特開2019-80622(P2019-80622A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-80622(P2019-80622A)
(43)【公開日】2019年5月30日
(54)【発明の名称】錠剤切断用鋏
(51)【国際特許分類】
   B26B 17/00 20060101AFI20190510BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20190510BHJP
   A61J 7/00 20060101ALI20190510BHJP
【FI】
   B26B17/00 Z
   A61J3/00 310Z
   A61J7/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-208491(P2017-208491)
(22)【出願日】2017年10月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000214548
【氏名又は名称】長谷川刃物株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 文 吾
【テーマコード(参考)】
3C065
4C047
【Fターム(参考)】
3C065AA03
3C065BA21
3C065BA39
3C065DA07
3C065FA01
4C047MM01
(57)【要約】
【課題】錠剤切断用鋏の使用に伴う経済的な負担を低減可能な錠剤切断用鋏を提供する。
【解決手段】錠剤を切断する錠剤切断用鋏1は、錠剤に接触するようになる第1当接部16を有する第1鋏部材10と、錠剤に接触するようになる第2当接部26を有する第2鋏部材20と、第1鋏部材10および第2鋏部材20の一方に設けられた開閉動規制部材30と、を備えている。第1鋏部材10および第2鋏部材20は、第1当接部16および第2当接部26が最も近接して隙間をあけて対向する閉位置と、第1当接部16および第2当接部26が最も離間する開位置と、の間を開閉動可能に接続している。開閉動規制部材30の、第1鋏部材10および第2鋏部材20の一方から他方へ向けた突出量は、変更可能であり、前記突出量を調節することで、前記閉位置における第1鋏部材10および第2鋏部材20の隙間の大きさを調節可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤を切断する錠剤切断用鋏であって、
前記錠剤に接触するようになる第1当接部を有する第1鋏部材と、
前記錠剤に接触するようになる第2当接部を有する第2鋏部材と、
前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の一方に設けられた開閉動規制部材と、を備え、
前記第1鋏部材および前記第2鋏部材は、前記第1当接部および前記第2当接部が最も近接して隙間をあけて対向する閉位置と、前記第1当接部および前記第2当接部が最も離間する開位置と、の間を開閉動可能に接続しており、
前記開閉動規制部材は、前記閉位置において前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の他方に当接し、
前記開閉動規制部材の、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の一方から他方へ向けた突出量は、変更可能であり、前記突出量を調節することで、前記閉位置における前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の隙間の大きさを調節可能である、錠剤切断用鋏。
【請求項2】
前記開閉動規制部材は、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の一方に設けられたネジ孔に螺合するネジであり、
前記ネジを回転させることにより、当該ネジの、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の一方から他方へ向けた突出量は、変更可能である、請求項1に記載の錠剤切断用鋏。
【請求項3】
前記第1鋏部材は、第1本体部と、前記第1本体部に取り付けられ、その少なくとも一部が前記第1当接部をなす第1刃片と、を有し、
前記第2鋏部材は、回動軸線を中心として回動可能に前記第1本体部に接続した第2本体部と、前記第2本体部に取り付けられ、その少なくとも一部が前記第2当接部をなす第2刃片と、を有する、請求項1または2に記載の錠剤切断用鋏。
【請求項4】
前記第1鋏部材および前記第2鋏部材は、開閉動作中に互いに摺接し、
前記第1本体部は、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材が開閉動作中に互いに摺接する面を含む仮想面の一側に位置し、
前記第2本体部は、前記仮想面の他側に位置し、
