【実施例】
【0120】
実験手順および作業実施例
以下では、本発明の種々の化合物の合成を例示する。本発明の範囲内にある追加の化合物は、こうした実施例において例示する方法を、単独で使用するか、または当技術分野で一般に知られている技術と組み合わせて使用して、調製することができる。
【0121】
実験は、特に、酸素または水分に敏感な試薬または中間体を用いた場合では、一般に不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)中で実施した。市販の溶媒および試薬は、適切な場合では無水溶媒を含めて、一般にそれ以上精製せずに使用した。一部の場合では、Aldrich Chemical Company(ウィスコンシン州ミルウォーキー)のSure−Seal(商標)製品を使用した。他の場合では、市販の溶媒は、水に関する次の品質管理基準、すなわち、a)ジクロロメタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびテトラヒドロフランについては100ppm未満、b)メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、およびジイソプロピルアミンについては180ppm未満に到達するまで、4Å分子ふるいを装填したカラムに通した。極度に不安定な反応については、溶媒を金属ナトリウム、水素化カルシウム、または分子ふるいでさらに処理し、使用直前に蒸留した。
【0122】
生成物は、一般に、さらなる反応へと続行する、または生物学的試験にかける前に、真空下で乾燥させた。質量分析データは、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)、またはガスクロマトグラフィー−質量分析(GCMS)計測から報告する。核磁気共鳴(NMR)データの化学シフトは、用いた重水素化溶媒からの残留ピークを基準とした百万分率(ppm、δ)で表示する。
【0123】
他の実施例または方法における手順を参考とする合成について、反応条件(反応長さおよび温度)は、様々となりうる。一般に、反応は、薄層クロマトグラフィーまたは質量分析によって追跡し、適切な場合、後処理にかけた。精製は、実験によって様々な場合があり、一般に、溶離液/勾配に使用する溶媒および溶媒比率は、適切なR
fまたは保持時間が得られるように選択した。
【0124】
調製例P1
5−ヨード−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P1)
【0125】
【化13】
ステップ1. 4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)の合成
4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(9.8g、35mmol)のテトラヒドロフラン(250mL)溶液を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(油中60%、1.54g、38.5mmol)で3回に分けて処理した。反応混合物を0℃で1時間撹拌しておいた後、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(6.4g、38mmol)を滴下し、反応混合物を室温に温め、3時間撹拌した。飽和塩化ナトリウム水溶液(250mL)で反応を失活させ、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:10:1の石油エーテル/酢酸エチル)にかけると、生成物が白色の固体として得られた。収率:8g、20mmol、57%。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ8.69 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 5.60 (s, 2H), 3.51 (t, J=8Hz, 2H), 0.82(t, J=8Hz, 2H), -0.10 (s, 9H).
【0126】
ステップ2. 5−ヨード−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチル
シリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P1)の合成
4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7
H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)(10.5g、25.6mmol)のn−
ブタノール(300mL)溶液に、モルホリン(2.45g、28.1mmol)および
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(6.63g、51.3mmol)を加え、反応混
合物を還流温度で18時間加熱し、次いで減圧下で濃縮した。塩酸水溶液(0.1M、1
00mL)を加え、得られる固体を濾過によって収集し、水(20mL)で洗浄し、真空
乾燥して、生成物を黄色の固体として得た。収率:8.0g、17mmol、66%。LCMS m/z 461.2 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ8.39 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 5.52 (s, 2H), 3.80-3.86 (m, 4H),3.46-3.53 (m, 6H), 0.77-0.84 (m, 2H), -0.10 (s, 9H).
【0127】
調製例P2
4−(モルホリン−4−イル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P2)
【0128】
【化14】
5−ヨード−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P1)(500mg、1.09mmol)および4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(543mg、4.24mmol)の1,4−ジオキサン(20mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(99.7mg、0.109mmol)、トリエチルアミン(439mg、4.34mmol)、および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(XPhos、51.8mg、0.109mmol)を加え、反応混合物を95℃で18時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜30%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製すると、生成物が黄色の油状物として得られた。収率:415mg、0.901mmol、83%。LCMS m/z 461.3 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ8.45 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 5.59 (s, 2H), 3.87-3.93 (m, 4H),3.68-3.74 (m, 4H), 3.49-3.56 (m, 2H), 1.35 (s, 12H), 0.87-0.93 (m, 2H), -0.06(s, 9H).
【0129】
調製例P3
5−ブロモ−4−クロロ−7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P3)
【0130】
【化15】
5−ブロモ−4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(6.34g、27.3mmol)のアセトン(70mL)懸濁液に、4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(5.21g、27.3mmol)を加えた。水酸化ナトリウム水溶液(水15mL中1.11g、27.8mmol)を加えた後、反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで混合物を水(125mL)で希釈し、10分間撹拌し、濾過した。固体を集めて水で洗浄して、生成物を固体として得た。収率:8.88g、23.0mmol、84%。LCMS m/z 385.9, 387.9, 389.8 [M+H
+].
1H NMR(400MHz, DMSO-d
6)δ8.84 (s, 1H), 8.42 (s,1H), 8.06 (br d, J=8.4Hz, 2H), 7.46-7.51 (m, 2H), 2.37 (br s, 3H).
【0131】
調製例P4
7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−(3−メチルピペリジン−1−イル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P4)
【0132】
【化16】
トリエチルアミン(1.3g、13mmol)の1,4−ジオキサン(15mL)溶液に、5−ブロモ−7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−(3−メチルピペリジン−1−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C15のラセミ型、実施例7を参照のこと)(1.44g、3.20mmol)を加えた。次いで4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.64g、12.8mmol)をゆっくりと加え、窒素を5分間通気することにより、混合物を脱気した。次いで、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(XPhos、137mg、0.287mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(146mg、0.160mmol)を導入し、反応混合物を95℃で18時間加熱した。冷却した後、混合物を綿で濾過し、濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:0%〜75%のヘプタン中酢酸エチル)にかけると、生成物が固体として得られた。収率:1.25g、2.52mmol、79%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ8.41 (s, 1H), 8.10 (br d, J=8.4Hz, 2H), 7.95 (s, 1H), 7.30 (br d,J=8.6Hz, 2H), 4.28 (br d, J=13Hz, 1H), 4.18-4.24 (m, 1H), 2.99 (ddd, J=13, 11,4Hz, 1H), 2.70 (dd, J=12.9, 10.9Hz, 1H), 2.40 (s, 3H), 1.77-1.85 (m, 1H),
1.56-1.70 (m, 4H), 1.35 (s, 12H), 0.88 (d, J=6.6Hz, 3H).
【0133】
調製例P5
5−ヨード−4−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P5)
【0134】
【化17】
実施例7で5−ブロモ−7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C15)の合成について記載した方法を使用して、4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)を生成物に変換した。収率:7.38g、15.6mmol、80%。LCMS m/z 473.1 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ8.42 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 5.55 (s, 2H), 4.06-4.17 (m, 2H),3.50-3.57 (m, 2H), 2.91 (ddd, J=12.6, 11.5, 3.5Hz, 1H), 2.58 (dd, J=12.6,10.8Hz, 1H), 1.95-2.07 (m, 1H), 1.76-1.95 (m, 3H), 1.11-1.23 (m, 1H), 0.96 (d,J=6.8Hz, 3H), 0.88-0.94 (m, 2H), -0.04 (s, 9H).
