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特開2019-73507アミノ酸誘導体のプロドラッグを含有する医薬
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-73507(P2019-73507A)
(43)【公開日】2019年5月16日
(54)【発明の名称】アミノ酸誘導体のプロドラッグを含有する医薬
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/265 20060101AFI20190419BHJP
   A61K 31/223 20060101ALI20190419BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 7/10 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 37/00 20060101ALI20190419BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190419BHJP
【FI】
   A61K31/265
   A61K31/223
   A61K31/44
   A61P25/24
   A61P25/00
   A61P25/22
   A61P25/28
   A61P25/16
   A61P25/14
   A61P25/08
   A61P25/20
   A61P1/14
   A61P25/30
   A61P9/10
   A61P7/10
   A61P17/02
   A61P37/00
   A61P29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】87
(21)【出願番号】特願2018-195550(P2018-195550)
(22)【出願日】2018年10月17日
(31)【優先権主張番号】特願2017-200722(P2017-200722)
(32)【優先日】2017年10月17日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】大嶽 憲一
(72)【発明者】
【氏名】端早田 隆
(72)【発明者】
【氏名】松田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】増田 誠治
(72)【発明者】
【氏名】山内 裕子
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC17
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA14
4C086NA15
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA06
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA36
4C086ZA66
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB01
4C086ZB11
4C086ZC39
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA53
4C206KA01
4C206KA04
4C206KA17
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA14
4C206NA15
4C206ZA01
4C206ZA02
4C206ZA05
4C206ZA06
4C206ZA12
4C206ZA15
4C206ZA16
4C206ZA36
4C206ZA66
4C206ZA89
4C206ZA94
4C206ZA96
4C206ZB11
4C206ZC01
4C206ZC39
(57)【要約】
【課題】気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患等において良好な経口吸収性を示す予防又は治療薬を提供すること。
【解決手段】
グループ2代謝型グルタミン酸受容体拮抗薬であるアミノ酸誘導体のプロドラッグである一般式(I−A)で表されるアミノ酸誘導体プロドラッグ、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I−A)
【化1】
[式(I-A)中、
1は、C1-6アルキル基、ヘテロアリール基(該ヘテロアリール基は、1個のハロゲン原子(又は塩素原子)で置換されてもよい)、又は下記式(IIIA)を示し、
【化2】
xは、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、又はC1-6アルコキシ基(該C1-6アルキル基、及びC1-6アルコキシ基は1〜3個のハロゲン原子で置換されてもよい)を示
し、
yは、水素原子、フッ素原子、C1-6アルキル基、又はC1-6アルコキシ基(該C1-6アルキル基、及びC1-6アルコキシ基は1〜3個のハロゲン原子で置換されてもよい)を示し

1’は、水素原子、又はC1-6アルキル基を示すか、
又は、R1とR1’が隣接する炭素原子と一緒になってC3-8シクロアルカンを形成しても
よく、
2は、C3-6アルキル基(該C3-6アルキル基は、1個のアミノ基で置換されてもよい)
、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で
置換されてもよい)、C3-8シクロアルコキシ基(該C3-8シクロアルコキシ基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよく、さらにC3-8シクロアルコキシ基は、環中の異なる2個の炭素原子の間をC1-5アルキレンで架橋されてもよい)、アダマンチル基(該
アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、又はフェニル基
を示し、
3は、水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
4は、水素原子、又はフッ素原子を示す。]
で表される化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【請求項2】
4が、フッ素原子である請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効
成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【請求項3】
2が、C3-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3
個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、C3-8シクロアルコキシ基(該C3-8シクロ
アルコキシ基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよく、さらにC3-8シクロアルコキシ基は、環中の異なる2個の炭素原子の間をC1-5アルキレンで架橋されてもよい
)、アダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されても
よい)、又はフェニル基である請求項2に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【請求項4】
1がエチル基、4−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、4−フルオ
ロ−3−メトキシフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−フルオロフェニル基、4−メチルフェニル基、6−クロロピリジン−2−イル基、6−クロロピリジン−3−イル基、5−クロロピリジン−2−イル基、又は2−メチルプロピル基であり、R1’が、水素原子、又はメチル基を示すか、
又は、R1とR1’が隣接する炭素原子と一緒になってシクロペンタンを形成してもよく、R2が、下記式群(IIIB)のいずれかの構造を示し、
【化3】
3が、水素原子又はC1-6アルキル基である請求項2又は3に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【請求項5】
4が、水素原子である請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分
として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【請求項6】
1が、エチル基、4−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、4−フル
オロ−3−メトキシフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−フルオロフェニル基、4−メチルフェニル基、6−クロロピリジン−2−イル基、6−クロロピリジン−3−イル基、5−クロロピリジン−2−イル基、又は2−メチルプロピル基であり、
1’が、水素原子、又はメチル基を示すか、
又はR1とR1’が隣接する炭素原子と一緒になってシクロペンタンを形成してもよく、
2が、下記式群(IIIB)のいずれかの構造を示し、
【化4】
3が、水素原子又はC1-6アルキル基である請求項5に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【請求項7】
1が、4−フルオロフェニル基又は3,4−ジフルオロフェニル基である請求項5又は
6に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【請求項8】
1が、4−フルオロフェニル基であり、
1’が、水素原子であり、
2が、下記式群(IIIb)のいずれかの構造を示す請求項5〜7のいずれか1項に記
載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【化5】
【請求項9】
3が、メチル基である請求項5〜8のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬上許
容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【請求項10】
式(I)
【化6】
[式(I)中、
1は、エチル基、4−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基を示し、
2は、下記式群(IIIa)のいずれかの構造を示し、
【化7】
3は、水素原子又はC1-6アルキル基を示す。]
で表される化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【請求項11】
2が、下記式群(IIIa’)のいずれかの構造を示す請求項10に記載の化合物、又
はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【化8】
【請求項12】
2が、下記式群(IIIb)のいずれかの構造を示す請求項10に記載の化合物、又は
その医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【化9】
【請求項13】
3が、メチル基である請求項10〜12のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬
上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不
安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【請求項14】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0
]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−
1−カルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({1−[({[(1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−プロポキシ−2−({1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}
カルボニル)−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ}ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(3−フルオロ
フェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(1R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル
)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−3−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−メチルフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−(3−メチルブトキシ)−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(シクロペンチルオキシ)−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−
カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(3−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−({[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メトキシ}カルボニル)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−{[(ベンゾイルオキシ)メトキシ]カルボニル}−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−({[(シクロヘキサンカルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−
カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸。
【請求項15】
以下に示す請求項1に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0
]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−
1−カルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}
カルボニル)−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ}ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(3−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(1R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル
)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−3−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.
3,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−メチルフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−(3−メチルブトキシ)−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(シクロペンチルオキシ)−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−
カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸。
【請求項16】
以下に示す請求項1〜4又は請求項10〜13のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸。
【化10】
【請求項17】
以下に示す請求項1〜4又は請求項10〜13のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0
]ヘキサン−6−カルボン酸。
【化11】
【請求項18】
以下に示す請求項1〜4又は請求項10〜13のいずれか1項に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸。
【化12】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、及び(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体のプロドラッグを含有する医薬に関する。さらに詳しくは、例えば、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳不全、脳浮腫、脊髄障害、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患等の治療及び予防に有効な代謝活性型グルタミン酸(mGlu)受容体のサブグループIIに属するmGlu2およびmGlu3受容体のアンタゴニストとして作用する化合物である(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、及び(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体のプロドラッグを含有する医薬に関する。また、本発明は、mGlu2およびmGlu3受容体のアンタゴニストとして作用する化合物(活性体)の経口吸収性を高め、活性体の生体内暴露量を増大させるプロドラッグを含有する医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
代謝型グルタミン酸受容体は、アミノ酸配列の相同性、シグナル伝達機構及び薬理学的な特性から3つのグループに分類される。この中で、グループII代謝型グルタミン酸受容体(mGlu2およびmGlu3受容体)は、Gタンパク質共役型受容体であり、アデニルサイクラーゼと結合し、サイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)のホルスコリン刺激性の蓄積を抑制する(非特許文献1)。また、グループII代謝型グルタミン酸受容体は、主にグルタミン酸神経系のプレシナプスに存在し、自己受容体として機能するため、グルタミン酸の過剰遊離を抑制している(非特許文献2、非特許文献3)。グループII代謝型グルタミン酸受容体に拮抗する化合物は急性及び慢性の精神医学的疾患並びに神経学的疾患の治療または予防に有効であると考えられ、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、及び(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体は、グループII代謝型グルタミン酸受容体に対して強い拮抗作用を有する化合物である。例えば化合物としては、MGS0039が開示されている。そのアンタゴニスト活性はそれぞれ20nM(mGlu2受容体)および24nM(mGlu3受容体)であり、うつ病動物モデルであるラット強制水泳試験において、既存の抗うつ薬と同様に、1mg/kgから無動時間を抑制することが報告されている。さらにマウス尾懸垂試験においても既存の抗うつ薬と同様に無動時間を短縮させることが報告されている(非特許文献4)。また、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体である(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸についても、mGlu2受容体に対して500nM以下のアンタゴニスト活性を有することが報告されている(特許文献1、非特許文献5)。
しかしながら、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−
アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体、及び(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体は、サルでの経口吸収性が悪い。そのことから、ヒトについても経口吸収性が悪い可能性がある。
化合物の経口吸収性等の膜透過性を改善するためには、大きく分けて2つのアプローチがある。1つは、化合物の化学構造そのものを変える方法、もう1つは化学構造を変えずに、製剤的に工夫する方法である。前者の中に化合物のカルボキシ基やアミノ基などの反応性置換基にアルキル基やアシル基などの小さな修飾基を結合させるプロドラッグ化がある。
上記プロドラッグとしては、吸収前はプロドラッグ体として安定に存在し、プロドラッグ化により吸収が改善され、吸収時及び/又は吸収後には小腸、肝臓、及び/又は血漿で、化学的または酵素的に速やかに活性体に変換される化合物が望まれる。
しかしながら、上記の全ての条件を満たす理想的なプロドラッグの開発は難しい。例えば、エステル結合をもつプロドラッグは、加水分解反応を受けやすくなることもあるため、吸収前の化学的安定性に大きく影響を及ぼす可能性がある。アミド結合をもつプロドラッグは、化合物の物性が大きく変わることにより、経口吸収性等の膜透過性に大きく影響を及ぼす可能性がある。また、アミド結合は加水分解されにくいため、化合物の生体内での活性体への変換及び血漿中濃度に大きく影響を及ぼす可能性がある。さらに、プロドラッグから活性体への生体内変換を制御する酵素は、基質特異性があり、特に、プロドラッグ化するために挿入した置換基の立体障害により酵素が反応できない等、プロドラッグの体内動態の予測が難しい。これらの理由のため、プロドラッグ化された化合物の経口吸収性等の膜透過性と活性体への変換を見積もって、活性体の血漿中濃度を高めることは決して容易なことではない。これまで、mGlu2およびmGlu3受容体のアンタゴニストとして作用する化合物である2−アミノ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体の6位カルボン酸、又は2位カルボン酸と6位カルボン酸双方に、エステル結合をもつプロドラッグによる活性体の血漿中濃度を高める報告がされている(特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、非特許文献6)。しかしながら、2位カ
ルボン酸のみにエステル結合をもつプロドラッグ化合物により、活性体の血漿中濃度を高めることに関する記載も示唆もない。また、本発明の活性体のプロドラッグによる活性体の血漿中濃度を高めることに関する記載も示唆もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO03/061698
【特許文献2】WO05/000791
【特許文献3】WO2012/068041
【特許文献4】WO2012/068067
【特許文献5】WO2013/062680
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Trends Pharmacol. Sci.,14,13−20,1993.
【非特許文献2】Neuropharmacol.,40,20−27,2001.
【非特許文献3】Eur.J.Pharmacol.,356,149−157,1998.
【非特許文献4】Neuropharmacol.,2004,46(4),457−67.
【非特許文献5】J.Med.Chem.,2004, 47, 4570−4587.
