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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-78852(P2019-78852A)
(43)【公開日】2019年5月23日
(54)【発明の名称】表示装置及び表示方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/22 20060101AFI20190426BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20190426BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20190426BHJP
   G09F 9/302 20060101ALI20190426BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20190426BHJP
   G03B 35/18 20060101ALI20190426BHJP
   H04N 13/30 20180101ALI20190426BHJP
【FI】
   G02B27/22
   G09G3/36
   G09G3/20 660X
   G09G3/20 680H
   G09F9/302 C
   G09F9/30 349C
   G09F9/30 349Z
   G03B35/18
   H04N13/04 040
   H04N13/04 090
   H04N13/04 150
   H04N13/04 220
   H04N13/04 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-204701(P2017-204701)
(22)【出願日】2017年10月23日
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(71)【出願人】
【識別番号】594044646
【氏名又は名称】株式会社エヌエイチケイメディアテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小糸 健夫
(72)【発明者】
【氏名】林 宗治
(72)【発明者】
【氏名】大塚 悌二朗
【テーマコード(参考)】
2H059
2H199
5C006
5C061
5C080
5C094
【Fターム(参考)】
2H059AA22
2H059AA35
2H199BA08
2H199BA09
2H199BB04
2H199BB08
2H199BB10
2H199BB52
5C006AA22
5C006BB11
5C006EC12
5C006FA22
5C061AA07
5C061AA08
5C061AB14
5C061AB18
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD01
5C080EE01
5C080EE30
5C080JJ01
5C080JJ06
5C094AA01
5C094BA43
5C094CA20
5C094CA21
5C094ED01
5C094ED15
5C094JA09
(57)【要約】
【課題】表示品位を改善する。
【解決手段】第1方向、及び、前記第1方向に対して直交する第2方向に並んだ複数の副画素を備え、前記第1方向に隣接する副画素は互いに異なる色の副画素であり、前記第2方向に隣接する副画素は同一色の副画素である表示部と、前記表示部に重畳する光制御部と、を備え、前記表示部は、赤副画素、緑副画素、及び、青副画素を含み、前記赤副画素、前記緑副画素、及び、前記青副画素は、それぞれ平行四辺形に形成され、前記第2方向に対して4°以上16°以下の第1角度で傾き、前記光制御部は、前記第2方向に対して概略arctan(2/9)を満たす第2角度で傾いている、表示装置。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向、及び、前記第1方向に対して直交する第2方向に並んだ複数の副画素を備え、前記第1方向に隣接する副画素は互いに異なる色を表示し、前記第2方向に隣接する副画素は同一色を表示する表示部と、
前記表示部に重畳する光制御部と、を備え、
前記表示部は、赤副画素、緑副画素、及び、青副画素を含み、
前記赤副画素、前記緑副画素、及び、前記青副画素は、それぞれ平行四辺形に形成され、前記第2方向に対して4°以上16°以下の第1角度で傾き、
前記光制御部は、前記第2方向に対して概略arctan(2/9)を満たす第2角度で傾いている、表示装置。
【請求項2】
