特開2019-82875(P2019-82875A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2019082875-誘導案内表示システム 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-82875(P2019-82875A)
(43)【公開日】2019年5月30日
(54)【発明の名称】誘導案内表示システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 5/36 20060101AFI20190510BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20190510BHJP
【FI】
   G08B5/36 D
   G08G1/005
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-210099(P2017-210099)
(22)【出願日】2017年10月31日
(71)【出願人】
【識別番号】515092002
【氏名又は名称】idealogicdesign株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109472
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 直之
(72)【発明者】
【氏名】笠井 統太
【テーマコード(参考)】
5C083
5H181
【Fターム(参考)】
5C083AA01
5C083BB12
5C083DD01
5C083HH01
5C083HH16
5C083JJ34
5C083JJ36
5C083JJ39
5H181AA21
5H181HH15
5H181HH23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者を効果的に誘導できる誘導案内表示システムを提供する。
【解決手段】施設内を通行する利用者に対する誘導案内を行うシステムは、案内画像を記憶する記憶部11と、記憶部11の上記案内画像を表示するディスプレイ12と、ディスプレイ12に表示した案内画像を、利用者を誘導する方向に向かって動かすよう表示を制御する制御部13とを備えている。ディスプレイ12には案内画像が表示され、その案内画像が、利用者を誘導する方向に向かって動くように表示される。これにより、利用者は、案内画像の動く方向を認識すれば、どちらに進めばよいかが一目瞭然で把握できる。案内画像には誘導先の目的場所を文字や絵柄で表示すればよい。ディスプレイ12の表示スペースを効率的に使用して目的場所を案内できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内を通行する利用者に対する誘導案内を行うシステムであって、
案内画像を記憶する記憶部と、
上記記憶部の上記案内画像を表示するディスプレイと、
上記ディスプレイに表示した上記案内画像を、利用者を誘導する方向に向かって動かすよう表示を制御する制御部とを備えた
ことを特徴とする誘導案内表示システム。
【請求項2】
上記制御部は、上記案内画像をスライドまたはスクロールさせるよう表示を制御する
請求項1記載の誘導案内表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば客船等のように1フロアまたは複数のデッキを有し、複雑に屈折した通路を有する施設内を通行する利用者を誘導する誘導案内表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば客船のような施設内では一般に、利用者の経路を誘導する案内表示が使用されている。
たとえば、「↑一等室」「二等室→」のように、行先を表わす文字と方向を示す矢印をセットで案内プレートに表示し、エントランス等の所定の掲示場所に、その案内プレートを掲示する、というのがよくあるパターンである。
【0003】
ところが、特に客船のように天井高に限りがある施設では、掲示できる案内プレートの大きさに限度がある。その案内プレートに表示できる矢印や文字の大きさにも制限がある。そうすると、矢印や文字が遠くから見えにくく、近くまで寄らなければならない。案内プレートまで近寄ってみて、ようやく目的とする場所へ行く案内でないことがわかり、あらためて目的とする場所への案内が表示された案内プレートを探すといったことをしなければならない。とくに視力の弱い利用者には大きな不便をかける。
【0004】
このような案内や表示に係るシステムに関する先行技術文献として、本出願人は下記の特許文献1および2を把握している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−50695号公報
