【課題】処理対象物に平行度や厚みのばらつきがあっても、これらのばらつきが存在する処理対象物の異なる部分に対して当該ばらつきに応じた加圧力の付加や位置制御を行い超音波を印加して所定の処理を行い、均質な仕上がりが得られるようにする。
【解決手段】各支持体2と共振器のホーン35との間に、処理対象物である開繊された一方向強化繊維束Bが挟持された状態で、共振器のホーン35に向かう方向への加圧力を個別に付加し、各支持体2それぞれと共振器のホーン35との間に挟持された一方向強化繊維束Bに対する加圧力を、挟持部分ごとに制御しつつ共振器により一方向強化繊維束Bに超音波振動を与える。
前記加圧手段は、前記各組の前記接合物のうち接合が終了したものから、順次、前記各支持体に対する前記加圧手段による加圧力の付加および/または位置制御を停止して当該支持体を前記共振器から離間させることを特徴とする請求項3または4に記載の処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、複数の処理対象物を一度に接合したり含浸したりして生産性を向上できるという利点があるものの、共振器の各先端部それぞれと各支持体それぞれとの間において処理対象物に同じ加圧力しか加えることができないため、処理対象物を共振器の各先端部と各支持体とにより挟持する挟持部分において、各々の処理対象物に平行度や厚みが異なる場合には、これら平行度や厚みの違い応じた加圧力を加えることができない状態で超音波振動を印加することになり、平行度や厚みの違いによって含浸や接合等の仕上がりにばらつきが生じるという問題がある。
【0008】
この発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、処理対象物に平行度や厚みのばらつきがあっても、これらのばらつきが存在する処理対象物の異なる部分に対して当該ばらつきに応じた加圧力の付加や位置制御を行いつつ超音波を印加して所定の処理を行い、均質な仕上がりが得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明に係る処理装置は、処理対象物に超音波振動を与えて所定の処理を行う処理装置において、複数の支持体と、超音波振動する共振器と、前記各支持体それぞれを前記共振器に接近・離間する方向に個別に移動させて位置制御するとともに、前記各支持体それぞれに対して前記共振器に向かう方向への加圧力を個別に付加する加圧手段とを備え、前記加圧手段は、前記各支持体それぞれと前記共振器との間に前記処理対象物を挟持した状態で、前記各支持体による前記処理対象物に対する加圧力および/または前記各支持体の位置を挟持部分ごとに制御するものであり、前記加圧手段により加圧力が付加および/または位置制御された状態で、前記共振器により前記処理対象物に超音波振動を与えることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、加圧手段により、各支持体の加圧力の調整および/または位置制御を行うため、各支持体と共振器との間に処理対象物が挟持された状態で、共振器に向かう方向への加圧力の付加や各支持体の位置制御を個別に行い、各支持体それぞれと共振器との間に挟持された処理対象物に対する加圧力を、挟持部分ごとに制御しつつ共振器により処理対象物に超音波振動を与えることにより、平行度や厚みのばらつきが異なる処理対象物の挟持部分に対して当該ばらつきに応じた加圧力の付加および/または各支持体の位置制御を行いつつ、超音波を印加して所定の処理を行うことが可能になる。
【0011】
また、前記処理対象物は、帯状の一方向強化繊維束と樹脂シートとを重ねあわせた長尺のものであり、前記各支持体と前記共振器とにより挟持された状態で、当該処理対象物に対して直交する方向への前記共振器による超音波振動により溶融された前記樹脂シートの樹脂が前記一方向強化繊維束に含浸されるものであるとよい。
【0012】
このような構成によれば、開繊された一方向強化繊維束の幅方向における平行度や厚みがばらついていても、複数の支持体により個別に加圧力を付加および/または複数の支持体の位置を個別に制御することにより、平行度や厚みのばらつきが存在する処理対象物の異なる部分に対して、当該ばらつきに応じた加圧力の付加および/または位置制御を行うことができるため、一方向強化繊維束の幅方向に均質に樹脂を含浸させることができる。
【0013】
また、前記処理対象物は、互いに接合される少なくとも2つの接合物を1組とする複数組の接合物により構成されるものであり、前記各支持体それぞれと前記共振器とにより、各組における互いに接合される前記接合物が挟持された状態で、前記加圧手段により付加される加圧力が、前記各支持体それぞれを介して前記各組における互いに接合される前記接合物に加えられつつ、当該処理対象物に対して平行な方向への前記共振器による超音波振動により前記各組の前記接合物が互いに接合されるものであってもよい。
