【解決手段】光送信機1は、光源30と、光源30から出射された光の波長を波長検出部33、34と、波長情報に対応する波長と所定の基準波長との間の差を示す波長差情報を生成する波長差情報生成部38とを有する。光送信機1は、波長差情報に対応する差に基づいて、基準となるサブキャリアの数である基準サブキャリア数よりも少ないサブキャリアの数を決定するサブキャリア数決定部17と、サブキャリアのそれぞれによって伝送されるビット数を示す多値度を決定する多値度決定部121と、サブキャリアのそれぞれの電力を決定する電力決定部122とを更に有する。
前記サブキャリア数決定部によって前記基準サブキャリア数よりも少ないサブキャリアの数が決定されたときに、前記光源から出射された光の波長が前記基準波長からずれたことを示す波長ずれ信号を出力する波長ずれ信号出力部を更に有する、請求項1に記載の光送信機。
前記電力決定部は、前記サブキャリア数決定部によって前記基準サブキャリア数よりも少ないサブキャリアの数が決定されたときに、前記変調信号の電力が前記基準サブキャリア数のサブキャリアを含むときの変調信号の電力と一致するように、前記サブキャリアのそれぞれのプリエンファシス量を決定する、請求項1又は2に記載の光送信機。
前記多値度決定部は、前記サブキャリア数決定部によって前記基準サブキャリア数よりも少ないサブキャリアの数が決定されたときに、前記サブキャリアのそれぞれによって伝送されるビット数の合計が前記基準サブキャリア数のサブキャリアによって伝送されるビット数の合計と一致するように、前記多値度を決定する、請求項3に記載の光送信機。
前記電力決定部は、前記サブキャリアの数を削減することによる前記ドライバ回路が前記変調器に出力する電気信号の総電力の減少量であるパワー補正値が所定のしきい値を超えるときに、前記パワー補正値を前記ドライバ回路に出力し、
前記ドライバ回路は、前記パワー補正値が入力されたとき、パワー補正値を補償するように、サブキャリアの電力を一律に増加させる、請求項4に記載の光送信機。
前記サブキャリア数決定部は、前記サブキャリアを配置可能な占有帯域の幅を変更することを示す占有帯域幅変更要求信号が入力されたときに、前記サブキャリアの数を削減する、請求項1〜5の何れか一項に記載の光送信機。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照して、実施形態に係る光送信機、及び光送信方法について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されない。
【0012】
(関連する光送信機の構成及び機能)
図1(a)は実施形態に係る光送信機に関連する光送信機のブロック図であり、
図1(b)は
図1(a)に示す光通信機のより詳細なブロック図であり、
図1(c)はDMT伝送を説明するための図である。
【0013】
光通信システム900は、光送信機901と、光受信機902と、一例では光ファイバである光伝送路903とを有する。光送信機901は、不図示の入力演算回路から入力データを変調した後に光信号に変換して光伝送路903に出力する。光受信機902は、光伝送路903から入力された光信号を電気信号に変換し且つ復調して不図示の出力演算回路に出力する。
【0014】
光送信機901は、SERDES/FECとも称される電気信号入力回路911と、送信DMTエンジン回路912と、IFFT回路913と、DAC回路914と、ドライバ回路915と、TOSA916とを有する。電気信号入力回路911は、不図示の送信演算回路から入力されたパラレル信号をシリアル信号に変換すると共に、シリアル信号に前方誤り訂正(Forward Error Correction、FEC)演算を実行した信号を送信DMTエンジン回路912に出力する。
【0015】
送信DMTエンジン回路912は、電気信号入力回路911から入力された電気送信信号にDMT変調処理を実行し、DMT変調を実行した信号をIFFT回路913に出力する。送信DMTエンジン回路912は、一例では、注水定理によってサブキャリアのそれぞれが伝送するビット量、すなわち多値度を決定してもよい。例えば、サブキャリアの最小周波数が0.1GHzであり、サブキャリアの数が256個であるとき、サブキャリアのそれぞれの多値度を4にすることで、102.4Gbpsの伝送が可能になる。
【0016】
他の例では、送信DMTエンジン回路912は、光通信システム900の周波数特性に基づいて、サブキャリアのそれぞれの多値度を決定してもよい。この場合、
図1(c)に示すように、まず、送信DMTエンジン回路912は、光出力が一定のOFDM信号を光伝送路903を介して光受信機902に送信し、サブキャリアのそれぞれのSNRを取得する。次いで、送信DMTエンジン回路912は、取得したSNRに基づいて、パワーマップ(Power Map)とも称されるプリエンファシス量を決定すると共に、例えば、注水定理によってサブキャリアのそれぞれの多値度を決定する。
【0017】
IFFT回路913は、送信DMTエンジン回路912から入力された信号に逆高速フーリエ変換(inverse fast Fourier transform、IFFT)を実行し、IFFT変換した信号をDAC回路914に出力する。DAC回路914は、IFFT回路913から入力された信号にデジタル―アナログ変換を実行し、デジタル―アナログ変換した信号をドライバ回路915に出力する。ドライバ回路915は、DAC回路914から入力された信号を増幅して、増幅した信号をTOSA916に出力する。TOSA916は、ドライバ回路915から入力された電気信号を光信号に変換し、光信号を光伝送路903に出力する。
