【解決手段】本発明の一実施形態は、互いに反対に位置した第1面及び第2面を有し、再配線層を含む連結部材と、上記連結部材の第1面に配置され、互いに離隔した第1及び第2貫通孔を有し、少なくとも上記第2貫通孔の内部表面に遮蔽層が配置されたコア部材と、上記第1貫通孔内に配置され、上記再配線層に連結される接続パッドを有する半導体チップと、上記第2貫通孔内に配置され、上記再配線層に連結される接続端子を有する少なくとも1つの受動部品と、上記コア部材、上記半導体チップ、及び上記少なくとも1つの受動部品を封止する封止材と、上記コア部材に内蔵された電磁バンドギャップ(EBG)構造体と、を含む半導体パッケージを提供する。
前記連結部材と反対側に位置する前記コア部材の一面に配置され、前記電磁波遮蔽層と連結されたバックサイド金属層をさらに含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
前記連結部材の再配線層は、前記第1貫通孔と前記少なくとも一つの第2貫通孔との間、前記第1貫通孔と前記連結部材の第2面に、電気的連結を提供する、請求項21に記載の半導体パッケージ。
前記電磁バンドギャップ(EBG)構造体は、前記コア部材に形成された導電パターンを含み、且つ2層構造を有し、前記2層構造は層間にビアを含む、請求項26に記載の半導体パッケージ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0012】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0013】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/または電気的に連結されている。これらは、後述する他の部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0014】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリー(例えば、DRAM)、不揮発性メモリー(例えば、ROM)、フラッシュメモリーなどのメモリーチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラーなどのアプリケーションプロセッサチップ;アナログ−デジタルコンバータ、ASIC(application−specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の形態のチップ関連部品が含まれ得ることはいうまでもない。また、これら部品1020が互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0015】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi−Fi(登録商標)(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(登録商標)(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の多数の無線または有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030が、チップ関連部品1020とともに互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0016】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co−Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター、MLCC(Multi−Layer Ceramic Condenser)などが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の様々な用途のために用いられる受動部品などが含まれ得る。また、その他の部品1040が、チップ関連部品1020及び/またはネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0017】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/または電気的に連結されているか連結されていない他の部品を含むことができる。他の部品としては、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、電池1080、オーディオコーデック(不図示)、ビデオコーデック(不図示)、電力増幅器(不図示)、羅針盤(不図示)、加速度計(不図示)、ジャイロスコープ(不図示)、スピーカー(不図示)、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)(不図示)、CD(compact disk)(不図示)、及びDVD(digital versatile disk)(不図示)などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の部品などが含まれ得ることはいうまでもない。
【0018】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピューター(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモチーブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことはいうまでもない。
【0019】
図2は電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0020】
図面を参照すると、半導体パッケージは、上述のような種々の電子機器において様々な用途に適用される。例えば、スマートフォン1100の本体1101の内部にはメインボード1110が収容されており、メインボード1110には種々の部品1120が物理的及び/または電気的に連結されている。また、カメラ1130のように、メインボード1010に物理的及び/または電気的に連結されているか連結されていない他の部品が本体1101内に収容されている。部品1120の一部はチップ関連部品であることができ、半導体パッケージ100は、例えば、そのうちアプリケーションプロセッサであることができるが、これに限定されるものではない。電子機器が必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述のように、他の電子機器であってもよいことはいうまでもない。
【0021】
半導体パッケージ
