【解決手段】靴、特に運動靴であって、ヒール部分110と、前記靴の前記ヒール部分内に配置された適応ヒール要素120であって、ストレッチ材料を含む適応ヒール要素と、前記ヒール部分内に配置されたヒールカウンタであって、着用者の足の踵を支持するための外側部分130および内側部分140、ならびにそれらの間の後部間隙を含むヒールカウンタと、を備え、前記後部間隙が、略垂直の分割部分150を形成し、前記分割部分が、前記適応ヒール要素が前記分割部分内で移動および変形することができるように適合され、前記適応ヒール要素が、前記着用者の前記踵の解剖学的形状に輪郭が合うように適合される、靴。
前記適応ヒール要素が、前記ストレッチ材料の前記外層内に切抜きを含み、前記切抜きが、前記切抜きの縁部に沿って縫い合わせられ、前記適応ヒール要素の前記外層内の前記切抜きが、楕円形の形状または目の形状を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の靴。
前記適応ヒール要素が、補強材料の層を含み、前記補強材料の層が、前記適応ヒール要素の前記内層と前記外層との間に配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載の靴。
前記ヒールカウンタの前記外側部分および前記内側部分が、少なくとも1つの接合要素を介して接続されるか、または一体に形成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の靴。
前記適応ヒール要素が、前記適応ヒール要素の前記内層と前記外層との間に配置される、発泡材料の少なくとも1つの部分を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の靴。
前記適応ヒール要素の外側および内側の縁部が、前記靴のアッパーの外側および内側の区間の縁部と接合され、前記アッパーの前記外側および内側の区間と前記適応ヒール要素との間の前記接合部が、ヒールカウンタにより少なくとも部分的に覆われる、請求項1から9のいずれか一項に記載の靴。
前記ストレッチ材料が、長手方向において、おおよそ100ニュートン(N)の荷重下で、75%から130%の間のストレッチ性を示す、請求項1から11のいずれか一項に記載の靴。
前記ストレッチ材料が、横断方向において、おおよそ100Nの荷重下で、60%から130%の間のストレッチ性を示す、請求項1から12のいずれか一項に記載の靴。
【背景技術】
【0002】
靴製造の技術分野では、また特に、高性能の運動靴の設計においては、前述の靴のヒール構造の改善に対する強い要望が存在する。例えば、ヒール領域における靴のフィット感を強化すると同時に、快適さ、性能、および/または知覚作用、ならびに製造可能性を向上させることが、望まれる。これに関連して、例えば先行技術文献の米国特許第7,168,188号明細書、米国特許第6,023,857号明細書、日本特許第4,69,9464号明細書、および米国特許第9,232,831号明細書におけるように、様々なヒール構造が従来技術においてよく知られている。
【0003】
米国特許第7,168,188号明細書は、いくつかある構成要素の中でも特に、アッパーに固定されたヒールカウンタと、ヒールカウンタの内表面に取り外し可能に取り付けられたヒールパッドとを備える、履物を開示している。
【0004】
米国特許第6,023,857号明細書は、取り外し可能なミッドソールを含む靴に関し、ミッドソールは、いくつかある特徴の中でも特に、ミッドソールの後端部の一部分から上方に延在するヒールカウンタを含み、このヒールカウンタは、靴着用者の踵を挟むように適合されており、また、ミッドソールおよびヒールカウンタは、互いに一体化されている。
【0005】
日本特許第04,69,9464号明細書は、ソール組立体と、ソール組立体に固定されたアッパーとを含む履物に関し、ヒールカウンタが、ソール組立体に固定され、かつ、内側部分と、内側部分に固定された外側部分とを含み、ヒールカウンタの内側部分と外側部分との間で、一部分が捕捉される。
【0006】
米国特許第9,232,831号明細書は、いくつかある特徴の中でも特に、少なくとも靴のヒール領域に設けられかつ靴のヒール領域に沿って隆起された周辺部分を有するソールプレートを含む、靴のためのヒールカウンタ構造を開示している。
【0007】
独国特許出願公開第102015224885号明細書、独国特許出願公開第102016201973号明細書、米国特許出願公開第2006/0283042号明細書、独国特許出願公開第4329594号明細書、独国特許出願公開第2606800号明細書、独国特許出願公開第102013202353号明細書、独国実用新案第20119907号明細書、および米国特許出願公開第2017/0196309号明細書では、さらなる従来技術が開示されている。
【0008】