前記光制御部は、前記第1方向に並んだ複数の前記副画素に重畳する遮光体及び少なくとも1つの前記副画素に重畳する開口を備える光規制体、または、前記第1方向に並んだ複数の前記副画素に重畳するレンズである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部において、奇数行目の前記副画素、及び、偶数行目の前記副画素のうち、一方は、前記第2方向に対して時計回りに前記第1角度で傾き、他方は、前記第2方向に対して反時計回りに前記第1角度で傾いている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記光制御部は、前記奇数行目の前記副画素、及び、前記偶数行目の前記副画素に跨って直線的に延出している、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示部を備えた表示パネルと、
前記第1方向に並んだ複数の前記光制御部を備えた光制御素子と、を備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
第1方向、及び、前記第1方向に対して直交する第2方向に並んだ複数の副画素を備え、前記第1方向に隣接する副画素は互いに異なる色を表示し、前記第2方向に隣接する副画素は同一色を表示する表示部と、
前記表示部に重畳する光制御部と、を備え、
前記表示部は、赤副画素、緑副画素、及び、青副画素を含み、
前記赤副画素、前記緑副画素、及び、前記青副画素は、それぞれ平行四辺形に形成され、前記第2方向に対して4°以上16°以下の第1角度で傾き、
前記光制御部は、前記第2方向に対して概略arctan(2/9)を満たす第2角度で傾いている、表示装置の表示方法であって、
前記第1方向に隣接する前記副画素は、観察面において順に並んだ視点のうち、互いに異なる視点から観察した際の画像を表示し、
第1行目の前記副画素は、nを1以上の整数としたときに、(3n−2)で表される視点に対応した画像を表示し、
第2行目の前記副画素は、(3n)で表される視点に対応した画像を表示し、
第3行目の前記副画素は、(3n−1)で表される視点に対応した画像を表示する、表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、裸眼で立体視を可能とする表示装置が種々提案されている。このような表示装置においては、より自然な立体視を可能とすることが求められている。一例では、水平方向に異なる多数の画像を同時に表示する表示パネルと、レンチキュラーレンズとを組み合わせる技術が知られている。これによれば、観察者がレンチキュラーレンズを通して観察した際に、視点を水平方向に変化させた時に観察される画像が切り替わり、運動視差を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5838228号公報
【特許文献2】特開2014−85663号公報
【特許文献3】特開2005−316372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、表示品位を改善することが可能な表示装置及び表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
第1方向、及び、前記第1方向に対して直交する第2方向に並んだ複数の副画素を備え、前記第1方向に隣接する副画素は互いに異なる色の副画素であり、前記第2方向に隣接する副画素は同一色の副画素である表示部と、前記表示部に重畳する光制御部と、を備え、前記表示部は、赤副画素、緑副画素、及び、青副画素を含み、前記赤副画素、前記緑副画素、及び、前記青副画素は、それぞれ平行四辺形に形成され、前記第2方向に対して4°以上16°以下の第1角度で傾き、前記光制御部は、前記第2方向に対して概略arctan(2/9)を満たす第2角度で傾いている、表示装置が提供される。
本実施形態によれば、
第1方向、及び、前記第1方向に対して直交する第2方向に並んだ複数の副画素を備え、前記第1方向に隣接する副画素は互いに異なる色を表示し、前記第2方向に隣接する副画素は同一色を表示する表示部と、前記表示部に重畳する光制御部と、を備え、前記表示部は、赤副画素、緑副画素、及び、青副画素を含み、前記赤副画素、前記緑副画素、及び、前記青副画素は、それぞれ平行四辺形に形成され、前記第2方向に対して4°以上16°以下の第1角度で傾き、前記光制御部は、前記第2方向に対して概略arctan(2/9)を満たす第2角度で傾いている、表示装置の表示方法であって、前記第1方向に隣接する前記副画素は、観察面において順に並んだ視点のうち、互いに異なる視点から観察した際の画像を表示し、第1行目の前記副画素は、nを1以上の整数としたときに、(3n−2)で表される視点に対応した画像を表示し、第2行目の前記副画素は、(3n)で表される視点に対応した画像を表示し、第3行目の前記副画素は、(3n−1)で表される視点に対応した画像を表示する、表示方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態における表示装置1の第1構成例を示す断面図である。