【特許文献2】特開2014−185925号公報
【0006】
上記特許文献1は、案内表示システム等に関するものであり、つぎの記載がある。
[0031]
筐体15は、光源11からの光を透過する第1面15aを有し、光源11を覆う。図3及び図4に示すように、筐体15は、さらに、光源11からの光を透過する第2面15bを有する。本実施の形態では、筐体15は、看板状(パネル状)の筐体である。第1面15aと第2面15bとは、互いに背向している。筐体15の内部に光源11、制御部12及び記憶部13が収納されており、光源11からの光は、第1面15aと第2面15bとから外部に出射される。
[0032]
筐体15は、例えば、アクリル(PMMA)又はポリカーボネート(PC)などの透光性の樹脂材料から形成される。なお、第1面15a及び第2面15b以外の部分(例えば、筐体15の側面)は、透光性を有しなくてもよいので、例えば、アルミニウムなどの遮光性を有する金属材料から形成されてもよい。
[0033]
第1案内表示16aは、第1面15aに設けられた案内表示である。第2案内表示16bは、第2面15bに設けられた案内表示である。案内表示は、ユーザ2を道案内するために、所定の場所までの方向などを示す標識である。所定の場所は、例えば、駅、公園、建物などのランドマーク、又は、市町村、都道府県などの行政区である。第1案内表示16a及び第2案内表示16bはそれぞれ、第1面15a及び第2面15bに印字されていてもよく、あるいは、ステッカー又はラベルなどの、裏面に粘着性材料が付いたプラスチックフィルム又は紙でもよい。
【0007】
上記特許文献2は、案内プログラム等に関するものであり、つぎの記載がある。
[0071]
・・・また、図11は、経路の向きにより、異なる看板画像を表示する一例を示す説明図である。図11の例では、案内サーバ100は、下方から来たユーザのユーザ端末10には、位置情報に基づいて、珈琲店の看板画像を含む案内情報を生成して送信する。すると、下方から来たユーザのユーザ端末10には、珈琲店の看板画像を含む案内情報が表示される。また、案内サーバ100は、上方から来たユーザのユーザ端末10には、位置情報に基づいて、菓子店の看板画像を含む案内情報を生成して送信する。すると、上方から来たユーザのユーザ端末10には、菓子店の看板画像を含む案内情報が表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来の案内プレートでは、掲示できる案内プレートの大きさに限度があり、その案内プレートに表示できる矢印や文字の大きさにも制限がある。これにより、近寄らなければ案内が見えないことがある。このように、従来の案内表示では、利用者の誘導を効果的に行えないという問題があった。
【0009】
上記特許文献1は単に、樹脂製の筐体15に案内表示を設けたものに過ぎない。上記案内表示は、ユーザ2を道案内するため、駅,公園,建物などの所定の場所と、そこまでの方向を示す標識である。
【0010】
上記特許文献2は、経路の向きにより、異なる看板画像を表示する一例を示すものである。下方から来たユーザのユーザ端末10には、珈琲店の看板画像を含む案内情報が表示される。上方から来たユーザのユーザ端末10には、菓子店の看板画像を含む案内情報が表示される。
【0011】
上記特許文献1および特許文献2はいずれも、利用者を効果的に誘導するという、従来の課題を解決しうるものではない。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するため、つぎの目的をもってなされたものである。
利用者を効果的に誘導できる誘導案内表示システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載の誘導案内表示システムは、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
施設内を通行する利用者に対する誘導案内を行うシステムであって、
案内画像を記憶する記憶部と、
上記記憶部の上記案内画像を表示するディスプレイと、
上記ディスプレイに表示した上記案内画像を、利用者を誘導する方向に向かって動かすよう表示を制御する制御部とを備えた。
【0014】
請求項2記載の誘導案内表示システムは、請求項1記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記制御部は、上記案内画像をスライドまたはスクロールさせるよう表示を制御する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の誘導案内表示システムは、記憶部とディスプレイと制御部を備えている。上記記憶部は、案内画像を記憶する。上記ディスプレイは、上記記憶部の上記案内画像を表示する。上記制御部は、上記ディスプレイに表示した上記案内画像を、利用者を誘導する方向に向かって動かすよう表示を制御する。
