(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-75535(P2019-75535A)
(43)【公開日】2019年5月16日
(54)【発明の名称】インダクタ
(51)【国際特許分類】
H01F 17/00 20060101AFI20190419BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20190419BHJP
【FI】
H01F17/00 D
H01F17/04 A
H01F17/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-124694(P2018-124694)
(22)【出願日】2018年6月29日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0135058
(32)【優先日】2017年10月18日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク、サン ソ
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヤン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、フイ ダエ
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB06
5E070BA12
5E070CB13
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】高いQ特性を有するインダクタを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態は、コイルパターンが配置された複数の絶縁層を積層して形成される本体と、上記本体の外側に配置される第1及び第2外部電極と、を含み、上記複数のコイルパターンはコイル接続部を介して互いに接続され、且つ両端部がコイル引出部を介して上記第1及び第2外部電極に接続されたコイルを形成し、上記複数のコイルパターンは、最外側に配置されたコイルパターン、及び上記最外側に配置されたコイルパターンの内側に配置されたコイルパターンで構成され、上記内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上の厚さは、上記最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも大きいインダクタを提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルパターンが配置された複数の絶縁層を積層して形成される本体と、
前記本体の外側に配置される第1及び第2外部電極と、を含み、
前記複数のコイルパターンはコイル接続部を介して互いに接続され、且つ両端部がコイル引出部を介して前記第1及び第2外部電極に接続されたコイルを形成し、
前記複数のコイルパターンは、最外側に配置されたコイルパターン、及び前記最外側に配置されたコイルパターンの内側に配置されたコイルパターンで構成され、前記内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上の厚さは、前記最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも大きい、インダクタ。
【請求項2】
前記最外側に配置されたコイルパターンの厚さt2に対する、前記内側に配置されたコイルパターンのうち前記最外側に配置されたコイルパターンよりも厚いコイルパターンの厚さt1の割合(t1/t2)が1<t1/t2<12.6を満たす、請求項1に記載のインダクタ。
【請求項3】
前記最外側に配置されたコイルパターンは厚さが互いに異なる、請求項1または2に記載のインダクタ。
【請求項4】
前記複数のコイルパターンは基板実装面に対して垂直に積層される、請求項1から3のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項5】
前記内側に配置されたコイルパターンは厚さが互いに同一である、請求項1から4のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項6】
前記内側に配置されたコイルパターンは厚さが互いに異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項7】
前記内側に配置されたコイルパターンは最外側から中央部に行くほど厚さがより大きい、請求項1から4、および請求項6のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項8】
コイルパターンが配置された複数の絶縁層を積層して形成される本体と、
前記本体の外側に配置される第1及び第2外部電極と、を含み、
前記複数のコイルパターンは、最外側に配置されたコイルパターン、及び前記最外側に配置されたコイルパターンの内側に配置されたコイルパターンで構成され、前記内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上のコイルパターンの断面積は、前記最外側に配置されたコイルパターンの断面積よりも大きい、インダクタ。
【請求項9】
前記最外側に配置されたコイルパターンは断面積が互いに異なる、請求項8に記載のインダクタ。
【請求項10】
前記内側に配置されたコイルパターンは断面積が互いに同一である、請求項8または9に記載のインダクタ。
【請求項11】
前記内側に配置されたコイルパターンは断面積が互いに異なる、請求項8または9に記載のインダクタ。
【請求項12】