前記第1鋏部材および前記第2鋏部材が前記閉位置にある場合、前記第1刃片および前記第2刃片は対向する、請求項3に記載の錠剤切断用鋏。
【請求項5】
前記錠剤切断用鋏の一側側面および他側側面の一方から他方に向かう方向に見て、前記第1刃片と前記第1本体部との間、および/または、前記第2刃片と前記第2本体部との間に、隙間が形成されている、請求項3または4に記載の錠剤切断用鋏。
【請求項6】
前記第1当接部および前記第2当接部には、切刃が形成されており、
前記切刃は両刃である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の錠剤切断用鋏。
【請求項7】
錠剤を切断する錠剤切断用鋏であって、
第1本体部と、前記第1本体部に取り付けられ前記錠剤に接触するようになる第1刃片と、を有する第1鋏部材と、
回動軸線を中心として回動可能に前記第1本体部に接続した第2本体部と、前記第2本体部に取り付けられ前記錠剤に接触するようになる第2刃片と、を有する第2鋏部材と、を備え、
前記第1鋏部材および前記第2鋏部材は、前記第1本体部および前記第2本体部が回動することで、前記第1刃片および前記第2刃片が最も近接して隙間をあけて対向する閉位置と、前記第1刃片および前記第2刃片が最も離間する開位置と、の間を開閉動可能である、錠剤切断用鋏。
【請求項8】
前記第1鋏部材および前記第2鋏部材は、開閉動作中に互いに摺接し、
前記第1本体部は、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材が開閉動作中に互いに摺接する面を含む仮想面の一側に位置し、
前記第2本体部は、前記仮想面の他側に位置し、
前記第1鋏部材および前記第2鋏部材が前記閉位置にある場合、前記第1刃片および前記第2刃片は対向する、請求項7に記載の錠剤切断用鋏。
【請求項9】
前記錠剤切断用鋏の一側側面および他側側面の一方から他方に向かう方向に見て、前記第1刃片と前記第1本体部との間、および/または、前記第2刃片と前記第2本体部との間に、隙間が形成されている、請求項7または8に記載の錠剤切断用鋏。
【請求項10】
前記第1刃片および前記第2刃片には、切刃が形成されており、
前記切刃は両刃である、請求項8乃至9のいずれか一項に記載の錠剤切断用鋏。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤を切断するための錠剤切断用鋏に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、錠剤を切断するための錠剤切断用鋏が知られている。この錠剤切断用鋏では、切刃が形成された一対の鋏片が互いに対して回動可能に接続されている。そして、鋏片に設けられた柄を用いて鋏片を互いに対して回動させ、切刃で錠剤を切断するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3165560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような錠剤切断用鋏は、閉じた状態であっても、一方の鋏片の切刃と他方の鋏片の切刃との間に隙間があくように設計されている。この隙間の適切な大きさは、切断する錠剤の寸法によって異なる。したがって、様々な寸法の錠剤を切断する場合、ユーザは、隙間の大きさが異なる複数の鋏を準備する必要がある。さらに、上述のような錠剤切断用鋏は、切刃の切れ味が落ちた場合、その全てを交換する必要がある。このように、錠剤切断用鋏の使用は、鋏のユーザにとって、経済的な負担を伴うものとなっていた。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、錠剤切断用鋏の使用に伴うユーザの経済的な負担を低減可能な錠剤切断用鋏を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による錠剤を切断する錠剤切断用鋏は、
前記錠剤に接触するようになる第1当接部を有する第1鋏部材と、
前記錠剤に接触するようになる第2当接部を有する第2鋏部材と、
前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の一方に設けられた開閉動規制部材と、を備え、
前記第1鋏部材および前記第2鋏部材は、前記第1当接部および前記第2当接部が最も近接して隙間をあけて対向する閉位置と、前記第1当接部および前記第2当接部が最も離間する開位置と、の間を開閉動可能に接続しており、
前記開閉動規制部材は、前記閉位置において前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の他方に当接し、
前記開閉動規制部材の、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の一方から他方へ向けた突出量は、変更可能であり、前記突出量を調節することで、前記閉位置における前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の隙間の大きさを調節可能である。
