【解決手段】 除雪装置10aは、屋根面41の近くに形成した、回転機能及び屈折機能を有する第一関節機構部11と、第一関節機構部11の一端を連結した第一アーム21と、 第一アーム21の他端に連結した、屈折機能を有する第二関節機構部12と、第二関節機構部12に一端を連結した第二アーム22と、第二アーム22の他端に連結した第二アームの軸心に対し、水平方向、垂直方向及び回転方向に動作する機能を有する第三関節機構部13と、第三関節機構部13に連結した、屋根面41の積雪を除去する除雪作動機構部30と、を備える。制御手段は、第一関節機構部11、第二関節機構部12、第三関節機構部13が協働して、第一アーム21、第二アーム22、除雪作動機構部30の各動作を制御することにより、除雪作動機構部30を、屋根面41の積雪を除雪する方向に移動させる。
前記制御手段は、前記除雪作動機構部が、屋根面から予め設定した一定の高さまでの積雪を残して除雪するよう制御することを特徴とする請求項1項〜5項のうち、何れか1項に記載の除雪装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の発明の場合、屋根面の面積が大きくなると、圧縮空気を噴出するノズルから屋根面の端までの距離が長くなる。例えば、仮に屋根面の大きさが、縦長さを5メートルで、横長さを10メートルであると仮定すると、圧縮空気は5メートル先の雪を吹き飛ばす風力と風量が必要となる。そのために、強力な圧縮空気を送るための大型のコンプレッサが必要となる。
【0007】
また、特許文献2記載の発明では屋根面の面積が大きくなると、圧縮空気を噴出するL字形のステンレスパイプノズルの長さが長くなる。さらに、ステンレスパイプノズルは複数のノズル孔を有しているので、前記のノズル孔の数が多くなれば、その数に比例して大きな風量と風力を必要とする。例えば、ステンレスパイプノズルが、仮に10個のノズル孔を備えていると仮定すると、1個のノズル孔の場合に単純比較して、10倍の風力と風量を供給する大型のコンプレッサが必要となる。
【0008】
さらに、特許文献1及び特許文献2のいずれの発明においても、屋根面に集合煙筒などの設備があるような複雑な形状の場合は、これらの設備の影(死角)が生じるために除雪不能な部分が生じる。つまり、設備の死角部分に吹き溜まりができると、雪庇が成長するなどして落雪の危険性が高まる。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、人力に頼ることなく自動的に除雪し、大きな屋根面であっても大型のコンプレッサなどの高価な設備を必要とせずに除雪することができ、しかも屋根面の形状に左右されずに満遍なく効率よく除雪することを可能とする除雪装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、屋根面の近くに位置する構造物に形成した、回転機能及び屈折機能を有する第一関節機構部と、前記第一関節機構部に一端を連結した第一アームと、前記第一アームの他端に連結した、屈折機能を有する第二関節機構部と、前記第二関節機構部に一端を連結した第二アームと、前記第二アームの他端に連結され、水平方向及び垂直方向のうち、少なくとも一つの方向に旋回可能な第三関節機構部と、前記第三関節機構部に連結され、屋根面の積雪を除去する除雪作動機構部と、前記第一関節機構部、第二関節機構部、第三関節機構部の動作を制御する制御手段と、を具備し、該制御手段は、前記の第一関節機構部、第二関節機構部、第三関節機構部を協働させながら、前記第一アーム、第二アーム及び除雪作動機構部の動作を制御して、該除雪作動機構部を、屋根面の積雪を除雪する方向へ動作させることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記1項において、前記第二アームの他端と、前記第三関節機構部を連結した除雪作動機構部との間に、回転機能及び屈折機能のいずれかの機能を有する補助関節機構部、若しくは補助アームのうち一方を交互に連結するとともに、前記制御手段は、前記の第一関節機構部、第二関節機構部、第三関節機構部、前記補助関節機構部を協働させながら、前記第一アームと第二アームと除雪作動機構部と前記の加えた補助アームの動作を制御して、前記除雪作動機構部を、屋根面の積雪を除雪する方向へ動作させることを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記1項又は2項において、前記除雪作動機構部は、屋根面の積雪を除雪する方向に動作させて掻き出すためのスクレーパであることを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の発明は、上記1項又は2項において、前記除雪作動機構部は、屋根面の積雪を除雪する方向に吹き飛ばすためのエアを噴出するエア噴射装置であることを特徴としている。
