【解決手段】4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンを90質量%以上含み、4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン100質量部に対して、4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン核置換体を0.5〜2.7質量部含む顕色剤組成物を用いる。
4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホンを90質量%以上含み、4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン100質量部に対して、4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン核置換体を0.5〜2.7質量部含むことを特徴とする、顕色剤組成物。
さらに、4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン100質量部に対して、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン核置換体を0.2〜3.0質量部含むことを特徴とする、請求項1に記載の顕色剤組成物。
4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン100質量部に対して、前記4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン核置換体および前記4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン核置換体の合計が0.7〜5.7質量部であることを特徴とする、請求項2に記載の顕色剤組成物。
さらに、4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン100質量部に対して、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンを0.2〜5.0質量部含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の顕色剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書においては特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。
【0012】
〔1.顕色剤組成物〕
本発明の一実施形態に係る顕色剤組成物は、4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン(以下、「MBE」と称する。)を90質量%以上含み、MBE100質量部に対して、4−ベンジルオキシ−4'−ヒドロキシジフェニルスルホン核置換体(以下、「MBE核置換体」と称する。)を0.5〜2.7質量部含む。本構成により、静発色感度、耐熱性および耐湿熱性に優れる顕色剤組成物を得ることができる。
【0013】
本明細書において、「静発色感度に優れる」とは、比較的低い発色温度(例えば、110℃〜130℃)においても、顕色剤組成物を含む感熱記録材料が発色しやすいことを意図する。静発色感度は例えば、実施例に記載の静発色感度試験のように、発色温度に対する、当該感熱記録材料の発色部分のマクベス反射濃度を比較することにより評価し得る。マクベス反射濃度が高いほど、顕色剤組成物の発色感度が優れていることがわかる。そのため、比較的低い発色温度(例えば、110℃〜130℃)でマクベス反射濃度の増加が観察されると、顕色剤組成物の静発色感度が優れていることがわかる。
【0014】
本明細書において、「耐熱性に優れる」とは、印字した感熱記録材料の高温(例えば、100℃)での保存安定性が優れることを意図する。耐熱性は例えば、顕色剤組成物を含む感熱記録材料に印字した後、印字した当該感熱記録材料に対して、実施例に記載のような耐熱性試験を行い、試験前後の発色部分のマクベス反射濃度および地肌部のISO白色度を比較することにより、評価し得る。顕色剤組成物が耐熱性に優れていれば、発色部分のマクベス反射濃度の試験前後の変化量が小さく、地肌部のISO白色度の試験前後の変化量も小さいため好ましい。
【0015】
本明細書において、「耐湿熱性に優れる」とは、印字した感熱記録材料の高温高湿度下(例えば、温度40℃、湿度90%)での保存安定性が優れることを意図する。耐湿熱性は例えば、顕色剤組成物を含む感熱記録材料に印字した後、印字した当該感熱記録材料に対して、実施例に記載のような耐湿熱性試験を行い、試験前後の発色部分のマクベス反射濃度および地肌部のISO白色度を比較することにより、評価できる。顕色剤組成物が耐湿熱性に優れていれば、発色部分のマクベス反射濃度の試験前後の変化量が小さく、地肌部のISO白色度の試験前後の変化量も小さいため好ましい。
【0016】
MBE核置換体とは、MBEのベンゼン環に結合している水素のうち少なくとも一つがベンジル基に置換してなる核置換体を意図する。具体的には、MBE核置換体は、下記式(1)〜(8)のいずれかの構造を有する化合物であり得る。
【0018】