【0135】
調製例P6
4−クロロ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P6)
【0136】
【化18】
ステップ1. 4−クロロ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C2)の合成
4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)(4.1g、10mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(2.1g、10mmol)、および炭酸カリウム(2.8g、20mmol)を1,4−ジオキサン水溶液に溶かした溶液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(350mg、0.50mmol)を加えた。反応混合物を脱気し、窒素パージし、この手順を合計3回実施した。還流温度で18時間加熱した後、反応混合物を室温に冷却し、水(200mL)で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:0%〜10%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製すると、生成物が白色の固体として得られた。収率:2.0g、5.5mmol、55%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ8.66 (s, 1H), 7.68 (d, J=0.5Hz, 1H), 7.62 (br s, 1H), 7.36 (s, 1H),5.68 (s, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.54-3.59 (m, 2H), 0.91-0.97 (m, 2H), -0.03 (s,9H).
【0137】
ステップ2. 4−クロロ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P6)の合成
実施例2で3−[6−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(2)の合成について記載した方法を使用して、4−クロロ−5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C2)を生成物に変換した。この場合では、黄色の固体として得た生成物を、分取HPLCではなく、酢酸エチルからの再結晶によって精製した。収率:1.0g、4.3mmol、2ステップで43%。LCMS m/z 234.0 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ12.66 (br s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.69 (d, J=2.5Hz, 1H), 7.63 (d, J=0.7Hz, 1H), 3.89 (s, 3H).
【0138】
調製例P7
N,N−ジメチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(P7)
【0139】
【化19】
5−ヨード−N,N−ジメチル−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン[C3、4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)から、実施例5で3−[4−(ジメチルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(5)の合成について記載した方法に従って調製したもの]を、調製例P2で4−(モルホリン−4−イル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P2)の合成について記載した方法に従って、生成物に変換した。生成物は、黄色の固体として得られた。収率:342mg、0.817mmol、69%。LCMS m/z 419.3 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ8.37 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 5.56 (s, 2H), 3.49-3.57 (m, 2H), 3.25(s, 6H), 1.36 (s, 12H), 0.86-0.94 (m, 2H), -0.06 (s, 9H).
【0140】
(実施例1)
5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1)
【0141】
【化20】
ステップ1. 5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C4)の合成
5−ヨード−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P1)(500mg、1.1mmol)および1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(272mg、1.31mmol)をエタノールと水の混合物(4:1、10mL)に溶かした溶液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(41mg、58μmol)および炭酸カリウム(447mg、3.23mmol)を加えた。反応混合物を脱気し、窒素パージし、この手順を合計3回実施した。次いでそれを100℃で18時間加熱した。真空中で濃縮した後、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:1:1の酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、生成物を黄色の固体として得た。収率:200mg、0.48mmol、44%。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6)δ8.39 (s, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 5.57 (s,2H), 3.90 (s, 3H), 3.50-3.58 (m, 6H), 3.20-3.27 (m, 4H), 0.83 (dd, J=8.0,7.9Hz, 2H), -0.09 (s, 9H).
【0142】
ステップ2. [5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メタノール(C5)の合成
5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C4)(200mg、0.48mmol)のトリフルオロ酢酸(5mL)溶液を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、生成物を黄色の油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0143】
ステップ3. 5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1)の合成
[5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メタノール(C5)(先行ステップからの材料、0.48mmol以下)のメタノール(5mL)溶液を、固体炭酸カリウムを加えることで、12より高いpHにした。反応混合物を30分間撹拌し、濾過し、真空中で濃縮した。分取HPLC(カラム:Agella Venusil ASB C18、5μm;移動相A:0.225%の水中ギ酸;移動相B:アセトニトリル、溶離液:13%のB)によって精製すると、生成物が黄色の固体として得られた。2ステップでの収率:90mg、0.32mmol、67%。LCMS m/z 285.1 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ12.96 (br s, 1H), 8.47 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.52 (d,J=2.5Hz, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.53-3.59 (m, 4H), 3.45-3.51 (m, 4H).
【0144】
(実施例2)
3−[6−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(2)
【0145】
【化21】
ステップ1. 4−クロロ−5−ヨード−6−メチル−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C6)の合成
−78℃の4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)(15.0g、36.6mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)溶液に、リチウムジイソプロピルアミド(2Mのヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン溶液、183mL、366mmol)を加え、反応混合物を−20℃で2時間撹拌し、次いで−78℃に冷却し直した。−78℃でヨードメタン(52.1g、367mmol)を加え、反応混合物を−20℃で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、混合物を酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。有機層を合わせて水(100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:10:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製すると、生成物が黄色の油状物として得られた。収率:10g、24mmol、66%。LCMS m/z 424.1 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ8.58 (s, 1H), 5.69 (s, 2H), 3.48-3.54 (m, 2H), 2.60 (s, 3H), 0.88-0.95(m, 2H), -0.05 (s, 9H).
【0146】
ステップ2. 3−(4−クロロ−6−メチル−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル(C7)の合成
4−クロロ−5−ヨード−6−メチル−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C6)(300mg、0.71mmol)および(3−シアノフェニル)ボロン酸(104mg、0.708mmol)を1,2−ジメトキシエタンと水の混合物(5:1、10mL)に溶かした溶液に、炭酸カリウム(193mg、1.40mmol)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(17mg、23μmol)を加えた。反応混合物を脱気し、窒素パージし、この手順を合計3回実施した。還流温度で18時間加熱した後、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜20%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製すると、生成物が黄色の油状物として得られた。収率:140mg、0.351mmol、50%。LCMS m/z 399.2 [M+H
+].
【0147】
ステップ3. 3−[6−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C8)の合成
3−(4−クロロ−6−メチル−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル(C7)(140mg、0.351mmol)のn−ブタノール(5mL)溶液に、モルホリン(30.6mg、0.351mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(90.9mg、0.703mmol)を加えた。反応混合物を100℃で18時間加熱し、次いで真空中で濃縮して、生成物を黄色の固体として得た。収率:125mg、0.278mmol、79%。LCMS m/z 450.3 [M+H
+].
【0148】
ステップ4. 3−[7−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C9)の合成
3−[6−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C8)(125mg、0.278mmol)のトリフルオロ酢酸(10mL)溶液を、室温で2時間撹拌し、次いで真空中で濃縮して、生成物を黄色の固体(125mg)として得た。これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS m/z 349.9 [M+H
+].
【0149】
ステップ5. 3−[6−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(2)の合成
3−[7−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C9)(先行ステップより、125mg、0.278mmol以下)のアセトニトリル(5mL)溶液を、固体炭酸カリウムを加えることで、11より高いpHに調整した。混合物を濾過し、真空中で濃縮し、分取HPLC(カラム:Boston Symmetrix ODS−H、5μm;移動相A:0.225%の水中ギ酸;移動相B:アセトニトリル、勾配:19%〜39%のB)によって精製すると、生成物が黄色の固体として得られた。収率:54mg、0.17mmol、2ステップで61%。LCMS m/z 319.9 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ12.17 (br s, 1H), 8.34 (s, 1H), 7.77-7.83 (m, 2H), 7.65-7.74 (m,2H), 3.27-3.33 (m, 4H), 2.98-3.06 (m, 4H), 2.36 (s, 3H).
【0150】
(実施例3)
6−[4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ピリジン−2−カルボニトリル(3)
【0151】
【化22】
ステップ1. 6−[4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ピリジン−2−カルボニトリル(C10)の合成
6−ブロモピリジン−2−カルボニトリル(80mg、0.44mmol)および4−(モルホリン−4−イル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P2)(241mg、0.523mmol)を1,4−ジオキサン(2.5mL)および水(0.5mL)に溶かした溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(51mg、44μmol)および炭酸ナトリウム(140mg、1.32mmol)を加えた。反応混合物をマイクロ波照射のもと120℃で15分間加熱し、次いで水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:1:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製すると、生成物が褐色の油状物として得られた。収率:110mg、0.252mmol、57%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ8.52 (s, 1H), 7.84-7.93 (m, 2H), 7.74 (s, 1H), 7.59 (dd, J=7.0,1.2Hz, 1H), 5.66 (s, 2H), 3.56-3.65 (m, 6H), 3.34-3.40 (m, 4H), 0.93 (dd,J=8.3, 8.0Hz, 2H), -0.05 (s, 9H).
