【解決手段】本発明による一実施形態は、キャビティを有し、互いに反対方向に位置する第1面及び第2面を連結する配線構造を含む支持部材と、上記支持部材の第2面に配置され、上記配線構造と連結された第1再配線層を含む連結部材と、上記キャビティ内で上記連結部材上に配置され、上記第1再配線層に連結された接続パッドを有する半導体チップと、上記キャビティに位置する半導体チップを封止し、且つ上記支持部材の第1面を覆う封止材と、上記封止材に埋め込まれ、表面が露出した配線パターン、及び上記封止材を貫通して上記配線構造と上記配線パターンを連結する連結用ビアを有する第2再配線層と、を含む半導体パッケージを提供する。
前記第2再配線層は、前記絶縁層と前記封止材を貫通し、前記第1及び第2配線パターンと前記配線構造に連結される第1連結用ビアを含む、請求項7に記載の半導体パッケージ。
前記第2再配線層は、前記絶縁層を貫通して前記第1配線パターンと前記第2配線パターンを連結する層間ビアを含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の半導体パッケージ。
前記封止材を硬化させる前に、前記上部配線パターンを前記封止材の上面に積層する段階を行うことにより、前記上部配線パターンが前記封止材に埋め込まれるようにする、請求項19に記載の半導体パッケージの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0011】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0012】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/または電気的に連結されている。これらは、後述する他の部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0013】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリー(例えば、DRAM)、不揮発性メモリー(例えば、ROM)、フラッシュメモリーなどのメモリーチップ;セントラルプロセッサー(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサー(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサー、暗号化プロセッサー、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラーなどのアプリケーションプロセッサーチップ;アナログ−デジタルコンバーター、ASIC(application−specific IC)などのロジッグチップなどが含まれるが、これに限定されるものではなく、以外にも、その他の形態のチップ関連部品が含まれ得ることはいうまでもない。また、これら部品1020が互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0014】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びその後のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これに限定されるものではなく、以外にも、その他の多数の無線または有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030が、チップ関連部品1020とともに互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0015】
その他の部品1040としては、高周波インダクター、フェライトインダクター、パワーインダクター、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co−Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター、MLCC(Multi−Layer Ceramic Condenser)などが含まれるが、これに限定されるものではなく、以外にも、その他の様々な用途のために用いられる受動部品などが含まれ得る。また、その他の部品1040が、チップ関連部品1020及び/またはネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わされてもよいことはいうまでもない。
【0016】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/または電気的に連結されているか連結されていない他の部品を含むことができる。他の部品としては、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、電池1080、オーディオコーデック(不図示)、ビデオコーデック(不図示)、電力増幅器(不図示)、羅針盤(不図示)、加速度計(不図示)、ジャイロスコープ(不図示)、スピーカー(不図示)、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)(不図示)、CD(compact disk)(不図示)、及びDVD(digital versatile disk)(不図示)などが挙げられる。但し、これに限定されるものではなく、以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の部品などが含まれ得ることはいうまでもない。
【0017】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピューター(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモチーブ(Automotive)などであることができる。但し、これに限定されるものではなく、以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことはいうまでもない。
【0018】
図2は電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0019】
図面を参照すると、半導体パッケージは、上述のような種々の電子機器に様々な用途に適用される。例えば、スマートフォン1100の本体1101の内部にはメインボード1110が収容されており、メインボード1110には種々の部品1120が物理的及び/または電気的に連結されている。また、カメラ1130のように、メインボード1110に物理的及び/または電気的に連結されているか連結されていない他の部品が本体1101内に収容されている。部品1120の一部はチップ関連部品であることができ、半導体パッケージ100は、例えば、そのうちアプリケーションプロセッサーであることができるが、これに限定されるものではない。電子機器が必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述のように、他の電子機器であってもよいことはいうまでもない。
【0020】
半導体パッケージ
一般に、半導体チップは、数多くの微細電気回路が集積されているが、それ自体が半導体完成品としての役割を果たすことはできず、外部の物理的または化学的衝撃により損傷する可能性がある。したがって、半導体チップ自体をそのまま用いるのではなく、半導体チップをパッケージングして、パッケージ状態で電子機器などに用いている。
【0021】
