【解決手段】無線基地局装置は、第1のセルから第2のセルに移動してきた移動局について、前記第1のセルから前記第2のセルに移動してきた移動局のセル移動履歴に基づき、前記第2のセルの隣接セルの中から、前記移動局の移動先候補となる第3のセルを選択するセル選択部と、前記移動局に対し、前記第3のセル以外の受信品質の測定を抑止するよう指示する抑止指示部と、を備える。
第1のセルから第2のセルに移動してきた移動局について、前記第1のセルから前記第2のセルに移動してきた移動局のセル移動履歴に基づき、前記第2のセルの隣接セルの中から、前記移動局の移動先候補となる第3のセルを選択するセル選択部と、
前記移動局に対し、前記第3のセル以外の受信品質の測定を抑止するよう指示する抑止指示部と、
を備える無線基地局装置。
前記移動履歴記録部は、移動局がハンドアウトする際に、前記移動局が過去に在圏したセルとその滞在時間合計とを対応付けて、前記ハンドアウト先となったセルを記録する請求項2の無線基地局装置。
前記セル選択部は、前記第1のセルから前記第2のセルに移動してきた移動局について、少なくとも前記第1のセルと前記第2のセルの組み合わせが共通するセル移動履歴のハンドアウト先として記録されたセルを、前記第3のセルとして決定する請求項2又は3の無線基地局装置。
前記セル選択部は、前記第1のセルから前記第2のセルに移動してきた移動局について、前記第1のセルと前記第2のセルの組み合わせが共通し、かつ、前記第1のセルを含むセルの滞在時間合計が近似するセル移動履歴のハンドアウト先として記録されたセルを、前記第3のセルとして選択する請求項2又は3の無線基地局装置。
前記移動履歴記録部は、隣接する無線基地局装置から受信したハンドオーバ要求に含まれるUE−History−Informationに基づいて移動局のセル移動履歴を記録し、セル滞在時間合計を計算する請求項2から5いずれか一の無線基地局装置。
第1のセルから第2のセルに移動してきた移動局について、前記第1のセルから前記第2のセルに移動してきた移動局のセル移動履歴に基づき、前記第2のセルの隣接セルの中から、前記移動局の移動先候補となる第3のセルを選択するステップと、
前記移動局に対し、前記第3のセル以外の受信品質の測定を抑止するよう指示するステップと、
を含む移動局の制御方法。
第1のセルから第2のセルに移動してきた移動局について、前記第1のセルから前記第2のセルに移動してきた移動局のセル移動履歴に基づき、前記第2のセルの隣接セルの中から、前記移動局の移動先候補となる第3のセルを選択する処理と、
前記移動局に対し、前記第3のセル以外の受信品質の測定を抑止するよう指示する処理と、を無線基地局装置に登載されたコンピュータに実行させるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
はじめに本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
【0019】
本発明は、その一実施形態において、
図1に示すように、セル選択部101aと、抑止指示部102aと、を備える無線基地局装置100aにて実現できる。より具体的には、セル選択部101aは、第1のセルから第2のセルに移動してきた移動局(
図2の移動局200)について、前記第1のセルから前記第2のセルに移動してきた移動局のセル移動履歴に基づき、前記第2のセルの隣接セルの中から、前記移動局の移動先候補となる第3のセル(例えば、
図2のセル3)を決定する。なお、「移動局のセル移動履歴」は、移動局200のセル移動履歴に限られず、他の移動局のセル移動履歴が含まれる。また、
図1の例では、無線基地局装置100aは、上位装置等外部から前記セル移動履歴を取得するものとしているが、無線基地局装置100aが他の無線基地局や移動局から前記セル移動履歴を収集し、管理するものとしてもよい。
【0020】
そして、抑止指示部102aは、移動局200に対し、前記第3のセル以外の受信品質の測定を抑止するよう指示する。例えば、前記移動局の移動先候補(第3のセル)として、
図2のセル3を決定した場合、抑止指示部102aは、移動局200に対し、セル1、セル2の受信品質の測定を抑止するよう指示する。なお、前記セル1、セル2の受信品質の測定抑止指示の形態としては、直接セル1、セル2の受信品質の測定抑止を指示するほか、セル3のみ受信品質の測定を指示する形態も含まれる。
【0021】
前記指示を受けた移動局200が、セル1、セル2の受信品質の測定を抑止することで、移動局200の消費電力が削減される。なお、上記の説明では、第3のセルとして、セル3、1つを選択するものとして説明したが、第3のセルとして複数のセルを選択してもよい。また、前記第3のセルの選択手法については、下記第1の実施形態にて詳細に説明する。
