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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-72229(P2019-72229A)
(43)【公開日】2019年5月16日
(54)【発明の名称】葬祭具
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/00 20060101AFI20190419BHJP
【FI】
   A47G33/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-200877(P2017-200877)
(22)【出願日】2017年10月17日
(71)【出願人】
【識別番号】594111203
【氏名又は名称】旭電機化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 和美
(57)【要約】
【課題】実物の線香が点火しているように見える葬祭具を提供する。
【解決手段】先端領域に凹溝を有する線香状棒体(2)が、水平状に香炉状容器(1)の天井壁(14)の上に載置され、この線香状棒体(2)の長手方向の途中から光伝達ファイバ(4)が、凹溝に差込まれており、かつ、この光伝達ファイバ(4)は全体がL字状であって、下端から赤色LED(3)の光を受けて、先端頭部から光を散乱状に発する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色LED(3)を内部に有する香炉状容器(1)と、該香炉状容器(1)の天井壁(14)の上に水平状姿勢で取着された線香状棒体(2)とを、備え、
該線香状棒体(2)は、
前方開口状かつ下方開口状の凹溝(16)が、先端領域(Z)に凹設された不透明な杆本体(7)と、
上記凹溝(16)に差込まれる短寸水平部(4A)と、該水平部(4A)の基端から下方へ折曲状の短寸垂下部(4B)と、上記水平部(4A)の先端に連設された光散乱用先端頭部(4C)を、有する全体L字型の光伝達ファイバ(4)、
とを具備し、
上記香炉状容器(1)内部にある上記光伝達ファイバ(4)の短寸垂下部(4B)の下端面が上記赤色LED(3)から光を受けて、上記先端頭部(4C)から光を散乱状に発するように構成されていることを特徴とする葬祭具。
【請求項2】
上記杆本体(7)の横断面形状は、
上記先端領域(Z)では、倒立U字型であり、
基端部(8)では円形であり、
中間領域(M)では、競技場トラック型(N)を短軸(L1 )で切断した半競技場トラック型であり、
上記杆本体(7)の左右側面及び上面の横断面形状は、長手方向に滑らかに連続変化するよう設定されている請求項1記載の葬祭具。
【請求項3】
赤色LED(3)を内部に有する香炉状容器(1)と、該香炉状容器(1)の天井壁(14)の上に水平状姿勢で取着された線香状棒体(2)とを、備え、
該線香状棒体(2)は、
前方及び下方に開口する小凹窪部(26)が最先端部(28)に凹設された不透明な杆本体(7)と、
上記小凹窪部(26)に差込まれる弯曲部(4E)を有し、該弯曲部(4E)から下方へ垂設された短寸垂下部(4B)と、上記弯曲部(4E)の先端に連設された光散乱用先端頭部(4C)を、有する光伝達ファイバ(4)、
とを具備し、
上記香炉状容器(1)内部にある上記光伝達ファイバ(4)の短寸垂下部(4B)の下端面が上記赤色LED(3)から光を受けて、上記先端頭部(4C)から光を散乱状に発するように構成されていることを特徴とする葬祭具。
【請求項4】
上記香炉状容器(1)の天井壁(14)には複数の差込小孔(19)が貫設され、
上記杆本体(7)は、上記差込小孔(19)に挿入される複数の取付脚(18)が一体状に垂設されている請求項1,2又は3記載の葬祭具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、葬祭具に関する。