半導体パッケージングが必要な理由は、電気的連結という観点から、半導体チップと電子機器のメインボードの回路幅が異なるためである。具体的には、半導体チップは、接続パッドのサイズ及び接続パッド間の間隔が非常に微細であるのに対し、電子機器に用いられるメインボードは、部品実装パッドのサイズ及び部品実装パッド間の間隔が半導体チップのスケールより著しく大きい。したがって、半導体チップをこのようなメインボード上にそのまま取り付けることは困難であり、相互間の回路幅の差を緩和することができるパッケージング技術が要求される。
【0022】
かかるパッケージング技術により製造される半導体パッケージは、構造及び用途によって、ファン−イン半導体パッケージ(Fan−in semiconductor package)とファン−アウト半導体パッケージ(Fan−out semiconductor package)とに区分され得る。
【0023】
以下では、図面を参照して、ファン−イン半導体パッケージとファン−アウト半導体パッケージについてより詳細に説明する。
【0024】
(ファン−イン半導体パッケージ)
図3はファン−イン半導体パッケージのパッケージング前後を概略的に示した断面図であり、
図4はファン−イン半導体パッケージのパッケージング過程を概略的に示した断面図である。
【0025】
図面を参照すると、半導体チップ2220は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などを含む本体2221と、本体2221の一面上に形成された、アルミニウム(Al)などの導電性物質を含む接続パッド2222と、本体2221の一面上に形成され、接続パッド2222の少なくとも一部を覆う酸化膜または窒化膜などのパッシベーション膜2223と、を含む、例えば、ベア(Bare)状態の集積回路(IC)であることができる。この際、接続パッド2222が非常に小さいため、集積回路(IC)は、電子機器のメインボードなどはいうまでもなく、中間レベルの印刷回路基板(PCB)にも実装されにくい。
【0026】
そのため、接続パッド2222を再配線するために、半導体チップ2220上に半導体チップ2220のサイズに応じて連結部材2240を形成する。連結部材2240は、半導体チップ2220上に感光性絶縁樹脂(PID)などの絶縁物質で絶縁層2241を形成し、接続パッド2222をオープンさせるビアホール2243hを形成した後、配線パターン2242及びビア2243を形成することで形成することができる。その後、連結部材2240を保護するパッシベーション層2250を形成し、開口部2251を形成した後、アンダーバンプ金属層2260などを形成する。すなわち、一連の過程を経て、例えば、半導体チップ2220、連結部材2240、パッシベーション層2250、及びアンダーバンプ金属層2260を含むファン−イン半導体パッケージ2200が製造される。
【0027】
このように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップの接続パッド、例えば、I/O(Input/Output)端子の全てを素子の内側に配置したパッケージ形態である。ファン−イン半導体パッケージは、電気的特性に優れており、安価で生産することができる。したがって、スマートフォンに内蔵される多くの素子がファン−イン半導体パッケージの形態で製作されており、具体的には、小型で、且つ速い信号伝達を実現するように開発が行われている。
【0028】
しかしながら、ファン−イン半導体パッケージは、I/O端子の全てを半導体チップの内側に配置しなければならないため、空間的な制約が多い。したがって、このような構造は、多数のI/O端子を有する半導体チップや、サイズが小さい半導体チップに適用するには困難な点がある。また、このような欠点により、電子機器のメインボードにファン−イン半導体パッケージを直接実装して用いることができない。再配線工程により半導体チップのI/O端子のサイズ及び間隔を拡大したとしても、電子機器のメインボードに直接実装可能な程度のサイズ及び間隔まで拡大することができるわけではないためである。
【0029】
図5はファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板上に実装され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図であり、
図6はファン−イン半導体パッケージがインターポーザ基板内に内蔵され、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0030】
図面を参照すると、ファン−イン半導体パッケージ2200は、半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子がインターポーザ基板2301によりさらに再配線され、最終的には、インターポーザ基板2301上にファン−イン半導体パッケージ2200が実装された状態で電子機器のメインボード2500に実装されることができる。この際、半田ボール2270などはアンダーフィル樹脂2280などにより固定されることができ、外側は封止材2290などで覆われることができる。または、ファン−イン半導体パッケージ2200は、別のインターポーザ基板2302内に内蔵(Embedded)されてもよく、内蔵された状態で、インターポーザ基板2302により半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子がさらに再配線され、最終的に電子機器のメインボード2500に実装されることができる。
【0031】
このように、ファン−イン半導体パッケージは電子機器のメインボードに直接実装されて用いられることが困難であるため、別のインターポーザ基板上に実装された後、さらにパッケージング工程を経て電子機器のメインボードに実装されるか、またはインターポーザ基板内に内蔵された状態で電子機器のメインボードに実装されて用いられている。
【0032】
(ファン−アウト半導体パッケージ)
図7はファン−アウト半導体パッケージの概略的な形態を示した断面図である。
【0033】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、例えば、半導体チップ2120の外側が封止材2130により保護されており、半導体チップ2120の接続パッド2122が連結部材2140により半導体チップ2120の外側まで再配線される。この際、連結部材2140上にはパッシベーション層2150がさらに形成されることができ、パッシベーション層2150の開口部にはアンダーバンプ金属層2160がさらに形成されることができる。アンダーバンプ金属層2160上には半田ボール2170がさらに形成されることができる。半導体チップ2120は、本体2121、接続パッド2122、パッシベーション膜(不図示)などを含む集積回路(IC)であることができる。連結部材2140は、絶縁層2141と、絶縁層2141上に形成された再配線層2142と、接続パッド2122と再配線層2142などを電気的に連結するビア2143と、を含むことができる。
【0034】
本製造工程では、半導体チップ2120の外側に封止材2130を形成した後、連結部材2140を形成することができる。この場合、連結部材2140を形成する工程は、半導体チップ2120の接続パッド2122と連結されるビア及び再配線層を形成する工程から行われるため、ビア2143は、半導体チップに近いほど小さい幅を有するように形成されることができる(拡大領域参照)。