【0022】
[第1の実施形態]
続いて、非特許文献1のLTEへの適用を想定した本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態の無線基地局装置の構成を示す図である。
図3を参照すると、セル選択部101と、抑止指示部102と、移動履歴記録部103と、を備える無線基地局装置100の構成が示されている。
【0023】
以下の説明では、無線基地局装置100は、隣接するセルの無線基地局装置から、
図4に示すセルレイアウトのCell#5に移動してきた移動局のセル移動履歴を入手し、その移動先と対応付けて、統計情報として蓄積するものとして説明する。
【0024】
本実施形態では、移動履歴記録部103は、ハンドインに先立って隣接するセルの無線基地局装置から受信したハンドオーバ要求に含まれる情報要素であるUE−History−Informationを取り出して、統計情報の過去の滞在セルを含む統計情報として蓄積するものとして説明する。非特許文献1に記載されているとおり、UE−History−Informationには、過去の在圏セル番号及び、そのセルの滞在時間が含まれる(9.2.3、9.2.4のGlobal−Cell−UD、Time−UE−Stayed−In−Cell参照)。移動履歴記録部103による移動局の移動履歴の入手方法は、この形態に限られない。例えば、移動局200から無線基地局装置100に送信するメッセージの任意の情報要素に上記したUE−History−Information相当の情報を含める形態を採用することもできる。あるいは、移動履歴記録部103が、任意の上位装置から、上記したUE−History−Information相当の情報やこれを集計したものを入手する形態も採用することができる。
【0025】
<統計情報の蓄積>
続いて、移動履歴記録部103における統計情報の蓄積方法について、具体的な移動局の移動ルートと併せて詳細に説明する。
図5は、無線基地局装置100の移動履歴記録部103が保持する情報を説明するための図である。
図5を参照すると、過去2セルのセル番号と、過去2セルの滞在時間合計と、ハンドアウト先セル番号1〜3を対応付けて管理するテーブルが示されている。
図5の過去2セルのセル番号は、あるセルに移動してきた移動局が、移動前に滞在していたセルと、さらに、その前に滞在していたセルを格納するフィールドである。また、過去2セルの滞在時間合計は、前記2つセルに移動局が滞在していた時間(あるいは滞在時間の長さを表すレベル情報等)を格納するフィールドである。ハンドアウト先セル番号1〜3は、前記過去2セルやその滞在時間によって表される移動パターンを持つ移動局が移動した先のセル情報を最大3つまで格納するために用いられる。前記移動局が移動した先のセルが4つ以上ある場合は、過去一定期間における出現回数の少ないものや、古いもの(FIFO)、あるいは、予測が当たらなかったものを適宜選択して掃き出すようにすればよい。もちろん、
図5のテーブルを拡張して、4つ以上のハンドアウト先セルのすべてを保持するようにしてもよい。
【0026】
例えば、
図6に示すように、移動局1がCell#1、Cell#2を経て、Cell#5にハンドインし、その後、Cell#9へハンドアウトしたものとする。また、Cell#1、Cell#2における滞在時間合計が20秒であったものとする。
【0027】
この場合、無線基地局装置100の移動履歴記録部103は、
図7に示すように、テーブルの過去2セルフィールドにCell#1、Cell#2、過去2セルの滞在時間合計に、0〜1分、ハンドアウト先セル番号1に、Cell#9を設定したエントリを追加する。これにより、Cell#1、Cell#2の順に、0〜1分という比較的短時間で通過した移動局が、Cell#9にハンドアウトしたという情報が蓄積されることになる。
【0028】
その後、
図8に示すように、移動局2がCell#3、Cell#4を経て、Cell#5にハンドインし、その後、Cell#10へハンドアウトしたものとする。また、Cell#3、Cell#4における滞在時間合計が30秒であったものとする。
【0029】
この場合、無線基地局装置100の移動履歴記録部103は、
図9に示すように、テーブルの過去2セルフィールドにCell#3、Cell#4、過去2セルの滞在時間合計に、0〜1分、ハンドアウト先セル番号1に、Cell#10を設定したエントリを追加する。これにより、Cell#3、Cell#4の順に、0〜1分という比較的短時間で通過した移動局が、Cell#10にハンドアウトしたという情報が蓄積されることになる。
【0030】
その後、