一般に、半導体チップには、数多くの微細電気回路が集積されているが、それ自体が半導体完成品としての役割をすることはできず、外部からの物理的または化学的衝撃により損傷する可能性がある。したがって、半導体チップ自体をそのまま用いるのではなく、半導体チップをパッケージングして、パッケージ状態で電子機器などに用いている。
【0022】
半導体パッケージングが必要な理由は、電気的連結という観点から、半導体チップと電子機器のメインボードの回路幅が異なるためである。具体的に、半導体チップは、接続パッドのサイズ及び接続パッド間の間隔が非常に微細であるのに対し、電子機器に用いられるメインボードは、部品実装パッドのサイズ及び部品実装パッド間の間隔が半導体チップのスケールより著しく大きい。したがって、半導体チップをこのようなメインボード上にそのまま取り付けることは困難であり、相互間の回路幅の差を緩和することができるパッケージング技術が要求される。
【0023】
かかるパッケージング技術により製造される半導体パッケージは、構造及び用途によって、ファン−イン半導体パッケージ(Fan−in semiconductor package)とファン−アウト半導体パッケージ(Fan−out semiconductor package)とに区分されることができる。
【0024】
以下では、図面を参照して、ファン−イン半導体パッケージとファン−アウト半導体パッケージについてより詳細に説明する。
【0025】
(ファン−イン半導体パッケージ)
図3はファン−イン半導体パッケージのパッケージング前後を概略的に示した断面図であり、
図4はファン−イン半導体パッケージのパッケージング過程を概略的に示した断面図である。
【0026】
図面を参照すると、半導体チップ2220は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などを含む本体2221と、本体2221の一面上に形成された、アルミニウム(Al)などの導電性物質を含む接続パッド2222と、本体2221の一面上に形成され、接続パッド2222の少なくとも一部を覆う酸化膜または窒化膜などのパッシベーション膜2223と、を含む、例えば、ベア(Bare)状態の集積回路(IC)であることができる。この際、接続パッド2222が非常に小さいため、集積回路(IC)は、電子機器のメインボードなどはもちろん、中間レベルの印刷回路基板(PCB)にも実装されにくい。
【0027】
そのため、接続パッド2222を再配線するために、半導体チップ2220上に半導体チップ2220のサイズに応じて連結部材2240を形成する。連結部材2240は、半導体チップ2220上に感光性絶縁樹脂(PID)などの絶縁物質で絶縁層2241を形成し、接続パッド2222をオープンさせるビアホール2243hを形成した後、配線パターン2242及びビア2243を形成することで形成することができる。その後、連結部材2240を保護するパッシベーション層2250を形成し、開口部2251を形成した後、アンダーバンプ金属層2260などを形成する。すなわち、一連の過程を経て、例えば、半導体チップ2220、連結部材2240、パッシベーション層2250、及びアンダーバンプ金属層2260を含むファン−イン半導体パッケージ2200が製造される。
【0028】
このように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップの接続パッド、例えば、I/O(Input/Output)端子の全てを素子の内側に配置したパッケージ形態である。ファン−イン半導体パッケージは、電気的特性に優れており、安価で生産することができる。したがって、スマートフォンに内蔵される多くの素子がファン−イン半導体パッケージの形態で製作されており、具体的には、小型で、且つ速い信号伝達を実現するように開発が行われている。
【0029】
しかしながら、ファン−イン半導体パッケージは、I/O端子の全てを半導体チップの内側に配置しなければならないため、空間的な制約が多い。したがって、このような構造は、多数のI/O端子を有する半導体チップや、サイズが小さい半導体チップに適用するには困難な点がある。また、このような欠点により、電子機器のメインボードにファン−イン半導体パッケージを直接実装して用いることができない。これは、再配線工程により半導体チップのI/O端子のサイズ及び間隔を拡大したとしても、電子機器のメインボードに直接実装可能な程度のサイズ及び間隔を有するわけではないためである。
【0030】
図5はファン−イン半導体パッケージが印刷回路基板上に実装され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図であり、
図6はファン−イン半導体パッケージが印刷回路基板内に内蔵され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0031】
図面を参照すると、ファン−イン半導体パッケージ2200は、半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子が印刷回路基板2301によりさらに再配線され、最終的には、印刷回路基板2301上にファン−イン半導体パッケージ2200が実装された状態で電子機器のメインボード2500に実装されることができる。この際、半田ボール2270などはアンダーフィル樹脂2280などにより固定されることができ、外側は封止材2290などで覆われることができる。または、ファン−イン半導体パッケージ2200は、別の印刷回路基板2302内に内蔵(Embedded)されてもよく、内蔵された状態で、印刷回路基板2302により半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子がさらに再配線され、最終的に電子機器のメインボード2500への実装が可能となる。
【0032】
このように、ファン−イン半導体パッケージは電子機器のメインボードに直接実装されて用いられることが困難であるため、別の印刷回路基板上に実装された後、さらにパッケージング工程を経て電子機器のメインボードに実装されるか、または印刷回路基板内に内蔵された状態で電子機器のメインボードに実装されて用いられている。
【0033】
(ファン−アウト半導体パッケージ)
図7はファン−アウト半導体パッケージの概略的な形態を示した断面図である。
【0034】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、例えば、半導体チップ2120の外側が封止材2130により保護されており、半導体チップ2120の接続パッド2122が連結部材2140により半導体チップ2120の外側まで再配線される。この際、連結部材2140上にはパッシベーション層2150がさらに形成されることができ、パッシベーション層2150の開口部にはアンダーバンプ金属層2160がさらに形成されることができる。アンダーバンプ金属層2160上には半田ボール2170がさらに形成されることができる。半導体チップ2120は、本体2121、接続パッド2122、パッシベーション膜(不図示)などを含む集積回路(IC)であることができる。連結部材2140は、絶縁層2141と、絶縁層2141上に形成された再配線層2142と、接続パッド2122と再配線層2142などを電気的に連結するビア2143と、を含むことができる。