【0014】
請求項5記載の発明は、上記1項又は2項において、前記除雪作動機構部は、屋根面の積雪を吸引して除雪する除雪用吸引装置であることを特徴としている。
【0015】
請求項6記載の発明は、上記1項〜5項のうち、何れか1項において、前記制御手段は、前記除雪作動機構部が、屋根面から予め設定した一定の高さまでの積雪を残して除雪するよう制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、除雪作動機構部としてスクレーパ、エア噴射装置、除雪用吸引装置のいずれかを用いることができ、いずれにおいても、いろいろな形状の屋根面の積雪に対応して屋根のほぼ全面を自動的に除雪することができる。
【0017】
また、除雪作動機構部は、屋根面の積雪の高さに応じて雪の表面から一定の深さの雪を掻き出し、吹き飛ばし、吸引しながら繰り返し移動するので、積雪の多少にかかわらず除雪することができる。したがって、除雪作動機構部に対して過大な負荷がかからないので、第一関節機構部と第二関節機構部と第三関節機構部における各駆動装置に過大な負荷がかからない。従って、各駆動装置は大出力でなくてもよく、アームにしても小さい力に耐える部材で良いのでコストダウンを図ることができる。
また、除雪作動機構部は、予め屋根面から一定の高さの雪を残すことによって、屋根面や建造物に接触せずに移動するので、屋根面や建造物を損傷することを防止できる。
【0018】
更に、除雪作動機構部は、屋根面における各点の小範囲を除雪してゆくので、大きな負荷がかかることなく効率よく除雪作業を行うことができる。しかも、エアを噴射することによって除雪する場合、小型のコンプレッサで十分に対応できるので、省力化やコストダウンを図ることができる。
【0019】
また、積雪や降雪を検知するセンサを備え、このセンサの検知信号により制御手段の演算装置で積雪の高さを計算することができるので、除雪装置は自動的に作動したり、停止したりする自動制御が可能となり、無人化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の第一の実施形態に係る除雪装置10aについて図面を参照して説明する。
図1は、建造物40(建屋)の屋根面41の上から視た平面図である。
図2は、建造物40(建屋)の正面図である。
図3は、
図2の側面図である。
図4は、スクレーパ31の動作を示した図である。
【0022】
第一の実施形態の除雪装置10aは、
図1〜
図3に示すように、例えば建造物40(建屋)の屋根面41の近くに位置して、支柱となる構造物42が形成されている。支柱42の上端は、前記の屋根面41とほぼ同じ高さであるが、この高さに限定されない。また、構造物42としては、支柱でなくとも、建造物40(建屋)の一部を利用してもよいので、特に限定されない。すなわち、構造物42は建造物40(建屋)の一部も含まれる。
また、支柱となる構造物42の基礎には、融雪槽44が形成されている。この融雪槽44は除雪した雪を投入して融かすための槽であり、融かされた水は排水溝に排出したり、地下へ排出したりすることができるようになっている。構造や機能については、現在一般に提供されているものに準じている。
【0023】
上記の構造物42の上端には、回転機能及び屈折機能を有する第一関節機構部11が設けられている。この第一関節機構部11には、長尺の第一アーム21の一端が連結されている。第一アーム21は、例えば第一関節機構部11の位置から屋根面41の最も遠い端部までの距離(この場合、直線距離ではなく、屋根面に沿った距離)に対して半分以上の長さであることが望ましい。
したがって、第一アーム21は、
図1の二点鎖線に示すように旋回可能であり、しかも、
図2の二点鎖線に示すように上下方向に屈折可能である。
【0024】
また、建造物40(建屋)は、
図1及び
図3に示すように、屋根面41から外れる位置で第一アーム21と第二アーム22をと畳んだ状態にして、ほぼ水平に倒して保持するためのアーム保持部43を備えている。このアーム保持部43は、第一アーム21をロック(固定)又はアンロック(解除)するロック機構を備えている。
【0025】