【0007】
本発明による錠剤切断用鋏において、前記開閉動規制部材は、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の一方に設けられたネジ孔に螺合するネジであり、前記ネジを回転させることにより、当該ネジの、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材の一方から他方へ向けた突出量は、変更可能であってもよい。
【0008】
本発明による錠剤切断用鋏において、前記第1鋏部材は、第1本体部と、前記第1本体部に取り付けられ、その少なくとも一部が前記第1当接部をなす第1刃片と、を有し、前記第2鋏部材は、回動軸線を中心として回動可能に前記第1本体部に接続した第2本体部と、前記第2本体部に取り付けられ、その少なくとも一部が前記第2当接部をなす第2刃片と、を有していてもよい。
【0009】
本発明による錠剤切断用鋏において、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材は、開閉動作中に互いに摺接し、前記第1本体部は、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材が開閉動作中に互いに摺接する面を含む仮想面の一側に位置し、前記第2本体部は、前記仮想面の他側に位置し、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材が前記閉位置にある場合、前記第1刃片および前記第2刃片は対向していてもよい。
【0010】
本発明による錠剤切断用鋏において、前記錠剤切断用鋏の一側側面および他側側面の一方から他方に向かう方向に見て、前記第1刃片と前記第1本体部との間、および/または、前記第2刃片と前記第2本体部との間に、隙間が形成されていてもよい。
【0011】
本発明による錠剤切断用鋏において、前記第1当接部および前記第2当接部には、切刃が形成されており、前記切刃は両刃であってもよい。
【0012】
また、本発明による錠剤を切断する錠剤切断用鋏は、
第1本体部と、前記第1本体部に取り付けられ前記錠剤に接触するようになる第1刃片と、を有する第1鋏部材と、
回動軸線を中心として回動可能に前記第1本体部に接続した第2本体部と、前記第2本体部に取り付けられ前記錠剤に接触するようになる第2刃片と、を有する第2鋏部材と、を備え、
前記第1鋏部材および前記第2鋏部材は、前記第1本体部および前記第2本体部が回動することで、前記第1刃片および前記第2刃片が最も近接して隙間をあけて対向する閉位置と、前記第1刃片および前記第2刃片が最も離間する開位置と、の間を開閉動可能である。
【0013】
本発明による錠剤切断用鋏において、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材は、開閉動作中に互いに摺接し、前記第1本体部は、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材が開閉動作中に互いに摺接する面を含む仮想面の一側に位置し、前記第2本体部は、前記仮想面の他側に位置し、前記第1鋏部材および前記第2鋏部材が前記閉位置にある場合、前記第1刃片および前記第2刃片は対向していてもよい。
【0014】
本発明による錠剤切断用鋏において、前記錠剤切断用鋏の一側側面および他側側面の一方から他方に向かう方向に見て、前記第1刃片と前記第1本体部との間、および/または、前記第2刃片と前記第2本体部との間に、隙間が形成されていてもよい。
【0015】
本発明による錠剤切断用鋏において、前記第1刃片および前記第2刃片には、切刃が形成されており、前記切刃は両刃であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、錠剤切断用鋏の使用に伴うユーザの経済的な負担を低減可能な錠剤切断用鋏を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態を説明する図であって、錠剤切断用鋏の正面図。
図2図1に対応する図であって、図1に示す錠剤切断用鋏と比較して開閉動規制部材の突出量を大きくした状態を示す図。
図3図1に示す錠剤切断用鋏の一側側面図。
図4図1に示す錠剤切断用鋏の他側側面図。
図5図1に示す錠剤切断用鋏の本体部と刃片とを切刃の側から見た部分斜視図。
図6図1に示す錠剤切断用鋏をその先端側から見た図。
図7図6に対応する図であって、錠剤切断用鋏の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
【0019】