【非特許文献6】Bioorg.Med.Chem.,2006, 14, 4193−4207.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、例えば、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳不全、脳浮腫、脊髄障害、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患等の治療効果及び予防効果を有する医薬であって、経口活性の高いグループII代謝型グルタミン酸受容体に拮抗する有効成分を含有する医薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸エステル誘導体及び(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸エステル誘導体について鋭意検討した結果、グループII代謝型グルタミン酸受容体に対するアンタゴニスト活性を有する(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体及び(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−アルコキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸誘導体のプロドラッグが、胃及び小腸内を想定した溶液中での安定性試験において安定であり、かつ肝臓のS9画分中で活性体へ変換され、医薬、特に経口医薬として有用であることを見出した。また、活性体およびプロドラッグを被験薬とする動物実験を通して、この種のプロドラッグが活性体の生体内暴露量を高めることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の態様(以下、本発明の医薬に含有される化合物を「本発明化合物」という)には以下のものがあげられる。
(1)式(I−A)
【0007】
【化1】
[式(I-A)中、
1は、C1-6アルキル基、ヘテロアリール基(該ヘテロアリール基は、1個のハロゲン原子で置換されてもよい)、又は下記式(IIIA)を示し、
【0008】
【化2】
xは、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、又はC1-6アルコキシ基(該C1-6アルキル基、及びC1-6アルコキシ基は1〜3個のハロゲン原子で置換されてもよい)を示
し、
yは、水素原子、フッ素原子、C1-6アルキル基、又はC1-6アルコキシ基(該C1-6アル
キル基、及びC1-6アルコキシ基は1〜3個のハロゲン原子で置換されてもよい)を示し

1’は、水素原子、又はC1-6アルキル基を示すか、
又は、R1とR1’が隣接する炭素原子と一緒になってC3-8シクロアルカンを形成しても
よく、
2は、C3-6アルキル基(該C3-6アルキル基は、1個のアミノ基で置換されてもよい)
、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で
置換されてもよい)、C3-8シクロアルコキシ基(該C3-8シクロアルコキシ基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよく、さらにC3-8シクロアルコキシ基は、環中の異なる2個の炭素原子の間をC1-5アルキレンで架橋されてもよい)、アダマンチル基(該
アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、又はフェニル基
を示し、
3は、水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
4は、水素原子、又はフッ素原子を示す。]
で表される化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
(2)R4が、フッ素原子である(1)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を
有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
(3)R2が、C3-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基(該C3-8シクロアルキル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよい)、C3-8シクロアルコキシ基(該C3-8
シクロアルコキシ基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換されてもよく、さらにC3-8シクロアルコキシ基は、環中の異なる2個の炭素原子の間をC1-5アルキレンで架橋されて
もよい)、アダマンチル基(該アダマンチル基は、1〜3個のC1-6アルキル基で置換さ
れてもよい)、又はフェニル基である(2)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
(4)R1がエチル基、4−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、4−
フルオロ−3−メトキシフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−フルオロフェニル基、4−メチルフェニル基、6−クロロピリジン−2−イル基、6−クロロピリジン−3−イル基、5−クロロピリジン−2−イル基、又は2−メチルプロピル基であり、
1’が、水素原子、又はメチル基を示すか、
又は、R1とR1’が隣接する炭素原子と一緒になってシクロペンタンを形成してもよく、R2が、下記式群(IIIB)のいずれかの構造を示し、
【0009】
【化3】
3が、水素原子又はC1-6アルキル基である(2)又は(3)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
(5)R4が、水素原子である(1)に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効
成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
(6)R1が、エチル基、4−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、4
−フルオロ−3−メトキシフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−フルオロフェニル基、4−メチルフェニル基、6−クロロピリジン−2−イル基、6−クロロピリジン−3−イル基、5−クロロピリジン−2−イル基、又は2−メチルプロピル基であり、
1’が、水素原子、又はメチル基を示すか、
又はR1とR1’が隣接する炭素原子と一緒になってシクロペンタンを形成してもよく、
2が、下記式群(IIIB)のいずれかの構造を示し、
【0010】
【化4】
3が、水素原子又はC1-6アルキル基である(5)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
(7)R1が、4−フルオロフェニル基又は3,4−ジフルオロフェニル基である(5)
又は(6)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
(8)R1が、4−フルオロフェニル基であり、
1’が、水素原子であり、
2が、下記式群(IIIb)のいずれかの構造を示す(5)〜(7)のいずれか1つに
記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【0011】
【化5】
(9)R3が、メチル基である(5)〜(8)のいずれか1つに記載の化合物、又はその
医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
(10)式(I)
【0012】
【化6】
[式(I)中、
1は、エチル基、4−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基を示し、
2は、下記式群(IIIa)のいずれかの構造を示し、
【0013】
【化7】
3は、水素原子又はC1-6アルキル基を示す。]
で表される化合物、又はその医薬上許容される塩。
(11)R2が、下記式群(IIIa’)のいずれかの構造を示す(10)に記載の化合
物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【0014】
【化8】
(12)R2が、下記式群(IIIb)のいずれかの構造を示す(10)に記載の化合物
、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
【0015】
【化9】
(13)R3が、メチル基である(10)〜(12)のいずれか1つに記載の化合物、又
はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬。
(14)以下に示す(1)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0
]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−
1−カルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({1−[({[(1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−プロポキシ−2−({1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}
カルボニル)−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ}ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(3−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(1R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル
)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−3−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−メチルフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−(3−メチルブトキシ)−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(シクロペンチルオキシ)−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−
カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(3−フルオロ
フェニル)メトキシ]−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−({[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メトキシ}カルボニル)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−{[(ベンゾイルオキシ)メトキシ]カルボニル}−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−({[(シクロヘキサンカルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸。
(15)以下に示す(1)に記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0
]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−
1−カルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}
カルボニル)−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ}ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(3−フルオロ
フェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(1R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル
)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−3−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−メチルフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−(3−メチルブトキシ)−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(シクロペンチルオキシ)−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−
カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸。
(16)以下に示す(1)〜(4)又は(10)〜(13)のいずれか1つに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸。
【0016】
【化10】
(17)以下に示す(1)〜(4)又は(10)〜(13)のいずれか1つに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0
]ヘキサン−6−カルボン酸。
【0017】
【化11】
(18)以下に示す(1)〜(4)又は(10)〜(13)のいずれか1つに記載の化合物、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患からなる群から選択される疾患の予防又は治療薬:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸。
【0018】
【化12】
【発明の効果】
【0019】
本発明の医薬に含有されるアミノ酸誘導体のプロドラッグは、経口吸収性等の膜透過性が向上し、吸収後速やかに活性体である(II)−A、(II)−1、(II)−2又は(II)−3に変換され、活性体がグループII代謝型グルタミン酸受容体に対して親和
性を示すと共にアンタゴニストとして作用を示す。
【0020】
【化13】
(式(II)−A中、R1、R1’及びRは前記の定義と同義である。)
【0021】
【化14】
【0022】
【化15】
【0023】
【化16】
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を具体的に説明する。
【0025】
本明細書において用いる用語は、以下の意味である。
「C1-6アルキル基」とは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6個のアルキル基を意味し、
例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基等を挙げることができる。
「C3-6アルキル基」とは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数3〜6個のアルキル基を意味し
、例えばn−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基等を挙げることができる。
「ヘテロアリール基」とは単環式芳香族複素環基を意味し、例えば、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリドニル基、チエニル基、ピロリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、テトラゾリル基等を挙げることができる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
「C1-6アルコキシ基」とは直鎖状又は分枝鎖状の炭素原子数1から6個のアルコキシ基
であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基等を挙げることができる。
「C3-8シクロアルキル基」とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基である。
「C3-8シクロアルコキシ基」とは、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペ
ンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基である。
「C3-8シクロアルカン」とは、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シク
ロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンである。
「C1-5アルキレン」とは、メチレン、エチレン、メチルメチレン、トリメチレン、メチ
ルエチレン、ジメチルメチレン、テトラメチレン、エチルエチレン、ペンタメチレン等を挙げることができる。
前記のC3-8シクロアルコキシ基が、環中の異なる2個の炭素原子の間をC1-5アルキレンで架橋されているC3-8シクロアルコキシ基である場合は、ビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン−2−イル−オキシ基等を挙げることができる。
【0026】
本明細書中における「医薬上許容される塩」とは、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、又は硝酸等の無機酸との塩、或いは、酢酸、安息香酸、シュウ酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、マロン酸、マンデル酸、グルコン酸、ガラクタル酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、グルタミン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、又はナフタレン−2−スルホン酸等の有機酸との塩、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン等の1種又は複数の金属イオンとの塩、アンモニア、アルギニン、リシン、ピペラジン、コリン、ジエチルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、ベンザチン等のアミンとの塩が含まれる。遊離体から当該塩への変換は従来の方法で行うことができる。
【0027】
本発明化合物において、好ましい態様を以下にあげる。
2が、下記式群(IIIB)のいずれかの構造である化合物が好ましい。
【0028】
【化17】
又は、別の態様として、R2が、下記式群(IIIa)のいずれかの構造である化合物が
あげられる。
【0029】
【化18】
下記式群(IIIa’)のいずれかの構造である化合物がより好ましい。
【0030】
【化19】
さらに別の様態として、R2が、下記式群(IIIb)のいずれかの構造である化合物が
さらに好ましい。
【0031】
【化20】
3が、水素原子又はメチル基の化合物が好ましく、メチル基である化合物がさらに好ま
しい。
3がC1−6アルキル基である場合、R3の立体が下記式(IVa)で示される立体が好ましい。
【0032】
【化21】
3がメチル基である場合、R3の立体が下記式(IVb)で示される立体が好ましい。
【0033】
【化22】
本発明化合物中の好ましい化合物の例としては、下記の化合物若しくはその医薬上許容される塩があげられる:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0
]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−
1−カルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({1−[({[(1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−プロポキシ−2−({1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}
カルボニル)−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ}ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(3−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(1R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル
)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−3−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−メチルフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−(3−メチルブトキシ)−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(シクロペンチルオキシ)−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−
カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(3−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−({[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メトキシ}カルボニル)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−{[(ベンゾイルオキシ)メトキシ]カルボニル}−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−({[(シクロヘキサンカルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸が挙げられる。
本発明化合物中のより好ましい化合物の例としては、下記の化合物若しくはその医薬上許容される塩があげられる:
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキ
サン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0
]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−
1−カルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}
カルボニル)−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メトキシ}ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(3−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7
デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(1R)−1−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)エトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル
)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(5−クロロピリジン−2−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(6−クロロピリジン−3−イル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−メチルフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デ
カン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−(3−メチルブトキシ)−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カ
ルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−(シクロペンチルオキシ)−6−
フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−
カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、
(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸が挙げられる。
【0034】
なお、本発明化合物が水和物又は溶媒和物を形成する場合、それらも本発明の範囲内に含まれる。同様に、本発明化合物の水和物又は溶媒和物の医薬上許容される塩も本発明の範囲内に含まれる。
【0035】
本発明化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、平衡化合物、これらの任意の割合の混合物、ラセミ体等を全て含む。
本発明化合物には、一つ以上の水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、フッ素原子が放射性同位元素や安定同位元素と置換された化合物も含まれる。これらの標識化合物は、代謝や薬物動態研究、受容体のリガンド等として生物学的分析等に有用である。
本発明の医薬は、本発明化合物と、1種又は2種以上の医薬的に許容される担体、賦形剤及び希釈剤とを組み合わせて、医薬的製剤として調製されうる。前記担体、賦形剤及び希釈剤としては、例えば、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、でんぷん、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油などの各種油が挙げられる。