このように、上記ディスプレイには案内画像が表示され、その案内画像が、利用者を誘導する方向に向かって動くように表示される。これにより、利用者は、案内画像の動く方向を認識すれば、どちらに進めばよいかが一目瞭然で把握できる。案内画像には誘導先の目的場所を文字や絵柄で表示すればよいため、ディスプレイの表示スペースを効率的に使用して目的場所を案内できる。したがって、施設内を通行する利用者に対して効率的な誘導案内を行うことができる。
【0016】
請求項2記載の誘導案内表示システムは、上記案内画像をスライドまたはスクロールさせることにより、利用者を目的の方向に誘導する。利用者は、案内画像がスライドまたはスクロールする方向を認識すれば、どちらに進めばよいかが一目瞭然で把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態による誘導案内表示システムを説明するシステム構成図である。
図2】上記第1実施形態の表示画面の第1例を示す図である。
図3】上記第1実施形態の表示画面の第2例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の誘導案内表示システムの実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
〔システム構成〕
図1は本発明の一実施形態による誘導案内表示システムを説明するシステム構成図である。この実施形態は、本発明を客船の誘導案内表示システムに適用した例を説明する。
【0020】
本システムは、記憶部11とディスプレイ12と制御部13と入力部14とを備え、施設内を通行する利用者に対する誘導案内を行うシステムである。本システムには、具体的にはパーソナルコンピュータ装置に代表されるコンピュータ装置を適用することができる。
【0021】
上記記憶部11は、案内画像を記憶する。上記記憶部11は、具体的には、たとえば、ハードディスク,メモリ,光ディスクなどを使用することができる。
【0022】
上記案内画像は、施設内で利用者を誘導したい目的場所を表わす表示を文字や絵柄で示した画像である。たとえば客船であれば上記目的場所には、「1等寝台」「1等和室」「2等寝台」「2等和室」「化粧室」「浴室」「レストラン」「娯楽室」などがある。これらの目的場所の表示は、文字で表わしてもよいし、ピクトグラムのような絵柄で表わすこともできる。上記案内画像は、たとえば文字やピクトグラムを静止状態で表わした静止画でもよいし、文字やピクトグラムをアニメーションで動かす動画とすることもできる。また文字とピクトグラムを組み合わせた表示にすることもできる。また、矢印を組み合わせることもできる。
【0023】
上記ディスプレイ12は、上記記憶部11の上記案内画像を表示する。上記ディスプレイ12は、具体的には、たとえば、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機ELディスプレイ,液晶プロジェクタなどを使用することができる。
【0024】
上記制御部13は、コンピュータ装置であれば具体的にはCPUおよびメモリを主体とした演算部である。上記制御部13は、上記ディスプレイ12に表示した上記案内画像を、利用者を誘導する方向に向かって動かすよう表示を制御する。
【0025】
上記制御部13は、上記案内画像をスライドまたはスクロールさせるよう表示を制御する。上記スライドは、ディスプレイ12の表示画面にほぼ一致する(たとえば縦横比3:4の)案内画像を、上記ディスプレイ12の表示画面上で一方向に向かって移動させるように表示を制御するものである。上記スクロールは、ディスプレイ12の表示画面に表示し切れない案内画像を使用し、上記ディスプレイ12の表示画面には常に上記案内画像の一部が表示されている状態で、上記表示画面上で上記案内画像を巻物を見るように一方向に向かって移動させるように表示を制御するものである。
【0026】
利用者を誘導する方向に向かって上記案内画像を動かす制御は、たとえばつぎのようにして行うことができる。
利用者を誘導する方向が前方の場合、上記ディスプレイ12の表示画面で、上記案内画像を表示画面の上方向に向かって移動させる。
利用者を誘導する方向が右方向の場合、上記ディスプレイ12の表示画面で、上記案内画像を表示画面の右方向に向かって移動させる。
利用者を誘導する方向が左方向の場合、上記ディスプレイ12の表示画面で、上記案内画像を表示画面の左方向に向かって移動させる。
利用者を誘導する方向が利用者の後方の場合、上記ディスプレイ12の表示画面で、上記案内画像を表示画面の下方向に向かって移動させる。