【0018】
光受信機902は、ROSA921と、ADC回路922と、FFT回路923と、受信DMTエンジン回路924と、ERDES/FECとも称される電気信号出力回路925とを有する。ROSA921は、光伝送路903から入力された光信号を電気信号に変換し、電気信号をADC回路922に出力する。ADC回路922は、ACD回路921から入力された電気信号にアナログ―デジタル変換を実行し、アナログ―デジタル変換を実行した信号をFFT回路923に出力する。FFT回路923は、ADC回路922から入力された信号に高速フーリエ変換(fast Fourier transform、FFT)を実行し、FFT変換した信号を受信DMTエンジン回路924に出力する。
【0019】
受信DMTエンジン回路924は、FFT回路923から入力された信号にDMT復調を処理を実行し、DMT復調を実行した信号を電気信号出力回路925に出力する。電気信号出力回路925は、受信DMTエンジン回路924から入力された信号にFEC演算を実行し、FEC演算を実行したシリアル信号をパラレル信号に変換した電気受信信号を不図示の受信演算回路に出力する。
【0020】
TOSA916は、可変光源であり、レーザダイオード930と、変調機931と、スプリッタ932と、第1フォトダイオード933と、第2フォトダイオード934と、エタロンフィルタ935と、波長制御回路936と、熱電クーラ937とを有する。TOSA916は、波長オフセット検出回路938と、シャッタ939とを有する。
【0021】
レーザダイオード930は、波長制御回路936から入力される波長制御信号に応じた波長を有する光を出射する。変調機931は、レーザダイオード930から出射された光をドライバ回路915から入力された電気信号に応じて変調し、変調した光送信信号を出力する。スプリッタ932は、変調機931から出力された光を分波し、シャッタ939、第1フォトダイオード933及びエタロンフィルタ935に出力する。第1フォトダイオード933は、スプリッタ932で入力された光の光量に応じた電気信号を波長制御回路936に出力する。第2フォトダイオード934は、スプリッタ932からエタロンフィルタ935を介して入力された光の光量に応じた電気信号を波長制御回路936に出力する。エタロンフィルタ935は、所定の基準波長を有する光を透過するフィルタ素子である。
【0022】
波長制御回路936は、第1フォトダイオード933及び第2フォトダイオード934から入力される電気信号に基づいて、レーザダイオード930から出射される光の波長が基準波長に一致するように制御する。また、波長制御回路936は、第1フォトダイオード933及び第2フォトダイオード934から入力される電気信号に基づいて、レーザダイオード930の温度が一定になるように、熱電クーラ937を制御する。また、波長制御回路936は、第1フォトダイオード933から入力される電気信号と第2フォトダイオード934から入力される電気信号との比率を示す比率信号を波長オフセット検出回路938に出力する。熱電クーラ937は、例えばペルチェ素子を有する小型冷却デバイスである。波長オフセット検出回路938は、波長制御回路936から入力される比率信号に対応する比率に基づいて、レーザダイオード930から出射される光の波長が基準波長から所定のしきい値波長差以上ずれたことを検出する。波長オフセット検出回路938によってレーザダイオード930から出射される光の波長が基準波長から所定のしきい値波長差以上ずれたことが検出されると、シャッタ939は、レーザダイオード930から出射される光を遮断する。
【0023】
図2(a)はレーザダイオード930が出射する光の波長が基本波長に一致している状態を説明する図であり、
図2(b)はレーザダイオード930が出射する光の波長が基本波長からずれている状態を説明する図である。
【0024】
レーザダイオード930が出射する光の波長が基本波長に一致している状態では、レーザダイオード930が出射する光のスペクトル201は、基準波長λ
0に一致しており、DMT変換後の光スペクトル211の中心も基準波長λ
0に一致する。DMT変換後の光スペクトル211の中心も基準波長λ
0に一致するとき、光スペクトル211は、基準波長λ
0に隣接する波長λ
-1及びλ
+1である光をDMT変調した光スペクトル212及び213と重畳しない。
【0025】
一方、レーザダイオード930が出射する光の波長が基本波長からずれている状態では、レーザダイオード930が出射する光のスペクトル221は、基準波長λ
0からずれており、DMT変換後の光スペクトル231の中心も基準波長λ
0からずれる。DMT変換後の光スペクトル231の中心も基準波長λ
0からずれるとき、光スペクトル231は、基準波長λ
0に隣接する波長λ
-1及びλ
+1である光をDMT変調した光スペクトル232及び233の何れか一方と重畳する。レーザダイオード930が出射する光の波長が基準波長から所定のしきい値波長差以上ずれて、光スペクトル231が光スペクトル232及び233の何れか一方と重畳すると、シャッタ939は、レーザダイオード930が出射する光を遮断する。