【背景技術】
【0002】
古くから、線香と香炉とから成る葬祭具が使われてきたが、線香に火を着ける面倒さと、線香が倒れた場合に、火災等が発生する危険性があった。
このような問題を解決するために、火を使用しないで、赤色LEDを用いた葬祭具(電子線香立て)について、本出願人は、かつて提案している(特許文献1参照)。
この葬祭具では、線香を垂直状に立てる型式であった。
しかしながら、仏教宗派によっては、線香を寝かせて(水平に)セットすることが要望される。
【0003】
水平に線香をセットするものとしては、従来、図11図12に示すような葬祭具が公知である。
この図11図12に図示した葬祭具について説明すれば、香炉状容器31の天井壁32の上に全体L字状の線香状棒体33の水平部33Aを載置すると共に、垂下部33Bを天井壁32の孔部に挿入し、この垂下部33Bの下端面を、赤色LED34に対向接近させ、赤色LEDの光を、線香状棒体33の芯材としての光ファイバ35を介して伝えて、先端頭部36から光を散乱状に発する構成である。
線香状棒体33は、上述した芯材としての光ファイバ35と、それを外部から被覆した不透明な被覆層37と、から構成される。短寸の線香状棒体33は、弯曲部38にてアール状に折曲げられることで、上記水平部33Aと垂下部33Bが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−135255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11図12に示す従来の葬祭具は、先端頭部36から光が散乱発光し、あたかも実物の線香の先端に火が着いている如く見える点で、優れたものではあるが、以下のような問題点が残っている。
実物の線香の如く見せることが最も重要であるにかかわらず、上方から見た際に、弯曲部38の存在が、実物の線香としては、不自然に見える点である。
即ち、あたかも細い電線が、天井壁32を下方から貫通しつつ弯曲して天井壁32の上に載置したように、見えて、細い電線の先端が発光していると感じる(見える)点である。また、線香状棒体33は、光ファイバ35と被覆層37とから成るため、手作業で弯曲させることは至難であり、作業能率が悪く加工費も掛った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明に係る葬祭具は、赤色LEDを内部に有する香炉状容器と、該香炉状容器の天井壁の上に水平状姿勢で取着された線香状棒体とを、備え;該線香状棒体は;前方開口状かつ下方開口状の凹溝が、先端領域に凹設された不透明な杆本体と;上記凹溝に差込まれる短寸水平部と、該水平部の基端から下方へ折曲状の短寸垂下部と、上記水平部の先端に連設された光散乱用先端頭部を、有する全体L字型の光伝達ファイバ;とを具備し;上記香炉状容器内部にある上記光伝達ファイバの短寸垂下部の下端面が上記赤色LEDから光を受けて、上記先端頭部から光を散乱状に発するように構成されている。
また、上記杆本体の横断面形状は;上記先端領域では、倒立U字型であり;基端部では円形であり;中間領域では、競技場トラック型を短軸で切断した半競技場トラック型であり;上記杆本体の左右側面及び上面の横断面形状は、長手方向に滑らかに連続変化するよう設定されている。
【0007】
また、赤色LEDを内部に有する香炉状容器と、該香炉状容器の天井壁の上に水平状姿勢で取着された線香状棒体とを、備え;該線香状棒体は;前方及び下方に開口する小凹窪部が最先端部に凹設された不透明な杆本体と;上記小凹窪部に差込まれる弯曲部を有し、該弯曲部から下方へ垂設された短寸垂下部と、上記弯曲部の先端に連設された光散乱用先端頭部を、有する光伝達ファイバ;とを具備し;上記香炉状容器内部にある上記光伝達ファイバの短寸垂下部の下端面が上記赤色LEDから光を受けて、上記先端頭部から光を散乱状に発するように構成されている。
