(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-73307(P2019-73307A)
(43)【公開日】2019年5月16日
(54)【発明の名称】タイヤカバー
(51)【国際特許分類】
B65D 85/06 20060101AFI20190419BHJP
B65D 65/38 20060101ALI20190419BHJP
B60C 19/00 20060101ALI20190419BHJP
【FI】
B65D85/06
B65D65/38
B60C19/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-200172(P2017-200172)
(22)【出願日】2017年10月16日
(11)【特許番号】特許第6304521号(P6304521)
(45)【特許公報発行日】2018年4月4日
(71)【出願人】
【識別番号】517347850
【氏名又は名称】株式会社図南
(74)【代理人】
【識別番号】100091557
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 修
(72)【発明者】
【氏名】北村 俊郎
【テーマコード(参考)】
3D131
3E068
3E086
【Fターム(参考)】
3D131LA40
3E068AA34
3E068AB06
3E068AC06
3E068BB01
3E068BB16
3E068CC30
3E068CD02
3E068CE03
3E068CE09
3E068DD04
3E068DD26
3E068EE01
3E068EE06
3E068EE10
3E068EE11
3E068EE31
3E068EE32
3E068EE37
3E086AA21
3E086AB01
3E086AC01
3E086AD29
3E086BA04
3E086BA15
3E086BB71
3E086CA40
(57)【要約】
【課題】タイヤから外れにくく、タイヤの内部に雨水や塵埃が入り込むのを長期に亘って抑制することができるタイヤカバーを提供する。
【解決手段】タイヤカバー1は、タイヤ4の側面4aに配置されてタイヤ4の中心孔の開口を塞ぐ円形のプレート2と、タイヤ4に巻き付けられてプレート2をタイヤ4に固定する2つのベルト3とを備えている。プレート2に対する2つのベルト3の取付位置は、プレート2の中心Oに対して点対称の位置である。ベルト3は、ベルト本体31と、ベルト本体31の両端部を結合するための面ファスナとを有する。プレート2がプラスチックダンボール製である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの側面に配置され、前記タイヤの中心孔の開口を塞ぐプレートと、
前記プレートに取り付けられ、前記タイヤに巻き付けられて前記プレートを前記タイヤの側面に固定する少なくとも2つのベルトと
を備えている
ことを特徴とするタイヤカバー。
【請求項2】
前記プレートに対する前記2つのベルトの取付位置が前記プレートの中心に対して点対称の位置である
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤカバー。
【請求項3】
前記ベルトが、ベルト本体と、前記ベルト本体の両端部を結合するための面ファスナとを有し、
前記面ファスナが、雄側ファスナ部と雌側ファスナ部とで構成され、
前記雄側ファスナ部が、前記ベルト本体の一端部に設けられ、
前記雌側ファスナ部が、前記ベルト本体の他端部に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤカバー。
【請求項4】
前記プレートが円形である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤカバー。
【請求項5】
前記プレートがプラスチックダンボール製である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤカバー。
【請求項6】
前記プレートに、前記ベルトを通す2対の長孔が形成され、
前記2対の長孔が前記プレートの中心に対して点対称の位置にあり、
前記長孔が、前記プラスチックダンボールのリブに対してほぼ45度傾く方向へ延びている
ことを特徴とする請求項5に記載のタイヤカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、側面を上にして屋外に置かれたタイヤの内部に雨水や塵埃等が入り込むのを防ぐタイヤカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のタイヤカバーとして、
図7に示すように、円板902と、この円板902の下面に設けられた一対の羽状の固定片903とを備えるものが知られている。一対の固定片903の固定端は円板902の中央部に固着されている。
図7は固定片903が弾性変形している状態を示す。
【0003】
このタイヤカバー901は、カー用品店やサービスステーション等で使用される。
【0004】
固定片903を弾性変形させて、屋外に置かれたタイヤ(図示せず)の中心孔に挿入すると、固定片903の復帰力により固定片903がもとの位置(円板と平行な位置)に戻ろうとするので、タイヤの側面部が円板902と一対の固定片903とで挟まれ、円板902はタイヤの側面に固定され、タイヤの中心孔の開口を塞ぐ。
【0005】