【0035】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態である。上述のように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップのI/O端子の全てを半導体チップの内側に配置させなければならず、そのため、素子のサイズが小さくなると、ボールのサイズ及びピッチを減少させなければならないため、標準化されたボールレイアウトを用いることができない。これに対し、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態であるため、半導体チップのサイズが小さくなっても標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。したがって、後述のように、電子機器のメインボードに別のインターポーザ基板がなくても実装されることができる。
【0036】
図8はファン−アウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0037】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は半田ボール2170などを介して電子機器のメインボード2500に実装されることができる。すなわち、上述のように、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、半導体チップ2120上に半導体チップ2120のサイズを超えるファン−アウト領域まで接続パッド2122を再配線できる連結部材2140を形成するため、標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。その結果、別のインターポーザ基板などがなくても電子機器のメインボード2500に実装されることができる。
【0038】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、別のインターポーザ基板がなくても電子機器のメインボードに実装されることができるため、インターポーザ基板を用いるファン−イン半導体パッケージに比べてその厚さを薄く実現することができ、小型化及び薄型化が可能である。また、熱特性及び電気的特性に優れるため、モバイル製品に特に好適である。また、印刷回路基板(PCB)を用いる一般的なPOP(Package on Package)タイプに比べて、よりコンパクトに実現することができ、反り現象の発生による問題を解決することができる。
【0039】
一方、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップを電子機器のメインボードなどに実装するための、そして外部の衝撃から半導体チップを保護するためのパッケージ技術を意味するものである。他方、ファン−イン半導体パッケージが内蔵されるインターポーザ基板などの印刷回路基板(PCB)を用いる実装方式は、ファン−アウト半導体パッケージに基づく実装方式とはスケール、用途などが異なる実装方式である。
【0040】
以下では、封止材の表面に埋め込まれた再配線層を有するファン−アウト半導体パッケージについて添付図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
図9は本発明の一実施形態によるファン−アウト半導体パッケージを示す側断面図である。また、
図10a及び
図10bは
図9に示されたファン−アウト半導体パッケージの平面図(「T」方向視における平面)及び底面図(「B」方向視における底面)である。
【0042】
図9を参照すると、本実施形態によるファン−アウト半導体パッケージ100は、キャビティ110Xを有し、互いに反対方向に位置する第1面及び第2面110A、110Bを有する支持部材110と、上記キャビティ110X内に配置された半導体チップ120と、上記支持部材110の第2面110B及び上記半導体チップ120の下部に配置された連結部材150と、上記キャビティ110Xに位置する半導体チップ120を封止し、且つ上記支持部材110の第1面110Aを覆う封止材140と、を含む。
【0043】
上記支持部材110は、第1面110Aと第2面110Bを連結する配線構造130を含む。本実施形態において、上記配線構造130は、上記支持部材110の第1面110A及び第2面110Bにそれぞれ配置された第1及び第2上部パターン131a、131b及び第1及び第2下部パターン132a、132bと、第1及び第2上部パターン131a、131bと第1及び第2下部パターン132a、132bを連結する第1及び第2貫通ビア133a、133bと、を含むことができる。
【0044】
上記連結部材150は、絶縁層151と、上記絶縁層151上に形成された第1再配線層155と、を含む。上記第1再配線層155は、上記支持部材110の配線構造130及び半導体チップ120の接続パッド120Pに接続されることができる。
【0045】
本実施形態において、上記第1再配線層155は、第1絶縁層151a上に配置された第1配線パターン152aと、第2絶縁層151b上に配置された第2配線パターン152bと、を含むことができる。上記第1配線パターン152aは、第1絶縁層151aに形成された第1ビア153aを介して半導体チップ120の接続パッド120P及び配線構造130の第1及び第2下部パターン132a、132bに連結されることができる。これと類似に、上記第2配線パターン152bは、第2絶縁層151bに形成された第2ビア153bを介して上記第1配線パターン152aに連結されることができる。
【0046】
本実施形態によるファン−アウト半導体パッケージ100は、その表面の一部が露出するように上記封止材140に埋め込まれた第2再配線層160を含む。上記第2再配線層160は、上記支持部材110の配線構造130を介して第1再配線層155と連結されることができる。
【0047】
本実施形態において、上記第2再配線層160は、上記封止材140に埋め込まれ、一表面が露出した配線パターン162a、162bと、上記封止材140を貫通して上記配線パターン162a、162bをそれぞれ上記配線構造130に連結する連結用ビア163と、を含むことができる。
【0048】
本実施形態に採用された第2再配線層160の構造は、
図11a及び
図11bを参照してより詳細に説明される。
図11a及び
図11bは、それぞれ
図9に示されたファン−アウト半導体パッケージのA領域を拡大して示す断面図及び部分平面図である。
【0049】
図11a及び
図11bを参照すると、配線パターン162bは、一表面が露出するように上記封止材140に埋め込まれている。配線パターン162bの露出した表面は、封止材140の表面と実質的に共平面を有することができるが、これに限定されるものではない。例えば、配線パターン162bの露出した表面が、封止材140の表面よりもやや高く位置してもよく、さらには、少なくとも一部領域(例えば、パッド領域)が露出するように封止材140の表面よりも低く位置してもよい。
【0050】
上記連結用ビア163は、上記配線パターン162bを経て配線構造の上部パターン131bに接続される。
図11bに示されたように、上記配線パターン162bはリング(ring)状などの連結領域Rを有することができる。連結用ビア163は配線パターン162bが提供された後に形成された構造であることができる。この場合、連結用ビア163は、配線パターン162bの孔を有する連結領域Rを用いて容易に形成されることができる(
図13b参照)。本実施形態に採用された連結用ビア163は配線パターン162bと異なる工程(めっき工程)により形成されるため、連結用ビア163と配線パターン162bとの間で、結晶粒界(grain boundary)のような界面が観察され得る。
【0051】
上記連結用ビア163は、上記配線構造130に接する領域の幅に比べて、上記配線パターン162a、162bに接する領域の幅が大きければよい。上記連結用ビア163の上面163Tは、その中央部がリセス領域を有することができる。本実施形態において、第2再配線層160を構成する他の配線パターン162a及び他の連結用ビア163も、これと類似の構造を有することができる。