図2図2は、図1に示した表示パネル10の一構成例を示す平面図である。
図3図3は、図1に示した光制御素子20の一構成例を示す断面図である。
図4図4は、図3に示した光制御素子20の一構成例を示す平面図である。
図5図5は、本実施形態における表示装置1の第2構成例を示す断面図である。
図6図6は、本実施形態における表示装置1の第3構成例を示す断面図である。
図7図7は、図5及び図6に示した光制御素子60の一構成例を示す断面図である。
図8図8は、図5及び図6に示した光制御素子60の一構成例を示す平面図である。
図9図9は、表示部DAにおける副画素SPのレイアウトの一例を示す図である。
図10図10は、仮想の観察面VPにおける視点と、観察される副画素SPとの関係を示す図である。
図11図11は、光制御部100として光規制体22を適用した場合に、視点V1で観察される副画素SPを示す平面図である。
図12図12は、光制御部100としてレンズ61を適用した場合に、視点V1で観察される副画素SPを示す平面図である。
図13図13は、比較例の表示装置における表示例を示す図である。
図14図14は、本実施形態の表示装置1における表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、いくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
≪第1構成例≫
図1は、本実施形態における表示装置1の第1構成例を示す断面図である。図中において、第1方向X及び第2方向Yは互いに直交し、第3方向Zは第1方向X及び第2方向Yと直交している。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を「上」と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を「下」と称する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離間していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置1を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX−Y平面に向かって観察することを平面視という。
【0009】
表示装置1は、表示パネル10と、光制御素子20と、照明装置30と、を備えている。表示パネル10は、例えば液晶パネルである。表示パネル10は、第1基板11及び第2基板12を備えている。第2基板12は、第1基板11の上に位置している。光制御素子20は、表示パネル10の上に位置している。光制御素子20は、後に詳述するが、複数の光制御部を備えている。光制御素子20は、透明樹脂40により表示パネル10に固定されている。照明装置30は、表示パネル10の下に位置している。第1偏光板51は、第1基板11の下面11Bに接着されている。第2偏光板52は、光制御素子20の上面20Aに接着されている。
【0010】
なお、第2偏光板52は、第2基板12の上面12Aに接着されてもよいし、光制御素子20の下面20Bに接着されてもよい。また、光制御素子20は、第1偏光板51と第1基板11との間に位置していてもよい。また、光制御素子20は、表示パネル20に内蔵されていてもよい。
【0011】
図2は、図1に示した表示パネル10の一構成例を示す平面図である。表示パネル10は、平面視で第1基板11及び第2基板12が重畳する部分に表示部DAを備えている。表示部DAは、第1方向X及び第2方向Yに並んだ複数の副画素SPを備えている。一例では、表示部DAは、副画素SPとして、赤色を表示する赤副画素SPRと、緑色を表示する緑副画素SPGと、青色を表示する青副画素SPBと、を備えている。図2においては、赤副画素SPRは第2方向Yに平行な縦線のパターンで示し、緑副画素SPGは第1方向Xに平行な横線のパターンで示し、青副画素SPBは格子のパターンで示している。なお、以下の説明において、副画素の色について言及しない場合には、単に副画素SPと称して説明する場合がある。第1方向Xは水平方向と称される場合があり、第2方向Yは垂直方向と称される場合がある。第1方向Xに並んだ複数の副画素SPは「行」を構成し、第2方向Yに並んだ複数の副画素SPは「列」を構成する。