図10に示すように、移動局3がCell#7、Cell#6を経て、Cell#5にハンドインし、その後、Cell#8へハンドアウトしたものとする。また、Cell#7、Cell#6における滞在時間合計が80秒であったものとする。
【0031】
この場合、無線基地局装置100の移動履歴記録部103は、
図11に示すように、テーブルの過去2セルフィールドにCell#7、Cell#6、過去2セルの滞在時間合計に、1〜2分、ハンドアウト先セル番号1に、Cell#8を設定したエントリを追加する。これにより、Cell#7、Cell#6の順に、1〜2分という時間を掛けて通過した移動局が、Cell#8にハンドアウトしたという情報が蓄積されることになる。
【0032】
その後、
図12に示すように、移動局4がCell#1、Cell#2を経て、Cell#5にハンドインし、その後、Cell#9へハンドアウトしたものとする。また、Cell#1、Cell#2における滞在時間合計が40秒であったものとする。
【0033】
前記移動局4の移動ルートは、移動局1と同一であり、過去2セルの滞在時間合計も、0〜1分の範囲と同じである。この場合、既存のエントリに同一のものがあることになるため、無線基地局装置100の移動履歴記録部103は、
図13に示すように新しいエントリの追加は行わない。なお、この場合において、
図14に示すように、ハンドアウト先セル番号1のフィールドにCell#9*2と、ハンドアウト先となった頻度を追加するようにしてもよい。
【0034】
その後、
図15に示すように、移動局5がCell#3、Cell#4を経て、Cell#5にハンドインし、その後、Cell#8へハンドアウトしたものとする。また、Cell#3、Cell#4における滞在時間合計が50秒であったものとする。
【0035】
この場合、無線基地局装置100の移動履歴記録部103は、
図16に示すように、テーブルの過去2セルフィールドがCell#3、Cell#4、過去2セルの滞在時間合計に、0〜1分であるエントリのハンドアウト先セル番号2に、Cell#8を追加する。これにより、Cell#3、Cell#4の順に、0〜1分という時間を掛けて通過した移動局のハンドアウト先がCell#10だけでなく、Cell#8もある、という情報が蓄積されることになる。
【0036】
以上のようにして、無線基地局装置100の移動履歴記録部103に、過去一定期間や、過去所定台数分の移動局の移動履歴が蓄積されていく。
【0037】
再度、
図3を参照して、無線基地局装置100のその他の構成について説明する。セル選択部101は、移動履歴記録部103に蓄積された情報を参照して、新規にCell#5に移動してきた移動局のハンドアウト先の候補を決定する。より具体的には、セル選択部101は、移動局200が直前に在圏していた無線基地局装置から受信したハンドオーバ要求に含まれるUE−History−Informationと、前記収集した統計情報から、過去2セルの経路が一致するエントリのハンドアウト先セル番号フィールドを参照して、ハンドアウト先候補セルを選択する。例えば、移動履歴記録部103に蓄積されている情報が
図16のような状態であるときに、Cell#3、#4を経て、Cell#5にハンドインした移動局のハンドアウト先の候補は、Cell#10又はCell#8となる。前述の説明のとおり、ハンドアウト先の候補は、1つの場合と、3つの場合もあり、その場合には、それぞれがハンドアウト先の候補として選択される。
【0038】
ハンドアウト先の候補が見つからない場合、セル選択部101は、候補なし、として、抑止指示部102に、通常の品質測定(全隣接セルの受信品質測定)を指示してもよいし、例えば、過去2セルのうち、直近の滞在セルが一致し、古い方のセルが隣接するなど類似の経路を持つエントリを用いて、ハンドアウト先の候補を決定してもよい。
【0039】
抑止指示部102は、移動局200に対し、前記セル選択部101にて決定されたセル以外のセルについて受信品質の測定を抑止するように指示する。抑止指示部102から、移動局200に対する指示の形態については、種々の形態を取りうるが、後に、その一例を紹介する。
【0040】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、移動履歴記録部103に蓄積されている情報が
図16のような状態であるものとして説明する。
【0041】
図17に示すように、移動局6がCell#1、Cell#2を経由してCell#5へハンドインしたものとする。また、移動局のCell#1、Cell#2の滞在時間合計は20秒とする。
【0042】
この場合、セル選択部101は、移動履歴記録部103から、移動局200が直前に在圏していた無線基地局装置から受信したハンドオーバ要求に含まれるセル移動履歴(Cell#1、Cell#2)と、滞在時間20秒が一致するエントリを検索する。
