【解決手段】本発明は、互いに離隔している第1貫通孔及び第2貫通孔を有するコア部材と、第1貫通孔内に配置され、接続パッドが配置された活性面、及び活性面の反対側である非活性面を有する半導体チップと、第2貫通孔内に配置された第2受動部品と、コア部材及び第2受動部品のそれぞれの少なくとも一部を覆い、第2貫通孔内の少なくとも一部を満たす第1封止材と、第1封止材上に配置された補強部材と、半導体チップの少なくとも一部を覆い、第1貫通孔内の少なくとも一部を満たす第2封止材と、コア部材、半導体チップの活性面、及び第2受動部品上に配置され、接続パッド、及び第2受動部品と電気的に連結された再配線層を含む連結部材と、を含むファン−アウト半導体パッケージモジュールに関するものである。
前記コア部材は、前記連結部材と接する第1絶縁層と、前記連結部材と接し、前記第1絶縁層に埋め込まれた第1配線層と、前記第1絶縁層において前記第1配線層が埋め込まれた側の反対側に配置された第2配線層と、を含み、
前記第1及び第2配線層は、前記接続パッドと電気的に連結される、請求項1から16のいずれか一項に記載のファン−アウト半導体パッケージモジュール。
前記コア部材は、前記第1絶縁層上に配置され、前記第1配線層を覆う第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に配置された第3配線層と、前記第1絶縁層上に配置され、前記第2配線層を覆う第3絶縁層と、前記第3絶縁層上に配置された第4配線層と、をさらに含み、
前記第3及び第4配線層は、前記接続パッドと電気的に連結される、請求項19に記載のファン−アウト半導体パッケージモジュール。
前記封止材は、前記コア部材、前記第2部品、及び前記コア部材の前記第2貫通孔を覆う第1封止材と、前記補強層、前記第1部品、前記補強層の前記第1貫通孔、及び前記コア部材の前記第1貫通孔を覆う第2封止材と、を含む、請求項21に記載のファン−アウト半導体パッケージモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかしながら、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0010】
電子機器
図1は電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0011】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0012】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリー(例えば、DRAM)、不揮発性メモリー(例えば、ROM)、フラッシュメモリーなどのメモリーチップ、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラーなどのアプリケーションプロセッサチップ、アナログ−デジタルコンバータ、ASIC(application−specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の形態のチップ関連部品が含まれ得ることは言うまでもない。また、これら部品1020が互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。
【0013】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi−Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の多数の無線又は有線標準やプロトコルのうち任意のものが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030が、チップ関連部品1020とともに互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。
【0014】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(Low Temperature Co−Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)フィルター、MLCC(Multi−Layer Ceramic Condenser)などが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、その他の様々な用途のために用いられる受動部品などが含まれ得る。また、その他の部品1040が、チップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030とともに互いに組み合わされてもよいことは言うまでもない。
【0015】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されているか連結されていない他の部品を含むことができる。他の部品としては、例えば、カメラ1050、アンテナ1060、ディスプレイ1070、電池1080、オーディオコーデック(不図示)、ビデオコーデック(不図示)、電力増幅器(不図示)、羅針盤(不図示)、加速度計(不図示)、ジャイロスコープ(不図示)、スピーカー(不図示)、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)(不図示)、CD(compact disk)(不図示)、及びDVD(digital versatile disk)(不図示)などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の部品などが含まれ得ることは言うまでもない。
【0016】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピューター(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されるものではなく、これら以外にも、データを処理する任意の他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0017】
図2は電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0018】
図面を参照すると、半導体パッケージは、上述のような種々の電子機器において様々な用途に適用される。例えば、スマートフォン1100の本体1101の内部にはメインボード1110が収容されており、メインボード1110には種々の部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。また、カメラ1130のように、メインボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されているか連結されていない他の部品が本体1101内に収容されている。部品1120の一部はチップ関連部品であることができ、半導体パッケージ1121であってもよいが、これに限定されるものではない。電子機器が必ずしもスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述のように、他の電子機器であってもよいことは言うまでもない。
【0019】
半導体パッケージ
一般に、半導体チップには、数多くの微細電気回路が集積されているが、それ自体が半導体完成品としての役割を果たすことはできず、外部からの物理的又は化学的衝撃により損傷する可能性がある。したがって、半導体チップ自体をそのまま用いるのではなく、半導体チップをパッケージングして、パッケージ状態で電子機器などに用いている。
【0020】
