特開2019-72952(P2019-72952A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山本 英彦の特許一覧

<>
  • 特開2019072952-名刺 図000003
  • 特開2019072952-名刺 図000004
  • 特開2019072952-名刺 図000005
  • 特開2019072952-名刺 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-72952(P2019-72952A)
(43)【公開日】2019年5月16日
(54)【発明の名称】名刺
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20190419BHJP
【FI】
   B42D15/02 521
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-201445(P2017-201445)
(22)【出願日】2017年10月17日
(71)【出願人】
【識別番号】316003380
【氏名又は名称】山本 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 英彦
【テーマコード(参考)】
2C005
【Fターム(参考)】
2C005UA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】切取容易に加工を施された1つの名刺で2つ以上の事業者を表示し、かつ、紹介を誘発することを目的とした名刺を提供する。
【解決手段】名刺は、長方形の第1のカード部110と、第1のカード部110と略同一形状の第2のカード部120とからなり、第1および第2のカード部が一辺で連なり、連なる一辺で折り曲げ可能に構成される。第1のカード部110は、第1の事業者を表示する記載を有し、第2のカード部120は、第1の事業と異なる第2の事業者を表示する記載を有し、連なる一辺は、第1のカード部110と第2のカード部120とを切断容易にする加工が施されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形の第1のカード部と、第1のカード部と略同一形状の第2のカード部とからなり、前記第1および前記第2のカード部が一辺で連なり、該連なる一辺で折り曲げ可能な名刺であって、
前記第1のカード部は、第1の事業者を表示する記載を有し、
前記第2のカード部は、前記第1の事業と異なる第2の事業者を表示する記載を有し、前記連なる一辺は、前記第1のカード部と前記第2のカード部とを切断容易にする加工が施されている、名刺。
【請求項2】
前記第2のカード部は、前記第1の事業者を特定する記載を有する、請求項1に記載の名刺。
【請求項3】
前記第2のカード部は、前記第2のカード部を保有したものが前記第2の事業者へ接触する行動要請の記載を有する、請求項1または2に記載の名刺。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切取容易な加工を施された名刺に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、個人の情報を交換する手段として、「名刺」と称される個人の情報が記載された矩形のカードを交換する手段、すなわち名刺交換がある。名刺には、一般に、個人の名称、所属団体、役職、電話番号、FAX番号、e−mailアドレス等の個人を特定する情報(以下、「個人特定情報等」ともいう。)が記載され、さらには、当該個人の経験、保有資格、メッセージ等の付属情報が記載されていることもある。
【0003】
また、特許文献1には、二つ折りにした状態で名刺サイズとなる名刺であり、開いて切り離すと一方は保管用の名刺、もう一方は名刺に記載された個人や所属団体(以下総称して「第1の事業者」ともいう。)の紹介文や優待事項が記載された流通用のカードとなる折りたたみ型名刺が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−88475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の名刺は、切り取った名刺の両側に第1の事業者に関する情報が記載されており、あくまでも1つの事業者を表示するに過ぎない。すなわち、1つの名刺で2つ以上の事業者を表示しようとするものはなかった。
【0006】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、切取容易に加工を施された1つの名刺で2つ以上の事業者を表示し、かつ、紹介を誘発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る名刺は、長方形の第1のカード部と、第1のカード部と略同一形状の第2のカード部とからなり、前記第1および前記第2のカード部が一辺で連なり、該連なる一辺で折り曲げ可能な名刺であって、前記第1のカード部は、第1の事業者を表示する記載を有し、前記第2のカード部は、前記第1の事業と異なる第2の事業者を表示する記載を有し、前記連なる一辺は、前記第1のカード部と前記第2のカード部とを切断容易にする加工が施されている
【0008】
この名刺によれば、第1の事業者と第三者とにより名刺交換がされたときに第1のカードは、第1の事業者を表示する名刺となる。そして、第2のカードは、第2の事業者を表示する紹介カードとなる。第2のカードには、第1の事業者を特定する記載があるため、第2のカード部を保有した者が第2の事業者に接触した場合に、第2のカードにより紹介されたことを知ることができる。
【0009】
(2)前記第2のカード部は、前記第1の事業者を特定する記載を有していてもよい。そのようにすれば、第2のカード部を保有した者が第2の事業者に接触した場合に、第1の事業者との名刺交換により接触する動機付けがされたことを知ることができる。