【0035】
本製造工程では、半導体チップ2120の外側に封止材2130が形成された後、連結部材2140が形成されることができる。この場合、連結部材2140の工程は、半導体チップ2120の接続パッド2122と連結するビア及び再配線層から行われるため、ビア2143は、半導体チップに近いほど小さい幅を有するように形成されることができる(拡大領域参照)。
【0036】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態である。上述のように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップのI/O端子の全てを半導体チップの内側に配置させなければならず、そのため、素子のサイズが小さくなると、ボールのサイズ及びピッチを減少させなければならないため、標準化されたボールレイアウトを用いることができない。これに対し、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態であるため、半導体チップのサイズが小さくなっても標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。したがって、後述のように、電子機器のメインボードに別の印刷回路基板がなくても実装されることができる。
【0037】
図8はファン−アウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0038】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は半田ボール2170などを介して電子機器のメインボード2500に実装されることができる。すなわち、上述のように、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、半導体チップ2120上に半導体チップ2120のサイズを超えるファン−アウト領域まで接続パッド2122を再配線できる連結部材2140を形成するため、標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。その結果、別の印刷回路基板などがなくても電子機器のメインボード2500に実装されることができる。
【0039】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、別の印刷回路基板がなくても電子機器のメインボードに実装されることができるため、印刷回路基板を用いるファン−イン半導体パッケージに比べてその厚さを薄く実現することができて、小型化及び薄型化が可能である。また、熱特性及び電気的特性に優れるため、モバイル製品に特に好適である。また、印刷回路基板(PCB)を用いる一般的なPOP(Package on Package)タイプに比べて、よりコンパクトに実現することができ、反り現象の発生による問題を解決することができる。
【0040】
一方、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップを電子機器のメインボードなどに実装するための、そして外部からの衝撃から半導体チップを保護するためのパッケージ技術を意味するものであり、ファン−イン半導体パッケージが内蔵される印刷回路基板などの印刷回路基板(PCB)を用いる実装方式は、ファン−アウト半導体パッケージに基づく実装方式とはスケール、用途などが異なる。
【0041】
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を詳細に説明する。
【0042】
図9は本発明の一実施形態による半導体パッケージを概略的に示した斜視図である。
図10は
図9の半導体パッケージを示した概略的な断面図であり、
図11は
図10の半導体パッケージをI−I'線に沿って切断して示した平面図である。
【0043】
図9から
図11を参照すると、本実施形態による半導体パッケージ100は、互いに反対に位置した第1面及び第2面を有する連結部材140と、上記連結部材140の第1面に配置され、互いに離隔した第1貫通孔110HA及び第2貫通孔110HBを有するコア部材110と、上記第1貫通孔110HA内に配置された半導体チップ120と、上記第2貫通孔110HB内に配置された複数の受動部品125と、上記コア部材110、上記半導体チップ120、及び上記複数の受動部品125を封止する封止材130と、を含む。
【0044】
上記半導体チップ120は、上記第1貫通孔110HAで連結部材140の再配線層142に連結された接続パッド120Pを含む。上記複数の受動部品125は、上記第2貫通孔110HBで連結部材140の再配線層142に連結された接続端子を含む。本実施形態において、上記第2貫通孔110HBは2つの貫通孔であり、それぞれの第2貫通孔110HBに複数の受動部品125が搭載されることができる。
【0045】
連結部材140の第2面にパッシベーション層150が配置されており、パッシベーション層150の開口部に、再配線層142と電気的に連結されたアンダーバンプ金属層160が配置されることができる。電気連結構造体170はアンダーバンプ金属層160を介して再配線層142と電気的に連結されることができる。
【0046】
近年、モバイル用ディスプレイの大型化に伴い、電池容量の増加の必要性が高まっている。電池容量の増加に伴い、電池が占める面積が大きくなっており、印刷回路基板(PCB)のサイズの縮小が求められている。これに伴う部品の実装面積の減少により、モジュール化に対する関心が益々高まっている。
【0047】
多数の部品を実装する従来の技術としては、COB(Chip on Board)技術が挙げられる。COBは、印刷回路基板上に個別の受動部品と半導体パッケージを表面実装技術(SMT)により実装する方式である。この方式は、価格的な利点はあるが、部品間の最小間隔を維持するために広い実装面積が要求されるだけでなく、部品間の電磁波干渉(EMI)が大きく、半導体チップと受動部品との間の距離が遠いため、電気的なノイズが増加するという問題がある。
【0048】