また、上記香炉状容器の天井壁には複数の差込小孔が貫設され;上記杆本体は、上記差込小孔に挿入される複数の取付脚が一体状に垂設されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る葬祭具によれば、線香状棒体は、後端が実物の線香の如く、直交面状に切断されたように見えて、しかも、全体として円形棒状の実物の線香に見えて、不自然さがなくなる。また、比較的高価な光伝達ファイバは従来よりもかなり短くて済み、コストダウンも図ることができる。さらに、光伝達ファイバが短くなる分、光の減衰が少なくなり、その結果、電池寿命が延びる。
特に、線香状棒体の長手方向途中から全体L字型の光伝達ファイバが差込まれる構成でありながら、光が側方外部へ漏洩しない。あるいは、線香状棒体の最先端部の小凹窪部に光伝達ファイバの弯曲部を差込むので、光が側方へほとんど漏洩せずに、先端頭部のみから散乱しつつ光を発する。従って、一層、実物の線香の如き印象(感じ)を見る人達に与える。
また、従来例(図11図12)では、光ファイバは被覆層を一体に有する構成であって、作業者が手で曲げることが難しく、加工費用も掛っていたが、本発明では、簡単に組立てることができる。つまり、光伝達ファイバを凹溝又は小凹窪部に簡単に差込んで組立てできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の一形態を示す正面図である。
図2】平面図である。
図3図2のA−A断面図である。
図4図2のB−B断面図である。
図5】線香状棒体の縦断面図である。
図6図5の拡大断面図であって、(a)(b)(c)(d)は、図5の(a−a)(b−b)(c−c)(d−d)にて各々切断した拡大断面図であって、(a)´は(a)の変形例を示す拡大断面図である。
図7】要部拡大断面図である。
図8】横断面形状を説明するための図である。
図9】変形例を示す要部拡大縦断面図である。
図10】線香状棒体の他の実施形態を示した図であって、(A)は縦断面図、(B)は(A)における拡大断面図であって、(a)(b)(c)(d)は(A)の(a−a)(b−b)(c−c)(d−d)にて各々切断した拡大断面図、(C)は要部拡大断面説明図である。
図11】従来例の平面図である。
図12】従来例を示す図11のC−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1図4は、本発明の葬祭具の実施の一形態を示し、1は香炉状容器であって、その内部には赤色LED3,3,3を有する。
【0011】
この香炉状容器1は天井壁14を有し、実物の灰と同系色のシート体15が貼着されている。この天井壁14の上に、線香状棒体2が水平状姿勢で、取着される。
なお、天井壁14の上面に、実際の灰、又は、同系色の粉・粒を、接着剤や粘着剤等で薄く付着させるも自由である(図示省略)。
香炉状容器1は、天井壁14を除いて、その外周面及び下面は、実物の香炉のような形状を有し、材質は、主として(ABS等の)合成樹脂であり、取外し自在な底蓋1aを有する。
【0012】
上記赤色LED3は、(電子回路用)プリント基板10に、電気的に接続されて取付られ、このプリント基板10は、容器1内部の保持体9に取着されている。
保持体9には、乾電池6,6が取外し自在に取付けられプリント基板10に電気的に接続される。また、赤色LED3やスイッチ5の交換・取付等の際には、(底蓋1aを取外してから)保持体9と共に取出して、簡単に作業できる。
プリント基板10には、赤色LED3の発光をON−OFFするようにスイッチ5が設けられており、スイッチ5は、上記天井壁14の貫孔に付設したボタン部13にて操作できる。特に、このボタン部13は、ゴム又はプラスチックの弾性体から成り、丸い半球頭部13Aが(図2に示すように)露出しており、柔らかく操作しやすく、かつ、目ざわりにならない。
【0013】
線香状棒体2の構成について、具体的に、以下説明する。
この線香状棒体2は、(ABS樹脂等の)不透明な、かつ、実物の線香のような緑色や茶色や紫色等の色彩の杆本体7と、全体L字型の光伝達ファイバ4とを、備えている。