本発明の一実施形態において、顕色剤組成物に含まれるMBE核置換体は、前記式(1)〜(8)のいずれか一つの構造を有する化合物であってもよいし、前記式(1)〜(8)のいずれかの構造を有する複数の化合物を含んでいてもよい。
【0019】
本顕色剤組成物は、MBE100質量部に対して、MBE核置換体を0.5〜2.7質量部含むものであるが、0.7〜2.6質量部含むことがより好ましく、1.0〜2.5質量部含むことがさらに好ましい。顕色剤中のMBE核置換体は、従来、地肌カブリおよび保存安定性の不良の要因であると考えられていた。しかし、驚くべきことに、顕色剤組成物に、MBE核置換体が前記好ましい範囲で含まれることにより、静発色感度、耐熱性および耐湿熱性に優れることを見出した。なお、本顕色剤組成物が前記式(1)〜(8)のいずれかの構造を有する複数の化合物を含む場合、MBE核置換体の質量は、それらの合計量を意図する。
【0020】
本顕色剤組成物は、さらに、MBE100質量部に対して、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン核置換体(以下、「DHDPS核置換体」と称する。)を0.2〜3.0質量部含むことが好ましい。
【0021】
DHDPS核置換体とは、DHDPSのベンゼン環に結合している水素のうち少なくとも一つがベンジル基に置換してなる核置換体を意図する。具体的には、DHDPS核置換体は、下記式(9)〜(13)のいずれかの構造を有する化合物であり得る。
【0023】
本発明の一実施形態において、顕色剤組成物に含まれるDHDPS核置換体は、前記式(9)〜(13)のいずれか一つの構造を有する化合物であってもよいし、前記式(9)〜(13)のいずれかの構造を有する複数の化合物を含んでいてもよい。
【0024】
本顕色剤組成物は、MBE100質量部に対して、DHDPS核置換体を0.2〜3.0質量部含むことが好ましく、0.5〜2.6質量部含むことがより好ましく、0.7〜2.0質量部含むことがさらに好ましい。顕色剤中のDHDPS核置換体は、従来、地肌カブリおよび保存安定性の不良の要因であると考えられていた。しかし、顕色剤組成物に、DHDPS核置換体が前記好ましい範囲で含まれることにより、静発色感度、耐熱性および耐湿熱性に優れることを見出した。なお、本顕色剤組成物が前記式(9)〜(13)のいずれかの構造を有する複数の化合物を含む場合、DHDPS核置換体の質量は、それらの合計量を意図する。
【0025】
本顕色剤組成物は、MBE100質量部に対して、MBE核置換体およびDHDPS核置換体を合計で0.7〜5.7質量部含んでいてもよい。さらには、本顕色剤組成物は、MBE100質量部に対して、MBE核置換体およびDHDPS核置換体を合計で、1.2〜5.3質量部含むことがより好ましく、2.5〜4.5質量部含むことがさらに好ましい。
【0026】
本顕色剤組成物は、さらに、MBE100質量部に対して、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン(以下、「DHDPS」と称する。)を0.2〜5.0質量部含んでいてもよい。さらには、本顕色剤組成物は、MBE100質量部に対して、DHDPSを0.5〜5.0質量部含むことがより好ましく、0.7〜4.5質量部含むことがさらに好ましい。本顕色剤組成物がDHDPSを前記好ましい範囲で含む場合、耐可塑性に優れた顕色剤を得ることができる。
【0027】
本顕色剤組成物は、さらに、MBE100質量部に対して、4,4'−ジベンジルオキシジフェニルスルホン(以下、「DBE」と称する。)を3.0質量部以下含んでいてもよい。
【0028】
<顕色剤組成物の製造方法>
本発明の一実施形態に係る顕色剤組成物の製造方法は特に限定されない。MBEは、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリの存在下、DHDPSに、塩化ベンジル等のハロゲン化ベンジルを滴下反応させることにより製造することができる。また、MBEを製造するときに、反応条件(溶媒、アルカリ金属の対イオン、温度、時間、滴下速度および反応モル比等)ならびに後処理条件(ろ過温度、洗浄溶媒および精製処理等)等を調整することにより、所望の量のMBE核置換体を副生成物として得ることができる。さらに、DHDPS核置換体およびDHDPSに関しても、MBEを製造するときに、反応条件および後処理条件等を調整することにより、副生成物として得ることができる。
【0029】
上記副生成物の含有量の調整方法の具体例として、アルコール系溶媒等の極性溶媒を使用する方法、および対イオンを変更する方法を用いると、MBE核置換体およびDHDPS核置換体の量が多くなる傾向にある。
【0030】
また、MBE核置換体およびDHDPS核置換体の含有量が多いMBEを主成分とする組成物を製造した後、クロマトグラフィー等でこれらの核置換体を各々分離し、分離して得られたMBE核置換体、DHDPS核置換体および/または原料のDHDPSを所望の量、MBEに添加することにより、本発明の一実施形態に係る顕色剤組成物を得ることもできる。
【0031】
得られた顕色剤組成物の組成は、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより分析することができる。