しかし、本実施形態による半導体パッケージ100では、多数の受動部品125が半導体チップ120とともに一つのパッケージ構造内に配置されることができる。したがって、部品間の間隔を最小化することができ、印刷回路基板などのメインボードにおける実装面積を減少させることができる。また、半導体チップ120と受動部品125との間の電気的経路を最小化することができるため、ノイズの問題を改善することができる。特に、半導体チップ120と多数の受動部品125をそれぞれ第1及び第2貫通孔110HA、110HB内に配置することができる。
【0049】
第2貫通孔110HBの内部表面WBに、電磁波遮蔽要素として第1金属層115aが配置されることができる。また、追加的な遮蔽要素として、コア部材110の上面及び下面に、それぞれ第2及び第3金属層115b、115cが形成されることができる。上記第2及び第3金属層115b、115cは、上記第1金属層115aと連結されて遮蔽要素を構成することができる。このような第1〜第3金属層115a、115b、115cは、コア部材110にめっき工程を行うことで形成されることができる。
【0050】
このように、第2貫通孔110HBでは、第1金属層115aを用いて、多数の受動部品125に対するEMI遮蔽を実現することができる。コア部材110の上面に形成された第2金属層115bはバックサイドビア133を介してバックサイド金属層132と連結されることができ、その結果、半導体チップ120及び多数の受動部品125の上部でのEMIを効果的に遮蔽することができる。
【0051】
これに対し、半導体チップ120に配置される第1貫通孔110HAの内部表面WAには遮蔽構造が形成されず、その代わりに封止材130と直接接触することができる。
【0052】
そのため、電磁波対策に対して相対的に脆弱な構造となり得る。本実施形態のように、第1貫通孔110HAの内部表面WAには遮蔽構造が配置されない理由は、高価の半導体チップ120の収率のために、受動部品125の実装工程が先行されるためである。具体的に、第2貫通孔110HBを形成してから遮蔽構造のためのめっき工程を行うことができるが、これは後続の第1貫通孔110HAの形成後には、追加のめっき工程を行うことが困難であるためである。
【0053】
したがって、半導体チップ120から発生する電磁波に対する対策が脆弱となる恐れがあり、これに対する代案が要求される。
【0054】
その代案として、本実施形態に採用されたコア部材110に電磁バンドギャップ(electromagnetic bandgap:EBG)構造体ESを含む。上記電磁バンドギャップ構造体ESは、繰り返しパターンで配列された複数のEBGセル180を含むことができる。上記電磁バンドギャップ構造体は、微細パターンを用いるフィルター回路で構成された電磁波吸収体であって、電磁波を遮断する遮蔽層(例えば、第1〜第3金属層115a、115b、115c)と区別され得る。
【0055】
本実施形態に採用された電磁バンドギャップ構造体ESは、コア部材110の表面に搭載されるか、または内蔵された形態で実現されることができる。
図10に示されたように、コア部材110の上面及び下面にそれぞれ配置された導体パターン及び/またはビアで構成されることができ、コア部材110に再配線のための配線構造を形成する時に、電磁バンドギャップ構造体ESをともに形成することができる。
【0056】
電磁バンドギャップ構造体ESは様々な形態で実現されることができる。例えば、2層または3層のパターン構造で形成されることができ、電磁バンドギャップ構造体ESを構成するEBGセル180の様々な例と原理を、
図14から
図16bを参照して後述する。
【0057】
図9及び
図10に示されたように、封止材130上にはバックサイド金属層132が配置されることができる。バックサイド金属層132は、封止材130の少なくとも一部を貫通するバックサイドビア133を介して第2金属層115bと連結されることができる。バックサイド金属層132上にはパッシベーション層180が配置されることができる。
【0058】
以下、本実施形態による半導体パッケージ100に含まれるそれぞれの構成について、より詳細に説明する。
【0059】
コア部材110は、具体的な材料に応じて半導体パッケージ100の剛性をより改善させることができ、封止材130の厚さ均一性を確保するなどの役割を担うことができる。コア部材110は、第1及び第2貫通孔110HA、110HBを有する。第1及び第2貫通孔110HA、110HB内には、それぞれ半導体チップ120と複数の受動部品125が配置される。半導体チップ120と複数の受動部品125は、それぞれ第1及び第2貫通孔110HA、110HB内の壁面と所定距離離隔して配置されることができる。必要に応じて変形も可能であり、第1及び第2貫通孔110HA、110HBの個数や形状は、多様に形成されてもよい(
図17aから
図17e参照)。
【0060】
コア部材110の材料は特に限定されず、例えば、絶縁物質を用いることができる。この際、絶縁物質としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらの樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などを用いることができる。必要に応じて、感光性絶縁(Photo Imagable Dielectric:PID)樹脂を用いてもよい。
【0061】
コア部材110の第2貫通孔110HBの内部表面WBには第1金属層115aが配置されており、第1金属層115aは受動部品125を囲むように配置される。コア部材110の上面及び下面にはそれぞれ第2金属層及び第3金属層115b、115cが配置され、第1金属層115aと連結される。このように、第1〜第3金属層115a、115b、115cは、EMI遮蔽構造(特に、受動部品125のための構造)を実現することができる。第1〜第3金属層115a、115b、115cはグランド(GND)パターンに連結されることができる。例えば、第1〜第3金属層115a、115b、115cは、連結部材140の再配線層142のうちグランドパターンと連結されることができる。第1〜第3金属層115a、115b、115cの形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。第1〜第3金属層115a、115b、115cはめっき工程により形成されることができる。
【0062】
図11及び
図12に示されたように、2つの第2貫通孔110HBが上記第1貫通孔110HAを囲むように構成されることもできる。
【0063】
本実施形態に採用されたコア部材110は、その外側を定義する外部側壁構造物110Aと、上記外部側壁構造物110Aから内部空間に延びて、上記内部空間を上記第1及び第2貫通孔110HA、110HBに区分する内部側壁構造物110Bと、を含む。
【0064】