本発明の医薬は、本発明化合物と、これらの担体、賦形剤又は希釈剤、そして、必要に応じて一般に使用される増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調整剤、溶解剤などの添加剤とを混合した上で、常用の製剤技術によって錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、軟膏剤、注射剤、皮膚貼付剤などの経口又は非経口用医薬、特にグループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗薬のプロドラッグとして調製される。
本発明の医薬は、成人患者に対して、0.01〜500mgの本発明化合物を1日1回又は数回に分けて経口又は非経口で投与することが可能であるが、使用の容易性及び薬効の点からみて経口投与することが好ましい。なお、この投与量および投与回数は治療対象となる疾病の種類、患者の年齢、体重、症状などにより適宜増減することが可能である。
【0036】
本発明化合物(I−A)、及び(I)は、グループII代謝型グルタミン酸受容体に影響を及ぼさない。しかし、生体内で酵素的に又は化学的に加水分解を受け、グループII代謝型グルタミン酸受容体に対して強い作用を有する化合物である化合物(II)−A、(II)−1、(II)−2又は(II)−3へとそれぞれ変換される。従って、本発明化合物は、グループII代謝型グルタミン酸受容体に作用する薬物としての機能を発揮する。
すなわち、本発明化合物は、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳不全、脳浮腫、脊髄障害、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患など、グループII代謝型グルタミン酸受容体が関与しているとされる疾患の予防又は治療薬として、グループII代謝型グルタミン酸受容体に拮抗作用する活性体(II)−A、(II)−1、(II)−2又は(II)−3の経口吸収性等の膜透過性を高め、生体内暴露量を増大させるプロドラッグとして作用する。
【0037】
(I−B)、及び(I)で示される本発明化合物の代表的な製造法を以下のスキームAに示す。以下の方法は、本発明化合物の製造法の例示であり、これに限定されるものではない。なお、以下の製造法の例示において、化合物は反応に支障にならない塩を形成しても良い。また、(II)―B、及び(II)で示される活性体は、WO03/061698またはWO2011/061935記載の製造法で得ることができる。
スキームA
【0038】
【化23】
【0039】
(式中の記号は前記と同義である。)
【0040】
工程1:化合物(II)―B、及び(II)のアミノ基を、一般的なアリルオキシカルボニル基での保護反応(Protective Groups in Organic Synthesis 第4版、John Wiley & Sons, INC. 参照)に付すことで、化合物(1)に導くことができる。例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類、あるいは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩類存在下または非存在下にて、クロロギ酸アリルと反応させることにより、化合物(1)に導くことができる。
【0041】
工程2:化合物(1)をジクロロメタンなどのハロゲン系溶媒やテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシドなどの不活性溶媒中、トリブチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基存在下、クロロギ酸アリルと反応させた後にN,N−ジメチル−4−アミノピリジンを加えることによって化合物(2)へと導くことができる。また、化合物(1)のカルボキシ基を、一般的なエステル化反応にて、アリルアルコールと反応させることによっても化合物(2)に導くことができる(Comprehensive Organic Transformations Second Edition 1999年、John Wiley & Sons, INC. 参照)。
【0042】
工程3:化合物(3)は、化合物(2)を式L−CH(R3)−O−C(O)−R2(式中Lは脱離基を示し、例えばハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等を示す)と、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド等の金属アミド類、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン等の有機塩基類、tert−ブトキシカリウム等の塩基の存在下、ヨウ化ナトリウムなどの適した活性化剤の存在下又は非存在下反応させることにより導くことができる。好ましくは、クロロホルム、水の混合溶媒中、炭酸カリウム及びテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩存在下、式Cl−CH(R3)−O−C(O)−R2、又は式Br−CH(R3)−O−C(O)−R2で表される化合物と室温〜80℃にて2時間〜1日間反応させることによって化合物(3)に導くことができる。
【0043】
工程4:化合物(3)を一般的な脱保護反応(Protective Groups in Organic Synthesis 第4版、John Wiley & Sons,INC. 参照)に付することで、本発明の化合物(I)に導くことができる。例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)等の0価のパラジウム触媒と1,3−ジメチルバルビツール酸等の金属触媒の再生試薬の存在下、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、アリル基及びアリルオキシカルボニル基の脱保護を行うことによって、本発明化合物である化合物(I)に導くことができる。好ましくは、化合物(3)をテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)及び1,3−ジメチルバルビツール酸存在下、クロロホルム中、室温〜50℃にて2〜8時間反応させることにより、本発明の化合物(I−B)、及び(I)に導くことができる。
【0044】
(I−C)で示される本発明化合物の活性体で(II)−Cで示される化合物の代表的な製造法を以下のスキームBに示す。以下の方法は、本発明化合物の製造法の例示であり、これに限定されるものではない。なお、以下の製造法の例示において、化合物は反応に支障にならない塩を形成しても良い。
スキームB
【0045】
【化24】
【0046】
(式中の記号は前記と同義である。)
【0047】
本発明で示す製造法では、化合物(4)を触媒的不斉マイケル付加反応に付した後、脱エトキシカルボニルを伴う環化反応に付すことで、2工程にて、光学活性な本発明の化合物(6)に導くことができる。なお、化合物(6)は、以下の報告に従い合成することもできる(Tetrahedron Asymmetry,1997,511−514、Chem.Eur.J.,2006,12,568−575、J.Org.Chem.,2008,73,3078−3087、Tetrahedron Asymmetry,2010,1486−1493 参照)。
【0048】
工程5:化合物(4)を不斉マイケル付加反応に付すことで、化合物(5)に導くことができる。例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゾトリフルオリドなどのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルス
ルホキシド又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、水素化アルミニウムリチウム、(R)−(+)−1,1−ビ−2−ナフトール、モレキュラーシーブス4A等の添加剤存在下、または非存在下にて、不斉触媒を含む懸濁液を調製した後、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、カリウムtert−ブトキシド等の有機塩基類、あるいは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基類等の存在下または非存在下にて、クロロマロン酸ジエチルと反応させることにより、化合物(5)に導くことができる。好ましくは、水素化アルミニウムリチウム、(R)−(+)−1,1−ビ−2−ナフトール存在下、テトラヒドロフラン中、0〜70℃にて30分間〜1日間反応させて不斉触媒を含む懸濁液を調製した後、モレキュラーシーブス4A、炭酸ナトリウム存在下、クロロマロン酸ジエチルと化合物(4)を0〜70℃にて30分間〜1日間反応させることにより、本発明の化合物(5)に導くことができる(Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.,1996,35,104−106、Tetrahedron,2002,58,2585−2588 参照)。
【0049】
工程6:化合物(5)は、脱エトキシカルボニルを伴う環化反応に付すことで、化合物(6)に導くことができる。例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゾトリフルオリドなどのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、酢酸、クエン酸、蟻酸等の酸存在下または非存在下にて、塩化リチウム、塩化ナトリウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、臭化ナトリウム、よう化リチウム、よう化ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどの無機塩類、又はテトラメチルアンモニウム酢酸塩などの有機塩類と反応させることにより、化合物(6)に導くことができる。好ましくは、N−メチル−2−ピロリジノン溶媒中、酢酸存在下、塩化リチウムと0〜180℃にて30分間〜1日間反応させることにより、本発明の化合物(6)に導くことができる(J.Org.Chem.,1978,43,138−147、Org.ProcessRes.Dev.,2012,16,129−140 参照)。
【0050】
工程7:化合物(6)をシリル化剤と反応させることにより、化合物(7)に導くことができる。例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゾトリフルオリドなどのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の添加剤存在下または非存在下にて、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、ピリジン等の有機塩基、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属塩基、及びクロロトリメチルシラン、ブロモトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、トリフルオロメタンスルン酸トリメチルシリル等のシリル化剤と反応させることにより、化合物(7)に導くことができる。好ましくは、トルエン溶媒中、トリエチルアミン、及びトリフルオロメタンスルン酸トリメチルシリルと−20〜80℃にて30分間〜1日間反応させることにより、本発明の化合物(7)に導くことができる(J.Med.Chem.,2000,43,4893−49
09、Bioorg.Med.Chem.,2002,10,433−436 参照)。
【0051】
工程8:化合物(7)を酸化剤と反応させることにより、化合物(8)に導くことができる。例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゾトリフルオリドなどのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、ピリジン、酢酸等の添加剤存在下または非存在下にて、3−クロロ過安息香酸、過安息香酸、モノペルオキシフタル酸、モノペルオキシフタル酸マグネシウム塩、過酢酸等の過酸;メチルトリオキソレニウム又はトリス(セチルピリジニウム)ペルオキソタングストリン酸塩(PCWP)等の触媒存在下での過酸化水素;トリクロロアセトニトリル又はアセトニトリル等のニトリル化合物存在下での過酸化水素;トリクロロアセトニトリル又はアセトニトリル等のニトリル化合物及びアセトン等のケトン化合物存在下での過酸化水素;アセトン等のケトン化合物存在下でのオキソン(2KHSO5・KHSO4・K2SO4);ジメチルジオキシラン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、四酸化オスミウムとN−メチルモルホリン−N−オキシド、四酢酸鉛、ヨードシルベンゼンと三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化クロミル、オゾン等の酸化剤と反応させることにより、化合物(8)に導くことができる(Organic Reactions,2003,62,1−356 参照)。好ましくは、アセトニトリル溶媒中、ピリジン、酢酸存在下、メチルトリオキソレニウム及び過酸化水素と−20〜80℃にて30分間〜1日間反応させることにより、本発明の化合物(8)に導くことができる。
【0052】
工程9:化合物(8)をアルキル化剤と反応させることにより、化合物(9)に導くことができる。ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリフルオロメタンスルホン酸、ビストリフルオロメタンフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロ酢酸、塩化水素、過塩素酸等のブレンステッド酸、又は三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、塩化亜鉛、塩化スズ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)等のルイス酸の存在下、式R15CHOC(=NH)CCl3で表される
化合物と反応させることにより導くことができる。式R15CHOC(=NH)CCl3
で示される化合物は、文献記載の方法に従い、式R15CHOHで示されるアルコールとトリクロロアセトニトリルを塩基存在下、反応させることによって得ることができる。(J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1985,2247−225
0、Tetrahedron Lett.,1996,37,1481−1484 参照)。好ましくは、テトラヒドロピラン溶媒中、トリフルオロメタンスルホン酸存在下、式R15CHOC(=NH)CCl3で表される化合物と−20〜50℃にて30分間〜1
日間反応させることにより、化合物(9)に導くことができる(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1981,1240−1241、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1985,2247−2250 参照)。
また、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメ
チルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化銀(I)、炭酸銀(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)等の無機塩基類、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド塩基類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基類、又はカリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、カリウムtert−ペントキシド等のアルコキシド塩基類存在下、テトラブチルアンモニウムヨージドなどの適した活性化剤の存在下又は非存在下、式R15CH−Xで表される化合物と反応させることにより導くことができる。ここで、XはOC(=NH)CCl3以外の脱離基を示し、例えば、塩素原子、臭素原子
、ヨウ素原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基、p−クロロベンゼンスルホニルオキシ基、p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等である。好ましくは、クロロホルム溶媒中、炭酸銀(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)、及びテトラブチルアンモニウムヨージドの存在下、式R15CH−Clで表される化合物と−20〜50℃にて30分間〜1日間反応させることにより、化合物(9)に導くことができる。
【0053】
工程10:化合物(9)を光学活性なスルフィンアミドとの脱水縮合反応に付すことにより、化合物(10)に導くことができる。例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゾトリフルオリドなどのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、チタニウム(IV)イソプロポキシド、チタニウム(IV)メトキシド、チタニウム(IV)エトキシド、チタニウム(IV)プロポキシド、チタニウム(IV)ブトキシド等のルイス酸存在下、(R)−2−メチル−2−スルフィンアミドと反応させることにより、化合物(13)に導くことができる。好ましくは、テトラヒドロフラン溶媒中、チタニウム(IV)エトキシド存在下、(R)−2−メチル−2−スルフィンアミドと0〜80℃にて30分間〜1日間反応させることにより、本発明の化合物(10)に導くことができる。
【0054】
工程11:化合物(10)をシアノ付加反応に付すことで、化合物(11)に導くことができる(Chem.Rev.,2011,111,6947−6983 参照)。例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゾトリフルオリドなどのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、フッ化セシウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム等の無機塩基類、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド塩基類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基類、又はカリウムtert−ブトキシド、ナ
トリウムtert−ペントキシド、カリウムtert−ペントキシド等のアルコキシド塩基類存在下、又は非存在下、トリメチルシリルシアニド、シアン化水素、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、アセトンシアノヒドリン、ジエチルシアノホスホネート、ジエチルアルミニウムシアニド、tert−ブチルジメチルシリルシアニド、トリブチルチンシアニド等のシアノ化剤を加えて反応させることにより、化合物(11)に導くことができる。好ましくは、テトラヒドロフラン溶媒中、フッ化セシウム存在下、トリメチルシリルシアニドと−20〜80℃にて30分間〜1日間反応させることにより、本発明の化合物(11)に導くことができる。
【0055】
工程12:化合物(11)を酸触媒と反応させることにより、化合物(12)に導くことができる。例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリフルオロメタンスルホン酸、ビストリフルオロメタンフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロ酢酸、塩化水素、過塩素酸等のブレンステッド酸、又は三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、塩化亜鉛、塩化スズ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)等のルイス酸と反応させることにより化合物(12)に導くことができる。好ましくは、テトラヒドロフラン溶媒中、塩化水素/エタノール溶液と−20〜50℃にて30分間〜1日間反応させることにより、化合物(12)に導くことができる。
【0056】
工程13:化合物(12)を、過酸化水素と、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、リン酸ナトリウム等の塩基又はその水溶液と、ジメチルスルホキシド等の不活性溶媒存在下、反応させることにより導くことができる。好ましくは、過酸化水素と、水酸化ナトリウム水溶液、ジメチルスルホキシド存在下、0〜100℃にて30分間〜1日間反応させることにより、化合物(II)−Cに導くことができる(Synthesis,1989,949−950、Bull.Chem.Soc.Jpn.,1981,54,793−799 参照)。
【0057】
(I−C)で示される本発明の化合物の代表的な製造法を以下のスキームCに示す。以下の方法は、本発明化合物の製造法の例示であり、これに限定されるものではない。なお、以下の製造法の例示において、化合物は反応に支障にならない塩を形成しても良い。
スキームC
【0058】
【化25】
【0059】
(式中の記号は前記と同義である。)
【0060】
工程14:化合物(II)−Cのアミノ基を、一般的なアリルオキシカルボニル基での保護反応(Protective Groups in Organic Synthesis 第4版、John Wiley & Sons, INC. 参照)に付すことで、化合物(13)に導くことができる。例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン等の有機塩基類、あるいは、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩類存在下または非存在下にて、クロロギ酸アリルと反応させることにより、化合物(13)に導くことができる。
【0061】
工程15:化合物(13)をジクロロメタンなどのハロゲン系溶媒やテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシドなどの不活性溶媒中、トリブチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基存在下、クロロギ酸アリルと反応させた後にN,N−ジメチル−4−アミノピリジンを加えることによって化合物(14)へと導くことができる。また、化合物(13)のカルボキシ基を、一般的なエステル化反応にて、アリルアルコールと反応させることによっても化合物(14)に導くことができる(Comprehensive Organic Transformations Second Edition 1999年、John Wiley & Sons, INC. 参照)。
【0062】
工程16:化合物(15)は、化合物(14)を式L−CH(R3)−O−C(O)−R2(式中Lは脱離基を示し、例えばハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等を示す)と、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、水、又はこれらの混
合溶媒等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド等の金属アミド類、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン等の有機塩基類、tert−ブトキシカリウム等の塩基の存在下、ヨウ化ナトリウムなどの適した活性化剤の存在下又は非存在下反応させることにより導くことができる。好ましくは、クロロホルム、水の混合溶媒中、炭酸カリウム及びテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩存在下、式Cl−CH(R3)−O−C(O)−R2、又は式Br−CH(R3)−O−C(O)−R2で表される化合物と室温〜80℃にて2時間〜1日間反応させることによって化合物(15)に導くことができる。
【0063】
工程17:化合物(15)を一般的な脱保護反応(Protective Groups
in Organic Synthesis 第4版、John Wiley & Sons,INC. 参照)に付することで、本発明の化合物(I−C)に導くことができる。例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)等の0価のパラジウム触媒と1,3−ジメチルバルビツール酸等の金属触媒の再生試薬の存在下、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中、アリル基及びアリルオキシカルボニル基の脱保護を行うことによって、本発明化合物である化合物(I−C)に導くことができる。好ましくは、化合物(15)をテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)及び1,3−ジメチルバルビツール酸存在下、クロロホルム中、室温〜50℃にて2〜8時間反応させることにより、本発明の化合物(I−C)に導くことができる。
【0064】
以下、実施例及び試験例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【0065】
以下の実施例において、カラムクロマトグラフィーを使用して精製した際の「Grace」にはGrace社Reveleris Silica Flash Cartridge、「YMC C18」にはYMC社YMC−DispoPack AT ODS−25を使用した。
【0066】
以下の実施例において、キラルカラムクロマトグラフィーを使用してジアステレオマーを分割した際のダイセル社のカラム及び流速、分析/分取時間を下記に示す。
CHIRAL PAK IC−3:粒子径 3μm, 内径 4.6mm,長さ 150mm,流速 1.0mL/min.
CHIRAK PAK ID−3:粒子径 3μm, 内径 4.6mm,長さ 150mm,流速 1.0mL/min.
CHIRAK PAK AY−3:粒子径 3μm, 内径 4.6mm,長さ 150mm,流速 1.0mL/min.
CHIRAL PAK IC:粒子径 5μm, 内径 20mm,長さ 250mm,流速 10mL/min.
CHIRAL PAK ID:粒子径 5μm, 内径 20mm,長さ 250mm,流速 10mL/min.
【0067】