【0026】
光通信システム900では、シャッタ939がレーザダイオード930が出射する光を遮断するので、レーザダイオード930は、光を出射し続けることができ、TOSA916内部の熱量を一定に維持できる。
【0027】
しかしながら、光通信システム900では、光送信機901は、シャッタ939が搭載されるため、光送信機901の製造コストが上昇する。また、光通信システム900では、光送信機901は、シャッタ939を介してレーザダイオード930が出射する光を出射するため、シャッタ939が挿入されために、損失が増加して光出力が低下する。
【0028】
(実施形態に係る光送信機の概要)
図3は実施形態に係る光送信機の概要を説明するための図であり、
図3(a)はDMT変調前の光スペクトルの一例を示す図であり、
図3(b)は光送信機901によるDMT変調を示す図である。
図3(c)は実施形態に係る光送信機によるDMT変調の一例を示す図であり、
図3(d)は実施形態に係る光送信機によるDMT変調の他の例を示す図である。
【0029】
光送信機901は、SNRに応じたスペクトルとなる変調信号に、SNRに応じた多値度を割り当てる。すなわち、光送信機901は、SNRが大きい低周波数領域はビット数を多くし、SNRの大きさに応じて高周波数領域領域ではビット数を小さくするように多値度を決定する。また、光送信機901は、多値度が同一となる周波数において光出力が一定になるようにプリエンファシス量を決定する。光送信機901は、レーザダイオード930から出射される光の波長301が基準波長λ
0からずれて光スペクトル312が隣接する信号の光スペクトル313と重畳するときに、シャッタ939により、レーザダイオード930から出射される光を遮断する。
【0030】
図3(c)に示す光送信機は、レーザダイオードから出射される光の波長301が基準波長λ
0からずれて光スペクトル321が隣接する信号の光スペクトル323と重畳するときに、光スペクトル323に重畳する領域のサブキャリアを削減する。
図3(c)に示す光送信機は、光スペクトル323に重畳する領域のサブキャリアを削減することで、波長が隣接する信号と重畳されるおそれを低くできる。
【0031】
また、
図3(c)に示す光送信機は、削減したサブキャリアの光出力を補償するようにサブキャリアのプリエンファシス量を決定してもよい。すなわち、実施形態に係る光送信機は、サブキャリアを削減したときに、変調信号の電力が基準サブキャリア数のサブキャリアを含むときの変調信号の電力と一致するように、サブキャリアのそれぞれのエンファシス量を決定してもよい。ここで、基準サブキャリア数は、基準となるサブキャリアの数であり、例えば、レーザダイオード30が出射する光のスペクトルが基準波長λ
0に一致するときのサブキャリアの数である。
【0032】
また、
図3(c)に示す光送信機は、削減したサブキャリアのビット数を補償するようにサブキャリアの多値度を決定してもよい。すなわち、実施形態に係る光送信機は、サブキャリアが削減されたときに、サブキャリアによって伝送されるビット数の合計が基準サブキャリア数のサブキャリアによって伝送されるビット数の合計と一致するように、伝送されるビット数を決定してもよい。
【0033】
図3(d)に示す光送信機は、
図3(c)に示す光送信機が実行する処理に加えて、変調信号の電力が基準サブキャリア数のサブキャリアを含むときの変調信号の電力と一致するように、サブキャリアのそれぞれの電力を一律に増加させる。すなわち、実施形態に係る光送信機は、サブキャリアが削減されたと決定されたときに、変調信号の電力が基準サブキャリア数のサブキャリアを含むときの変調信号の電力と一致するように、サブキャリアのそれぞれの電力を一律に増加させてもよい。
【0034】
(第1実施形態に係る光送信機を含む光源の構成及び機能)
図4(a)は第1実施形態に係る光送信機のブロック図であり、
図4(b)は
図4(a)に示す送信DMTエンジン回路のブロック図である。
【0035】
光送信機1は、SERDES/FECとも称される電気信号入力回路11と、送信DMTエンジン回路12と、IFFT回路13と、DAC回路14と、ドライバ回路15と、TOSA16と、サブキャリア数決定部17とを有する。電気信号入力回路11と及びIFFT回路13〜ドライバ回路15の構成及び機能は、電気信号入力回路911及びIFFT回路913〜ドライバ回路915の構成及び機能と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0036】
TOSA16は、シャッタ939に対応する構成を有さないことがTOSA916と相違する。レーザダイオード30〜熱電クーラ37の構成及び機能は、レーザダイオード930〜熱電クーラ937の構成及び機能と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0037】
波長オフセット検出回路38は、光源であるレーザダイオード30から出射された光の波長を示す波長情報に対応する波長と所定の基準波長との間の差を示す波長差情報を生成する波長差情報生成部として機能する。具体的には、波長オフセット検出回路38は、第1フォトダイオード33から入力される電気信号と第2フォトダイオード34から入力される電気信号との比率を示す比率信号が波長制御回路36から入力される。