しかし、従来技術において開示されたヒール構造は、様々な欠点を有する。例えば、ヒールカウンタは、靴に統合することが難しい場合があり、ヒール領域における靴のフィット感は、不十分な場合があり、および/または、ヒール部分は、ウォーキングまたはランニングなどの活動中に着用者の足の踵に、特にアキレス腱に望ましくない圧力および摩擦を与える場合がある。さらに、ヒール部分のうちのいくつかは、製造するのに費用と手間がかかる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、上述の従来技術の欠点のうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に克服して靴のフィット感、着用時の快適さ、および製造を改善するために、靴のヒール構造をさらに改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の問題は、本願の特許請求の範囲に記載の主題によって少なくとも部分的に解決される。1つの実施形態では、本発明は、靴、特に運動靴であって、ヒール部分と、靴のヒール部分内に配置された適応ヒール要素であって、ストレッチ材料を含む適応ヒール要素と、ヒール部分内に配置されたヒールカウンタであって、着用者の足の踵を支持するための外側部分(lateral portion)および内側部分(medial portion)、ならびにそれらの間の後部間隙を含む、ヒールカウンタと、を備え、後部間隙が、略垂直の分割部分を形成し、分割部分が、適応ヒール要素が分割部分内で移動および変形することができるように適合され、分割部分内の適応ヒール要素が、着用者の踵の解剖学的形状に輪郭が合うように適合される、靴を提供する。
【0012】
例えば、ランニングおよび/またはジョギングなどのために靴が設計されている場合、この実施形態は、矢状面、前頭面、および水平面におけるアキレス腱の運動自由度を得るとともに、靴を着用したときの踵の固定を向上させる(すなわち、ランニングまたはジョギング中の足の踵とヒール部分の内表面との間の相対運動を制限する)ことを、確実にする。
【0013】
さらなる実施形態では、ヒールカウンタは、靴のヒール部分の外面上に配置される。
【0014】
例えば、この実施形態は、ヒールカウンタがヒール部分の別の構成要素内に統合されることを必要とせずに外部から取り付けられ得るので、靴のヒール部分の簡便な製造を可能にする。
【0015】
本発明のさらなる実施形態では、垂直な分割部分の上端部は、20mmから30mmの間、より好ましくは28mmから22mmの間、最も好ましくは27mmから23mmの間の幅を有し、一方で、垂直な分割部分の下端部は、15mmから25mmの間、より好ましくは17mmから23mmの間、最も好ましくは18mmから22mmの間の幅を有する。
【0016】
例えば、前述のパラメータ範囲は、様々な着用者の足の踵領域の多様な解剖学的形状に対応し、それにより、適応ヒール要素が靴の様々な着用者の間で解剖学的差異に関係なく踵領域の解剖学的形状にぴったりと輪郭を合わせられることを、確実にする。
【0017】
本発明のさらなる実施形態では、適応ヒール要素は、靴の矢状面上に投影されたときにS字形状を示す。
【0018】
前述のS字形状は、適応ヒール要素がしっかりとした踵の固定を提供することを確実にし、またそれと同時に、ランニングまたはジョギング中に着用者の足のアキレス腱に与えられる圧力およびそれによる摩擦が著しく減少されることを確実にする。したがって、この実施形態は、靴の着用中にマメおよび/または傷を生じる危険性を低下させる。
【0019】
本発明のさらなる実施形態では、適応ヒール要素は、適応ヒール要素の長手方向の範囲に沿ってU字形状の輪郭を形成する。
【0020】
前述のU字形状の輪郭は、ストレッチ材料を含む適応ヒール要素が、靴の着用中に望ましくない圧力とそれに応じた摩擦とを与えることなく、着用者のアキレス腱の解剖学的形状にしっかりとフィットすることを確実にし、それにより、マメおよび/または傷を生じる危険性をさらに低下させる。
【0021】
本発明のさらなる実施形態では、適応ヒール要素は、外層および内層を含み、2重層材料を形成するように折り重ねられる。さらに、適応ヒール要素は、ストレッチ材料の外層内に切抜きを含むことができ、この切抜きは、切抜きの縁部に沿って縫い合わせられる。さらなる実施形態では、適応ヒール要素の外層内の切抜きは、楕円形の形状または目の形状を有することができ、かつ、適応ヒール要素の上半分または上部3分の1内に配置され得る。他の例では、切抜きの形状は、その幅の広がりがその高さの寸法よりも大きいような、別の形状を有し得る。
【0022】
前述の実施形態は、適応ヒール要素の上述のS字形状を実施する簡便かつ効率的な方法を提供し、したがって、大量生産の際のより高速でより制御可能でありかつより費用のかからない製造可能性、ならびに適応ヒール要素および/または靴全体の寿命の増大をもたらすことができる。
【0023】