第1方向Xに隣接する副画素SPは、互いに異なる色を表示する副画素である。第2方向Yに隣接する副画素SPは、同一色を表示する副画素である。例えば、赤副画素SPR、緑副画素SPG、及び、青副画素SPBは、この順に第1方向Xに並び、主画素PXを構成する。主画素PXは、第1方向X及び第2方向Yに並んでいる。
赤副画素SPR、緑副画素SPG、及び、青副画素SPBは、それぞれ平行四辺形に形成され、第2方向Yに対して4°以上16°以下の第1角度θ1で傾いている。また、赤副画素SPR、緑副画素SPG、及び、青副画素SPBは、それぞれ同じ寸法を有しており、第1方向Xに沿った幅WXと、第2方向Yに沿った幅WYと、を有している。例えば、幅WYは、幅WXの約3倍である。
【0012】
表示部DAにおいて、奇数行目LAに位置する副画素SPは、偶数行目LBに位置する副画素SPとは異なる方向に傾いている。但し、奇数行目LAに位置する副画素SPと第2方向Yとのなす角度は、偶数行目LBに位置する副画素SPと第2方向Yとのなす角度と同一である。
例えば、奇数行目LAに位置する副画素SPは、いずれも第2方向Yに対して時計回りに第1角度θ1で傾いている。一方、偶数行目LBに位置する副画素SPは、いずれも第2方向Yに対して反時計回りに第1角度θ1で傾いている。なお、奇数行目LAに位置する副画素SPが第2方向Yに対して反時計回りに第1角度θ1で傾き、偶数行目LBに位置する副画素SPが第2方向Yに対して時計回りに第1角度θ1で傾いていてもよい。
【0013】
図3は、図1に示した光制御素子20の一構成例を示す断面図である。光制御素子20は、基材21と、複数の光規制体22と、を備えている。基材21は、ガラスや樹脂などの透明基板である。光規制体22は、自身を透過する光線を制限するものであり、光制御部として機能する。光規制体22は、一例として、第1方向Xに並んだ複数の副画素SPに重畳する遮光体23と、少なくとも1つの副画素SPに重畳する開口24と、を備えている。換言すると、複数の遮光体23は、開口24に相当する間隔をおいて第1方向Xに並んでいる。遮光体23は、その光学濃度(OD値)が3以上であることが望ましい。遮光体23は、クロムやモリブデン、あるいは銀を含む化合物などの金属材料によって形成されてもよいし、黒色の樹脂材料によって形成されてもよい。本実施の形態では、例えば光規制体22として、エマルジョンマスクを用いる。
【0014】
遮光体23は幅W23を有し、開口24は幅W24を有している。なお、ここでの幅W23及び幅W24は、いずれも第1方向Xに沿った長さである。1個の光規制体22の幅W22あるいはピッチは、幅W23と幅W24との和に相当する。
幅W23は、幅W24より大きい。遮光体23は、例えば22個の副画素SPに重畳している。開口24は、例えば1個の副画素SPに重畳している。第1方向Xに隣接する開口24は、互いに異なる色の副画素SPに重畳している。例えば、図3の左側に位置する開口24は赤副画素SPRに重畳し、図3の右側に位置する開口24は青副画素SPBに重畳している。
【0015】
図3に示した例では、幅W24は、副画素SPの幅WXより大きいが、この例に限定されるものではない。幅W24は幅WXと同等であってもよいし、幅W24は幅WXより小さくてもよい。幅W24が幅WXより小さい場合、光規制体22を透過する光線の数を低減することができ、視認される画像の解像度を向上することができる。一方で、視認される画像の輝度低下を抑制する観点では、幅W24は、少なくとも1副画素分の幅WXとほぼ等しいことが望ましい。
【0016】
図4は、図3に示した光制御素子20の一構成例を示す平面図である。光制御素子20は、第1方向Xに並んだ複数の光規制体22を備えている。光規制体22を構成する遮光体23及び開口24は、第1方向X及び第2方向Yとは異なる方向に延出している。遮光体23の各々は、第1方向Xに並んだ一対のエッジE23を有している。一対のエッジE23は、平行である。開口24は、第1方向Xに隣接する遮光体23の互いに向かい合うエッジE23の間に位置する。
【0017】
光規制体22は、図2に示した表示部DAに重畳し、奇数行目LAに位置する副画素SP、及び、偶数行目LBに位置する副画素SPに跨って直線的に延出している。光規制体22、遮光体23、及び、開口24のそれぞれは、第2方向Yに対して第2角度θ2で傾いている。第2角度θ2は、第1角度θ1より小さい。本実施形態では、光規制体22、遮光体23、及び、開口24のそれぞれの延出方向は、エッジE23の延出方向として規定することができる。エッジE23は、第2方向Yに対して概略arctan(2/9)を満たす第2角度θ2(約12.5°)で傾いている。なお、ここでの第2角度θ2は、第2方向Yに対して時計回りの角度であってもよいし、第2方向Yに対して反時計回りの角度であってもよい。