前記内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上の線幅は、前記最外側に配置されたコイルパターンの線幅よりも大きい、請求項8から11のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項13】
前記内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上の厚さは、前記最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも大きい、請求項8から12のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項14】
前記最外側に配置されたコイルパターンの厚さt2に対する、前記内側に配置されたコイルパターンのうち前記最外側に配置されたコイルパターンよりも厚いコイルパターンの厚さt1の割合(t1/t2)が1<t1/t2<12.6を満たす、請求項13に記載のインダクタ。
【請求項15】
前記内側に配置されたコイルパターンは厚さは互いに同一である、請求項13または14に記載のインダクタ。
【請求項16】
前記内側に配置されたコイルパターンは厚さが互いに異なる、請求項13または14に記載のインダクタ。
【請求項17】
前記最外側に配置されたコイルパターンは厚さが互いに異なる、請求項8から16のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項18】
前記複数のコイルパターンは基板実装面に対して垂直に積層される、請求項8から17のいずれか一項に記載のインダクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近のスマートフォンは、多帯域のLTE(Long Term Evolution)の適用により、多くの周波数帯域の信号を用いる。これにより、高周波インダクタが信号の送・受信RFシステムにおいてインピーダンスマッチング回路として主に使用されている。高周波インダクタには、小型化及び高容量化が求められている。これに加え、高周波インダクタには、高周波数帯域の自己共振周波数(SRF)と低比抵抗を有することで100MHz以上の高周波での使用が求められる。また、使用される周波数における損失を低減するための高いQ特性が求められるのが実情である。
【0003】
このような高いQ特性には、インダクタの本体を構成する材料の特性が最も大きな影響を与えるが、同一の材料を用いる場合であっても、インダクタのコイル形状に応じてQ値が異なり得るため、インダクタのコイル形状を最適化することでより高いQ特性を有することができるようにする方案が必要な状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第0869741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一つは、高いQ特性を有するインダクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によると、コイルパターンが配置された複数の絶縁層を積層して形成される本体と、上記本体の外側に配置される第1及び第2外部電極と、を含み、上記複数のコイルパターンはコイル接続部を介して互いに接続され、且つ両端部がコイル引出部を介して上記第1及び第2外部電極に接続されたコイルを形成し、上記複数のコイルパターンは、最外側に配置されたコイルパターン、及び上記最外側に配置されたコイルパターンの内側に配置されたコイルパターンで構成され、上記内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上の厚さは、上記最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも大きいインダクタを提供する。
【0007】
本発明の他の実施形態によると、コイルパターンが配置された複数の絶縁層を積層して形成される本体と、上記本体の外側に配置される第1及び第2外部電極と、を含み、上記複数のコイルパターンは、最外側に配置されたコイルパターン、及び上記最外側に配置されたコイルパターンの内側に配置されたコイルパターンで構成され、上記内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上のコイルパターンの断面積は、上記最外側に配置されたコイルパターンの断面積よりも大きいインダクタを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によるインダクタにおいて、複数のコイルパターンが最外側に配置されたコイルパターン、及び上記最外側に配置されたコイルパターンの内側に配置されたコイルパターンで構成され、内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上の厚さが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚くなるように配置することにより、インダクタのQ特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態によるインダクタの透視斜視図を概略的に示したものである。
【
図2】
図1のインダクタの正面図を概略的に示したものである。
【
図3】第1実施形態による
図1のインダクタの平面図を概略的に示したものである。
【
図4】第2実施形態による
図1のインダクタの平面図を概略的に示したものである。
【
図5】第3実施形態による
図1のインダクタの平面図を概略的に示したものである。
【
図6】第4実施形態による
図1のインダクタの平面図を概略的に示したものである。
【
図7】第5実施形態によるインダクタの平面図を概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0011】
以下、図面に示すW、L、及びTはそれぞれ、第1方向、第2方向、及び第3方向と定義することができる。
【0012】
図1は本発明の一実施形態によるインダクタ100の透視斜視図を概略的に示したものであり、
図2は
図1のインダクタの正面図を概略的に示したものであり、
図3は第1実施形態による
図1のインダクタの平面図を概略的に示したものである。
【0013】
図1〜
図3を参照して、本発明の第1実施形態によるインダクタ100の構造について説明する。
【0014】
本発明の第1実施形態によるインダクタ100は、本体101が、実装面に水平な第1方向に複数の絶縁層111が積層されて形成されることができる。
【0015】
上記絶縁層111は磁性層又は誘電層であればよい。
【0016】
絶縁層111が誘電層である場合、絶縁層111は、BaTiO
3(チタン酸バリウム)系セラミック粉末などを含むことができる。この場合、上記BaTiO
3系セラミック粉末としては、例えば、BaTiO
3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba
1−xCa
x)TiO
3、Ba(Ti
1−yCa
y)O
3、(Ba
1−xCa
x)(Ti
1−yZr
y)O
3又はBa(Ti
1−yZr
y)O
3などが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
また、絶縁層111が磁性層である場合、絶縁層111は、インダクタの本体に使用できる物質のうち適切なものを選択することができ、例えば、樹脂や、セラミック、フェライトなどが挙げられる。本実施形態の場合、磁性層は、感光性絶縁材を用いることができる。これにより、フォトリソグラフィ工程による微細パターンの実現が可能となる。すなわち、感光性絶縁材で磁性層を形成することにより、コイルパターン121、コイル引出部131、及びコイル接続部132を微細に形成してインダクタ100の小型化及び機能向上に寄与することができる。このために、磁性層には、例えば、感光性有機物や感光性樹脂が含まれることができる。この他に、磁性層には、フィラー(Filler)成分としてSiO
2/Al
2O
3/BaSO
4/Talcなどの無機成分がさらに含まれることができる。
【0018】
本体101の外側には、第1及び第2外部電極181、182が配置されることができる。
【0019】
例えば、第1及び第2外部電極181、182は、本体101の実装面に配置されることができる。ここで、実装面とは、インダクタがプリント回路基板に実装される際にプリント回路基板に向かう面を意味する。
【0020】
外部電極181、182は、インダクタ100がプリント回路基板(PCB)に実装される際に、インダクタ100を上記プリント回路基板と電気的に接続させる役割を果たす。外部電極181、182は、本体101上に第1方向、及び実装面に水平な第2方向の端の部分に互いに離隔して配置される。外部電極181、182は、例えば、導電性樹脂層と、上記導電性樹脂層上に形成された導体層と、を含むことができるが、本発明はこれに制限されるものではない。導電性樹脂層は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、及び銀(Ag)からなる群から選択されたいずれか又は複数の導電性金属と熱硬化性樹脂を含むことができる。また、導体層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びスズ(Sn)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができ、例えば、ニッケル(Ni)層とスズ(Sn)層が順に形成されたものであり得る。
【0021】
図1〜
図3を参照すると、絶縁層111には、コイルパターン121が形成されることができる。
【0022】
コイルパターン121は、コイル接続部132を介して隣接するコイルパターン121と電気的に接続されることができる。すなわち、スパイラル状のコイルパターン121がコイル接続部132を介して接続されてコイル120を形成する。コイル120の両端部は、コイル引出部131により、第1及び第2外部電極181、182とそれぞれ接続される。コイル接続部132は、コイルパターン121間の接続性を向上させるために、コイルパターン121に比べて広い線幅を有することができ、絶縁層111を貫通する導電性ビアを含むことができる。
【0023】
上記コイル引出部131は、上記本体101の長さ方向の両側端部に露出し、基板実装面である下面にも露出することができる。これにより、上記コイル引出部131は、上記本体101の長さ−厚さ方向の断面においてL字状を有することができる。
【0024】
図2を参照すると、絶縁層111のうち外部電極181、182に対応する位置にダミー電極140が形成されることができる。ダミー電極140は、外部電極181、182と本体101との間の密着力を向上させる役割を果たすか、又は外部電極がめっきで形成される場合にブリッジ(bridge)の役割を果たすことができる。
【0025】
また、上記ダミー電極140とコイル引出部131は、ビア電極142を介して互いに接続されることができる。
【0026】
コイルパターン121、コイル引出部131、及びコイル接続部132の材料としては、導電性に優れた金属である銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。コイルパターン121、コイル引出部131、及びコイル接続部132は、めっき法又は印刷法により形成することができるが、これに制限されるものではない。
【0027】
本発明の第1実施形態によるインダクタ100は、
図2のように、絶縁層111にコイルパターン121や、コイル引出部131、コイル接続部132などを形成した後、絶縁層111を実装面に水平な第1方向に積層して製造するため、従来よりも容易にインダクタ100を製造することができる。また、コイルパターン121が実装面に垂直に配置されるため、実装基板によって磁束が影響を受けることを防止することができる。
【0028】
図2及び
図3を参照すると、本発明の第1実施形態によるインダクタ100のコイル120は、第1方向からの投射時に、コイルパターン121が重なって1回以上のコイルターン数を有するコイル軌道を形成するようになる。
【0029】
具体的には、第1コイルパターン121aがコイル引出部131を介して 第1外部電極181と接続され、その後、第1〜第9コイルパターン121a〜121iがコイル接続部132を介して接続される。最後に、第9コイルパターン121iが
図1及び
図2に示すコイル引出部131を介して第2外部電極と接続されてコイル120を形成するようになる。
【0030】
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるインダクタ100において、上記複数のコイルパターン121は、最外側に配置されたコイルパターン121a、121i、及び上記最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの内側に配置されたコイルパターン121b〜121hで構成され、上記内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち少なくとも一つ以上の厚さが、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さよりも厚くなるように形成される。
【0031】
上記最外側に配置されたコイルパターン121a、121iとは、
図3に示すように、複数のコイルパターン121の積層方向、すなわち、本体101の幅方向において本体の両側面に隣接して配置されるコイルパターンのことである。
【0032】
言い換えると、上記最外側に配置されたコイルパターン121a、121iとは、上記本体101の両側面方向には隣接するコイルパターンがなく、内側方向にのみ隣接コイルパターンがあることを意味する。
【0033】
内側に配置されたコイルパターン121b〜121hとは、上記本体101の幅方向において本体の両側面に隣接して配置された最外側のコイルパターン121a、121iの内側に配置された複数のコイルパターンのことである。
【0034】
また、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hは、両側に隣接してコイルパターンが配置されたことを意味する。
【0035】
従来のインダクタは、コイルパターンの厚さを、位置とは関係なく一定に形成した。
【0036】
従来のようにコイルパターンの厚さを位置とは関係なく一定に形成する場合、交流周波数の増加に伴う表皮効果(Skin effect)と寄生効果(Parasitic effect)によって電流の流れが位置ごとに異なる。
【0037】
このように、電流の流れが位置ごとに異なると、抵抗値がコイルパターンの位置ごとに不均一になる。
【0038】
かかる抵抗値の不均一により、Q値が低下するという問題が生じ得る。
【0039】
具体的には、従来のインダクタの場合、コイルパターンの厚さを位置とは関係なく一定に形成していたため、表皮効果と寄生効果により、最外側に配置されるコイルパターンの端の部分に電流が多く流れ、電流の流れが外側に向かって集中する現象が生じた。
【0040】
かかる現象が生じる理由は、同一の方向に電流が流れる二つの導線間で押し合う力が発生するためである。
【0041】
上述のように、従来のインダクタでは、コイルパターンの全体に電流が均一に流れなくなる。
【0042】
つまり、最外側に配置されるコイルパターンに比べて内側に配置されたコイルパターンにおいて電流が通過する面積が小さくなる。
【0043】
このように、内側に配置されたコイルパターンにおいて電流が通過する面積が小さくなるため、電流の流れによる抵抗が内側に配置されたコイルパターンにおいてさらに大きくなり、結果として、Q値が低下する原因として作用する。
【0044】
すなわち、内側に配置されたコイルパターンが外側に配置されたコイルパターンに比べて抵抗が大きいと言える。
【0045】
このように、電流の流れが不均一であることが原因で抵抗値がコイルパターンの位置ごとに不均一となるという問題を解決するために、コイルパターンの各位置ごとの抵抗を均一に合わせる必要がある。
【0046】
コイルパターンの各位置ごとの抵抗を均一にすることにより、Q値を向上させることができる。
【0047】
本発明の一実施形態によるインダクタは、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち少なくとも一つ以上の厚さが、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さよりも厚くなるように形成される。
【0048】
本発明の一実施形態によるインダクタにおいて、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち少なくとも一つ以上の厚さを、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さよりも厚く形成することにより、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち少なくとも一つ以上の抵抗値を下げることができ、Q値を向上させることができる。
【0049】
言い換えると、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hの抵抗値、及び最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの抵抗値を均一に調整することが可能となり、結果的にQ値を向上させることができる。
【0050】
本発明の一実施形態は、Q値を向上させるために、コイルパターンの位置ごとに抵抗値を均一に調整することを特徴とする。
【0051】
これに加え、コイルパターンの位置ごとに抵抗値を均一に調整するために、本発明の一実施形態では、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hの厚さと、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さとが異なるように調節し、且つ特に内側に配置されたコイルパターン121b〜121hの厚さを最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さよりも厚く形成することを特徴とする。
【0052】
本発明の一実施形態では、コイルパターンの厚さを調節して抵抗値を均一にする方法は様々であり、特に制限されない。
【0053】
例えば、本発明の第1実施形態のように、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち少なくとも一つ以上の厚さを、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さよりも厚く形成する方法を用いることができる。
【0054】
すなわち、
図3に示すように、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち少なくとも一つのコイルパターン121eの厚さt1は、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さt2よりも厚くなるように形成される。
【0055】
また、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち少なくとも一つのコイルパターン121eの厚さt1と内側に配置された他のコイルパターン121b〜121d、121f〜121hの厚さt1'は異なり得る。
【0056】
但し、これに限定されるものではなく、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち少なくとも一つのコイルパターン121eの厚さt1と内側に配置された他のコイルパターン121b〜121d、121f〜121hの厚さt1'は同一であってもよい。
【0057】
他の実施形態では、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのすべてを、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さよりも厚く形成することができる。この場合、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hは厚さがすべて同一であってもよく、異なってもよい。
【0058】
一方、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iは、両側にそれぞれ1つずつ計2つである。この際、最外側コイルパターン121a、121iは厚さが互いに同一であってもよく、異なってもよい。
【0059】
上記のような様々な実施形態については、以下の図面に基づいてより詳細に説明する。
【0060】
上記内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち最外側に配置されたコイルパターンよりも厚いコイルパターンの厚さをt1、上記最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さをt2とすると、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さt2に対する、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち最外側に配置されたコイルパターンよりも厚いコイルパターンの厚さt1の割合(t1/t2)は1<t1/t2<12.6を満たすことができる。
【0061】
最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さt2に対する、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち最外側に配置されたコイルパターンよりも厚いコイルパターンの厚さt1の割合(t1/t2)が1<t1/t2<12.6を満たすように調整することにより、コイルパターンの位置ごとの抵抗値を均一に調整することができ、Q値を向上させることができる。
【0062】
最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さt2に対する、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hのうち最外側に配置されたコイルパターンよりも厚いコイルパターンの厚さt1の割合(t1/t2)が12.6以上である場合にはQ値を向上させることができない。
【0063】
図4は第2実施形態による
図1のインダクタの平面図を概略的に示したものである。
【0064】
図4を参照すると、第2実施形態によるインダクタにおいて、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iは、両側にそれぞれ1つずつ計2つである。この際、最外側コイルパターン121a、121iの厚さは互いに異なってもよい。
【0065】
すなわち、最外側コイルパターンのうち一方のコイルパターン121aの厚さt2'と、他方のコイルパターン121iの厚さt2は互いに異なってもよく、ここで、t2がt2'よりも大きくても又は小さくても関係なく、特に制限されない。
【0066】
図5は第3実施形態による
図1のインダクタの平面図を概略的に示したものである。
【0067】
図5を参照すると、第3実施形態によるインダクタは、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hの厚さt1がすべて最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さt2よりも厚くなるように形成されることができる。この場合、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hの厚さt1はすべて互いに同一であってもよい。
【0068】
また、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さは、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hの厚さよりも薄く、この際、最外側コイルパターン121a、121iは互いに同一の厚さt2を有することができる。
【0069】
図6は第4実施形態による
図1のインダクタの平面図を概略的に示したものである。
【0070】
図6を参照すると、第4実施形態によるインダクタは、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hの厚さt1、t1'、t1''、t1'''がすべて最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さよりも厚くなるように形成されることができる。この場合、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hは、最外側から中央部に行くほど厚さが厚くなるように形成されることができる。
【0071】
また、最外側に配置されたコイルパターン121a、121iの厚さは互いに同一であってもよく、異なってもよい。
【0072】
第4実施形態によると、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hを、最外側から中央部に行くほど厚さがより厚くなるように形成することにより、コイルパターンの位置ごとの抵抗値の分布をより均一に調整することができる。
【0073】
すなわち、交流周波数の増加に伴う表皮効果(Skin effect)と寄生効果(Parasitic effect)により、最外側に配置されるコイルパターンの端の部分に電流が多く流れ、電流の流れが外側に向かって集中するようになる。
【0074】
これにより、内側に配置されたコイルパターン121b〜121hを、最外側から中央部に行くほど厚さがより厚くなるように形成することにより、抵抗値を均一に調整することができる。
【0075】
本発明の第1〜第4実施形態による場合、コイルパターンの積層数が9層のように説明したが、必ずしもこれに制限されるものではなく、コイルパターンの積層数は設計に応じて多様に変更することができる。
【0076】
図7は第5実施形態によるインダクタの平面図を概略的に示したものである。
【0077】
図7を参照すると、本発明の第5実施形態によるインダクタのコイル120'は、第1方向からの投射時に、コイルパターン121a'、121b'、121c'、121d'が重なって1回以上のコイルターン数を有するコイル軌道を形成するようになる。
【0078】
具体的には、本発明の第5実施形態によるインダクタにおいて、上記複数のコイルパターンは、最外側に配置されたコイルパターン121a'、121d'、及び上記最外側に配置されたコイルパターン121a'、121d'の内側に配置されたコイルパターン121b'及び121c'で構成され、上記コイルパターン121b'、121c'のうち少なくとも一つ以上の厚さは、最外側に配置されたコイルパターン121a'、121d'の厚さよりも厚くなるように形成される。
【0079】
上記最外側に配置されたコイルパターン121a'、121d'、及び上記最外側に配置されたコイルパターン121a'、121d'の内側に配置されたコイルパターン121b'及び121c'は、コイル接続部123を介して互いに接続されてコイル120'を形成する。
【0080】
本発明の第5実施形態による場合、コイルパターンの積層数が4層であるように示されているが、これに限定されず、積層数は多様に適用可能である。
【0081】
本発明の他の実施形態によるインダクタ100は、コイルパターン121が配置された複数の絶縁層111を積層して形成される本体101と、上記本体101の外側に配置される第1及び第2外部電極181、182と、を含み、上記複数のコイルパターン121は、最外側に配置されたコイルパターン、及び上記最外側に配置されたコイルパターンの内側に配置されたコイルパターンで構成され、上記内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上のコイルパターンの断面積は、最外側に配置されたコイルパターンの断面積よりも大きいことを特徴とする。
【0082】
本発明の他の実施形態によると、Q値を向上させるために、内側に配置されたコイルパターンの断面積と、最外側に配置されたコイルパターンの断面積とが異なるように調整し、且つ特に内側に配置されたコイルパターンの断面積を最外側に配置されたコイルパターンの断面積よりも大きく形成することを特徴とする。
【0083】
例えば、内側に配置されたコイルパターンの断面積を最外側に配置されたコイルパターンの断面積よりも大きく形成する。ここで、上記最外側に配置されたコイルパターンの断面積は、互いに異なるように形成してもよく、同一に形成してもよい。
【0084】
他の実施形態では、内側に配置されたコイルパターンの断面積を最外側に配置されたコイルパターンの断面積よりも大きく形成する。ここで、上記内側に配置されたコイルパターンの断面積は、互いに同一に形成してもよく、異なるように形成してもよいなど、特に制限されない。
【0085】
下記表1は、本発明の様々な実施例に基づいて製作した高周波インダクタのQ特性を比較したものである。
【0086】