一般に、外部側壁構造物110Aが内部側壁構造物110Bの幅より大きい幅を有するため、外部側壁構造物110Aが電磁バンドギャップ構造体ESの形成において有利である。したがって、上記電磁バンドギャップ構造体ESは、上記内部側壁構造物110Bと連結される上記外部側壁構造物110Aの領域に位置することができる。
【0065】
図13を参照すると、第2貫通孔110HBの内部表面WBに形成された第1金属層115aにより、受動部品から放出される電磁波が遮断されるため、他の貫通孔の受動部品や半導体チップに影響を与えないことが可能である。また、半導体チップ120が配置された第1貫通孔110HAの内部表面WAには金属層が形成されていないため、半導体チップ120から放出された電磁波は、第1内部側壁構造物110B'に吸収されて伝播されてから、電磁バンドギャップ構造体によって吸収されるため、他の部品やパッケージに悪影響を与えない。
【0066】
図11及び
図12を参照すると、上記内部側壁構造物110Bは、上記第1貫通孔110HAを囲む第1内部側壁構造物110B'と、上記第1内部側壁構造物110B'と上記外部側壁構造物110Aとを連結する第2内部側壁構造物110B''と、を含むことができる。
【0067】
すなわち、本実施形態において、電磁バンドギャップ構造体ESは、第2内部側壁構造物110B''に連結される外部側壁構造物110Aの領域に位置することができる。これと異なって、必要に応じて、電磁バンドギャップ構造体ESは、第2内部側壁構造物110B''に位置するように形成されてもよい。
【0068】
コア部材110は、必要に応じて、導体パターン及びビアで構成された配線構造を有することができる。したがって、本実施形態に採用された電磁バンドギャップ構造体ESも、コア部材110に実現される導体パターン及びビアを用いて容易に実現されることができる。例えば、電磁バンドギャップ構造体ESは、コア部材110の上面及び下面にそれぞれ配置された導体パターン及び/またはビアを備えた2層構造を有することができる(
図14及び
図16b参照)。
【0069】
コア部材110を構成する絶縁層が多層で構成され、電磁バンドギャップ構造体ESは多層の導体パターンを有することができる。電磁バンドギャップ構造体ESは様々な形態で実現されることができる。例えば、2層パターン構造の他にも、3層またはそれ以上のパターン構造で形成されてもよく、または、2層パターン構造の電磁バンドギャップ構造体ESが2回以上積層された形態で実現してもよい。
【0070】
コア部材110の配線構造は、連結部材140の再配線層142に比べて厚さが厚いことができる。配線構造が実現されたコア部材110は、パッケージ−オン−パッケージ(PoP)のためのパッケージとして活用されることができる。
【0071】
半導体チップ120は、数百〜数百万個以上の素子が1つのチップ内に集積化されている集積回路(IC:Integrated Circuit)であることができる。この際、集積回路は、例えば、電力管理集積回路(PMIC:Power Management IC)であることができるが、これに限定されるものではない。一方、半導体チップ120は、別のバンプや再配線層が形成されないベア(Bare)状態の集積回路であることができる。集積回路は、活性ウエハーをベースとして形成されることができる。この場合、半導体チップ120の本体を成す母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられることができる。本体には様々な回路が形成されていることができる。接続パッド120Pは、半導体チップ120を他の構成要素と電気的に連結させるためのものであって、その形成物質としては、それぞれアルミニウム(Al)などの導電性物質を特に制限せずに用いることができる。本体上には接続パッド120Pを露出させるパッシベーション膜(不図示)が形成されることができる。パッシベーション膜(不図示)は、酸化膜または窒化膜などであってもよく、または酸化膜と窒化膜の二重層であってもよい。その他の必要な位置に、それぞれ絶縁膜(不図示)などがさらに配置されてもよい。
【0072】
複数の受動部品125は、それぞれ独立して、MLCC(Multi Layer Ceramic Capacitor)、LICC(Low Inductance Chip Capacitor)、インダクタ、ビーズ、その他の種々のフィルターなどであることができる。それぞれの受動部品125は、互いに異なる厚さを有することができる。また、それぞれの受動部品125は、半導体チップ120とも異なる厚さを有することができる。本実施形態による半導体パッケージ100において、受動部品125は、半導体チップ120の厚さ偏差が最小化されるように複数の第2貫通孔110HBに分けて配列してもよい。
【0073】
封止材130は、コア部材110、半導体チップ120、及び多数の受動部品125のそれぞれの少なくとも一部を封止する。また、第1及び第2貫通孔110HA、110HB内のそれぞれの少なくとも一部を満たす。封止材130は絶縁物質を含む。絶縁物質としては、無機フィラー及び絶縁樹脂を含む材料、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらに無機フィラーなどの補強材が含まれた樹脂、具体的に、ABF、FR−4、BT樹脂などを用いることができる。また、EMCなどの公知のモールディング物質を用いてもよいことはいうまでもない。必要に応じて、PIE(Photo Imagable Encapsulant)を用いてもよい。必要に応じて、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などの絶縁樹脂が無機フィラー及び/またはガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された材料を用いてもよい。
【0074】
上述のように、第1貫通孔110HAの壁面には金属層が形成されないため、第1貫通孔110HAの内部表面WAは封止材130と接することができる。この場合、上述のように収率の向上を期待することができる。
【0075】
バックサイド金属層132は封止材130の上部を覆うことができる。バックサイド金属層132はプレート(plate)状であることができる。バックサイド金属層132は、封止材130の少なくとも一部を貫通するバックサイドビア133を介して第2金属層115bと連結されることができる。バックサイド金属層132もグランドとして用いられることができる。バックサイド金属層132とバックサイドビア133の形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。バックサイド金属層132とバックサイドビア133は、めっき工程により形成されることができる。
【0076】