【0014】
また、前記処理対象物は、互いに接合される少なくとも2つの接合物を1組とする複数組の接合物により構成されるものであり、前記各支持体それぞれと前記共振器とにより、各組における互いに接合される前記接合物が挟持された状態で、前記加圧手段により付加される加圧力が、前記各支持体それぞれを介して前記各組における互いに接合される前記接合物に加えられつつ、当該処理対象物に対して直交する方向への前記共振器による超音波振動により前記各組の前記接合物が互いに接合されるものであってもよい。
【0015】
このような構成によれば、各組ごとの接合物の平行度や厚みが異なっていても、各支持体により個別に加圧力を付加し、および/または各支持体の位置を個別に制御することにより、平行度や厚みのばらつきが存在する複数組の接合物に対して、当該ばらつきに応じた加圧力を加えつつ超音波振動により接合することができるため、各組の接合物をすべて同じ接合強度等、均質に接合することができる。また、処理対象物である接合物が樹脂から成り、接合の一種である溶着を行う場合であっても、各支持体による加圧力を個別に付加し、および/または各支持体の位置を個別に制御しつつ当該処理対象物に対して平行または直交する方向に超音波振動を印加することにより、各組の対象物をすべて同じ溶着強度等、均質に溶着することができる。
【0016】
また、前記加圧手段は、前記各組の前記接合物のうち接合が終了したものから、順次、前記各支持体による加圧力の付加および/または位置制御を停止して当該支持体を前記共振器から離間させるとよい。こうすると、接合を終了した接合物に余分な加圧力が加わることを防止でき、接合の仕上がり具合が低下することを未然に防止できる。
【0017】
また、前記共振器の前記各支持体それぞれと対向する位置に接合部が複数設けられ、前記各接合部それぞれと前記各支持体それぞれとの間に、前記各組ごとの前記接合物を挟持して接合するとよい。この場合、共振器の各接合部と各支持体との間に接合物がそれぞれ挟持された状態で、超音波振動が印加されて接合される。
【0018】
また、前記複数の接合部は、前記共振器の異なる面それぞれに設けられ、前記共振器の面を変えることにより、異なる前記複数の接合部を使用して接合を行うのが望ましい。こうすると、共振器の面を変えることにより、異なる複数の接合部により接合することができるため、いずれかの面の接合部が摩耗したときなど、異なる面の接合部により接合することができ、実用的である。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、各支持体それぞれと共振器との間に挟持された処理対象物に対する加圧力を、挟持部分ごとに制御するため、処理対象物に平行度や厚みのばらつきがあっても、複数の支持体により個別に加圧力を付加し、および/または複数の支持体の位置を個別に制御することにより、平行度や厚みのばらつきが異なる処理対象物の挟持部分に対して当該ばらつきに応じた加圧力の付加および/または各支持体の位置制御を行いつつ超音波を印加して所定の処理を行うことが可能になり、高品質な仕上がりを達成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
この発明に係る処理装置の第1実施形態である含浸装置について、
図1ないし
図5を参照して説明する。
【0022】
図1ないし
図3に示すように、含浸装置1は、3つの支持体2と、処理対象物としての樹脂シートを重ねた一方向強化繊維束BにZ方向(
図1)の超音波振動を印加する振動手段である共振器31を備えるヘッド部3と、支持手段33に支持された共振器31を駆動して上下方向であるZ方向に往復移動させる駆動手段4と、一方向強化繊維束Bに樹脂シートを重ね合せた状態で各支持体2とヘッド部3との間に供給する供給手段(図示省略)と、含浸装置1の各部の制御を行う制御装置(図示省略)とを備えている。ここで、一方向強化繊維束Bは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の強化繊維から成るフィラメントが多数束ねられて形成されている。
【0023】
そして、含浸装置1は、複数の支持体2と、これら支持体2に直交するZ方向に超音波振動する共振器31との間に、樹脂シートが重畳された一方向強化繊維束Bを挟持した状態で、一方向強化繊維束Bをその長手方向であるY方向に移動させ、一方向強化繊維束Bの移動中に、共振器31から一方向強化繊維束Bに対して上下方向(Z方向)の超音波振動を印加することにより、一方向強化繊維束Bに重畳した樹脂シートを溶融し、溶融した樹脂シートの樹脂を一方向強化繊維束Bに含浸させる。
【0024】
3つの支持体2は、
図2に示すように、一方向強化繊維束Bをヘッド部3が備えるホーン35との間に挟持するように、ホーン35の下方に配置されており、各支持体2を並設したX方向(
