特開2019-78633(P2019-78633A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-78633(P2019-78633A)
(43)【公開日】2019年5月23日
(54)【発明の名称】波形表示装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 13/20 20060101AFI20190426BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20190426BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20190426BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20190426BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20190426BHJP
   G01M 11/00 20060101ALI20190426BHJP
【FI】
   G01R13/20 U
   G09G5/00 510D
   G09G5/00 510H
   G09G5/00 530T
   G09G5/36 520F
   G09G5/36 530Y
   G09G5/00 550B
   G06F3/0488
   G06F3/0484 150
   G01M11/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-205705(P2017-205705)
(22)【出願日】2017年10月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】林 康二
【テーマコード(参考)】
2G086
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
2G086CC02
5C182AB02
5C182AB08
5C182AB14
5C182AB18
5C182AC03
5C182AC39
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA65
5C182BA66
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB26
5C182CB42
5C182CB44
5C182CB47
5C182CB54
5C182CC02
5C182CC04
5C182CC21
5C182DA65
5E555AA25
5E555AA26
5E555BA21
5E555BB21
5E555BC08
5E555BC17
5E555CA12
5E555CB12
5E555CB33
5E555CB46
5E555CC24
5E555DB20
5E555DB56
5E555DC26
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】拡大対象領域を指定する複数点のタッチ操作により波形の拡大表示を行なう波形表示装置において、画面端の領域を対象とした波形拡大操作の操作性を向上させる。
【解決手段】タッチパネルを備え、拡大対象領域を指定する複数点のタッチ操作により波形の拡大表示を行なう波形表示装置であって、波形表示領域を一方の軸方向に複数のブロックに分割して、少なくとも一方の端部のブロックに拡大ボタンを表示し、拡大ボタンがタッチ操作されると、対応するブロックの波形を拡大表示する表示画面生成部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備え、拡大対象領域を指定する複数点のタッチ操作により波形の拡大表示を行なう波形表示装置であって、
波形表示領域を一方の軸方向に複数のブロックに分割して、少なくとも一方の端部のブロックに拡大ボタンを表示し、
前記拡大ボタンがタッチ操作されると、対応するブロックの波形を拡大表示する表示画面生成部を備えたことを特徴とする波形表示装置。
【請求項2】
タッチパネルを備え、拡大対象領域を指定する複数点のタッチ操作により波形の拡大表示を行なう波形表示装置であって、
波形表示領域を一方の軸方向に複数のブロックに分割して、少なくとも一方の端部のブロックでタッチ操作を受け付けると、そのブロックに拡大ボタンを表示し、
前記拡大ボタンがタッチ操作されると、対応するブロックの波形を拡大表示する表示画面生成部を備えたことを特徴とする波形表示装置。
【請求項3】
前記表示画面生成部は、
前記拡大ボタンを表示した後、所定時間タッチ操作されない場合に、前記拡大ボタンを消去することを特徴とする請求項2に記載の波形表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備えた波形表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OTDR(光パルス試験器)、ペーパレスレコーダ、オシロスコープ等の電子機器は、測定データ等に基づいた波形を画面に表示する波形表示装置としての機能を兼ね備えている。波形表示装置を用いることで、ユーザは測定データ等の時間的変化や位置的変化等を視覚的に把握することができる。
【0003】
一般に、波形表示装置では、波形の表示範囲を変更するために、波形移動(シフト)機能を備え、波形の細部や概形を確認するために波形拡大・縮小機能を備えている。
【0004】
近年、PC、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ゲーム機等の電子機器では、ユーザからの操作を受け付ける入力装置としてタッチパネルが広く用いられており、波形表示装置にもタッチパネルが採用されるようになっている。タッチパネルは、画面表示を行なう表示装置と、タッチ操作を検出するタッチセンサとを組み合わせた装置であり、簡易で直感的な操作が行なえるようになっている。