【0032】
〔2.感熱記録組成物〕
本発明の一実施形態に係る感熱記録組成物は、前記顕色剤組成物およびロイコ染料を含み、さらに結合剤を含むことが好ましい。本発明の一実施形態に係る感熱記録組成物は、本発明の一実施形態に係る顕色剤組成物を含むため、静発色感度、耐熱性および耐湿熱性に優れる感熱記録層を形成する。
【0033】
なお、前記〔1.顕色剤組成物〕にて既に説明した事項に関し、以下では説明を省略し、適宜、上述の記載を援用する。前記感熱記録組成物に含まれる前記顕色剤組成物の量は、目的とする感熱記録材料の特性等を考慮して、適宜選択することができる。
【0034】
<ロイコ染料>
前記ロイコ染料は、一般に感圧記録紙や感熱記録紙に用いられている染料であればよく、特に限定されない。前記ロイコ染料の具体例としては、例えばフルオラン系化合物、トリアリールメタン系化合物、スピロ系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系化合物、ラクタム系化合物およびフルオレン系化合物等が挙げられる。
【0035】
フルオラン系化合物の具体例としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−エチル−N−(3−エトキシプロピル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−フルオロアニリノ)フルオラン、3−[N−エチル−N−(p−トリル)アミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−エトキシエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルフルオランおよび3−[N−エチル−N−(p−トリル)アミノ]−6−メチル−7−フェネチルフルオラン等が挙げられる。
【0036】
トリアリールメタン系化合物の具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトンまたはCVL)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルアミノインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリドおよび3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等が挙げられる。
【0037】
スピロ系化合物の具体例としては、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3'−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピランおよび1,3,3−トリメチル−6−ニトロ−8'−メトキシスピロ(インドリン−2,2'−ベンゾピラン)等が挙げられる。また、ジフェニルメタン系化合物の具体例としては、N−ハロフェニルロイコオーラミン、4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテルおよびN−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が挙げられる。チアジン系化合物の具体例としては、ベンゾイルロイコメチレンブルーおよびp−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等が挙げられる。ラクタム系化合物の具体例としては、ローダミンBアニリノラクタムおよびローダミンB−p−クロロアニリノラクタム等が挙げられる。フルオレン系化合物の具体例としては、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3')−6'−ジメチルアミノフタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3')−6'−ピロリジノフタリドおよび3−ジメチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレンスピロ(9,3')−6'−ピロリジノフタリド等が挙げられる。
【0038】
これらのロイコ染料は、従来公知の市販品を使用することができる。これらのロイコ染料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また感熱記録組成物に含まれるロイコ染料の量は、当該感熱記録組成物に含まれる顕色剤組成物の量および目的とする感熱記録材料の特性等を考慮して、適宜選択することができる。
【0039】
