ210の材料は、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ガリウム、等々を含むことができるが、本発明の実施形態においてはこれらに限定するものではない。例えば、第1チップ210は、接続材料212を介してチップパッド110上に備え付けることができる。例えば、接続材料212は、はんだ、銀ペースト、銅ペースト、銀接着剤、銅接着剤等の導電性のものとすることができる。第1チップ210の動作中、結果として生ずる第1チップ210の熱は、接続材料212を介してリードフレーム100及び放熱構体300に伝達される。幾つかの実施形態において、接続材料212としては、有機系のエポキシ基又はエポキシ基を含む絶縁接着物質を有することができる。幾つかの実施形態において、チップパッド110の第1表面112に溝112aを設け、また第1チップ210は、例えば、この溝112aで画定される領域に位置付ける。換言すれば、溝112aは、第1チップ210を包囲することができる。幾つかの実施形態において、互いに接続されない複数個の溝112aを、第1チップ210周縁に設けて配列することができる。溝112aは、第1チップ210をチップパッド110に接着するプロセスからの過剰な接着物質を捕集し、接着物質がチップパッド110の他の領域を汚染するのを防止できるようにする。
【0015】
図1Bに示す断面図では溝112aはU字状である。他の実施形態においては、溝112aは、V字状、矩形溝、又は他の適当な形状とすることができる。他の実施形態において、溝112aはホールピース溝とすることができ、また第1チップ210は、例えば、ホールピース溝112a内に位置付ける。本発明の実施形態は溝112aのサイズは限定しないが、より大きい深さの溝112aはチップパッド110の構造的完全性を減少させ得る。したがって、溝112aのサイズは、チップパッケージ10に加わる応力の程度及びタイプ、並びに他の設計上の要件に従って決定することができる。
【0016】
幾つかの実施形態において、第1チップ210は、ワイヤボンディングを介してリードフレーム100に電気的に接続する。例えば、リード(図1A及び図1Bで太い実線で示す)は、アルミニウムワイヤ、銀ワイヤ、銅ワイヤ、アルミニウムバンド、銀バンド、銅バンド、銅パッド等々とすることができる。他の実施形態において、第1チップ210は、フリップチップボンディングによりリードフレーム100に電気的に接続することもできる。幾つかの実施形態において、第1チップ210は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、又はダイオードのような電力チップとすることができる。図1A及び図1Bに示すチップパッケージ10は2個の第1チップ210を有する。第1チップ210の個数は例示的なものであり、第1チップ210の個数及び位置は設計要件に基づいて変更することができる。
【0017】
チップパッケージ10の放熱構体300は、例えば、チップパッド110の第2表面114上に配置する。放熱構体300は熱界面材料(TIM)層310を有する。幾つかの実施形態において、熱界面材料層310はチップパッド110の第2表面114上に取り付けて、第1チップ210の動作から発生した熱を外部に放散できるようにする。幾つかの実施形態において、熱界面材料層310の幅はチップパッド110の幅よりも大きくすることができる。他の実施形態において、熱界面材料層310の幅は、チップパッド110の幅に等しいか又はそれよりも小さいものとすることができる。例えば、熱界面材料層310の厚さは100μm〜300μmとすることができる。熱界面材料層310は、低熱抵抗、高熱伝導率、及び高電気抵抗の材料特性を有する。例えば、熱界面材料層310の材料としては、ケイ素、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、又は他の適当な材料があり得る。幾つかの実施形態において、熱界面材料層310の熱伝導率は3W/mK〜15W/mKである。
【0018】
幾つかの実施形態において、放熱構体300は、さらに放熱デバイス320を有する。この放熱デバイス320は絶縁カプセル体400内に封入することができる。熱界面材料層310は、放熱デバイス320とチップパッド110との間に配置して、チップパッド110と放熱デバイス320との間のボンディングギャップを填隙し、チップパッド110と放熱デバイス320との間の放熱面積を拡大できるようにし、これにより放熱デバイス320の機能を十分に引き出すことができる。放熱デバイス320の材料としては、アルミニウム、銅、又は他の適当な金属材料又はセラミック材料があり得る。幾つかの実施形態において、放熱デバイス320の熱伝導率は、熱界面材料層310の熱伝導率及び絶縁カプセル体400の熱伝導率よりも高い。例えば、放熱デバイス320はヒートシンクを有することができる。放熱デバイス320の材料の熱伝導率及び熱拡散率が高ければ高いほど、放熱デバイス320の放熱効率がよくなる。熱伝導率に乏しい材料は、第1チップ210から放熱デバイス320への熱伝導経路には使用しない。したがって、第1チップ210と放熱デバイス320との間の熱抵抗は低く、これによりチップパッケージ10は高い放熱効率を有する。