本発明のさらなる実施形態では、適応ヒール要素は、補強材料の層を含み、この補強材料の層は、適応ヒール要素の内層と外層との間に配置され得る。
【0024】
例えば、前述の実施形態は、適応ヒール要素の機械特性および/または構造特性をさらに高め、それにより、靴の構造的な剛性および寿命を向上させることに寄与する。
【0025】
本発明のさらなる実施形態では、ヒールカウンタの外側部分および内側部分は、少なくとも1つの接合要素を介して接続されるか、または一体に形成される。
【0026】
例えば、この実施形態は、製造ステップ数を減らし、かつ、ヒールカウンタの構造特性を向上させることができる。
【0027】
本発明のさらなる実施形態では、適応ヒール要素は、適応ヒール要素の内層と外層との間に配置される、発泡材料の少なくとも1つの部分を含む。
【0028】
例えば、この実施形態は、適応ヒール要素のクッション性を高めることができ、それにより、踵のフィット感をさらに高め、かつ、靴の着用中に着用者の足の踵領域に与えられる望ましくない圧力および/または摩擦をさらに減少させる。
【0029】
本発明のさらなる実施形態では、適応ヒール要素の外側および内側の縁部は、靴のアッパーの外側および内側の区間の縁部と接合され、ここで、適応ヒール要素の外側および内側の縁部は、縫合継ぎ目により、靴のアッパーの外側および内側の区間と接合され得る。
【0030】
例えば、この実施形態は、製造中の適応ヒール要素と靴のアッパーの残りの区間との高速かつ簡便な統合を可能にする−靴の費用および製造期間を潜在的に減少させる。
【0031】
さらなる実施形態では、靴のアッパーの外側および内側の区間と適応ヒール要素との間の接合縁部が、ヒールカウンタにより少なくとも部分的に覆われる。
【0032】
例えば、この実施形態は、適応ヒール要素と靴のアッパーの外側および内側の区間との間の接合縁部に直接作用する潜在的な応力を減少させることにより、靴の構造的完全性を高め、結果として、靴の寿命が増大される。
【0033】
本発明のさらなる実施形態では、適応ヒール要素のストレッチ材料は、2方向ストレッチ材料を含み、この2方向ストレッチ材料は、特に2方向ストレッチ丸編みサンドイッチメッシュ(2-way stretch circular knit sandwich mesh)を含み得る。本発明の他の実施形態では、適応ヒール要素のストレッチ材料は、4方向ストレッチ材料を含み得る。
【0034】
具体的には、ストレッチ材料は、長手方向において、100N(ニュートン)の荷重下で、75%から130%の間、好ましくは85%から120%の間、最も好ましくは95%から115%の間のストレッチ性を示し得る。さらに、ストレッチ材料は、横方向において、100Nの荷重下で、60%から130%の間、好ましくは75%から120%の間、最も好ましくは85%から105%の間のストレッチ性を示し得る。さらに、ストレッチ材料は、300g/m
2から700g/m
2の間、好ましくは400g/m
2から600g/m
2の間、より好ましくは450g/m
2から550g/m
2の間、最も好ましくは475g/m
2から525g/m
2の間の面密度を示し得る。
【0035】
例えば、前述のパラメータ範囲は、適応ヒール要素が様々な着用者の踵領域の異なる解剖学的形状に輪郭を合わせることを可能にする、必要な変形能を、適応ヒール要素に提供することができる。
【0036】
一例として、本発明の靴は、高性能のランニングシューズ、(屋内用の)サッカーシューズ、バスケットボールシューズ、テニスシューズ、または類似のものなどの運動靴であり得る。
【0037】
本発明のさらなる態様は、靴、運動靴を製造するための方法であって、ヒール部分を用意するステップと、靴のヒール部分に配置される適応ヒール要素を用意するステップであって、適応ヒール要素がストレッチ材料を含む、ステップと、ヒール部分にヒールカウンタを配置するステップであって、ヒールカウンタが、着用者の足の踵を支持するための外側部分および内側部分、ならびにそれらの間の後部間隙を含み、後部間隙が、実質的に垂直の分割部分を形成し、分割部分が、適応ヒール要素が分割部分内で移動および変形することができるように適合される、ステップと、適応ヒール要素が着用者の踵の解剖学的形状に輪郭が合うように適合されるように、適応ヒール要素を用意するステップと、を含む方法を提供する。
【0038】
本発明の態様は、添付の図面を参照することにより、以下でより詳細に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下において、ヒール部分を含む靴の本発明の例示的な実施形態が、運動靴などの靴を参照してより詳細に説明される。しかし、本発明は特定の靴に限定されるものではなく、他のタイプの靴、例えば高性能のランニングシューズ、(屋内用の)サッカーシューズ、バスケットボールシューズ、テニスシューズ、または類似のものに応用され得ることが、理解されるべきである。
【0041】