本発明の感熱記録材料においては、顕色剤として本発明の顕色剤組成物を単独で用いてもよいが、さらに、本発明の顕色剤組成物とは異なる他の顕色剤を併用してもよい。他の顕色剤を併用する場合において、当該他の顕色剤の比率は、本発明の効果を損なわない限り任意である。併用する他の顕色剤には特に制限はなく、例えば、α−ナフトール、β−ナフトール、p−オクチルフェノール、4−t−オクチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールAまたはBPA)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4'−チオビスフェノール、4,4'−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2'−ビス(2,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4'−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−クロロフェノール)、4−ヒドロキシ−4'−メトキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−アリルオキシジフェニルスルホン、3,3'−ジアリル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、2,4−ジヒドロキシ−2'−メトキシベンズアニリド等のフェノール性化合物;p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、5−ヒドロキシイソフタル酸エチル、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸等の芳香族カルボン酸誘導体、芳香族カルボン酸またはその多価金属塩;ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、フェニル−6ベンゾトリアゾール、フェニル−5ベンゾトリアゾール、クロロ−5ベンゾトリアゾール、クロロ−5メチルベンゾトリアゾール、クロロ−5イソプロピル−7メチル−4ベンゾトリアゾール、ブロモ−5ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール誘導体;サッカリン、1−ブロモサッカリン、1−ニトロサッカリン、1−アミノサッカリン等のサッカリン誘導体;メタニルアニリド、N−フェニル−4−アミノベンゼンスルホンアミド、ネオウリロン、N−フェニル−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、N−(4−メチル−2−ニトロフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(2−メトキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(2−(3−フェニルウレイド)フェニル)ベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド誘導体;N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−n−ブチルアミノスルホニルフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(4−トリメチルアセトフェニル)尿素、N−(ベンゼンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルオキシフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−p−トルエンスルホニルフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N'−(3−フェニルスルホニルオキシフェニル)尿素、トルブタミド、クロルプロパミド等のスルホニルウレア誘導体;等が挙げられる。
【0040】
<結合剤>
本発明の感熱記録材料においては、使用する結合剤に特に制限はなく、例えば、ヒドロキシエチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;ゼラチン、カゼイン、デンプン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、スチレン−マレイン酸共重合物、スチレン−ブタジエン共重合物、ポリアミド樹脂、石油樹脂並びにテルペン樹脂等が挙げられる。これら結合剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
また、感熱記録組成物に含まれる結合剤の量は、当該感熱記録組成物に含まれる顕色剤組成物およびロイコ染料の量ならびに目的とする感熱記録材料の特性等を考慮して、適宜選択することができる。
【0042】
<その他の成分>
本発明の一実施形態に係る感熱記録組成物は、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。当該その他の成分としては、増感剤、画像安定化剤、滑剤、トリアゾール系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、耐水化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤および蛍光染料等が挙げられる。
【0043】
<感熱記録組成物の製造方法>