【0052】
このような第2再配線層160を用いることにより、本実施形態によるファン−アウト半導体パッケージ100の上部に配置されるべき他の半導体チップ/パッケージの接続端子の配列に対応する複数の第1及び第2パッドP1、P2の配列を提供することができる。
【0053】
具体的には、上記第2再配線層160が形成された封止材140の表面には第1パッシベーション層171が形成される。上記第1パッシベーション層171は複数の第1及び第2パッドP1、P2の領域を定義する第1開口O1を有する。第1開口O1は、上部に配置されるべき他の半導体チップ/パッケージの接続端子の配列に対応して形成される。
【0054】
複数の第1及び第2パッドP1、P2は
図10aに示されたように配列されることができる。本実施形態に採用された配線パターン162a、162bは、再配線位置に応じてファン−イン配線パターン162aとファン−アウト配線パターン162bとに区分されることができる。ファン−イン配線パターン162aによって提供される第1パッドP1は、上記半導体チップ120と重ならない領域、すなわち、ファン−アウト領域にそのまま位置し、ファン−アウト配線パターン162bによって提供される第2パッドP2は、上記半導体チップ120と重なる領域、すなわち、ファン−イン領域に位置することができる。
【0055】
本実施形態に採用された第2再配線層160は単層構造を有するように例示されているが、2層以上の多層構造で実現されてもよい。これは、
図19を参照して詳細に説明する。
【0056】
以下、本実施形態によるファン−アウト半導体パッケージ100に含まれるそれぞれの構成についてより詳細に説明する。
【0057】
上記支持部材110は、ファン−アウト半導体パッケージ100の剛性を維持させることができる。上記支持部材110のキャビティ110X内に半導体チップ120が配置され、封止材140によって半導体チップ120が固定されることができる。上記支持部材110は、ファン−アウト半導体パッケージ100に拡張されたルーティング領域を提供し、ファン−アウト半導体パッケージ100の設計自由度を向上させることができる。本実施形態に採用された支持部材110の配線構造130は例示に過ぎず、様々な形態に変更されて実現され得る。例えば、上記配線構造130は、支持部材110の中間レベルに位置する一つ以上のパターンをさらに含むことができる。例えば、このようなパターンとしては、再配線のためのパターンの他にも、グラウンド(GND)パターン、パワー(PWR)パターン、信号(signal)パターンを含むことができる。このような配線構造130は、半導体チップ120を配置する前に予め形成することで、半導体チップ120による収率低下の問題を低減することができる。
【0058】
上記支持部材110としては絶縁物質を用いることができ、絶縁物質としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはガラス繊維及び/または無機フィラーなどの補強材が含浸された樹脂を含むことができ、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂などを用いることができる。または、PID(Photo Imageable Dielectric)樹脂などの感光性絶縁材料を用いることもできる。他の例としては、剛性及び熱伝導度に優れた金属(metal)を用いることができるが、この際、金属としては、Fe−Ni系合金を用いることができる。ここで、封止材及び他の層間絶縁材料などとの接着力を確保するために、Fe−Ni系合金の表面にCuめっきを形成してもよい。これに限定されないが、上記支持部材110は、ガラス(glass)、セラミック(ceramic)、プラスチック(plastic)などで形成されることができる。一方、これに限定されないが、上記配線構造130は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金などの導電性物質を含むことができる。
【0059】
上記連結部材150は、基本的に、半導体チップ120の接続パッド120Pを再配線するための構成である。連結部材150により、様々な機能を有する数十〜数百の接続パッド120Pが再配線されることができ、接続端子175を介して外部装置に物理的及び/または電気的に連結されることができる。連結部材150は、半導体チップ120の接続パッド120Pに連結され、半導体チップ120を支持することができる。
【0060】
上述のように、上記連結部材150は、絶縁層151と、上記絶縁層151上に形成された第1再配線層155と、を含み、本実施形態において、上記第1再配線層155は、第1絶縁層151a上に配置された第1配線パターン152aと、第2絶縁層151b上に配置された第2配線パターン152bと、を含むことができる。上記第1配線パターン152aは、第1絶縁層151aに形成された第1ビア153aを介して半導体チップ120の接続パッド120P及び配線構造130に連結され、上記第2配線パターン152bは、第2絶縁層151bに形成された第2ビア153bを介して上記第1配線パターン152aに連結されることができる。第1再配線層155の構成は、これに限定されるものではないが、単層で構成されてもよく、それより多数の層で構成されてもよい。
【0061】
上記絶縁層151は、上述の他の絶縁体と類似に、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらが無機フィラーなどの補強材に含浸された樹脂を含むことができ、PID樹脂などの感光性絶縁材料を用いることができる。第1再配線層155は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金などの導電性物質を含むことができる。第1再配線層155において露出した領域には、必要に応じて、表面処理層がさらに形成されることができる。
【0062】
このように、連結部材150は直接半導体チップ120と電気的に連結され、支持部材110の配線構造130は、連結部材150の第1再配線層155に迂回(bypass)して半導体チップ120と電気的に連結されることができる。
【0063】
上記封止材140は半導体チップ120を保護するための構成である。本実施形態において、封止材140は、半導体チップ120とともに支持部材110の第1面110Aを封止する。封止形態は特に制限されず、半導体チップ120を囲む形態であればよい。例えば、封止材140は、半導体チップ120を覆うとともに、支持部材110のキャビティ110X内の残りの空間を満たすことができる。封止材140がキャビティ110Xを満たすことで、接着剤の役割を果たすとともに、半導体チップ120のバックリングを減少させる役割も果たすことができる。封止材140は、半導体チップ120の下面を除いた全ての面を覆うことができる。半導体チップ120の下面の場合、半導体チップ120の接続パッド120Pの位置及び形状に応じて、一部のみを覆うことができる。一部の実施形態において、封止材140は複数の材料からなる複数の層で構成されることができる。例えば、キャビティ110X内の空間を第1封止材で満たし、支持部材110の第1面110A及び半導体チップ120は第1封止材とは異なる第2封止材で覆うことができる。
【0064】