図1)の全体幅とホーン35の幅とがほぼ同じに設定されている。換言すると、ホーン35のX方向の幅とほぼ同じ幅を有するブロック体がX方向に3分割されて3つの支持体2が形成されているのと同等である。なお、ホーン35の幅は、上記したように各支持体2の全幅と同じでなくてもよく、各支持体2の全幅よりも大きくても小さくてもよい。
【0025】
そして、各支持体2は、動かないように固定して設けられた固定部材21と、固定部材21の下部に取り付けられたL字状の3つの取付フレーム22と、固定部材21に並列に取り付けられた3つの上下方向(Z方向)のガイドレール23と、各ガイドレール23それぞれに沿って上下動自在に1対ずつ設けられたガイド部材24と、各対ごとのガイド部材24と各支持体2とを連結する連結部材25と、取付フレーム22の下面に取り付けられた3つのステッピングモータ等のモータ26と、各モータ26それぞれの回転軸に連結されて各モータ26に連動して回転する3つのボールねじ27と、各ボールねじ27それぞれに螺合して設けられボールねじ27の回転により上下動する3つの移動部材28と、各移動部材28の上面にそれぞれ配置された加圧手段としての3つのエアシリンダ29と、各エアシリンダ29それぞれと各支持体2それぞれとの間に設けられたエアシリンダ29による支持体2への荷重検出用のロードセルLCとを備えており、これら各ロードセルLCにより検出荷重が図示省略の制御装置にフィードバックされて、エアシリンダ29による支持体2への荷重が所定荷重になるように制御される。
【0026】
すなわち、
図2に示すように、支持体2に処理対象物である樹脂シートを重ねた一方向強化繊維束Bが支持体2に載置されているがホーン35には当接していない状態から、モータ26によりボールねじ27が回転して支持体2が上動し、
図3(a)に示すように、一方向強化繊維束Bがホーン35の下面に当接すると、
図3(b)に示すように、エアシリンダ29が撓み始めてロードセルLCによる支持体2への検出荷重が急増するため、一方向強化繊維束Bのホーン35の下面への当接が検知される。そして、この当接状態から、エアシリンダ29が制御装置により制御されて支持体2への荷重が所定荷重になるように制御され、支持体2とホーン35との間に挟持された一方向強化繊維束Bが加圧される。
【0027】
ところで、1つのボールねじ27がモータ26の回転により回転した場合の動作は次のとおりである。ボールねじ27の回転により、移動部材28、エアシリンダ29、支持体2、連結部材25およびガイド部材24が一体となってガイドレール23に沿って上動し、このときホーン35は駆動手段4により下動し、樹脂シートを重ねた一方向強化繊維束Bを各支持体2とホーン35との間に挟持するように、ホーン35および各支持体2の相対位置が調整されるようになっている。なお、他の支持体2も同様にして位置調整がなされ、例えば
図2中の一点鎖線の状態から実線の状態に支持体2が移動され、こうして位置調整された各支持体2に対して、それぞれエアシリンダ29により加圧力が付加され、一方向強化繊維束Bに対する各支持体2それぞれによる加圧力が個別に制御される。なお、ホーン35は下動しなくても構わない。
【0028】
さらに、このように処理対象物である樹脂シートを重ねた一方向強化繊維束Bに加圧力が加えられた状態で、樹脂シートを重ねた一方向強化繊維束Bにホーン35により所定の共振周波数の上下方向(Z方向)への超音波振動が印加され、超音波振動による摩擦熱で樹脂シートが加熱されて溶融し、溶融した樹脂シートの樹脂が一方向強化繊維束Bに含浸される。
【0029】
ヘッド部3は、共振器31の一方端に接続された振動子32と、共振器31を支持する支持手段33とを備える。共振器31は、上記した制御装置(図示省略)により制御されて振動子32が生成する超音波振動に共振してその中心軸の方向(Z方向)に超音波振動するものであって、ブースタ34とホーン35とを備え、ブースタ34の他方端とホーン35の一方端とが、互いの中心軸が同軸になるように無頭ねじにより連結されている。そして、振動子32が共振器31を超音波振動させることにより、各支持体2と共振器31との間に挟持された一方向強化繊維束Bに超音波振動が印加される。
【0030】
このとき、ブースタ34は、例えば
図1中のZ方向におけるそのほぼ中央の位置と、その両端位置とが最大振幅点となるように、共振周波数の一波長の長さに形成され、Z方向において各最大振幅点から1/4波長離れた2つの位置が、それぞれブースタ34の第1および第2最小振幅点に相当する。また、ブースタ34は、その断面形状が円柱状に形成されている。そして、ブースタ34の一方端に、ブースタ34の中心軸と同軸になるように振動子32が無頭ねじにより接続されている。
【0031】