第一アーム21の他端には、屈折機能を有する第二関節機構部12が連結されている。この第二関節機構部12には、長尺の第二アーム22の一端が連結されている。
第二アーム22は、第一アーム21と同じように、例えば第一関節機構部11の位置から屋根面41の最も遠い端部までの距離(この場合、直線距離ではなく、屋根面に沿った距離)に対して半分以上の長さであることが望ましい。
したがって、第二アーム22は、
図1及び
図2の二点鎖線に示すように第一アーム21の延長上で上下方向に屈折可能である。第二アーム22の先端が、屋根面41の最も遠い端部まで達するように形成している。
【0026】
第二アーム22の他端には、水平方向及び垂直方向のうち、一方向或いは双方向に旋回可能な構造にして、第二アーム22の軸心に対して回転可能な構造を持つ第三関節機構部13が連結されている。すなわち、第三関節機構部13は、水平方向と垂直方向の両方、あるいは水平方向と垂直方向のいずれか一方に旋回可能な場合がある。
前記第三関節機構部13には、屋根面41の積雪を除去する除雪作動機構部30が連結されている。第一の実施形態では、除雪作動機構部30としては、屋根面41の積雪を除雪する方向に掻き出すためのスクレーパ31である。
【0027】
また、第三関節機構部13の回動動作を実施する基本的な構造は、
図17に示すように、第三関節機構部本体13aは、第二アームの軸心に対し直角方向、つまり、上フランジ13cと下フランジ13dとを上下に備えた断面コ字状に形成されている。第一の回転軸13bは第三関節機構部本体13aの背面から後方へ延出し、第二アーム22の先端に形成した軸孔22aに回転自在に嵌合支持されている。
【0028】
さらに、第三関節機構部本体13aは、除雪作動機構部30のスクレーパ31や、エア噴射ノズル34a及び吸引ノズル35aを第二アーム22の軸心の延長線上で水平方向に旋回させるための第二の回転軸13eが、上フランジ13cと下フランジ13dとによって、回転可能に支持されている。
【0029】
加えて、
図17に示すように、第三関節機構部本体13aに取付けられた第二の回転軸13eには、上フランジ13cと下フランジ13dのほぼ中間位置にボスが取付けられ、当該ボスに貫通した軸孔13gを形成している。第三の回転軸13fは、支持プレート13iの背面に形成された孔部13k,13kの間に、軸孔13gを介して回転自在に挿入されている。この機構により、除雪差動機構30は、第三の回転軸13fの軸心を中心にして、図の上下方向に旋回することができる。これにより、スクレーパ30は屋根面41の傾斜角度に対して適切な傾きを形成し、効率的に除雪することが可能となっている。
【0030】
なお、
図17では、スクレーパ31,エア噴射ノズル34a及び吸引用ノズル35aを二点鎖線で図示しているが、支持プレート13iにはスクレーパ31,エア噴射ノズル34a及び吸引用ノズル35aの何れも取り付けられる構造となっている。
【0031】
前述の第一関節機構部11と第二関節機構部12と第三関節機構部13は、本実施形態では、一般に市販されている電動モータを駆動手段として使用しており、例えば「産業用ロボット」などで使われている駆動機構によって回転運動を屈曲動作や旋回動作に変換している。或いは、油圧シリンダ、油圧モータなど、他の駆動手段も利用することが可能である。
【0032】
また、第一の実施形態の除雪装置10aでは、前述の第一関節機構部11、第二関節機構部12、第三関節機構部13が協働して第一アーム21と第二アーム22と除雪作動機構部30の動作を制御して、除雪作動機構部30が屋根面41の積雪を除雪する方向に移動させる制御手段が備えられている。
さらに、除雪装置10aには、屋根面41や地上における積雪量を検知するセンサ(検知装置)を備えている。
【0033】
また、制御手段は、屋根面41の外形のデータ、屋根面41を細かく区分したときの各区分点における高さ及び各区分点の差のデータ、並びに予め設定したスクレーパ31の進行経路などのデータ、演算装置で計算したデータなどを記憶するメモリ(記憶装置)を備えている。
さらに、制御手段は、屋根面41の各交点における高さに対して予め設定した所定の高さ位置を計算する演算装置を備えている。また、演算装置は、前述のセンサによる検知情報に基づき、積雪の上面から一定の深さの雪を除雪するスクレーパ31の位置を計算することができるようになっている。
【0034】
次に、第一の実施の形態の除雪装置10aの作用について説明する。