上記封止材140の材料は、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、これらにガラス繊維及び/または無機フィラーなどの補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグ、ABFなどを用いることができる。また、EMCなどの公知のモールディング材料を用いることができる。一部の実施形態では、ガラス繊維及び/または無機フィラーと絶縁樹脂を含む材料を用いて、反りを効果的に改善させることができる。
【0065】
一部の実施形態において、封止材140は、電磁波を遮断するために導電性粒子を含むことができる。例えば、導電性粒子は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、半田(solder)を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0066】
本実施形態によるファン−アウト半導体パッケージ100は、第2再配線層160が形成された封止材140上に配置された第1パッシベーション層171と類似に、連結部材150の下部に配置された第2パッシベーション層172をさらに含むことができる。
【0067】
第1及び第2パッシベーション層171、172はそれぞれ、第2再配線層160及び連結部材150を外部の物理的、化学的損傷などから保護するための構成である。第2パッシベーション層172は、上述の第1パッシベーション層と類似に、連結部材150の第2配線パターン152bの少なくとも一部を露出させる第2開口O2を有する。
【0068】
第1及び第2パッシベーション層171、172の材料は、特に限定されず、例えば、半田レジストを用いることができる。一部の実施形態において、支持部材110及び/または連結部材150に用いられる絶縁物質と同一または類似の材料(例えば、PID樹脂、ABFなど)を用いてもよい。
【0069】
本実施形態によるファン−アウト半導体パッケージ100は、第2パッシベーション層172の第2開口O2に配置され、外部に露出した接続端子175をさらに含むことができる。上記接続端子175は、ファン−アウト半導体パッケージ100を外部と物理的及び/または電気的に連結させるための構成である。例えば、ファン−アウト半導体パッケージ100は接続端子175を介して電子機器のメインボードに実装されることができる。接続端子175は第2開口O2によって露出した第2配線パターン152bと連結される。一部の実施形態において、第2配線パターン152b上に追加的なUBM(Under Bump Metallurgy)を形成し、接続端子175を形成することができる。
【0070】
例えば、接続端子175は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、半田(solder)などで形成されることができるが、これに限定されるものではない。また、接続端子175は、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)などの様々な構造を有することができる。
【0071】
図10bに示されたように、接続端子175の一部はファン−アウト(fan−out)領域に配置されることができる。ファン−アウトパッケージは、ファン−インパッケージに比べて優れた信頼性を有し、多数のI/O端子が実現可能であって、3D接続(3D interconnection)が容易であるという利点がある。このような接続端子175の配列(個数、間隔など)は特に限定されず、実装されるべき外部装置などの条件によって多様に変更され得る。
【0072】
本実施形態では、接続端子175が連結部材150の下面のみに提供されていると示されているが、必要に応じて、接続端子175と類似の接続端子が第2再配線層160、すなわち、第1及び第2パッドP1、P2にも提供されることができる。
【0073】
図12aから
図12hは、
図9に示されたファン−アウト半導体パッケージの製造方法(第1再配線層の形成及びラミネート工程)を説明するための主要工程毎の断面図である。
【0074】
以下、ファン−アウト半導体パッケージ100の製造方法について説明するにあたり、上述の説明と重複する内容は省略するか、簡単に説明することがある。
【0075】
図12aを参照すると、絶縁部材111の両側に配線構造130を形成する。
【0076】
絶縁部材111は、その上面及び下面に薄い金属層、例えば、銅箔(不図示)が形成された銅張積層板(Copper Clad Laminated:CCL)であることができる。銅箔は、パターンを形成するためのシード層として用いられることができる。絶縁部材111に貫通ビア133a、133b、上部パターン131a、131b、及び下部パターン132a、132bを形成する。貫通ビア133a、133bのための孔は機械的ドリル及び/またはレーザードリル(例えば、CO
2レーザーまたはYAGレーザー)を用いて形成することができる。デスミア処理を行うことで、孔(不図示)内の樹脂スミアを除去することができる。貫通ビア133a、133b、上部パターン131a、131b、及び下部パターン132a、132bは、ドライフィルムパターンを用いて電解銅めっきまたは無電解銅めっきなどにより形成することができる。より具体的には、サブトラクティブ(Subtractive)、アディティブ(Additive)、SAP(Semi−Additive Process)、MSAP(Modified Semi−Additive Process)などの方法を用いて形成することができるが、これに限定されるものではなく、必要に応じて、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical Vapor Deposition)、スパッタリング(sputtering)により形成してもよい。
【0077】
次に、
図12bを参照すると、支持部材110の第1面110A及び第2面110Bを貫通するキャビティ110Xを形成する。
【0078】
キャビティ110Xを形成する方法も特に限定されず、キャビティ110Xの形成は、例えば、機械的ドリル及び/またはレーザードリル、研磨用粒子を用いるサンドブラスト法、プラズマを用いるドライエッチング法などにより行うことができる。キャビティ110Xを機械的ドリル及び/またはレーザードリルを用いて形成した場合には、デスミア処理を行うことでキャビティ110X内の樹脂スミアを除去することができる。キャビティ110Xの大きさ及び形状は、実装される半導体チップ(
図12cの120)の大きさ、形状及び個数などに応じて設計することができる。
【0079】
次に、
図12cを参照すると、支持部材110の第2面110Bに粘着性支持体180を付着し、キャビティ110X内に半導体チップ120を配置することができる。
【0080】
粘着性支持体180は、支持部材110を固定することができる粘着性表面を有する様々な支持手段であることができる。例えば、粘着性支持体180としては、熱処理により付着力が弱くなる熱処理硬化性接着テープ、紫外線の照射により付着力が弱くなる紫外線硬化性接着テープなどの様々な形態の粘着テープを用いることができる。
【0081】
キャビティ110X内の粘着性支持体180に半導体チップ120を付着して配置することができる。半導体チップ120は、接続パッド120Pが粘着性支持体180に付着されることができる(フェイス−ダウン(face−down))。半導体チップ120の接続パッド120Pが埋め込み形態である場合には、支持部材110の第2面110Bと半導体チップ120の下面が実質的に同一平面を有することができる。これと異なって、半導体チップ120の接続パッド120Pが突出形態である場合には、支持部材110の第2面110Bと接続パッド120Pの下面が実質的に同一平面に存在することができる。