まず、錠剤切断用鋏1の全体構成から説明する。図1には、錠剤切断用鋏1の全体構成が示されている。図1に示すように、錠剤切断用鋏1は、錠剤を切断する鋏であって、第1鋏部材10と第2鋏部材20とを有している。第1鋏部材10および第2鋏部材20は、それぞれ、その長手方向の一側に、錠剤に接触するようになる第1当接部16および第2当接部26を有している。図示された例において、当接部16,26は、それぞれ、直線状に延びている。そして、当接部16,26には、それぞれ、切刃が形成されている。また、第1鋏部材10および第2鋏部材20は、それぞれ、その長手方向の他側に、第1柄部13および第2柄部23を有している。柄部13,23には、ぞれぞれ、指が挿入される指穴が設けられている。そして、第1鋏部材10および第2鋏部材20は、当接部16,26と柄部13,23との間の領域において、軸部材2によって、互いに対して回動可能に接続している。これにより、第1鋏部材10および第2鋏部材20は、第1当接部16および第2当接部26が最も近接して対向する閉位置と、第1当接部16および第2当接部26が最も離間する開位置と、の間で開閉動を行うことができるようになっている。なお、前記閉位置および前記開位置は、図1において、それぞれ実線および二点鎖線で示されている。ここで、錠剤切断用鋏1は、前記閉位置において、第1当接部16と第2当接部26との間に隙間があくように設計されている。これにより、錠剤を切断する際、当接部16,26を、錠剤の両側の中央部により近い領域に当てることができ、錠剤を安定して切断することが容易である。
【0020】
本実施の形態の錠剤切断用鋏1は、前記閉位置における第1鋏部材10(第1当接部16)および第2鋏部材20(第2当接部26)の隙間の大きさを、切断する錠剤の寸法に応じて調節することができるような工夫がなされている。このような工夫がなされていることにより、様々な寸法の錠剤を切断する場合、ユーザは、前記隙間の大きさが異なる複数の鋏を準備する必要がない。したがって、錠剤切断用鋏1の使用に伴うユーザの経済的な負担を低減させることができる。そして、複数の鋏の中から、前記隙間の大きさが、切断する錠剤の寸法に最も適した鋏を探し出す必要が無い。また、寸法の異なる複数の錠剤を切断する際に、切断する錠剤の寸法に応じて鋏を交換する必要も無い。したがって、鋏1の使用における煩雑さも低減させることができる。
【0021】
具体的には、本実施の形態の錠剤切断用鋏1は、前記閉位置における第1鋏部材10(第1当接部16)および第2鋏部材20(第2当接部26)の隙間の大きさを調節可能な開閉動規制部材30を有している。図示の例では、開閉動規制部材30は、第1鋏部材10に設けられており、その第1鋏部材10から第2鋏部材20へ向けた突出量を変更することができるようになっている。そして、開閉動規制部材30は、前記閉位置において、第2鋏部材20に当接する。このような開閉動規制部材30の突出量を変更することにより、前記閉位置における第1鋏部材10(第1当接部16)および第2鋏部材20(第2当接部26)の隙間の大きさを、錠剤の寸法に応じて調節することができる(図1および図2参照)。なお、このような隙間の調節は、突出量の変更が不可能な開閉動規制部材を鋏部材10,20に取り付けることによっても可能であるが、この場合、寸法の異なる開閉動規制部材を複数用意して、切断する錠剤の寸法に応じて開閉動規制部材を付け替える必要がある。
【0022】
図1に示す例では、開閉動規制部材30は、ネジであり、第1鋏部材10の第1柄部13に設けられたネジ孔31に螺合している。ネジ孔31は、第1鋏部材10から第2鋏部材20に向かう方向に延びており、第1鋏部材10および第2鋏部材20の間の空間に開口している。そして、ネジ30は、その頭部が第1柄部13から第2柄部23に向かって突出するようにネジ孔31に装着されている。ネジ30の頭部は、前記閉位置において、第2鋏部材20の第2柄部23に当接するようになっている。ネジ30の、第1鋏部材10から第2鋏部材20へ向けた突出量は、ネジ30を回転させることにより変更可能である。そして、図2に示すように、ネジ30の突出量を大きくすることで、閉位置における第1鋏部材10の第1当接部16および第2鋏部材20の第2当接部26の隙間の大きさを大きくすることができる。
【0023】
なお、開閉動規制部材30は、第2鋏部材20に設けられていてもよい。この場合、開閉動規制部材30の第2鋏部材20から第1鋏部材10へ向けた突出量を変更することができ、開閉動規制部材30は、前記閉位置において第1鋏部材10に当接する。
【0024】
さらに、本実施の形態の錠剤切断用鋏1は、必要に応じて鋏部材10,20の刃を交換可能とするための工夫、および、生産効率を向上させるための工夫がなされている。なお、鋏部材10,20の刃が交換可能であることにより、例えば錠剤切断用鋏1の切れ味が落ちた際に、鋏1全体を交換する必要がなく、鋏1のユーザの経済的な負担を低減することができる。また、本実施の形態の錠剤切断用鋏1は、錠剤を所望の位置で切断可能とするための工夫がなされている。以下、図1並びに図3乃至図7を参照して、錠剤切断用鋏1の鋏部材10,20の構成について、さらに詳細に説明する。