さらに、本発明のいくつかの実施形態に関して特定の特徴の組合せが以下で説明されるが、本開示はそのような実施形態に限定されるものではないことが、理解されるべきである。言い換えれば、本発明を実現するために全ての特徴が存在しなければならない訳ではなく、実施形態は、1つの実施形態のいくつかの特徴と別の実施形態の1つまたは複数の特徴とを組み合わせることによって修正されてもよい。
【0042】
図1は、本発明の一実施形態による靴の後外側の図を示す。靴は、例えばソール組立体といったいくつかある構成要素の中でも特に、ヒール区間110を備え、このヒール区間110は、4方向ストレッチ材料および/または2方向ストレッチ材料などのストレッチ材料を含む適応ヒール要素120を備える。ストレッチ材料は、2方向ストレッチ丸編みサンドイッチメッシュおよび/または顕著なストレッチ性および/変形性を示す任意の他のストレッチ材料もしくは材料の組合せであることが好ましい。ヒール区間110は、ヒールカウンタをさらに備えることができ、このヒールカウンタは、
図1に示された実施形態では、ヒール部分110の外側上に配置されかつ/またはヒール部分110の外側に付着され得る外側部分130および内側部分140を含む、分割外部ヒールカウンタ(split external heel counter)として実現されている。ヒールカウンタは、ヒール部分110の下層の適応ヒール要素120を少なくとも部分的に覆わない、略垂直の分割部分150(略垂直とは、分割部分の垂直方向の範囲がその水平方向の範囲よりも大きいことを意味する)を形成している。これは、着用者の足の踵を支持することを可能にし、それと同時に、着用者の足のアキレス腱ならびに隣接する組織および皮膚が、靴のヒール部分110の適応ヒール要素120のストレッチ材料よりも著しく堅いものとされ得るヒールカウンタの材料によって引き起こされる望ましくない圧力を受けないことを確実にする。例えば、ヒールカウンタは、当技術分野で使用されている、必要とされる機械的な性能および剛性を持つ任意の知られたポリマー、例えばポリアミド、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、または類似のものを含み得る。ヒールカウンタの外側部分130および内側部分140は、互いの直接的な接続を示さない別個の部品として実装されてもよい(すなわち、略垂直の分割部分150は、着用者のアキレス腱の方向において、ヒールカウンタの長手方向の範囲全体に沿って延在する)。ヒールカウンタの外側部分130および内側部分140はまた、少なくとも1つの接合要素によって接続されてもよく、または、一体に形成されてもよい。これは、ヒールカウンタを製造するのに有利であり得る。そのような構成では、垂直の分割部分150は、ヒールカウンタの長手方向の範囲のうちのわずかな部分だけに沿って延在することができ、または、1つまたはいくつかの接合要素によって分断され得る。靴のヒール部分の輪郭形成部分120は、靴のアッパーの外側および内側の区間(
図1には示されていない)に直接接続されてもよい。例えば、適応ヒール要素とアッパーの外側および内側の区間との間の縁部170は、当技術分野でよく知られているように、縫合継ぎ目、または靴のアッパーの構成要素を接合するための任意の他の適切な手段を介して接合されてもよい。
【0043】
図2は、本発明の一実施形態による靴の後側の図を示す。上記の
図1の説明の通りに、靴のヒール区間210は、4方向ストレッチ材料および/または2方向ストレッチ材料などの、また特に2方向ストレッチ丸編みサンドイッチメッシュおよび/または顕著なストレッチ性および/変形性を示す任意の他のストレッチ材料もしくは材料の組合せなどのストレッチ材料を含む、適応ヒール要素220を備え得る。ヒール区間210は、ヒールカウンタをさらに備えることができ、このヒールカウンタは、ヒール部分210の外側上に配置されかつ/またはヒール部分210の外側に付着され得る外側部分230および内側部分240を含む外部分割ヒールカウンタ(external split heel counter)として実装され得る。別の例では、外側部分および内側部分はまた、例えば裏地または他の材料によって覆われ得る。ヒールカウンタは、通常は足のアキレス腱が位置する着用者の足の領域においてヒール部分210の下層の適応ヒール要素220を少なくとも部分的に覆わない、略垂直の分割部分250を形成する。
【0044】
分割部の水平方向の寸法(
図2では矢印250によって示される)は、15mmから30mmの間で変化し得ることが好ましい。分割部の幅は、一定である必要はない。例えば、分割部の幅は、
図2によって例として示されるように、底部(ソールに近い)ではより狭くなり、ヒールカウンタの上部ではより広くなってもよい。一例として、最も幅の狭い部分は、15mmとされ、最も幅の広い部分は、30mmとされ得る。底部では20mmで頂部近くでは25mmのように、他の寸法も考えられる。このようにして、分割部は、台形の形状に類似し得る。しかし、分割部の形状および/または寸法は、靴のサイズにも左右されることが、当業者には理解されよう。