【0082】
次に、
図12dを参照すると、封止材140を用いて、半導体チップ120を封止し、支持部材110の第1面110Aを覆う。
【0083】
封止材140は、支持部材110及び半導体チップ120を覆うとともに、キャビティ110X内の空間を満たすことができる。封止材140は公知の方法により形成することができる。塗布方法としては、例えば、スキージでインクを塗布するスクリーン印刷法、インクを霧化して塗布する方式のスプレー印刷法などを用いることができる。一部の実施形態において、封止材140の前駆体をラミネートした後、硬化して形成することができる。
【0084】
但し、本実施形態では、封止材140の形成物質を塗布した後、完全硬化する前(例えば、半硬化)に、仮支持体190に設けられた配線パターン162を封止材140の表面に埋め込まれるように転写させることができる(
図12e及び
図12f参照)。
【0085】
具体的には、
図12eに示されたように、仮支持体190に設けられた第2再配線層のための配線パターン162を未硬化または半硬化の封止材の表面にラミネートさせることができる。
【0086】
仮支持体190は、これに限定されないが、その上面及び下面に薄い金属層、例えば、銅箔(不図示)が形成された銅張積層板であることができる。後続工程で配線パターン162が容易に分離されるように、銅箔に離型層が形成されるか、表面処理が施されることができる。配線パターン162a、162bは、銅箔をシード層としてめっき工程により形成することができ、それぞれ孔hを有する連結領域Rを含むことができる。孔hは、連結用ビアを容易に形成するために導体が形成されていないオープン領域を言う。
図14に示されたように、配線パターン162bの連結領域Rは相対的に大幅を有するリング状の構造であることができる。
【0087】
本工程は、リベットピン整合方式を用いて、別の整合設備なしに行うことができる。すなわち、粘着性支持体180またはその支持手段とともに仮支持体190をリベットピンで固定させることで、各パッケージ単位でラミネートされるべき配線パターン162の位置を正確に整列させることができる。このように、本工程は、リベットピンを用いることで、正確な整列を保障し、且つ簡単な真空ラミネート積層方式により容易に行うことができる。
【0088】
次に、
図12fに示されたように、配線パターン162を封止材140の表面に埋め込むことができる。
【0089】
封止材140は、未硬化状態、例えば、半硬化状態であるため、ラミネート工程により、仮支持体の表面よりも凸状に形成された配線パターン162を埋め込むことができる。ラミネート工程を用いる場合に、高温で所定時間加圧した後、減圧し、室温まで冷やすホットプレス工程の後に、コールドプレスでさらに冷やす方式により行うことができる。
【0090】
埋め込まれた配線パターン162bは、
図15a及び
図15bに示されたように、連結されるべき配線構造130の上部パターン131bと重なるように配置され、特に、連結領域Rの孔hが上部パターン131bの一部領域上に重なるように配置されることができる。これと類似に、他の配線パターン162aも、その連結領域Rの孔hが連結対象である上部パターン131aの一部領域と互いに重なるように配置されることができる。配線パターン162a、162bが埋め込まれた状態で完全硬化工程を行うことができる。配線パターン162a、162bを埋め込んだ後にも、仮支持体190は、第1再配線層(または連結部材)の形成過程で保持され、支持体として活用されることができる。
【0091】
次に、
図12gを参照すると、粘着性支持体180を支持部材110及び半導体チップ120から除去することができる。
【0092】
本除去工程は特に制限されず、様々な方法により行うことができる。例えば、粘着性支持体180として、熱処理により付着力が弱くなる熱処理硬化性接着テープ、紫外線の照射により付着力が弱くなる紫外線硬化性接着テープなどを用いた場合には、粘着性支持体180を熱処理して付着力を弱くしてから行うか、または粘着性支持体180に紫外線を照射して付着力を弱くしてから行うことができる。上述のように、第1再配線層の形成過程では、仮支持体190が支持体として用いられる。
【0093】
次に、
図12hを参照すると、上記支持部材110及び上記半導体チップ120の下面に第1再配線層155を有する連結部材150を形成し、連結部材150の下部に配置される第2パッシベーション層172を形成することができる。
【0094】
本実施形態において、上記第1絶縁層151aを形成し、半導体チップ120の接続パッド120Pと配線構造130の第1及び第2下部パターン132a、132bに連結される孔を形成した後、ドライフィルムを用いて孔を充填することで第1ビア153aを形成し、所望の第1絶縁層151aの表面に第1配線パターン152aを形成することができる。これと類似に、第2絶縁層151bを形成し、第1配線パターン152aと連結されるように第2ビア153bと第2配線パターン152bを形成することができる。第1及び第2絶縁層151a、151bは、これに限定されないが、PIDなどの感光性物質からなることができる。第2パッシベーション層172は、前駆体をラミネートしてから硬化させる方法、またはパッシベーション層の形成材料を塗布してから硬化させる方法などにより形成することができる。
【0095】
次に、支持部材110の第1面110Aに位置する第2再配線層160を形成する工程を行うことができる。具体的には、埋め込まれた配線パターンを配線構造と連結する連結用ビアの形成工程を行う。
図13aから
図13dは、
図9に示されたファン−アウト半導体パッケージの製造方法のうち、連結用ビアの形成工程を説明するための主要工程毎の断面図である。
【0096】
まず、
図13aを参照すると、連結部材150を形成した後に、封止材140の表面から仮支持体190を除去することができる。
【0097】
埋め込まれた配線パターン162が封止材140の表面に残留するように、仮支持体190を除去することができる。仮支持体190は、上述の離型層などの分離手段を用いて容易に除去することができる。このような除去工程は、仮支持体または離型層の特性に応じて、熱処理または紫外線などを用いて付着力を弱くさせた後に容易に行うことができる。具体的には、
図15a及び
図15bに示されたように、上述の工程により、配線パターン162bは、連結対象である配線構造の上部パターン131bと重なるように配置されることができる。特に、連結領域Rの孔hが、連結用ビアが形成される上部パターン131bの連結領域に重なるように、配線パターン162bが封止材140の表面に埋め込まれることができる。
【0098】
次に、
図13bに示されたように、配線パターン162a、162bの連結領域と上部パターン131a、131bをそれぞれ連結するビアホールHを形成することができる。
【0099】
本工程は、機械的ドリル及び/またはレーザードリルを用いて行うことができる。この際、ドリル工程は、予め連結領域Rに設けられた孔hによって封止材140の領域のみが加工されるため、容易に行うことができる。機械的ドリル及び/またはレーザードリルを用いて形成した場合には、過マンガン酸塩法などを用いてデスミア処理を行うことで、樹脂スミアを除去することができる。具体的には、
図16a及び
図16bに示されたように、配線パターン162bの連結領域Rに位置する孔hに沿ってビアホールHが形成され、ビアホールHを介して上部パターン131bの連結領域が露出することができる。
【0100】
次に、
図13cに示されたように、ビアホールHの内部が充填されるように、配線パターン162a、162bが埋め込まれた封止材140上にめっき層163'を形成することができる。
【0101】