【0018】
本実施形態の第1構成例によれば、光制御素子20は、図2に示した表示部DAを備えた表示パネル10に重畳し、しかも、4°以上16°以下の第1角度θ1で傾いた副画素SPに対して、概略arctan(2/9)を満たす第2角度θ2で傾いた光規制体22(光制御部)を備えている。上記の第1角度θ1及び第2角度θ2を規定したことにより、規則的に配置された副画素SPと、規則的に並んだ光規制体22との間でのモアレを抑制することができ、しかも、解像度を向上することができる。
【0019】
≪第2構成例≫
図5は、本実施形態における表示装置1の第2構成例を示す断面図である。図5に示した表示装置1は、図1に示した表示装置1とは異なる光制御素子60を備えている。光制御素子60は、複数のレンズ61を備えている。光制御素子60は、レンズ面60A及び平面60Bを有している。光制御素子60は、その平面60Bが透明樹脂40により第2偏光板52に固定されている。第2偏光板52は、第2基板12の上面12Aに接着されている。光制御素子60の詳細については後述する。
【0020】
≪第3構成例≫
図6は、本実施形態における表示装置1の第3構成例を示す断面図である。図6に示した表示装置1は、図5に示した表示装置1と比較して、光制御素子60の位置が相違している。すなわち、光制御素子60は、そのレンズ面60Aが第2基板12に接触している。光制御素子60は、詳述しないが表示パネル20の外周に固定されていることが望ましい。第2偏光板52は、光制御素子60の平面60Bに接着されている。光制御素子60の詳細については後述する。
【0021】
図7は、図5及び図6に示した光制御素子60の一構成例を示す断面図である。複数のレンズ61を備えた光制御素子60は、透明なガラスや樹脂などによって形成されている。レンズ61は、光制御部として機能する。レンズ61は、第1方向Xに並んだ複数の副画素SPに重畳する。レンズ61は、第1方向Xに沿って幅W61を有している。レンズ61は、例えば23個の副画素SPに重畳している。
【0022】
図8は、図5及び図6に示した光制御素子60の一構成例を示す平面図である。光制御素子20において、複数のレンズ61は、第1方向Xに並んでいる。レンズ61は、第1方向X及び第2方向Yとは異なる方向に延出している。レンズ61の各々は、第1方向Xに並んだ一対のエッジE61を有している。一対のエッジE61は、平行である。
レンズ61は、図2に示した表示部DAに重畳し、奇数行目LAに位置する副画素SP、及び、偶数行目LBに位置する副画素SPに跨って直線的に延出している。レンズ61は、第1構成例と同様に、第2方向Yに対して第2角度θ2で傾いている。本実施形態では、レンズ61の延出方向は、エッジE61の延出方向として規定することができる。エッジE61は、第2方向Yに対して概略arctan(2/9)を満たす第2角度θ2で傾いている。
本実施形態の第2構成例及び第3構成例によれば、光制御素子60は、図2に示した表示部DAを備えた表示パネル10に重畳し、しかも、4°以上16°以下の第1角度θ1で傾いた副画素SPに対して、概略arctan(2/9)を満たす第2角度θ2で傾いたレンズ61(光制御部)を備えている。上記の第1角度θ1及び第2角度θ2を規定したことにより、第1構成例と同様の効果が得られる。
【0023】
≪光制御の具体例≫
以下、上記の光規制体22及びレンズ61を光制御部100として説明する。
図9は、表示部DAにおける副画素SPのレイアウトの一例を示す図である。図10は、仮想の観察面VPにおける視点と、観察される副画素SPとの関係を示す図である。単位マトリクスUは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に並んだ複数個の副画素SPを備えている。単位マトリクスUにおいて、一例では、第1方向Xに23個の副画素SPが並び、第2方向Yに9個の副画素SPが並んでいる。つまり、単位マトリクスUは、207(=23*9)個の副画素SPを備えている。
【0024】
図9において各副画素SPに記した数字は、図10に示した観察面VPにおいて反時計回りに順に並んだ視点の番号を示している。一例では、観察面VPにおいて、69個の視点が存在している。図9において同一の数字が記された副画素SPは、同一の視点で観察されるものである。単位マトリクスUは、第2方向Yに連続して並んだ3行分において、全部で69(=23*3)個の副画素SPを備えている。これらの69個の副画素SPは、それぞれ異なる視点から観察される。つまり、69個の副画素SPは、それぞれ69個の視点から観察される。