【0038】
第1フォトダイオード33及び第2フォトダイオード34は、光源であるレーザダイオード30から出射された光の波長を波長検出部として機能する。波長オフセット検出回路38は、比率信号に対応する比率に基づいて、レーザダイオード30から出射された光の波長と準波長との間の差を示す波長差情報を生成する。
【0039】
サブキャリア数決定部17は、例えば半導体回路であり、波長差情報に対応する差、基準サブキャリア数、及び最大占有帯域幅に基づいて、基準となるサブキャリアの数である基準サブキャリア数よりも少ないサブキャリアの数を決定する。基準サブキャリア数は、例えば250等の基準となるサブキャリアの数である。最大占有帯域幅は、DMT変換された信号が占有可能な最大の帯域幅である。
【0040】
図5は、サブキャリア数決定部17が実行する処理を説明するための図である。
図5に示す例において、基準キャリア数は250であり、波長オフセット検出回路38が生成する波長差情報に対応する波長差は0.2〔GHz〕であり、最大占有帯域幅は50.0〔GHz〕である。
【0041】
サブキャリア数決定部17は、レーザダイオード30が出射する光の波長と基準波長との間の差である0.2〔GHz〕に相当する2つのサブキャリアを基準キャリア数250から削減することを決定する。すなわち、サブキャリア数決定部17は、250から2を減算した248をサブキャリア数に決定する。
【0042】
送信DMTエンジン回路12は、多値度決定部121と、電力決定部122と、変調信号生成部123とを有する。多値度決定部121は、サブキャリアのそれぞれによって伝送されるビット数、すなわち多値度を決定する。電力決定部122は、サブキャリアのそれぞれの電力、すなわちプリエンファシス量を決定する。多値度決定部121による多値度の決定方法及び電力決定部122によるプリエンファシス量の決定方法は、
図1(c)を参照して説明した送信DMTエンジン回路912の多値度及びプリエンファシス量の決定方法と同様なのでここでは詳細な説明は省略する。変調信号生成部123は、決定されたビット数及び電力となるように変調されたサブキャリアを含む変調信号を生成する。
【0043】
(第1実施形態に係る光送信機の作用効果)
光送信機1は、レーザダイオード30から出射された光の波長と基準波長との間の差に基づいて、サブキャリアの数を削減することで、レーザダイオード30が出射する光の波長と波長が隣接する信号と重畳されるおそれを低くできる。
【0044】
(第2実施形態に係る光送信機を含む光源の構成及び機能)
図6は、第2実施形態に係る光送信機のブロック図である。
【0045】
光送信機2は、選択回路41を有することが光送信機1と相違する。また、光送信機2は、サブキャリア数決定部47をサブキャリア数決定部17の代わりに有することが光送信機1と相違する。選択回路41及びサブキャリア数決定部47以外の光送信機2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された光送信機1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0046】
選択回路41は、サブキャリア数決定部47から入力される選択信号SSに応じて、出力する信号を不図示の入力演算回路から入力される電気送信信号から、サブキャリア数決定部47から入力される波長ずれ警報信号WSに切り換える。選択回路41から出力された警報信号WSは、TOSA16から不図示の光受信機に光送信される。
【0047】
サブキャリア数決定部47は、サブキャリアの数を決定すると共に、波長差情報に対応する差が所定のしきい値波長差以上であるときに、選択信号SS及び警報信号WSに出力する。
【0048】
(第2実施形態に係る光送信機の作用効果)
光送信機2は、波長差情報に対応する差がしきい値波長差以上であるときに、警報信号を光受信機に送信するので、レーザダイオード30の波長がずれたことを受信機に通知することができる。
【0049】
光送信機2は、波長差情報に対応する差がしきい値波長差以上であるときに警報信号WSを光受信機に送信するが、実施形態に係る光送信機は、波長差情報に対応する差がしきい値波長差以上であるときに優先度が高い信号を送信するように形成されてもよい。例えば、サブキャリア数決定部47から不図示の入力演算回路に警報信号WSが出力され、入力演算回路は、警報信号WSが入力されたときに優先度が高い信号を選択して選択回路に出力してもよい。
【0050】
(第3実施形態に係る光送信機を含む光源の構成及び機能)
図7(a)は第3実施形態に係る光送信機のブロック図であり、
図7(b)は
図7(a)に示す送信DMTエンジン回路のブロック図である。
【0051】
光送信機3は、パワーマップ決定部18を有することが光送信機1と相違する。また、光送信機3は、送信DMTエンジン回路42を送信DMTエンジン回路12の代わりに有することが光送信機1と相違する。パワーマップ決定部18及び送信DMTエンジン回路42以外の光送信機3の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された光送信機1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0052】