上記めっき層163'は、ビアホールHの内部表面を含む封止材140の表面上にシード層を形成した後、めっき工程を行うことで得ることができる。このように形成されためっき層163'により、ビアホールHの内部が充填されることができる(
図17参照)。
【0102】
次に、
図13dに示されたように、連結用ビア163が形成されるように、封止材140上に位置するめっき層の部分を除去する。
【0103】
このような除去工程は、エッチバックやグラインディング工程により行うことができる。ビアホールの内部に残留しているめっき層の部分は、連結用ビア163として提供されることができる。本工程で得られた連結用ビア163は、配線構造130の上部パターン131a、131bと配線パターン162a、162bを連結し、配線パターン162a、162bとともに所望の第2再配線層160を提供することができる。本工程により、
図18に示されたように、第2再配線層160の配線パターン162a、162bの露出表面は、封止材140の表面と実質的に共平面を有することができる。また、連結用ビア163の上面163Tは、中央部がリセス構造を有することができる。一部の実施形態において、埋め込まれた配線パターン162a、162bの表面から残留物を除去する工程をさらに行うことができる。
【0104】
次に、第2パッシベーション層と類似に、第1パッシベーション層を形成した後、第1及び第2パッシベーション層171、172にそれぞれ複数の第1及び第2開口O1、O2を形成し、第2開口O2に接続端子175を形成することで、
図9に示された半導体パッケージ100が製造されることができる。必要な場合には、第1開口O1にも接続端子をさらに形成することができる。
【0105】
図19は本発明の他の実施形態によるファン−アウト半導体パッケージを示す側断面図である。
【0106】
図19を参照すると、本実施形態によるファン−アウト半導体パッケージ100Aは、第2再配線層160'が絶縁層161を含み、配線パターンが2レベルで構成されているという点を除き、
図9から
図11bに示されたファン−アウト半導体パッケージ100と類似であると理解し得る。本実施形態の構成要素についての説明は、特に反対される説明がない限り、
図9から
図11bに示されたファン−アウト半導体パッケージ100の同一または類似の構成要素についての説明を参照することができる。
【0107】
本実施形態に採用された第2再配線層160'は、互いに反対方向に位置する第1面161A及び第2面161Bを有し、上記第2面161Bが上記封止材140に接する絶縁層161をさらに含むことができる。上記第2再配線層160'は、上記絶縁層161を挟んで配置された第1配線パターン162a'、162b'及び第2配線パターン162a''、162b''を含む。
【0108】
第1配線パターン162a'、162b'は、一面が露出するように上記絶縁層161の第1面161Aに埋め込まれ、第2配線パターン162a''、162b''は、上記絶縁層161の第2面161Bに配置され、一面が露出するように上記封止材140に埋め込まれることができる。
【0109】
上記第2再配線層160'は、上記絶縁層161と上記封止材140を貫通して形成された第1及び第2連結用ビア163a、163bを含む。
【0110】
上記第1連結用ビア163aは、上記第1配線パターン162a'と上記第2配線パターン162a''を上記配線構造130の上部パターン131aに連結させることができる。上記第2連結用ビア163bは、上記第1配線パターン162b'には連結されず、上記第2配線パターン162b''のみを上記配線構造130の上部パターン131bに連結させることができる。
【0111】
第1及び第2連結用ビア163a、163bは、第1配線パターン162a'、162b'及び第2配線パターン162a''、162b''をラミネートした後に形成される。したがって、第2連結用ビア163bは、上記第1配線パターン162b'には連結されないが、絶縁層161を貫通する。一部の実施形態では、第2再配線層160'は、絶縁層161と上記封止材140を貫通し、上記第2配線パターン162a''、162b''には連結されず、第1配線パターン162a'、162b'と上部パターン131a、131bに連結された第3連結用ビア(不図示)をさらに含むことができる。
【0112】
上記第1連結用ビア163aが通過する上記第1配線パターン162a'と上記第2配線パターン162a''の領域は、上述の実施形態で説明されたように、孔を有する連結領域を含むことができる。また、上記第2連結用ビア163bが通過する上記第2配線パターン162b''の領域も類似に、孔を有する連結領域を含むことができる(
図20a及び
図20b参照)。
【0113】
上記第2再配線層160'は、上記絶縁層161を貫通して上記第1配線パターン162b'と第2配線パターン162b''を連結する層間ビア164を含むことができる。上記層間ビア164は、第1及び第2連結用ビア163a、163bと異なって、封止材140まで延びていないことができる。このような層間ビア164は、上記第2配線パターン162b''と一体化された構造を有することができる。本明細書において「一体化された構造(integrated structure)」とは、2つの要素が単純に接触している状態を意味するのではなく、同一の工程により同一の物質を用いて一体に形成される構造を意味する。すなわち、層間ビア164と第2配線パターン162b''は、同一のめっき工程により同時に形成された「一体化された構造」であると言える(
図20bの工程参照)。
【0114】
第1及び第2連結用ビア163a、163bと層間ビア164はその形成工程が異なる。一部の実施形態において、上記第1及び第2連結用ビア163a、163bは、上記配線構造130の上部パターン131a、131bに接する部分の幅が上記絶縁層161の第1面161Aに隣接する部分の幅に比べて小さく、上記層間ビア164は、上記第2配線パターン162b''に接する部分の幅が上記第1配線パターン162b'に接する部分の幅に比べて大きければよい。
【0115】
本実施形態に採用可能な第2再配線層160'は、2レベルの再配線層に限定されず、2つ以上の絶縁層を含んで3レベル以上に実現されてもよい。
【0116】
図20a及び
図20bは、
図19に示されたファン−アウト半導体パッケージの第2再配線層の形成過程を説明するための主要工程毎の断面図である。
【0117】
図20aを参照すると、仮支持体201上に第1配線パターン162a'、162b'を形成する。
【0118】
仮支持体201は、これに限定されないが、その上面及び下面に薄い金属層202a、202b、例えば、銅箔が形成された銅張積層板であることができる。後続工程で仮支持体201が第2再配線層から容易に分離されるように、銅箔に離型層が形成されるか、表面処理が施されることができる。第1配線パターン162a'、162b'は、銅箔をシード層としてめっき工程により形成することができ、それぞれ孔h1を有する連結領域R1を含むことができる。孔h1は、連結対象である配線構造(特に、上部パターン)の領域に位置するように形成する。上記孔h1は、連結用ビアを容易に形成するために導体が形成されていないオープン領域を言う。第1配線パターン162a'、162b'の連結領域R1は相対的に大幅を有し、リング状の構造が例示されているが、これに限定されるものではない。
【0119】
次に、
図20bを参照すると、第1配線パターン162a'、162b'が埋め込まれるように絶縁層161を形成し、上記絶縁層161上に第2配線パターン162a''、162b''を形成する。
【0120】