【0019】
幾つかの実施形態において、随意的に熱ブロック330を熱界面材料層310内に配置することができる。例えば、熱ブロック330は、高い熱伝導率を有する材料、例えば、放熱構体300の放熱性能を向上させる金属、セラミック、又は他の適当な材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、熱ブロック330の形状としては、例えば、円形、円筒形、方形カラム等があるが、本発明の実施形態はこれらに限定するものではない。他の実施形態においては、熱ブロック330は熱界面材料層310から省くことができ、したがって、熱ブロック330は図面において破線で示す。
【0020】
絶縁カプセル体400は第1チップ210、放熱構体300、及びチップパッド110、並びにリードフレーム100のインナーリード120aを封入し、またアウターリード120bは絶縁カプセル体400の外部に露出する。したがって、チップパッケージ10は、アウターリード120bを介して他の電子デバイスに電気的に接続することができる。絶縁カプセル体400の材料には、エポキシ樹脂等のような絶縁材料があり得る。図1A及び図1Bに示すチップパッケージ10は、さらに、第2チップ220を備える。第2チップ220は、リードフレーム100のインナーリード120a上に位置付け、また絶縁カプセル体400内に封入する。換言すれば、第1チップ210の高さは、第2チップ220の高さと放熱構体300の高さとの間にある。第2チップ220は接続材料222を介してリードフレーム100上に備え付け、また接続材料222は接続材料212と同一又は類似のものとすることができるが、本発明の実施形態はこれらに限定するものではない。
【0021】
第2チップ220はリードフレーム100を介して第1チップ210に電気的に接続することができる。幾つかの実施形態において、第2チップ220の機能は第1チップ210の機能とは異なるものとすることができる。例えば、第2チップ220は、第1チップ210の動作を駆動するドライバチップである。他の実施形態において、第2チップ220は、導電ワイヤを介して第1チップ210に電気的に接続して、第1チップ210の動作を制御する制御チップとすることができる。幾つかの実施形態において、第2チップ220は、ワイヤボンディング処理で導電ワイヤを形成することによってインナーリード120a電気的に接続することができる。他の実施形態において、第2チップ220は、フリップチップ処理でリードフレーム100に電気的に接続することができる。チップパッケージ10内で第1チップ210を第2チップ220と組み合わせることによって小さい体積の統合型電源モジュールが形成される。
【0022】
この実施形態において、第1チップ210の動作中に発生した熱は、チップパッド110の第2表面114上に配置した放熱構体300によって形成される熱伝導経路を介してチップパッケージ10の外部に迅速に伝導して消散させることができる。統合型電源モジュール内の放熱経路として使用することができる従来型のダイレクトボンド銅(DBC)セラミック基板及びダイレクトめっき銅(DPC)セラミック基板と比較すると、本発明のチップパッケージ10は、簡単な処理及び低減された製造コストという利点を有し、また放熱経路として放熱構体300を使用することによって熱抵抗が30%又はそれ以上にも向上する。
【0023】
第2実施形態
図2は本発明の第2実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。図2につき説明すると、この実施形態のチップパッケージ20は第1実施形態のチップパッケージ10に類似し、また同一又は類似の参照符号は同一又は類似のコンポーネントを表し、またしたがって、図1A及び図1Bにおけるコンポーネントはここでは繰り返して説明しない。この実施形態におけるチップパッケージ20と第1実施形態におけるチップパッケージ10との相違は、チップパッケージ20がプリント回路板(PCB)500を備える点である。例えば、PCB500は、リードフレーム100のチップパッド110とリード120のインナーリード120aとの間に位置付ける。PCB500は、接続材料510を介してインナーリード120aに接続し、またチップパッド110から空間的に離間させることができる。例えば、PCB500の正射影面積及びチップパッド110の正射影面積は互いにオーバーラップしない。PCB500の正射影面積は放熱構体300の正射影面積と部分的にオーバーラップすることができる。幾つかの実施形態において、接続材料510としては、はんだ材料又は他の適当な材料があり得る。PCB500上に形成した接続材料510ははんだ接合部と称することもできる。