また、他のタイヤカバーとしては、下記特許文献1に記載された表示板(図示せず)が知られている。表示板はタイヤの側面に装着される。表示板は、タイヤの中心孔に位置するセンター表示部と、センター表示部から放射状に延びる複数の脱落防止爪とを備えている。複数の脱落防止爪のうちの一部の脱落防止爪をタイヤの内周縁に引っ掛けることにより、表示板はタイヤの側面に固定される。表示板は、タイヤの外周面及び両側面を覆う陳列用タイヤカバーと組み合わせて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−14505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図7に示すタイヤカバー901によれば、上述のように円板902がタイヤの中心孔の開口を塞ぐので、タイヤの内部に雨水や塵埃等が入り込むのを阻止することができる。
【0008】
しかし、タイヤカバー901が装着されたタイヤは屋外に置かれているので、タイヤカバー901の使用期間が長くなると、雨、風、日射し等の影響を受け、円板902が反ったり、タイヤに対するタイヤカバー901の固定強度が低下したりして、タイヤの側面と円板902との隙間が大きくなり、タイヤカバー901として機能が低下したり、タイヤカバー901がタイヤから外れたりすることがある。
【0009】
また、特許文献1に記載された表示板を単独で使用した場合、タイヤの中心孔の開口の全部が塞がれないので、タイヤの中心孔への雨等の浸入を十分に防ぐことができない。
【0010】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、タイヤから外れにくく、タイヤの内部に雨水や塵埃が入り込むのを長期に亘って抑制することができるタイヤカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するため請求項1に記載の発明のタイヤカバーは、タイヤの側面に配置され、前記タイヤの中心孔の開口を塞ぐプレートと、前記プレートに取り付けられ、前記タイヤに巻き付けられて前記プレートを前記タイヤの側面に固定する少なくとも2つのベルトとを備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤカバーにおいて、前記プレートに対する前記2つのベルトの取付位置が前記プレートの中心に対して点対称の位置であることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のタイヤカバーにおいて、前記ベルトが、ベルト本体と、前記ベルト本体の両端部を結合するための面ファスナとを有し、前記面ファスナが、雄側ファスナ部と雌側ファスナ部とで構成され、前記雄側ファスナ部が、前記ベルト本体の一端部に設けられ、前記雌側ファスナ部が、前記ベルト本体の他端部に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤカバーにおいて、前記プレートが円形であることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤカバーにおいて、前記プレートがプラスチックダンボール製であることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のタイヤカバーにおいて、前記プレートに、前記ベルトを通す2対の長孔が形成され、前記2対の長孔が前記プレートの中心に対して点対称の位置にあり、前記長孔が、前記プラスチックダンボールのリブに対してほぼ45度傾く方向へ延びていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明は、タイヤから外れにくく、タイヤの内部に雨水や塵埃が入り込むのを長期に亘って抑制することができるタイヤカバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1はこの発明の一実施形態に係るタイヤカバーの斜視図である。
【
図2】
図2は
図1のタイヤカバーがタイヤに装着された状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3はタイヤカバーが装着されたタイヤを反転させた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は
図1のタイヤカバーのプレートの部分平面図である。
【
図6】
図6は
図1のタイヤカバーのプレートの構造を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
この発明の一実施形態に係るタイヤカバー1は、
図1〜
図6に示すように、タイヤ4の側面4aに配置されてタイヤ4の中心孔hの開口を塞ぐ円形のプレート2と、タイヤ4に巻き付けられてプレート2をタイヤ4に固定する2つのベルト3とを備えている。
【0021】
プレート2はプラスチックダンボール製である。プレート2は、表側のライナ21と裏側のライナ22と両ライナ21,22間に等間隔に配置される複数のリブ23とで構成される(
図6参照)。両ライナ21,22はいずれも円形である。リブ23は長板状である。両ライナ21,22間の空間は複数のリブ23によって複数の空間に分断されている。
【0022】
図6に示すように、プレート2には、後述するベルト3を通すための2対の長孔2aが形成されている。2対の長孔2aは、プレート2の中心Oに対して点対称の位置にある。対をなす2つ長孔2aは互いに近傍に位置し、平行である。長孔2aは、リブ23に対してほぼ45度傾く方向へ延びている(
図4参照)。2対の長孔2aを有する円形のプレート2はプレス加工により形成される。
【0023】
プレート2にベルト3を取り付けるには、まず、対をなす2つ長孔2aの一方の長孔2aにプレート2の裏側からベルト本体31の一端部を通す。そして、一方の長孔2aを通過したベルト本体31の一端部を他方の長孔2aにプレート2の表側から通す。その後、ベルト本体31の中間部がプレート2の表側のライナ21上に位置するように(
図1参照)、ベルト本体31の一端部を引っ張る。
【0024】