パワーマップ決定部18は、例えば、半導体回路である。パワーマップ決定部18は、サブキャリア数決定部17によって決定されたサブキャリア数を使用して、変調信号の電力がサブキャリア数を削減する前の変調信号の電力と一致するように、サブキャリアのそれぞれのプリエンファシス量を決定する。すなわち、パワーマップ決定部18は、サブキャリアを削減することで、ドライバ回路15が変調器31に出力する電気信号の総電力が変化しないように、サブキャリアのそれぞれのプリエンファシス量を決定する。
【0053】
図8は、パワーマップ決定部18が実行する処理を説明するための図である。
図8に示す例において、
図5で示す例と同様に、基準キャリア数は250であり、波長オフセット検出回路38が生成する波長差情報に対応する波長差は0.2〔GHz〕であり、最大占有帯域幅は50.0〔GHz〕である。
【0054】
パワーマップ決定部18は、249番目及び250番目の2つのサブキャリアが削減されたことに応じて発生するプリエンファンス量のずれを補償する。
図8に示す例では、補正前の合計のプリエンファンス量が−0.03〔dB〕であるので、248番目のサブキャリアのプリエンファンス量を±0.00〔dB〕から+0.03〔dB〕に変更することで、プリエンファンス量のずれを補償する。
【0055】
送信DMTエンジン回路42は、電力決定部422を電力決定部122の代わりに有することが、送信DMTエンジン回路12と相違する。電力決定部422は、パワーマップ決定部18から入力されるプリエンファンス量を、変調信号を生成するときのプリエンファンス量に決定する。
【0056】
(第3実施形態に係る光送信機の作用効果)
光送信機3は、サブキャリアが削減されたことにより合計のプリエンファンス量が変化しないように、プリエンファンス量を補償することで、ドライバ回路15が変調器31に出力する電気信号の総電力を一定に維持する。光送信機3は、ドライバ回路15が変調器31に出力する電気信号の総電力を一定に維持することで、サブキャリアが削減されたことによりレーザダイオード30の周囲の温度を一定に維持して、レーザダイオード30が出射する光の波長を一定に維持する。
【0057】
なお、光送信機3では、パワーマップ決定部18がプリエンファンス量を補償する処理を実行するが、実施形態に係る光送信機では、送信DMTエンジン回路が有する電力決定部がプリエンファンス量を補償する処理を実行してもよい。
【0058】
(第4実施形態に係る光送信機を含む光源の構成及び機能)
図9(a)は第4実施形態に係る光送信機のブロック図であり、
図9(b)は
図9(a)に示す送信DMTエンジン回路のブロック図である。
【0059】
光送信機4は、ビットパワーマップ決定部19を有することが光送信機1と相違する。また、光送信機4は、送信DMTエンジン回路52を送信DMTエンジン回路12の代わりに有することが光送信機1と相違する。ビットパワーマップ決定部19及び送信DMTエンジン回路52以外の光送信機4の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された光送信機1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0060】
ビットパワーマップ決定部19は、例えば、半導体回路である。ビットパワーマップ決定部19は、サブキャリア数決定部17によって決定されたサブキャリア数を使用して、変調信号の合計のビット数がサブキャリア数を削減する前の合計のビット数と一致するように、サブキャリアのそれぞれの多値度を決定する。ビットパワーマップ決定部19は、例えば、注水定理によってサブキャリアのそれぞれの多値度を決定する。
【0061】
また、ビットパワーマップ決定部19は、サブキャリア数決定部17によって決定されたサブキャリア数を使用して、変調信号の電力がサブキャリア数を削減する前の変調信号の電力と一致するように、サブキャリアのそれぞれのプリエンファシス量を決定する。すなわち、ビットパワーマップ決定部19は、サブキャリアを削減することで、ドライバ回路15が変調器31に出力する電気信号の総電力が変化しないように、サブキャリアのそれぞれのプリエンファシス量を決定する。
【0062】
図10は、ビットパワーマップ決定部19が実行する処理を説明するための図である。
図10に示す例において、
図5及び8で示す例と同様に、基準キャリア数は250であり、波長オフセット検出回路38が生成する波長差情報に対応する波長差は0.2〔GHz〕であり、最大占有帯域幅は50.0〔GHz〕である。
【0063】
ビットパワーマップ決定部19は、パワーマップ決定部18と同様に、249番目及び250番目の2つのサブキャリアが削減されたことに応じて発生するプリエンファンス量のずれを補償する。併せて、ビットパワーマップ決定部19は、249番目及び250番目の2つのサブキャリアが削減されたことに応じて発生するビット数の減少を補償する。
図10に示す例では、多値度が2であった249番目及び250番目の2つのサブキャリアが削減されたことによって減少する4ビットを補償する。具体的には、ビットパワーマップ決定部19は、1番目〜4番目の多値度を1ビットずつ増加させることで、249番目及び250番目の2つのサブキャリアが削減されたことによって減少する4ビットを補償する。
【0064】