制御手段の演算装置では、センサによる積雪の検知信号によって積雪の高さが計算され、積雪の上面から予め設定した一定の深さの雪を除雪するように、第一関節機構部11と第二関節機構部12と第三関節機構部13における各駆動装置である駆動モータに指令が与えられる。
【0035】
その結果、第一関節機構部11と第二関節機構部12と第三関節機構部13が互いに協働して第一アーム21と第二アーム22と除雪作動機構部30であるスクレーパ31の動作を制御する。例えば、スクレーパ31は、
図5の矢印で示すように、屋根面41の稜線から斜め下方に向けて満遍なく除雪する。この時、スクレーパ31の軌跡の間隔はスクレーパ31の幅α以下の寸法にする必要がある。スクレーパ31は、屋根面41の傾斜角度に対して適切な傾きを形成するように制御されて移動する。スクレーパ31が適切な傾きに制御されることで、効率よく除雪作業が行われる。
【0036】
一方、除雪装置10aが運転休止している場合は、第一アーム21及び第二アーム22が水平方向に倒されてアーム保持部43に支持されてロックされる、この位置を原位置とする。第一アーム21及び第二アーム22は、原位置に支持されてロックされることで、強風時にかかる風圧抵抗を少なくし、固定されるので、強風による破損の危険性を避けることができる。また、強風時は屋根や平地に積雪がないとされているので、除雪装置10aは風速計と連動して所定の風速以下の場合のみに作動するように設定することが望ましい。
【0037】
除雪作業開始時、ロックを解除された第一アーム21を、まず縦向きに作動させる。第一アーム21が縦向きにされることで、第二アーム22の自由度が向上する。その結果、たとえ屋根面41に凹凸の構造物(例えば集合煙筒など)や、それによる雪の吹き溜まりがあっても、前記の構造物を避けながら、屋根面41の積雪や吹き溜まりを効率よく除去することができる。
【0038】
図1及び
図5では屋根面41の傾斜が四方向であるので、スクレーパ31は、
図1に示すように屋根面41の各傾斜面ごとに除雪する方向に回動可能に設置されているとともに、各傾斜面に対して適切な傾きや角度に調整することができるように構成されている。
図5では、スクレーパ31は、屋根面41の各傾斜面ごとに端縁の直角方向に向けてほぼ平行に移動し、積雪を端縁から地上へ落下させている。しかし、スクレーパ31の移動軌跡は、特に限定されない。例えばスクレーパ31を各斜面ごとの稜線上の多点から、端縁の任意の一点に向かって繰り返し移動させる軌跡を取れれば、地上に落下した雪をトラックなどの運搬車両に積み込む際に、一地点で積み込むことができるので、集雪する労力を軽減することができる。
【0039】
除雪作業の具体例としては、例えば、スクレーパ31が10cmの積雪の上面から1cmの深さで除雪するように移動し、しかも屋根面41から3cmの高さの雪を残した状態に除雪する場合、スクレーパ31は上記の
図5の矢印で示す動作を7回往復することになる。
したがって、スクレーパ31に対し、過大な負荷がかからず、結果的に第一関節機構部11、第二関節機構部12、第三関節機構部13における各駆動装置の駆動モータに、過大な負荷がかからない。これにより、各駆動装置における駆動源として、大出力の駆動モータを用いる必要がなくなることから、コストの低減を図ることができる。
また、上記のように、予め屋根面41から一定の高さの雪を残すことによって、屋根を構成するトタンや瓦、並びにスクレーパ31などが傷ついたり損傷したりすることを未然に防止することができる。
【0040】
次に、本発明の第二の実施形態に係る除雪装置10bについて図面を参照して説明する。なお、第二の実施形態は前述の第一の実施形態とほぼ同様であるので、同じ部材は同一の符号を付し、特に異なる箇所について説明する。
第二の実施形態の除雪装置10bは、
図6、
図7及び
図8に示すように、二階建ての建造物40(建屋)であり、一階部分の屋根面41aと二階部分の屋根面41bがある。支柱となる構造物42は、一階部分の屋根面41aに比較的近い位置に形成している。もし一階部分の屋根面41aから遠い位置に形成すると、第一アーム21と第二アーム22が二階部分の屋根面41bと干渉して、一階部分の屋根面41aの積雪の一部を除去できない可能性が出てくるからである。
【0041】
また、第二アーム22の先端のスクレーパ31が建造物40(建屋)の付近の地面に届く場合、
図6及び
図7に示すように、地面上の雪や屋根面41a,41bの雪を、融雪槽44の近くまでかき集めることができる。