下記表1における高周波インダクタの各サンプルは、本体の内部に配置されるコイルパターンの積層数が9層となるように製作して評価した。
【0087】
下記表1のサンプル1は、最外側に配置されたコイルパターンの厚さと内側に配置されたコイルパターンの厚さとがすべて同一である場合であって、従来のインダクタ構造を示す比較例である。
【0088】
サンプル2〜10は、内側に配置されたコイルパターンの厚さが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚く形成され、且つ最外側に配置されたコイルパターンの厚さは同一であり、内側に配置されたコイルパターンの厚さも互いに同一である場合を示す。
【0089】
サンプル11〜13は、内側に配置されたコイルパターンの厚さが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚く形成され、且つ内側に配置されるコイルパターンの厚さが互いに異なる場合を示す。
【0090】
サンプル14は、内側に配置されたコイルパターンの厚さが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚く形成され、且つ内側に配置されるコイルパターンのうちいずれかが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも薄く形成された場合を示す。
【0091】
サンプル15は、内側に配置されたコイルパターンの厚さが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚く形成され、且つ最外側に配置されたコイルパターンの厚さは同一であり、内側に配置されたコイルパターンのいずれかの厚さが内側に配置された残りのコイルパターンの厚さと異なる場合を示す。
【0092】
サンプル16は、内側に配置されたコイルパターンの厚さが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚く形成され、且つ最外側に配置されたコイルパターンの厚さが互いに異なり、内側に配置されたコイルパターンの厚さも互いに異なる場合を示す。
【0093】
サンプル17は、内側に配置されたコイルパターンのいずれかの厚さだけが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚い場合を示す。
【0094】
サンプル18は、内側に配置されたコイルパターンの一部の厚さだけが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚い場合を示す。
【0096】
上記表1のサンプル1は、最外側に配置されたコイルパターンの厚さと内側に配置されたコイルパターンの厚さとがすべて同一である場合であって、従来のインダクタ構造を示す比較例であり、Q値が40.9と測定された。
【0097】
上記表1から、本発明の比較例である上記サンプル1のQ値を基準に、本発明の様々な実施例によるサンプルのQ値を確認することができる。
【0098】
具体的には、上記本発明の実施例のうち、サンプル10を除き、サンプル2〜9及び11〜18は、内側に配置されたコイルパターンの1つ以上の厚さが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚い場合、Q値が向上することが分かる。
【0099】
特に、サンプル17は、内側に配置されたコイルパターンのいずれかの厚さだけが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚い場合である。この場合も、従来のコイルパターンの厚さがすべて同一のインダクタの場合よりはQ値が向上したことが分かる。
【0100】
また、サンプル14をもとに検討した結果、内側に配置されたコイルパターンのほとんどの厚さが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚く形成される場合は、内側に配置されるコイルパターンのいずれかが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも薄く形成されてもQ値が向上すること分かる。
【0101】
また、内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上の厚さが最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも厚く形成される場合には、内側に配置されたコイルパターンの厚さが互いに同一であるか、又は異なる場合にも、Q値は向上することが分かる。
【0102】
同様に、最外側コイルパターンの厚さが互いに同一であるか、又は異なってもQ値が向上することが分かる。
【0103】
一方、サンプル10は、Q値が40.9と測定され、本発明の比較例であるサンプル1で測定されたQ値と同一である。これは、内側に配置されたコイルパターンの厚さと最外側に配置されたコイルパターンの厚さの割合に応じて、Q値の向上効果が充分ではないことが分かる。
【0104】
具体的には、サンプル10から、最外側に配置されたコイルパターンの厚さt2に対する、内側に配置されたコイルパターンの最外側に配置されたコイルパターンよりも厚いコイルパターンの厚さt1の割合(t1/t2)が12.6以上の場合には、Q値を向上させることができないことを確認できる。
【0105】
一方、最外側に配置されたコイルパターンの厚さt2に対する、内側に配置されたコイルパターンのうち最外側に配置されたコイルパターンよりも厚いコイルパターンの厚さt1の割合(t1/t2)が1<t1/t2<12.6を満たす残りのサンプル2〜9及び11〜18の場合には、コイルパターンの位置ごとの抵抗値を均一に調整することができ、Q値を向上させることができることが分かる。