本発明の一実施形態に係る感熱記録組成物の製造方法は、特に限定されない。例えば、本発明の一実施形態に係る顕色剤組成物、ロイコ染料、およびその他の成分を、結合剤とともに、水等の媒体中に分散させた分散液を得ることにより、本発明の一実施形態に係る感熱記録組成物を製造することができる。前記分散液の調製方法は、本発明の一実施形態に係る顕色剤組成物を含む分散液、およびロイコ染料を含む分散液等をそれぞれ別々に調製した後、両者を混合する方法であってもよい。前記その他の成分は、顕色剤組成物を含む分散液に添加してもよく、ロイコ染料を含む分散液に添加してもよく、両者に添加してもよい。また、前記分散液中において、本発明の一実施形態に係る顕色剤組成物およびロイコ染料等は、サンドミルおよびボールミル等を用いて微粒子化および分散させることが好ましい。
【0044】
〔3.感熱記録材料〕
本発明の一実施形態に係る感熱記録材料は、前記顕色剤組成物およびロイコ染料を含む感熱記録層を支持体上に積層してなることが好ましい。本発明の一実施形態に係る感熱記録材料は、本発明の一実施形態に係る顕色剤組成物を含むため、静発色感度、耐熱性および耐湿熱性に優れる。
【0045】
前記支持体は、特に限定されるものではないが、例えば、中性紙および酸性紙等の紙、合成紙、古紙パルプを用いた再生紙、フィルム、不織布並びに織布等が挙げられる。
【0046】
本発明の一実施形態に係る感熱記録材料は、前記支持体、中間層、および前記感熱記録層の順に積層してなる構成を有していてもよく、前記支持体、前記感熱記録層、および保護層の順に積層してなる構成を有していてもよい。前記中間層および前記保護層は、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、クレー、タルク、ベントナイト、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫酸バリウムおよび表面処理されたシリカ等の無機充填剤;ならびにポリスチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、シリコーン樹脂粒子、セルロース粉末、スチレン/メタクリル酸共重合体粒子、塩化ビニリデン系樹脂粒子、スチレン/アクリル共重合体粒子およびプラスチック球状中空微粒子等の有機充填剤;等を含んでいる。
【0047】
感熱記録層を支持体上に積層する方法は、特に限定されるものではい。例えば、前記感熱記録組成物を含む塗布液を支持体上に塗布して乾燥させる方法等により、感熱記録層を支持体上に積層することができる。前記塗布液は、前記感熱記録組成物をそのまま用いてもよく、前記感熱記録組成物に含まれる結合剤とは異なる結合剤をさらに混合した混合液を用いてもよい。当該混合液を調製するときの結合剤としては、例えば、前記〔2.感熱記録組成物〕にて既に説明した結合剤を用いることができる。支持体単位面積当たりの前記塗布液の塗布量および感熱記録層の厚さは、特に限定されない。
【0048】
本発明の一実施形態に係る感熱記録材料において、中間層および保護層を形成する方法も、特に限定されない。例えば、前記無機充填剤または前記有機充填剤等を含む中間層塗布液を支持体上に塗布して乾燥させる方法等により、中間層を形成することができる。また、保護層塗布液を感熱記録層上に塗布して乾燥させる方法等により、保護層を形成することができる。中間層塗布液および保護層塗布液は、例えば、前記〔2.感熱記録組成物〕にて既に説明した結合剤を含んでいてもよい。
【0049】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0050】
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。実施例中の「部」は質量部、「%」は特に断りのない限り質量%を意味する。
【0051】
〔顕色剤組成物の合成〕
<実施例1>
DHDPS30.0g(0.120mol)を、48%水酸化ナトリウム水溶液11.2g(0.134mol)を含む水170gに75℃で溶解させた後、この溶液に、55℃の反応温度で塩化ベンジル15.96g(0.126mol)を4時間かけて滴下した。さらに同温度で5時間保温後、30℃に冷却した。その後、析出物をろ過し、ろ過した析出物をイオン交換水50gで洗浄した後、60℃で減圧乾燥させることにより、35.8gの顕色剤組成物を得た。
【0052】
<実施例2>
前記反応温度を60℃にし、同温度のまま析出物を得た以外は実施例1と同様に処理することにより、38.8gの顕色剤組成物を得た。
【0053】
<実施例3>
前記反応温度を55℃にし、反応後のろ過温度を50℃にした以外は実施例1と同様に処理することにより、39.1gの顕色剤組成物を得た。
【0054】
<比較例1>
DHDPS30.0g(0.120mol)を、水酸化ナトリウム4.80g(0.120mol)を溶解させた水溶液300mLに60℃で溶解させた後、同温度で塩化ベンジル15.20g(0.120mol)を8時間かけて滴下した。さらに同温度で4時間保温後、40℃に冷却してから析出物をろ過した後、48%水酸化ナトリウム水溶液を加えて析出物を溶解させた。その後、活性炭で処理し、さらにろ過した。ろ液に塩酸水を加え、pH=4.5で晶析させ、60℃で減圧乾燥し、37.0gの顕色剤組成物を得た。
【0055】
<比較例2>
前記反応温度を60℃にした以外は、実施例1と同様にして析出物を得た。その後、当該析出物に63%硫酸を添加し、pH=7で析出物をろ過し、ろ過後の析出物を水酸化ナトリウム水溶液に溶解、再結晶させ、31.2gの顕色剤組成物を得た。