以下の製造例および実施例において、分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による精製は以下の条件により行った。
機械:Gilson社 TrilutionLC
カラム:YMC社 YMC−Actus Triant 5.0μm 50x30mm
溶媒:A液;0.1%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル、もしくはA液;0.1%ギ酸含有水、B液;0.1%ギ酸含有アセトニトリル
グラジエント:0分(A液/B液=90/10)、11分(A液/B液=20/80)、12〜13.5分(A液/B液=5/95)
流速:40mL/min
【0068】
以下の実施例中記載の各機器データは以下の測定機器で測定した。
MSスペクトル:LCMS−IT−TOF(ESI/APCI dual source)(島津製作所)、1290 Infinity および 6130 Quadrupole LC/MS(Agilent Technologies)
NMRスペクトル[1H−NMR]:600MHz;JNM−ECA600(日本電子)
、400MHz;AVENCEIIIHD 400(Bruker)
X線構造解析:R−AXIS RAPID II(Rigaku)
実施例中で使用した核磁気共鳴(NMR)スペクトルに於ける略語を以下に示す。
s:シングレット(singlet)、d:ダブレット(doublet)、t:トリプレット(triplet)、q:カルテット(quartet)、sxt:シックステット(sixtet)、dd:ダブレットダブレット(doublet doublet)、ddd:ダブレットダブレットダブレット(doublet doublet doublet)、dt:ダブレットトリプレット(doublet triplet)、td:トリプレットダブレット(triplet doublet)、qd:カルテットダブレット(quartet doublet)、m:マルチプレット(multiplet)、br:ブロード(broad)、J:カップリング定数、Hz:ヘルツ、CHLOROFORM−d:重水素化クロロホルム、DMSO−d6:重水素化ジメチルスルホキシド、MeOH−d4:重水素化メタノール
【0069】
以下の参考例および実施例において、化合物名はACD/Name 2015(ACDLabs 2015, Advanced Chemistry Development
Inc.)により命名した。
【0070】
参考例及び実施例中、以下の用語及び試薬は下記のように表記した。
MgSO4(硫酸マグネシウム)、Na2SO4(無水硫酸ナトリウム)、NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)、NH4Cl(塩化アンモニウム)、DMF(N,N−ジメチルホル
ムアミド)、EtOAc(酢酸エチル)、CHCl3(クロロホルム)、THF(テトラ
ヒドロフラン)、MeOH(メタノール)、EtOH(エタノール)、IPA(イソプロピルアルコール)、H2O(水)、Pd(PPh34[テトラキストリフェニルホスフィ
ンパラジウム(0)]、brine(飽和食塩水)、HCl(塩化水素)。
【0071】
実施例1 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0072】
【化26】
【0073】
(1)(1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸
【0074】
【化27】
化合物(II)−1(1.5g、4.58mmol)(WO03/061698 参照)
の1,4−dioxane溶液(9.2mL)に飽和NaHCO3水溶液(16mL、1
8.32mmol)を加え、室温で10分撹拌した。そこへクロロギ酸アリル(0.96mL、9.17mmol)を滴下し、室温で18時間撹拌した。水、飽和NaHCO3
溶液を加えて溶液を塩基性にした後、EtOAcで洗浄した。続いて水層に2M塩酸を加えて溶液を酸性にし、EtOAcを用いて抽出後、Na2SO4で乾燥した。不溶物を濾別後、減圧下溶媒を留去することにより、表題化合物(1.9g)を得た(褐色アモルファス)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.05 - 2.11 (1 H, m), 2.13 - 2.21 (1 H, m), 2.31 - 2.37 (1 H, m), 2.51 - 2.52 (1 H, m), 2.68 - 2.74 (1 H, m), 3.31 (1 H, s), 4.05 - 4.10 (1 H, m), 4.39 - 4.52 (3 H, m), 4.57 - 4.64 (1 H, m), 5.16 - 5.24 (1 H, m), 5.28 - 5.36 (1 H, m), 5.84 - 5.96 (1 H, m), 7.12 - 7.17 (2 H, m), 7.29 - 7.34 (2 H, m), 8.14 (1 H, s)
MS m/z : 434[M+Na]+
【0075】
(2)(1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−6−{[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸
【0076】
【化28】
(1)で得られた化合物(0.95g、2.31mmol)とN−メチルモルホリン(0.38mL、3.46mmol)のTHF(10mL)溶液に0℃でクロロギ酸アリル(0.36mL,3.46mmol)を滴下して30分撹拌した。そこへN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.070g、0.58mmol)を加え、室温まで戻して2時間半撹拌した。水、2M塩酸を加えて溶液を酸性にした後、EtOAcを用いて抽出した。Na2SO4で乾燥し、不溶物を濾別後、減圧下溶媒を留去することにより、表題化合物(1.0g)を得た(茶色アモルファス)。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.20 - 2.28 (1 H, m), 2.35 - 2.47 (2 H, m), 2.91 - 3.07 (1 H, m), 3.83 - 3.92 (1 H, m), 4.43 - 4.69 (6 H, m), 5.11 - 5.37 (5 H, m), 5.83 - 5.96 (2 H, m), 6.95 - 7.03 (2 H, m), 7.20 - 7.24 (2 H, m)
MS m/z : 474[M+Na]+
【0077】
(3)(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(実施例1)
【0078】
【化29】
(2)で得られた化合物(0.30g、0.66mmol)のDMF溶液(3.3mL)にK2CO3(0.096g、0.70mmol)、18−クラウン−6(0.15mL、0.70mmol)を加えた。そこへ(1R)−1−クロロエチル (1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル カルボナート(WO2013/180271 参照)(0.42g、1.59mmol)を加えて室温にて18時間撹拌した。反応液を飽和NH4Cl水溶液に滴下後、EtOAcを用いて抽出し、br
ineで洗浄した。Na2SO4で乾燥したのち、不溶物をろ過して減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace 12g、n‐Hexane/EtOAc=95/5〜60/40)および(Grace 12g、n‐Hexane/EtOAc=95/5〜80/20)にて精製し、無色油状物(0.31g)を得た。これをCHCl3(2.3mL)に溶解させ、1,3−ジメチルバルビツール酸
(0.072g、0.46mmol)およびPd(PPh34(0.013g、0.01mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(YMC C18 12g, H2O/MeCN=95/5〜5/
95)にて精製した。フラクションを濃縮して得られた残渣にMeOHを加え、室温で1
時間撹拌後、析出した結晶を濾取することにより、表題化合物(0.097g)を得た(無色固体)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.69 - 0.90 (10 H, m), 0.92 - 1.08 (1 H, m), 1.32 - 1.46 (5 H, m), 1.62 (2 H, br d, J=11.6 Hz), 1.79 - 2.06 (5 H, m), 2.21 - 2.27 (1 H, m), 2.29 - 2.36 (1 H, m), 3.66 - 3.78 (1 H, m), 4.39 - 4.48 (2 H, m), 4.55 (1 H, br d, J=11.6 Hz), 6.64 - 6.73 (1 H, m), 7.09 - 7.22 (2 H, m), 7.22 - 7.36 (2 H, m)
MS m/z : 576[M+Na]+
【0079】
実施例2 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸
【0080】
【化30】
実施例1−(2)で得られた化合物(0.30g、0.66mmol)と(1S)−1−クロロエチル (1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル カルボナート(WO2013/180271 参照)(0.42g、1.59mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により表題化合物(0.018g)を得た(無色固体)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.65 (3 H, d, J=7.0 Hz), 0.73 - 0.86 (7 H, m), 0.93-1.01 (2 H, m), 1.23 - 1.32 (1 H, m), 1.39 - 1.45 (4 H, m), 1.53 - 1.61 (2 H, m), 1.71 - 1.79 (1 H, m), 1.89 - 1.97 (2 H, m), 2.04 - 2.12 (1 H, m), 2.10 - 2.20 (1 H, m), 2.22 - 2.29 (1 H, m), 2.48 - 2.49 (2 H, m), 3.64-3.70 (1 H, m), 4.36 - 4.44 (2 H, m), 4.49 - 4.53 (1 H, m), 6.64 (1 H, q, J=5.4 Hz), 7.09 (2 H, s), 7.26 - 7.30 (2 H, m)
MS m/z : 576[M+Na]+
【0081】
実施例3 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1R)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1
.0]ヘキサン−6−カルボン酸
【0082】
【化31】
実施例1−(2)で得られた化合物(0.20g、0.44mmol)と((1S)−1−クロロエチル トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボキシラート(W
O2013/180271 参照)(0.32g、1.33mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により表題化合物(0.093g)を得た(無色固体)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.40 - 1.45 (3 H, m), 1.55 (3 H, br d, J=11.6 Hz), 1.63 (3 H, br d, J=12.0 Hz), 1.68 - 1.80 (6 H, m), 1.86 - 1.91 (3 H, m), 2.00 - 2.05 (1 H, m), 2.12 (1 H, dd, J=7.8, 2.5 Hz), 2.19 - 2.25 (1 H, m), 2.27 - 2.33 (1 H, m), 2.51 - 2.53 (1 H, m), 3.71 - 3.76 (1 H, m), 4.43 - 4.51 (1 H, m), 4.54 (1 H, d, J=12.0 Hz), 6.86 (1 H, q, J=5.4 Hz), 7.12 - 7.17 (2 H, m), 7.29 - 7.33 (2 H, m)
MS m/z : 532[M-H]-
【0083】
実施例4 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1
.0]ヘキサン−6−カルボン酸
【0084】
【化32】
実施例1−(2)で得られた化合物(0.20g、0.44mmol)と(1R)−1−クロロエチル トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボキシラート(WO
2013/180271 参照)(0.32g、1.33mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により表題化合物(0.153g)を得た(無色固体)。また、得られた化合物(実施例4)の絶対立体配置はX線構造解析により決定した。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.40 (3 H, d, J=5.4 Hz), 1.57 - 1.71 (6 H, m), 1.74 - 1.80 (6 H, m), 1.88 - 2.00 (5 H, m), 2.18 - 2.26 (1 H, m), 2.29 - 2.38 (1
H, m), 2.40 - 2.48 (1 H, m), 3.70 - 3.77 (1 H, m), 4.45 (1 H, d, J=11.6 Hz), 4.56 (1 H, d, J=11.6 Hz), 6.76 (1 H, q, J=5.4 Hz), 7.13 - 7.18 (2 H, m), 7.27 - 7.32 (2 H, m)
MS m/z : 532[M-H]-
【0085】
実施例5 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−[(1−{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エトキシ)カルボニル]−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸
【0086】
【化33】
実施例1−(2)で得られた化合物(0.30g、0.66mmol)と1−クロロエチル シクロヘキシル カルボナート(0.24mL、1.33mmol)を用い、実施例
1−(3)と同様の手法により表題化合物(0.023g)を得た(無色固体)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.14 - 1.47 (10 H, m), 1.56 - 1.66 (2 H, m), 1.70 - 1.76 (1 H, m), 1.78 - 1.84 (1 H, m), 1.98 - 2.04 (1 H, m), 2.09 - 2.13 (1 H, m), 2.16 - 2.23 (1 H, m), 2.26 - 2.33 (1 H, m), 3.70 - 3.74 (1 H, m), 4.42 - 4.58 (3 H, m), 6.73 (1 H, q, J=5.4 Hz), 7.10 - 7.15 (2 H, m), 7.28 - 7.32 (2 H, m)
MS m/z : 520[M+Na]+
【0087】
実施例6 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−{[(L−バリルオキシ)メトキシ]カルボニル}ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸 二塩酸塩
【0088】
【化34】
実施例1−(2)で得られた化合物(0.15g、0.34mmol)とクロロメチル N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリナート(0.27g、1.03mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により無色アモルファス(0.091g)を得た。これをCHCl3(1.2mL)に溶解させ、室温にて4MHCl−ジオキサン溶
液(0.12mL)を滴下して4時間撹拌した。析出した固体を濾取することにより、表題化合物(40mg)を得た(淡黄色固体)。
1H NMR (600 MHz, MeOH-d4) δ ppm 1.01 (6 H, d, J=7.0 Hz), 2.20 - 2.27 (1 H, m), 2.42 - 2.53 (3 H, m), 2.58 - 2.64 (1 H, m), 3.69 (1 H, d, J=4.5 Hz), 4.16 - 4.20
(1 H, m), 4.56 (2 H, s), 6.01 (1 H, d, J=6.2 Hz), 6.13 (1 H, d, J=5.8 Hz), 7.09
- 7.14 (2 H, m), 7.35 - 7.39 (2 H, m), 7.91 (1 H, s)
MS m/z : 457[M+H]+
【0089】
実施例7 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ
ン−1−カルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸
【0090】
【化35】
実施例1−(2)で得られた化合物(0.1g、0.22mmol)とクロロメチル トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボキシラート(0.055g、0.2
4mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により表題化合物(52mg)を得た(無色固体)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.51 - 1.55 (3 H, m), 1.59 - 1.64 (3 H, m), 1.6
8 - 1.73 (6 H, m), 1.87 (3 H, br s), 1.95 - 2.00 (1 H, m), 2.09 (1 H, dd, J=7.6,
2.7 Hz), 2.13 - 2.19 (1 H, m), 2.29 (1 H, dd, J=13.2, 7.4 Hz), 2.47 (1 H, br d,
J=8.7 Hz), 2.52 - 2.57 (1 H, m), 3.70 - 3.75 (1 H, m), 4.46 (1 H, d, J=12.0 Hz), 4.57 (1 H, d, J=12.0 Hz), 5.75 (1 H, d, J=5.8 Hz), 5.83 (1 H, d, J=5.8 Hz), 7.15 (2 H, t, J=8.4 Hz), 7.30 (2 H, t, J=6.7 Hz)
MS m/z : 520[M+H]+
【0091】
実施例8 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0092】
【化36】
【0093】
(1)(1R,2R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸
【0094】
【化37】
実施例1−(1)と同様の手法により、化合物(II)−2(1.5g、3.97mmol)(WO03/061698 参照)から表題化合物(1.7g)を得た(淡黄色アモ
ルファス)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.06 - 2.12 (1 H, m), 2.15 - 2.23 (1 H, m), 2.37 (1 H, dd, J=13.6, 7.4 Hz), 2.69 - 2.73 (1 H, m), 3.32 (2 H, br s), 4.00 - 4.10
(1 H, m), 4.38 - 4.53 (3 H, m), 4.57 - 4.63 (1 H, m), 5.15 - 5.24 (1 H, m), 5.27 - 5.36 (1 H, m), 5.82 - 5.96 (1 H, m), 7.09 - 7.16 (1 H, m), 7.29 - 7.42 (2 H,
m), 8.16 (1 H, s)
MS m/z : 452[M+Na]+
【0095】
(2)(1R,2R,3R,5R,6R)−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−6−{[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸
【0096】
【化38】
(1)で得られた化合物(1.7g、3.96mmol)を原料にして、実施例1−(2)と同様の手法により、表題化合物(1.8g)を得た(茶色アモルファス)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.14 - 2.45 (3 H, m), 2.77 (1 H, br d, J=7.0 Hz), 4.06 - 4.20 (1 H, m), 4.39 - 4.72 (7 H, m), 5.14 - 5.36 (4 H, m), 5.84 - 5.97
(2 H, m), 7.01 - 7.45 (3 H, m), 8.20 (1 H, br s)
MS m/z : 492[M+Na]+
【0097】
(3)(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(実施例8)
【0098】
【化39】
(2)で得られた化合物(0.30g、0.64mmol)と(1R)−1−クロロエチル (1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル カルボナート(0.40g、1.53mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により表題化合物(135mg)を得た(無色固体)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.73 (3 H, d, J=7.0 Hz), 0.78 - 0.89 (7 H, m), 0.92 - 1.06 (2 H, m), 1.30 - 1.47 (5 H, m), 1.59 - 1.64 (2 H, m), 1.79 - 1.86 (1
H, m), 1.88 - 1.93 (1 H, m), 1.98 - 2.05 (2 H, m), 2.22 - 2.27 (1 H, m), 2.35 (1 H, dd, J=13.4, 7.6 Hz), 2.51 - 2.53 (1 H, m), 3.72 - 3.78 (1 H, m), 4.39 - 4.63 (3 H, m), 6.67 (1 H, q, J=5.4 Hz), 7.09 - 7.12 (1 H, m), 7.27 - 7.31 (1 H, m),
7.39 (1 H, dt, J=10.7, 8.5 Hz)
MS m/z : 594[M+Na]+
【0099】
実施例9 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸
【0100】
【化40】
実施例8−(2)で得られた化合物(0.30g、0.64mmol)と(1S)−1−クロロエチル (1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル カルボナート(0.40g、1.53mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により表題化合物(19mg)を得た(無色固体)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.66 (3 H, d, J=6.6 Hz), 0.73 - 0.90 (7 H, m), 0.94 - 1.03 (2 H, m), 1.21 - 1.34 (2 H, m), 1.38 - 1.53 (4 H, m), 1.53 - 1.66 (2
H, m), 1.69 - 1.81 (1 H, m), 1.91 - 2.03 (2 H, m), 2.10 - 2.24 (2 H, m), 2.27 -
2.34 (1 H, m), 3.70 - 3.74 (1 H, m), 4.36 - 4.49 (2 H, m), 4.53 - 4.59 (1 H, m), 6.68 (1 H, q, J=5.0 Hz), 7.11 (1 H, br s), 7.30 - 7.38 (2 H, m)
MS m/z : 594[M+Na]+
【0101】
実施例10 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸
【0102】
【化41】
実施例8−(2)で得られた化合物(0.20g、0.42mmol)と(1S)−1−クロロエチル トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボキシラート(0.
31g、1.28mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により表題化合物(149mg)を得た(無色固体)。
1H NMR (600 MHz, MeOH-d4) δ ppm 1.55 (3 H, d, J=5.4 Hz), 1.64 (3 H, br d, J=12.0 Hz), 1.74 (3 H, br d, J=12.0 Hz), 1.77 - 1.82 (6 H, m), 1.89 - 1.95 (3 H, m), 2.24 - 2.32 (2 H, m), 2.39 - 2.44 (1 H, m), 2.50 (1 H, dd, J=13.2, 7.4 Hz), 4.05
- 4.09 (1 H, m), 4.52 (2 H, s), 7.01 - 7.04 (1 H, m), 7.11 - 7.15 (1 H, m), 7.19 - 7.25 (1 H, m), 7.28 - 7.33 (1 H, m)
MS m/z : 550[M-H]-
【0103】
実施例11 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸
【0104】
【化42】
実施例8−(2)で得られた化合物(0.20g、0.42mmol)と(1R)−1−クロロエチル トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボキシラート(0.