なお、第二の実施の形態の除雪装置10bの作用は、前述の第一の実施形態とほぼ同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0042】
次に、本発明の第三の実施形態に係る除雪装置10cについて図面を参照して説明する。なお、第三の実施形態は前述の第一の実施形態及び第二の実施形態とほぼ同様であるので、同じ部材は同一の符号を付し、特に異なる箇所について説明する。
図10、
図11及び
図12に示すように、第三の実施形態の除雪装置10cにおける支柱となる構造物42は、前述の第一の実施形態における融雪槽44に替え、地中に深く形成した基礎部45の上に形成されている。
【0043】
また、除雪作動機構部30としては、屋根面41の積雪を除雪する方向に吹き飛ばすためのエアを噴出するエア噴射ノズル34aを備えたエア噴射装置34である。
エア噴射装置34は、
図9(a),(c)に示すように、エア噴射ノズル34aが第二アーム22の先端の第三関節機構部13に固定されており、
図10、
図11及び
図12に示すように、エア噴射ノズル34aに圧縮空気を供給するためのエアホース34cを介して地上に備えたコンプレッサ34dと連結されている。
また、エア噴射ノズル34aは、
図9(b),(d)に示すように、先端が扁平形状且つ楕円形の噴射口34bを備えている。コンプレッサ34dの圧縮空気は、エアホース34cを経て、エア噴射ノズル34aに供給され、先端から噴射して雪を吹き飛ばすことが可能な圧力に調整されている。
【0044】
なお、第三関節機構部13の動作は、基本的に前述のスクレーパ31と同様である。すなわち、スクレーパ31に替えてエア噴射ノズル34aを取り付けた構造である。
エア噴射ノズル34aに供給する圧縮空気を作り出すコンプレッサ34は、
図10、11及び
図12に示すように、地上に設置されているとともに、エアホース34cの一端が連結され、エアホース34cの他端はエア噴射ノズル34aと接続されている。コンプレッサ34dで作られた圧縮空気は、エアホース34cを介しエア噴射ノズル34aの先端から噴射されて雪を吹き飛ばす構成である。
【0045】
制御手段は、前述の第一関節機構部11、第二関節機構部12、第三関節機構部13を協働させることにより、第一アーム21、第二アーム22、除雪作動機構部30、各々の動作を制御し、エア噴射ノズル34aの噴射方向を、屋根面の傾斜角度に対して適切な傾きとなるよう保持して効率よく除雪を行うようになっている。
【0046】
第三の実施の形態の除雪装置10cの作用は、前述の第一の実施形態及び第二の実施形態とほぼ同様であり、違いはスクレーパ31に替えてエア噴射ノズル34aを取り付けた構成であるので、詳しい説明は省略する。
エア噴射ノズル34aは、
図5の矢印で示すように、屋根面41の稜線から斜め下方に向けられ、これにより満遍なく屋根面41上を除雪する。この時、エア噴射ノズル34aの軌跡の間隔は、エア噴射ノズル34aの噴射口34bの幅β以下の寸法にする必要がある。エア噴射ノズル34aは、屋根面41の傾斜角度に対して適切な傾きを形成するように制御されて移動する。エア噴射ノズル34aが適切な傾きに制御されることで、効率よく除雪作業が行われる。
【0047】
次に、本発明の第四の実施形態に係る除雪装置10dについて図面を参照して説明する。なお、第四の実施形態は前述の第一の実施形態、第二の実施形態及び第三の実施形態とほぼ同様であるので、同じ部材は同一の符号を付し、特に異なる箇所について説明する。
第四の実施形態の除雪装置10dは、
図13,
図14及び
図15に示すように、支柱となる構造物42の基礎には、融雪槽44が形成されている。
【0048】
また、除雪作動機構部30としては、屋根面41の積雪を吸引して除雪する除雪用吸引装置35である。
図9(a),(c)、
図17に示すように、除雪用吸引装置35の吸引用ノズル35aは、第二アーム22の先端の第三関節機構部13の支持プレート13iに固定されており、その取付構造は第三の実施形態におけるエア噴射ノズル34aとほぼ同様である。
また、除雪用吸引装置35は、
図13,
図14及び
図15に示すように、吸引用ノズル35aに、負圧をかけて雪を吸引するための吸引ダクト35cが連結されている。吸引ダクト35cは、例えば支柱42に取付けた送風機35dに連結されている。送風機35dは、送風ホース35eを介して融雪槽44に向けてエアを送風することにより、送風ホース35eの反対側に連結した吸引ダクト35cに負圧を生じさせる構成である。
【0049】