【0014】
図5図7に示すように、線香状棒体2の上記杆本体7には、その先端(前端)領域Zに、前方開口状かつ下方開口状の凹溝16が凹設されている。
光伝達ファイバ4は、杆本体7の凹溝16に差込まれた短寸水平部4Aと、この水平部4Aの基端(後端)から下方へ折曲状の短寸垂下部4Bと、この水平部4Aの先端(前端)に連設された光散乱用先端頭部4Cを、有する。
【0015】
なお、図9に示した変形例のように、光散乱用先端頭部4Cとして、実物の線香が燃えた灰の如く白っぽく見える極めて短い光散乱用短寸小円管キャップ4Dを、短寸水平部4Aの最先端部に外嵌状に取着して構成することも望ましい。図9に点線矢印Xをもって示したのは、実物の線香が燃えてゆく際に先端に付着して残っている線香灰が白っぽく発する光を模倣した光線を示している。この小円管キャップ4Dの基端面と、杆本体7の先端面とは、間隙のないように密接するのが望ましい。また、図3図5に示す実施例に於ても、先端頭部4Cの基端面と、杆本体7の先端面とは、間隙のないように密接するのが望ましい。
【0016】
図5図6に示すように、杆本体7は、その横断面形状が長手方向に変化する。
具体的には、図6(a)と図7に示すように、杆本体7の横断面形状は、前述の先端領域Zでは、倒立U字型であり、基端部(後端部)8では図6(d)に示すように円形であり、中間領域Mでは、図6(b)に示すように半競技場トラック型(半長円形)である。
半競技場トラック型(半長円形)とは、図8に於て、全体の輪郭線を示す競技場トラック型(長円形)Nを、短軸L1 で切断した形状(図8に於て斜線をもって示す)をいう。半競技場トラック型は、図6(b)のように、底辺21と、平行な左右側辺22,22と、半円形部23と、から成り、底辺21と左右側辺22,22は、直線状である。
【0017】
そして、上記中間領域Mの後端から後端部8までの変化領域Tでは、図6(b)の半競技場トラック型の底辺21の寸法をしだいに減少し、左右側辺22,22を直線から凸弯曲状に変化させて相互に両下端を接近させるように変化して、基端部8の円形に滑らかに連続変化させる。図6(c)は、そのように変化しつつある途中の横断面形状を図示したものである。
要するに、杆本体7の上面の横断面形状は、図6(b)に示した半円形部23であって、長手方向に共通する。しかも、杆本体7の側面は、横断面を示す図6(a)と(b)とは共通(同一)であり、(b)から順次(c)を経て(d)に到る変化を示す。
このように、杆本体7の左右側面及び上面の横断面形状は、長手方向に滑らかに連続的に変化するように、設定されている。
【0018】
ところで、本発明に於て、「倒立U字型」とは、図6(A)と図7に示した横断面形状に限定されず、図6(a)´(あるいは後述する図10(B)の(a))に示したような、左右外側面が丸味のある形状、あるいは、左右外側面が下方へしだいに接近する傾斜状の場合をも、包含するものと定義する。
なお、図6(a)´のように、左右外側面が丸味があれば、図6(b)の横断面形状は、図6(c)と同様の形状とすることができて好ましい。つまり、円形棒状の実物の線香に見え易いという効果を奏する。
【0019】
本発明に係る葬祭具は、如何に実物の線香のように見せるかが重要である。上方及び側方から人の目で見た際に、後端面は円形(図6(d)参照)であり、変化領域Tと中間領域Mと先端領域Zは、上面の横断面形状が図6(a)(a)´(b)(c)(d)に示すように、共通した半円形であり、左右側面は長手方向に滑らかに連続変化し、先端頭部4Cが発光しているので、いかにも実物の線香とそっくりなものとして、認識される。
図6(a)と図7(又は図6(a)´)に示すように、先端領域Zでは、凹溝16に差込まれて保持されている光伝達ファイバ4の短寸水平部4Aから、光が図7の点線矢印Pにて示すように洩れることが、全くない。つまり、横断面倒立U字型の杆本体7の左右下端17,17が、シート体15に圧接して間隙がないので、点線矢印Pのように、不要な部位からの光漏洩が発生せず、実物の線香の雰囲気を壊さない。