さらに、ブースタ34の第1および第2最小振幅点に相当する位置の外周面には被把持部がそれぞれ形成され、これらの被把持部は、第1および第2最小振幅点に相当する位置の外周面の周方向に沿って形成された凹状の溝から成り、被把持部の溝に支持手段33の把持部が係合することにより、共振器31のブースタ34が支持手段33に支持されている。ここで、被把持部は、ブースタ34の中心軸にほぼ直交する断面形状が、例えば八角形状となるように形成されている。なお、この断面形状は、円形状やその他の多角形状に形成されてもよい。
【0032】
ホーン35は、一方向強化繊維束Bを各支持体2に直交する上下方向(Z方向)に押圧する平面状の押圧面を有し、振動子32の振動に共振して超音波振動することにより押圧面から一方向強化繊維束Bに超音波振動を印加する。ホーン35は、例えば
図1中のZ方向におけるその両端位置が最大振幅点となるように、例えば共振周波数の半波長の長さに形成されている。このとき、Z方向におけるホーン35のほぼ中央の位置が第3最小振幅点に相当する。ここで、
図1、
図2では、ホーン35は直方体状に形成されているが、ホーン35の形状は必ずしも直方体状に限られるものではない。
【0033】
なお、本実施形態では、共振器31は、その共振周波数が約15kHz〜約60kHz、その振動振幅(Z方向における伸縮の振幅)が約2μm〜約300μmとなるように構成されており、振動子32により生成される超音波振動に共振して共振器31が超音波振動することによって、ホーン35の押圧面から一方向強化繊維束Bに対して上下方向(Z方向)の超音波振動が印加される。
【0034】
支持手段33は、基部36とクランプ手段37とを備え、クランプ手段37でブースタ34の被把持部を把持することにより共振器31を支持するものであり、基部36には、駆動手段4のボールねじ42に螺合するねじ穴がZ方向に形成されている。
【0035】
また、クランプ手段37は、ブースタ34に形成された2箇所の被把持部それぞれに対応して基部36の2箇所に設けられており、それぞれブースタ34の被把持部を挟持する第1および第2部材を備えている。このとき、クランプ手段37の第1および第2部材には、被把持部の八角形等の断面形状に係合可能な形状を有する凹部がそれぞれ設けられている。そして、第1および第2部材の凹部でブースタ34の被把持部を狭持するように、被把持部を形成する凹状の溝に、基部36に支持されたクランプ手段37の第1および第2部材が嵌挿され、ボルトで第1および第2部材が固定されることにより、ブースタ34の被把持部がクランプ手段37により把持される。
【0036】
なお、共振器31を支持する支持手段33の構成は、上記したように、ブースタ34に形成された被把持部を把持(クランプ)した状態でボルトにより固定されるクランプ手段37に限られず、例えば、電気制御可能に構成された機械的なクランプ機構や、ワンタッチで取り付け可能なクランプ機構など、ブースタ34の被把持部を支持することができる構成あればどのようなものであってもよい。
【0037】
また、共振器31に形成される被把持部の位置は、最小振幅点に限らず、共振器31の任意の位置に被把持部を形成すればよい。また、被把持部の構成は、共振器31の外周面に周方向に沿って凹状の溝が形成された構成に限られず、例えば、共振器31の外周面に周方向に沿って凸状のフランジが形成された構成など、支持手段33により把持することができれば、被把持部がどのような形状に構成されてもよい。また、被把持部が支持手段33により、Oリングやダイアフラム等の弾性部材を介して支持されていてもよい。
【0038】
駆動手段4は、ホーン35の押圧面が各支持体2と対向するように支持手段33に支持された共振器31を、
図1中のZ方向に駆動して各支持体2に近接または各支持体2から離間させるものであって、駆動モータ41とボールねじ42とを備えている。また、架台(図示省略)に立設された支柱(図示省略)にガイド43が結合されており、駆動手段4は、フレーム44を介して支柱およびガイド43に連結されている。
【0039】
そして、制御装置に制御されて駆動モータ41が回転することにより、ガイド43に上下方向に設けられた凸状のレール43aと支持手段33に設けられたガイド(図示省略)とが摺接しつつ、ボールねじ42に螺合された支持手段33が上下方向(Z方向およびその反対方向)に移動し、これにより、支持手段33に支持された共振器31が各支持体2に近接しまたは各支持体2から離間する。
【0040】
また、駆動手段4は、制御装置による制御に基づいて駆動モータ41の駆動トルクを調整することにより、所定の圧力で支持手段33に支持された共振器31を各支持体2に近接させることができる構成になっている。また、支柱にはリニアエンコーダ(図示省略)が設けられており、これによりZ方向におけるヘッド部3の高さが検出されて、リニアエンコーダの検出信号に基づいて制御装置により駆動モータ41を制御することにより、ヘッド部3の高さ位置が調整される。
【0041】