連結部材140は、半導体チップ120の接続パッド120Pを拡張して再配線させ、また、半導体チップ120と受動部品125を電気的に連結することができる。連結部材140により、様々な機能を有する数十〜数百万個の半導体チップ120の接続パッド120Pがそれぞれ再配線されることができ、電気連結構造体170を介して、その機能に応じて外部と物理的及び/または電気的に連結されることができる。連結部材140は、絶縁層141と、絶縁層141上に配置された再配線層142と、絶縁層141を貫通して再配線層142間を連結するビア143と、を含む。連結部材140は単層で構成されてもよく、図に示された数より多数の層に設計されてもよい。
【0077】
絶縁層141の物質としては絶縁物質を用いることができる。この際、絶縁物質としては、上述のような絶縁物質の他にも、PID樹脂などの感光性絶縁物質を用いることもできる。すなわち、絶縁層141は感光性絶縁層であることができる。絶縁層141が感光性の性質を有する場合、絶縁層141をより薄く形成することができ、ビア143のファインピッチをより容易に達成することができる。絶縁層141は、絶縁樹脂及び無機フィラーを含む感光性絶縁層であることができる。絶縁層141が多層である場合、それらの物質は互いに同一であってもよく、必要に応じて互いに異なってもよい。絶縁層141が多層である場合、これらは工程によって一体化され、その境界が不明確であってもよい。
【0078】
再配線層142は、実質的に接続パッド120Pを再配線する役割を担うことができる。例えば、再配線層142は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含むことができる。再配線層142は、該当層の設計デザインに応じて様々な機能を担うことができる。例えば、グランド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グランド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、ビアパッド、接続端子パッドなどを含むことができる。
【0079】
ビア143は、互いに異なる層に形成された再配線層142、配線層134b、接続パッド120Pなどを電気的に連結させ、その結果、半導体パッケージ100内に電気的経路を再構成することができる。例えば、ビア143は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含むことができる。ビア143は導電性物質で完全に充填されることができる。また、ビア143は、テーパ状、円筒状などの様々な形状を有することができる。
【0080】
連結部材140は、半導体チップ120の活性面上に配置される放熱構造143Bを含むことができる。放熱構造143Bはスタックビアの形態であることができるが、これに限定されるものではない。放熱構造143Bは、電気連結構造体170を介してメインボードに連結され、半導体チップ120から発生する熱を効果的に放出させることができる。
【0081】
連結部材140は再配線層142を囲む遮蔽構造143Sを含むことができる。遮蔽構造143Sは連結部材140の縁に沿って形成されることができる。遮蔽構造143Sはスタックビアを有することができるが、これに限定されるものではない。遮蔽構造143Sは第3金属層115cと連結されることができるが、これに限定されるものではない。遮蔽構造143Sにより、再配線層142から発生するEMIや外部から再配線層142に流入されるEMIも、効果的に遮断することができる。
【0082】
パッシベーション層150は、連結部材140を外部からの物理的、化学的損傷などから保護することができる。パッシベーション層150は、連結部材140の再配線層142の少なくとも一部を露出させる開口部を有することができる。このような開口部は、パッシベーション層150に数十〜数千個が形成されることができる。パッシベーション層150は、絶縁樹脂及び無機フィラーを含む一方で、ガラス繊維は含まくてもよい。例えば、パッシベーション層150はABFであることができるが、これに限定されるものではない。
【0083】
アンダーバンプ金属層160は電気連結構造体170の接続信頼性を向上させ、その結果、半導体パッケージ100のボードレベル信頼性を改善する。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150の開口部を介して露出する連結部材140の再配線層142と連結される。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150の開口部に公知の導電性物質、すなわち、金属を用いて公知のメタル化(Metallization)方法により形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0084】
電気連結構造体170は、半導体パッケージ100を外部と物理的及び/または電気的に連結させるための付加的な構成である。例えば、半導体パッケージ100は電気連結構造体170を介して電子機器のメインボードに実装されることができる。電気連結構造体170は、導電性物質、例えば、半田(solder)などで形成されることができる。電気連結構造体170は、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)などであることができる。電気連結構造体170は多重層または単一層からなることができる。多重層からなる場合には、銅ピラー(pillar)及び半田を含むことができ、単一層からなる場合には、スズ−銀半田や銅を含むことができるが、これに限定されるものではない。電気連結構造体170の数、間隔、配置形態などは特に限定されない。例えば、電気連結構造体170の数は、接続パッド120Pの数に応じて数十〜数千個であることができ、それ以上またはそれ以下の数を有してもよい。
【0085】
電気連結構造体170の少なくとも一部はファン−アウト領域に配置されることができる。「ファン−アウト(fan−out)」領域とは、半導体チップ120が配置されている領域を超えた領域を意味する。ファン−アウトパッケージは、ファン−イン(fan−in)パッケージに比べて優れた信頼性を有し、多数のI/O端子が実現可能であって、3D接続(3D interconnection)が容易である。また、BGA(ball Grid Array)パッケージ、LGA(Land Grid Array)パッケージなどに比べて、パッケージの厚さを薄く製造することができる。
【0086】
パッシベーション層180は、バックサイド金属層132を外部の物理的、化学的損傷などから保護することができる。パッシベーション層180は、絶縁樹脂及び無機フィラーを含み、且つガラス繊維は含まないことができる。例えば、パッシベーション層180はABFであることができるが、これに限定されるものではない。