【0024】
幾つかの実施形態において、第2チップ220は、例えばPCB500上に配置し、またワイヤボンディング処理によりPCB500に電気的に接続することができる。PCB500の高レイアウト密度は、第2チップ220(ドライバチップ又は制御チップ)をPCB500上に配置するよう導電性である。幾つかの実施形態において、PCB500の材料は断熱材料を含み、熱が第2チップ220から伝導され、また第2チップ220にダメージを与えるのをブロックすることができる。導電ワイヤを第1チップ210とPCB500との間に形成して、第1チップ210及び第2チップ220を電気的に接続することもできる。他の実施形態において、第2チップ220は、フリップチップ処理によりPCB500に電気的に接続することができる。例えば、第2チップ220及び接続材料510はPCB500の同一表面上に配置することができる。
【0025】
第3実施形態
図3は本発明の第3実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。図3につき説明すると、この実施形態のチップパッケージ30は第1実施形態のチップパッケージ10に類似し、また同一又は類似の参照符号は同一又は類似のコンポーネントを表し、またしたがって、図1A及び図1Bにおけるコンポーネントはここでは繰り返して説明しない。この実施形態におけるチップパッケージ30と第1実施形態におけるチップパッケージ10との相違は、この実施形態のチップパッケージ30が第1リードフレーム610及びこの第1リードフレーム610に接続された第2リードフレーム620を備える点である。例えば、第1チップ210及び第2チップ220は双方ともに第1リードフレーム610の第1表面612上に配置し、また第1チップ210及び第2チップ220が配置される領域は、第1リードフレーム610のチップパッドと見なすことができる。放熱構体300は第1表面612とは反対側の第2表面614に配置する。熱界面材料層310は第2表面614に直接接触させることができる。幾つかの実施形態において、放熱構体300の端縁は第1リードフレーム610の端縁に整列することができる。
【0026】
第2リードフレーム620は、接続材料630を介して第1リードフレーム610の第1表面612上に備え付けることができる。接続材料630としては、はんだ材料又は他の適当な材料があり得る。例えば、第1チップ210及び第2チップ220は双方ともに第1リードフレーム610の第1表面612の中央領域に配置し、また第2リードフレーム620は第1リードフレーム610の第1表面612上に設けることができる。溝612aを第1リードフレーム610の第1表面612上に設ける。溝612aは第1実施形態における溝112aに類似するものとすることができ、したがって、ここでは説明を繰り返さない。幾つかの実施形態において、第2チップ220は、やはり図3に示す溝612aによって画定される領域に配置することができる。
【0027】
第4実施形態
図4は本発明の第4実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。図4につき説明すると、この実施形態のチップパッケージ40は第1実施形態のチップパッケージ10に類似し、また同一又は類似の参照符号は同一又は類似のコンポーネントを表し、またしたがって、図1A及び図1Bにおけるコンポーネントはここでは繰り返して説明しない。この実施形態におけるチップパッケージ40と第1実施形態におけるチップパッケージ10との相違は、チップパッケージ40の放熱積層構体700が第1熱界面材料層710及び第2熱界面材料層720のような2重の熱界面材料層を有する点である。第2熱界面材料層720はリードフレーム100のチップパッド110と第1熱界面材料層710との間に配置する。
【0028】