【0045】
ヒールカウンタのこの構造は、着用者の足の踵を支持することを可能にし、それと同時に、着用者のアキレス腱ならびに隣接する組織および皮膚が、靴のヒール部分210の適応ヒール要素220のストレッチ材料よりも著しく堅いものとされ得るヒールカウンタの材料によって引き起こされる望ましくない圧力を受けないことを確実にする。
【0046】
図2の例では、ヒールカウンタの外側部分230および内側部分240は、互いの直接的な接続を示さない別個の部品として実装されている(すなわち、略垂直の分割部分250は、着用者のアキレス腱の方向において、ヒールカウンタの長手方向の範囲全体に沿って延在する)。しかし、ヒールカウンタの外側部分230および内側部分240はまた、少なくとも1つの接合要素によって接続されてもよく、または、継手構成要素として一体に形成されてもよい。そのような構成では、垂直の分割部分250は、ヒールカウンタの長手方向の範囲のうちのわずかな部分だけに沿って延在することができ、または、1つまたはいくつかの接合要素によって分断され得る。
【0047】
さらに、適応ヒール要素220は、靴の外側に向けられる外層と、着用者の足に向けられる内層とを備え得る。前述の2重層構造は、ストレッチ材料を折り重ねることによって形成されてもよく、この場合、折り目は、適応ヒール要素220の上縁部に配置され得る。上記のような2重層構造を備え得る適応ヒール要素220は、適応ヒール要素の外層に切抜き260をさらに備えてもよい。適応ヒール要素220は、適応ヒール要素220を靴の矢状面上に投影して見たときに適応ヒール要素220が着用者の足のアキレス腱から離れる方向に引っ張られてS字形状を形成するように、切抜き260の縁部に沿って縫い合わせられてもよい。
【0048】
一例では、縫い合わせられる切抜き260は、適応ヒール要素220の上半分内に、または、適応ヒール要素220の上部3分の1内にすら、配置され得る。切抜きが異なって配置される、または切抜きが適応ヒール要素220上の異なる位置に配置される、他の構成も考えられる。さらに、切抜き260の縫い合わせられた継ぎ目は、アーチの頂点を適応ヒール要素220の上縁部に向けた、アーチ様の形状を示してもよい。この構成は、着用者の足の踵領域および/または踵のアキレス腱に与えられ得る圧力および摩擦を減少させるために、適応ヒール要素の形状および歪み分布をさらに向上させることができる。
【0049】
靴のヒール部分の適応ヒール要素220は、靴のアッパーの外側および内側の区間(
図2には示されていない)に接続されてもよく、この場合、適応ヒール要素220と靴のアッパーの外側および内側の区間との間の縁部270は、縫合継ぎ目(例えば、フラットスティッチまたはジグザグスティッチ)を介して接合されてもよく、または、靴のアッパーの構成要素を接合するための当技術分野で知られている(グルーイングまたはセメンティングなどの)任意の他の適切な手段によって接合されてもよい。
【0050】
適応ヒール要素220と靴のアッパーの外側および内側の区間との間の接合継ぎ目270はさらに、外部ヒールカウンタの外側部分230および内側部分240によって少なくとも部分的に覆われてもよい。
【0051】
図3は、本発明の一実施形態による靴の上面図を示す。
図1および
図2を参照してすでに上述された特徴に加えて、
図3は、靴のヒール部分310の適応ヒール要素320が、ヒール部分の適応ヒール要素320の長手方向に沿って(すなわち、着用者の足のアキレス腱の方向に)延在するU字形状の輪郭325を形成することを、さらに示す。前述のU字形状の輪郭325は、適応ヒール要素320によって含まれるストレッチ材料のストレッチ性と相まって、ウォーキング、ランニング、および/もしくはジョギング、または他の活動中に靴を着用しているときに、適応ヒール要素320が、一般に着用者の足の踵領域の解剖学的形状に、また特にアキレス腱の解剖学的形状に、しっかりと適応することを可能にする。さらに、
図3は、外部ヒールカウンタの外側部分330および内側部分340の位置、ならびに適応ヒール要素320と靴のアッパーの外側および内側の区間との間の接合継ぎ目370を再度示す。
【0052】
図4は、本発明の一実施形態による運動靴の内側の図を示す。先行する図の通りに、靴のヒール区間410は、靴の後端に配置された適応ヒール要素420と、内側部分430および外側部分440(図示せず)を含む外部ヒールカウンタとを備える。さらに、