【0025】
例えば、図9に示した第1行目L1には、(3n−2)で表される視点から観察される副画素SPが配置されている。但し、nは1以上の整数である。第2行目L2には、(3n)で表される視点から観察される副画素SPが配置されている。第3行目L3には、(3n−1)で表される視点から観察される副画素SPが配置されている。第4行目L4及び第7行目L7は第1行目L1と同様に配置された副画素SPを備え、第5行目L5及び第8行目L8は第2行目L2と同様に配置された副画素SPを備え、第6行目L6及び第9行目L9は第3行目L3と同様に配置された副画素SPを備えている。
第1行目L1、第4行目L4、及び、第7行目L7のそれぞれの副画素SPは、(3n−2)で表される視点に対応した画像を表示する。第2行目L2、第5行目L5、及び、第8行目L8のそれぞれの副画素SPは、(3n)で表される視点に対応した画像を表示する。第3行目L3、第6行目L6、及び、第9行目L9のそれぞれの副画素SPは、(3n−1)で表される視点に対応した画像を表示する。
【0026】
連続した3行分の副画素SPには、同一の視点において観察される赤副画素SPR、緑副画素SPG、及び、青副画素SPBのいずれかが含まれる。また、同一の視点においてカラー表示を実現すべく、連続した9行分の副画素SPには、赤副画素SPR、緑副画素SPG、及び、青副画素SPBのすべてが含まれる。
すなわち、同一の視点から観察される第1色の副画素は第1行目L1から第3行目L3までに含まれ、第1色とは異なる第2色の副画素は第4行目L4から第6行目L6までに含まれ、第1色及び第2色とは異なる第3色の副画素は第7行目L7から第9行目L9までに含まれる。一例では、視点「1」から観察した場合、第1行目L1に緑副画素SPGが含まれ、第4行目に青副画素SPBが含まれ、第7行目に赤副画素SPRが含まれる。
【0027】
図10においては、視線V1〜V67が図示されている。視線V1〜V67は、光制御部100によって規制された光線とみなすことができる。視線V1〜V67は、観察面VPの各視点に観察者の眼が位置するものとしたときに、各視点「1」〜「67」と、第1行目L1の副画素SPの各々と、を結ぶ線分である。
【0028】
なお、観察面VPにおける視点「1」及び「4」の間には、図示しない視点「2」及び「3」が存在する。また、視線V1及びV4の間には、図示しない視線V2及びV3が存在する。視線V2は、視点「2」と、第3行目L3に「2」と記した副画素SPと、を結ぶ線分である。視線V3は、視点「3」と、第2行目L2に「3」と記した副画素SPと、を結ぶ線分である。上記の通り、観察面VPには69個の視点「1」〜「69」が存在し、表示部DAには「1」〜「69」と記した69個の副画素SPが存在し、観察面VPと表示部DAとの間には、対応する69本の視線V1〜V69が存在する。
【0029】
第1方向Xに並んだ23個の副画素SPは、対応する視点から観察した際の画像を表示する。観察面VPに位置する観察者は、光制御部100を介して表示部DAを観察した際に、視線V1〜V69のいずれかを通して副画素SPを視認することができる。観察者の右眼と左眼とでは、観察面VPにおける視点が異なる。このため、観察者は、複数の視点で異なる画像を観察することによって視差を認識し、画像の立体感を得ることができる。また、観察者が観察面VPに沿って視点を変化させた際には、69個の各視点に応じた画像を観察することができ、より自然な立体感を得ることができる。
【0030】
図11は、光制御部100として光規制体22を適用した場合に観察される副画素SPを示す平面図である。光制御素子20は、単位マトリクスUに重畳している。光規制体22における開口24は、第1行目L1から第9行目L9までの副画素SPに跨って直線的に延出している。
図11に示した例では、副画素SPにおいて、幅WXを1としたとき、幅WYは3である。第1角度θ1は15°であり、第2角度θ2は12.5°である。光制御素子20が単位マトリクスUに重畳した状態では、開口24と、「1」と記された副画素SPG、副画素SPB、及び、副画素SPRとがそれぞれ重畳する。したがって、図10に示した視点「1」から観察した際に、対応する副画素SPG、副画素SPB、及び、副画素SPRを観察することができる。
【0031】
図12は、光制御部100としてレンズ61を適用した場合に観察される副画素SPを示す平面図である。レンズ61は、第1行目L1から第9行目L9までの副画素SPに跨って直線的に延出している。