【0010】
(3)前記第2のカード部は、前記第2のカード部を保有したものが前記第2の事業者へ接触する行動要請の記載を有していてもよい。そのようにすれば、第2のカード部を保有した者が第2の事業者に接触しようと動機付けされる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る名刺によれば、切取容易に加工を施された1つの名刺で2つ以上の事業者を表示し、かつ、紹介を誘発することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態に係る名刺の斜視図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る名刺の開状態を示す平面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る名刺の閉状態を示す平面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態に係る名刺の切り取った状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態に係る名刺について、図面を参照して説明する。本実施例において、名刺とは、従来よく知られるように、平面視して縦寸法(上下方向の寸法)が91mm、横寸法(左右方向の寸法)が55mmの縦長のカードを意味する。しかし、名刺の寸法は、交換用のカードとして機能すれば、これに限定されず、横長や正方形であってもよい。
【0014】
折りたたみ型の名刺とは、折りたたんだ状態(閉状態)で名刺の寸法となるカードを意味する。また、折りたたみ型の名刺は、開いた状態(開状態)で、通常の名刺の略二倍の寸法を有する。
【0015】
また、名刺に記載される情報は、少なくとも個人の名称を含み、これに加えて、一般的に、個人の所属する団体名称、役職、所在地、電話番号、FAX番号、メールアドレス等の個人情報を含む。また、名刺は、個人の考え、略歴、保有資格、写真等の個人に関する個人関連情報や、個人の所属する団体の理念、歴史、団体の所有資格等の団体に関する団体関連情報を含んでいてもよい。
【0016】
図1図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る折りたたみ型の名刺100(以下、単に「名刺100」ともいう。)について説明する。図1は、名刺100の斜視図を示す。図2(A)は、開状態の名刺100の表面を示し、図2(B)は、開状態の名刺100の裏面を示す。また、図3(A)は、閉状態の名刺100の表面を示し、図3(B)は、閉状態の名刺100の裏面を示す。さらに、図4(A)は、分離した状態の名刺100の第1のカード部110の表面を示し、図4(B)は、分離した状態の名刺100の第1のカード部110の裏面を示し、図4(C)は、分離した状態の名刺100の第2のカード部120の表面を示し、図4(D)は、分離した状態の名刺100の第2のカード部120の裏面を示す。
【0017】
説明を容易にするために、図2図4には、名刺100に、方向を特定するための印Mが仮想的に記されている。例えば、印Mは、図2(A)において、名刺100の左上に記され、図2(B)において、折りたたみ型の名刺100の右上に記されている。これにより、図2(A)と図2(B)との関係は、名刺100を左右方向にひっくり返した状態であること、すなわち、上下方向を維持したまま左右方向に反転されていることが特定される。
【0018】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る折りたたみ型の名刺100は、第1のカード部110と、第2のカード部120と、折目部130とからなる。第1および第2のカード部110,120は同一の矩形の形状である。ここで同一とは、完全に寸法が同一の場合に限らず、数ミリ程度の誤差を含む。第1および第2のカード部110,120は、それぞれが名刺として機能する形状である。
【0019】
図2に示すように、第1のカード部110および第2のカード部120は、折目部130を介して連結されており、一体的なカード100aを形成している。本実施の形態において、第1および第2のカード部110,120は、それぞれ、寸法を55mmとした横方向の短辺である110a,110b,120a,120bを有し、寸法を91mmとした縦方向の長辺110c,110d,120c,120dを有する。これにより、カード100aは、縦寸法91mm、横寸法110mmの横長の矩形となる。
【0020】
名刺100は、第1のカード部110と第2のカード部120とが横方向に隣接して位置し、折目部130は、各カード部110,120の長辺110d,120cから形成されている。第1のカード部110と第2のカード部120とは、開状態において、両一方の面110f,120fを表面とし、かつ、両他方の面110r,120rを裏面として折目部130を介して連なっている。
【0021】
第1のカード部110は、短辺110b側(短辺110aの反対側)を識別の上方向として、一方の面110fに少なくとも個人の名称111が記載され、かつ、短辺110b側を識別の上方向として、他方の面110rに少なくとも他の情報が記載されている。また、第2のカード部120は、短辺120b側(短辺120aの反対側)を識別の上方向として、一方の面120fに少なくとも他の情報が記載され、かつ、短辺120b側を識別の下方向として、他方の面120rに他の情報が記載されている。
【0022】
本実施の形態において、第1のカード部110には、表面である一方の面110f(図2(A)参照)に、個人(以下「第1の事業者」ともいう。)の名称111の他に、他の情報として役職(肩書)、電話番号および電子メールアドレスが記載されている。これらに加えて、団体名称、所在地(住所)、FAX番号、Webサイト(以下、Webページまたはホームページもしくは略してHPともいう。)のURLが記載されていてもよい。