【0005】
タッチパネルを利用した操作として、スワイプ操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作が代表的である。スワイプ操作は、画面にタッチした1本の指を滑らすように動かし、表示対象を移動させる操作である。また、ピンチイン操作は、画面にタッチした2本の指を閉じるように動かし、表示対象を縮小させる操作であり、ピンチアウト操作は、画面にタッチした2本の指を拡げるように動かし、表示対象を拡大させる操作である。
【0006】
タッチパネルを採用した波形表示装置では、水平方向のピンチアウト操作を行なうことで、横軸方向に波形を拡大することができる。例えば、図7に示すように、2本の指で点Cをタッチし、2点を左右に開く操作を行なうことで、点Cを中心に波形が横軸方向に拡大表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2016−85139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
波形表示装置では横軸の原点付近の波形を拡大観察することがよく行なわれる。例えば、OTDRでは、機器の接続状態の確認等のために距離を示す横軸の原点である0km付近の波形を拡大することが重要であり頻繁に行なわれる。
【0009】
ところが、原点付近は画面端部に位置するため、原点付近にタッチした2本の指を拡げようとしても、一方の指が表示画面の縁にかかってしまい、思い通りの拡大操作が妨げられる。これを避けようとすると、拡大の中心位置がずれてしまい、希望する領域の拡大波形が得られなくなってしまう。このように、画面端の領域を対象とした波形拡大操作を行なう場合に、タッチパネルの直感的な操作性が損なわれていた。
【0010】
この問題は、波形拡大を行なう場合に、ピンチアウト操作で拡大対象領域を指定する方式のみならず、横軸方向の範囲を定める2点のタッチや2点間のスワイプ操作で拡大対象領域を指定する方式でも同様である。
【0011】
そこで、本発明は、拡大対象領域を指定する複数点のタッチ操作により波形の拡大表示を行なう波形表示装置において、画面端の領域を対象とした波形拡大操作の操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様である波形表示装置は、タッチパネルを備え、拡大対象領域を指定する複数点のタッチ操作により波形の拡大表示を行なう波形表示装置であって、波形表示領域を一方の軸方向に複数のブロックに分割して、少なくとも一方の端部のブロックに拡大ボタンを表示し、前記拡大ボタンがタッチ操作されると、対応するブロックの波形を拡大表示する表示画面生成部を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明の第2の態様である波形表示装置は、タッチパネルを備え、拡大対象領域を指定する複数点のタッチ操作により波形の拡大表示を行なう波形表示装置であって、波形表示領域を一方の軸方向に複数のブロックに分割して、少なくとも一方の端部のブロックでタッチ操作を受け付けると、そのブロックに拡大ボタンを表示し、前記拡大ボタンがタッチ操作されると、対応するブロックの波形を拡大表示する表示画面生成部を備えたことを特徴とする。
ここで、前記表示画面生成部は、前記拡大ボタンを表示した後、所定時間タッチ操作されない場合に、前記拡大ボタンを消去するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、拡大対象領域を指定する複数点のタッチ操作により波形の拡大表示を行なう波形表示装置において、画面端の領域を対象とした波形拡大操作の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る波形表示装置の要部構成を示すブロック図である。
図2】表示装置の表示画面例と操作受付部を示す図である。
図3】波形表示装置の特徴的な動作について説明するフローチャートである。
図4】波形の拡大表示例を示す図である。
図5】波形表示装置の特徴的な動作の別例について説明するフローチャートである。
図6】波形の拡大表示の別例を示す図である。
図7】従来の波形拡大操作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る波形表示装置10の要部構成を示すブロック図である。波形表示装置10は、測定データ等に基づいた波形を画面に表示する装置であり、OTDR(光パルス試験器)、ペーパレスレコーダ、オシロスコープ等の電子機器に適用することができる。本実施形態では、OTDR(光パルス試験器)を例に説明する。
【0016】
本図に示すように、波形表示装置10は、タッチパネル100、データ格納部130、表示画面生成部140、操作受付部150を備えている。本ブロック図は波形表示機能に着目したものであり、測定部、データ収集部、通信部等は省略している。
【0017】
タッチパネル100は、画面表示を行なう表示装置120と、タッチ操作を受け付けるタッチセンサ110とを組み合わせた装置である。データ格納部130は、波形表示装置10が測定あるいは収集したデータを格納する記憶領域である。データは時系列で格納される。波形表示装置10の種類によっては複数チャンネルのデータを格納することができる。
【0018】
表示画面生成部140は、表示装置120に表示する画面の生成を行なうブロックであり、タッチ操作検出部141と波形描画部142とを備えている。
【0019】
タッチ操作検出部141は、タッチセンサ110が受け付けたタッチ操作の内容を検出する。具体的には、1点タッチ操作と、2点タッチ操作とを識別し、各タッチの座標を微小時間間隔で連続的に検出する。これにより、1点タッチ操作の場合の移動方向や移動距離を検出し、2点タッチ操作の場合のそれぞれの点の移動方向や2点間距離の変化を検出することができる。