上述のように2対の長孔2aはプレート2の中心Oに対して点対称の位置にあるので、プレート2に対する2つのベルト3の取付位置は、プレート2の中心Oに対して点対称の位置となる(
図1参照)。また、ベルト3の取付位置(長孔2aの位置)がプレート2の外周縁の近傍であるので、プレート2の反りが抑制される。
【0025】
ベルト3は、ベルト本体31と、ベルト本体31の両端部を結合するための面ファスナ32とを有する(
図1参照)。
【0026】
図5に示すように、面ファスナ32は、雄側ファスナ部321と雌側ファスナ部322とで構成されている。雄側ファスナ部321がベルト本体31の一端部に設けられ、雌側ファスナ部322がベルト本体31の他端部に設けられている。
【0027】
タイヤカバー1をタイヤ4に取り付けるには、2つのベルト3をタイヤ4の二箇所に巻き付ければよい。この実施形態では、ベルト本体31と面ファスナ32との長さが、サイズの異なる各種のタイヤ4にもベルト3を巻き付けることができるように設定されている。
【0028】
例えば、屋外に鉛直方向Vに積層された4つのタイヤ4のうちの一番上のタイヤ4にタイヤカバー1を取り付け、タイヤ4の中心孔hの開口を塞ぐと、その下の3つのタイヤ4にも雨水や塵埃等が入り込むのを抑制することができる。
【0029】
この実施形態は、屋外におけるタイヤカバー1の使用期間が長くなったとしても、プレート2をタイヤ4の側面4aに固定する手段としてベルト3が採用され、タイヤ4に対するプレート2の固定強度が低下しにくいので、タイヤ4の側面4aとプレート2との隙間が大きくなってタイヤカバー1として機能が大きく低下したり、タイヤカバー1がタイヤ4から外れたりするのを抑制することができる。
【0030】
また、プレート2がプラスチックダンボール製であり、長孔2aがリブ23に対してほぼ45度傾く方向へ延び、プレート2に対するベルト3の取付強度が高いので、タイヤカバー1の使用期間が長くなったとしても、長孔2aの周辺に亀裂等が生じたり、プレート2からベルト3が外れたりしにくい。この実施形態は、プラスチックダンボールの特徴(耐久性等)を十分に生かすことができるということができる。
【0031】
更に、サイズの異なる各種のタイヤ4にもベルト3を巻き付けることができるので、タイヤ4の種類に応じて各種のタイヤカバーを揃える必要がなく、コストを低減できる。
【0032】
また、プレート2のサイズ(プレート2が円形のときはその外径)を大きくすることにより、タイヤ4の側面4aに直接雨や日光が当たらないようにすれば、タイヤ4の側面4aの劣化を抑制することができる。
【0033】
なお、この実施形態では、プレート2に2つのベルト3を取り付けたが、プレート2に3つ以上のベルト3を取り付けてもよい。
【0034】
また、この実施形態では、面ファスナ32を用いたが、ベルト本体31の両端部を結合する手段としては面ファスナ32に限定されず、それ以外の結合手段を用いてもよい。
【0035】
更に、この実施形態では、プレート2が円形であるが、タイヤ4の中心孔hの開口を塞ぐ大きさのプレート2であれば、その形は円形に限られず、矩形、六角形、花弁形等でもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 タイヤカバー
2 プレート
2a 長孔
21 表側のライナ
22 裏側のライナ
23 リブ
3 ベルト
31 ベルト本体
32 面ファスナ
321 雄側ファスナ部
322 雌側ファスナ部
4 タイヤ
4a タイヤの側面
h タイヤの中心孔
O プレートの中心
【手続補正書】
【提出日】2018年2月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上述の課題を解決するため請求項1に記載の発明のタイヤカバーは、タイヤの側面に配置され、前記タイヤの中心孔の開口を塞ぐプレートと、前記プレートに取り付けられ、前記タイヤに巻き付けられて前記プレートを前記タイヤの側面に固定する少なくとも2つのベルトとを備え
、前記プレートがプラスチックダンボール製であり、前記プレートに、前記ベルトを通す2対の長孔が形成され、前記2対の長孔が前記プレートの中心に対して点対称の位置にあり、前記長孔が、前記プラスチックダンボールのリブに対してほぼ45度傾く方向へ延びていることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの側面に配置され、前記タイヤの中心孔の開口を塞ぐプレートと、
前記プレートに取り付けられ、前記タイヤに巻き付けられて前記プレートを前記タイヤの側面に固定する少なくとも2つのベルトと
を備え、
前記プレートがプラスチックダンボール製であり、
前記プレートに、前記ベルトを通す2対の長孔が形成され、
前記2対の長孔が前記プレートの中心に対して点対称の位置にあり、
前記長孔が、前記プラスチックダンボールのリブに対してほぼ45度傾く方向へ延びている
ことを特徴とするタイヤカバー。
【請求項2】
前記プレートに対する前記2つのベルトの取付位置が前記プレートの中心に対して点対称の位置である
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤカバー。
【請求項3】
前記ベルトが、ベルト本体と、前記ベルト本体の両端部を結合するための面ファスナとを有し、
前記面ファスナが、雄側ファスナ部と雌側ファスナ部とで構成され、
前記雄側ファスナ部が、前記ベルト本体の一端部に設けられ、
前記雌側ファスナ部が、前記ベルト本体の他端部に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤカバー。
【請求項4】
前記プレートが円形である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤカバー。