特開2019-75537(P2019-75537A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-75537(P2019-75537A)
(43)【公開日】2019年5月16日
(54)【発明の名称】インダクタアレイ
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/00 20060101AFI20190419BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20190419BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20190419BHJP
   H01F 27/32 20060101ALI20190419BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20190419BHJP
【FI】
   H01F27/00 160
   H01F17/04 A
   H01F17/00 D
   H01F27/00 R
   H01F27/32 103
   H01F27/29 123
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-131169(P2018-131169)
(22)【出願日】2018年7月11日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0134149
(32)【優先日】2017年10月16日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン、チャン
(72)【発明者】
【氏名】シム、ウォン チョル
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ファン
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヨン ギュ
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB01
5E070AB03
5E070BB03
5E070CA13
5E070CA15
5E070CB13
5E070DA13
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】複数のコイルを含むインダクタアレイにおいてすべてのコイル間の結合係数を特定の結合係数以下に下げることができる構造を有するインダクタアレイを提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも3つのコイルを含む本体と、上記本体の外部面上に配置される外部電極と、を含むインダクタアレイに関するものである。上記少なくとも3つのコイルは、上記本体の一方向に沿って所定の距離だけ離隔するように配置される。このとき、上記少なくとも3つのコイルは、同一の特性値を有する。上記少なくとも3つのコイルのうち、互いに隣接するコイル間の最小距離は、互いに隣接するコイルのコア中心間に形成される領域内に含まれるコイルパターンの巻取数に応じて変更される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向において互いに対向する第1側面及び第2側面、長さ方向において互いに対向する第1端面及び第2端面、厚さ方向において互いに対向する上面及び下面を含み、長さ方向に沿って互いに離隔して配置された少なくとも3つのコイルを含む本体と、
前記本体の外部面上に配置される外部電極と、を含み、
前記少なくとも3つのコイルのうち第1コイル、第2コイル、及び第3コイルはコイルパターンの線幅及びコイルパターンの巻取数が互いに同一であり、
前記第1コイル及び前記第2コイル間の最小距離は、前記第2コイル及び前記第3コイル間の最小距離よりも大きく、前記第1コイル及び前記第2コイルの中心間の領域における前記第1コイル及び前記第2コイルのコイルパターンの巻取数は、前記第2コイル及び前記第3コイルの中心間の領域における前記第2コイル及び前記第3コイルのコイルパターンの巻取数よりも多い、インダクタアレイ。
【請求項2】
前記第2コイルは、前記第1コイルと前記第3コイルの間に配置される、請求項1に記載のインダクタアレイ。
【請求項3】
前記第1コイル及び前記第3コイルは互いに同一の方向に巻き取られ、前記第2コイルは前記第1コイル及び前記第3コイルとは逆の方向に巻き取られる、請求項2に記載のインダクタアレイ。
【請求項4】
前記第1コイルは、前記第2コイルと鏡対称の関係にあるように配置され、前記第3コイルは、前記第2コイルと鏡対称の関係にあるように配置される、請求項2又は3に記載のインダクタアレイ。
【請求項5】
前記第1コイル、前記第2コイル、及び前記第3コイルのうち互いに隣接するコイル間の結合係数は0.05以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のインダクタアレイ。
【請求項6】
前記第1コイル、前記第2コイル、及び前記第3コイルのそれぞれの両端部は、本体の幅方向において互いに対向する前記外部電極と接続される、請求項1から5のいずれか一項に記載のインダクタアレイ。
【請求項7】
前記コイルは薄膜型コイルである、請求項1から6のいずれか一項に記載のインダクタアレイ。
【請求項8】
前記第1コイル、前記第2コイル、及び前記第3コイルのそれぞれは同一の材料で構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のインダクタアレイ。
【請求項9】
前記本体は磁性物質を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のインダクタアレイ。
【請求項10】
前記磁性物質は前記第1コイル、前記第2コイル、及び前記第3コイルの全体を同時に封止する、請求項9に記載のインダクタアレイ。
【請求項11】
前記本体の長さは1.0mmであり、前記本体の幅は0.6mmである、請求項1から10のいずれか一項に記載のインダクタアレイ。
【請求項12】
前記本体の厚さは0.45mmである、請求項11に記載のインダクタアレイ。
【請求項13】
前記本体は4つのコイルを含む、請求項11又は12に記載のインダクタアレイ。
【請求項14】
幅方向において互いに対向する第1側面及び第2側面、長さ方向において互いに対向する第1端面及び第2端面、厚さ方向において互いに対向する上面及び下面を含み、長さ方向に沿って互いに離隔して配置された少なくとも3つのコイルを含む本体と、
前記本体の外部面上に配置される外部電極と、を含み、
前記少なくとも3つのコイルのうち第1コイル、第2コイル、及び第3コイルはコイルパターンの線幅及びコイルパターンの巻取数が互いに同一であり、
前記第1コイル及び前記第2コイル間の最小距離は、前記第2コイル及び前記第3コイル間の最小距離と同一であり、前記第1コイル及び前記第2コイルの中心間の領域における前記第1コイル及び前記第2コイルのコイルパターンの巻取数は、前記第2コイル及び前記第3コイルの中心間の領域における前記第2コイル及び前記第3コイルのコイルパターンの巻取数と同一である、インダクタアレイ。
【請求項15】
前記第2コイルは、前記第1コイルと前記第3コイルの間に配置される、請求項14に記載のインダクタアレイ。
【請求項16】
前記第1コイル、前記第2コイル、及び前記第3コイルは互いに同一の巻取方向を有する、請求項15に記載のインダクタアレイ。
【請求項17】
前記第1コイル、前記第2コイル、及び前記第3コイルのそれぞれは前記第2コイルから前記本体の長さ方向においてだけ対向する方向に所定の間隔で移動して配置される、請求項15又は16に記載のインダクタアレイ。
【請求項18】
前記第1コイル、前記第2コイル、及び前記第3コイルのうち互いに隣接するコイル間の結合係数は0.05以下である、請求項14から17のいずれか一項に記載のインダクタアレイ。
【請求項19】
前記第1コイル、前記第2コイル、及び前記第3コイルのそれぞれの両端部は、前記本体の幅方向において互いに対向する前記外部電極と接続される、請求項14から18のいずれか一項に記載のインダクタアレイ。
【請求項20】
前記本体は長さ1.0mm及び幅0.6mmを有し、第4コイルをさらに含む、請求項14から19のいずれか一項に記載のインダクタアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタアレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの小型化した電子製品が活発に開発されるにつれて、高電流用の、高効率を有し、且つ高性能化された、小型及び薄型化されたパワーインダクタに対するニーズが増加している。
【0003】
これにより、従来は、厚さ1mmを有する2520サイズの製品が用いられてきたが、現在は、厚さ1mmを有する2016サイズの製品が採用されており、厚さ0.8mmを有する1608サイズまでサイズを減少させた製品に向かって小型化される見通しである。
【0004】
同時に、実装面積を減らすことができる利点を有するアレイに対するニーズも増加している。そこで、アレイは、複数のコイル部間の結合係数もしくは相互インダクタンスに応じてノンカップルド(Noncoupled)又はカップルド(Coupled)インダクタの形、あるいは上記形の混合形態を有することができる。
【0005】
一方、複数のコイルが互いに離隔して配置されて、互いに磁束の影響を受けないノンカップルド(Noncoupled)インダクタアレイチップの場合、各コイルのインダクタンスを同一に実現することができれば、実装面積の減少効果に加え、インダクタアレイチップの効率を増加させることができる。
【0006】
ノンカップルドインダクタアレイの場合には、二つのコイル間の結合係数を下げることで、相互インダクタンスを最小限に抑えることが重要である。特定の結合係数以上の場合、二つのコイル間の相互インダクタンスが原因で微小電流領域での電圧上昇現象が発生する。これを防止すべく結合係数が約0.05以下であることが要求されるが、二つのコイル間の結合係数を下げるためには、二つのコイル間の距離を増加させる必要がある。しかし、チップサイズの限界により、すべてのコイル間の結合係数を特定の結合係数以下に同様に下げるべく、二つのコイル間の距離を増加させることは難しいのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許第2008−0102993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題の一つは、複数のコイルを含むインダクタアレイにおいてすべてのコイル間の結合係数を特定の結合係数以下に下げることができる構造を有するインダクタアレイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一例によるインダクタアレイは、本体と、上記本体の外部面上に配置される外部電極と、を含む。上記本体は、幅方向において互いに対向する第1側面及び第2側面を含み、長さ方向において互いに対向する第1端面及び第2端面を含み、厚さ方向において互いに対向する上面及び下面を含み、上記本体内に含まれる複数のコイルは、長さ方向に沿って互いに離隔するように配置される。上記複数のコイルのそれぞれは、同一のコイルパターンの線幅及び巻取数を含む。上記複数のコイルのうち、第1及び第2コイル間の最小距離は、上記第1コイルの中心コアから第2コイルの中心コアまでを接続する領域を基準に、第1及び第2コイルのコイルパターンの巻取数が多ければ多いほど大きい値を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のいくつかの効果のうちの一つは、定められたチップサイズにおいて互いに隣接するコイル間の結合係数を下げることで、相互インダクタンスを最小限に抑えることにより、微小電流領域での電圧上昇を防止することができるインダクタアレイを提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態によるインダクタアレイの概略的な斜視図である。
図2図1に示すインダクタアレイを上面から見た平面図である。
図3】本発明の第2実施形態によるインダクタアレイの概略的な斜視図である。
図4図3に示すインダクタアレイを上面から見た平面図である。
図5】本発明の第3実施形態によるインダクタアレイの概略的な斜視図である。
図6図5に示すインダクタアレイを上面から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0013】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。
【0014】
さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対である記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0015】
以下では、本発明の一例によるインダクタアレイを説明するが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態によるインダクタアレイの概略的な斜視図であり、図2図1に示すインダクタアレイを上面から見た平面図である。
【0017】
図1及び図2を参照すると、第1実施形態によるインダクタアレイ100は、本体1と、上記本体の外部面上に配置される外部電極2と、を含む。
【0018】
上記本体1は、インダクタアレイの全体的な外観を形成し、本体の厚さ方向において互いに対向する上面及び下面、長さ方向において互いに対向する第1端面及び第2端面、幅方向において互いに対向する第1側面及び第2側面を含む実質的に六面体形状を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0019】
上記本体1は、磁性物質14によって封止された第1から第3コイル11、12、13を含む。
【0020】
上記磁性物質14は、磁性粒子が樹脂に分散された構造を有することができる。上記磁性粒子は、例えば、金属系軟磁性粉末であって、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択された一つ以上を含む結晶質又は非晶質の金属で構成されることができる。また、上記樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよい。上記熱硬化性樹脂の例としては、ベンゾシクロブテン(BCB)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂(PI)、ポリビニルベンジルエーテル樹脂などを挙げることができる。また、熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリブテン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などを挙げることができる。
【0021】
次に、上記磁性物質によって封止された第1から第3コイル11、12、13を説明すると、上記第1から第3コイルは、本体の長さ(L)方向において所定の距離で離隔している。
【0022】
上記コイルは、形成方法に応じて積層型コイル、巻線型コイル、薄膜型コイルに区別することができ、要求される特性に応じて当業者が適宜選択することができる。特に、最近、高アスペクト比を有するコイルが要求される傾向にあり、高アスペクト比を有するコイルを形成するためには薄膜型コイルが有利であるため、第1から第3コイルは異方性メッキなどの方式が適用された薄膜型コイルであることが好ましい。
【0023】
上記第1から第3コイル11、12、13のそれぞれのコイルパターンの巻取数及び線幅は、要求される仕様に応じて当業者が適切に設定することができることは言うまでもない。但し、各コイル間の結合係数の制御のために、第1から第3コイルのコイルパターンの巻取数及び線幅をすべて一致させることが好ましい。換言すると、第1から第3コイルのそれぞれは、同一の特性値を有する同一のコイルで構成されることが好ましい。また、第1から第3コイルの材料もすべて同一である際に、第1から第3コイルの特性値をより容易に同一に制御することができることから、第1から第3コイルの材料を同一にすることが好ましい。
【0024】
上記第1コイル11の両端部のそれぞれは、本体の幅方向において対向する第1及び第2外部電極21、22と電気的に接続される。同様に、第2コイル12の両端部のそれぞれは、本体の幅方向において対向する第3及び第4外部電極23、24と電気的に接続され、第3コイル13の両端部のそれぞれは、第5及び第6外部電極25、26と電気的に接続される。このように、コイルと外部電極は互いに電気的に接続される必要があるため、外部電極は、電気伝導性に優れた金属を含むことが好ましく、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、又はスズ(Sn)を単独又はこれらの合金で含むことができる。
【0025】
第1から第3コイル11、12、13が配列された方式をより詳細に見ると、第1及び第2コイル間は互いに平行(parallel)対称に形成される。ここで、平行対称とは、第1コイルを本体の長さ方向にのみ所定の距離に移動して配置したことを意味する。同様に、第2及び第3コイル間は互いに平行対称に形成される。すなわち、第1実施形態によるインダクタアレイ100では、第1及び第2コイルの組み合わせが、それに隣接する第2及び第3コイルの組み合わせと同一の構造を実現する。
【0026】
この場合、第1及び第2コイル間の最小距離D12は、第2及び第3コイル間の最小距離D23と同一である。これは、互いに隣接する2つのコイル間の最小距離(D)は、第1コイルのコア中心から第2コイルのコア中心までを互いに接続する領域(A)を基準に、上記第1及び第2コイルのコイルパターンの巻取数が多ければ多いほど大きくなるように制御する必要があるためである。通常、インダクタアレイ内に同一の複数のコイルを配置する際に、隣接するコイル間の結合係数は、複数のコイルが離隔している距離による影響を受ける。つまり、離隔距離が広いほど結合係数は低くなる。但し、定められたサイズ内で結合係数を下げるためにコイル間の離隔距離を増加させることは難しいため、本発明のインダクタアレイでは、第1及び第2コイルのコア中心間に形成される領域(A)を基準に、コイルパターンの巻取数に応じてコイル間の最小距離を差別化する。
【0027】
次に、図3は本発明の第2実施形態によるインダクタアレイの概略的な斜視図であり、図4図3に示すインダクタアレイを上面から見た平面図である。
【0028】
図3及び図4に示すインダクタアレイ200は、図1及び図2に示すインダクタアレイ100に比べて、第1から第3コイル間の配列における違いがあるため、説明の便宜のために、図1及び図2のインダクタアレイと重複する説明は省略する。
【0029】
図3及び図4を参考にすると、インダクタアレイ200は、本体210と、上記本体の外部面上に配置される外部電極220と、を含む。
【0030】
上記本体210の内部には、磁性物質214によって封止された第1から第3コイル211、212、213が長さ方向に沿って互いに離隔するように配列される。
【0031】
上記第1及び第2コイル211、212間は互いに鏡(mirror)対称に形成される。ここで、鏡対称とは、第1コイルを本体の長さ方向に所定の距離移動し、且つ第1及び第2コイル間のW−T面に鏡があるように対称性を有することを意味する。同様に、第2及び第3コイル間も互いに鏡対称に形成される。換言すると、上記第1及び第2コイルと上記第2及び第3コイルとは、互いに鏡対称に配置される。
【0032】