【0152】
ステップ2. 6−[7−(ヒドロキシメチル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ピリジン−2−カルボニトリル(C11)の合成
6−[4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ピリジン−2−カルボニトリル(C10)(110mg、0.252mmol)のトリフルオロ酢酸(3mL)溶液を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、生成物を黄色の油状物として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
【0153】
ステップ3. 6−[4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ピリジン−2−カルボニトリル(3)の合成
6−[7−(ヒドロキシメチル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ピリジン−2−カルボニトリル(C11)(先行ステップより、85mg、0.25mmol以下)のアセトニトリル(3mL)溶液を、固体炭酸カリウムを加えることで、12より高いpHにした。室温で30分経過後、反応混合物を濾過し、真空中で濃縮した。分取HPLC(カラム:Phenomenex Gem
ini C18、8μm;移動相A:水中アンモニア、pH10;移動相B:アセトニトリル、勾配:10%〜50%のB)によって精製すると、生成物が白色の固体として得られた。収率:15.2mg、49.6μmol、2ステップで20%。LCMS m/z 307.2 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ8.38 (s, 1H), 8.13 (dd, J=8.1, 7.7Hz, 1H), 7.96 (br d, J=8Hz, 1H),7.89 (br d, J=8Hz, 1H), 7.86 (s, 1H), 3.50-3.55 (m, 4H), 3.19-3.24 (m, 4H).
【0154】
(実施例4)
3−[4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(4)
【0155】
【化23】
ステップ1. 3−(4−クロロ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル(C12)の合成
4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)(8.2g、20mmol)、(3−シアノフェニル)ボロン酸(3.2g、22mmol)、および炭酸カリウム(8.3g、60mmol)を1,2−ジメトキシエタンと水の混合物(4:1の比率、250mL)に混ぜた撹拌した混合物に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(731mg、1.00mmol)を加えた。反応混合物を脱気し、次いで窒素を投入し、この手順を合計3回実施した。反応混合物を還流温度で3時間加熱し、次いで室温に冷却し、飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で希釈した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:10:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製すると、生成物が黄色の油状物として得られた。収率:5.0g、12mmol、60%。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6)δ8.75 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.00-8.02 (m, 1H), 7.84-7.92 (m, 2H),7.68 (dd, J=7.8, 7.8Hz, 1H), 5.70 (s, 2H), 3.60 (dd, J=8.0, 8.0Hz, 2H), 0.86(dd, J=8.0, 8.0Hz, 2H), -0.08 (s, 9H).
【0156】
ステップ2. 3−[4−クロロ−7−(ヒドロキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C13)の合成
3−(4−クロロ−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル(C12)(3.8g、9.9mmol)のトリフルオロ酢酸(25mL)溶液を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、生成物(4g、100%を上回る質量回収率)を黄色の油状物として得、これをそれ以上精製せずに次のステップで使用した。
【0157】
ステップ3. 3−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル(C14)の合成
3−[4−クロロ−7−(ヒドロキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C13)(先行ステップより4g、9.9mmol以下)のメタノール(100mL)溶液を、固体炭酸カリウムを加えることで、12より高いpHに調整した。真空中で溶媒を除去し、残渣を水(100mL)と混合した。得られる固体を濾過によって単離し、水で洗浄して、生成物を白色の固体として得た。収率:1.3g、5.1mmol、2ステップで52%。LCMS m/z 255.0 [M+H
+].
【0158】
ステップ4. 3−[4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(4)の合成
3−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル(C14)(2.5g、9.8mmol)のn−ブタノール(100mL)溶液に、モルホリン(871mg、10mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.6g、20mmol)を加え、反応混合物を還流温度で3時間加熱した。真空中で溶媒を除去し、残渣を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:1:1の酢酸エチル/石油エーテル)を使用して精製した。引き続いて、酢酸エチルおよびtert−ブチルメチルエーテルから再結晶させると、生成物が白色の固体として得られた。収率:770mg、2.52mmol、26%。LCMS m/z 306.0 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ1
2.34 (br s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.99-8.02 (m, 1H), 7.89 (br d, J=8Hz, 1H), 7.76 (br d, J=7.5Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.68 (dd, J=7.8, 7.8Hz,1H), 3.44-3.50 (m, 4H), 3.11-3.17 (m, 4H).
【0159】
(実施例5)
3−[4−(ジメチルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(5)
【0160】
【化24】
3−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル(C14)(157mg、0.616mmol)、ジメチルアミン(189mg、4.19mmol)、およびトリエチルアミン(182mg、1.80mmol)のn−ブタノール(12mL)中混合物を、マイクロ波照射のもと150℃で25分間加熱した。真空中で濃縮した後、残渣を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、8μm;移動相A:水中アンモニア、pH10;移動相B:アセトニトリル、勾配:25%〜65%のB)によって精製して、生成物を白色の固体として得た。収率:72.1mg、0.274mmol、44%。LCMS m/z 263.8 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ12.15 (br s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.93 (br s, 1H), 7.78 (br d,J=7.8Hz, 1H), 7.73 (br d, J=7.8Hz, 1H), 7.62 (br dd, J=8.0, 7.8Hz, 1H), 7.57(br s, 1H), 2.73 (s, 6H).
【0161】
(実施例6)
3−{4−[(2S)−2−メチルモルホリン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}ベンゾニトリル(6)
【0162】
【化25】
3−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル(C14)(100mg、0.393mmol)および(2S)−2−メチルモルホリン(54mg、0.53mmol)のn−ブタノール(20mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(152mg、1.18mol)を加え、反応混合物を100℃で18時間加熱した。次いで反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、8μm;移動相A:水中アンモニア、pH10;移動相B:アセトニトリル、勾配:27%〜47%のB)によって精製すると、生成物が白色の固体として得られた。収率:17.5mg、54.8μmol、14%。LCMS m/z 320.2 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ10.71 (br s, 1H), 8.53 (br s, 1H), 7.73-7.89 (m, 2H), 7.51-7.69 (m,2H), 7.28 (s, 1H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 3.56-3.77 (m, 3H), 3.39-3.54 (m, 2H), 2.86-2.98 (m, 1H),2.53-2.65 (m, 1H), 0.93-1.03 (m, 3H).
【0163】
(実施例7)
(3−{4−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}フェニル)メタノール(7)
【0164】
【化26】
ステップ1. 5−ブロモ−7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C15)の合成
実施例6で3−{4−[(2S)−2−メチルモルホリン−4−イル]−7H−ピロロ
[2,3−d]ピリミジン−5−イル}ベンゾニトリル(6)の調製について記載した方法に従って、5−ブロモ−4−クロロ−7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P3)を、(3S)−3−メチルピペリジンの塩酸塩と反応させた。この場合では、精製をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5:1の石油エーテル/酢酸エチル)で実施して、生成物を白色の固体として得た。収率:4.3g、9.6mmol、92%。
【0165】
ステップ2. (3−{7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}フェニル)メタノール(C16)の合成
5−ブロモ−7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C15)(0.225g、0.501mmol)、[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]ボロン酸(0.104g、0.684mmol)、炭酸ナトリウム(0.159g、1.50mmol)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(36mg、51μmol)をアセトニトリル(2mL)および水(2mL)に混ぜた混合物を、15分間のマイクロ波照射のもと150℃に加熱した。反応液を真空中で濃縮して、生成物(0.35g、100%超)を得、これをさらに精製することなくそのまま次のステップで使用した。
【0166】
ステップ3. (3−{4−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}フェニル)メタノール(7)の合成
先行ステップからの(3−{7−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}フェニル)メタノール(C16)(0.50mmol未満)の2−プロパノール(20mL)溶液を撹拌したものに、水酸化リチウム一水和物(0.42g、10mmol)および水(3mL)を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌した。真空中で濃縮した後、残渣を分取HPLC(カラム:Waters XBridge;移動相A:0.1%の水中アンモニア;移動相B:アセトニトリル、勾配:44%〜60%のB)によって精製して、生成物を白色の固体として得た。収率:130mg、0.403mmol、2ステップで80%。LCMS m/z 323.4 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CD
3OD)δ8.24 (s, 1H), 7.46 (br s, 1H), 7.35-7.43 (m, 2H), 7.30 (br d, J=6Hz,1H), 7.23 (s, 1H), 4.67 (s, 2H), 3.89 (br d, J=13Hz, 1H), 3.79 (br d, J=12Hz,1H), 2.58-2.69 (m, 1H), 2.27 (dd, J=12.0, 11.0Hz, 1H), 1.62-1.71 (m, 1H),1.30-1.52 (m, 3H), 0.87-1.01 (m, 1H), 0.60 (d, J=6.5Hz, 3H).
【0167】
(実施例8)
4−(モルホリン−4−イル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン ギ酸塩(8)
【0168】
【化27】
ステップ1. 1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(C17)の合成
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(10.0g、51.5mmol)のトルエン(200mL)溶液に、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(5.6g、67mmol)およびトリフルオロ酢酸(1.17g、10.3mmol)を加え、反応混合物を2時間90℃に加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を酢酸エチル(200mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)とに分配し、水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:10%〜50%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製すると、生成物が白色の固体として得られた。収率:13.4g、48.2mmol、94%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ7.94 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 5.41 (dd, J=9.5, 2.5Hz, 1H), 4.01-4.08(m, 1H), 3.65-3.74 (m, 1H), 1.98-2.18 (m, 3H), 1.6-1.76 (m, 3H), 1.32 (s, 12H).
【0169】
ステップ2. 4−クロロ−5−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C18)の合成
4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)(2.0g、4.9mmol)、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(C17)(1.91g、6.87mmol)、リン酸カリウム(4.0g、19mmol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.10g、87μmol)からなる混合物を、窒素で数回脱気し、マイクロ波合成装置において130℃で1.5時間照射にかけた。反応混合物を酢酸エチル(400mL)と水(60mL)とに分配し、水層を酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:10%〜80%の石油エーテル中酢酸エチル)にかけると、生成物が褐色の油状物として得られた。収率:1.33g、3.06mmol、62%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ8.67 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 5.68 (s,2H), 5.46 (dd, J=9.4, 2.9Hz, 1H), 4.08-4.15 (m, 1H), 3.71-3.79 (m, 1H), 3.57(dd, J=8.3, 8.0Hz, 2H), 2.04-2.24 (m, 3H), 1.61-1.79 (m, 3H), 0.94 (dd, J=8.3,8.3Hz, 2H), -0.03 (s, 9H).
【0170】
ステップ3. 4−(モルホリン−4−イル)−5−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C19)の合成
4−クロロ−5−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C18)(3.3g、7.6mmol)、モルホリン(0.99g、11mmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(6mL、34mmol)のn−ブタノール(15mL)溶液を、マイクロ波合成装置において100℃で30分間照射にかけた。真空中で溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:10%〜50%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製して、生成物を褐色の油状物として得た。収率:2.6g、5.4mmol、71%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ8.50 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.17 (s, 1H), 5.62 (s,2H), 5.44 (dd, J=6.5, 6.0Hz, 1H), 4.08-4.15 (m, 1H), 3.71-3.79 (m, 1H),
3.62-3.67 (m, 4H), 3.58 (dd, J=8.5, 8.0Hz, 2H), 3.33-3.39 (m, 4H), 2.06-2.19
(m, 3H), 1.62-1.79 (m, 3H), 0.93 (dd, J=8.5, 7.5Hz, 2H), -0.04 (s, 9H).
【0171】
ステップ4. 4−(モルホリン−4−イル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C20)の合成
4−(モルホリン−4−イル)−5−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C19)(4.0g、8.2mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、塩化水素の1,4−ジオキサン溶液(4M、100mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで酢酸エチル(300mL)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)の混合物中に注いだ。水層を酢酸エチル(2×300mL)で抽出し、有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:10%〜80%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製すると、生成物が黄色の油状物として得られた。収率:2.18g、5.44mmol、66%。LCMS m/z 401.3 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ8.51 (s, 1H), 7.78 (s, 2H), 7.19 (s, 1H), 5.64 (s, 2H), 3.56-3.66(m, 6H), 3.34-3.40 (m, 4H), 0.91-0.98 (m, 2H), -0.03 (s, 9H).
【0172】
ステップ5. [4−(モルホリン−4−イル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メタノール(C21)の合成
4−(モルホリン−4−イル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C20)(0.13g、0.32mmol)をトリフルオロ酢酸(10mL)に溶解させ、室温で2時間撹拌した。真空中で溶媒を除去すると、生成物(100mg)が褐色の固体として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップで使用した。LCMS m/z 301.2 [M+H
+].
【0173】
ステップ6. 4−(モルホリン−4−イル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン ギ酸塩(8)の合成
[4−(モルホリン−4−イル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]メタノール(C21)(先行ステップより、0.10g、0.32mmol以下)のアセトニトリル(10mL)溶液に、炭酸カリウム(0.34g、2.5mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケークを酢酸エチル(3×20mL)で洗浄した。濾液を合わせて真空中で濃縮し、分取HPLC(カラム:DIKMA Diamonsil(2)C18、5μm;移動相A:0.225%の水中ギ酸;移動相B:アセトニトリル、勾配:0%〜17%のB)によって精製すると、生成物が淡色の固体として得られた。収率:36mg、0.11mmol、2ステップで34%。LCMS m/z 271.2 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ10.72 (br s, 1H), 8.47 (s, 1H), 7.78 (s, 2H), 7.19 (s, 1H),3.60-3.67 (m, 4H), 3.41-3.48 (m, 4H).
【0174】
(実施例9)
3−[2−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(9)
【0175】
【化28】
ステップ1. 4−クロロ−5−ヨード−2−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C22)の合成
4−クロロ−2−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(400mg、2.4mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、N−ヨードスクシンイミド(537mg、2.39mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を褐色の固体として得た。収率:330mg、1.12mmol、47%。LCMS m/z 293.8 [M+H
+].
【0176】
ステップ2. 4−クロロ−5−ヨード−2−メチル−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C23)の合成
調製例P1において4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)の合成に使用した方法に従って、4−クロロ−5−ヨード−2−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C22)を生成物に変換した。生成物は、黄色の油状物として得られた。収率:400mg、0.94mmol、84%。LCMS m/z 424.0 [M+H
+].
【0177】
ステップ3. 5−ヨード−2−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C24)の合成
生成物は、4−クロロ−5−ヨード−2−メチル−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C23)から、実施例6で3−{4−[(2S)−2−メチルモルホリン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}ベンゾニトリル(6)の合成について記載した方法に従って調製した。この場合では、精製をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜50%の石油エーテル中酢酸エチル)によって実施して、生成物を黄色の油状物として得た。収率:300mg、0.63mmol、67%。LCMS m/z 475.2 [M+H
+].
【0178】
ステップ4. 3−[2−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C25)の合成
5−ヨード−2−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C24)(100mg、0.21mmol)、(3−シアノフェニル)ボロン酸(62mg、0.42mmol)、および炭酸カリウム
(100mg、0.72mmol)をエタノールと水の混合物(4:1、5mL)に溶かした溶液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(15mg、21μmol)を加えた。反応混合物を脱気し、窒素パージし、この手順を合計3回実施した。反応混合物を90℃で3時間加熱しておいた後、それを冷まし、真空中で濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:1:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製すると、生成物が黄色の油状物として得られた。収率:52mg、0.12mmol、57%。LCMS m/z 451.3 [M+H
+].
【0179】
ステップ5. 3−[2−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(9)の合成
実施例1で5−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1)の合成について記載した方法を使用して、3−[2−メチル−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C25)を生成物に変換した。この場合では、分取HPLC精製は、Phenomenex Gemini C18 カラム、8μm;移動相A:水中アンモニア、pH10;移動相B:アセトニトリル、勾配:30%〜50%のBを使用して実施した。生成物は、白色の固体として得られた。収率:17.3mg、54.2μmol、2ステップで45%。LCMS m/z 320.1 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CD
3OD)δ7.91-7.93 (m, 1H), 7.85-7.88 (m, 1H), 7.60-7.69 (m, 2H), 7.38 (s,1H), 3.51-3.55 (m, 4H), 3.24-3.28 (m, 4H), 2.59 (s, 3H).
【0180】
(実施例10)
{3−[4−(ジメチルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]フェニル}メタノール(10)
【0181】
【化29】
ステップ1. {3−[4−(ジメチルアミノ)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]フェニル}メタノール(C26)の合成
5−ヨード−N,N−ジメチル−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(C3)(418mg、1.00mmol)、[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]ボロン酸(228mg、1.50mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(115mg、0.100mmol)、および炭酸セシウム(625mg、1.92mmol)を1,4−ジオキサン(6mL)および水(1.5mL)に溶かした溶液を、窒素パージし、次いでマイクロ波照射のもと120℃で20分間加熱した。反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×60mL)で抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:2%〜17%の石油エーテル中酢酸エチル)にかけると、生成物が褐色の油状物として得られた。収率:369mg、0.926mmol、93%。LCMS m/z 399.0 [M+H
+].
【0182】
ステップ2. 3−[4−(ジメチルアミノ)−7−(ヒドロキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンジルトリフルオロアセテート(C27)の合成
{3−[4−(ジメチルアミノ)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]フェニル}メタノール(C26)(397mg、0.996mmol)のトリフルオロ酢酸(10mL)溶液を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、生成物(400mg)を褐色の油状物として得た。この材料をそのまま次のステップに持ち込んだ。LCMS m/z 395.1 [M+H
+].
【0183】
ステップ3. {3−[4−(ジメチルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]フェニル}メタノール(10)の合成
3−[4−(ジメチルアミノ)−7−(ヒドロキシメチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンジルトリフルオロアセテート(C27)(先行ステップより、400mg、0.996mmol以下)および炭酸カリウム(500mg、3.6mmol)のメタノール(10mL)中混合物を、80℃で30分間撹拌した。反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×60mL)で抽出し、有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、8μm;移動相A:水中アンモニア、pH10;移動相B:アセトニトリル、勾配:21%〜33%のB)によって精製すると、生成物が白色の固体として得られた。収率:77.7mg、0.290mmol、2ステップで29%。LCMS m/z 268.9 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ10.83 (br s, 1H), 8.39 (s, 1H), 7.50 (br s, 1H), 7.38-7.42 (m, 2H),7.29-7.34 (m, 1H), 7.11 (s, 1H), 4.78 (s, 2H), 2.84 (s, 6H).
【0184】
(実施例198)
3−[6−(ジフルオロメチル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(198)
【0185】
【化30】
ステップ1. 4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルバルデヒド(C28)の合成
ジイソプロピルアミン(2.9g、29mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(2.5M、11.6mL、29mmol)を滴下して処理した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで−78℃に冷却した。4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)(8.0g、20mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴下し、−78℃で1時間撹拌を続けた。−78℃の反応混合物に、ギ酸エチル(2.6g、35mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴下した後、それを室温に温め、18時間撹拌した。次いでそれを0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加えて反応を失活させ、次いで酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜25%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製すると、生成物が黄色の油状物として得られた。収率:5.0g、11mmol、55%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ10.11 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 6.05 (s, 2H), 3.55-3.62 (m, 2H), 0.89-0.96 (m, 2H), -0.05 (s, 9H).
【0186】
ステップ2. 5−ヨード−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルバルデヒド(C29)の合成
4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルバルデヒド(C28)(5.0g、11mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液に、モルホリン(1.09g、12.5mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.94g、22.7mmol)を加えた。反応混合物を還流温度で16時間撹拌し、その後それを冷却し、真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(勾配:0%〜20%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製して、生成物を黄色の油状物として得た。収率:4.0g、8.2mmol、74%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ9.99 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 6.01 (s, 2H), 3.92-3.98 (m, 4H),3.70-3.75 (m, 4H), 3.58-3.65 (m, 2H), 0.91-0.96 (m, 2H), -0.05 (s, 9H).
【0187】
ステップ3. 3−[6−ホルミル−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C30)の合成
実施例2で3−(4−クロロ−6−メチル−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル(C7)の合成について記載した方法を使用して、5−ヨード−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−カルバルデヒド(C29)を生成物に変換した。生成物は、黄色の固体として得られた。収率:1.5g、3.2mmol、78%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ9.75 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.77-7.83 (m, 2H), 7.72-7.76 (m, 1H),7.67 (br dd, J=8, 8Hz, 1H), 6.09 (s, 2H), 3.66-3.71 (m, 2H), 3.38-3.44 (m, 4H),3.23-3.28 (m, 4H), 0.94-1.01 (m, 2H), -0.03 (s, 9H).
【0188】
ステップ4. 3−[6−(ジフルオロメチル)−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C31)の合成
3−[6−ホルミル−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C30)(200mg、0.43mmol)および三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(276mg、1.71mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を、40℃で16時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルでの分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:1:1の酢酸エチル/石油エーテル)によって精製すると、生成物が黄色の固体として得られた。収率:150mg、0.31mmol、72%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ8.58 (s, 1H), 7.76 (ddd, J=7.3, 1.6, 1.5Hz, 1H), 7.72-7.74 (m, 1H),7.61-7.70 (m, 2H), 6.74 (t, J
HF=52.5Hz, 1H), 5.86 (s, 2H), 3.65-3.72(m, 2H), 3.34-3.42 (m, 4H), 3.15-3.21 (m, 4H), 0.95-1.02 (m, 2H), -0.02 (s,9H).
【0189】
ステップ5. 3−[6−(ジフルオロメチル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(198)の合成
3−[6−(ジフルオロメチル)−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C31)(10mg、21μmol)のトリフルオロ酢酸(2mL)溶液を、室温で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、分取逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:DIKMA Diamonsil(2)C18、5μm、溶離液:0.225%のギ酸を含有する22%の水中アセトニトリル)によって精製して、生成物を白色の固体として得た。収率:2.0mg、5.6μmol、27%。LCMS m/z 355.9 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ13.06 (br s, 1H), 8.47 (s, 1H), 7.92 (ddd, J=6.7, 2.1, 1.7Hz, 1H), 7.83-7.85 (m, 1H), 7.69-7.76 (m, 2H), 7.02 (t, J
HF=52.5Hz, 1H),3.22-3.30 (m, 4H), 3.03-3.10 (m, 4H).
【0190】
(実施例199および実施例200)
5−(5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(199)および5−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(200)
【0191】
【化31】
ステップ1. 3−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−オール(C32)の合成
−78℃の4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1.5g、5.4mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、n−ブチルリチウム(2.5M、6.4mL、16.1mmol)を滴下した。反応混合物を−78℃で2時間撹拌しておいた後、それをジヒドロ−2H−ピラン−3(4H)−オン(1.61g、16.1mmol)で処理し、室温に温め、18時間撹拌した。水(50mL)で反応を失活させ、水層を酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜50%の石油エーテル中酢酸エチル)にかけると、生成物が黄色の油状物として得られた。収率:200mg、0.79mmol、15%。LCMS m/z 254.0 [M+H
+].
【0192】
ステップ2. 3−[4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−オール(C33)の合成
3−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−オール(C32)(200mg、0.79mmol)およびモルホリン(134mg、1.54mol)のn−ブタノール(10mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(305mg、2.36mol)を加え、反応混合物を70℃で2時間加熱した。真空中で濃縮した後、分取逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:Phenomenex Gemini C18、8μm;移動相A:アンモニア水溶液、pH10;移動相B:アセトニトリル、勾配:9%〜29%のB)にかけると、生成物が白色の固体として得られた。収率:180mg、0.59mmol、75%。LCMS m/z 305.1 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CDCl
3+ D
2O) δ8.73 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 3.92-4.03(m, 4H), 3.74-3.88 (m, 4H), 3.32-3.40 (m, 2H), 3.15-3.24 (m, 2H), 2.07-2.16 (m,1H), 1.88-2.06 (m, 2H), 1.57-1.68 (m, 1H).
【0193】
ステップ3. 5−(5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(199)および5−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−5−イル)−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(200)の合成
3−[4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−オール(C33)(40mg、0.13mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、トリエチルシラン(10mL)およびトリフルオロ酢酸(10mL)を10分かけて加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、その後それを真空中で濃縮した。分取逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:Boston Symmetrix ODS−H、5μm;移動相A:0.225%のギ酸を含有する水;移動相B:アセトニトリル、勾配:11%〜31%のB)にかけると、199が白色の固体(収率:11.3mg、39.5μmol、30%)として、200も白色の固体(収率:7.0mg、24μmol、18%)として得られた。
199:LCMS m/z 287.0 [M+H
+].
1HNMR (400MHz, DMSO-d
6) δ11.97 (br s, 1H), 8.29(s, 1H), 7.31 (s, 1H), 5.87-5.93 (m, 1H), 4.30-4.36 (m, 2H), 3.68-3.78 (m, 6H), 3.36-3.43 (m, 4H), 2.21-2.29 (m, 2H).
200:LCMS m/z 287.0 [M+H
+].
1HNMR (400MHz, DMSO-d
6) δ11.83 (br s, 1H), 8.26(s, 1H), 7.18 (s, 1H), 6.65 (s, 1H), 3.92-3.97 (m, 2H), 3.69-3.76 (m, 4H), 3.40-3.46 (m, 4H), 2.29-2.36 (m, 2H), 1.88-1.96 (m, 2H).
【0194】
(実施例201)
4−(モルホリン−4−イル)−5−[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(201)
【0195】
【化32】
ステップ1. 3−[4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C34)の合成
調製例P1で4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)の合成について記載した方法を使用して、3−[4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(4)を生成物に変換した。生成物は、黄色の固体として得られた。収率:0.90g、2.1mmol、70%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ8.55 (s, 1H), 7.86 (br s, 1H), 7.79 (br d, J=7.6Hz, 1H), 7.63 (br d,J=7.6Hz, 1H), 7.57 (dd, J=7.6, 7.6Hz, 1H), 7.29 (s, 1H), 5.67 (s, 2H),3.58-3.64 (m, 2H), 3.52-3.58 (m, 4H), 3.27-3.32 (m, 4H), 0.92-0.98 (m, 2H),
-0.03 (s, 9H).
【0196】
ステップ2. N’−ヒドロキシ−3−[4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゼンカルボキシミドアミド(C35)の合成
3−[4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゾニトリル(C34)(436mg、1.00mmol)をエタノール(10mL)および水(5mL)に溶かした撹拌した溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(278mg、4.00mmol)および炭酸ナトリウム(318mg、3.00mmol)を加えた。反応混合物を還流温度で2時間加熱し、次いで真空中で濃縮し、水(25mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、生成物を白色の固体として得た。収率:280mg、0.60mmol、60%。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6)δ9.67 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 7.89 (br s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.64 (brd, J=7.8Hz, 1H), 7.53 (br d, J=7.8Hz, 1H), 7.46 (dd, J=7.6, 7.6Hz, 1H), 5.89(br s, ~1.6H), 5.61 (s, 2H), 3.53-3.61 (m, 2H), 3.39-3.47 (m, 4H), 3.13-3.21(m, 4H), 0.81-0.88 (m, 2H), -0.09 (s, 9H).
【0197】
ステップ3. 4−(モルホリン−4−イル)−5−[3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(201)の合成
0℃のN’−ヒドロキシ−3−[4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル]ベンゼンカルボキシミドアミド(C35)(600mg、1.3mmol)のテトラヒドロフラン(25mL)溶液に、オルトギ酸トリエチル(760mg、5.1mol)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(370mg、2.6mol)を加えた。反応混合物を40℃で18時間加熱し、次いで水(50mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。分取逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:Phenomenex Gemini C18、8μm;移動相A:アンモニア水溶液、pH10;移動相B:アセトニトリル、勾配:30%〜50%のB)によって精製すると、生成物が黄色の固体として得られた。収率:62mg、0.18mmol、14%。LCMS m/z 349.0 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ9.77 (s, 1H), 8.40 (s,
1H), 8.24 (br s, 1H), 7.98 (br d, J=7.5Hz,1H), 7.82 (br d, J=7.3Hz, 1H), 7.63-7.70 (m, 2H), 3.39-3.45 (m, 4H), 3.13-3.20(m, 4H).
【0198】
(実施例202)
3−{4−[2−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)モルホリン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}ベンゾニトリル(202)
【0199】
【化33】
ステップ1. 4−ベンジル−2−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)モルホリン−2−オール(C36)の合成
2−ブロモ−1−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)エタノン(2.50g、12.2mmol)および2−(ベンジルアミノ)エタノール(3.70g、24.5mmol)のアセトニトリル(25mL)溶液を、35℃で18時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜50%の石油エーテル中酢酸エチル)を使用して精製して、生成物を黄色の油状物として得た。収率:1.2g、4.4mmol、36%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3)δ7.27-7.38 (m, 5H), 6.22 (s, 1H), 4.11-4.19 (m, 1H), 3.76-3.84 (m,1H), 3.60 (AB四重線 J
AB=13.0Hz, Δν
AB=13.2Hz, 2H), 2.99 (br d, J=11.0Hz,1H), 2.71-2.79 (m, 1H), 2.55 (d, J=11.0Hz, 1H), 2.42 (ddd, J=11.7, 11.5, 3.6Hz,
1H), 2.29 (s, 3H).
【0200】
ステップ2. 4−ベンジル−2−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)モルホリン(C37)の合成
4−ベンジル−2−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)モルホリン−2−オール(C36)(1.2g、4.4mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(2.9g、13mmol)およびトリエチルシラン(2.6g、22mmol)を加え、反応混合物を80℃で2時間加熱した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えることで、反応混合物をpH約5〜6に調整した。ジクロロメタン(3×20mL)で抽出した後、有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:0%〜50%の石油エーテル中酢酸エチル)によって精製すると、生成物が黄色の油状物として得られた。収率:500mg、1.9mmol、43%。LCMS m/z 258.9 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ7.27-7.37 (m, 5H), 6.07 (s, 1H), 4.75 (dd, J=9.7, 2.3Hz, 1H), 3.96(ddd, J=11.3, 2.8, 2.4Hz, 1H), 3.81 (ddd, J=11.3, 10.8, 2.5Hz, 1H), 3.52-3.61(m, 2H), 3.02 (br d, J=11.4Hz, 1H), 2.68-2.75 (m, 1H), 2.29 (s, 3H), 2.27-2.37(m, 2H).
【0201】
ステップ3. 2−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)モルホリン(C38)の合成
4−ベンジル−2−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)モルホリン(C37)(100mg、0.39mmol)のアセトニトリル/水(5:1混合物、6mL)溶液に、硝酸アンモニウムセリウム(IV)(442mg、0.806mmol)を加えた。反応混合物を25℃で4時間撹拌し、次いで真空中で濃縮し、シリカゲルでの分取薄層クロマトグラフィー(溶離液:10:1のジクロロメタン/メタノール)にかけると、生成物が黄色の油状物として得られた。収率:40mg、0.24mmol、62%。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ6.11 (s, 1H), 4.79 (dd, J=10.0, 2.4Hz, 1H), 4.01 (ddd, J=11.8, 2.5, 2.4Hz, 1H), 3.81-3.89 (m, 1H), 3.35 (dd, J=12.7, 2.5Hz, 1H), 2.99-3.07 (m, 3H),2.30 (s, 3H).
【0202】
ステップ4. 3−{4−[2−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)モルホリン−4−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}ベンゾニトリル(202)の合成
2−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)モルホリン(C38)(20mg、0.12mmol)のn−ブタノール(7mL)溶液に、3−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル(C14)(36.2mg、0.142mol)を加え、反応混合物を封管に入れ、マイクロ波反応器において15
0℃で2時間加熱した。溶媒を除去した後、残渣を、分取逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:YMC−Actus Triart C18、5μm;移動相A:0.225%のギ酸を含有する水;移動相B:アセトニトリル、勾配:33%〜53%のB)によって精製して、生成物を白色の固体として得た。収率:0.78mg、2.0μmol、2%。 LCMS m/z 387.0 [M+H
+].
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6), 特徴的ピーク:δ12.45 (br s, 1H), 8.45(s, 1H), 8.00-8.03 (m, 1H), 7.85 (br d, J=8Hz, 1H), 7.76 (br d, J=8Hz, 1H),7.72 (d, J=2.8Hz, 1H), 7.66 (dd, J=8, 8Hz, 1H), 6.25 (s, 1H), 4.58-4.63 (m,1H), 3.71-3.83 (m, 2H), 3.01-3.09 (m, 1H), 2.88-2.97 (m, 1H), 2.20 (s, 3H).
【0203】
方法
方法A
塩化物置換による3−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリルへの4−アミノ置換基の導入
【0204】
【化34】
適切なアミン(150μmol)を含有するバイアルに、3−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)ベンゾニトリル(C14)のジメチルスルホキシド溶液(0.1M、500μL、50μmol)を加えた。フッ化セシウム(23mg、150μmol)を加えた後、反応混合物を100℃で16時間振盪し、次いで、次の系、すなわち、1)カラム:DIKMA Diamonsil(2)C18、5μm;移動相A:0.1%の水中トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル、2)カラム:Boston Symmetrix ODS−H、5μmまたはPhenomenex Synergi C18、4μmまたはAgella Venusil ASB C18、5μm;移動相A:0.225%の水中ギ酸;移動相B:アセトニトリルの一方を用いた、適切な勾配を使用する分取HPLCによって精製した。
【0205】
方法B
鈴木反応による5−置換−4−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの合成
【0206】
【化35】
ステップ1.鈴木反応
適切なボロン酸エステルを1,4−ジオキサン水溶液(1:5v/vの水/1,4−ジオキサン)に溶かした溶液(0.3M、400μL、120μmol)を、5−ヨード−4−[(3S)−3−メチルピペリジン−1−イル]−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P5)(1:5の水/1,4−ジオキサン中0.25M、400μL、100μmol)と合わせた。溶液を炭酸セシウム(65mg、200μmol)で処理し、窒素を通気することにより脱気した。反応混合物に[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(3mg、5μmol)を加え、これを再び窒素で脱気し、次いで150℃で4時間振盪した。Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して溶媒を除去した後、生成物を適切な溶媒系での分取薄層クロマトグラフィーによって精製し、次のステップに送った。
【0207】
ステップ2.脱保護
先行ステップからの生成物をトリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液(1:5v/v、2mL)で処理し、反応混合物を30℃で2時間振盪した。Speedvac(登録商標)を使用して濃縮した後、残渣を水酸化アンモニウムのメタノール溶液(1:4v/v、2mL)で処理し、30℃で16時間振盪した。Speedvac(登録商標)で溶媒を除去し、生成物を、適切な勾配を使用する分取HPLC(カラム:DIKMA Diamonsil(2)C18、5μmまたはAgella Venusil ASB C18、5μm;移動相A:0.225%の水中ギ酸;移動相B:アセトニトリル)によって精製した。
【0208】
方法C
鈴木反応による5−置換−4−(モルホリン−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの合成
【0209】
【化36】
ステップ1.鈴木反応
5−ヨード−4−(モルホリン−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(P1)の1,4−ジオキサン溶液(0.20M、400μL、80μmol)を、適切なボロン酸の1,4−ジオキサン溶液(0.50M、200μL、100μmol)と合わせた。リン酸カリウムの水溶液(0.80M、200μL、160μmol)を加えた後、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(3mg、5μmol)を加え、反応混合物を100℃で16時間振盪した。混合物を濾過し、濾液をSpeedvac(登録商標)で濃縮した。残渣をジクロロメタンと飽和炭酸ナトリウム水溶液とに分配し、水層をジクロロメタン(2×1mL)で抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、Speedvac(登録商標)を使用して濃縮して粗生成物を得、これをそのまま次のステップで使用した。
【0210】
ステップ2.脱保護
先行反応の生成物を濃塩酸のエタノール溶液(1:6v/v、1mL)で処理し、反応混合物を80℃で16時間振盪した。Speedvac(登録商標)で溶媒を除去した後、残渣を、次の系、すなわち、1)カラム:Kromasil Eternity−5−C18、5μmまたはBoston Symmetrix ODS−H、5μmまたはPhenomenex Synergi C18、4μm;移動相A:0.225%の水中ギ酸;移動相B:アセトニトリル、2)カラム:Phenomenex Gemini C18、8μm;移動相A:水酸化アンモニウム水溶液、pH10;移動相B:アセトニトリルの一方を用いた、適切な勾配を使用する分取HPLCによって精製した。
【0211】
方法D
塩化物置換による7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンへの4−アミノ置換基の導入
【0212】
【化37】
適切なアミンのジメチルスルホキシド溶液(0.8M、200μL、160μmol)に、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン基体のジメチルスルホキシド溶液(0.5M、200μL、100μmol)を加えた。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(120μL、700μmol)を加え、反応混合物を80℃で16時間振盪した。Speedvac(登録商標)を使用して溶媒を除去した後、生成物を、次の系、すなわち、1)カラム:Phenomenex Gemini C18、8μmもしくはAgela Durashell C18、5μm;移動相A:水酸化アンモニウム水溶液、pH10;移動相B:アセトニトリル、または2)カラム:DIKMA Diamonsil(2)C18、5μmまたはPhenomenex Synergi C18、4μm;移動相A:0.225%の水中ギ酸;移動相B:アセトニトリルの一方を用いた、適切な勾配を使用する分取HPLCによって精製した。