さらに、共振器31の中心軸の方向が基部36に形成されたねじ穴とほぼ同じ方向、すなわち、共振器31の中心軸の方向と駆動手段4による共振器31の移動方向(Z方向)とが一致し、ホーン35が各支持体2と対向するように、支持手段33により共振器31が支持されている。したがって、駆動手段4により基部36が下動されることで共振器31(ホーン35)がZ方向に駆動されて一体的に各支持体2に近接し、これにより、ホーン35と各支持体2との間に樹脂シートが重ねられた一方向強化繊維束Bが挟持される。
【0042】
また、一方向強化繊維束Bは帯状に開繊されており、供給ローラと、引出ローラと、張力調整用ローラと、収納ローラとを備える供給手段により、
図2中の黒振り矢印方向に供給されると同時に移動される。詳細には、一方向強化繊維束Bが、引出しローラを構成する駆動ローラおよびこれに従動する従動ローラによりニップされることによって供給ローラから引き出され、引き出された開繊状態の一方向強化繊維束Bに、さらに樹脂シート(図示省略)が重ねられた状態でホーン35と各支持体2との間に供給されて挟持される。さらに、樹脂が含浸された一方向強化繊維束Bは、ヘッド部3よりも下流側に配置された張力調整用ローラを構成する駆動ローラおよびこれに従動する従動ローラによりニップされることによって、その張力が調整されながら移動される。
【0043】
ところで、上記したように、樹脂シートが重ねられた一方向強化繊維束Bに、樹脂シートの樹脂を含浸させる場合に、各支持体2それぞれとホーン35との間に挟持される一方向強化繊維束Bは上記したように既に開繊されているが、
図4に示すように、その移動方向に直交する幅方向における断面では、一方向強化繊維束Bの両端部の厚みは、
図4中のハッチングを施したその他の部分よりも薄くなっていることが多い。
【0044】
そこで、このように厚みがばらついた一方向強化繊維束Bに対して上下から樹脂シートSを重ね合せて各支持体2それぞれとホーン35との間に挟持した状態で各支持体2により加える加圧力として、例えば樹脂シートSを重ねた一方向強化繊維束Bの厚みが薄い両端の挟持部分に対しては強い加圧力を加え、厚みが厚いその他の挟持部分(
図4中のハッチング部分)に対しては弱い加圧力を加える。つまり、両側の支持体2により強い加圧力を、真ん中の支持体2により弱い加圧力を加えるように、制御装置により各エアシリンダ29が制御される。また、上記したように各支持体2ごとに加圧力を変えるほか、各支持体2に同じ加圧力を加えながら、各支持体2の位置ずれが所定の許容範囲内に収まるように各支持体2の位置制御を行ってもよい。
【0045】
そうすると、各支持体2それぞれとホーン35とによる挟持部分ごとに加圧力が個別に制御されることになり、一方向強化繊維束Bの挟持部分ごとに平行度や厚みのばらつきがあっても、各支持体2それぞれの加圧力を制御することで、これらのばらつきが存在する一方向強化繊維束Bの異なる部分に対して当該ばらつきに応じた加圧力を加えることができ、超音波振動が印加されて含浸される際に、厚みに応じた加圧力を加えることによって、溶融した樹脂シートの樹脂が一様に(均一に)一方向強化繊維束Bの内部に入り込み、高品質の含浸を行うことが可能になる。ここで、上記したように、ばらつきに応じて各支持体2それぞれの加圧力を個別に制御することに代えて、各支持体2それぞれの位置制御を個別に行ってもよい。
【0046】
したがって、この実施形態によれば、各支持体2それぞれとホーン35とによる一方向強化繊維束Bの挟持部分ごとに平行度や厚みのばらつきに応じて、各支持体2それぞれの加圧力を個別に制御することで、これらのばらつきが存在する一方向強化繊維束Bの異なる部分に対して当該ばらつきに応じた加圧力を加えることができ、この状態で超音波振動を印加することにより、溶融した樹脂シートの樹脂が一方向強化繊維束Bの内部に一様に入り込み易くなり、一方向強化繊維束Bの幅方向に均質に樹脂を含浸させることができる。
【0047】
(第2実施形態)
次に、この発明に係る処理装置の第2実施形態である接合装置について、
図6ないし
図10を参照して説明する。本実施形態の接合装置は、
図6に示すように、処理対象物である2つの接合物の接合を2組同時に行うものであり、装置の基本的構成は上記した第1実施形態とほぼ同じであり、以下では主として第1実施形態と異なる点について、
図1、
図2も参照しつつ説明する。なお、
図5ないし
図8において、
図1ないし
図4と同一符号は同一若しくは相当するものを示す。
【0048】
図6に示すように、接合装置11は、1つのホーン35よりもY方向(
図1参照)に長尺のホーン35aと、同じ形状の2つの支持体2a,2bを備えており、ホーン35aは
図1のヘッド部3の共振器31を構成し、ホーン35aの下面の両支持体2a,2bそれぞれと対向する位置に突出して設けられた2つの接合部35a1,35a2の下面の接合面が2つの処理対象物B1,B2それぞれに当接し、接合部35a1,35a2それぞれと支持体2a,2bそれぞれとの間に2つの処理対象物B1,B2をそれぞれ挟持した状態で、振動子32が生成する超音波振動に共振器31が共振し、ホーン35aにより処理対象物B1,B2に対して処理対象物B1,B2の長手方向であるY方向への超音波振動が印加される。なお、