上記絶縁層161は上述の絶縁物質からなることができ、例えば、PIDなどの感光性物質で形成することができる。第2配線パターン162a''、162b''は、銅箔をシード層としてめっき工程により形成することができる。パターンを形成する前に、絶縁層161において層間ビア164を形成すべき領域に孔を形成し、第2配線パターン162b''とともに層間ビア164を形成することができる。第1配線パターン162a'、162b'と類似に、第2配線パターン162a''、162b''は、それぞれ孔h2、h3を有する連結領域R2、R3を含むことができる。本実施形態において、第2配線パターン162a''の孔h2は、第1配線パターン162a'の孔h1と重なるように形成することができる。
【0121】
図21aから
図21gは、
図20bで設けられた第2再配線層を用いてファン−アウト半導体パッケージを製造する方法を説明するための主要工程毎の断面図である。
【0122】
先ず、
図21a及び
図21bに示されたように、第2再配線層160'を封止材140の表面にラミネートさせることができる。
【0123】
本工程が適用される過程で、封止材140は未硬化状態、例えば、半硬化状態であるため、ラミネート工程により、仮支持体の表面よりも凸状に形成された第2配線パターン162a''、162b''が封止材140に埋め込まれることができる。
【0124】
封止材140に埋め込まれた第2配線パターン162a''、162b''と絶縁層161に埋め込まれた第1配線パターン162a'、162b'は、連結されるべき配線構造130の上部パターン131bと部分的に重なるように配置されることができる。特に、第2配線パターン162a''、162b''及び第1配線パターン162a'の孔h1、h2、h3が上部パターン131bの一部領域上に重なるように配置されることができる。第2再配線層160'を封止材140にラミネートした後に、完全硬化工程を行う。
【0125】
次に、
図21cを参照すると、上記支持部材110及び上記半導体チップ120の下面に第1再配線層を有する連結部材150を形成し、連結部材150の下部に配置される第2パッシベーション層172を形成することができる。
【0126】
本実施形態において、上記第1絶縁層151aを形成し、半導体チップ120の接続パッド120Pと配線構造130の第1及び第2下部パターン132a、132bに連結される孔を形成した後、ドライフィルムを用いて孔を充填することで第1ビア153aを形成し、所望の第1絶縁層151aの表面に第1配線パターン152aを形成することができる。これと類似に、第2絶縁層151bを形成し、第1配線パターン152aと連結されるように第2ビア153bと第2配線パターン152bを形成することができる。第1及び第2絶縁層151a、151bは、これに限定されないが、PIDなどの感光性物質からなることができる。第2パッシベーション層172は、前駆体をラミネートしてから硬化させる方法、またはパッシベーション層の形成材料を塗布してから硬化させる方法などにより形成することができる。
【0127】
次に、
図21dを参照すると、連結部材150を形成した後に、封止材140の表面から仮支持体201を除去することができる。
【0128】
埋め込まれた配線パターン162が封止材140の表面に残留するように、仮支持体201を除去することができる。仮支持体201は、上述の離型層などの分離手段を用いて容易に除去することができる。このような除去工程は、仮支持体または離型層の特性に応じて、熱処理または紫外線などを用いて付着力を弱くさせた後に容易に行うことができる。
【0129】
次に、
図21eを参照すると、上部パターン131a、131bの領域に連結される第1及び第2ビアホールH1、H2を形成することができる。
【0130】
第1ビアホールH1は、第1配線パターン162a'の連結領域R1から第2配線パターン162a''の連結領域R2を経由して上部パターン131aの一部領域まで連結する。第2ビアホールH2は、第2配線パターン162b''の連結領域R3と上部パターン131bの一部領域を連結する。本工程は、機械的ドリル及び/またはレーザードリルを用いて行うことができる。この際、ドリル工程は、予め連結領域R1、R2、R3に設けられた孔h1、h2、h3によって封止材140の領域のみが加工されるため、容易に行うことができる。
【0131】
次に、
図21fに示されたように、第1及び第2ビアホールH1、H2の内部が充填されるように、封止材140上にめっき層163'を形成することができる。
【0132】
上記めっき層163'は、第1及び第2ビアホールH1、H2の内部表面を含む封止材140の表面上にシード層を形成した後、めっき工程を行うことで得ることができる。このように形成されためっき層163'により、第1及び第2ビアホールH1、H2の内部が充填されることができる。
【0133】
次に、
図21gに示されたように、第1及び第2連結用ビア163a、163bが形成されるように、封止材140上に位置するめっき層の部分を除去する。
【0134】
このような除去工程は、エッチバックやグラインディング工程により行うことができる。ビアホールの内部に残留しているめっき層の部分は第1及び第2連結用ビア163a、163bとして提供されることができる。第1連結用ビア163aは、封止材140及び絶縁層161を貫通して第1配線パターン162a'及び第2配線パターン162a''の連結領域と上部パターン131aを連結する。第2連結用ビア163bは、第2配線パターン162b''の連結領域と上部パターン131bを連結するが、封止材140及び絶縁層161を貫通するように形成される。第2再配線層160'の第1配線パターン162a'、162b'の露出表面は、絶縁層161の表面と実質的に共平面を有することができる。また、第1連結用ビア163aの上面Tは、中央部がリセス構造を有することができる。一部の実施形態において、埋め込まれた第1配線パターン162a'、162b'の表面から残留物を除去する工程をさらに行うことができる。
【0135】
上述の第2パッシベーション層の形成と類似に、第1パッシベーション層を形成した後、第1及び第2パッシベーション層171、172にそれぞれ複数の第1及び第2開口O1、O2を形成し、第2開口O2に接続端子175を形成することで、
図19に示された半導体パッケージ100Aが製造されることができる。必要な場合には、第1開口O1にも接続端子をさらに形成することができる。
【0136】
本発明において、下側、下部、下面などは、便宜上、図面の断面を基準としてファン−アウト半導体パッケージの実装面に向かう方向を意味するものとして用い、上側、上部、上面などは、その反対方向として用いた。但し、これは説明の便宜のために方向を定義したものであって、特許請求の範囲の範囲がこのような方向についての記載によって特に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0137】
本発明において「連結される」というのは、直接的に連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、「電気的に連結される」というのは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。なお、第1、第2などの表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0138】
本発明で用いられた「一例」又は「他の一例」という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0139】
なお、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。