【0056】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(LC−10、株式会社島津製作所製)を用いて、下記分析条件により実施例1〜3および比較例1〜2で得られた顕色剤組成物の組成を分析した。各顕色剤組成物の組成の分析結果を、以下の表1および表2に示す。表1は、顕色剤組成物全体に対する各成分の割合を表し、表2は、MBE100質量部に対する各成分の比率を表す。なお、表1および表2中、「DHDPS核置換体」は、前記式(9)〜(13)で表される構造を有する化合物の合計量を表す。また、表1および表2中、「MBE核置換体」は、前記式(1)〜(8)で表される構造を有する化合物の合計量を表す。
【0057】
[分析条件]
カラム:YMC Pack ODS−A(5μm、6.0mmφ×15cm;株式会社ワイエムシィ製)
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル/蒸留水=65/35(v/v)
流量:1.0mL/分
検出波長:254nm
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
〔分散液(A)の調製〕
前記実施例1〜3および比較例1〜2で得た各顕色剤組成物を用い、当該顕色剤組成物、20%ポリビニルアルコール水溶液、および水を以下の組成で混合し、それぞれ分散液(A)を調製した。なお、分散液(A)の調製では、粒度分布計MT3300EXII(マイクロトラック・ベル(株)製)によって測定されたD50%粒子径が0.5μmになるように、ラボスターミニLMZ015(アシザワ・ファインテック(株)製)により顕色剤組成物の粉砕および分散化を行った。
【0061】
[分散液(A)の組成]
顕色剤組成物 30.0部
20%ポリビニルアルコール水溶液 22.5部
水 47.5部。
【0062】
〔分散液(B)の調製〕
ロイコ染料(ODB−II:3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン)を用いて、以下の組成を有する分散液(B)を調製した。なお、分散液(B)の調製では、粒度分布計MT3300EXII(マイクロトラック・ベル(株)製)によって測定されたD50%粒子径が0.5μmになるように、ラボスターミニLMZ015(アシザワ・ファインテック(株)製)によりロイコ染料の粉砕および分散化を行った。
【0063】
[分散液(B)の組成]
ロイコ染料 30.0部
20%ポリビニルアルコール水溶液 22.5部
水 47.5部。
【0064】
<実施例4〜6および比較例3,4>
〔感熱記録材料の作製〕
前記調製で得られた分散液(A)および分散液(B)、並びに、48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックスおよび水を、以下の組成で混合することにより、感熱記録層塗布液を調製した。その後、乾燥時の質量が6mg/m
2となるように前記感熱記録層塗布液をPETフィルム(製品名:ルミラー S10#50、東レ株式会社製)上に塗布した後、前記感熱記録層塗布液を乾燥させることにより、顕色剤組成物を含む感熱記録層を前記PETフィルム上に積層した。
【0065】
[感熱記録層塗布液の組成]
分散液(A) 45.0部
分散液(B) 12.5部
48%変性スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス 20.0部
水 22.5部。
【0066】
〔保護層の形成〕
前記感熱記録層上に、以下の組成を有する保護層塗布液を乾燥時の質量が2g/m
2となるように塗布した後、これを乾燥させることにより、感熱記録層上に保護層を有する、実施例4〜6および比較例3,4の感熱記録材料をそれぞれ作製した(すなわち、実施例1〜3および比較例1,2で得られた顕色剤組成物を用いて、実施例4〜6および比較例3,4の感熱記録材料をそれぞれ作製した)。
【0067】
[保護層塗布液の組成]
40%スチレン/アクリル酸エステル共重合体エマルジョン 40.0部
5%ベントナイト水分散液 5.0部
45%スチレン・アクリル共重合体水性エマルジョン 15.0部
39%ステアリン酸亜鉛水分散液 35.0部
67%炭酸カルシウム水分散液 5.0部。
【0068】
〔保存安定性試験〕
印字した実施例4〜6および比較例3,4の感熱記録材料を、後述の耐熱性試験または耐湿熱性試験に供した。試験前後において、発色部分(以下、「印字部」とも称する)のマクベス反射濃度、および発色部分が形成されていない部分(以下、「地肌部」とも称する)のISO白色度を測定し、試験前後の測定値を比較することにより、顕色剤組成物の耐熱性および耐湿熱性を評価した。前記マクベス反射濃度および前記ISO白色度は、測色器FD−7(コニカミノルタ(株)製)を用いて測定した。当該測定は、いずれも光源にイルミナントCを用いて、濃度ステータスA、視野角2度の条件で行った。
【0069】
なお、「印字部」の「残存率」は、以下の式(i)より算出した。
残存率(%)={(試験後の感熱記録材料の発色部のマクベス反射濃度)/(試験前の感熱記録材料の発色部のマクベス反射濃度)}×100 ・・・(i)
また、「地肌部」の「変化量」は、以下の式(ii)より算出した。