また、吸引用ノズル35aの先端には、
図9(b),(d)に示すように先端が扁平形状で楕円形の吸引口35bが形成されている。したがって、送風機35dが運転されると、屋根面41の積雪の表面の雪が吸引用ノズル35aの吸引口35bから吸引されて除雪される。吸引された雪は吸引ダクト35cを経て送風機35dへ吸引され、送風ホース35eを経て融雪槽44へ放出される。
【0050】
なお、第三関節機構部13による水平方向及び垂直方向に旋回する動作は、基本的に前述の第三の実施形態におけるエア噴射ノズル34aと同様である。すなわち、エア噴射ノズル34aに替えて吸引用ノズル35aを取り付けた構造である。その旋回動作は第三の実施形態の説明と同様であるので、詳しい説明は省略する。したがって、吸引用ノズル35aの吸引方向は、効率よく除雪するために、屋根面41の傾斜角度に対して適切な傾きを形成することができる。
【0051】
第四の実施の形態の除雪装置10dの作用は、前述の第一の実施形態、第二の実施形態及び第三の実施形態とほぼ同様であり、違いはスクレーパ31やエア噴射ノズル34aに替えて吸引用ノズル35aを取り付けた構造であるので、詳しい説明は省略する。
吸引用ノズル35aは、
図16の矢印で示すように、屋根面41の稜線と端縁との間を交互に上下方向に移動して満遍なく除雪する。この時、吸引用ノズル35aの軌跡の間隔は吸引用ノズル35aの吸引口35bの幅γ以下の寸法にする必要がある。吸引用ノズル35aは、屋根面41の傾斜角度に対して適切な傾きを形成するように制御されて移動する。吸引用ノズル35aが適切な傾きに制御されることで、効率よく除雪作業が行われる。
【0052】
本発明の実施形態に係る除雪装置10は、前述の第一の実施形態ないしは第四の実施形態において複数の各アームと、各アーム間を連結する複数の各関節機構部の数を増やすことができる。
例えば、前述の除雪装置10において、第二アーム22の他端と、第三関節機構部13を連結した除雪作動機構部30との間に、補助関節機構部と補助アームとをそれぞれ一つ以上を交互に連結して構成する。補助関節機構部としては、回転機能と屈折機能の少なくともいずれかを有するものである。
【0053】
制御手段は、第一関節機構部11と、第二関節機構部12と、第三関節機構部13と、一つあるいは複数の補助関節機構部とが協働するように制御し、これによって、除雪作動機構部30を、屋根面41に積もった雪を除雪する方向に移動させる。
また、制御手段は、第一アーム21と、第二アーム22と、除雪作動機構部30と、前述の一つ、或いは複数の補助アームの動作について、除雪作動機構部30が屋根面41に積もった雪を除雪する方向に移動させるように制御する。
【0054】
したがって、除雪作動機構部30は、より複雑な形状をした屋根面41に積もった雪を除雪する方向へ移動させることができるので、例えば、屋根面41では集合煙筒などの構造物がある場合、第一アーム21及び第二アーム22だけの構成では、死角となって取り除けなかった部分の雪も容易に除去することが可能となる。地上においても例えば物陰に堆積した雪の除去が可能となる。
【0055】
以上のことから、本発明の実施形態の除雪装置10は、以下に示すような効果を奏する。
(1)いろいろな形状の屋根面41の積雪に対応して屋根のほぼ全面を自動的に除雪することができる。
(2)除雪作動機構部30は屋根面41の積雪に対して満遍なく積雪の深さに応じて何度でも移動するので、積雪の多少にかかわらず除雪することができる。したがって、除雪作動機構部30に対して過大な負荷がかからないので、結果として第一関節機構部11、第二関節機構部12、第三関節機構部13における各駆動装置にも過大な負荷がかからない。このため、各駆動装置は大出力でなくてもよいのでコストダウンを図ることができる。
(3)除雪作動機構部30は、予め屋根面41から一定の高さの雪を残すことによって、屋根面41や建屋40に接触せずに移動するので、屋根面41や建屋40の損傷を防止できる。
(4)除雪作動機構部30は、屋根面41における各点の小範囲を除雪してゆくので、大きな負荷がかかることなく、効率よく除雪作業を行うことができる。しかも、エアを噴射することによって除雪する場合、小型のコンプレッサ34dで十分に対応できるので、省力化やコストダウンを図ることができる。
(5)積雪や降雪を検知するセンサを備え、このセンサの検知信号により制御手段の演算装置で積雪の高さを計算することができるので、除雪装置10は自動的に作動したり、停止したりして省力化を図ることができる。