図6、
図7に示すように、ホーン35aの上面にも接合部35a1,35a2と同様に2つの接合部35a3,35a4(
図7参照)が設けられており、下面側の接合部35a1,35a2が消耗したときに、ホーン35aを上下逆転させることにより、
図6、
図7の上面側の接合部35a3,35a4を使用することが可能になる。なお、ホーン35aはX方向に長尺であってもよく、Y方向またはX方向のいずれに接合部35a1,35a2,35a3,35a4を配列して設けてもよい。
【0049】
ここで、処理対象物B1,B2のうち例えば一方の処理対象物B2は、
図7に示すように2つのY方向に長尺の2種類の接合物B2a,B2bの端部の接合箇所が接合されるものであり、他方の処理対象物B1も2つのY方向に長尺の2種類の接合物B1a,B1bの端部の接合箇所が接合されるものであり、
図9(a)に示すように、接合物B1a,B1bを重ねた接合箇所の厚みは、接合物B2a,B2bを重ねた接合箇所の厚みよりもΔAだけ厚くなっている。
【0050】
ところで、2つの支持体2a,2bは、上記したようにホーン35aの下面の接合部35a1,35a2それぞれとの間に処理対象物B1,B2を挟持するものであり、それぞれ第1実施形態における支持体2が備える固定部材21と、取付フレーム22と、上下方向のガイドレール23と、1対のガイド部材24と、連結部材25と、ステッピングモータ等のモータ26と、モータ26連動して回転する3つのボールねじ27と、ボールねじ27の回転により上下動する移動部材28と、エアシリンダ29と同様のものを備えている。なお、ホーン35aはX方向に長尺であってもよく、Y方向またはX方向のいずれに接合部35a1,35a2,35a3,35a4を配列して設けてもよい。
【0051】
そして、ボールねじ27の回転により、移動部材28、エアシリンダ29、支持体2、連結部材25およびガイド部材24がガイドレール23に沿って上動され、
図7に示すように、処理対象物B1の接合物B1a,B1bおよび処理対象物B2の接合物B2a,B2bの接合箇所が重なるように、接合物B1a,B1bおよび接合物B2a,B2bそれぞれが支持体2a,2b上に載置された状態で、処理対象物B1の接合物B1a,B1bとホーン35とが接近され、
図7に示すように、ホーン35aの接合部35a1,35a2のいずれもが、重なった接合物B1a,B1bおよび接合物B2a,B2bそれぞれに当接しない位置を初期位置として、両支持体2a,2bおよびホーン35aが位置調整される。
【0052】
このとき、例えば
図7に示す両支持体2a,2bの初期位置は、制御装置のメモリ等に初期位置情報として予め記憶されており、モータ26によるボールねじ27の回転により両支持体2a,2bが上動されて初期位置に設定され、その後さらに両支持体2a,2bが上動されて、
図8(a)に示すように、接合物B1a,B1bおよび接合物B2a,B2bの接合部35a1,35a2の下面に当接すると、エアシリンダ29が
図8(b)に示すように撓み始めてエアシリンダ29と支持体2a,2bとの間にそれぞれ設けられた荷重検出用のロードセルLCにより検出される支持体2a,2bに対する荷重が急増し、この荷重の変化から接合物B1a,B1bおよび接合物B2a,B2bの接合部35a1,35a2の下面への当接が検知される。なお、両支持体2a,2bが初期位置にある状態において、両処理対象物B1,B2それぞれの接合物B1a,B1bおよび接合物B2a,B2bの接合箇所の厚みの差はΔA(
図9(a)参照)である。
【0053】
そして、接合物B1a,B1bおよび接合物B2a,B2bが接合部35a1,35a2の下面に当接が検知された後、エアシリンダ29が制御装置により制御されて両支持体2a,2bへの荷重が所定荷重になるように制御され、両支持体2a,2bとホーン35aの接合部35a1,35a2との間に挟持された接合物B1a,B1bおよび接合物B2a,B2bが加圧されつつ、ホーン35aにより、接合物B1a,B1bの接合箇所および接合物B2a,B2bの接合箇所に対して水平方向(
図1のY方向)への超音波振動が印加されて接合物B1a,B1bおよび接合物B2a,B2bが接合される。このとき、両支持体2a,2bごとに加圧力を変えるほか、両支持体2a,2bに同じ加圧力を加えながら、両支持体2a,2bの位置ずれが所定の許容範囲内に収まるように両支持体2a,2bの位置制御を行ってもよい。
【0054】
ところで、接合開始前の初期位置における両支持体2a,2bの下面の上下方向(Z方向)の位置は、
図9(a)に示すように処理対象物B1の接合物B1a,B1bを重ねた接合箇所の厚みと、処理対象物B2の接合物B2a,B2bを重ねた接合箇所の厚みとの差に相当する距離ΔAだけずれており、接合終了時には、