【0025】
第1鋏部材10は、第1本体部11と、第1本体部11の長手方向の一側の端部領域に交換可能に取り付けられた第1刃片12と、を有している。第1刃片12は、全体として板状の部材であり、その少なくとも一部が、錠剤と接触するようになる第1当接部16をなしている。また、第1刃片12は、第1当接部16に接続する第1基部18を有する。そして、第1刃片12は、第1当接部16が第1本体部11から第2鋏部材20の第2本体部21の側に延び出すように、その第1基部18が第1本体部11に取り付けられている。第1本体部11の長手方向の他側の端部には、上述の第1柄部13が接続されている。
【0026】
第2鋏部材20は、第2本体部21と、第2本体部21の長手方向の一側の端部領域に交換可能に取り付けられた第2刃片22と、を有している。第2刃片22は、全体として板状の部材であり、その少なくとも一部が、錠剤と接触するようになる第2当接部26をなしている。また、第2刃片22は、第2当接部26に接続する第2基部28を有する。そして、第2刃片22は、第2当接部26が第2本体部21から第1鋏部材10の第1本体部11の側に延び出すように、その第2基部28が第2本体部21に取り付けられている。第2本体部21の長手方向の他側の端部には、上述した第2柄部23が接続されている。
【0027】
図示の例では、第1本体部11および第1柄部13、並びに、第2本体部21および第2柄部23は、樹脂で一体に形成されている。なお、第1本体部11および第2本体部21内には、補強用の金属材が埋め込まれていてもよい。一方、第1刃片12および第2刃片22は、後述する切刃の形成に適した材料(例えば鋼などの金属)で作製されている。刃片12,22には、必要に応じて焼入れ等の処理が施されている。
【0028】
上述のように刃片12,22と本体部11,21とが別体として作製されていることにより、刃片12,22を、必要に応じて(例えば刃片12,22の切れ味が落ちた場合に)交換可能なものとすることができる。また、刃片12,22と本体部11,21とが別体として作製されていることにより、刃片12,22および本体部11,21を精度よく作製し調整することが容易である。そして、刃片12,22および本体部11,21が精度よく作製され調整されることにより、錠剤切断用鋏1の組立および調整が容易になる。したがって、品質のよい鋏1を効率よく生産することができる。
【0029】
第1本体部11および第2本体部21は、その長手方向の中央領域において、軸部材2によって互いに回動可能に接続している。第2本体部21は、第1本体部11に対して、回動軸線Axを中心として回動可能である。そして、第1本体部11および第2本体部21が相対回動することで、第1鋏部材10および第2鋏部材20は、第1刃片12および第2刃片22が最も近接して隙間をあけて対向する前記閉位置と、第1刃片12および第2刃片22が最も離間する前記開位置と、の間を開閉動することができる。
【0030】
図3および図4に示すように、第1鋏部材10および第2鋏部材20は、それぞれ、開閉動作中に互いに摺接する第1摺接面14および第2摺接面24を有する。図示の例において、第1摺接面14は、第1本体部11の、第1刃片12が取り付けられた一側端部領域と、第1柄部13が接続する他側端部との間に位置する。第2摺接面24は、第2本体部21の、第2刃片22が取り付けられた一側端部領域と、第2柄部23が接続する他側端部との間に位置する。
【0031】
図3および図4から理解されるように、第1本体部11は、第1摺接面14および第2摺接面24を含む仮想面Sの一側に位置している。図示の例では、第1本体部11は、第1刃片12が取り付けられた一側端部領域から、第1柄部13が接続された他側端部まで、仮想面Sの一側上を延びている。一方、第2本体部21は、仮想面Sの他側に位置している。図示の例では、第2本体部21は、第2刃片22が取り付けられた一側端部領域から、第2柄部23が接続された他側端部まで、仮想面Sの他側上を延びている。
【0032】
図4に示すように、第1本体部11の仮想面Sに対向する側には、第1刃片12を取り付けるための第1取付用凹部15が形成されている。そして、第1取付用凹部15には、第1刃片12の第1基部18が嵌め込まれている。図5に示すように、第1基部18の厚みは、第1取付用凹部15の深さよりも大きい。このため、図4および図6に示すように、第1刃片12は、第1本体部11から仮想面Sの他側に突出している。また、図3に示すように、第2本体部21の仮想面Sに対向する側には、第2刃片22を取り付けるための第2取付用凹部25が形成されている。そして、第2取付用凹部25には、第2刃片22の第2基部28が嵌め込まれている。図5に示すように、第2基部28の厚みは、第2取付用凹部25の深さよりも大きい。このため、図3および図6に示すように、第2刃片22は、第2本体部21から仮想面Sの一側に突出している。そして、図6に示すように、第1鋏部材10および第2鋏部材20が閉位置にある場合、錠剤と接触するようになる第1刃片12の第1当接部16と第2刃片22の第2当接部26とは、互いに対向する。これにより、錠剤を両側から安定して挟むことができ、所望のように切断することが容易である。また、上述のように、第1本体部11および第2本体部21は、それぞれ仮想面Sの一側および他側に位置し、刃片12,22の当接部16,26は、互いに対向している。すなわち、本体部11,21を屈曲させることなく、刃片12,22の当接部16,26を対向させている。屈曲の無い本体部11,21は精度良く作製することが容易であり、錠剤切断用鋏1の組立の際に複雑な調整を行う必要も無い。したがって、品質のよい鋏1を効率よく生産することが可能である。