【0087】
以下、本実施形態に採用されるコア部材110に実現可能なEBG構造体ESの様々な例を説明する。
【0088】
図14は本発明の一実施形態に採用可能な電磁バンドギャップ構造体を構成するEBGセルの一例を示し、
図15は
図14のEBGセルの等価回路図である。
【0089】
図14を参照すると、本実施形態によるEBGセル280Aは、スティッチングビアタイプ(stitching via type)であって、第1レベルに配置された第1導体パターン210aと、第1レベルと異なる第2レベルに配置された一対の第2導体パターン230a−1、230a−2と、スティッチングビア部240aと、を含む。スティッチングビア部240aは、第1導体パターン210aが配置された平面を経由して一対の第2導体パターン230a−1、230a−2にそれぞれ連結され、且つ第1導体パターン210aとは電気的に分離される。
【0090】
図14に示されたEBGセルは、特定の周波数帯の信号を遮蔽する電磁バンドギャップ構造物として機能することができる。具体的に、第1導体パターン210aと一対の第2導体パターン230a−1、230a−2との間には誘電層220aが介在されており、これにより、第1導体パターン210aと一対の第2導体パターン230a−1、230a−2との間、及び隣合う一対の第2導体パターン230a−1、230a−2の間に形成されるキャパシタンス(capacitance)成分が存在する。ここで、誘電層220aはコア部材110を構成する絶縁層であることができる。
【0091】
また、スティッチングビア部240aでは、隣合う一対の第2導体パターン230a−1、230a−2の間に、第1ビア241a、連結パターン243a、第2ビア242aを経由するインダクタンス(inductance)成分も存在するようになる。この際、キャパシタンス成分は、第1導体パターン210aと一対の第2導体パターン230a−1、230a−2との間、及び隣合う一対の導体パターン230a−1、230a−2の間の離隔間隔、誘電層220aを構成する誘電物質の誘電率、導体パターンの大きさ、形状、面積などのようなファクターによってその値が変わり得る。インダクタンス成分も、第1ビア241a、第2ビア242a、及び連結パターン243aの形状、長さ、厚さ、幅、断面積などのようなファクターによってその値が変わり得る。
【0092】
したがって、上述の様々なファクターを適宜調整、設計すると、
図14に示された構造物を、目的周波数帯の特定信号または特定ノイズの除去または遮蔽のためのEBGセルとして活用することができる。すなわち、帯域阻止フィルター(band stop filter)として作用することができる。
【0093】
例えば、
図9から
図13に示された半導体パッケージの場合、第1導体パターン210aはコア部材110の第1レベル(例えば、下面)に配置され、一対の第2導体パターン230a−1、230a−2は上記コア部材の第2レベル(例えば、上面)に配置されることができる。スティッチングビア部240aはコア部材を貫通するビアであることができる。
【0094】
以下、このような作用を、
図15の等価回路図を参照して説明する。
【0095】
図15を参照すると、インダクタンス成分であるL1は第1ビア241aに該当し、インダクタンス成分であるL2は第2ビア242aに該当し、インダクタンス成分であるL3は連結パターン243aに該当する。C1は、一対の第2導体パターン230a−1、230a−2とその上部に位置すべき他の任意の誘電層、及び第1導体パターン210aによるキャパシタンス成分であり、C2及びC3は、連結パターン243aを基準としてそれと同一レベルに位置した第1導体パターン210aとその下部に位置すべき他の任意の誘電層、及び第1導体パターン210aによるキャパシタンス成分である。
【0096】
このような等価回路図に従って、
図14のEBGセル280Aは特定の周波数帯の信号を遮蔽する帯域阻止フィルターとしての機能を担う。すなわち、
図15に示されたように、低周波数帯の信号(参照符号(x)参照)及び高周波数帯の信号(参照符号(y)参照)は電磁バンドギャップ構造物を通過し、その中間の特定の周波数帯の信号(参照符号(z1)、(z2)、(z3)参照)はEBGセルによって遮蔽されることができる。
【0097】
EBG構造体の他の実施形態は、2層構造の例としてコプレーナタイプのEBG280B、及び3層構造の例としてマッシュルームタイプのEBG(Mushroom type EBG)280Cを含む。
【0098】
本形態によるコプレーナEBG280Bとしては、電源層または接地層として機能すべきの何れか1つの金属層の全体にわたって、特定パターンの複数(例えば、4つ)のEBGセルが繰り返して配置された構造を例示している。
【0099】
図16aを参照すると、コプレーナEBG280Bは、任意の一金属層210dと異なる平面に位置する複数の金属板221dとが、特定の一部分(例えば、各金属板の角の先端)を介して金属ブランチ(metal branch)222dによって互いにブリッジ(bridge)連結される形態を有する。
【0100】
この際、広い面積を有する金属板221dが低インピーダンス領域を構成し、狭い面積を有する金属ブランチ222dが高インピーダンス領域を構成するようになる。したがって、コプレーナEBG280Bは、低インピーダンス領域と高インピーダンス領域が繰り返して交互に形成される構造により、特定の周波数帯のノイズを遮蔽させることができる帯域阻止フィルターとしての機能を担うことができる。
【0101】
このようなコプレーナEBG280Bの構造は、2層構造でも電磁バンドギャップ構造を構成することができるという利点があり、
図14に示されたEBGセル280Aと類似してコア部材110に実現されることができる。
【0102】
図16bを参照すると、マッシュルームEBG280Cは、例えば、電源層(power layer)と接地層(ground layer)として機能すべき2つの金属層210c、220cの間にマッシュルーム状の複数(例えば、4つ)のEBGセルが挿入された構造を有する。
【0103】
マッシュルームEBG280Cは、それぞれ接地層及び電源層の何れか1つ及び他の1つの層として機能する第1金属層210cと第2金属層220cとの間に金属板231cをさらに形成し、第1金属層210cと金属板231cとをビア232cで連結したマッシュルーム状構造物230cを繰り返して配置した形態を有することができる。
【0104】