図9(b)に示すように、処理対象物B1の接合物B1a,B1bを重ねた接合箇所の厚みと、処理対象物B2の接合物B2a,B2bを重ねた接合箇所の厚みとの差に相当する距離ΔHだけずれた状態で接合が完了する。このΔAとΔHの大きさは同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0055】
ところで、例えば両支持体2a,2bによるか圧力を個別に付与しつつ超音波接合する場合において、両支持体2a,2b上の接合物B1a,B1bの接合箇所および接合物B2a,B2bの接合箇所がそれぞれ接合部35a1,35a2の下面に当接した当接位置からの変位と接合終了までの経過時間との関係は、
図10に示すようになる。なお、
図10の縦軸の変位は、ホーン35aの下面を基準(ゼロ)位置としたときの両支持体2a,2bの上面までの距離を表わしており、横軸は接合終了までの経過時間を表わしている。
【0056】
処理対象物B2の2つの接合物B2a,B2bの接合箇所の方が薄く、支持体2bの接合開始位置が、支持体2aの接合開始位置よりもホーン35aに近いことから、
図10に示すように、支持体2bの時間0の時点での変位は、支持体2aよりも接合箇所の厚みの差ΔAだけ小さくなる。そして、それぞれの接合開始位置にある両支持体2a,2bに対して、加圧力が個別に加えられつつ超音波振動が印加される。そして、同じ接合強度を得るのに必要な超音波エネルギーは厚みの薄い方が少なくて済むため、超音波接合が開始されてから接合終了するまでの時間は、厚みの薄い処理対象物B2の方が厚みの厚い処理対象物B1よりも短くなる。なお、超音波接合の開始から終了までに移動する両支持体2a,2bそれぞれの変位量、つまり縦軸における接合開始から終了まで変位の変化分は、厚みの薄い処理対象物B2の方が少なくなり、接合終了時における両支持体2a,2bの変位の差は、
図9(b)に示すようにΔHとなる。
【0057】
また、処理対象物B2の2つの接合物B2a,B2bの接合箇所の超音波接合が先に終了すると、支持体2aによる接合が継続中であっても、エアシリンダ29により支持体2bへの加圧力の付加が停止され、逆にエアシリンダ29により支持体2bの下動が開始されて支持体2bがホーン35aから離間される。なお、加圧力の付加に代えて位置制御を行う場合には、先に接合が終了した方の支持体2bの位置制御が停止される。
【0058】
このように、処理対象物B1の2つの接合物B1a,B1bの接合箇所、および、処理対象物B2の2つの接合物B2a,B2bの接合箇所に対し、個別に異なる加圧力を加えることにより、処理対象物B1,B2の各々接合物の節後部分の厚みや平行度がばらついていても、当該ばらつきに応じた加圧力を加えつつ超音波振動を印加することで、2つの処理対象物B1,B2の接合部分それぞれに対して同じ接合強度に接合するなど均質に接合させることができる。ここで、処理対象物B1,B2それぞれの接合物B1a,B1b,Ba,B2bは、Cu,Al,Au,Ni,Sn,Fe,SUS,Cr,Mg,Ag等の金属であるとよく、同種の金属同士の接合に限らず、異種の金属同士を接合することが可能である。
【0059】
したがって、上記した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様、支持体2a,2bにより個別に加圧力を加えることにより、ばらつきが存在する処理対象物の異なる部分に対して当該ばらつきに応じた加圧力を加えて接合することができ、2つの処理対象物B1,B2を1回の接合動作により同じ接合強度に接合することができる。
【0060】
なお、第2実施形態において、2つの処理対象物B1,B2の少なくとも一方が、3つ以上の接合物を接合するようにしてもよく、この場合も第2実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0061】
(変形例)
次に、第2実施形態の変形例として、処理対象物が2つのケーブルであって、2つのケーブルの心線である銅線同士を接合する場合にも、上記した接合装置11を使用することができる。
【0062】
すなわち、
図11に示すように、一方の処理対象物B3が2つのケーブルの心線B3a,B3bであり、他方の処理対象物B4が2つのケーブルの心線B4a,B4bであり、心線B3a,B3bの方が心線B4a,B4bよりも太い場合に、これら太さの異なる心線を有するケーブルの心線B3a,B3b同士および心線B4a,B4b同士を接合する場合において、両支持体2a,2bの上面および、ホーン35aの接合部35a1,35a2に、それぞれ多数の断面三角形状もしくは断面台形状を成す凹凸面に加工し、これら凹凸面を有する、両支持体2a,2bそれぞれとホーン35aの接合部35a1,35a2それぞれとの間に、心線B3a,B3bおよび心線B4a,B4bそれぞれを重ね合せた状態で挟持し、両支持体2a,2bにより加圧力を個別に加えつつ超音波振動を印加して心線B3a,B3b同士および心線B4a,B4b同士を接合するようにしてもよい。