図16の例では、1番目のエントリが一致するので、セル選択部101は、当該エントリのハンドアウト先セル番号フィールドに記録されているCell#9を、ハンドアウト先候補セルとして決定する。
【0043】
そして、抑止指示部102は、移動局6に対し、前記セル選択部101にて決定されたCell#9以外のセルについて受信品質の測定を抑止するように指示する。この結果、移動局6は、
図18に示すように、Cell#9についてのみ受信品質測定を実施し、Cell#9以外のセルについては、受信品質測定の実施を省略する。
【0044】
上記した動作について、移動局6及びその経路上のCell#2の無線基地局装置の動作を含めて
図19を用いて説明する。
図19に示すとおり、移動局6は、事前に無線基地局から受信したRRC Connection Reconfigurationに基づいて、受信品質測定を実施する。この段階では、ハンドアウト先の候補の選択は行われていないので、移動局6は、Cell#2とその隣接セルの受信品質測定を実施する。
【0045】
その後、
図17に示すように、移動局6がCell#2からCell#5に入ると、受信品質が劣化するため、移動局6は、Cell#2の無線基地局(以下、「基地局(Cell#2)」)に対し、受信品質測定結果をRRC:Measurement Reportを用いて送信する(ステップS001)。ここでは、
図17に示すように、移動局6がCell#5に移動したためCell#5の受信品質が良好であり、Cell#2の無線基地局(基地局(Cell#2))は、Cell#5の無線基地局(以下、「基地局(Cell#5)」)へ、X2ハンドオーバさせることを決定したものとする。
【0046】
基地局(Cell#2)は、基地局(Cell#5)に対し、ハンドオーバ要求メッセージ(HANDOVER REQUEST)を送信する(ステップS002)。前記ハンドオーバ要求メッセージを受信した基地局(Cell#5)は、ハンドオーバ要求メッセージに含まれるUE−History−Informationと、前記収集した統計情報から、移動局6のハンドアウト先の候補となるセルを特定する(ステップS003)。
【0047】
前記移動局6のハンドアウト先の候補となるセルを特定した基地局(Cell#5)は、基地局(Cell#2)に対し、HANDOVER REQUEST ACKNOWLEDGEメッセージを用いて、前記ハンドアウト先の候補となるセルの受信品質測定指示の転送を依頼する(ステップS004)。
【0048】
前記ハンドアウト先の候補となるセルの受信品質測定指示の転送依頼を受けた基地局(Cell#2)は、RRC Connection Reconfigurationメッセージを用いて、移動局6に対し、ハンドアウト先の候補となるセルの受信品質測定を指示する(ステップS005)。
【0049】
RRC Connection Reconfigurationメッセージを受信した移動局6は、基地局(Cell#5)に対し、RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージを送信する(ステップS006)。以降、移動局6は、RRC Connection Reconfigurationメッセージに含まれる指示に基づいて受信品質測定を実施する。
【0050】
図20は、上記ステップS003における無線基地局装置100におけるハンドアウト先候補セルの決定処理の流れを表したフローチャートである。
図20を参照すると、まず、無線基地局装置100は、隣接する無線基地局装置から受信したUE−History−Informationから、該当移動局の過去2セルの滞在時間合計を計算する(ステップS101)。この滞在時間の合計は、UE−History−Informationに含まれる直近の滞在セルリスト(Last Visited Cell List)中の上位2つのセルのTime−UE−Stay−In−Cellの値を用いて計算することができる。
【0051】
次に、無線基地局装置100は、移動履歴記録部103を参照し、「過去2セルの滞在時間合計」フィールドに、前記算出した過去2セルの滞在時間合計の値を含むレンジが設定されているエントリが存在するか否かを確認する(ステップS102)。ここで、該当するレンジが設定されたエントリが存在しない場合(ステップS102のNo)、無線基地局装置100は、移動局200に対し、ハンドアウト先候補セルの指示(受信品質測定セルの限定)は行わない(ステップS106)。
【0052】