【0033】
図3および図4に示すように、錠剤切断用鋏1の一側側面(図3参照)および他側側面(図4参照)の一方から他方に向かう方向に見て、第1刃片12と第1本体部11との間、および、第2刃片22と第2本体部21との間には隙間が形成されている。これらの隙間を通じて、鋏1のユーザは、第1刃片12と第2刃片22との間に配置された錠剤の位置を、第1刃片12と第2刃片22とが対向する方向から確認することができる。したがって、刃片12,22の当接部16,26を錠剤の所望の位置に当てて、錠剤を所望の位置で切断することができる。
【0034】
より具体的には、図5に示すように、第1本体部11には、第1取付用凹部15の中央領域を横切って第1本体部11の幅方向の一側から他側に延びる第1隙間用凹部17が形成されている。したがって、第1取付用凹部15に嵌め込まれた第1刃片12は、その長手方向の両端部で、第1本体部11に取り付けられている。第1隙間用凹部17により、第1刃片12と第1本体部11との間に、第1本体部11の幅方向の一側から他側まで延びる隙間が形成される。また、図5に示すように、第2本体部21には、第2取付用凹部25の中央領域を横切って第2本体部21の幅方向の一側から他側に延びる第2隙間用凹部27が形成されている。したがって、第2取付用凹部25に嵌め込まれた第2刃片22は、その長手方向の両端部で、第2本体部21に取り付けられている。第2隙間用凹部27により、第2刃片22と第2本体部21との間に、第2本体部21の幅方向の一側から他側まで延びる隙間が形成される。なお、このような隙間は、第1鋏部材10および第2鋏部材20のいずれか一方にのみ設けられていてもよい。
【0035】
図示された例において、第1刃片12の第1当接部16には、切刃が形成されている。また、第2刃片22の第2当接部26にも、切刃が形成されている。図6に示す例において、各切刃の一側面16a,26aおよび他側面16b,26bは、各切刃の刃線16c,26cに向かって互いに漸近するように、仮想面Sに対して傾斜している。より具体的には、切刃は、図6に示すように、その一側面16a,26aおよび他側面16b,26bが、当該切刃が形成されている当接部16,26が接続する基部18,28の厚み方向に垂直な面に対して傾斜する、いわゆる両刃として形成されている。切刃を両刃とした場合、鋭い切刃を形成することが容易である。当接部16,26の切刃が鋭ければ、糖衣錠のような表面にコーティングが施された錠剤を切断する際、コーティングを砕く虞が低減される。また、第1刃片12および第2刃片22の切刃を共に両刃とすることにより、錠剤を安定して切断することができる。
【0036】
また、第1刃片12および第2刃片22の切刃は、その刃線16c,26cが対向するように設けられている。これにより、錠剤を切断する際に刃線16c,26cが同一面上を進行するようになり、錠剤を所望のように切断することが容易である。図6に示す例において、第1当接部16の刃線16cは、仮想面S上に位置する。また、第2当接部26の刃線26cも、仮想面S上に位置する。
【0037】
なお、図7に示すように、切刃は、第1刃片12の第1当接部16および第2刃片22の第2当接部26のいずれか一方にのみ設けられていてもよい。この場合、第1当接部16および第2当接部26の他方には、前記切刃と対向する平坦な面が形成されてもよい。この平坦な面は、錠剤を切断する際、錠剤の台座として使用することができる。また、図7に示すように、切刃は、その一側面16a,26aおよび他側面16b,26bの一方が、当該切刃が形成された当接部16,26が接続する基部18,28の厚み方向に垂直な面に対して傾斜し、他方が当該厚み方向に垂直な面に対して略平行な、いわゆる片刃として形成されていてもよい。この場合、各切刃の一側面16a,26aおよび他側面16b,26bは、各切刃の刃線16c,26cに向かって互いに漸近するように、その一方が仮想面Sに対して傾斜し、他方が仮想面Sに対して略平行であってもよい。
【0038】
また、第1刃片12の第1当接部16および第2刃片22の第2当接部26のいずれか一方に両刃の切刃が設けられ、他方に片刃の切刃が設けられてもよい。また、切刃は、刃片12,22の当接部16,26の全長に亘って設けられていなくてもよく、部分的に設けられていてもよい。