半導体パッケージングが必要な理由は、電気的連結という観点から、半導体チップと電子機器のメインボードの回路幅が異なるためである。具体的に、半導体チップは、接続パッドのサイズ及び接続パッド間の間隔が非常に微細であるのに対し、電子機器に用いられるメインボードは、部品実装パッドのサイズ及び部品実装パッド間の間隔が半導体チップのスケールより著しく大きい。したがって、半導体チップをこのようなメインボード上にそのまま取り付けることは困難であり、相互間の回路幅の差を緩和することができるパッケージング技術が要求される。
【0021】
このようなパッケージング技術により製造される半導体パッケージは、構造及び用途によって、ファン−イン半導体パッケージ(Fan−in semiconductor package)とファン−アウト半導体パッケージ(Fan−out semiconductor package)とに区分されることができる。
【0022】
以下では、図面を参照して、ファン−イン半導体パッケージとファン−アウト半導体パッケージについてより詳細に説明する。
【0023】
(ファン−イン半導体パッケージ)
図3はファン−イン半導体パッケージのパッケージング前後を概略的に示した断面図である。
【0024】
図4はファン−イン半導体パッケージのパッケージング過程を概略的に示した断面図である。
【0025】
図面を参照すると、半導体チップ2220は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム砒素(GaAs)などを含む本体2221と、本体2221の一面上に形成された、アルミニウム(Al)などの導電性物質を含む接続パッド2222と、本体2221の一面上に形成され、接続パッド2222の少なくとも一部を覆う酸化膜又は窒化膜などのパッシベーション膜2223と、を含む、例えば、ベア(Bare)状態の集積回路(IC)であることができる。この際、接続パッド2222が非常に小さいため、集積回路(IC)は、回路幅の差が大きい電子機器のメインボードなどはもちろん、回路幅の差がメインボードよりは小さい中間レベルのプリント回路基板(PCB)にも実装されにくい。
【0026】
そのため、接続パッド2222を再配線するために、半導体チップ2220上に半導体チップ2220のサイズに応じて連結部材2240を形成する。連結部材2240は、半導体チップ2220上に感光性絶縁樹脂(PID)などの絶縁物質で絶縁層2241を形成し、接続パッド2222をオープンさせるビアホール2243hを形成した後、再配線層2242及びビア2243を形成することで形成することができる。その後、連結部材2240を保護するパッシベーション層2250を形成し、開口部2251を形成した後、アンダーバンプ金属層2260などを形成する。すなわち、一連の過程を経て、例えば、半導体チップ2220、連結部材2240、パッシベーション層2250、及びアンダーバンプ金属層2260を含むファン−イン半導体パッケージ2200が製造される。
【0027】
このように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップの接続パッド、例えば、I/O(Input/Output)端子の全てを素子の内側に配置したパッケージ形態である。ファン−イン半導体パッケージは、電気的特性に優れており、安価で生産することができる。したがって、スマートフォンに内蔵される多くの素子がファン−イン半導体パッケージの形態で製作されており、具体的には、小型で、且つ速い信号伝達を実現するように開発が行われている。
【0028】
しかしながら、ファン−イン半導体パッケージは、I/O端子の全てを半導体チップの内側に配置しなければならないため、空間的な制約が多い。したがって、このような構造は、多数のI/O端子を有する半導体チップや、サイズが小さい半導体チップに適用するには困難な点がある。また、このような欠点により、電子機器のメインボードにファン−イン半導体パッケージを直接実装して用いることができない。これは、再配線工程により半導体チップのI/O端子のサイズ及び間隔を拡大したとしても、電子機器のメインボードに直接実装可能な程度のサイズ及び間隔まで拡大することができるわけではないためである。
【0029】
図5はファン−イン半導体パッケージがプリント回路基板上に実装されて、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0030】
図6はファン−イン半導体パッケージがプリント回路基板内に内蔵されて、最終的に電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0031】
図面を参照すると、ファン−イン半導体パッケージ2200においては、半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子がプリント回路基板2301によりさらに再配線されて、最終的には、プリント回路基板2301上にファン−イン半導体パッケージ2200が実装された状態で電子機器のメインボード2500に実装可能となる。この際、半田ボール2270などはアンダーフィル樹脂2280などにより固定されることができ、外側はモールディング材2290などで覆うことができる。又は、ファン−イン半導体パッケージ2200は、別のプリント回路基板2302内に内蔵(Embedded)されてもよい。その場合、プリント回路基板2302内に内蔵された状態の半導体チップ2220の接続パッド2222、すなわち、I/O端子が、プリント回路基板2302によりさらに再配線されるため、最終的に電子機器のメインボード2500に実装可能となる。
【0032】
このように、ファン−イン半導体パッケージは電子機器のメインボードに直接実装されて用いられることが困難であるため、別のプリント回路基板上に実装された後、さらにパッケージング工程を経て電子機器のメインボードに実装されるか、又はプリント回路基板内に内蔵された状態で電子機器のメインボードに実装されて用いられている。
【0033】
(ファン−アウト半導体パッケージ)
図7はファン−アウト半導体パッケージの概略的な形態を示した断面図である。
【0034】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、例えば、半導体チップ2120の外側が封止材2130により保護されており、半導体チップ2120の接続パッド2122が連結部材2140により半導体チップ2120の外側まで再配線される。この際、連結部材2140上にはパッシベーション層2150をさらに形成することができ、パッシベーション層2150の開口部にはアンダーバンプ金属層2160をさらに形成することができる。アンダーバンプ金属層2160上には半田ボール2170をさらに形成することができる。半導体チップ2120は、本体2121、接続パッド2122、パッシベーション膜(不図示)などを含む集積回路(IC)であることができる。連結部材2140は、絶縁層2141と、絶縁層2141上に形成された再配線層2142と、接続パッド2122と再配線層2142などを電気的に連結するビア2143と、を含むことができる。
【0035】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態である。上述のように、ファン−イン半導体パッケージは、半導体チップのI/O端子の全てを半導体チップの内側に配置させなければならず、そのため、素子のサイズが小さくなると、ボールのサイズ及びピッチを減少させなければならないため、標準化されたボールレイアウトを用いることができない。これに対し、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップ上に形成された連結部材により、半導体チップの外側までI/O端子を再配線して配置させた形態であるため、半導体チップのサイズが小さくなっても標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。したがって、後述のように、上記のような別のプリント回路基板を用いることなく、電子機器のメインボード上に半導体チップを実装することができる。