第1熱界面材料層710及び第2熱界面材料層720は、それぞれ第1チップ210に対面する側の頂面710a及び720aと、頂面710a及び720aとは反対側の底面710b及び720bを有する。第2熱界面材料層720は第1熱界面材料層710の頂面710aをカバーする。例えば、第2熱界面材料層720の頂面720aはチップパッド110の第2表面114に接続し、また第2熱界面材料層720の底面720bは第1熱界面材料層710の頂面710aに連結する。第2熱界面材料層720の頂面720aの面積はチップパッド110の底面の面積よりも大きくすることができる。
【0029】
幾つかの実施形態において、第1熱界面材料層710の頂面710aの面積は第2熱界面材料層720の頂面720aの面積よりも大きい。図4の断面において、第1熱界面材料層710及び第2熱界面材料層720の構造は互いに対応する凹凸形状である。したがって、第1熱界面材料層710の頂面710aの面積は、第2熱界面材料層720の底面720bの面積に等しい。他の実施形態において、断面は、例えば、対応する鋸歯状形状、波形形状、円錐状の交差形状等である。上述の構成により、第1熱界面材料層710及び第2熱界面材料層720の界面における接触面の面積は増大し、これにより放熱構体700の放熱性能は向上する。
【0030】
幾つかの実施形態において、第1熱界面材料層710の厚さは、第2熱界面材料層720の厚さよりも大きい。上述の厚さは、例えば最大厚さ又は平均厚さである。幾つかの実施形態において、第1熱界面材料層710の体積は第2熱界面材料層720の体積よりも大きい。例えば、第1熱界面材料層710の端縁は第2熱界面材料層720の端縁に整列させることができる。換言すれば、第1熱界面材料層710の正射影面積は第2熱界面材料層720の正射影面積と完全にオーバーラップする。他の実施形態において、第2熱界面材料層720の正射影面積は、第1熱界面材料層710の正射影面積よりも小さくし、また第1熱界面材料層710の正射影面積内に位置付けられるものとすることができる。
【0031】
第1熱界面材料層710及び第2熱界面材料層720の材料は、第1実施形態における熱界面材料層310の材料と類似したものとすることができる。幾つかの実施形態において、第1熱界面材料層710の材料は、第2熱界面材料層720の材料とは異なるものとすることができる。換言すれば、材料特性(絶縁性、熱伝導性等)の点で第1熱界面材料層710は第2熱界面材料層720とは異なる。例えば、第1熱界面材料層710の熱伝導率は第2熱界面材料層720の熱伝導率よりも大きいものとすることができる。第1熱界面材料層710の熱伝導率は、例えば、3W/mK〜15W/mKであり、第2熱界面材料層720の熱伝導率は例えば、1W/mK〜7W/mKである。幾つかの実施形態において、第1熱界面材料層710の粘性は第2熱界面材料層720の粘性よりも大きい。第1熱界面材料層710の絶縁抵抗(体積抵抗率/誘電抵抗率)は、第2熱界面材料層720の絶縁抵抗よりも小さい。幾つかの実施形態において、第1熱界面材料層710の粘着性は第2熱界面材料層720の粘着性よりも小さい。
【0032】
幾つかの実施形態において、放熱積層構体700はさらに熱ブロック730を有する。図4に示すチップパッケージ40において、熱ブロック730は第2熱界面材料層720内に配置する。幾つかの実施形態において、熱ブロック730は第1熱界面材料層710内に配置することができる。他の幾つかの実施形態において、熱ブロック730は第1熱界面材料層710及び第2熱界面材料層72にそれぞれ配置することができる。熱ブロック730の材料は、第1実施形態における熱ブロック330の材料と同一又は類似のものとすることができ、したがって、ここでは説明は繰り返さない。他の実施形態において、チップパッケージ40の熱ブロック730は、本発明の実際上の要件に基づいて省略することができ、本発明の実施形態はこれに限定するものではない。
【0033】
幾つかの実施形態において、放熱積層構体700はさらに放熱デバイス740を有する。例えば、放熱デバイス740は第1熱界面材料層710にオーバーラップし、また第1熱界面材料層710の底面710bに連結する。放熱デバイス740の端縁は第1熱界面材料層710及び/又は第2熱界面材料層720に整列させることができる。他の実施形態において、放熱デバイス740の幅は第1熱界面材料層710及び/又は第2熱界面材料層720の幅よりも大きくすることができる。熱源と接触する大きな面積に起因して、熱伝導は促進され、ことによって熱は放熱構体700を介して外部に放散することができる。
【0034】
第5実施形態