一方、「過去2セルの滞在時間合計」フィールドに、前記算出した過去2セルの滞在時間合計の値を含むレンジが設定されているエントリが存在した場合(ステップS102のYes)、無線基地局装置100は、次の事項を確認する。即ち、無線基地局装置100は、前記過去2セルの滞在時間合計による条件に適合したエントリに、UE−History−Informationに含まれる過去2セルと同じセルが設定されているエントリが存在するか否かを確認する(ステップS103)。ここで、該当するエントリが存在しない場合(ステップS103のNo)、無線基地局装置100は、移動局200に対し、ハンドアウト先候補セルの指示(受信品質測定セルの限定)は行わない(ステップS105)。
【0053】
一方、前記確認の結果、UE−History−Informationに含まれる過去2セルと同じセルが設定されているエントリが見つかった場合、無線基地局装置100は、これらのエントリのハンドアウト先セル番号1〜3フィールドに設定されたセルを、ハンドアウト先候補として特定する。これにより、過去在圏したセルの順序が同一であり、かつ、これらのセルの滞在時間合計が近似する移動局の移動履歴を持つ移動局のハンドアウト先が選択されることになる。そして、無線基地局装置100は、前述のとおり、移動局200に対して、これらのセル以外の受信品質測定の抑止を指示する(ステップS104)。ここで選択されたセルは、
図5〜
図16を用いて説明したように、実際に該当セルを訪れた移動局の移動ルートと、その滞在時間に基づいたものとなっている。換言すると、このセル特定処理は、移動局が移動する可能性の低いセル(過去2セルの移動ルートで移動した実績のないセル)を受信品質測定の対象セルから除外するものとなっている。
【0054】
また、上記の過程において、移動局の過去在圏したセルの滞在時間合計を比較することによって移動局の移動速度も考慮に入れられている。同じルートをたどった移動局であっても移動速度が異なる場合(例えば、徒歩と交通機関利用)、ハンドアウト先が異なる場合があるが、上記のようにセルの滞在時間合計を比較することによって、ハンドアウト先の予測精度の向上が図られている。
【0055】
以上、説明したように、本実施形態によれば、移動局に、実際に移動する可能性の少ない隣接セルの受信品質測定を停止させることが可能となる。これにより、移動局の消費電力を低減することも可能となる。
【0056】
[第2の実施形態]
続いて、上記第1の実施形態と比較して、移動局の消費電力の削減効果を高めることが可能となる第2の実施形態について図面を参照して説明する。
図21は、本発明の第2の実施形態の無線基地局装置の構成を表したブロック図である。
図3に示した第1の実施形態との構成上の相違点は、移動局管理部104が追加されている点である。その他は、第1の実施形態と同様の構成で実現可能であるので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0057】
無線基地局装置100Bの移動局管理部104は、移動局200が、一定期間、移動していない状態にあるか否かを確認し、隣接セルの受信品質測定の要否の判定を行う。そして、第2の実施形態では、上記した第1の実施形態の移動履歴を考慮した隣接セルの受信品質測定の要否に加えて、移動局が移動していない場合にも在圏セル以外の受信品質測定の抑制指示が行われる。
【0058】
続いて、上記した無線基地局装置100Bによる移動局の移動有無の判定方法について説明する。先の
図19で説明したように、無線基地局装置は、移動局に対し、受信品質の測定結果通知タイミング等を指示する機能を有している(
図19のRRC Connection Reconfigurationメッセージ参照)。本実施形態の無線基地局装置100Bの移動局管理部104は、移動局に対し、所定の時間間隔で、無線基地局装置に対し、在圏セルの受信品質測定の結果を送信するように指示する。
【0059】
従って、本実施形態の無線基地局装置がサービスしているセルに在圏している移動局は、無線基地局装置に対し、前記指定された時間間隔で、Measurement Reportメッセージにて、在圏セルの受信品質測定の結果を送信する。
【0060】
図22は、本発明の第2の実施形態の動作を表したシーケンス図である。前述のとおり、移動局200は、無線基地局装置100B(
図22の基地局)との通信開始後、基地局から受信したRRC Connection Reconfigurationメッセージに従って、受信品質測定を行って、Measurement Reportメッセージを送信する(ステップS201)。
【0061】
無線基地局装置100B(
図22の基地局)は、移動局から受信したMeasurement Reportメッセージに基づいて、一定期間、在圏セルの受信品質に変更があるか否かを確認する(ステップS202)。ここで、一定期間、在圏セルの受信品質に変更が無い場合、無線基地局装置100B(