【0036】
図8はファン−アウト半導体パッケージが電子機器のメインボードに実装された場合を概略的に示した断面図である。
【0037】
図面を参照すると、ファン−アウト半導体パッケージ2100は半田ボール2170などを介して電子機器のメインボード2500に実装することができる。すなわち、上述のように、ファン−アウト半導体パッケージ2100は、半導体チップ2120上に半導体チップ2120のサイズを超えるファン−アウト領域まで接続パッド2122を再配線できる連結部材2140を形成するため、標準化されたボールレイアウトをそのまま用いることができる。その結果、別のプリント回路基板などがなくても、半導体チップ2120を電子機器のメインボード2500に実装することができる。
【0038】
このように、ファン−アウト半導体パッケージは、別のプリント回路基板がなくても電子機器のメインボードに実装することができるため、プリント回路基板を用いるファン−イン半導体パッケージに比べて厚さがより小さいパッケージ寸法を実現することができ、小型化及び薄型化が可能である。また、熱特性及び電気的特性に優れるため、モバイル製品に特に好適である。また、プリント回路基板(PCB)を用いる一般的なPOP(Package on Package)タイプに比べて、よりコンパクトに実現することができ、反り現象の発生による問題を解決することができる。
【0039】
一方、ファン−アウト半導体パッケージは、このように半導体チップを電子機器のメインボードなどに実装するための、そして外部からの衝撃から半導体チップを保護するためのパッケージ技術を意味するものである。他方、ファン−イン半導体パッケージが内蔵されるプリント回路基板などのプリント回路基板(PCB)を用いる実装方式は、ファン−アウト半導体パッケージに基づく実装方式とはスケール、用途などが異なる実装方式である。
【0040】
(ファン−アウト半導体パッケージモジュール)
図9はファン−アウト半導体パッケージモジュールの一例を概略的に示した断面図である。
【0041】
図10は
図9のファン−アウト半導体パッケージモジュールをI−I'線に沿って切って見た場合の概略的な平面図である。
【0042】
図面を参照すると、一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aは、第1〜第6貫通孔110HA、110HB、110HC、110HD、110HE、110HFを有するコア部材110と、第1貫通孔110HA内に配置され、接続パッド122が配置された活性面、及び活性面の反対側である非活性面を有する半導体チップ120と、第1貫通孔110HA内に半導体チップ120と並んで(Side−by−Side)配置された複数の第1受動部品125Aと、第2貫通孔110HB内に配置された複数の第2受動部品125Bと、第3貫通孔110HC内に配置された複数の第3受動部品125Cと、第4貫通孔110HD内に配置された複数の第4受動部品125Dと、第5貫通孔110HE内に配置された複数の第5受動部品125Eと、第6貫通孔110HF内に配置された第6受動部品125Fと、コア部材110及び第2〜第6受動部品125B、125C、125D、125E、125Fのそれぞれの少なくとも一部を覆い、第2〜第6貫通孔110HB、110HC、110HD、110HE、110HF内のそれぞれの少なくとも一部を満たす第1封止材131と、第1封止材131上に配置された補強部材180と、半導体チップ120及び第1受動部品125Aのそれぞれの少なくとも一部を覆う第1貫通孔110HA内の少なくとも一部を満たす第2封止材132と、コア部材110及び半導体チップ120の活性面と第1〜第6受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125F上に配置され、接続パッド122及び第1〜第6受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fと電気的に連結された再配線層142を有する連結部材140と、連結部材140上に配置されたパッシベーション層150と、パッシベーション層150の開口部に形成され、再配線層142と電気的に連結されたアンダーバンプ金属層160と、アンダーバンプ金属層160上に配置され、アンダーバンプ金属層160を介して再配線層142と電気的に連結される電気接続構造体170と、を含む。
【0043】
最近は、モバイル用ディスプレイの大型化に伴い、電池容量を増加させる必要性が台頭している。電池容量の増加に応じて、電池が占める面積も大きくなり、プリント回路基板(PCB)のサイズを縮小することが求められている。これに伴う部品の実装面積の減少により、モジュール化への関心が持続的に高まっているのが実情である。一方、複数の部品を実装する従来の技術としては、COB(Chip on Board)技術を挙げることができる。COBは、プリント回路基板上に個別の受動素子及び半導体パッケージを表面実装技術(SMT)を用いて実装する方式である。この方式には、価格的なメリットはあるが、部品間の最小間隔を維持する必要があるため広い実装面積が求められており、部品間の電磁波干渉(EMI)が大きく、半導体チップと受動部品との間の距離が遠いことが原因で電気ノイズが増加するという問題がある。
【0044】
これに対し、一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aは、複数の受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fが半導体チップ120とともに一つのパッケージ内に配置されてモジュール化されている。したがって、部品間の間隔を最小限に抑えることができるため、メインボードなどのプリント回路基板における実装面積を最小化することができる。また、半導体チップ120と受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fとの間の電気的経路を最小限に抑えることができるためノイズの問題を改善させることができる。特に、一回の封止ではなく、二段階以上の封止過程を経ることにより、半導体チップ120とは別に封止される受動部品125B、125C、125D、125E、125Fの実装による半導体チップ120の実装歩留まりや異物の影響などを最小限に抑えることができる。
【0045】
特に、一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aは、補強部材180を用いた二段階の封止工程を行う。この際、比較的厚さが薄い第2〜第6受動部品125B、125C、125D、125E、125Fを、先ず、それぞれ第2〜第6貫通孔110HB、110HC、110HD、110HE、110HF内に配置して第1封止材131で封止し、その後、比較的厚さが厚い第1手動部品125Aを半導体チップ120とともに第1貫通孔110HAに配置して、第2封止材132で封止するため、コア部材110の厚さをより薄くすることができる。したがって、比較的厚さが薄い第2〜第6受動部品125B、125C、125D、125E、125Fを封止する第1封止材131の樹脂絶対量を少なくすることができる。これにより、樹脂流動性の制御が可能となり、第2〜第6受動部品125B、125C、125D、125E、125Fのフライ(Fly)のような実装不良の問題が原因でこれら電極パッドが露出しなくなるという問題を改善させることができる。また、第1封止材131の厚さを薄くすることができるため、結果的にモジュール100Aの全体の厚さもより薄くすることができる。一方、第1封止材131の厚さが薄くなっても、補強部材180により剛性維持が可能となるため、反り制御も可能である。その他、コア部材110の厚さを薄くした場合、第2〜第6受動部品125B、125C、125D、125E、125Fを実装する際において問題となり得るノズルのコア部材110との接触問題も改善させることができる。