図5は本発明の第5実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。図5につき説明すると、この実施形態のチップパッケージ50は第4実施形態のチップパッケージ40に類似し、また同一又は類似の参照符号は同一又は類似のコンポーネントを表し、またしたがって、図4におけるコンポーネントはここでは繰り返して説明しない。この実施形態におけるチップパッケージ50と第4実施形態におけるチップパッケージ40との相違は、チップパッケージ50がチップパッド110とリード120との間に配置したプリント回路板(PCB)500を備える点である。PCB500の構成は第2実施形態と類似のものであり、したがって、ここではそれについて説明は繰り返さない。
【0035】
第6実施形態
図6は本発明の第6実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。図6につき説明すると、この実施形態のチップパッケージ60は第4実施形態のチップパッケージ40に類似し、また同一又は類似の参照符号は同一又は類似のコンポーネントを表し、またしたがって、図4におけるコンポーネントはここでは繰り返して説明しない。この実施形態におけるチップパッケージ60と第4実施形態におけるチップパッケージ40との相違は、この実施形態のチップパッケージ60が第1リードフレーム610及びこの第1リードフレーム610に接続された第2リードフレーム620を備える点である。第1リードフレーム610及び第2リードフレーム620の構成は第3実施形態と類似のものであり、したがって、それについて説明を繰り返さない。
【0036】
第7実施形態
図7は本発明の第7実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。図7につき説明すると、この実施形態のチップパッケージ70は第1実施形態のチップパッケージ10に類似し、また同一又は類似の参照符号は同一又は類似のコンポーネントを表し、またしたがって、図1A及び図1Bにおけるコンポーネントはここでは繰り返して説明しない。この実施形態におけるチップパッケージ70と第1実施形態におけるチップパッケージ10との相違は、チップパッケージ70の放熱積層構体800が第1熱界面材料層810、第2熱界面材料層820、及び第3熱界面材料層830のような複数の熱界面材料層を有する点である。例えば、第2熱界面材料層820は第1熱界面材料層810上に積層させ、また第3熱界面材料層830は第2熱界面材料層820上に積層させる。第3熱界面材料層830はリードフレーム100のチップパッド110と第2熱界面材料層820との間に配置する。
【0037】
幾つかの実施形態において、第2熱界面材料層820の厚さは、第1熱界面材料層810の厚さよりも大きく、また第3熱界面材料層830の厚さよりも大きい。第1熱界面材料層810の厚さは、例えば第3熱界面材料層830の厚さと同一である。例えば、第1熱界面材料層810及び第3熱界面材料層830の厚さは10μm〜50μmとの間であり、また第2熱界面材料層820の厚さは100μm〜300μmとの間であるが、本発明はこれらに限定するものではない。他の実施形態において、第2熱界面材料層820の厚さは、第1熱界面材料層810又は第3熱界面材料層830の厚さの約5〜10倍とすることができる。幾つかの実施形態において、第1熱界面材料層810、第2熱界面材料層820、及び第3熱界面材料層830の端縁は、互いに整列する。第2熱界面材料層820と第1熱界面材料層810との界面における表面積は、第2熱界面材料層820と第3熱界面材料層830との界面における表面積と同一にすることができる。例えば、第2熱界面材料層820の体積は、第1熱界面材料層810の体積よりも大きく、また第3熱界面材料層830の体積よりも大きい。他の実施形態において、第1熱界面材料層810の厚さは、第3熱界面材料層830の厚さよりも大きい又は小さいものとすることができる。第1熱界面材料層810の体積は第3熱界面材料層830の体積よりも大きい又は小さいものとすることができる。第1熱界面材料層810、第2熱界面材料層820、及び第3熱界面材料層830の端縁は不揃いのものとすることができる。例えば、端縁の断面形状は段差付き又は不均一であり、また本発明の実施形態はこれらに限定するものではない。
【0038】
第1熱界面材料層810、第2熱界面材料層820、及び第3熱界面材料層830の材料は、第1実施形態の熱界面材料層310と類似のものとすることができる。幾つかの実施形態において、第2熱界面材料層820の材料は、第1熱界面材料層810及び第3熱界面材料層830のものとは異なるものとすることができる。幾つかの実施形態において、第1熱界面材料層810、第2熱界面材料層820、及び第3熱界面材料層830の材料は、それぞれ異なるものとし、また材料の絶縁性及び熱伝導性も互いに異なるものとすることができる。例えば、第2熱界面材料層820の熱伝導率は、第1熱界面材料層810の熱伝導率よりも大きく、また第3熱界面材料層830の熱伝導率よりも大きい。例えば、第2熱界面材料層820の熱伝導率は3W/mK〜15W/mKである。第1熱界面材料層810及び/又は第3熱界面材料層830の熱伝導率は、例えば1W/mK〜7W/mKである。幾つかの実施形態において、第2熱界面材料層820の粘性は、第1熱界面材料層810の粘性よりも大きく、また第3熱界面材料層830の粘性よりも大きい。幾つかの実施形態において、第2熱界面材料層820の粘着性は、第1熱界面材料層810の粘着性よりも小さく、また第3熱界面材料層830の粘着性よりも小さいものである。