31g、1.28mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により表題化合物(123mg)を得た(無色固体)。
1H NMR (600 MHz, MeOH-d4) δ ppm 1.48 (3 H, d, J=5.8 Hz), 1.70 - 1.80 (6 H, m), 1.90 (6 H, br s), 2.00 (3 H, br s), 2.18 - 2.21 (1 H, m), 2.25 - 2.29 (1 H, m), 2.42 - 2.48 (1 H, m), 2.52 - 2.58 (1 H, m), 4.06 - 4.11 (1 H, m), 4.49 - 4.56 (2
H, m), 6.92 (1 H, d, J=7.8 Hz), 7.10 - 7.14 (1 H, m), 7.21 - 7.28 (2 H, m)
MS m/z : 550[M-H]-
【0105】
実施例12 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−3−[(3,4−ジフルオロフェニル)メトキシ]−6−フルオロ−2−({[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]メトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]
ヘキサン−6−カルボン酸
【0106】
【化43】
実施例8−(2)で得られた化合物(0.20g、0.42mmol)とクロロメチル トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボキシラート(0.19g、0.8
5mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により表題化合物(61mg)を得た(無色アモルファス)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.50 (3 H, br d, J=11.1 Hz), 1.60 (3 H, br d, J=12.0 Hz), 1.66 - 1.69 (6 H, m), 1.84 (3 H, br s), 1.94 - 1.99 (1 H, m), 2.05 - 2.12 (1 H, m), 2.12 - 2.17 (1 H, m), 2.30 (1 H, dd, J=13.6, 7.4 Hz), 3.68 - 3.74
(1 H, m), 4.45 (1 H, d, J=12.0 Hz), 4.56 (1 H, d, J=12.0 Hz), 5.73 (1 H, d, J=5.8 Hz), 5.84 (1 H, d, J=5.8 Hz), 7.08 - 7.11 (1 H, m), 7.26 - 7.31 (1 H, m), 7.34 - 7.41 (1 H, m)
MS m/z : 538[M+H]+
【0107】
実施例13 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0108】
【化44】
(1)(1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸
【0109】
【化45】
化合物(II)−3(3.0g、11.48mmol)(WO03/061698 参照
)を原料にして、実施例1−(1)と同様の手法により、表題化合物(3.4g)を得た(淡黄色アモルファス)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.80 (3 H, t, J=7.4 Hz), 1.40 (2 H, sxt, J=7.0 Hz), 2.02 - 2.07 (1 H, m), 2.07 - 2.15 (1 H, m), 2.32 (1 H, dd, J=14.0, 9.1 Hz),
2.63 - 2.70 (1 H, m), 3.26 - 3.37 (2 H, m), 3.47 - 3.55 (1 H, m), 3.86 - 3.93 (1 H, m), 4.46 (1 H, br d, J=4.5 Hz), 5.18 (1 H, d, J=9.9 Hz), 5.31 (1 H, d, J=16.9 Hz), 5.86 - 5.95 (1 H, m)
MS m/z : 368[M+Na]+
【0110】
(2)(1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−6−{[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸
【0111】
【化46】
(1)で得られた化合物(1.7g、4.95mmol)を原料にして、実施例1−(2)と同様の手法により、表題化合物(1.8g)を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.80 (3 H, t, J=7.4 Hz), 1.40 (2 H, sxt, J=7.4 Hz), 2.08 - 2.27 (2 H, m), 2.32 - 2.42 (1 H, m), 2.70 - 2.86 (1 H, m), 3.33 - 3.36 (2 H, m), 3.39 - 3.55 (1 H, m), 3.86 - 4.04 (1 H, m), 4.36 - 4.75 (4 H, m), 5
.08 - 5.39 (4 H, m), 5.82 - 5.97 (2 H, m)
MS m/z : 408[M+Na]+
【0112】
(3)(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(実施例13)
【0113】
【化47】
(2)で得られた化合物(0.30g、0.78mmol)と(1R)−1−クロロエチル (1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル カルボナート(0.49g、1.87mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により表題化合物(46mg)を得た(無色固体)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.74 (3 H, d, J=7.0 Hz), 0.78 - 0.89 (10 H, m),
0.95 - 1.07 (2 H, m), 1.32 - 1.48 (7 H, m), 1.59 - 1.64 (2 H, m), 1.80 - 1.86 (1 H, m), 1.90 - 2.00 (3 H, m), 2.15 - 2.20 (1 H, m), 2.33 (1 H, dd, J=13.2, 7.4 Hz), 3.30 (1 H, dt, J=9.1, 6.6 Hz), 3.43 (1 H, dt, J=9.1, 6.6 Hz), 3.56 - 3.64 (1 H, m), 4.41 - 4.47 (1 H, m), 6.65 - 6.68 (1 H, m)
MS m/z : 488[M+H]+
【0114】
実施例14 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({(1S)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸
【0115】
【化48】
実施例13−(2)で得られた化合物(0.30g、0.78mmol)と(1S)−1−クロロエチル (1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル カルボナート(0.49g、1.87mmol)を用い、実施例1−(3)と同様の手法により表題化合物(100mg)を得た(無色固体)。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.75 (3 H, d, J=7.0 Hz), 0.77 - 0.91 (10 H, m),
0.98 - 1.09 (2 H, m), 1.32 - 1.52 (7 H, m), 1.60 - 1.66 (2 H, m), 1.82 - 1.88 (1 H, m), 1.94 - 2.00 (2 H, m), 2.08 (1 H, dd, J=8.0, 2.5 Hz), 2.13 (1 H, ddd, J=13.2, 8.0, 5.8 Hz), 2.29 (1 H, dd, J=13.2, 7.4 Hz), 3.28 (1 H, dt, J=9.1, 6.6 Hz), 3.43 (1 H, dt, J=9.1, 6.6 Hz), 3.56 - 3.62 (1 H, m), 4.46 (1 H, td, J=10.8, 4.3 Hz), 6.67 (1 H, q, J=5.4 Hz)
MS m/z : 488[M+H]+
【0116】
実施例15 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({1−[({[(1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0117】
【化49】
【0118】
(1)1−クロロエチル (1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル カルボナート
【0119】
【化50】
D−メントール(5.0g、31.99mmol)、ピリジン(2.6mL、31.99mmol)のCHCl3溶液(36mL)をアセトン‐ドライアイスバスにて−60℃に
冷却し、カルボノクロリド酸 1−クロロエチル(3.67mL、33.59mmol)を10分間で滴下した。−60℃にて30分撹拌後、氷浴にうつし、0℃まで昇温して水を加えた。有機層を分液後、brineで洗浄しMgSO4で乾燥した。不溶物を濾別後
、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Grace 12g、n‐Hexane/EtOAc=100/0〜90/10)にて精製することにより、表題化合物(7.7g)を得た(無色油状物)。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.81 (3 H, dd, J=10.3, 7.0 Hz), 0.85 - 0.95 (7 H, m), 1.03 - 1.13 (2 H, m), 1.39 - 1.54 (2 H, m), 1.66 - 1.74 (2 H, m), 1.84 (3 H, dd, J=5.8, 2.1 Hz), 1.91 - 1.99 (1 H, m), 2.06 - 2.15 (1 H, m), 4.60 (1
H, qd, J=10.7, 4.3 Hz), 6.44 (1 H, qd, J=5.8, 1.7 Hz)
【0120】
(2)2−{1−[({[(1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} 6−プロパ−2−エン−1−イル (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラート
【0121】
【化51】
実施例13−(2)で得られた化合物(0.56g、1.47mmol)のDMF溶液(7mL)に(1)で得られた化合物(0.77g、2.94mmol)およびK2CO3(0.30g、2.20mmol)、NaI(0.44g、2.94mmol)を加え、50℃にて3時間半撹拌した。反応液を室温まで冷却後、水を加えて分液した。水層からEtOAcを用いて抽出後、有機層を合わせて5%brine、およびbrineで洗浄した。MgSO4で乾燥後、不溶物を濾別し減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(Grace 12g、n‐Hexane/EtOAc=100/0〜60/40)にて精製し、表題化合物(0.40g)をジアステレオマー混合物として得た(無色油状物)。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.77 - 0.95 (15 H, m), 1.50 - 1.58 (7 H, m), 1.66 - 1.71 (2 H, m), 1.93 - 2.02 (1 H, m), 2.08 - 2.16 (1 H, m), 2.20 - 2.27
(1 H, m), 2.31 - 2.38 (1 H, m), 2.40 - 2.48 (1 H, m), 2.90 - 3.03 (1 H, m), 3.29 - 3.34 (1 H, m), 3.46 - 3.53 (1 H, m), 3.73 - 3.78 (1 H, m), 4.53 - 4.71 (5 H,
m), 5.20 - 5.35 (5 H, m), 5.87 - 5.95 (2 H, m), 6.81 - 6.94 (1 H, m)
【0122】
(3)2−{1−[({[(1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} 6−プロパ−2−エン−1−イル (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラートの分割
【0123】
【化52】
実施例15(2)で得られた化合物をキラルカラムクロマトグラフィー(CHIRALPAK ID, n‐Hexane/IPA=7:3)にて分取を行い、1st peak・実施例15(3)‐A(0.14g)および2nd peak・実施例15(3)‐B(0.20g)を得た(いずれも無色油状物)。
保持時間:実施例15(3)-A;3.22min., 実施例15(3)-B;5.72min.(CHIRAL PAK
ID-3, n‐Hexane/IPA=7:3)
【0124】
(4)(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−2−({1−[
({[(1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(実施例15−A、15−B)
【0125】
【化53】
実施例15(3)‐A(0.14g、0.23mmol)のCHCl3溶液(2.3mL
)に1,3−ジメチルバルビツール酸(0.036g、0.23mmol)およびPd(PPh34(0.004g、0.0035mmol)を加えて室温で20分間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣にMeCN(5mL)を加えて室温にて1時間半撹拌した。析出した結晶を濾取することにより、表題化合物・実施例15−A(0.090g)を得た(無色固体)。同様にして実施例15(3)‐B(0.20g、0.33mmol)から表題化合物・実施例15−B(0.13g)を得た(無色固体)。
実施例15−A
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.74 - 0.91 (13 H, m), 0.95 - 1.12 (2 H, m), 1.33 - 1.51 (7 H, m), 1.60 - 1.68 (2 H, m), 1.79 - 1.90 (1 H, m), 1.94 - 2.05 (2 H, m), 2.06-2.19 (2 H, m), 2.27 - 2.36 (1 H, m),3.29 (1 H, dt, J=9.1, 6.7 Hz), 3.44 (3 H, dt, J=9.1, 6.7 Hz), 3.56 - 3.66 (1 H, m), 4.45 (1 H, td, J=10.9, 4.4 Hz), 6.74 (1 H, q, J=5.4 Hz)
MS m/z : 488[M+H]+
実施例15−B
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.73 (3H, d, J=7.0 Hz),0.76-0.91 (10 H, m), 0.96 - 1.09 (2 H, m), 1.30 - 1.50 (7 H, m), 1.57-1.67 (2 H, m), 1.72 - 1.82 (1 H, m), 1.92 - 1.99 (3 H, m), 2.12-2.23 (1 H, m), 2.28 - 2.40 (1 H, m), 3.30 (1 H, dt, J=9.1, 6.5 Hz), 3.44 (1 H, dt, J=9.1, 6.5 Hz), 3.56 - 3.62 (1 H, m), 4.46 (1 H, td, J=10.9, 4.3 Hz), 6.69 (1 H, q, J=5.5 Hz)
MS m/z : 488[M+H]+
【0126】
実施例16 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0127】
【化54】
【0128】
(1)2−{1−[({[(1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} 6−プロパ−2−エン−
1−イル (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラート
【0129】
【化55】
実施例1−(2)で得られた化合物(0.41g、0.93mmol)と実施例15−(1)で得られた化合物(0.48g、1.85mmol)を原料にして、実施例15−(2)と同様の手法により、表題化合物(0.41g)をジアステレオマー混合物として得た(無色油状物)。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.70 - 1.14 (12 H, m), 1.19 - 1.71 (7 H, m), 1.88 - 2.28 (2 H, m), 2.34 - 2.46 (2 H, m), 2.87 - 3.03 (1 H, m), 3.39 - 3.45 (1 H, m), 3.79 - 3.86 (1 H, m), 4.44 - 4.72 (7 H, m),5.00 - 5.10 (1 H, m), 5.20 - 5.36 (4 H, m), 5.85 - 5.95 (2 H, m), 6.84 - 6.95 (1 H, m), 6.99 - 7.06 (2 H,
m), 7.25 - 7.27 (2 H, m)
MS m/z : 700[M+Na]+
【0130】
(2)2−{1−[({[(1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} 6−プロパ−2−エン−1−イル (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラートの分割
【0131】
【化56】
実施例16(1)で得られた化合物をキラルカラムクロマトグラフィー(CHIRALPAK ID、n‐Hexane/EtOH=4:1)にて分取を行い、1st peak・実施例16(2)‐A(0.11g)および2nd peak・実施例16(2)‐B(0.15g)を得た(いずれも無色油状物)。
保持時間:実施例16(2)-A;2.92min., 実施例16(2)-B;4.30min.(CHIRAL PAK ID-3, n‐Hexane/EtOH=8:2)
【0132】
(3)(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フ
ルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1S,2R,5S)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(実施例16−A、16−B)
【0133】
【化57】
(2)で得られた実施例16(2)‐A(0.10g、0.15mmol)および実施例
16(2)‐B(0.13g、0.20mmol)をそれぞれ原料にして実施例15−(4)と同様の手法により、表題化合物・実施例16−A(0.058g)および実施例16−B(0.076g)を得た(いずれも無色固体)。
実施例16−A
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.75 (3 H, d, J= 6.9 Hz), 0.78-1.10 (7 H, m), 1.28 - 1.44 (2 H, m), 1.47 (3 H, d, J=5.5 Hz) 1.58 - 1.67 (2 H, m), 1.78 - 1.90 (2 H, m), 2.00-2.07 (2 H, m), 2.14 (1 H, dd, J=7.8, 2.8 Hz), 2.18-2.26 (1 H,m), 2.32 (1 H, dd, J=13.3, 7.4 Hz), 3.71 - 3.79 (1 H, m), 4.37 - 4.50 (2 H, m), 4.58
(1 H, d, J=12 Hz), 6.75 (1 H, q, J=5.5 Hz), 7.09-7.16 (2 H, m), 7.29-7.36 (2 H,
m)
MS m/z : 554[M+H]+
実施例16−B
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.72 (3 H, d, J=7.0 Hz), 0.80 - 0.92 (7 H, m), 0.97 - 1.10 (2 H, m), 1.29 - 1.52 (4 H, m), 1.56 - 1.68 (2 H, m), 1.71-1.82 (1 H, m), 1.92 - 2.02 (3 H, m), 2.19 - 2.40 (2 H, m), 3.68 - 3.77 (1 H, m), 4.41 - 4.51 (2 H, m), 4.56 (1 H, d, J=12.0 Hz), 6.70 (1 H, q, J=5.4 Hz), 7.11-7.20 (2 H,
m), 7.27-7.34 (2 H, m)
MS m/z : 554[M+H]+
【0134】
実施例17 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0135】
【化58】
(1)1−クロロエチル (1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル カルボナート
【0136】
【化59】
(−)−ボルネオール(5.0g、32.41mmol)を原料にして、実施例15(1)と同様の手法により、表題化合物(8.2g)を得た(無色油状物)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.87 - 0.93 (9 H, m), 1.13 (1 H, ddd, J=13.9, 12.4, 3.5 Hz), 1.23 - 1.38 (2 H, m), 1.69 - 1.88 (5 H, m), 1.89 - 1.99 (1 H,
m), 2.35 - 2.46 (1 H, m), 4.85 - 4.92 (1 H, m), 6.43 (1 H, q, J=5.8 Hz)
MS m/z : 283[M+Na]+
【0137】
(2)6−プロパ−2−エン−1−イル 2−{1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラート
【0138】
【化60】
実施例1−(2)で得られた化合物(0.40g、0.89mmol)と実施例17−(1)で得られた化合物(0.46g、1.77mmol)を原料にして、実施例15−(2)と同様の手法により、表題化合物(0.41g)をジアステレオマー混合物として得た(無色油状物)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.83 - 0.97 (9 H, m), 1.01 - 1.14 (1 H, m), 1.20 - 1.40 (2 H, m), 1.52 (3 H, d, J=5.4 Hz), 1.62 - 1.78 (2 H, m), 1.86 - 1.96 (1 H, m), 2.23 - 2.47 (5 H, m), 2.94 - 3.05 (1 H, m), 3.84 (1 H, td, J=7.8,