【0046】
以下、一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aに含まれるそれぞれの構成についてより詳細に説明する。
【0047】
コア部材110は、具体的な材料に応じてパッケージ100Aの剛性をより向上させることができ、封止材131、132の厚さ均一性を確保するなどの役割を果たすことができる。コア部材110は、複数の貫通孔110HA、110HB、110HC、110HD、110HE、110HFを有する。複数の110HA、110HB、110HC、110HD、110HE、110HFは物理的に離隔していることができる。複数の110HA、110HB、110HC、110HD、110HE、110HF内には半導体チップ120及び受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fが配置される。半導体チップ120及び受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fは、それぞれ貫通孔110HA、110HB、110HC、110HD、110HE、110HFの壁面と所定距離離隔して貫通孔110HA、110HB、110HC、110HD、110HE、110HFの壁面で囲まれることができる。但し、必要に応じて、変形することも可能である。コア部材110の厚さは、半導体チップ120よりも比較的薄ければよく、例えば、0.5T(mm)以下であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0048】
コア部材110は絶縁層111を含む。絶縁層111の材料は特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられることができる。この際、絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などが用いられることができる。必要に応じては、感光性絶縁(Photo Imageable Encapsulant:PIE)樹脂を用いることもできる。コア部材110は、剛性維持のために、第1封止材131に比べて弾性係数(elastic modulus)が大きければよい。例えば、コア部材110の絶縁層111は、ガラス繊維、無機フィラー、及び絶縁樹脂を含む、例えば、プリプレグであってもよく、第1封止材131は、無機フィラー及び絶縁樹脂を含む、例えば、ABFであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0049】
コア部材110の第2〜第6貫通孔110HB、110HC、110HD、110HE、110HFの壁面には、必要に応じて、それぞれ金属層115を形成することができる。金属層115は、コア部材110、より具体的には、絶縁層111の上面及び下面に延長されて配置されることができる。金属層115により、電磁波遮蔽及び放熱効果を有することができる。金属層115の形成材料としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0050】
半導体チップ120は、数百〜数百万個以上の素子が一つのチップ内に集積化されている集積回路(Integrated Circuit:IC)であることができる。この際、集積回路は、電力管理集積回路(PMIC:Power Management IC)であってもよいが、これに限定されるものではない。一方、半導体チップ120は、別のバンプや再配線層が形成されないベア(Bare)状態の集積回路であることができる。この場合、半導体チップ120は、連結部材140のビア143と物理的に接することができる。集積回路は、活性ウェハをベースに形成されることができる。この場合、半導体チップの本体121をなす母材としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム砒素(GaAs)などが用いられることができる。本体121には、様々な回路が形成されていることができる。接続パッド122は、半導体チップ120を、他の構成要素と電気的に連結させるためのものであり、形成材料としては、それぞれアルミニウム(Al)などの導電性物質を特に制限なく用いることができる。本体121上には、接続パッド122を露出させるパッシベーション膜123が形成されることができ、パッシベーション膜123は、酸化膜又は窒化膜などであってもよく、又は酸化膜と窒化膜の二重層であってもよい。その他の必要な位置に、絶縁膜(不図示)などがさらに配置されてもよい。
【0051】
受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fは、それぞれ独立してMLCC(Multi Layer Ceramic Capacitor)、LICC(Low Inductance Chip Capacitor)、パワーインダクタ、ビーズなどであってもよい。受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fは、互いに異なる厚さを有することができる。また、受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fは、半導体チップ120とも異なる厚さを有することができる。比較的厚さが薄い、例えば、厚さ0.5T以下の第2〜第6受動部品125B、125C、125D、125E、125Fは、半導体チップ120が配置されていない第2〜第6貫通孔110HB、110HC、110HD、110HE、110HF内に配置され、比較的厚さが厚い、例えば、厚さ0.7T以下の第1受動部品125Aは、半導体チップ120が配置されている第1貫通孔110HA内に配置される。一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aは、このように二段階以上の過程によりこれらを封止するため、上述の厚さ偏差による様々な不良問題の発生を最小限に抑えることができる。受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fのそれぞれの数は、特に限定されず、図面に図示したよりも多くてもよく、少なくてもよい。受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fのそれぞれは、電極パッドが連結部材140のビア143と物理的に接することができ、再配線層142を介して半導体チップ120の接続パッド122と電気的に連結されることができる。
【0052】