【0020】
波形描画部142は、データ格納部130からデータを読み出して、表示装置120に波形表示を行なう。この際に、タッチ操作検出部141が1点タッチ操作、2点タッチ操作を検出すると、検出内容に応じて表示波形を移動させたり、表示波形を拡大縮小させたりする。
【0021】
操作受付部150は、電源ボタン、操作キー等を備え、ユーザからの操作を受け付ける。
【0022】
図2は、表示装置120の表示画面例と操作受付部150を示している。本図に示すように、表示装置120には、測定データに基づく波形や測定に関する情報、操作メニュー等が表示される。また、操作受付部150には、ユーザからの操作を受け付けるための複数個の操作キーが備えられている。操作キーには、操作メニューを選択するためのファンクションキー、スケールキー、上下左右の十字キーを備えたカーソルキー等が含まれている。
【0023】
次に、本実施形態の波形表示装置10の特徴的な動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。なお、波形表示装置10は、タッチパネル100を利用した従来の拡大操作、すなわち、ピンチアウト操作や2点タッチあるいは2点間のドラッグ操作等で拡大対象領域を指定する複数点のタッチ操作により波形の拡大表示を行なうことを前提としている。以下に説明する波形拡大動作は、画面端の領域、特に原点付近の領域を対象とした波形拡大操作の操作性が向上させるために、従来の拡大操作を補充するものである。
【0024】
波形表示装置10の表示画面生成部140は、波形描画部142が表示装置120に波形を表示する際に、波形表示領域を横軸方向に複数のブロックに分割し、ブロックに対応して拡大ボタンを表示する(S101)。なお、波形の表示態様等によっては縦軸方向に複数のブロックに分割してもよい。
【0025】
ここで、複数のブロックの分割は、例えば、Div目盛りを区切として利用することができる。図4(a)は、波形表示領域を2Div単位で5つのブロックに分割し、ブロックごとに拡大ボタン310(310a〜310e)を表示している。
【0026】
本図の例では、分割した各ブロックに拡大ボタン310を表示しているが、画面端の領域、特に原点付近の領域を対象とした波形拡大操作の操作性が向上させるためには、少なくとも一方の端部のブロックに拡大ボタン310を表示すればよい。
【0027】
拡大ボタン含んだ波形表示画面の表示中に、タッチ操作検出部141が1点タッチ操作を検出すると(S102:Yes)、タッチ対象が拡大ボタン310であれば(S103:Yes)、拡大ボタンに対応するブロックの波形を拡大表示する(S104)。
【0028】
例えば、図4(b)に示すように、原点付近のブロックの拡大ボタン310aがタッチされると、図4(c)に示すようにそのブロックの波形が10Div分の全領域に拡大表示される。これにより、従来、拡大操作をしにくかった原点付近の波形を容易に拡大して確認することができる。拡大表示された波形表示領域にも拡大ボタンを表示することができる。
【0029】
一方、タッチ対象が拡大ボタン310でなければ、拡大表示は行なわず、通常の動作と同様に、タッチされた位置にカーソルを移動させる(S105)。
【0030】
ところで、波形表示領域に拡大ボタン310を表示すると、その分、波形が表示される領域が狭くなる。これを避けるために、図5のフローチャートで示すような動作としてもよい。
【0031】
まず、波形描画部142が、図6(a)に示すように、波形ボタンを含まない従来と同様の波形を表示する(S201)
【0032】
波形の表示中に、タッチ操作検出部141が1点タッチ操作を検出すると(S202:Yes)、表示画面生成部140は、タッチ位置にカーソルを表示するとともに、タッチ位置を含むブロックに対応して拡大ボタンを表示する(S203)。
【0033】
例えば、図6(a)に示す波形表示画面において点320が1点タッチされると、図6(b)に示すように、点320に対応してカーソル330を表示するとともに、点320を含むブロックに拡大ボタン340を表示する。なお、拡大ボタン340は、少なくとも一方の端部のブロック領域が1点タッチされたときに表示するようにすればよい。
【0034】
拡大ボタン含んだ波形表示画面の表示中に、タッチ操作検出部141が1点タッチ操作を検出すると(S204:Yes)、タッチ対象が拡大ボタン340であれば(S205:Yes)、拡大ボタンに対応するブロックの波形を拡大表示する(S206)。拡大表示された波形表示領域が再度タッチされた場合にさらに拡大ボタンを表示するようにしてもよい。
【0035】
タッチ対象が拡大ボタン340でなければ、拡大表示は行なわず、通常の動作と同様に、タッチされた位置にカーソルを移動させる(S207)。
【0036】
拡大ボタン340を表示した後、拡大ボタン340がタッチ操作されずに所定時間経過すると(S208:Yes)、表示していた拡大ボタン340を消去する(S209)。これにより、拡大ボタン340により波形の表示が妨げられるのを防ぐことができる。所定時間は、例えば、3秒程度とすることができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態の波形表示装置10によれば、波形表示領域端部の拡大操作を拡大ボタンにより行なうことができるため、拡大対象領域を指定する複数点のタッチ操作により波形の拡大表示を行なう波形表示装置において、画面端の領域を対象とした波形拡大操作の操作性が向上する。
【符号の説明】
【0038】
10…波形表示装置
100…タッチパネル
110…タッチセンサ
120…表示装置
130…データ格納部
140…表示画面生成部
141…タッチ操作検出部
142…波形描画部
150…操作受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7