【0106】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0107】
100 インダクタ
101 本体
120 コイル
121 コイルパターン
131 コイル引出部
132 コイル接続部
140 ダミー電極
181、182 外部電極
【手続補正書】
【提出日】2018年12月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルパターンが配置された複数の絶縁層を積層して形成される本体と、
前記本体の外側に配置される第1及び第2外部電極と、を含み、
前記複数のコイルパターンはコイル接続部を介して互いに接続され、且つ両端部がコイル引出部を介して前記第1及び第2外部電極に接続されたコイルを形成し、
前記複数のコイルパターンは、最外側に配置されたコイルパターン、及び前記最外側に配置されたコイルパターンの内側に配置された複数のコイルパターンで構成され、前記内側に配置された全てのコイルパターンの各々の厚さは、前記最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも大きく、
前記内側に配置された複数のコイルパターンのうちの積層方向の中央部に配置された1つのコイルパターンの厚さは、前記内側に配置された他の全てのコイルパターンの各々の厚さよりも大きい
インダクタ。
【請求項2】
前記最外側に配置されたコイルパターンの厚さt2に対する、前記内側に配置されたコイルパターンのうち前記最外側に配置されたコイルパターンよりも厚いコイルパターンの厚さt1の割合(t1/t2)が1<t1/t2<12.6を満たす、請求項1に記載のインダクタ。
【請求項3】
前記最外側に配置されたコイルパターンは厚さが互いに異なる、請求項1または2に記載のインダクタ。
【請求項4】
前記複数のコイルパターンは基板実装面に対して垂直に積層される、請求項1から3のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項5】
前記内側に配置されたコイルパターンは厚さが互いに異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項6】
前記内側に配置されたコイルパターンは最外側から中央部に行くほど厚さがより大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項7】
前記内側に配置された複数のコイルパターンは、前記積層方向の中央部に配置された前記1つのコイルパターンと前記最外側に配置された2つのコイルパターンの一方との間に、第1コイルパターン、第2コイルパターン、および第3コイルパターンを含み、
前記第1コイルパターン、前記第2コイルパターン、および前記第3コイルパターンは、互いに異なる厚さを有する、請求項6に記載のインダクタ。
【請求項8】
コイルパターンが配置された複数の絶縁層を積層して形成される本体と、
前記本体の外側に配置される第1及び第2外部電極と、を含み、
前記複数のコイルパターンは、最外側に配置されたコイルパターン、及び前記最外側に配置されたコイルパターンの内側に配置された複数のコイルパターンで構成され、前記内側に配置された全てのコイルパターンの各々の断面積は、前記最外側に配置されたコイルパターンの断面積よりも大きく、
前記内側に配置された複数のコイルパターンのうちの積層方向の中央部に配置された1つのコイルパターンの断面積は、前記内側に配置された他の全てのコイルパターンの各々の断面積よりも大きい
インダクタ。
【請求項9】
前記最外側に配置されたコイルパターンは断面積が互いに異なる、請求項8に記載のインダクタ。
【請求項10】
前記内側に配置されたコイルパターンは断面積が互いに異なる、請求項8または9に記載のインダクタ。
【請求項11】
前記内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上の線幅は、前記最外側に配置されたコイルパターンの線幅よりも大きい、請求項8から10のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項12】
前記内側に配置されたコイルパターンのうち少なくとも一つ以上の厚さは、前記最外側に配置されたコイルパターンの厚さよりも大きい、請求項8から11のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項13】
前記最外側に配置されたコイルパターンの厚さt2に対する、前記内側に配置されたコイルパターンのうち前記最外側に配置されたコイルパターンよりも厚いコイルパターンの厚さt1の割合(t1/t2)が1<t1/t2<12.6を満たす、請求項12に記載のインダクタ。
【請求項14】
前記内側に配置されたコイルパターンは厚さは互いに同一である、請求項12または13に記載のインダクタ。
【請求項15】
前記内側に配置されたコイルパターンは厚さが互いに異なる、請求項12または13に記載のインダクタ。
【請求項16】
前記最外側に配置されたコイルパターンは厚さが互いに異なる、請求項8から15のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項17】
前記複数のコイルパターンは基板実装面に対して垂直に積層される、請求項8から16のいずれか一項に記載のインダクタ。
【請求項18】
前記内側に配置された複数のコイルパターンは、前記積層方向の最外側から中央部に行くほど断面積がより大きく、
前記内側に配置された複数のコイルパターンは、前記積層方向の中央部に配置された前記1つのコイルパターンと前記最外側に配置された2つのコイルパターンの一方との間に、第1コイルパターン、第2コイルパターン、および第3コイルパターンを含み、
前記第1コイルパターン、前記第2コイルパターン、および前記第3コイルパターンは、互いに異なる断面積を有する、請求項8から17のいずれか一項に記載のインダクタ。