4.8 Hz), 4.45 - 4.71 (6 H, m), 4.75 - 4.91 (1 H, m), 5.05 (1 H, s), 5.19 - 5.37
(4 H, m), 5.84 - 5.97 (2 H, m), 6.88 (1 H, q, J=5.5 Hz), 7.04 (2 H, m), 7.26 (2
H, m)
【0139】
(3)6−プロパ−2−エン−1−イル 2−{1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラートの分割
【0140】
【化61】
実施例17(2)で得られた化合物(0.41g、0.93mmol)をキラルカラムクロマトグラフィー(CHIRALPAK IC、n‐Hexane/IPA=6:4)にて分取を行い、1st peak・実施例17(3)‐A(0.20g)および2nd peak・実施例17(3)‐B(0.15g)を得た(いずれも無色油状物)。
保持時間:実施例17(3)-A;4.57min., 実施例17(3)-B;5.84min.(CHIRAL PAK IC-3, n‐Hexane/IPA=6:4)
【0141】
(4)(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(実施例17−A、17−B)
【0142】
【化62】
実施例17(3)で得られた実施例17(3)‐A(0.18g、0.27mmol)および実施例17(3)‐B(0.13g、0.20mmol)をそれぞれ原料にして実施例15−(4)と同様の手法により、表題化合物・実施例17−A(0.098g)および実施例17−B(0.072g)を得た(いずれも無色固体)。
実施例17−A
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.78 - 0.86 (9 H, m), 0.97 (1 H, dd, J=13.9, 3.4 Hz), 1.13 - 1.21 (1 H, m), 1.23 - 1.32 (1 H, m), 1.43 (3 H, d, J=5.4 Hz), 1.63
- 1.81 (3 H, m), 1.97 - 2.05 (2 H, m), 2.20 - 2.37 (3 H, m), 3.69 - 3.77 (1 H, m), 4.45 (1 H, d, J=11.6 Hz), 4.55 (1 H, d, J=11.6 Hz), 4.70 - 4.75 (1 H, m), 6.69 (1 H, q, J=5.4 Hz), 7.12 - 7.18 (2 H, m), 7.26-7.32 (2 H,m)
MS m/z : 552[M+H]+
実施例17−B
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.73 (3 H, s), 0.82 (6 H, s), 1.02 (1 H, dd, J=13.8, 3.4 Hz), 1.11 - 1.30 (2 H, m), 1.47 (3 H, d, J=5.5 Hz), 1.62- 1.78 (3 H, m), 1.99-2.07 (1 H,m), 2.10 - 2.34 (4 H, m), 3.69 - 3.76 (1 H, m), 4.46 (1 H, d, J=12.2 Hz), 4.55 (1 H, d, J=12.2 Hz), 4.64 - 4.72 (1 H, m), 6.75 (1 H, q, J=5.5 Hz), 7.08-7.16 (2 H,m), 7.29 - 7.34 (2 H, m)
MS m/z : 552[M+H]+
【0143】
実施例18 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−プロポキシ−2−({1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0144】
【化63】
(1)6−プロパ−2−エン−1−イル 2−{1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラート
【0145】
【化64】
実施例13−(2)で得られた化合物(0.40g、0.94mmol)と実施例17−(1)で得られた化合物(0.49g、1.89mmol)を原料にして、実施例15−(2)と同様の手法により、表題化合物(0.44g)をジアステレオマー混合物として得た(無色油状物)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.84 - 0.91 (12 H, m), 1.07 - 1.14 (1 H, m), 1.23 - 1.35 (2 H, m), 1.49 - 1.59 (6 H, m), 1.67 - 1.79 (2 H, m), 1.89 - 1.97 (1 H, m), 2.22 - 2.48 (4 H, m), 2.96 (1 H, br s), 3.27 - 3.34 (1 H, m), 3.44 -
3.53 (1 H, m), 3.72 - 3.79 (1 H, m), 4.51 - 4.71 (4 H, m), 4.82 - 4.87 (1 H, m), 5.16 - 5.36 (4 H, m), 5.84 - 5.96 (2 H, m), 6.84 - 6.91 (1 H, m)
MS m/z : 632[M+Na]+
【0146】
(2)6−プロパ−2−エン−1−イル 2−{1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−2−({[(
プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラートの分割
【0147】
【化65】
実施例18(1)で得られた化合物をキラルカラムクロマトグラフィー(CHIRALPAK IC, n‐Hexane/IPA=40:60)にて分取を行い、1st peak・実施例18(2)‐A(0.17g)および2nd peak・実施例18(2)‐B(0.12g)を得た(いずれも無色油状物)。
保持時間:実施例18(2)-A;3.42min., 実施例18(2)-B;4.26min.(CHIRAL PAK IC-3, n‐Hexane/IPA=2:3)
【0148】
(3)(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−プロポキシ−2−({1−[({[(1S,2R,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(実施例18−A、18−B)
【0149】
【化66】
(2)で得られた実施例18(2)‐A(0.16g、0.27mmol)および実施例18(2)‐B(0.11g、0.19mmol)をそれぞれ原料にして実施例15−(4)と同様の手法により、表題化合物・実施例18−A(0.089g)および実施例18−B(0.064g)を得た(いずれも無色固体)。
実施例18−A
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.81 (3 H, s), 0.84 (6H, d, J=3.7 Hz), 0.95 (1
H, dd, J=13.8, 3.5 Hz), 1.10 - 1.19 (1 H, m), 1.22 - 1.31 (1 H, m), 1.47 (3 H, d, J=5.4 Hz), 1.62 - 1.80 (3 H, m), 2.02 - 2.08 (1 H, m), 2.11 - 2.36 (4 H, m), 3.70 - 3.77 (1 H, m), 4.48 (1H, d, J=12.0 Hz), 4.56 (1H, d, J=12.0 Hz), 4.68 - 4.77 (1 H, m), 6.74 (1 H, q, J=5.4 Hz), 7.09 - 7.18 (2 H, m), 7.29-7.36 (2 H,m)
MS m/z : 486[M+H]+
実施例18−B
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.77 (3 H, s), 0.84 (6 H, d, J=7.8 Hz), 1.03 (1
H, dd, J=13.8, 3.4 Hz), 1.14-1.32 (2 H, m), 1.42 (3 H, d, J=5.3 Hz), 1.65 - 1.79 (3 H, m), 1.96 - 2.05 (2 H, m), 2.20 - 2.38 (3 H, m), 3.69 - 3.78 (1 H, m), 4.45 (1 H, d, J=11.6 Hz), 4.55 (1 H, d, J=11.6 Hz), 4.73 - 4.78 (1 H, m), 6.69 (1 H, q, J=5.3 Hz), 7.11-7.19 (2 H, m), 7.26 - 7.33 (2 H, m)
MS m/z : 486[M+H]+
【0150】
実施例19 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸
【0151】
【化67】
【0152】
(1)1−クロロエチル (1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル カルボナート
【0153】
【化68】
(+)−ボルネオール(2.5g、16.21mmol)を原料にして、実施例15(1)と同様の手法により、表題化合物(4.2g)を得た(無色油状物)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.87 - 0.93 (9 H, m), 1.13 (1 H, ddd, J=16.0, 12.4, 3.5 Hz), 1.23 - 1.38 (2 H, m), 1.69 - 1.83 (2 H, m), 1.83 - 1.88 (3 H,
m), 1.89 - 1.99 (1 H, m), 2.35 - 2.46 (1 H, m), 4.85 - 4.92 (1 H, m), 6.41 - 6.47 (1 H, m)
MS m/z : 283[M+Na]+
【0154】
(2)6−プロパ−2−エン−1−イル 2−{1−[({[(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラート
【0155】
【化69】
実施例1−(2)で得られた化合物(0.40g、0.89mmol)と実施例19−(1)で得られた化合物(0.46g、1.77mmol)を原料にして、実施例15−(2)と同様の手法により、表題化合物(0.34g)をジアステレオマー混合物として得た(無色油状物)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.83 - 0.90 (9 H, m), 1.05 - 1.13 (1 H, m), 1.20 - 1.35 (2 H, m), 1.47 - 1.55 (3 H, m), 1.66 - 1.79 (2 H, m), 1.87 - 1.96 (1 H, m), 2.22 - 2.29 (1 H, m), 2.30 - 2.46 (3 H, m), 2.90 - 3.04 (1 H, m), 3.81
- 3.88 (1 H, m), 4.45 - 4.71 (6 H, m), 4.80 - 4.87 (1 H, m), 5.03 - 5.14 (1 H, m), 5.15 - 5.36 (4 H, m), 5.84 - 5.96 (2 H, m), 6.89 (1 H, q, J=5.4 Hz), 7.03 (2
H, m), 7.23 - 7.30 (2 H, m)
MS m/z : 698[M+Na]+
【0156】
(3)6−プロパ−2−エン−1−イル 2−{1−[({[(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラートの分割
【0157】
【化70】
実施例19(2)で得られた化合物(0.34g、0.50mmol)をキラルカラムクロマトグラフィー(CHIRALPAK ID, n‐Hexane/EtOH=84:16)にて分取を行い、1st peak・実施例19(3)‐A(0.085g、無色油状物)および2nd peakを含む成分を得た。2nd peakを含む成分について、さらにキラルカラムクロマトグラフィー(CHIRALPAK AS−H, n‐Hexane/EtOH=80:20)にて精製を行い、実施例19(3)‐B(0.098g)を得た(無色油状物)。
保持時間:実施例19(3)-A;3.51min., 実施例19(3)-B;4.25min.(CHIRAL PAK ID-3, n‐Hexane/EtOH=4:1)
【0158】
(4)(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(実施例19−A、19−B)
【0159】
【化71】
実施例19(3)で得られた実施例19(3)‐A(0.076g、0.11mmol)および実施例19(3)‐B(0.085g、0.13mmol)をそれぞれ原料にして実施例15−(4)と同様の手法により、表題化合物・実施例19−A(0.044g)および実施例19−B(0.056g)を得た(いずれも無色固体)。
実施例19−A
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm0.77 - 0.88 (12 H, m), 0.98 (1 H, dd, J=13.9, 3.4 Hz), 1.13 - 1.33 (2 H, m), 1.40 (2 H, sxt, 7.1 Hz), 1.49 (3 H, d, 5.4 Hz), 1.63 - 1.83 (3 H, m), 1.96 - 2.03 (2 H, m),2.15-2.23 (1 H,m), 2.25 - 2.38 (3 H, m), 3.26 - 3.33 (1 H, m), 3.39 - 3.47 (1 H, m), 3.54 - 3.64 (1 H, m), 4.70 - 4.76
(1 H, m), 6.66 - 6.71 (1 H, m)
MS m/z : 552[M+H]+
実施例19−B
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.76 - 0.90 (12 H, m), 1.04 (1 H, dd, J=13.7, 3.3 Hz), 1.16 - 1.32 (2 H, m), 1.41 (2 H, sxt, J=7.1 Hz), 1.50 (3 H, d, J=5.4 Hz), 1.64 - 1.84 (3 H, m), 1.97 - 2.06 (1 H, m), 2.06 - 2.21 (2 H, m), 2.25 - 2.36 (2 H, m), 3.22 - 3.32 (1 H, m), 3.39 - 3.47 (1 H, m), 3.58 - 3.66 (1 H, m), 4.71
- 4.78 (1 H, m), 6.70 - 6.75 (1 H, m)
MS m/z : 552[M+H]+
【0160】
実施例20 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−プロポキシ−2−({1−[({[(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0161】
【化72】
【0162】
(1)6−プロパ−2−エン−1−イル 2−{1−[({[(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラート
【0163】
【化73】
実施例13−(2)で得られた化合物(0.40g、0.94mmol)と実施例19−(1)で得られた化合物(0.49g、1.89mmol)を原料にして、実施例15−(2)と同様の手法により、表題化合物(0.24g)をジアステレオマー混合物として得た(無色アモルファス)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.84 - 0.92 (12 H, m), 1.03 - 1.13 (1 H, m), 1.22 - 1.35 (2 H, m), 1.47 - 1.57 (6 H, m), 1.67 - 1.79 (2 H, m), 1.90 - 1.97
(1 H, m), 2.21 - 2.48 (4 H, m), 2.91 - 3.01 (1 H, m), 3.27 - 3.33 (1 H, m), 3.47 - 3.53 (1 H, m), 3.72 - 3.78 (1 H, m), 4.50 - 4.71 (4 H, m), 4.83 - 4.88 (1 H,
m), 5.17 - 5.36 (4 H, m), 5.84 - 5.96 (2 H, m), 6.87 (1 H, q, J=5.3 Hz)
MS m/z : 610[M+H]+
【0164】
(2)6−プロパ−2−エン−1−イル 2−{1−[({[(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)−3−プロポキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラートの分割
【0165】
【化74】
実施例20(1)で得られた化合物(0.24g、0.40mmol)をキラルカラムクロマトグラフィー(CHIRALPAK ID, n‐Hexane/EtOH=85:15)にて分取を行い、1st peak・実施例20(2)‐A(0.056g、無色油状物)および2nd peak・実施例20(2)‐B(0.10g、無色アモルファス)を得た。
保持時間:実施例20(2)-A;3.83min., 実施例20(2)-B;4.47min. (CHIRAL PAK ID-3, n‐Hexane/IPA=85:15)
【0166】
(3)(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−プロポキシ−2−({1−[({[(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(実施例20)
【0167】
【化75】
(2)で得られた実施例20(2)−A(0.056g、0.092mmol)を原料に
して実施例15−(4)と同様の手法により、表題化合物・実施例20(0.019g)を得た(無色固体)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.77 - 0.89 (12 H, m), 1.00 (1 H, dd, J=13.9, 3.3 Hz), 1.13 - 1.23 (1 H, m), 1.24 - 1.33 (1 H, m), 1.36 - 1.47 (2 H, m), 1.50 (3 H, d, J=5.5 Hz), 1.66 - 1.83 (3 H, m), 1.97 - 2.22 (3 H, m), 2.26 - 2.36 (2 H,
m), 3.24 - 3.32 (1 H, m), 3.40 - 3.46 (1 H, m), 3.56 - 3.63 (1 H, m), 4.74 (1 H, m, J=9.6, 2.3 Hz), 6.72 (1 H, q, J=5.3 Hz)
MS m/z : 486[M+H]+
【0168】
実施例21 (1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1R,2R,4S)−1,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0169】
【化76】
【0170】
(1)1−クロロエチル (1R,2R,4S)−1,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル カルボナート
【0171】
【化77】
(+)−フェンコール(5.0g、32.41mmol)を原料にして、実施例15(1)と同様の手法により、表題化合物(6.2g)を得た(無色油状物)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.86 (3 H, d, J=7.8 Hz), 1.10 - 1.17 (7 H,
m), 1.22 (1 H, dd, J=10.4, 1.5 Hz), 1.42 - 1.54 (1 H, m), 1.56 - 1.62 (1 H, m),
1.67 - 1.81 (3 H, m), 1.85 (3 H, d, J=5.7 Hz), 4.25 - 4.34 (1 H, m), 6.41 - 6.47 (1 H, m)
MS m/z : 283[M+Na]+
【0172】
(2)6−プロパ−2−エン−1−イル 2−{1−[({[(1R,2R,4S)−1,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラート
【0173】
【化78】
実施例1−(2)で得られた化合物のカリウム塩(0.40g、0.81mmol)と実施例21−(1)で得られた化合物(0.42g、1.63mmol)を原料にして、実施例15−(2)と同様の手法により、表題化合物(0.29g)をジアステレオマー混合物として得た(無色アモルファス)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.79 - 0.90 (3 H, m), 1.00 - 1.12 (7 H, m), 1.15 - 1.22 (1 H, m), 1.41 - 1.58 (5 H, m), 1.62 - 1.77 (3 H, m), 2.20 - 2.28 (1 H, m), 2.36 - 2.45 (2 H, m), 2.96 (1 H, br s), 3.79 - 3.85 (1 H, m), 4.20 - 4.26 (1 H, m), 4.44 - 4.71 (6 H, m), 5.04 (1 H, br s), 5.19 - 5.36 (4 H, m), 5.85
- 5.95 (2 H, m), 6.80 - 6.93 (1 H, m), 7.02 (2 H, t, J=8.7 Hz), 7.25 - 7.28 (2 H, m)
MS m/z : 676[M+H]+
【0174】
(3)6−プロパ−2−エン−1−イル 2−{1−[({[(1R,2R,4S)−1,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル} (1R,2R,3R,5R,6R)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラートの分割
【0175】
【化79】
実施例21(2)で得られた化合物(0.19g、0.28mmol)をキラルカラムクロマトグラフィー(CHIRALPAK ID, n‐Hexane/EtOH=85:15)にて分取を行い、1st peak・実施例21(3)‐A(0.061g)および2nd peak・実施例21(3)‐B(0.042g)を得た(いずれも無色油状物)。
保持時間:実施例21(3)-A;3.43min., 実施例21(3)-B;4.60min.(CHIRAL PAK ID-3, n‐Hexane/EtOH=85:15)
【0176】
(4)(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({1−[({[(1R,2R,4S)−1,3,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸(実施例21)
【0177】
【化80】