送信DMTエンジン回路52は、多値度決定部521及び電力決定部522を多値度決定部121及び電力決定部122の代わりに有することが、送信DMTエンジン回路12と相違する。多値度決定部521は、ビットパワーマップ決定部19から入力される多値度を、変調信号を生成するときの多値度に決定する。電力決定部522は、ビットパワーマップ決定部19から入力されるプリエンファンス量を、変調信号を生成するときのプリエンファンス量に決定する。
【0065】
(第4実施形態に係る光送信機の作用効果)
光送信機4は、サブキャリアが削減されたことにより信号が送信する合計のビット量が変化しないように、多値度を補償することで、サブキャリアが削減することによる送信可能な情報量が減少することを防止する。
【0066】
なお、光送信機4では、ビットパワーマップ決定部19が多値度及びプリエンファンス量を補償する処理を実行するが、実施形態に係る光送信機では、送信DMTエンジン回路が多値度及びプリエンファンス量を補償する処理を実行してもよい。すなわち、送信DMTエンジン回路が有する多値度決定部が多値度を補償する処理を実行してもよく、送信DMTエンジン回路が有する電力決定部がプリエンファンス量を補償する処理を実行してもよい。
【0067】
(第5実施形態に係る光送信機を含む光源の構成及び機能)
図11(a)は第5実施形態に係る光送信機のブロック図であり、
図11(b)は
図11(a)に示す送信DMTエンジン回路のブロック図である。
【0068】
光送信機5は、ビットパワーマップ決定部20を有することが光送信機1と相違する。また、光送信機5は、送信DMTエンジン回路62及びドライバ回路65を送信DMTエンジン回路12の代わりに有することが光送信機1と相違する。ビットパワーマップ決定部20、送信DMTエンジン回路62及びドライバ回路65以外の光送信機5の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された光送信機1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0069】
図12は、光送信機5の動作を説明するための図である。
【0070】
光送信機5は、サブキャリアの数を削減することによるドライバ回路が変調器に出力する電気信号の総電力の減少量であるパワー補正値が所定のしきい値を超えるときに、パワー補正値を補償するように、サブキャリアの電力を一律に増加させる。
【0071】
ビットパワーマップ決定部20は、例えば、半導体回路である。ビットパワーマップ決定部20は、サブキャリア数決定部17によって決定されたサブキャリア数を使用して、変調信号の電力がサブキャリア数を削減する前の変調信号の電力と一致するように、サブキャリアのそれぞれのプリエンファシス量を決定する。
【0072】
また、ビットパワーマップ決定部20は、サブキャリア数決定部17によって決定されたサブキャリア数を使用して、変調信号の合計のビット数がサブキャリア数を削減する前の合計のビット数と一致するように、サブキャリアのそれぞれの数を決定する。
【0073】
図13は、ビットパワーマップ決定部20の処理を示すフローチャートである。
【0074】
まず、ビットパワーマップ決定部20は、サブキャリアの数を削減することによるドライバ回路15が変調器31に出力する電気信号の総電力の減少量であるパワー補正値を推定する(S101)。例えば、基準キャリア数は250であるときに、249番目及び250番目の2つのサブキャリアが削減される場合、249番目及び250番目の2つのサブキャリアの電力がパワー補正値になる。また、基準キャリア数は250であるときに、151番目〜250番目のサブキャリアが削減される場合、151番目〜250番目のサブキャリアの電力がパワー補正値になる。なお、パワー補正値は、削減されるサブキャリアのプリエンファンス量は含まない。
【0075】
次いで、ビットパワーマップ決定部20は、S101の処理で推定されたパワー補正値が所定のしきい値以下であるか否かをする(S102)。しきい値は、ビットパワーマップ決定部20がサブキャリアのそれぞれのプリエンファシス量を補正することで、パワー補正値に等しい電力を補償できるか否かに基づいて決定される。例えば、
図5等に示す例のように、249番目及び250番目の2つのサブキャリアの電力がパワー補正値になる場合は、プリエンファシス量を補正することでパワー補正値を補償できる。一方、151番目〜250番目のサブキャリアの電力がパワー補正値になる場合は、プリエンファシス量を補正することでパワー補正値を補償することで容易ではない。
【0076】
ビットパワーマップ決定部20は、パワー補正値が所定のしきい値以下であると判定する(S102−YES)と、サブキャリアのそれぞれの多値度を決定する(S103)。ビットパワーマップ決定部20は、ビットパワーマップ決定部19と同様に、変調信号の合計のビット数がサブキャリア数を削減する前の合計のビット数と一致するように、サブキャリアのそれぞれの多値度を決定する。
【0077】
次いで、ビットパワーマップ決定部20は、サブキャリアのそれぞれのプリエンファシス量を決定する(S104)。ビットパワーマップ決定部20は、ビットパワーマップ決定部19と同様に、変調信号の電力がサブキャリア数を削減する前の変調信号の電力と一致するように、サブキャリアのそれぞれのプリエンファシス量を決定する。