【0023】
さらに、第1のカード部110は、裏面である他方の面110r(図2の(B)参照)に、第1の事業者の所属する組織の名称、第1の特典事項、組織の住所、電話番号、ファクシミリ番号およびHPのURL、ならびに第1の事業者の自己紹介、写真および肩書が記載されている。他方の面110r、120rは折りたたみ型名刺100の内側面となる。第1の特典事項は、名刺の受領者が得られる特典である。例えば、第1の特典事項は、第1の事業者の行うセミナーへの割引招待や、第1の事業者の作成した小冊子等の提供である。
【0024】
また、本実施の形態において、第2のカード部120は、表面である一方の面120f(図2の(A)参照)に、他の情報として第1の事業者とは異なる者(以下「第2の事業者」ともいう。)の写真、当該個人が運営するセミナーに対して持っている思い、インターネット上で当該セミナーの情報が掲載されたWebページへ誘導するための検索キーワード、第2の特典事項が記載されている。第2の特典事項は、名刺の転得者が得られる特典である。例えば、第2のカード部120によって当該セミナーを知ったことによる特典である。
【0025】
さらに、第2のカード部120は、裏面である120r(図2の(B)参照)に、他の情報として、面120fに記載された第2の事業者が運営するセミナーのタイトル、セミナーの紹介文、図表、セミナーを受講することで得られる効果が期さされている。
【0026】
第2のカード部120の面120fには、さらに、当該セミナーに参加を申し込む申し込みフォームが掲載されたWebページへ誘導するための案内表示140と、名刺を受領した受領者の氏名を記入する氏名記入欄が設けられている。案内表示は、例えば、QRコード(登録商標)であるとよい。案内表示は、Webページへ誘導するための表示であれば、二次元コードの含むデータは、URLやIPアドレスとするとよい。また、氏名記入欄は、第2のカード部120を譲渡することで当該セミナーを紹介した人の氏名を記入する紹介者記入欄であるとよい。
【0027】
図3に示すように、折りたたみ型の名刺100は、閉状態で第1のカード部110の一方の面110fを表面とし、第2のカード部120の一方の面120fを裏面として、かつ、それぞれの識別の上下方向を同一にしており、両面名刺として機能する。
【0028】
本実施の形態において、第1のカード部110の一方の面110fには、閉状態の名刺100を左右方向に裏返して第2のカード部120の一方の面120fに案内する案内表記を設け、第2のカード部120の一方の面120fには、閉状態の名刺100を開状態に案内する案内表記を設けるとよい。これにより、名刺交換時に、名刺100を、面110fを上にして第1の事業者から受け取った受領者は、案内表記に従い名刺100を開状態とする前に、左右方向に裏返し、その後、案内表記に従い名刺100を開状態とする。名刺100は、この順に案内することにより、識別の上下方向が変動することなく、名刺の情報を識別できる。面110fに設ける案内表記は「裏返す」の文言や反転を意味する半円状の円弧の一端に矢印を付したマークとするとよい。面120fに設ける案内表記は、例えば右下部に「はがす」の文言とともに左斜め上方向の矢印を付すとよい。
【0029】
図4に示すように、名刺100は、折目部130に沿って第1のカード部110と第2のカード部120とを切り離して分離できる。折目部130は、前記第1のカード部と前記第2のカード部とを切断容易にするミシン目加工が施されている。ミシン目加工のミシン目の寸法、間隔は、必要時には容易に切断でき、不要時には容易に切断されないように、適宜変更できる。折りたたみ型の名刺100は、折目部130に沿って切断されることで、第1のカード部110と第2のカード部120の2枚のカードとして機能する。
【0030】
第1のカード部110は、一方の面110fと他方の面110rとで識別の上下方向を同一としており、左右方向にひっくり返すことにより識別方向を同一にしている。これにより、切り離された第1のカード部110は、両面名刺として機能する。
【0031】
第2のカード部120も、第1のカード部110と同様に、一方の面120fと他方の面120rとで識別の上下方向を同一としている。他方の面120rに設けられた紹介者記入欄142には、折りたたみ型名刺100を第1の事業者から受け取った人(以下「受領者」ともいう。)が自分の名前を記入して、第2のカード部120を切り離して、第2のカード部120に記載された情報を紹介したい人(以下「転得者」ともいう。)に渡す。これにより、転得者は第2のカード部120に記載された検索キーワードやQRコード(登録商標)、HPのURLに基づいて第1の事業者がインターネット上に開示したセミナー情報に触れることができ、Webページに設けられた申し込みフォームにも「紹介者記入欄」が設けられている場合には、第2のカード部120の紹介者記入欄142の記載に基づいて受領者の氏名を記入することができる。
【0032】
なお、閉状態の折りたたみ型名刺100は、第1のカード部110と第2のカード部120が切り離し可能であれば、図1等に示した縦長ではなく横長や正方形としてもよく、閉状態における上下左右いずれの辺を折目部130としてもよい。
【0033】
本発明によれば、第1のカード部に第1の事業者を、第2のカード部と第2の事業者を表示させることを特徴とし、第1のカード部および第2のカード部からなり、切取可能な名刺により第1の事業者が第2の事業者を容易に紹介することができる。
【符号の説明】
【0034】
100 折りたたみ型名刺
100a カード
110 第1のカード部
110f 第1のカード部の一方の面
110r 第1のカード部の他方の面
120 第2のカード部
120f 第2のカード部の一方の面
120r 第2のカード部の他方の面
130 折目部
110d,120c, カード部が連なる長辺
140 QRコード(登録商標)
142 紹介者名記入欄
図1
図2
図3
図4