第1封止材131は、コア部材110及び第2〜第6受動部品125B、125C、125D、125E、125Fのそれぞれの少なくとも一部を覆う。また、第2〜第6貫通孔110HB、110HC、110HD、110HE、110HF内のそれぞれの少なくとも一部を満たす。第1封止材131は、絶縁物質を含む。絶縁物質としては、無機フィラー及び絶縁樹脂を含む材料、例えば、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらに無機フィラーのような補強材が含まれる樹脂、具体的には、プリプレグ、ABF、FR−4、BT樹脂などを用いることができる。また、EMCなどの公知の成形材料を用いることができ、必要に応じては、感光性材料、すなわち、PIE(Photo Imageable Encapsulant)を用いることもできる。必要に応じては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂のような絶縁樹脂が無機フィラー及び/又はガラス繊維などの芯材に含浸された材料を用いることもできる。
【0053】
第2封止材132は、半導体チップ120及び第1受動部品125Aのそれぞれの少なくとも一部を覆う。また、第1貫通孔110HA内の少なくとも一部を満たす。また、補強部材180の少なくとも一部を覆う。第2封止材132も絶縁物質を含む。絶縁物質としては、無機フィラー及び絶縁樹脂を含む材料、例えば、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらに無機フィラーのような補強材が含まれる樹脂、具体的には、プリプレグ、ABF、FR−4、BT樹脂などが用いられることができる。また、EMC、PIEなどの物質を用いることもできることは言うまでもない。必要に応じては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂のような絶縁樹脂が無機フィラー及び/又はガラス繊維などの芯材に含浸された材料を用いることもできる。
【0054】
第1封止材131及び第2封止材132は、同一の材料を含んでもよく、異なる材料を含んでもよい。第1封止材131及び第2封止材132が同一の材料を含む場合であっても、これらの間の境界が確認されることができる。つまり、第1封止材131及び第2封止材132は、類似した物質を含む一方で、色は異なる場合がある。例えば、第1封止材131が第2封止材132よりも透明な色を有する場合がある。すなわち、境界が明確であり得る。
【0055】
連結部材140は、半導体チップ120の接続パッド122を再配線する。また、半導体チップ120と受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fとを電気的に連結する。連結部材140により、様々な機能を有する数十〜数百万個の接続パッド122がそれぞれ再配線されることができ、電気接続構造体170を介して、その機能に合わせて、外部と物理的及び/又は電気的に連結されることができる。連結部材140は、絶縁層141と、絶縁層141上に配置された再配線層142と、絶縁層141を貫通し、再配線層142間を連結するビア143と、を含む。連結部材140が単層で構成されることもでき、図面に図示されているよりも多くの数の複数の層で設計されることもできる。
【0056】
絶縁層141の物質として絶縁物質を用いることができる。この際、絶縁物質としては、上述のような絶縁物質の他にも、PID樹脂のような感光性絶縁物質を用いることもできる。すなわち、絶縁層141は、それぞれ感光性絶縁層であってもよい。絶縁層141が感光性の性質を有する場合には、絶縁層141をより薄く形成することができ、より容易にビア143のファインピッチを達成することができる。絶縁層141は、それぞれ絶縁樹脂及び無機フィラーを含む感光性絶縁層であってもよい。絶縁層141が多層である場合には、これらの物質が互いに同一であってもよく、必要に応じて、互いに異なってもよい。また、絶縁層141が多層である場合には、工程により一体化されてこれら自体では境界が不明確であってもよい。
【0057】
再配線層142は、実質的に接続パッド122を再配線する役割を果たすことができ、形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。再配線層142は、該当層の設計デザインに応じて、様々な機能を担うことができる。例えば、グラウンド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グラウンド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、ビアパッド、接続端子パッドなどを含むことができる。
【0058】
ビア143は、互いに異なる層に形成された再配線層142や、接続パッド122、受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fなどを電気的に連結させ、その結果、パッケージモジュール100A内に電気的経路を形成させる。ビア143は、接続パッド122及び受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fのそれぞれの電極パッドと物理的に接することができる。すなわち、半導体チップ120は、ベアダイの形で、別のバンプなどのない状態で連結部材140のビア143と直接連結されることができ、受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fも、半田バンプなどを用いる埋め込み型(Embedded Type)の表面実装形態により連結部材140のビア143と直接連結されることができる。但し、必要に応じては、受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fは、埋め込み型(Embedded Type)ではなく、一般のタイプであってもよく、この場合、半田バンプなどを用いて実装されることができる。ビア143の形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。ビア143は、導電性物質で完全に充填されたものであってもよく、又は導電性物質がビアホールの壁面に沿って形成されたものであってもよい。また、ビア143の形状には、テーパー状、円筒状など、当該技術分野に公知の全ての形状が適用されることができる。
【0059】
パッシベーション層150は、連結部材140を外部からの物理的又は化学的損傷などから保護することができる。パッシベーション層150は、連結部材140の再配線層142の少なくとも一部を露出させる開口部を有することができる。かかる開口部は、パッシベーション層150に数十〜数千個が形成されることができる。パッシベーション層150は、絶縁樹脂及び無機フィラーを含む一方で、ガラス繊維は含まなくてもよい。例えば、パッシベーション層150は、ABF(Ajinomoto Build−up Film)であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0060】
アンダーバンプ金属層160は、電気接続構造体170の接続信頼性を向上させることでパッケージ100Aのボードレベルの信頼性を改善させる。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150の開口部を介して露出する連結部材140の再配線層142と連結される。アンダーバンプ金属層160は、パッシベーション層150の開口部に、公知の導電性物質、すなわち、金属を用いることで公知のメタル化(Metallization)の方法で形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0061】