【0020】
そして、図5に示すように、杆本体7は複数本(図例では2本)の取付脚18,18が一体状に垂設されている。また、図3に示すように、香炉状容器1の天井壁14には複数(図例では2個)の差込小孔19,19が貫設され、この小孔19,19に取付脚18,18を挿入して、天井壁14の上に杆本体7を取着する。
さらに、天井壁14には、光伝達ファイバ4の垂下部4Bが上方から挿入される孔部20が貫設されている。
しかも、この孔部20は、天井壁14の下面から垂下状に連設された短筒部24の孔と、天井壁14自体の孔とをもって形成され、図3に示すように、孔部20に、光伝達ファイバ4の垂下部4Bを挿入すると、垂下部4Bの下端面(受光端面)と、短筒部24の下端面とを、略一致させるのが望ましい。
【0021】
そして、垂下部4Bの下端面(受光端面)が、微小ギャップを介して赤色LED3に接近した状態で、(図3に示す如く)線香状棒体2は天井壁14に固定される。
赤色LED3が点燈(発光)すると、垂下部4Bの下端面(受光端面)から入射した光は、短い光路を経て、先端頭部4Cから光を散乱状に発する。光伝達ファイバ4は図12に示した従来例よりも十分短いので、比較的高価な光ファイバ材料費が節約可能になり、かつ、光の伝播減衰も減少し、赤色LED3も小さくて低出力のもので済む。従って、乾電池6の寿命も延びる。
【0022】
次に、図10は本発明の他の実施形態を示す。
図10(A)(C)に示すように、線香状棒体2の杆本体7は、最先端部28にのみ小凹窪部26が、凹設されている。縦断面形状は、四半円形状であって、円弧状奥部26Aを有し、また、杆本体7の先端面及びその近傍の図10(A)の(a−a)断面は、図10(B)の(a)に示す倒立U字状である。
そして、光伝達ファイバ4は、既説の図5に示した短寸水平部4Aが、殆ど無いか、全く省略されている。つまり、光伝達ファイバ4は、杆本体7の上記小凹窪部26に差込まれる(円弧状の)弯曲部4Eを有すると共に、この弯曲部4Eから下方へ、短寸垂下部4Bが連設されている。さらに、この弯曲部4Eの(前方側の)先端には、光散乱用先端頭部4Cが連設されている。
このように、光伝達ファイバ4は、先端頭部4Cと弯曲部4Eと短寸垂下部4Bを一体に有している。図10(A)(B)のように、小凹窪部26の形状と寸法は、弯曲部4Eが密に差込まれるように、設定するのが望ましい。
【0023】
ところで、図10(B)に示すように、杆本体7の横断面形状は、図5図6に示した横断面形状よりも、全体的に円形に近似しており、実物の線香に近い自然な感じを与えることができる。
なお、図10におけるその他の構成については、図5図6と同一符号は同様の構成であるので、説明を省略する。
【0024】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、例えば、図5図6に基づいて既に説明した、図6(a)(a)´(b)(c)(d)の長手方向各寸法、つまりZ,M,T及び符号8で示した長手方向各寸法(割合)を変更するも自由である。即ち、 (i) 光伝達ファイバ4を凹溝16に差込んで安定して保持できること、 (ii) 図7に於て点線矢印Pで示した光の外部漏洩を容易かつ確実に防止できること、(iii) 杆本体7を上方前方・上方後方・上方側方から人の目で見た際に、いかにも実物の線香のように見えること、等の作用・機能・効果を奏する範囲において、上記Z,M,T及び符号8で示した長手方向各寸法(割合)を変更するも自由である。そして、図6(a)(b)の横断面形状における上面形状及び左右側面形状を、図6(a)´(c)のように、円形にやや近似の形状に変形することも、好ましい。
また、線香状棒体2の本数は増減自由であり、1本,2本,あるいは、4本,5本等に設定可能である。
【0025】