【0213】
方法E
4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンからの4−アミノ置換された5−置換−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの合成
【0214】
【化38】
ステップ1.アミン置換反応
適切なアミン(150μmol)に、4−クロロ−5−ヨード−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(C1)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.25M、500μL、125μmol)を加えた。トリエチルアミン(35μL、250μmol)を加え、反応混合物を100℃で16時間振盪した。この溶液をそのまま次のステップで使用した。
【0215】
ステップ2.鈴木反応
先行ステップからの生成物溶液(125μmol以下)を適切なボロン酸のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.25M、500μL、125μmol)と混合した。炭酸セシウムの水溶液(1.25M、200μL、250μmol)を加えた後、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.6mg、2.5μmol)を加え、反応混合物を120℃で4時間振盪した。Speedvac(登録商標)を使用して溶媒を除去すると残渣が得られ、これをそのまま次のステップで使用した。
【0216】
ステップ3.脱保護
先行ステップからの生成物(125μmol以下)を、濃塩酸のエタノール溶液(1:6v/v、2mL)で処理し、反応混合物を80℃で16時間振盪した。Speedvac(登録商標)で溶媒を除去した後、残渣を、水酸化アンモニウム(30%水溶液)のメタノール溶液(1:4v/v、2mL)に溶かした。混合物を30℃で16時間振盪し、Speedvac(登録商標)で濃縮し、適切な勾配を使用する分取HPLC(カラム:DIKMA Diamonsil(2)C18、5μmまたはAgella Venusil ASB C18、5μm;移動相A:0.225%の水中ギ酸;移動相B:アセトニトリル)によって精製した。
【0217】
方法F
鈴木反応による5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンへの5−置換基の導入
【0218】
【化39】
ステップ1.鈴木反応
適切なハロゲン化アリールまたはヘテロアリール(100μmol)に、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン基体の1,4−ジオキサン溶液(0.1M、1mL、100μmol)を加えた。炭酸セシウムの水溶液(1.0M、200μL、200μmol)を加えた後、[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.3mg、2.0μmol)を加え、反応混合物を120℃で4時間振盪した。Speedvac(登録商標)を使用して溶媒を除去すると残渣が得られ、これをそのまま次のステップで使用した。
【0219】
ステップ2.脱保護
保護基の除去および精製は、方法Eの最終ステップに記載のとおりに行った。
【0220】
以下の表(表1)に、本発明の実施例11〜197および実施例203〜225、化合物の構造、調製方法の典拠、ならびに化合物の特性決定データを示す。表に示した化合物のいくつかは、ラセミであり、その他は、示すとおりの絶対立体化学を有する単一鏡像異性体として表記する。ある特定の場合では、単一鏡像異性体の絶対立体化学が決定されていないことがあるとしても、ラセミ化合物は、個々の鏡像異性体に分離されている。表において、分離された個々の鏡像異性体は、ENT−1またはENT−2と呼ぶ場合があり、これらは、それぞれ、分離された鏡像異性体1および鏡像異性体2の略語である。ENT−1またはENT−2と呼ばれる化合物の一方は、キラル中心において(R)絶対立体化学を有し、他方は、(S)絶対立体化学を有すると理解される。
【0221】
【表1-1】
【0222】
【表1-2】
【0223】
【表1-3】
【0224】
【表1-4】
【0225】
【表1-5】
【0226】
【表1-6】
【0227】
【表1-7】
【0228】
【表1-8】
【0229】
【表1-9】
【0230】
【表1-10】
【0231】
【表1-11】
【0232】
【表1-12】
【0233】
【表1-13】
【0234】
【表1-14】
【0235】
【表1-15】
【0236】
【表1-16】
【0237】
【表1-17】
【0238】
【表1-18】
【0239】
【表1-19】
【0240】
【表1-20】
【0241】
【表1-21】
【0242】
【表1-22】
【0243】
【表1-23】
【0244】
【表1-24】
【0245】
【表1-25】
【0246】
【表1-26】
【0247】
【表1-27】
【0248】
【表1-28】
【0249】
【表1-29】
【0250】
【表1-30】
【0251】
【表1-31】
【0252】
【表1-32】
【0253】
【表1-33】
【0254】
【表1-34】
【0255】
【表1-35】
【0256】
生物学的アッセイ
LRRK2アッセイ
LRRK2キナーゼ活性は、InvitrogenのLantha Screen技術を使用して測定した。InvitrogenのGSTタグ付き切断型LRRK2(カタログ番号PV4874)を、化合物の用量反応液の存在下、LRRKtideとしても知られているエズリン/ラディキシン/モエシン(ERM)を主体とするペプチド基質をフルオレセインで標識したもの(Invitrogenカタログ番号PR8976A)と共にインキュベートした。完了した後、アッセイを中断し、テルビウム標識抗ホスホERM抗体(Invitrogen、カタログ番号PR8975A)で検出した。アッセイは、次のプロトコールに従って実施した。アッセイ緩衝液(2mMのDTTおよび0.01%のBrij35を新たに加えた、50mMのHEEPES、pH7.5、3mMのMgCl
2)中に調製した基質の標準溶液(working solution)(233nMのLRRKtide、117μMのATP)3μLを、低用量Greiner 384ウェルプレートに加えた。化合物用量反応液は、化合物を100%DMSOで3.16mMの最高濃度に希釈することにより調製し、DMSO中に11回半対数連続希釈した。100%DMSO用量反応液の分割量(3.5μL)を46.5μLの水と混合し、次いで、この混合物1μLを、384ウェルプレート中の3μLの基質混合物に加えた。4μg/mLの濃度のLRRK2酵素の標準溶液3μLによってキナーゼ反応を開始した。最終反応液濃度は、100nMのLRRKtide、50μMのATP、1.7μg/mLのLRRK2酵素、および最高用量32μMの化合物用量反応液であった。室温で2時間反応を進行させ、次いで7μLの検出緩衝液(20mMのTris pH7.6、0.01%のNP−40、0.02%のNaN
3、6mMのEDTA、2nMのテルビウム標識抗ホスホERM)を加えて停止させた。室温で1時間インキュベートした後、Envisionにおいて、340nmの励起波長、520nmおよび495nmの読取り発光でプレートを読み取った。520nmの発光と495nmの発光の比を使用してデータを解析した。
【0257】
突然変異体G2019S LRRK2(Invitrogenカタログ番号PV4881)の阻害を、正確な同じ方法で測定した。基質ATPおよび酵素の最終濃度はすべて同じとした。しかし、突然変異体酵素は活性がより高いので、反応時間を90分に短縮して、基質の枯渇が起こりうる前に確実に定常状態で阻害を測定した。
【0258】
以下で、表2に、本発明の化合物についてのLRRK2 IC
50データを示す。
【0259】
【表2-1】
【0260】
【表2-2】
【0261】
【表2-3】
【0262】
【表2-4】
【0263】
【表2-5】
【0264】
【表2-6】
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【表2-7】
【0266】
【表2-8】
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【表2-9】
【0268】
【表2-10】
【0269】
【表2-11】
【0270】
【表2-12】
【0271】
【表2-13】
【0272】
本発明の化合物のいくつかを、ヒト末梢血単核球(PBMC)を組織として用いる、市販品として入手可能なActiveX標的化キナーゼプローブを使用して、キナーゼ選択性についてアッセイした。試験化合物をActivX Biosciences,Inc.(11025 North Torrey Pines Road,Suite 120;LaJolla,CA,USA92037)に提供した。化合物を、ActivX独自開発キナーゼアッセイにかけ、1μM(2、4および6列)および0.1μM(3、5および7列)の化合物試験濃度で結果を得た。実施例1、4および217の化合物について得られた阻害パーセントとしての結果を、以下で表3に示す。
【0273】
【表3-1】
【0274】
【表3-2】
【0275】
【表3-3】