【0039】
また、図6に示す例では、第1刃片12および第2刃片22のいずれもが、第1本体部11または第2本体部21から仮想面Sの他側または一側に突出しているが、これに限られない。図7に示すように、第2刃片22が第2本体部21から仮想面Sの一側に突出し、第1刃片12は、第1本体部11から仮想面Sの他側に突出していなくてもよい。あるいは、第1刃片12が第1本体部11から仮想面Sの他側に突出し、第2刃片12は、第2本体部21から仮想面Sの一側に突出していなくてもよい。
【0040】
また、図1および図6に示す例では、第1刃片12の第1当接部16が第1本体部11から第2本体部21の側に延び出ており、且つ、第2刃片22の第2当接部26が第2本体部21から第1本体部11の側に延び出ているが、これに限られない。図7に示すように、切刃が形成された第1当接部16は第1本体部11から第2本体部21の側に延び出ているが、切刃が形成されていない第2当接部26は、第2本体部21から第1本体部11の側に延び出ていなくてもよい。
【0041】
また、図示の例では、第1刃片12および第2刃片22のいずれもが交換可能に第1本体部11または第2本体部21に取り付けられているが、これに限られない。第1刃片12および第2刃片22のうち、切刃が形成された刃片12,22のみが、交換可能にその本体部11,21に取り付けられていてもよい。
【0042】
以上のように、本実施の形態によれば、錠剤を切断する錠剤切断用鋏1は、錠剤に接触するようになる第1当接部16を有する第1鋏部材10と、錠剤に接触するようになる第2当接部26を有する第2鋏部材20と、第1鋏部材10および第2鋏部材20の一方に設けられた開閉動規制部材30と、を備えている。第1鋏部材10および第2鋏部材20は、第1当接部16および第2当接部26が最も近接して隙間をあけて対向する閉位置と、第1当接部16および第2当接部26が最も離間する開位置と、の間を開閉動可能に接続している。開閉動規制部材30は、前記閉位置において第1鋏部材10および第2鋏部材20の他方に当接する。そして、開閉動規制部材30の、第1鋏部材10および第2鋏部材20の一方から他方へ向けた突出量は、変更可能であり、前記突出量を調節することで、前記閉位置における第1鋏部材10および第2鋏部材20の隙間の大きさを調節可能である。このような錠剤切断用鋏1によれば、前記突出量を変更することにより、前記閉位置における第1鋏部材10(第1当接部16)および第2鋏部材20(第2当接部26)の隙間の大きさを、錠剤の寸法に適した大きさに調節することができる。このため、錠剤切断用鋏1のユーザは、前記隙間の大きさが異なる複数の鋏を準備する必要がない。したがって、錠剤切断用鋏の使用に伴うユーザの経済的な負担を低減することができる。そして、複数の鋏の中から、前記隙間の大きさが錠剤の寸法に最も適した鋏を探し出す必要がない。また、寸法の異なる複数の錠剤を切断する際に、切断する錠剤の寸法に応じて鋏を交換する必要も無い。したがって、鋏1の使用における煩雑さも低減することができる。
【0043】
なお、本実施の形態において、開閉動規制部材30は、第1鋏部材10および第2鋏部材20の一方に設けられたネジ孔31に螺合するネジ30である。そして、ネジ30を回転させることにより、当該ネジ30の、第1鋏部材10および第2鋏部材20の一方から他方へ向けた突出量は、変更可能である。
【0044】
また、本実施の形態によれば、第1鋏部材10は、第1本体部11と、第1本体部11に取り付けられ、その少なくとも一部が第1当接部16をなす第1刃片12と、を有し、第2鋏部材20は、回動軸線Axを中心として回動可能に第1本体部11に接続した第2本体部21と、第2本体部21に取り付けられ、その少なくとも一部が第2当接部26をなす第2刃片22と、を有する。このように、刃片12,22と本体部11,21とが別体として作製されることにより、刃片12,22を、必要に応じて(例えば刃片12,22の切れ味が落ちた場合に)交換可能なものとすることができる。また、刃片12,22と本体部11,21とが別体として作製されることにより、刃片12,22および本体部11,21を精度よく作製し調整することができる。そして、このように刃片12,22および本体部11,21が精度よく作製され調整されていることにより、錠剤切断用鋏1の組立および調整が容易になる。したがって、品質のよい鋏1を効率よく生産することが可能である。
【0045】
また、本実施の形態によれば、第1鋏部材10および第2鋏部材20は、開閉動作中に互いに摺接し、第1本体部11は、第1鋏部材10および第2鋏部材20が開閉動作中に互いに摺接する面を含む仮想面Sの一側に位置し、第2本体部21は、仮想面Sの他側に位置する。そして、第1鋏部材10および第2鋏部材20が前記閉位置にある場合、第1刃片12および第2刃片22は対向する。このような錠剤切断用鋏1では、第1刃片12および第2刃片22を互いに対向させるために本体部11,21を屈曲させる必要がない。したがって、本体部11,21を精度よく作製することが容易であり、錠剤切断用鋏1の組立の際に複雑な調整を行う必要も無い。したがって、品質のよい鋏1を効率よく生産することが可能である。