図22の基地局)は、該当移動局は移動していないと判定して(ステップS202のYes)、移動局200に対し、隣接セルの受信品質測定の停止を指示する(ステップS203)。この指示には、前述のRRC Connection Reconfigurationメッセージを用いることができる。
【0062】
前記RRC Connection Reconfigurationメッセージを受信した移動局200は、無線基地局装置100B(
図22の基地局)に対し、RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージを送信する(ステップS204)。以降、移動局200は、RRC Connection Reconfigurationメッセージに含まれる指示に基づいて、隣接セルの受信品質測定を停止する。
【0063】
図23は、前記隣接セルの受信品質測定の停止指示を受けた移動局200が、受信品質測定を実施するセルを表した図である。
図23に示すとおり、前記隣接セルの受信品質測定の停止指示を受けている場合、移動局は、在圏するセルのみ受信品質測定を実施することになる。
【0064】
なお、
図22のステップS202において、在圏セルの受信品質に変更があると判定した場合、無線基地局装置100B(
図22の基地局)は、前記隣接セルの受信品質測定の停止指示は行わない。この場合、移動局200は、隣接セルの受信品質測定を行って、無線基地局装置100B(
図22の基地局)に報告を行う。移動局200が移動している可能性が高いため、ハンドオーバが適宜実施されることになる。
【0065】
図24は、上記第2の実施形態の無線基地局装置100Bが提供するセルに在圏する移動局の挙動を表した図である。
図22にて説明したとおり、移動局200は、在圏セルの受信品質を測定し、無線基地局装置100Bに対して、通知する。
図24の例では、時刻t0の時点で、無線基地局装置100Bが一定期間受信品質に変化がないと判定して、移動局に隣接セルの受信品質測定の停止を指示している。但し、移動局200は、在圏セルの受信品質測定と報告については継続する。
【0066】
その後、時刻t1の時点で移動局が移動を開始したとする。これにより、移動局200から報告される在圏セルの受信品質が低下し始め、時刻t2の時点で在圏セルの受信品質が所定の閾値th1(在圏セルの受信品質閾値)を下回ったとする。以降、無線基地局装置100Bは、移動局に対し、隣接セルの受信品質の測定再開を指示する。これにより、在圏セルの受信品質がさらに低下した際に(例えば、
図24の閾値th2を下回る)、スムーズなハンドオーバが実施されることになる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態では、移動局200が移動しているときだけでなく、移動局200が移動をしていない場合に、隣接セルの受信品質測定を抑止させることができる。このため、第1の実施形態との比較において、移動局の消費電力をより低減させることが可能となる。
【0068】
なお、上記した実施形態の説明に用いた
図1、
図3、
図21に示した無線基地局装置の100、100a、100Bの各部(処理手段)は、無線基地局装置の100、100a、100Bに搭載されたプロセッサ(
図25のCPU(Central Processing Unit)9010)に、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することもできる。この場合、上記したコンピュータプログラムは、
図25のメモリ9030又は補助記憶装置9040に配置され、CPU9010にて読み出されて実行させることになる。また、通信インタフェース9020は、移動局や隣接する無線基地局と上述した各種のメッセージを授受する手段として機能する。
【0069】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示した機器間の構成、各要素の構成、メッセージの表現形態は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0070】
例えば、上記した第1の実施形態では、無線基地局装置100が移動局の過去2セルの移動ルートとその滞在時間に基づいて、ハンドアウト先の候補を選択するものとして説明したが、判定に用いるセルの数は、2に限定されない。例えば、過去1セル、3セル以上を蓄積し、ハンドアウト先の候補を選択することとしてもよい。
【0071】