図12に示した例では、副画素SPにおいて、幅WXを1としたとき、幅WYは3である。第1角度θ1は15°であり、第2角度θ2は12.5°である。光制御素子20が単位マトリクスUに重畳した状態では、開口24と、「1」と記された副画素SPG、副画素SPB、及び、副画素SPRとがレンズ61の延出方向に平行な同一直線上に位置する。したがって、図10に示した視点「1」から観察した際に、対応する副画素SPG、副画素SPB、及び、副画素SPRを観察することができる。
【0032】
図13は、比較例の表示装置における表示例を示す図である。図14は、本実施形態の表示装置1における表示例を示す図である。
図13に示した比較例は、特開2005−316372号公報の図7に開示されたレイアウトの表示部DAと、本実施形態の光制御部100とが重畳した例に相当する。表示部DAには、「ABCDE」の文字列が表示されているが、光制御部100を介して観察した場合に、その文字列を認識することが困難であった。
図14に示した本実施形態によれば、光制御部100を介して表示部DAを観察した場合に、表示部DAに表示された「ABCDE」の文字列を認識することができ、しかも、モアレが視認されることはなかった。
【0033】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位を改善することが可能な表示装置及び表示方法を提供することができる。
【0034】
なお、この発明は、上記各実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0035】
本明細書にて開示した構成から得られる表示装置の一例を以下に付記する。
(1) 第1方向、及び、前記第1方向に対して直交する第2方向に並んだ複数の副画素を備え、前記第1方向に隣接する副画素は互いに異なる色を表示し、前記第2方向に隣接する副画素は同一色を表示する表示部と、
前記表示部に重畳する光制御部と、を備え、
前記表示部は、赤副画素、緑副画素、及び、青副画素を含み、
前記赤副画素、前記緑副画素、及び、前記青副画素は、それぞれ平行四辺形であり、前記第2方向に対して4°以上16°以下の第1角度で傾き、
前記光制御部は、前記第2方向に対して概略arctan(2/9)を満たす第2角度で傾いている、表示装置。
(2) 前記光制御部は、前記第1方向に並んだ複数の前記副画素に重畳する遮光体及び少なくとも1つの前記副画素に重畳する開口を備える光規制体、または、前記第1方向に並んだ複数の前記副画素に重畳するレンズである、(1)に記載の表示装置。
(3) 前記表示部において、奇数行目の前記副画素、及び、偶数行目の前記副画素のうち、一方は、前記第2方向に対して時計回りに前記第1角度で傾き、他方は、前記第2方向に対して反時計回りに前記第1角度で傾いている、(1)または(2)に記載の表示装置。
(4) 前記光制御部は、前記奇数行目の前記副画素、及び、前記偶数行目の前記副画素に跨って直線的に延出している、(3)に記載の表示装置。
(5) 前記表示部を備えた表示パネルと、
前記第1方向に並んだ複数の前記光制御部を備えた光制御素子と、を備える、(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の表示装置。
(6) 第1方向、及び、前記第1方向に対して直交する第2方向に並んだ複数の副画素を備え、前記第1方向に隣接する副画素は互いに異なる色を表示し、前記第2方向に隣接する副画素は同一色を表示する表示部と、
前記表示部に重畳する光制御部と、を備え、
前記表示部は、赤副画素、緑副画素、及び、青副画素を含み、
前記赤副画素、前記緑副画素、及び、前記青副画素は、それぞれ平行四辺形に形成され、前記第2方向に対して4°以上16°以下の第1角度で傾き、
前記光制御部は、前記第2方向に対して概略arctan(2/9)を満たす第2角度で傾いている、表示装置の表示方法であって、
前記第1方向に隣接する前記副画素は、観察面において順に並んだ視点のうち、互いに異なる視点から観察した際の画像を表示し、
第1行目の前記副画素は、nを1以上の整数としたときに、(3n−2)で表される視点に対応した画像を表示し、
第2行目の前記副画素は、(3n)で表される視点に対応した画像を表示し、
第3行目の前記副画素は、(3n−1)で表される視点に対応した画像を表示する、表示方法。
【符号の説明】
【0036】
1…表示装置 10…表示パネル 20、60…光制御素子 30…照明装置
DA…表示部 SP…副画素 PX…主画素
SPR…赤副画素 SPG…緑副画素 SPB…青副画素 U…単位マトリクス
22…光規制体(光制御部) 23…遮光体 24…開口
61…レンズ(光制御部)
100…光制御部
図1
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