【0046】
また、本実施の形態によれば、錠剤切断用鋏1の一側側面および他側側面の一方から他方に向かう方向に見て、第1刃片12と第1本体部11との間、および/または、第2刃片22と第2本体部21との間に、隙間が形成されている。このような錠剤切断用鋏1によれば、錠剤を切断する際、隙間を通して錠剤の位置を確認することができる。これにより、錠剤の所望の位置に刃片12,22を当てることができ、錠剤を所望の位置で切断することができる。
【0047】
また、本実施の形態によれば、第1当接部16および第2当接部26には、切刃が形成されており、切刃は両刃である。切刃を両刃とした場合、鋭い切刃を形成することが容易である。当接部16,26の切刃が鋭ければ、糖衣錠のような表面にコーティングが施された錠剤を切断する際、コーティングを砕く虞が低減される。また、第1当接部16および第2当接部26の切刃を共に両刃とすることにより、錠剤を安定して切断することが可能である。
【0048】
あるいは、本実施の形態によれば、錠剤を切断する錠剤切断用鋏1は、第1本体部11と、第1本体部11に取り付けられ前記錠剤に接触するようになる第1刃片12と、を有する第1鋏部材10と、回動軸線Axを中心として回動可能に第1本体部11に接続した第2本体部21と、第2本体部21に取り付けられ前記錠剤に接触するようになる第2刃片22と、を有する第2鋏部材20と、を備えている。第1鋏部材10および第2鋏部材20は、第1本体部11および第2本体部21が回動することで、第1刃片12および第2刃片22が最も近接して隙間をあけて対向する閉位置と、第1刃片12および第2刃片22が最も離間する開位置と、の間を開閉動可能である。このように、刃片12,22と本体部11,21とが別体として作製されることにより、刃片12,22を、必要に応じて(例えば刃片12,22の切れ味が落ちた場合に)交換可能なものとすることができる。また、刃片12,22と本体部11,21とが別体として作製されることにより、刃片12,22および本体部11,21を精度よく作製し調整することができる。そして、刃片12,22および本体部11,21が精度よく作製され調整されていることにより、錠剤切断用鋏1の組立および調整が容易になる。したがって、品質のよい鋏1を効率よく生産することが可能である。
【0049】
とりわけ、本実施の形態において、第1鋏部材10および第2鋏部材20は、開閉動作中に互いに摺接し、第1本体部11は、第1鋏部材10および第2鋏部材20が開閉動作中に互いに摺接する面を含む仮想面の一側に位置し、第2本体部21は、仮想面Sの他側に位置する。そして、第1鋏部材10および第2鋏部材20が前記閉位置にある場合、第1刃片12および第2刃片22は対向する。このような錠剤切断用鋏1では、第1刃片12および第2刃片22を互いに対向させるために本体部11,21を屈曲させる必要がない。したがって、本体部11,21を精度よく作製することが容易であり、錠剤切断用鋏1の組立の際に複雑な調整を行う必要も無い。したがって、品質のよい鋏1を効率よく生産することが可能である。
【0050】
また、本実施の形態によれば、錠剤切断用鋏1の一側側面および他側側面の一方から他方に向かう方向に見て、第1刃片12と第1本体部11との間、および/または、第2刃片22と第2本体部21との間に、隙間が形成されている。このような錠剤切断用鋏1によれば、錠剤を切断する際、隙間を通して錠剤の位置を確認することができる。これにより、錠剤の所望の位置に刃片12,22を当てることができ、錠剤を所望の位置で切断することができる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、第1刃片12および第2刃片22には、切刃が形成されており、切刃は両刃である。切刃を両刃とした場合、鋭い切刃を形成することが容易である。当接部16,26の切刃が鋭ければ、糖衣錠のような表面にコーティングが施された錠剤を切断する際、コーティングを砕く虞が低減される。また、第1刃片12および第2刃片22の切刃を共に両刃とすることにより、錠剤を安定して切断することが可能である。
【0052】
なお、以上において上述した実施の形態に対する幾つかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 錠剤切断用鋏
10 第1鋏部材
11 第1本体部
12 第1刃片
13 第1柄部
14 第1摺接面
16 第1当接部
20 第2鋏部材
21 第2本体部
22 第2刃片
23 第2柄部
24 第2摺接面
26 第2当接部
30 開閉動規制部材(ネジ)
31 ネジ孔
Ax 回動軸線
S 仮想面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7