電気接続構造体170は、半導体パッケージモジュール100Aを外部と物理的及び/又は電気的に連結させるための付加的な構成である。例えば、半導体パッケージモジュール100Aは、電気接続構造体170を介して電子機器のメインボードに実装されることができる。電気接続構造体170は、導電性物質、例えば、半田(solder)などで形成されることができるが、これは一例に過ぎず、材料が特にこれに限定されるものではない。電気接続構造体170は、ランド(land)、ボール(ball)、ピン(pin)などであってもよい。電気接続構造体170は、多重層又は単一層で形成されることができる。多重層で形成される場合には、銅ピラー(pillar)及び半田を含むことができ、単一層で形成される場合には、錫−銀半田又は銅を含むことができるが、これも一例に過ぎず、これに限定されるものではない。電気接続構造体170の数、間隔、配置形態などは特に限定されず、通常の技術者が設計事項に応じて十分に変形可能である。例えば、電気接続構造体170の数は、接続パッド122の数に応じて数十〜数千個であってもよく、それ以上又はそれ以下の数を有することもできる。
【0062】
電気接続構造体170のうち少なくとも一つはファン−アウト(fan−out)領域に配置される。ファン−アウト領域とは、半導体チップ120が配置されている領域を超える領域のことである。ファン−アウト(fan−out)パッケージは、ファン−イン(fan−in)パッケージに比べて優れた信頼性を有し、多数のI/O端子が実現可能であって、3D接続(3D interconnection)が容易である。また、BGA(Ball Grid Array)パッケージ、LGA(Land Grid Array)パッケージなどに比べて、パッケージの厚さを薄く製造することができ、価格競争力に優れる。
【0063】
補強部材180は、第1封止材131の厚さを比較的薄くするとともに、モジュール100Aの剛性を補強する。補強部材180は、アンクラッド銅箔積層板(Unclad CCL)などを用いて導入することができるが、これに限定されるものではない。補強部材180は、剛性を維持するために、第1封止材131に比べて弾性係数(elastic modulus)が大きければよい。例えば、補強部材180は、ガラス繊維、無機フィラー、及び絶縁樹脂を含む、例えば、プリプレグであってもよく、第1封止材131は、無機フィラー及び絶縁樹脂を含む、例えば、ABFであってもよいが、これに限定されるものではない。補強部材180は、第1封止材131上に配置され、第1封止材131と同様に、第1貫通孔110HAにより貫通される。
【0064】
図11は
図9のファン−アウト半導体パッケージモジュールに用いられるパネルの一例を概略的に示す断面図である。
【0065】
図面を参照すると、一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aは、大型サイズのパネル500を用いて製造することができる。パネル500のサイズは、通常、ウェハサイズの2倍〜4倍以上であればよいため、一度の工程を通じて、より多くの数のファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aを製造することができる。すなわち、生産性を非常に高めることができる。特に、それぞれのパッケージモジュール100Aのサイズが大きいほど、ウェハを用いる場合に比べて相対的な生産性が高まることができる。パネル500のそれぞれのユニット部分は、後述の製造方法により初めて設けられるコア部材110であることができる。かかるパネル500を用いて、一回の工程で複数のファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aを同時に製造した後、公知の切断工程、例えば、ダイシング工程などを用いて、これらを切断することで、それぞれのファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aを得ることができる。
【0066】
図12a〜
図12dは
図9のファン−アウト半導体パッケージモジュールの一製造方法を概略的に示した工程図である。
【0067】
図12aを参照すると、先ず、コア部材110を用意する。コア部材110は、上述のパネル500として銅箔積層板(CCL)を導入したものであることができる。次に、コア部材110に貫通孔110HB、110HC、110HD、110HE、110HFをそれぞれ形成する。図面では、断面図であるため、第2及び第3貫通孔110HB、110HCのみが表現されているが、第4〜第6貫通孔110HD、100HE、110HFも形成されることができることは言うまでもない。貫通孔110HB、110HC、110HD、110HE、110HFはそれぞれ、絶縁層111の材料に応じて、レーザードリル及び/又は機械ドリルなどを用いて形成することができる。場合によっては、サンドブラストや化学的な方法を用いることもできる。また、必要に応じて、銅箔積層板の銅箔をシード層として用いて、めっき工程を通じて金属層115を形成する。次に、コア部材110の下面に、第1粘着フィルム211を取り付け、貫通孔110HB、110HC、110HD、110HE、110HF内に受動部品125B、125C、125D、125E、125Fをそれぞれ配置する。第1粘着フィルム211は、公知のテープであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0068】
図12bを参照すると、次に、第1封止材131を用いて、コア部材110及び受動部品125B、125C、125D、125E、125Fを封止する。第1封止材131は、未硬化状態のフィルムをラミネートした後、硬化する方法で形成することもでき、液状の物質を塗布した後、硬化する方法で形成することもできる。また、第1封止材131上にアンクラッド銅箔積層板(Unclad CCL)などをラミネートして補強部材180を導入する。次に、第1粘着フィルム211を除去する。第1粘着フィルム211を切り離す方法としては、機械的な方法を用いることができる。次に、コア部材110に貫通孔110HAを形成する。貫通孔110HAも、絶縁層111の材料に応じて、レーザードリル及び/又は機械ドリルなどを用いて形成することができる。場合によっては、サンドブラストや化学的な方法を用いることもできる。貫通孔110HAを形成する過程で、第1封止材131及び補強部材180も貫通される。
【0069】
図12cを参照すると、次に、コア部材110の下面に第2粘着フィルム212を再び取り付け、貫通孔110HA内に半導体チップ120及び受動部品125Aを配置する。半導体チップ120は、フェイス−ダウンの形で配置することができる。第2粘着フィルム212も、公知のテープであってもよいが、これに限定されるものではない。次に、第2封止材132を用いて、半導体チップ120及び受動部品125Aを封止する。この際、補強部材180も、第2封止材132により覆われることができる。第2封止材132も、未硬化状態のフィルムをラミネートした後、硬化する方法で形成することもでき、液状の物質を塗布した後、硬化する方法で形成することもできる。
【0070】
図12dを参照すると、次に、第2粘着フィルム212を除去する。第2粘着フィルム212を切り離す方法としては、同様に機械的な方法を用いることができる。次に、第2粘着フィルム212を除去した下部領域に連結部材140を形成する。連結部材140は、公知のラミネート方法や塗布方法で絶縁層141を形成し、フォトリソグラフィ方法やレーザードリル及び/又は機械ドリルなどを用いて、ビア143のためのホールを形成した後、電解めっき、無電解めっきなどの公知のめっき方法により再配線層142及びビア143を形成する方法で形成することができる。次に、公知のラミネート方法や塗布方法によりパッシベーション層150を、公知のメタル化方法によりアンダーバンプ金属層160を、そして公知の方法により電気接続構造体170を形成する。
【0071】