【0039】
幾つかの実施形態において、放熱積層構体800はさらに熱ブロック840を有する。例えば、熱ブロック840は、第1熱界面材料層810、第2熱界面材料層820、及び第3熱界面材料層830のうち少なくとも1つに配置することができる。図7に示すチップパッケージ70において、熱ブロック840は第2熱界面材料層820内に配置する。幾つかの実施形態において、熱ブロック840は、第1熱界面材料層810及び/又は第2熱界面材料層820及び/又は第3熱界面材料層830内に配置することができる。熱ブロック840の位置は設計要件に基づいて決定することができ、したがって、本発明の実施形態はこれに限定されない。他の実施形態において、放熱構体800内の熱ブロック840は、本発明の実際上の要件に基づいて省略することができ、本発明の実施形態はこれに限定するものではない。
【0040】
幾つかの実施形態において、放熱積層構体800はさらに放熱デバイス850を有する。例えば、放熱デバイス850は第1熱界面材料層810にオーバーラップし、また第1熱界面材料層810は、例えば放熱デバイス850と第2熱界面材料層820との間に配置する。放熱デバイス850の端縁は、第1熱界面材料層810及び/又は第2熱界面材料層820及び/又は第3熱界面材料層830に整列させることができる。他の実施形態において、放熱デバイス850の幅は、第1熱界面材料層810及び/又は第2熱界面材料層820及び/又は第3熱界面材料層830の幅よりも大きくすることができる。熱源と接触する大きな面積に起因して、熱伝導は促進され、ことによって熱は放熱構体800を介して外部に放散することができる。
【0041】
第8実施形態
図8は本発明の第8実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。図8につき説明すると、この実施形態のチップパッケージ80は第7実施形態のチップパッケージ70に類似し、また同一又は類似の参照符号は同一又は類似のコンポーネントを表し、またしたがって、図7におけるコンポーネントはここでは繰り返して説明しない。この実施形態におけるチップパッケージ80と第7実施形態におけるチップパッケージ70との相違は、チップパッケージ80がチップパッド110とリード120との間に配置したプリント回路板(PCB)500を備える点である。PCB500の構成は第2実施形態と類似のものであり、したがって、ここではそれについて説明は繰り返さない。
【0042】
第9実施形態
図9は本発明の第9実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。図9につき説明すると、この実施形態のチップパッケージ90は第7実施形態のチップパッケージ70に類似し、また同一又は類似の参照符号は同一又は類似のコンポーネントを表し、またしたがって、図7におけるコンポーネントはここでは繰り返して説明しない。この実施形態におけるチップパッケージ90と第7実施形態におけるチップパッケージ70との相違は、この実施形態のチップパッケージ90が第1リードフレーム610及びこの第1リードフレーム610に接続された第2リードフレーム620を備える点である。第1リードフレーム610及び第2リードフレーム620の構成は第3実施形態と類似のものであり、したがって、それについて説明を繰り返さない。
【0043】
第10実施形態
図10は本発明の第10実施形態によるチップパッケージの概略的な断面図である。この実施形態において、上述した実施形態と同一又は類似の参照符号は同一又は類似のコンポーネントを表し、またしたがって、同一又は類似のコンポーネントはここでは繰り返して説明しない。図10につき説明すると、この実施形態のチップパッケージ95は、放熱デバイス320、熱界面材料層310、パターン形成回路層900、チップ210′、及び絶縁カプセル体400を備える。熱界面材料層310は放熱デバイス320上に配置することができる。幾つかの実施形態において、チップパッケージ95の熱界面材料層310は、上述した放熱積層構体700又は800と置き換えることもできる。