本発明は以上詳述したように、赤色LED3を内部に有する香炉状容器1と、該香炉状容器1の天井壁14の上に水平状姿勢で取着された線香状棒体2とを、備え;該線香状棒体2は;前方開口状かつ下方開口状の凹溝16が、先端領域Zに凹設された不透明な杆本体7と;上記凹溝16に差込まれる短寸水平部4Aと、該水平部4Aの基端から下方へ折曲状の短寸垂下部4Bと、上記水平部4Aの先端に連設された光散乱用先端頭部4Cを、有する全体L字型の光伝達ファイバ4;とを具備し;上記香炉状容器1内部にある上記光伝達ファイバ4の短寸垂下部4Bの下端面が上記赤色LED3から光を受けて、上記先端頭部4Cから光を散乱状に発するように構成されているので、線香状棒体2の後端面が直交切断面状として、実物の線香と比べて自然な感じを見る者に与えることができ、さらに、比較的高価な材質から成る光伝達ファイバ4を短い寸法のものでも使用できて、全体のコストダウンを図り得ると共に、製作も難しくはないという利点がある。さらに、短い寸法の光伝達ファイバ4とすることで、光伝達時の光減衰が僅かであり、赤色LED3としても低出力のものとすることもできる。さらに、光伝達ファイバ4から光が側方外部へ漏洩せず、一層、実物の線香のような自然な感じを与えることができる。
【0026】
また、本発明では、上記杆本体7の横断面形状は;上記先端領域Zでは、倒立U字型であり;基端部8では円形であり;中間領域Mでは、競技場トラック型Nを短軸L1 で切断した半競技場トラック型であり;上記杆本体7の左右側面及び上面の横断面形状は、長手方向に滑らかに連続変化するよう設定されているので、先端領域Zに、簡単に、かつ、安定姿勢で、光伝達ファイバ4の水平部4Aを嵌込んで保持できる。しかも、中間領域M及び基端部8を含んで、杆本体7の左右側面及び上面が、実物の線香の如き自然な印象を(見る者に)与えることができる。特に、円形の基端部8は、従来例を示した図12のように弯曲部38を有する電線のように見えるという欠点を、全く解消でき、一層、実物の線香のような自然な印象を与える。
【0027】
また、赤色LED3を内部に有する香炉状容器1と、該香炉状容器1の天井壁14の上に水平状姿勢で取着された線香状棒体2とを、備え;該線香状棒体2は;前方及び下方に開口する小凹窪部26が最先端部28に凹設された不透明な杆本体7と;上記小凹窪部26に差込まれる弯曲部4Eを有し、該弯曲部4Eから下方へ垂設された短寸垂下部4Bと、上記弯曲部4Eの先端に連設された光散乱用先端頭部4Cを、有する光伝達ファイバ4;とを具備し;上記香炉状容器1内部にある上記光伝達ファイバ4の短寸垂下部4Bの下端面が上記赤色LED3から光を受けて、上記先端頭部4Cから光を散乱状に発するように構成されているので、線香状棒体2の全体を、横断面円形乃至それに近似の円形状に、することが容易となって、実物の線香に比べて一層自然な感じを見る者に与えることができる。光伝達ファイバ4を、さらに短くすることができて、コストダウンを図り得ると共に、光減衰がさらに減少して、赤色LED3を低出力のもので済み、乾電池の寿命も延びる。
【0028】
また、上記香炉状容器1の天井壁14には複数の差込小孔19が貫設され;上記杆本体7は、上記差込小孔19に挿入される複数の取付脚18が一体状に垂設されているので、線香状棒体2の杆本体7が、天井壁14から上方へ浮上がって、不自然な感じを与えることを防止できると共に、光の左右外方への漏洩(図7の点線矢印P参照)をも防止できる。
【符号の説明】
【0029】
1 香炉状容器
2 線香状棒体
3 赤色LED
4 光伝達ファイバ
4A 水平部
4B 垂下部
4C 先端頭部
4E 弯曲部
7 杆本体
8 基端部(後端部)
14 天井壁
16 凹溝
18 取付脚
19 差込小孔
26 小凹窪部
28 最先端部
1 短軸
M 中間領域
N 競技場トラック型(長円形)
T 変化領域
Z 先端領域(前端領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12