実施例21(3)で得られた実施例21(3)‐B(0.042g、0.063mmol)を原料にして、実施例15−(4)と同様の手法により表題化合物・実施例21(0.024g)を得た(無色固体)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.77 (3 H, s), 0.97 - 1.21 (8 H, m), 1.37 - 1.48 (4 H, m), 1.52 - 1.66 (4 H, m), 1.70 (1 H, br d, J=3.3 Hz), 1.91 - 2.05 (3 H, m), 2.17 - 2.37 (2 H, m), 3.72 (1 H, m), 4.18 (1 H, d, J=1.6 Hz), 4.45 (1 H, d, J=11.6 Hz), 4.55 (1 H, d, J=11.9 Hz), 6.69 (1 H, q, J=5.5 Hz), 7.12 - 7.19 (2 H,
m), 7.26 - 7.32 (2 H, m)
MS m/z : 552[M+H]+
【0178】
活性体(II)−4〜(II)−14の製造
【0179】
【化81】
WO03/061698またはWO2011/061935記載の製造法に準じた手法で合成した活性体化合物(化合物番号(II)−4〜(II)−13)、及び実施例38記載の製造法に準じた手法で合成した活性体化合物(化合物番号(II)−14)の構造式、化合物名及び機器データ(1H NMRおよび検出されたMSスペクトルデータ)を表Aに示す。
【0180】
【表A】
【0181】
[表A]記載の対応する活性体を原料に実施例4と同様な方法で合成した化合物の構造式、化合物名及び機器データ(1H NMRおよび検出されたMSスペクトルデータ)を表Bに示
す(実施例番号 22〜30)。
【0182】
【表B】
【0183】
[表A]記載の対応する活性体を原料に実施例1と同様な方法で合成した化合物の構造式、化合物名及び機器データ(1H NMRおよび検出されたMSスペクトルデータ)を表C示す(実施例番号 31〜34)。
【0184】
【表C】
【0185】
実施例1と同様な手法により合成した化合物の構造式、化合物名および機器データ(1H
NMRおよび検出されたMSスペクトルデータ)を表Dに示す(実施例番号 35〜37)。但し、実施例1−(2)にあたる工程において、(1R)−1−クロロエチル (1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル カルボナートのかわりに、既知化合物であるクロロメチル シクロヘキサンカルボキシラート、クロロメチル ベンゾアート又は、クロロメチル 2,2−ジメチルプロパノアートを用いて実施した。(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−({(1S)−1−[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−{[(1S)−1−(ベンゾイルオキシ)エトキシ]カルボニル}−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸、(1R,2R,3R,5R,6R)−2−アミノ−2−({(1S)−1−[(シクロヘキサンカルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)−6−フルオロ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸も同様にして合成できる。
【0186】
【表D】
【0187】
実施例38 (1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0188】
【化82】
【0189】
(1)ジエチル クロロ[(1R)−3−オキソシクロペンチル]プロパンジオアートの
合成
【0190】
【化83】
水素化アルミニウムリチウム(230mg、6.061mmol)のTHF溶液(20mL)に、1〜4℃で(R)−(+)−1,1−ビ−2−ナフトール(3.72g、13.0mmol)のTHF溶液(25mL)を加えた。室温で50分間撹拌した後、モレキュラーシーブス4A(10.00g)、炭酸ナトリウム(280mg、2.642mmol)、及びジエチル 2−クロロプロパンジオアート(130.35g、612mmol)を加えた。40℃で30分間撹拌した後、シクロペンタ−2−エン−1−オン(60.00g、730.8mmol)を滴下し、40℃で4時間撹拌した。室温で不溶物を濾別後、ろ液を減圧下濃縮し、表題化合物を含む混合物(202.39g)を得た(褐色オイル
)。表題化合物を含む混合物は、精製することなく次の反応に用いた。キラルカラムクロマトグラフィーによる分析により、光学純度は90.85%eeであった。保持時間:(R)体;6.58 min、(S)体;15.38 min(CHIRAL PAK AY−3, 流
速;1.0mL/min、nHexane/EtOH=90/10)
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.24 - 1.37 (6 H, m), 1.88 - 2.07 (1 H, m), 2.12 - 2.30 (2 H, m), 2.32 - 2.46 (2H, m), 2.47 - 2.58 (1 H, m), 3.16 - 3.32 (1 H, m), 4.22 - 4.40 (4 H, m)
MS m/z : 277 [M+H]+
【0191】
(2)エチル (1S,5R,6S)−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラートの合成
【0192】
【化84】
実施例38(1)で得られた化合物(202.39g、612mmol)のN−メチル−2−ピロリジノン(630g)溶液に7〜12℃で塩化リチウム(51.89g,1.224mol)、酢酸(36.75g,612mmol)を加えた後、125℃で4時間撹拌した。反応液を室温に冷却してトルエン及び10%食塩水を加えた後、分液し、有機層を10%食塩水にて2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後ろ別した。減圧下溶媒を留去した後、IPAにより2回共沸した。IPA(30mL)を加え、50℃に加熱した。混合溶液の加熱を止めた後、n−ヘプタン(30mL)を加え、撹拌しながら氷冷し、析出した固体をろ取した。固体を、氷冷したIPAとn−ヘプタンの混合溶媒(1/1
、45mL)で洗浄後、窒素を用いて通気乾燥することにより、表題化合物(53.87g)を単一エナンチオマーとして得た(淡茶色固体)。キラルカラムクロマトグラフィーによる分析により、光学純度は>99%eeであった。スペクトルデータは文献記載の方法で得られる化合物と同一であることを確認した(J.Med.Chem.,2000,43,4893−4909 参照)。保持時間:(1S,5R,6S)体;8.52 min、(1R,5S,6R)体;9.87 min(CHIRAL PAK AY−3, 流速;1.0mL/min、n‐Hexane/EtOH=90/10)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.27 (3 H, t, J=7.1 Hz), 1.99 - 2.18 (4 H,
m), 2.19 - 2.26 (1 H, m), 2.27 - 2.31 (1 H, m), 2.49 - 2.54 (1 H, m), 4.16 (2 H, q, J=7.1 Hz)
MS m/z :169[M+H]+
【0193】
(3)エチル (1S,5R,6S)−2−[(トリメチルシリル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−6−カルボキシラートの合成
【0194】
【化85】
実施例38(2)で得られたエチル (1S,5R,6S)−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラート (5.0 g、29.73 mmol)のトル
エン(23.1 mL)溶液に氷冷下トリエチルアミン(6.22 mL、44.59 mmol)およびトリメチルシリルトリフラート (7.93 g、35.67 mmo
l)を順次滴下し、1時間撹拌した。水(60 mL)を加え30分間撹拌した。有機層、水層を分層後、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 mL)、飽和食
塩水(20 mL)にて順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムにて乾燥後ろ過した。濾液を減圧下濃縮し、表題化合物(9.91 g、28.7 mmol)を得た。これ以上の精
製操作は行わずそのまま次反応へ用いた。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.22 (9 H, s), 1.21 - 1.27 (3 H, m), 2.08 - 2.19 (1 H, m), 2.20 - 2.28 (1 H, m), 2.28 - 2.41 (2 H, m), 2.52 - 2.66 (1 H, m), 4.11 (2 H, q, J = 7.2 Hz), 4.30 - 4.39 (1 H, m)
【0195】
(4)エチル (1S,3R,5R,6S)−3−ヒドロキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラートの合成
【0196】
【化86】
氷水で冷却したメチルトリオキソレニウム(VII) (35.8 mg、 0.144 mm
ol)のアセトニトリル(28.7 mL)懸濁液に、酢酸(173 mg、2.87 mmol)、ピリジン(68.2 mg、0.86 mmol)、30%過酸化水素水(4.99 mL、48.9 mmol)を順次滴下した。実施例38(3)で得られたエチル
(1S,5R,6S)−2−[(トリメチルシリル)オキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−6−カルボキシラート(6.91 g、28.7 mmol)のアセトニトリル(5.0 mL)溶液を滴下した。室温にて1時間撹拌した。メチルトリオキソ
レニウム(VII) (17.9 mg、0.0719mmol)を加え室温にて1時間撹拌した。氷水下、炭酸ナトリウム (609 mg、5.75 mmol)の水溶液 (5.0
mL)、チオ硫酸ナトリウム五水和物 (12.5 g、50.3 mmol)の水溶液(50 mL)を順次加え、10分間撹拌した。酢酸エチル(100 mL)にて2回抽出した。得られた有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて室温で14時間静置した。濾過後減圧下濃縮した。残渣にイソプロピルエ−テル(50 mL)を加えて撹拌し、析出した固体を濾取した。表題化合物を(3.26 g)得た(無色固体)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δppm 1.22 - 1.33 (3 H, m), 1.94 - 2.11 (1 H, m),
2.20 - 2.27 (1 H, m), 2.33 - 2.39 (1 H, m), 2.48 - 2.56 (1 H, m), 2.61 - 2.69 (1 H, m), 3.90 - 4.02 (1 H, m), 4.12 - 4.22 (3 H, m)
MS m/z :185[M+H]+
【0197】
(5)エチル (1S,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラートの合成
【0198】
【化87】
実施例38(4)で得られたエチル (1S,3R,5R,6S)−3−ヒドロキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラート (0.53 g、2
.88 mmol)及び(4−フルオロフェニル)メチル 2,2,2−トリクロロエタンイミデート(1.25 g、4.60 mmol)のテトラヒドロピラン(3.0 mL)溶液に氷冷下、トリフルオロメタンスルホン酸(0.065 mL、0.575 mmol)を滴下し、1時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出した後、飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、濾過した。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage SNAP Ultra 50 g, ヘキサン:酢酸エチル=100:0 〜 35:65
)にて精製した。表題化合物を(0.59 g)を得た(無色油状物)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.23 - 1.29 (3 H, m), 2.06 - 2.20 (2 H, m), 2.24 - 2.35 (1 H, m), 2.40 - 2.53 (2 H, m), 3.76 (1 H, t, J=8.3 Hz), 4.08 - 4.18 (2 H, m), 4.56 (1 H, d, J=11.6 Hz), 4.83 (1 H, d, J=11.7 Hz), 6.97 - 7.06 (2 H, m), 7.31 (2 H, t, J=6.1 Hz)
MS m/z :315 [M+Na]+
【0199】
(6)エチル (1S,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−{[(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィニル]イミノ}ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラートの合成
【0200】
【化88】
実施例38(5)で得られたエチル (1S,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラート(1.00 g、3.42 mmol)、(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド (0.83 g、6.84 mmol)のテトラヒドロフラン(6.8 mL)溶液に、室温下チタン(IV)エトキシド (2.12 mL、10.26 mm
ol)を加え70度にて2時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロ
ホルムにて抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウム乾燥し、濾過した。濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage
SNAP Ultra 50 g, ヘキサン:酢酸エチル=100:0 〜 30:70)に
て精製した。表題化合物(0.829 g)を得た(無色油状物)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.14 - 1.31 (12 H, m), 1.81 - 1.87 (1 H, m), 2.02 - 2.09 (1 H, m), 2.33 - 2.48 (2 H, m), 3.64 - 3.69 (1 H, m), 3.97 (1 H,
t, J=7.9 Hz), 4.08 - 4.17 (2 H, m), 4.49 - 4.62 (1 H, m), 4.92 (1 H, d, J=11.7 Hz), 6.99 - 7.05 (2 H, m), 7.24 - 7.30 (2 H, m)
MS m/z : 396 [M+H]+
【0201】
(7)エチル (1S,3R,5R,6S)−2−シアノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−{[(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィニル]アミノ}ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラートの合成
【0202】
【化89】
実施例38(6)で得られたエチル (1S,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−{[(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィニル]イミノ}ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラート(0.83g、2.09
mmol)のテトラヒドロフラン(4.2 mL)溶液に氷冷下フッ化セシウム(1.59g、10.5 mmol)、トリメチルシリルシアニド (0.623 g、6.2
8 mmol)を順次加え2時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を分離後、減圧下濃縮した。残渣にヘキサン:酢酸エチル=9:1の混合液を加え撹拌後、析出物を濾取し、表題化合物(0.77 g)を得た(無色固体)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.19 (9 H, s), 1.24 (3 H, t, J=7.2 Hz), 1.69 (1 H, t, J=3.0 Hz), 2.06 - 2.17 (2 H, m), 2.25 - 2.33 (1 H, m), 2.51 (1 H, dd, J=6.6, 2.9 Hz), 3.48 - 3.59 (2 H, m), 4.06 - 4.16 (2 H, m), 4.52 - 4.63 (2 H, m), 7.05 (2 H, t, J=8.7 Hz), 7.31 - 7.37 (2 H, m)
MS m/z : 445 [M+Na]+
【0203】
(8)エチル (1S,2S,3R,5R,6S)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラートの合成
【0204】
【化90】
実施例38(7)で得られたエチル (1S,3R,5R,6S)−2−シアノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−{[(R)−2−メチルプロパン−2−スルフィニル]アミノ}ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラート(0.77
g、 1.81 mmol)のテトラヒドロフラン (1.8 mL)溶液に、氷冷下2
mol/L塩酸エタノール溶液(4.5 mL、 9.00 mmol)を加え、室温
にて4時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えクロロホルムにて抽出した。水層、有機層を分離し、得られた有機層を減圧下濃縮した。残渣にイソプロピルエーテル
を加え撹拌することで表題化合物 (0.51 g)を得た(無色固体)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.24 (3 H, t, J=7.2 Hz), 1.75 (1 H, t, J=3.1 Hz), 1.92 - 2.11 (4 H, m), 2.27 - 2.34 (2 H, m), 3.34 (1 H, dd, J=9.1, 6.7 Hz), 4.07 - 4.15 (2 H, m), 4.51 (1 H, d, J=11.9 Hz), 4.60 (1 H, d, J=12.0 Hz), 7.04 (2 H, t, J=8.7 Hz), 7.31 (2 H, dd, J=8.4, 5.5 Hz)
MS m/z : 319 [M+H]+
【0205】
(9)(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(化合物番号II−15)の合成
【0206】
【化91】
水酸化ナトリウム(1.47 g、7.36 mmol)の水 (5.9 mL)溶液に
、氷冷下30%過酸化水素水(0.081 mL、0.79 mmol)および実施例38(8)で得られたエチル (1S,2S,3R,5R,6S)−2−アミノ−2−シアノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシラート(0.16 g、0.53 mmol)のジメチルスルホキシド (0.53mL)溶液を滴下した。室温に昇温し1時間撹拌した。100℃に昇温し5時間撹拌した。室温にて16時間撹拌した。4M塩酸にてpH=約1に調整し、1時間撹拌後、減
圧下濃縮した。残渣を分取HPLCにて精製し目的物を含む分画液を減圧下濃縮した。固化した残渣にEtOHを加え撹拌後、析出物を濾取し表題化合物(化合物番号II−15)を(0.046 g)を得た(無色固体)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.65 - 1.73 (1 H, m), 1.73 - 1.81 (1 H, m), 1.85 (1 H, dd, J=7.2, 2.8 Hz), 2.05 - 2.20 (2 H, m), 3.42 - 3.71 (1 H, m), 4.32 (1 H, d, J=11.5 Hz), 4.48 (1 H, d, J=11.4 Hz), 7.07 - 7.18 (2 H, m), 7.34 (2 H, dd,
J=8.6, 5.7 Hz)
MS m/z : 310 [M+H]+
【0207】
(10)(1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成
【0208】
【化92】
実施例38(9)で得られた(1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸
(0.49 mg、1.58 mmol)、1,4−ジオキサン(3.2 mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5.6 mL)の混合液に、室温にてクロロギ酸アリル
(0.34 mL、3.17 mmol)を滴下し3時間撹拌した。水および酢酸エチルを加え10分間撹拌後、有機層、水層を分離し、得られた水層に2M塩酸を加え、pH1に調
整し、酢酸エチルにて抽出し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過し、減圧下濃縮した。表題化合物を含む混合物(0.53 g)を得た(アモルファス)。これ以上の精製はせず次の反応に用いた。
MS m/z : 394 [M+H]+
【0209】
(11)(1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−6−{[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸の合成
【0210】
【化93】
実施例38(10)で得られた(1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(0.050 g、0.12 mmol)のテトラヒドロフラン(0.64 mL)溶液に、室温にて4−ジメチルアミノピリジン(3.88 mg、0.032 mmol)、4−メチルモルホリン(0.021 mL、0.19 mmol)、クロロギ酸アリル(0.015 mL、0.14 mmol)を順次加え、4時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムにて抽出した。得られた有機層を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage SNAP Ultra 50 g, クロロホルム:メタノール=100:0 〜 90:10)にて精製した。表題化合物を(0.