【0044】
パターン形成回路層900は熱界面材料層310上に配置することができる。熱界面材料層310は、例えばパターン形成回路層900と放熱デバイス320との間に配置する。チップ210′は、例えば、フリップチップ処理によりパターン形成回路層900上に配置し、またパターン形成回路層900に電気的に接続することができる。他の実施形態において、チップ210′は、パターン形成回路層900に対してワイヤボンディング処理により電気的に接続することができる。チップ210′は、上述の第1チップ210又は上述の第2チップ220を有することができ、また本発明の実施形態はこれらに限定するものではない。絶縁カプセル体400は、例えば熱界面材料層310上に配置し、またチップ210′、パターン形成回路層900及び熱界面材料層310を封入する。例えば、フリップチップの実施形態において、絶縁カプセル体400は、熱界面材料層310をカバーし、またチップ210′の導電性隆起部間を填隙するための成形アンダーフィル(MUF:molding underfill)を有することができる。他の実施形態において、絶縁カプセル体400は、さらに放熱デバイス320をカバーすることもできる。
【0045】
上述のことに基づいて、本発明の実施形態においては、リードフレームのチップパッドの両側2つの表面にそれぞれチップ及び放熱構体を配置することによって、チップの動作から発生する熱はリードフレーム及び放熱構体を介して外部に伝導することができる。このような構成によれば、熱伝導距離がより短くなり、また熱伝導率がより高くなり、したがって、チップパッケージの放熱効率が向上する。本発明の実施形態における放熱構体は、熱界面材料の単一層、2重層、又は複数層を有して、高い放熱特性を得ることができ、これによりチップの動作中に発生する大量の熱は、熱界面材料を介して迅速に伝導され、また熱伝導率に乏しい絶縁カプセル体経由の伝導なしに外部に放散させることができる。2重の熱界面材料層を有する実施形態においては、第1熱界面材料層及び第2熱界面材料層の界面における接触面の面積が増大することによって、放熱構体の放熱性能が向上する。複数の熱界面材料を有する実施形態において、第1熱界面材料層と第3熱界面材料層との間に配置する第2熱界面材料層は、3つの層のうちで最も高い熱伝導率及び最も大きい厚さを有する。この構成によれば、放熱構体の熱伝導率は増加し、これによりチップの動作中に発生した熱は、チップパッケージ内から効果的に外部に放散することができる。さらに、熱界面材料層内に熱ブロックを配置することによって、放熱構体の熱伝達特性が向上する。さらに、放熱構体は放熱デバイスを有することができ、また熱界面材料を放熱デバイスとチップとの間に配置することによって、チップパッケージの放熱効率が向上する。
【0046】
本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、開示した実施形態の構造に対して様々な変更及び改変を加えることができることは当業者には明らかであろう。この点において、特許請求の範囲及びその均等物内にある場合、本発明に対する変更及び改変をカバーすることを意図する。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のチップパッケージはパッケージ構体に適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10, 20 , 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90:チップパッケージ
100:リードフレーム
110:チップパッド
112, 612:第1表面
112a, 612a:溝
114, 614:第2表面
120:リード
120a:インナーリード
120b:アウターリード
210:第1チップ
210′:チップ
212, 222, 510, 630:接続材料
220:第2チップ
300:放熱構体
310:熱界面材料層
320, 740, 850:放熱デバイス
330, 730, 840:熱ブロック
400:絶縁カプセル体
500:プリント回路板
610:第1リードフレーム
620:第2リードフレーム
700, 800:放熱積層構体
710, 810:第1熱界面材料層
710a, 720a:頂面
710b, 720b:底面
720, 820:第2熱界面材料層
830:第3熱界面材料層
900:パターン形成回路層








図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】
2019071412000001.pdf