図4は、その縁部に沿って縫い合わせられた切抜き460と、適応ヒール要素420と靴のアッパーの内側区間との間の接合継ぎ目470と、それに沿ってストレッチ材料が折り重ねられて適応ヒール要素420の2重層材料を形成する、適応ヒール要素420の頂部(ヒールカウンタタブとも呼ばれる)に配置された折り目480とを示す。2重層ストレッチ材料および楕円形の縫い合わせられた切抜き460を含む適応ヒール要素420の特別な設計は、適応ヒール要素420の製造を著しく簡易化するのとともに、適応ヒール要素420が、しっかりとした踵の固定を確実にするのに必要とされる上述のS字形状を示すのと同時に着用者の足の踵領域および/またはアキレス腱に与えられる圧力および/または摩擦の減少を示すことを、確実にする。
【0053】
図5a〜5cは、本発明の一実施形態による運動靴の適応ヒール要素520の構造概略図を示す。
図5a〜5cの中央にある一点鎖線は、適応ヒール要素520のストレッチ材料が折り重ねられて2重層材料を形成する折り目の位置を示す。この位置は、上記の
図4における折り目480に対応する。
図5aでは、ストレッチ材料の外層にある楕円形または目の形状の切抜き560が示されている。
図5bは、切抜き560が切抜き560の縁部に沿って縫い合わせられた後の適応ヒール要素520を示し、ここでは、縫合継ぎ目は、アーチの頂点をストレッチ材料の折り目に向けているアーチ様の形状を示す。
図5cは、グルーイング、裁縫、または類似の手段などの条片を取り付けるのに適した手段により補強材料の条片565が適応ヒール要素520に取り付けられた後の適応ヒール要素520を示す。補強材料の条片565は、適応ヒール要素520のストレッチ材料と同じ材料および/もしくは類似のストレッチ性の材料、ならびに/または適応ヒール要素520のストレッチ材料とは異なるストレッチ性および材料特性を示す材料を含むことができる。
【0054】
図6a〜6bは、
図5a〜5cの適応ヒール要素520がどのようにして製造中にさらに加工されて靴のアッパーに統合されるのかを示す。
図6aは、切抜き660がアーチ様の縫い目によって縫い合わせられた後の、また、補強材料の条片665が適応ヒール要素620に取り付けられた後の、適応ヒール要素620を示す。前述のように、一点鎖線は、それに沿ってストレッチ材料が折り重ねられて2重層材料を形成する折り目の位置を示す。さらに、2つのさらなる材料のシート626が、2つの追加の縫合継ぎ目に沿って、ストレッチ材料の内層と接合されている。追加の材料のシート626は、適応ヒール要素620と同じストレッチ材料、および/もしくは異なる材料、ならびに/または、ストレッチ材料および/もしくは様々な材料の組合せを含むことができる。
図6bは、ストレッチ材料を折り重ねる前の(この場合も、折り目の位置は一点鎖線で示されている)、また、外部ヒールカウンタの外側部分および内側部分(図示せず)を靴のヒール部分の外面に取り付ける前の、靴のヒール部分の構造概略図を示す。
図6aに示された構成要素および特徴に加えて、
図6bはまた、グルーイング、例えばフラットロックスティッチングもしくはジグザグスティッチングを介した縫い合わせ、または靴構成の技術分野で知られている任意の他の接合手段により適応ヒール要素620と接合されている、靴のアッパーの外側および内側の区間675の一部分を示す。
図6bでは、適応ヒール要素620は補強材料の条片665が適応ヒール要素620の後ろに隠されるように裏返されていることが、留意されるべきである。
【0055】
以下において、本発明による靴のための製造方法の一実施形態が、
図5a〜5c、
図6a〜6b、
図7a〜7b、および
図8を参照してさらに詳細に説明される。第1のステップでは、ストレッチ材料を含む適応ヒール要素520が用意される。ストレッチ材料は、一般に靴の構成要素の、または特に運動靴の構成要素の製造に適した、任意の2方向または4方向のストレッチ材料であってよい。例は、2方向ストレッチ丸編みサンドイッチメッシュまたは類似の材料を含む。次のステップでは、楕円形または目の形状の切抜き560が、適応ヒール要素520の折り目線より下に作り出され、折り目線は、一点鎖線で示されている。切抜きの形状は、上記のように、矩形、円形、台形、または組立て後に適応ヒール要素520の同様のS字形状をもたらす任意の他の適切な形状のような、異なる形状であってもよい。切抜き560の位置は、折り畳み後に折り畳まれた適応ヒール要素520の上半分または上部3分の1内に切抜き560があるように配置され、ここで、適応ヒール要素520の上縁部は、折り目線の位置によって画定される。切抜き560を含む、折り目線より下の適応ヒール要素の区間は、最終的な靴の組立において適応ヒール要素520の外層を構成し得る。切断、型抜き、または類似の手段などの適切な手段により切抜き560が作り出された後、切抜き560は、
図5bに示されるように切抜きの縁部に沿って縫い合わせられる。切抜き560の接合継ぎ目の形状は、アーチ様であってもよく、この場合、アーチの頂点は、折り目線に向けられ、したがって、最終的な靴の組立において適応ヒール要素の頂部に向けられる。切抜き560の縁部はまた、グルーイング、縁部溶融、または類似の手段などの、他の手段によって接合されてもよい。