一方、第1及び第2コイル間の最小距離D12は、第2及び第3コイル間の最小距離D23よりも大きい。互いに隣接する2つのコイル間の最小距離(D)は、第1コイルのコア中心から第2コイルのコア中心までを互いに接続する領域(A)を基準に、上記第1及び第2コイルのコイルパターンの巻取数が多ければ多いほど大きくなるように制御する必要があるためである。第1及び第2コイルのコア中心間に形成される領域A12のコイルパターンの巻取数は、第2及び第3コイルのコア中心間に形成される領域A23のコイルパターンの巻取数よりもさらに多いため、コイル間の結合係数を下げるためには、第1及び第2コイル間の最小距離が第2及び第3コイル間の最小距離よりも広くなるように制御する必要がある。
【0033】
第1から第3コイル211、212、213の両端部はそれぞれ、第1及び第2外部電極221、222、第3及び第4外部電極223、224、第5及び第6外部電極225、226と互いに接続される。
【0034】
次に、図5は本発明の第3実施形態によるインダクタアレイの概略的な斜視図であり、図6図5に示すインダクタアレイを上面から見た平面図である。
【0035】
図5及び図6を参照すると、インダクタアレイ300は、本体310と、上記本体の外部面上に配置される外部電極320と、を含む。
【0036】
インダクタアレイ300の本体310は、磁性物質315によって封止される4つのコイルを含み、且つ第1から第4コイル311、312、313、314は、本体の幅方向において互いに並んで配置される第1及び第2外部電極321、322、第3及び第4外部電極323、324、第5及び第6外部電極325.326、第7及び第8外部電極327、328とそれぞれ接続される。
【0037】
上記第1から第4コイルは、本体の長さ方向に沿って離隔するように配列される。
【0038】
上記第1及び第2コイル311、312、第2及び第3コイル312、313、第3及び第4コイル313、314のそれぞれは、第1及び第2コイル間のW−T面、第2及び第3コイル間のW−T面、第3及び第4コイル間のW−T面を鏡面とする鏡対称に配置される。
【0039】
上記第1及び第2コイル間の最小距離D12は、第2及び第3コイル間の最小距離D23よりも狭い。これは、第1及び第2コイルのコア中心間に形成される領域A12における第1及び第2コイルのコイルパターンの巻取数が、第2及び第3コイルのコア中心間に形成される領域A23における第2及び第3コイルのコイルパターンの巻取数よりも少ないためである。
【0040】
同様に、第3及び第4コイル間の最小距離D34は、第2及び第3コイル間の最小距離D23よりも狭い。これは、第3及び第4コイルのコア中心間に形成される領域A34における第3及び第4コイルのコイルパターンの巻取数が、第2及び第3コイルのコア中心間に形成される領域A23における第2及び第3コイルのコイルパターンの巻取数よりも少ないためである。
【0041】
上記第1から第4コイルが配列された構造に基づいてコイル間の最小距離を差別化することにより、限られたサイズ内においてコイル間の結合係数の総和を所定の値以下に小さくすることができる。特に、コイル間の結合係数がすべて0.05以下であることが好ましい。これは、結合係数が0.05以下に制御される場合には、ノンカップルドインダクタアレイ内において隣接するコイル間の相互インダクタンスにより、微小電流領域での電圧上昇現象が発生することを防止することができるためである。
【0042】
下記表1は、第3実施形態によるインダクタアレイ300の構造を、1006サイズ(長さ×幅:1.0mm×0.6mm)0.45T 45μHの条件を有するインダクタアレイに適用した際のコイル間の結合係数を具体的に示すものである。
【0043】
【表1】
【0044】
上記表1から分かるように、隣接コイル間の結合係数はそれぞれ、0.05以下に制御され、実質的に類似した程度の値を有する。
【0045】
これは、限られたチップサイズ内におけるコイル間の距離を決定する際に、隣接コイルのコア中心間に形成される領域内に含まれるコイルパターンの巻取パターンの総和を考慮して決定することにより、小型化したサイズにおいても結合係数を0.05以下レベルに調節できるという点で意味がある。
【0046】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【0047】
一方、本発明で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実施される場合を排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対の説明がされているかその事項と矛盾する説明がされていない限り、他の一例に関連する説明であると解釈することもできる。
【0048】
また、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。
【符号の説明】
【0049】
100 インダクタアレイ
1 本体
21、22、23、24、25、26 第1から第6外部電極
11、12、13 第1から第3コイル
14 磁性物質
図1
図2
図3
図4
図5
図6