【0078】
そして、ビットパワーマップ決定部20は、S103の処理で決定された多値度及びS104の処理で決定されたプリエンファシス量を送信DMTエンジン回路62に出力する(S105)。
【0079】
ビットパワーマップ決定部20は、パワー補正値が所定のしきい値を超えると判定する(S102−NO)と、サブキャリアのそれぞれの多値度を決定する(S106)。ビットパワーマップ決定部20は、削減されずに残ったサブキャリアのそれぞれの多値度をサブキャリアのそれぞれの多値度に決定する。例えば、基準キャリア数は250であるときに、151番目〜250番目のサブキャリアが削減される場合、1番目〜150番目のサブキャリアのそれぞれの多値度が、1番目〜150番目のサブキャリアのそれぞれの多値度になる。
【0080】
次いで、ビットパワーマップ決定部20は、サブキャリアのそれぞれのプリエンファシス量を決定する(S107)。ビットパワーマップ決定部20は、削減されたサブキャリアのプリエンファンス量を補償するように、削減されずに残ったサブキャリアのそれぞれのプリエンファンス量を決定する。例えば、151番目〜250番目のサブキャリアが削減される場合、1番目〜150番目のサブキャリアのプリエンファンス量は、151番目〜250番目のサブキャリアのプリエンファンス量を補償するように決定される。
【0081】
そして、ビットパワーマップ決定部20は、S101の処理で推定されたパワー補正値をドライバ回路65に出力すると共に、S106及びS107の処理で決定された多値度及びプリエンファシス量を送信DMTエンジン回路62に出力する(S108)。
【0082】
図14(a)はサブキャリア数決定部17が実行する処理を説明するための図であり、
図14(b)はビットパワーマップ決定部20が実行する処理を説明するための図である。
図14に示す例において、基準キャリア数は250であり、波長オフセット検出回路38が生成する波長差情報に対応する波長差は10.0〔GHz〕であり、最大占有帯域幅は50.0〔GHz〕である。
【0083】
サブキャリア数決定部17は、レーザダイオード30が出射する光の波長と基準波長との間の差である10.0〔GHz〕に相当する101のサブキャリアを基準キャリア数250から削減することを決定する。すなわち、サブキャリア数決定部17は、250から100を減算した150をサブキャリア数に決定する。
【0084】
ビットパワーマップ決定部20は、S101の処理で推定されたパワー補正値が所定のしきい値を超えていると判定してS107〜S109の処理を実行する。併せて、ビットパワーマップ決定部19は、249番目及び250番目の2つのサブキャリアが削減されたことに応じて発生するビット数の減少を補償する。
図14に示す例では、ビットパワーマップ決定部20は、基151番目〜250番目のサブキャリアが削減されるでので、1番目〜150番目のサブキャリアのそれぞれの多値度が、1番目〜150番目のサブキャリアのそれぞれの多値度に決定する。そして、ビットパワーマップ決定部20は、1番目〜150番目のサブキャリアのそれぞれのプリエンファンス量を決定する。ビットパワーマップ決定部20は、削減されたサブキャリアのプリエンファンス量を補償するように、削減されずに残ったサブキャリアのそれぞれのプリエンファンス量を決定する。
【0085】
送信DMTエンジン回路62は、多値度決定部621及び電力決定部622を多値度決定部121及び電力決定部122の代わりに有することが、送信DMTエンジン回路12と相違する。多値度決定部621は、ビットパワーマップ決定部20から入力される多値度を、変調信号を生成するときの多値度に決定する。電力決定部622は、ビットパワーマップ決定部20から入力されるプリエンファンス量を、変調信号を生成するときのプリエンファンス量に決定する。
【0086】
ドライバ回路65は、パワー補正値が入力されたとき、パワー補正値を補償するように、サブキャリアの電力を一律に増加させる。
【0087】
(第5実施形態に係る光送信機の作用効果)
光送信機5は、サブキャリアが削減されたことにより信号が送信する合計のビット量が変化しないように、多値度を補償することで、サブキャリアが削減することによる送信可能な情報量が減少することを防止する。
【0088】
なお、光送信機5では、ビットパワーマップ決定部20が多値度及びプリエンファンス量を補償する処理を実行するが、実施形態に係る光送信機では、送信DMTエンジン回路が多値度及びプリエンファンス量を補償する処理を実行してもよい。すなわち、送信DMTエンジン回路が有する多値度決定部が多値度を補償する処理を実行してもよく、送信DMTエンジン回路が有する電力決定部がプリエンファンス量を補償する処理を実行してもよい。
【0089】
(第6実施形態に係る光送信機を含む光源の構成及び機能)
図15は、第6実施形態に係る光送信機のブロック図である。
【0090】
光送信機6は、光送信機2は、サブキャリア数決定部67をサブキャリア数決定部17の代わりに有することが光送信機1と相違する。サブキャリア数決定部67以外の光送信機6の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された光送信機1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0091】
サブキャリア数決定部67は、サブキャリアを配置可能な占有帯域の幅を変更することを示す占有帯域幅変更要求信号が入力されたときに、サブキャリアの数を削減する。占有帯域幅変更要求信号は、変更後の占有帯域幅を含んでもよい。
【0092】
図16は、光送信機6を塔載する通信システムの一例を示す図である。
【0093】
光通信システム7は、リニアネットワークを形成して波長多重を行う光伝送装置Site-A〜Site-Zを含む。光伝送装置Site-A〜Site-Zのそれぞれは、合分波機であるWSS(Wavelength Selective Switch)と、波長監視装置であるOCM(Optical Channel Monitor)と、光送信機E/Oと、光受信機O/Eと、監視制御部(Management Complex、MC)とを有する。光通信システム7は、光アンプ、及び反対方路の通信素子等を有するが、
図16ではこれらの素子は省略される。また、光通信システム7はリニアネットワークを形成するが、実施形態に係る通信システムはリングネットワーク及びメッシュネットワーク等のトポロジとして形成されてもよい。また、光通信システム7は合分波機としてWSSを有するが、実施形態に係る通信システムはアレイ導波路グレーティング(Arrayed-Waveguide Grating、AWG)等の合分波機を有してもよい。
【0094】
光通信システム7において、光伝送装置Site-Aは例えば光送信機901等のような光送信機により波長λ
nを基準波長として変調し、伝送装置Site-Bは光送信機6により波長λ
nに隣接する波長λ
mを基準波長として変調する。
【0095】
図17は、光通信システム7における光送信機6の動作を説明するための図である。
【0096】
光通信システム7は、光伝送装置Site-Aからの光送信信号が基準波長λ
nから波長λ
mの方向にシフトして光伝送装置Site-Bからの光送信信号に重畳したことを検出する。例えば、光通信システム7において、光伝送装置Site-A〜光伝送装置Site-Zの何れかのOCMが光伝送装置Site-Aからの光送信信号が光伝送装置Site-Bからの光送信信号に重畳したことを検出する。伝送装置Site-Aからの光送信信号が光伝送装置Site-Bからの光送信信号に重畳したことを検出したOCMは、伝送装置Site-Bが有する光送信機6にサブキャリアを配置可能な占有帯域の幅を変更することを示す占有帯域幅変更要求信号を出力する。光送信機6は、有帯域幅変更要求信号が入力されたことに応じて、サブキャリアの数を削減する。
【0097】
図18は、光送信機6を塔載する通信システムの他の例を示す図である。
【0098】
光通信システム8は、伝送路801〜806を介してリングネットワークを形成して波長多重を行う光伝送装置Site-A〜Site-Zを含む。光伝送装置Site-A〜Site-Zのそれぞれは、合分波機等の光学素子を有するが、
図18ではこれらの素子は省略される。また、光通信システム8はリングネットワークを形成するが、実施形態に係る通信システムはリニアネットワーク及びメッシュネットワーク等のトポロジとして形成されてもよい。
【0099】
光通信システム8において、光伝送装置Site-Aは光送信機6により変調して光信号を伝送装置Site-Bに送信し、伝送装置Site-Bは光伝送装置Site-Aから送信される光信号を例えば光受信機902により受信する。
【0100】
図19は、光通信システム8における光送信機6の動作を説明するための図である。
【0101】
光通信システム8では、通常、光伝送装置Site-Aから送信された光信号は、伝送路801を介して光伝送装置Site-Bに伝送される。しかしながら、伝送路801に異常が発生した場合、伝送装置Site-Aから送信された光信号は、伝送装置Site-C〜Site-Z及び伝送路802〜806を介して光伝送装置Site-Bに伝送される。光信号が伝送装置Site-C〜Site-Zを通過するとき、伝送装置Site-C〜Site-Zのそれぞれの多段の合分波機を介して伝送される。光信号は、合分波機を通過するときに合分波機の段数PBN(Pass Band Narrowing)が発生し、透過帯域幅が減少する。伝送路801に異常が発生したことを検出した光伝送装置Site-A〜Site-ZのMCは、伝送装置Site-Bが有する光送信機6にサブキャリアを配置可能な占有帯域の幅を変更することを示す占有帯域幅変更要求信号を出力する。光送信機6は、有帯域幅変更要求信号が入力されたことに応じて、サブキャリアの数を削減する。
【0102】
(第6実施形態に係る光送信機の作用効果)
光送信機6は、占有帯域幅変更要求信号が入力されたときに、サブキャリアの数を削減することで、レーザダイオードの波長が基準波長からずれていない場合でも、サブキャリアの数を削減することができる。
【0103】
例えば、光通信システム7において光送信機6が使用される場合、隣接する光信号の波長がずれたときに、伝送装置で伝送優先度をに基づいて変調信号の光スペクトラムを変更することで、優先度が高い信号を伝送を伝送することができる。
【0104】
また、光通信システム8において光送信機6が使用される場合、伝送経路が変更されたときにサブキャリアの数を削減することで、数100msの時間をかけてSNRを取得することなく、高速に伝送経路の再設定が可能になる。