図5cは、切抜き560の接合された縁部よりもわずかに下に補強材料の条片565を取り付けることを含む、さらなる任意選択の製造ステップを示し、条片565は、切抜き560の接合された縁部の場合もそうであり得るように、折り目線に向けられた頂点を有するアーチ様の形状を示す。補強材料の条片は、グルーイング、縫い合わせ、溶融、または適応ヒール要素520のストレッチ材料に材料の条片を取り付けるのに適した任意の他の手段などの手段を介して、適応ヒール要素の表面に取り付けられ得る。適応ヒール要素520、620が
図5または類似の図に示されるように準備されると、適応ヒール要素520、620は、
図6aに示されるように、2つの追加の接合継ぎ目を介して、2つの追加の材料のシート626にさらに接続され得る。これらの継ぎ目は、上記のように、縫い合わせまたは様々な接合法を介して接合され得る。製造法の次のステップでは、この段階において2つの追加の材料のシート626をも含み得る適応ヒール要素520は、靴の外側および内側の区間675と接合され得る。適応ヒール要素620を靴のアッパーの外側および内側の区間に接続する接合縁部は、裁縫、縁部溶融、または上述されかつ当技術分野で知られているような類似の方法によって接合され得る。
図6bでは、補強材料の条片は示された組立体の他の表面上に配置されているので不可視であることに、留意されたい。
【0056】
図7aに示されるように、次の製造ステップでは、発泡材料を含む、ヒール区間のさらなる構成要素780が、
図6aに示された組立体に取り付けられる。発泡構成要素780の好ましい形状が、
図7aに示される。前述の形状は、着用者の足の踵の望ましい領域に、特に足のアキレス腱の領域内に、クッション性を提供するように構成される。発泡構成要素780の発泡材料は、靴構成の技術分野で知られておりかつ必要とされるクッション性を示す、任意の発泡材料であってよい。
図7bは、靴のヒール部分の製造中に発泡部品780が適応ヒール要素720を含む組立体に取り付けられ得る位置を示す。発泡構成要素780は、
図7bに示された組立体の裏面に(すなわち、
図7bの平面の内側に面する組立体の面上に)取り付けられることが、留意されるべきである。切抜き760および任意の補強材料の条片(
図7bには示されていない)のように、発泡構成要素780は、この場合もやはり一点鎖線によって示された折り目線より下に取り付けられる。これは、発泡構成要素の中心区間が折り畳み後に適応ヒール要素720の外層と内層との間に挟まれるという効果を有し、ここで、発泡構成要素780の外側区間は、
図7bに示された組立体を折り目線に沿って折り畳んだ後に、2つの追加の材料のシート726と靴のアッパーの外側および内側の区間775との間に挟まれることになる。
【0057】
図8は、一点鎖線の折り目線に沿って組立体が折り畳まれた後の、
図7bに示されたのと同じ構成要素を含む
図7bの組立体を示す。
【0058】
さらなる製造ステップは、ヒール部分の外面上および/またはヒール部分内にヒールカウンタを配置しかつ取り付けるステップを含む。いくつかの例では、ヒールカウンタは、着用者の足の踵を支持するための外側部分および内側部分、ならびにそれらの間の後部間隙を含む場合があり、後部間隙は、略垂直の分割部分を形成することができ、この分割部分は、適応ヒール要素820が分割部分内で移動および変形することができるように構成されてもよく、また、分割部分内の適応ヒール要素は、着用者の踵の解剖学的形状に輪郭が合うように適合される。
【0059】
以下において、本発明の理解を促進するために、さらなる実施形態を説明する。
1. 靴、特に運動靴であって、
a.ヒール部分(110、210)と、
b.前記靴の前記ヒール部分(110、210)内に配置された適応ヒール要素(120、220)であって、ストレッチ材料を含む適応ヒール要素(120、220)と、
c.前記ヒール部分(110、210)内に配置されたヒールカウンタであって、着用者の足の踵を支持するための外側部分(130、230)および内側部分(140、240)、ならびにそれらの間の後部間隙を含むヒールカウンタと、
を備え、
d.前記後部間隙が、略垂直の分割部分(150、250)を形成し、
e.前記分割部分(150、250)が、前記適応ヒール要素(120、220)が前記分割部分(150、250)内で移動および変形することができるように適合され、
f.前記適応ヒール要素(120、220)が、前記着用者の前記踵の解剖学的形状に輪郭が合うように適合される、
靴。
2. 前記適応ヒール要素が、前記着用者のアキレス腱の解剖学的形状に輪郭が合うように構成される、請求項1に記載の靴。
3. 前記ヒールカウンタが、前記靴の前記ヒール部分(110、210)の外面上に配置される、請求項1または2に記載の靴。
4. a.前記垂直な分割部分の上端部が、20mmから30mmの間、より好ましくは28mmから22mmの間、最も好ましくは27mmから23mmの間の幅を有し、