図11のパネル500などを用いる場合、一連の過程を通して、一回の工程で複数のファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aが製造されることができる。その後、ダイシング工程などを通じて、それぞれのファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aを得ることができる。
【0072】
図13はファン−アウト半導体パッケージモジュールの他の一例を概略的に示す断面図である。
【0073】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Bは、上述の一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aに加えて、補強部材180の少なくとも一面に金属パターン182a、182bを形成する。より具体的には、補強部材180の第1封止材131と接する面には、第1金属パターン182aを形成し、第2封止材132と接する面には、第2金属パターン182bを形成する。第1金属パターン182aは板状であってもよく、第2金属パターン182bは、回路パターン状であってもよいが、これに限定されるものではない。一方、第1金属パターン182a及び第2金属パターン182bのいずれか一つだけが形成されることもでき、第1金属パターン182aが回路パターン状であり、第2金属パターン182bが板状であってもよい。すなわち、金属パターンは、反り制御のために、様々な形態に変形されて形成されることができる。その他の構成及び製造方法についての説明は上述と実質的に同一であるため省略する。
【0074】
図14はファン−アウト半導体パッケージモジュールの他の一例を概略的に示す断面図である。
【0075】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Cは、上述の一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aに加えて、コア部材110が、連結部材140と接する第1絶縁層111aと、連結部材140と接し、第1絶縁層111aに埋め込まれた第1配線層112aと、第1絶縁層111aにおいて第1配線層112aが埋め込まれた側の反対側に配置された第2配線層112bと、第1絶縁層111a上に配置され、第2配線層112bを覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111b上に配置された第3配線層112cと、を含む。第1〜第3配線層112a、112b、112cは、接続パッド122と電気的に連結される。第1及び第2配線層112a、112bと第2及び第3配線層112b、112cはそれぞれ、第1及び第2絶縁層111a、111bを貫通する第1及び第2ビア113a、113bを介して電気的に連結される。
【0076】
第1配線層112aを第1絶縁層111a内に埋め込む場合には、第1配線層112aの厚さによって発生する段差が最小限に抑えられるため、連結部材140の絶縁距離が一定となる。すなわち、連結部材140の再配線層142から第1絶縁層111aの下面までの距離と、連結部材140の再配線層142から半導体チップ120の接続パッド122までの距離の差は、第1配線層112aの厚さよりも小さければよい。したがって、連結部材140の高密度配線設計が容易となり得る。
【0077】
コア部材110の第1配線層112aの下面は、半導体チップ120の接続パッド122の下面よりも上側に位置することができる。また、連結部材140の再配線層142とコア部材110の第1配線層112aとの間の距離は、連結部材140の再配線層142と半導体チップ120の接続パッド122との間の距離よりも大きければよい。これは、第1配線層112aが絶縁層111の内部にリセスされることができるためである。このように、第1配線層112aが第1絶縁層の内部にリセスされて、第1絶縁層111aの下面と第1配線層112aの下面とが段差を有する場合には、第2封止材132の形成物質がブリードされて、第1配線層112aを汚染させることを防止することもできる。コア部材110の第2配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間に位置することができる。コア部材110は、半導体チップ120の厚さに対応する厚さに形成することができ、これにより、コア部材110の内部に形成された第2配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間のレベルに配置されることができる。
【0078】
コア部材110の配線層112a、112b、112cの厚さは、連結部材140の再配線層142の厚さよりも厚ければよい。コア部材110は、基板工程で製造することができるため、配線層112a、112b、112cも、そのスケールに合わせてより大きいサイズに形成することができる。これに対し、連結部材140は、半導体工程で製造することができるため、薄型化のために、配線層112a、112b、112cよりも小さいサイズに形成することができる。
【0079】
絶縁層111a、111bの材料は、特に限定されない。例えば、絶縁物質が用いられることができる。この際、絶縁物質としては、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂が無機フィラーと混合されるか、又は無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えば、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)などが用いられることができる。必要に応じては、感光性絶縁(Photo Imageable Dielectric:PID)樹脂を用いることもできる。
【0080】
配線層112a、112b、112cは、半導体チップ120の接続パッド122と電気的に連結されることができる。また、受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fとも電気的に連結されることができる。配線層112a、112b、112cの形成物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質を用いることができる。配線層112a、112b、112cは、該当層の設計デザインに応じて、様々な機能を担うことができる。例えば、グラウンド(GrouND:GND)パターン、パワー(PoWeR:PWR)パターン、信号(Signal:S)パターンなどを含むことができる。ここで、信号(S)パターンは、グラウンド(GND)パターン、パワー(PWR)パターンなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などを含む。また、ビアパッド、ワイヤーパッド、電気接続構造体パッドなどを含むことができる。
【0081】
ビア113a、113bは、互いに異なる層に形成された配線層112a、112b、112cを電気的に連結させ、その結果、コア部材110内に電気的経路を形成させる。ビア113a、113bも、形成物質としては、導電性物質を用いることができる。ビア113a、113bは、導電性物質で完全に充電されたものであってもよく、又は導電性物質がビアホールの壁面に沿って形成されたものであってもよい。また、テーパー状だけでなく、円筒状など公知の全ての形状が適用されることができる。第1ビア113aのためのホールを形成する際に、第1配線層112aのパッドの一部がストッパー(stopper)の役割を果たすことができるため、第1ビア113aは、上面の幅が下面の幅よりも大きいテーパー状であることが工程上有利であることができる。この場合、第1ビア113aは、第2配線層112bのパッドパターンと一体化されることができる。また、第2ビア113bのためのホールを形成する際に、第2配線層112bのパッドの一部がストッパー(stopper)の役割を果たすことができるため、第2ビア113bも、上面の幅が下面の幅よりも大きいテーパー状であることが工程上有利であることができる。この場合、第2ビア113bは、第3配線層112cのパッドパターンと一体化されることができる。