【0063】
この場合も、上記した第2実施形態と同様の効果、つまりいずれも2つのケーブルから成る2組の処理対象物B3,B4を1回の接合動作により同じ接合強度に接合することができる。
【0064】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、第2実施形態の接合装置11を、接合の一種である溶着にも適用することが可能であり、処理対象物がポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性樹脂である場合に、上記した接合装置11により樹脂同士の溶着を行うことができる。
【0065】
また、2組の処理対象物を同時に接合等する場合であって、1組目は金属同士を接合し、2組目は樹脂同士を溶着するようにしてもよい。さらに、支持体の個数を3以上にし、1つの共振器で3組以上の処理対象物を同時に処理するようにしてもよい。また、第2実施形態において、ホーン35aの1つの面に1つの接合部を突出して設け、この1つの接合部が複数の支持体との間に処理対象物を挟持する接合面或いは接合領域を複数有していてもよい。さらに、ホーン35aの各面に1つあるいは2つ以上の接合部を設けてもよい。
【0066】
また、ホーン35aに設けられる接合部が突出せずに窪んでいてもよい。さらに、処理対象物は、
図5に示すような長尺物ではなく短いものであってもよい。
【0067】
また、上記した実施形態では、所定の処理として含浸および接合を行う場合について説明したが、含浸、接合以外の処理に対しても本発明を同様に適用することが可能である。
【0068】
また、上記した加圧手段は上記したエアシリンダ29に限られるものではなく、各支持体2,2a,2bそれぞれに加圧力を個別に付加できれば、リニアモータやシリンダ等の周知のアクチュエータを用いるなど、どのように加圧手段を構成してもよい。
【0069】
また、第2実施形態において、接合部35a1,35a2に代えて、ホーン35aに複数のホーンを取り付け、これらのホーンにより1つの共振器を構成するようにしてもよく、この場合も第2実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0070】
そして、本発明は、含浸装置、接合装置(溶着装置を含む)のほか、処理対象物に超音波振動を付加して所定の処理を行う装置に広く適用することができる。
上記した目的を達成するために、本発明に係る処理装置は、処理対象物に超音波振動を与えて所定の処理を行う処理装置において、複数の支持体と、超音波振動する共振器と、前記各支持体それぞれを前記共振器に接近・離間する方向に個別に移動させて位置制御するとともに、前記各支持体それぞれに対して前記共振器に向かう方向への加圧力を個別に付加する加圧手段とを備え、前記加圧手段は、前記各支持体それぞれと前記共振器との間に前記処理対象物を挟持した状態で、前記各支持体による前記処理対象物に対する加圧力および/または前記各支持体の位置を挟持部分ごとに制御
、開繊された一方向強化繊維束の幅方向における平行度や厚みがばらついていても、複数の支持体により個別に加圧力を付加および/または複数の支持体の位置を個別に制御することにより、平行度や厚みのばらつきが存在する処理対象物の異なる部分に対して、当該ばらつきに応じた加圧力の付加および/または位置制御を行うことができるため、一方向強化繊維束の幅方向に均質に樹脂を含浸させることができる。
前記処理対象物は、互いに接合される少なくとも2つの接合物を1組とする複数組の接合物により構成されるものであり、前記各支持体それぞれと前記共振器とにより、各組における互いに接合される前記接合物が挟持された状態で、前記加圧手段により付加される加圧力が、前記各支持体それぞれを介して前記各組における互いに接合される前記接合物に加えられつつ、当該処理対象物の挟持部分に平行な方向への前記共振器による超音波振動により前記各組の前記接合物が互いに接合されるものであるものであってもよい。
前記処理対象物は、互いに接合される少なくとも2つの接合物を1組とする複数組の接合物により構成されるものであり、前記各支持体それぞれと前記共振器とにより、各組における互いに接合される前記接合物が挟持された状態で、前記加圧手段により付加される加圧力が、前記各支持体それぞれを介して前記各組における互いに接合される前記接合物に加えられつつ、当該処理対象物に対して直交する方向への前記共振器による超音波振動により前記各組の前記接合物が互いに接合されるものであるものであってもよい。
前記加圧手段は、前記各組の前記接合物のうち接合が終了したものから、順次、前記各支持体に対する前記加圧手段による加圧力の付加および/または位置制御を停止して当該支持体を前記共振器から離間させることを特徴とする請求項2または3に記載の処理装置。