【0027】
上記入力部14は、上記案内画像を上記記憶部11に記憶させるために、上記制御部13に入力する。入力部14から入力された案内画像は、上記制御部13を介して上記記憶部11に入力されて記憶される。
【0028】
上記入力部14は、具体的には、たとえば、光ディスクドライブ,ハードディスクドライブ,メモリスティックの読み取り装置,クラウドからデータを受信するインターネット受信装置などを使用することができる。
【0029】
〔表示画面〕
図2および図3は上記実施形態の表示画面の一例を示す図である。これらの表示画面は、たとえば上記ディスプレイ12を客船のエントランスに設置し、利用客を誘導案内するものである。
【0030】
これらの表示画面はピクトグラムまたはピクトグラムと文字の組み合わせによる静止画である。なお、ここでいう静止画とはアニメーションのような動きを含まないという意味である。
【0031】
(A)は、上り階段に向かって利用客を誘導する案内表示である。この例では、ディスプレイ12の設置場所よりも前方にある上り階段に向かって利用客を誘導するものであり、ピクトグラムの案内画像が、上記ディスプレイ12の表示画面で上方向に向かって移動する。
(B)は、特等客室に向かって利用客を誘導する案内表示である。この例では、ディスプレイ12の設置場所よりも左方向にある特等客室に向かって利用客を誘導するものであり、ピクトグラムと文字の案内画像が、上記ディスプレイ12の表示画面で左方向に向かって移動する。
(C)は、ラウンジに向かって利用客を誘導する案内表示である。この例では、ディスプレイ12の設置場所よりも右方向にあるラウンジに向かって利用客を誘導するものであり、ピクトグラムと文字の案内画像が、上記ディスプレイ12の表示画面で右方向に向かって移動する。
(D)は、1等客室に向かって利用客を誘導する案内表示である。この例では、ディスプレイ12の設置場所よりも左方向にある1等客室に向かって利用客を誘導するものであり、ピクトグラムと文字の案内画像が、上記ディスプレイ12の表示画面で左方向に向かって移動する。
(E)は、のびのびシートに向かって利用客を誘導する案内表示である。この例では、ディスプレイ12の設置場所よりも右方向にあるのびのびシートに向かって利用客を誘導するものであり、ピクトグラムと文字の案内画像が、上記ディスプレイ12の表示画面で右方向に向かって移動する。
【0032】
1つのディスプレイ12に上記誘導表示(A)(B)(C)(D)(E)を順番に切り替えて表示することができる。
【0033】
このとき、必要とする利用客が多いと見込まれる誘導表示を繰り返し表示することもできる。たとえば、上り階段(A)→特等客室(B)→上り階段(A)→ラウンジ(C)→上り階段(A)→1等客室(D)→上り階段(A)→のびのびシート(E)→以下おなじように繰り返す、等のように表示を切り替えることができる。
【0034】
本実施形態によれば、施設として、たとえば客船のように、細長い入り組んだ構造の通路で上記利用者に対する誘導案内を行う際に好適である。
【0035】
〔実施形態の効果〕
上記実施形態は、上記構成により、下記の作用効果を奏する。
【0036】
上記実施形態の誘導案内表示システムは、記憶部11とディスプレイ12と制御部13を備えている。上記記憶部11は、案内画像を記憶する。上記ディスプレイ12は、上記記憶部11の上記案内画像を表示する。上記制御部13は、上記ディスプレイ12に表示した上記案内画像を、利用者を誘導する方向に向かって動かすよう表示を制御する。
このように、上記ディスプレイ12には案内画像が表示され、その案内画像が、利用者を誘導する方向に向かって動くように表示される。これにより、利用者は、案内画像の動く方向を認識すれば、どちらに進めばよいかが一目瞭然で把握できる。案内画像には誘導先の目的場所を文字や絵柄で表示すればよいため、ディスプレイの表示スペースを効率的に使用して目的場所を案内できる。したがって、施設内を通行する利用者に対して効率的な誘導案内を行うことができる。
【0037】
上記実施形態の誘導案内表示システムは、上記案内画像をスライドまたはスクロールさせることにより、利用者を目的の方向に誘導する。利用者は、案内画像がスライドまたはスクロールする方向を認識すれば、どちらに進めばよいかが一目瞭然で把握できる。
【0038】
〔変形例〕
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
【0039】
たとえば、本発明は、客船に限らず、デパート,テーマパーク,展示会場など、各種の施設に適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
11:記憶部
12:ディスプレイ
13:制御部
14:入力部
図1
図2
図3