変化量=(試験前の感熱記録材料の地肌部のISO白色度)−(試験後の感熱記録材料の地肌部のISO白色度) ・・・(ii)。
【0070】
<耐熱性試験>
顕色剤組成物を含む感熱記録層、および保護層を積層した前記PETフィルム(感熱記録材料)に、サーマルプリンターBP−4300((株)イシダ製)を用いて印字エネルギー186μJ/dotで印字した。印字部のマクベス反射濃度および地肌部のISO白色度を測定し、このときの測定値を「試験前」の測定値とした。その後、送風定温恒温器DKM600(ヤマト科学(株)製)を用いて、印字した前記感熱記録材料を80℃または100℃で24時間保持することにより、耐熱性試験を行った。印字部のマクベス反射濃度および地肌部のISO白色度を測定し、このときの測定値を「試験後」の測定値とした。80℃で保持した場合(「80℃での耐熱性試験」とも称する)の結果を表3に、100℃で保持した場合(「100℃での耐熱性試験」とも称する)の結果を表4に、それぞれ示す。
【0071】
80℃での耐熱性試験では、印字部の残存率は75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。また、地肌部の変化量は10以下であることが好ましい。100℃での耐熱性試験では、印字部の残存率は60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましい。また、地肌部の変化量は20以下であることが好ましい。従って、マクベス反射濃度の残存率が高いほど、印字部の耐熱性が優れていることがわかる。また、ISO白色度の変化量が小さいほど、地肌部の耐熱性が優れていることがわかる。
【0072】
なお、比較例2で得た顕色剤組成物を含む比較例4の感熱記録材料は、80℃での耐熱性試験において、試験前の地肌部のISO白色度の測定値が50未満であり、要求水準(ISO白色度の測定値が50以上)に達しなかった。そのため、比較例2で得た顕色剤組成物を用いた比較例4の感熱記録材料に関しては、80℃での耐熱性試験の対象から除外し、それ以外の試験も行わなかった。
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
表3より、実施例1〜3の顕色剤組成物を用いた実施例4〜6の感熱記録材料は、印字部の残存率が80%以上であり、印字部の耐熱性が優れていることがわかる。一方、比較例1の顕色剤組成物を用いた比較例3の感熱記録材料は、印字部の残存率が75%未満であり、印字部の耐熱性が劣っていることがわかる。
【0076】
表4より、実施例1〜3の顕色剤組成物を用いた実施例4〜6の感熱記録材料は、印字部の残存率が65%以上であり、印字部の耐熱性が優れていることがわかる。一方、比較例1の顕色剤組成物を用いた比較例3の感熱記録材料は、印字部の残存率が60%未満であり、印字部の耐熱性が劣っていることがわかる。
【0077】
<耐湿熱性試験>
顕色剤組成物を使用した感熱記録層および保護層を塗布したPETフィルムに、サーマルプリンターBP−4300((株)イシダ製)を用いて印字エネルギー186μJ/dotで印字した。その後、恒温恒湿器KCL−200A(東京理科器械(株)製)を用いて、印字した前記感熱記録材料を温度40℃、湿度90%で24時間保持することにより、耐湿熱性試験を行った。印字部のマクベス反射濃度および地肌部のISO白色度を測定し、このときの測定値を「試験後」の測定値とした。測定結果を以下の表5に示す。
【0078】
耐湿熱性試験では、印字部の残存率が75%以上であることが好ましく、80%以上であることが好ましい。また、地肌部の変化量が10以下であることが好ましい。従って、マクベス反射濃度の残存率が高いほど、印字部の耐湿熱性が優れていることがわかる。また、ISO白色度の変化量が小さいほど、地肌部の耐湿熱性が優れていることがわかる。
【0079】
【表5】
【0080】
表5より、実施例1〜3の顕色剤組成物を用いた実施例4〜6の感熱記録材料は、印字部の残存率が80%以上であり、印字部の耐熱性が優れることがわかる。一方、比較例1の顕色剤組成物を用いた比較例3の感熱記録材料は、印字部の残存率が75%未満であり、印字部の耐熱性が劣ることがわかる。
【0081】
〔静発色感度試験〕
実施例4および比較例3で得られた感熱記録材料に、それぞれ、(株)東洋精機製作所製の熱傾斜試験機(型式:HG−100−2)を用いて印字した。このとき、90℃から150℃まで10℃ごとに発色温度を変え、当該発色温度で1秒間、感熱記録材料を加熱した。印字部のマクベス反射濃度をGRETAG−MACBETH社製の測色機(商品名:SpectroEye)を用いて測定した。当該測定は、光源にイルミナントC、濃度基準にANSI Aを用いて、視野角2度の条件で行った。測定結果を
図1に示す。
図1の横軸は発色温度を、縦軸はマクベス反射濃度の測定値を示す。なお、マクベス反射濃度が高いほど、静発色感度が優れていることがわかる。
【0082】
図1の結果より、比較例3の感熱記録材料に比べて、実施例4の感熱記録材料の方が低い温度でマクベス反射濃度の増加が始まる(すなわち、発色開始温度が低い)ことがわかる。このことから、実施例4の感熱記録材料は、比較例3の感熱記録材料に比べて、静発色感度に優れ、かつ低い温度での発色濃度が高いことが明らかとなった。