また、上記した実施形態では、移動局の滞在時間合計を1分単位で区別したが、1分単位で無くてもよい。また、移動局の滞在時間合計が所定の値を超えたものについては、利用者が徒歩で移動している状況が想定されるので、一律にハンドアウト先の候補の記録の対象外とする等の処理を行ってもよい。
【0072】
また、上記した実施形態では、移動局の移動経路と滞在時間を用いてハンドアウト先の候補となるセルを選択するものとして説明したが、その他の事情を考慮してハンドアウト先の候補となるセルを選択してもよい。例えば、無線基地局装置100の提供するセル内に、高速の鉄道線路がある場合、その鉄道に搭乗している利用者の端末は、その線路に沿ったルートで、車両と同じ速さで移動することになる。このように過去数セルが鉄道の利用者であることを示している場合、無線基地局装置100は、その滞在時間合計に拘わらず、その線路に沿った移動が行われると見做してハンドアウト先の候補を絞り込んでも良い。
【0073】
また、無線基地局装置が配置されたエリアの地域的な特性、時期的なイベント、移動局の種類等を考慮して受信品質測定を行わせるセルを追加することもできる。例えば、無線基地局装置が配置されたエリアにおいて多くのユーザが徒歩移動しているようなケースでは、過去数セルから選択したセルに加えて、その両隣のセルを受信品質測定の対象に加えてもよい。また、特定のイベントの開催等により、多くのユーザが特定の場所に向かって移動することが見込まれる場合、その経路に沿ったセルを受信品質測定の対象に加えてもよい。さらに、移動局の多くがドローン等の無人飛行体に搭載された端末や、その他移動体に搭載されたIoT端末の場合、これらの無人飛行体や移動体の経路を考慮したセル選択を行ってもよい。
【0074】
また、上記した実施形態では、LTEの無線基地局に適用した例を挙げて説明したが、本発明を適用可能な無線通信システムであれば、その適用範囲に制限はない。例えば、上記した第1の実施形態と同様のネットワーク主導型のハンドオーバを行う無線基地局にも同様の構成にて実現可能である。また、端末主導型のハンドオーバを行う無線通信システムにおいても、端末(移動局)や上位装置から、移動局の移動履歴を入手し、無線基地局に利用させることが可能な構成であれば、同様に適用することが可能である。
【0075】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による無線基地局装置参照)
[第2の形態]
上記した無線基地局装置は、
さらに、前記移動局についてのハンドオーバ要求に含まれる情報要素から前記セル移動履歴を取り出して記録する移動履歴記録部を備えることが好ましい。
[第3の形態]
上記した無線基地局装置の移動履歴記録部は、移動局がハンドアウトする際に、前記移動局が過去に在圏したセルとその滞在時間合計とを対応付けて、前記ハンドアウト先となったセルを記録することが好ましい。
[第4の形態]
上記した無線基地局装置のセル選択部は、前記第1のセルから前記第2のセルに移動してきた移動局について、少なくとも前記第1のセルと前記第2のセルの組み合わせが共通するセル移動履歴のハンドアウト先として記録されたセルを、前記第3のセルとして決定することができる。
[第5の形態]
上記した無線基地局装置のセル選択部は、前記第1のセルから前記第2のセルに移動してきた移動局について、前記第1のセルと前記第2のセルの組み合わせが共通し、かつ、前記第1のセルを含むセルの滞在時間合計が近似するセル移動履歴のハンドアウト先として記録されたセルを、前記第3のセルとして決定することができる。
[第6の形態]
上記した無線基地局装置は、さらに、
前記移動局から受信した前記第2のセルの受信品質の測定結果に基づいて、前記移動局が前記第2のセルに滞在しているか否かを確認する移動局管理部を備え、
前記抑止指示部は、所定の時間以上、前記第2のセルに滞在している移動局に対し、前記第2のセル以外の受信品質の測定を抑止するよう指示することが好ましい。
[第7の形態]
上記した無線基地局装置の移動局管理部は、前記第2のセルの受信品質が所定の閾値より低下している移動局に対して、隣接セルの受信品質の測定再開を指示することが好ましい。
[第8の形態]
上記した無線基地局装置の移動履歴記録部は、隣接する無線基地局装置から受信したハンドオーバ要求に含まれるUE−History−Informationに基づいて移動局のセル移動履歴を記録し、セル滞在時間を計算する構成を採ることができる。
[第9の形態]
(上記第2の視点による移動局の制御方法参照)
[第10の形態]
(上記第3の視点によるプログラム参照)
なお、上記第9〜第10の形態は、第1の形態と同様に、第2〜第8の形態に展開することが可能である。
【0076】
なお、上記の特許文献および非特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。