【0082】
一方、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Bにも、上述の他の一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Cのコア部材110が適用されることができることは言うまでもない。その他の構成及び製造方法についての説明は上述と実質的に同一であるため省略する。
【0083】
図15はファン−アウト半導体パッケージモジュールの他の一例を概略的に示す断面図である。
【0084】
図面を参照すると、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Dは、上述の一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Aに加えて、コア部材110が、第1絶縁層111aと、第1絶縁層111aの両面に配置された第1配線層112a及び第2配線層112bと、第1絶縁層111a上に配置され、第1配線層112aを覆う第2絶縁層111bと、第2絶縁層111b上に配置された第3配線層112cと、第1絶縁層111a上に配置され、第2配線層112bを覆う第3絶縁層111cと、第3絶縁層111c上に配置された第4配線層112dと、を含む。第1〜第4配線層112a、112b、112c、112dは、接続パッド122と電気的に連結される。コア部材110が、より多くの数の配線層112a、112b、112c、112dを含むため、連結部材140をさらに簡素化することができる。したがって、連結部材140の形成過程で発生する不良による歩留まりの低下を改善させることができる。一方、第1〜第4配線層112a、112b、112c、112dは、第1〜第3絶縁層111a、111b、111cをそれぞれ貫通する第1〜第3ビア113a、113b、113cを介して電気的に連結されることができる。
【0085】
第1絶縁層111aは、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cよりも厚さが厚ければよい。第1絶縁層111aは、基本的に剛性を維持するために比較的厚ければよく、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cは、より多くの数の配線層112c、112dを形成するために導入されたものであってもよい。第1絶縁層111aは、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cと異なる絶縁物質を含むことができる。例えば、第1絶縁層111aは、芯材、フィラー、及び絶縁樹脂を含む、例えば、プリプレグであってもよく、第2絶縁層111b及び第3絶縁層111cは、フィラー及び絶縁樹脂を含むABF又はPIDであってもよいが、これに限定されるものではない。同様の観点から、第1絶縁層111aを貫通する第1ビア113aは、第2及び第3絶縁層111b、111cを貫通する第2及び第3ビア113b、113cよりも直径が大きければよい。
【0086】
コア部材110の第3配線層112cの下面は、半導体チップ120の接続パッド122の下面よりも下側に位置することができる。また、連結部材140の再配線層142とコア部材110の第3配線層112cとの間の距離は、連結部材140の再配線層142と半導体チップ120の接続パッド122との間の距離よりも小さければよい。これは、第3配線層112cが第2絶縁層111b上に突出した形で配置されることができるのに対し、半導体チップ120の接続パッド122上には薄いパッシベーション膜がさらに形成されることができるためである。コア部材110の第1配線層112a及び第2配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間に位置することができる。コア部材110は、半導体チップ120の厚さに対応して形成することができるため、コア部材110の内部に形成された第1配線層112a及び第2配線層112bは、半導体チップ120の活性面と非活性面との間のレベルに配置されることができる。
【0087】
コア部材110の配線層112a、112b、112c、112dの厚さは、連結部材140の再配線層142の厚さよりも厚ければよい。コア部材110の配線層112a、112b、112c、112dは、接続パッド122及び受動部品125A、125B、125C、125D、125E、125Fと電気的に連結されることができる。
【0088】
一方、他の一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Bにも、上述の他の一例によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100Dのコア部材110が適用されることは言うまでもない。その他の構成及び製造方法についての説明は上述と実質的に同一であるため省略する。
【0089】
図16は本発明によるファン−アウト半導体パッケージモジュールを電子機器に適用する場合の一効果を概略的に示す平面図である。
【0090】
図面を参照すると、最近の携帯電話1100A、1100Bのためのディスプレイの大型化に伴い、電池容量を増加させる必要性が台頭している。電池容量の増加に応じて、電池1180が占める面積も大きくなり、メインボード1101のサイズを縮小することが求められている。これに伴う部品の実装面積の減少により、PMIC及びこれによる受動部品を含むモジュール1150が占める面積が持続的に小さくなっているのが実情である。この際、本発明によるファン−アウト半導体パッケージモジュール100A、100B、100C、100Dを適用する場合には、モジュール1150のサイズを最小化することができるため、このように狭くなった面積にも効果的に活用することができる。
【0091】
本発明において、「下側、下部、下面」などとは、添付の図面の断面を基準にファン−アウト半導体パッケージの実装面に向かう方向を意味し、「上側、上部、上面」などとはその反対方向を意味する。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したもので、特許請求の範囲が上記方向に係る記載により特に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0092】
本発明において「連結される」というのは、直接的に連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、「電気的に連結される」というのは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。なお、第1、第2などの表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0093】
本発明で用いられた「一例」又は「他の一例」という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0094】
なお、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。