018 g)を得た(褐色アモルファス)。
MS m/z : 434 [M+H]+
【0211】
(12)6−プロパ−2−エン−1−イル 2−[(1S)−1−{[(3R,5S)−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル]オキシ}エチル] (1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラートの合成
【0212】
【化94】
実施例38(11)で得られた(1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−6−{[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(0.14 g、0.33 mmol)のジメチルスルホキシド(3.3 mL)溶液に、室温にて炭酸カリウム(0.067g、0.48 mmol)を加え、10分間撹拌後、(1R)−1−クロロエチル トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボキシラート(0.16g、0.65 mmol)を加え16時間撹拌した。酢酸エチルにて希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage SNAP Ultra 10 g, ヘキサン:酢酸エチル=95:5 〜 30:70)にて精製した。表題化合物を(0.15 g)を得た(淡黄色油状物)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.48 (3 H, d, J=5.4 Hz), 1.55 (2 H, d, J=4.4 Hz), 1.62 - 1.75 (6 H, m), 1.82 - 1.91 (6 H, m), 1.95 - 2.18 (5 H, m), 2.23 -
2.33 (1 H, m), 2.57 (1 H, dd, J=6.9, 3.0 Hz), 4.39 - 4.62 (6 H, m), 5.15 - 5.36
(5 H, m), 5.83 - 5.95 (2 H, m), 6.91 (1 H, q, J=5.4 Hz), 6.99 - 7.06 (2 H, m), 7.20 - 7.25 (2 H, m)
MS m/z : 662 [M+Na]+
【0213】
実施例38 (1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1S)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0214】
【化95】
実施例38(12)で得られた6−プロパ−2−エン−1−イル 2−[(1S)−1−{[(3R,5S)−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル]オキシ}エチル] (1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボキシラート(0.14 g、0.21 mmol)のクロロホルム(0.73 mL)溶液に1,3−ジメチルバルビツール酸(0.034 g、0.22 mmol)および、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.5 mg、0.002 mmol)を室温にて順次加え3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(YMC C18 12g,水:アセトニトリル=95:5〜5:95)にて精製した。表題化合物を含む画分を濃縮し、得られた残渣にイソプロピルエーテルを加え撹拌した。析出物を濾取し、表題化合物を(0.021 g)を得た(無色固体)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.46 (3 H, d, J=5.4 Hz), 1.64 - 1.76 (7 H,
m), 1.87 (6 H, s), 1.96 - 2.05 (5 H, m), 2.10 - 2.19 (1 H, m), 2.23 - 2.33 (1 H, m), 3.59 - 3.69 (1 H, m), 4.42 (2 H, s), 6.88 (1 H, q, J=5.4 Hz), 7.00 (2 H, t, J=8.1 Hz), 7.20 (2 H, t, J=6.4 Hz)
MS m/z : 514 [M-H]-
【0215】
実施例39 (1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({(1R)−1−[({[(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸の合成
【0216】
【化96】
実施例38(11)で得られた(1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−6−{[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸(0.20 g、0.46 mmol)と(1R)−1−クロロエチル (1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキシル カルボナート(0.29 g、1.11 mmol)を用い、実施例38(12)および実施例38(13)と同様の手法により表題化合物・実施例番号39(0.010 g)を得た(無色固体)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.67 - 1.13 (13 H, m), 1.28 - 1.52 (3 H, m), 1.56 - 1.77 (4 H, m), 1.77 - 2.03 (4 H, m), 2.17 - 2.29 (2 H, m), 3.45 - 3.66 (1 H, m), 4.33 - 4.54 (3 H, m), 6.63 - 6.69 (1 H, m), 7.11 - 7.37 (4 H, m)
MS m/z : 534 [M-H]-
【0217】
参考例1 ((1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−6−({(1R)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸の合成
【0218】
【化97】
【0219】
(1)(1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−5’−オキソ−3’−{[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}スピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−[1,3]オキサゾリジン]−6−カルボン酸の合成
【0220】
【化98】
実施例38(10)で得られた1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−2−({[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}アミノ)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(0.096 g、0.24 mmol)のトルエン(2.3 mL)溶液に、37%ホルマリン(0.06720 mL、0.8968 mmol)、トルエンスルホン酸1水和物(2.32 mg、0.012 mmol)を加え、120℃にて4時間撹拌後、さらに室温にて16時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、表題化合物(0.19 g)を含む混合物を得た(淡黄色アモルファス)。精製せずに次反応に用いた。
MS m/z : 404 [M-H]-
【0221】
(2) 3’−プロパ−2−エン−1−イル 6−{(1R)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エチル} (1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−5’−オキソ−3’H−スピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−[1,3]オキサゾリジン]−3’,6−ジカルボキシラートの合成
【0222】
【化99】
(1)で得られた(1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−5’−オキソ−3’−{[(プロパ−2−エン−1−イル)オキシ]カルボニル}スピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−[1,3]オキサゾリジン]−6−カルボン酸(0.19 g、0.476 mmol)のジメチルスルホキシド(1.6 mL)溶液に室温にて炭酸カリウム(0.714 mmol)を加え、10分間撹拌後、(1R)−1−クロロエチル トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボキシラート(0.16g、0.65 mmol)を加え16時間撹拌した。酢酸エチルにて希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Biotage SNAP Ultra
10 g, ヘキサン:酢酸エチル=95:5 〜 50:50)にて精製した。表題化合物
を含む混合物(0.088 g)を得た(褐色油状物)。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.41 - 1.47 (3 H, m), 1.63 - 2.10 (15 H, m), 2.17 - 2.45 (5 H, m), 4.01 - 4.21 (1 H, m), 4.21 - 4.39 (1 H, m), 4.45 - 4.62
(3 H, m), 5.12 - 5.36 (4 H, m), 5.84 - 5.94 (1 H, m), 6.75 - 6.89 (1 H, m), 6.90 - 7.08 (2 H, m), 7.11 - 7.24 (2 H, m)
【0223】
(3) ((1S,2R,3R,5R,6S)−2−アミノ−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−6−({(1R)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エトキシ}カルボニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボン酸の合成
【0224】
【化100】
(2)で得られた3’−プロパ−2−エン−1−イル 6−{(1R)−1−[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−カルボニル)オキシ]エチル} (1S,2R,3R,5R,6S)−3−[(4−フルオロフェニル)メトキシ]−5’−オキソ−3’H−スピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4’−[1,3]オキサゾリジン]−3’,6−ジカルボキシラート(0.088 g、0.14 mmol)のクロロホルム(1.4 mL)溶液に1,3−ジメチルバルビツール酸(0.23 g、0.14 mmol)および、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.2 mg、0.0001 mmol)を室温にて順次加え3時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮後、アセトニトリル(2.0 mL)を加え室温にて撹拌した。析出物を濾取、乾燥し、表題化合物を(0.014 g)を得た(無色固体)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.38 (3 H, d, J=5.4 Hz), 1.61 - 2.02 (18 H, m), 2.07 - 2.20 (2 H, m), 3.53 - 3.61 (1 H, m), 4.31 (1 H, d, J=11.5 Hz), 4.48 (1 H, d, J=11.6 Hz), 6.64 - 6.70 (1 H, m), 7.10 - 7.18 (2 H, m), 7.31 - 7.39 (2 H, m)
MS m/z : 516[M+H]+
【0225】
試験例1 [35S]GTPγS結合試験
ヒト代謝型グルタメート受容体mGluR2およびmGluR3安定発現CHO細胞を、10%透析牛胎児血清含有ダルベッコ改変イーグル培地[1% proline、1mM ピルビン酸ナトリウム、1mM コハク酸、1mM コハク酸二ナトリウム、100units/mL penicillin、100μg/mL streptomycin、400(mGluR2)もしくは300(mGluR3)μg/mL Hygromycin B、2mM L−glutamine(用時添加)]を用いて、37℃、5%
CO2下で培養した。コンフルエント状態の細胞をPBS(−)で洗浄した後、セルスク
レ−パ−で剥離し、4℃、1000rpm、5分間遠心分離を行って細胞を回収した。得られた沈さを、20mM HEPES緩衝液(pH7.4)(mGluR2)もしくは1mM EDTAを含んだ20mM HEPES緩衝液(pH7.4)(mGluR3)に懸濁し、当該懸濁液をテフロン(登録商標)ホモジナイザ−でホモジナイズした後、4℃、48,000×g、20分間遠心分離することにより、再び沈さを得た。さらに得られた沈さを2回遠心洗浄した後に、上記緩衝液でホモジナイズすることにより粗膜画分を得た。粗膜画分を結合試験用緩衝液(終濃度;20mM HEPES、100mM NaCl、10mM MgCl2、10μM GDP、10μg/mL saponin、0.
1% BSA)(mGluR2)、(終濃度;20mM HEPES、1mM EDTA、100mM NaCl、10mM MgCl2、10μM GDP、10μg/mL
saponin、0.1% BSA)(mGluR3)にて希釈した。膜タンパク質10μg/assayの粗膜画分に化合物(II)−1〜(II)−15を添加して、30℃で20分間インキュベ−ションを行った。その後、終濃度20(mGluR2)もしくは1(mGluR3)μM グルタミン酸と[35S]GTPγS(終濃度0.15nM)を添加して、30℃で1時間インキュベ−ションを行った。インキュベ−ションの後、Whatman GF/Cフィルタ−上に吸引濾過し、上記フィルタ−を氷冷20mM HEPES緩衝液(pH7.4)(mGluR2)もしくは1mM EDTAを含んだ20mM
HEPES緩衝液(pH7.4)(mGluR3)1000μLで洗浄した。得られた
フィルタ−にシンチレーションカクテルを添加して、液体シンチレーションカウンターで膜結合放射活性を測定した。グルタミン酸非存在下での残存放射活性を非特異的結合とし、グルタミン酸存在下での残存放射活性との差を特異的結合とした。化合物(II)−1〜(II)−15の様々な濃度における特異的結合阻害率より、非線形解析を用いて阻害曲線を得た。特異的結合が50%抑制される化合物(II)−1〜(II)−15の濃度(IC50)を阻害曲線より算出した。結果を下記の表1に示す。
【0226】
【表1】
【0227】
試験例2:溶液中の安定性試験
本発明化合物(I−A)、又は(I)の塩酸溶液(pH1.2)及び20mMリン酸緩衝液(pH6.5)中における安定性の確認は以下の方法に従って行った。
塩酸,塩化ナトリウムを含む塩酸溶液(pH1.2)又はリン酸水素二ナトリウム,リン酸二水素ナトリウム,塩化ナトリウムを含む20mM リン酸緩衝液(pH6.5)に化合物を溶解し、約50μg/mL(溶解しない場合は,飽和濃度付近)の濃度の溶液を調製した。この溶液を37℃にて1時間インキュベーションし,インキュベーション前後の化合物濃度を高速液体クロマトグラフィーにより定量し、残存率を算出した。なお、化合物の溶解性が低い場合は評価不能とした。
代表的な化合物の塩酸溶液(pH1.2)及び20mMリン酸緩衝液(pH6.5)における残存率を下記の表2に示す。
【0228】
【表2】
NA;Not applicable because of low solubility

以上より、本発明化合物は、胃及び小腸を想定した溶液での安定性が良く、消化管ではプロドラッグ体で存在することが想定できた。
【0229】
試験例3:肝S9画分における化合物(II)−A、又は(II)の生成率試験
本発明化合物(I−A)、又は(I)の肝S9画分における化合物(II)−A、又は(II)の生成率の確認は以下の方法に従って行った。
肝S9画分(ヒト:XenoTech、LLC/H0620.S9/Lot.0810471、サル:XenoTech、LLC/P2000.S9/Lot.0910273)を含むナトリウム−カリウムリン酸緩衝液(0.25mol/L、pH7.4)に本発明化合物を添加し、補酵素存在下で15分インキュベートした(37℃)。反応混液中の本発明化合物の最終濃度及びタンパク濃度は、それぞれ1μmol/L及び1mg protein/mLとした。インキュベートした反応混液は、2倍量のジメチルスルホキシドで反応を停止し、遠心分離(2150×g、4℃、10分間)することでタンパクを除去した。得られた上清を、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC−MS/MS)システムによる分析に供した。
分離カラムにはShimadzu Shim−pack XR−ODS(2.2μm、30mmx3.0mm I.D.)を、移動相には0.1%ギ酸/アセトニトリル溶液(流速:1.3mL/min)を用い、線形グラジエントモードで測定対象物を溶出した。本発明化合物(I−A)、又は(I)及び化合物(II)−A、又は(II)のMS/MS検出は、TurboIonSprayインターフェースを装着したTriple TOF
5600システムまたはTriple Quad 5500システム(いずれもAB SCIEX社製)を用い、正イオンまたは負イオン検出モードにて行った。
本発明化合物の肝S9画分における化合物(II)−A、又は(II)の生成率を下記の表3に示す。
【0230】
【表3】

本発明化合物(I−A)、又は(I)は、化合物(II)−A、又は(II)へ変換され、ヒト及びサルの肝臓でプロドラッグから活性体への変換が想定できた。
【0231】
試験例4:サル経口投与における化合物(II)−A、又は(II)血漿中濃度の測定
化合物(II)−A、又は(II)及び本発明化合物(I−A)、又は(I)の経口投与後の化合物(II)−A、又は(II)の血漿中濃度の測定は、以下の方法に従って行った。
化合物(II)−A、又は(II)及び発明化合物(I−A)、又は(I)を雄性カニクイザル(絶食)に、化合物(II)として1mg/kgとなる用量で経口投与した(基剤:0.5%メチルセルロース液、投与容量:5mL/kg)。
経口投与前、経口投与後0.5時間、1時間、2時間,4時間,8時間、及び24時間に前撓側皮静脈より血液約0.6mLを採取した(抗凝固剤:EDTA−2K)。遠心分離
(2000×g、4℃、15分間)により得られた血漿は、分析に供するまで−30℃で凍結保存した。分析の際は,氷冷下で融解した血漿サンプル50μLに対し、内標準物質を含有するアセトニトリル/メタノール混液200μLを加え撹拌したのち、遠心分離(3639×g、4℃、10分間)することでタンパクを除去した。得られた上清を、LC−MS/MS分析に供した。化合物(II)−A、又は(II)の定量下限は、全て1ng/mLであった。
代表的な化合物について、サルに経口投与した際の化合物(II)−A、又は(II)の最高血漿中濃度(Cmax)及び生物学的利用率(BA)を下記の表45に示す。なおBA
の計算は、化合物(II)を静脈内投与した際の化合物(II)−A、又は(II)の血漿中濃度をもとに算出した。
【0232】
【表4】
本発明化合物(I−A)、又は(I)として経口投与することにより、化合物(II)−A、又は(II)の曝露が飛躍的に向上し、優れたプロドラッグ効果を示した。
【産業上の利用可能性】
【0233】
本発明により、グループII代謝型グルタミン酸受容体に対して強い作用を有する化合物(II)−A、又は(II)のプロドラッグを含む医薬、特に、グループII代謝型グルタミン酸受容体アンタゴニストによって調節される病気、例えば、気分障害(うつ病、双極性障害を含む)、不安障害、認知障害、発達障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋硬直に伴う運動障害、睡眠障害、ハンチントン舞踏病、摂食障害、薬物依存症、てんかん、脳梗塞、脳虚血、脳不全、脳浮腫、脊髄障害、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患等の予防又は治療薬を提供することが可能になり、医薬品産業の発達に寄与することが期待される。