b.前記垂直な分割部分の下端部が、15mmから25mmの間、より好ましくは17mmから23mmの間、最も好ましくは18mmから22mmの間の幅を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の靴。
5. 前記適応ヒール要素が、前記靴の矢状面に投影されたときにS字形状を示す、請求項1から4のいずれか一項に記載の靴。
6. 前記適応ヒール要素が、前記適応ヒール要素の長手方向の範囲に沿ってU字形状の輪郭を形成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の靴。
7. 前記適応ヒール要素が、外層および内層を含み、2重層材料を形成するように折り重ねられる、請求項1から6のいずれか一項に記載の靴。
8. 前記適応ヒール要素が、前記ストレッチ材料の前記外層内に切抜きを含み、前記切抜きが、前記切抜きの縁部に沿って縫い合わせられる、請求項1から7のいずれか一項に記載の靴。
9. 前記適応ヒール要素の前記外層内の前記切抜きが、楕円形の形状または目の形状を有する、請求項8に記載の靴。
10. 前記適応ヒール要素の前記外層内の前記切抜きが、前記適応ヒール要素の上半分内に配置される、請求項8または9に記載の靴。
11. 前記適応ヒール要素の前記外層内の前記切抜きが、前記適応ヒール要素の上部3分の1内に配置される、請求項8から10のいずれか一項に記載の靴。
12. 前記適応ヒール要素が、補強材料の層を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の靴。
13. 前記補強材料の層が、前記適応ヒール要素の前記内層と前記外層との間に配置される、請求項1から12のいずれか一項に記載の靴。
14. 前記ヒールカウンタの前記外側部分および前記内側部分が、少なくとも1つの接合要素を介して接続されるか、または一体に形成される、請求項1から13のいずれか一項に記載の靴。
15. 前記適応ヒール要素が、前記適応ヒール要素の前記内層と前記外層との間に配置される、発泡材料の少なくとも1つの部分を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の靴。
16. 前記適応ヒール要素の外側および内側の縁部が、前記靴のアッパーの外側および内側の区間の縁部と接合される、請求項1から15のいずれか一項に記載の靴。
17. 前記適応ヒール要素の前記外側および内側の縁部が、縫合継ぎ目により前記アッパーの前記外側および内側の区間と接合される、請求項16に記載の靴。
18. 前記アッパーの前記外側および内側の区間と前記適応ヒール要素との間の前記接合部が、ヒールカウンタにより少なくとも部分的に覆われる、請求項16または17に記載の靴。
19. 前記ストレッチ材料が、2方向ストレッチ材料を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の靴。
20. 前記ストレッチ材料が、2方向ストレッチ丸編みサンドイッチメッシュを含む、請求項19に記載の靴。
21. 前記ストレッチ材料が、4方向ストレッチ材料を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の靴。
22. 前記ストレッチ材料が、長手方向において、おおよそ100ニュートン(N)の荷重下で、75%から130%の間、好ましくは85%から120%の間、最も好ましくは95%から115%の間のストレッチ性を示す、請求項1から21のいずれか一項に記載の靴。
23. 前記ストレッチ材料が、横断方向において、おおよそ100Nの荷重下で、60%から130%の間、好ましくは75%から120%の間、最も好ましくは85%から105%の間のストレッチ性を示す、請求項1から22のいずれか一項に記載の靴。
24. 前記ストレッチ材料が、300g/m
2から700g/m
2の間、好ましくは400g/m
2から600g/m
2の間、より好ましくは450g/m
2から550g/m
2の間、最も好ましくは475g/m
2から525g/m
2の間の面密度を示す、請求項1から23のいずれか一項に記載の靴。
25. 請求項1から24のいずれか一項に記載のヒールカウンタを備える靴。
26. 靴、運動靴を製造するための方法であって、
a.ヒール部分を用意するステップと、
b.前記靴の前記ヒール部分に配置される適応ヒール要素を用意するステップであって、前記適応ヒール要素がストレッチ材料を含む、ステップと、
c.前記ヒール部分にヒールカウンタを配置するステップであって、前記ヒールカウンタが、着用者の足の踵を支持するための外側部分および内側部分、ならびにそれらの間の後部間隙を含み、前記後部間隙が、略垂直の分割部分を形成し、前記分割部分が、前記適応ヒール要素が前記分割部分内で移動および変形することができるように適合される、ステップと、
d.前記適応ヒール要素が着用者の踵の解剖学的形状に輪郭が合うように適合されるように、前記適応ヒール要素を用意するステップと、
を含む、方法。