この際、第1金属層210cと金属板231cとの間には第1誘電層215cが、金属板231cと第2金属層220cとの間には第2誘電層225cが介在されることができる。このようなマッシュルームEBG280Cは、第2金属層220c、第2誘電層225c、及び金属板231cによって形成されるキャパシタンス成分と、第1誘電層215cを貫通して第1金属層210cと金属板231cとを連結するビア232cによって形成されるインダクタンス成分が、第1金属層210cと第2金属層220cとの間でL−C直列連結された状態を有することで、一種の帯域阻止フィルター(band stop filter)としての機能を担うことができる。
【0105】
本実施形態による半導体パッケージに採用され得るコア部材は様々な構造を有することができ、これによって、電磁バンドギャップ構造体の様々な配列を有することができる。
【0106】
先ず、上述の実施形態のように、半導体チップを配置する第1貫通孔が略中央に配置され、複数の第2貫通孔が上記第1貫通孔を囲むように配列されることができ、このような形態でも様々な構造(
図17a〜
図17e参照)を有することができるが、これに限定されるものではないことはいうまでもない。
【0107】
様々な実施形態に採用されたコア部材110は、共通して、その外側を定義する外部側壁構造物110Aと、第1貫通孔110HAを囲む第1内部側壁構造物110B'と、上記第1内部側壁構造物110B'から上記外部側壁構造物110Aに連結された第2内部側壁構造物110B''と、を含む。上記第2内部側壁構造物110B''は、第2貫通孔110HBの大きさと形状を多様に定義することができる。様々な構造のコア部材において、電磁バンドギャップ(EBG)構造体の様々な配列を有することができる。
【0108】
図17aから
図17eは本発明の一実施形態による半導体パッケージのコア部材の様々な例を示す平面図である。
【0109】
図17aを参照すると、コア部材110は、実質的に中央に位置した第1貫通孔110HA及び2つの第2貫通孔110HBを有することができる。2つの第2貫通孔110HBは、第1貫通孔110HAを基準としてその上下に位置し、互いに同一の大きさ及び形状を有するように、2つの第2内部側壁構造物110B''が形成されることができる。受動部品が実装される第2貫通孔110HBの内部表面には第1金属層115aが形成され、第1貫通孔110HAの内部表面には金属層が形成されない。ここで、2つの電磁バンドギャップ構造体ESは、第2内部側壁構造物110B''に連結される外部側壁構造物110Aの2つの領域にそれぞれ配置されることができる。
【0110】
図17bを参照すると、コア部材110は、実質的に中央に位置した第1貫通孔110HA及び4つの第2貫通孔110HBを有することができる。4つの第2貫通孔110HBは、第1貫通孔110HAを基準として各コーナーに位置し、互いに同一の大きさ及び形状を有するように、4つの第2内部側壁構造物110B''が形成されることができる。受動部品が実装される第2貫通孔110HBの内部表面には第1金属層115aが形成され、第1貫通孔110HAの内部表面には金属層が形成されない。ここで、4つの電磁バンドギャップ構造体ESは、第2内部側壁構造物110B''に連結される外部側壁構造物110Aの4つの領域にそれぞれ配置されることができる。
【0111】
図17cを参照すると、コア部材110は、実質的に中央に位置した第1貫通孔110HA及び2つの第2貫通孔110HBを有することができる。2つの第2貫通孔110HBは、第1貫通孔110HAを基準として上下に位置し、互いに異なる大きさ及び形状を有するように、2つの第2内部側壁構造物110B''が形成されることができる。受動部品が実装される第2貫通孔110HBの内部表面には第1金属層115aが形成され、第1貫通孔110HAの内部表面には金属層が形成されない。上述の例と異なって、この例に導入された電磁バンドギャップ構造体ESは、第1内部側壁構造物110B'に連結された第2内部側壁構造物110B''の2つの領域にそれぞれ配置されることができる。
【0112】
図17dを参照すると、コア部材110は、実質的に中央に位置した第1貫通孔110HA及び2つの第2貫通孔110HBを有することができる。2つの第2貫通孔110HBは、第1貫通孔110HAを基準として上下に位置し、その形状が対角線方向に対称構造となるように、2つの第2内部側壁構造物110B''が形成されることができる。受動部品が実装される第2貫通孔110HBの内部表面には第1金属層115aが形成され、第1貫通孔110HAの内部表面には金属層が形成されない。
【0113】
図17a及び
図17bに示された例と類似して、2つの第1電磁バンドギャップ構造体ES1は、第2内部側壁構造物110B''に連結された外部側壁構造物110Aの2つの領域にそれぞれ配置されることができる。一方、
図17cに示された例と異なって、2つの第2電磁バンドギャップ構造体ES2は、第1内部側壁構造物110B'に連結された第2内部側壁構造物110B''の2つの領域にそれぞれ配置されることができる。この例では、第1電磁バンドギャップ構造体ES1と第2電磁バンドギャップ構造体ES2の二重の電子吸収構造を用いて、より向上した電磁波吸収作用を実現することができる。
【0114】
図17eを参照すると、コア部材110は、実質的に中央に位置した第1貫通孔110HA及び4つの第2貫通孔110HBを有することができる。4つの第2貫通孔110HBは、第1貫通孔110HAを基準として上下対称及び左右対称にそれぞれ同一の形状を有するように、4つの第2内部側壁構造物110B''が形成されることができる。受動部品が実装される第2貫通孔110HBの内部表面には第1金属層115aが形成され、第1貫通孔110HAの内部表面には金属層が形成されない。
【0115】
上述の例と類似して、4つの第1電磁バンドギャップ構造体ES1は、第2内部側壁構造物110B''に連結された外部側壁構造物110Aの4つの領域にそれぞれ配置され、4つの第2電磁バンドギャップ構造体ES2は、第1内部側壁構造物110B'に連結された第2内部側壁構造物110B''の4つの領域にそれぞれ配置されることができる。この例でも、第1電磁バンドギャップ構造体ES1と第2電磁バンドギャップ構造体ES2の二重の電子吸収構造を用いて、より向上した電磁波吸収作用を実現することができる。
【0116】
本発明において、「下側、下部、下面」などは、図面の断面を基準にファン−アウト半導体パッケージの実装面に向かう方向を意味し、「上側、上部、上面」などは、その反対方向を意味する。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したもので、特許請求の範囲が上記方向に係る記載によって特に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0117】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。