【解決手段】筐体12の内部に、少なくとも吸引部(A)と、帯電部(B)と、捕獲部(C)と、を順次に含む捕虫器10であって、吸引部(A)が、小虫類を吸引する吸込口12bを備えており、帯電部(B)が、小虫類に高電圧を印加するための放電線14b及びグランド線14aを備えており、かつ、捕獲部(C)が、複数の平板16aを所定間隔で離間配置してなるとともに、隣接する平板16a間に所定電界を発生させており、小虫類を、複数の平板16a間に捕獲することを特徴とする。
前記捕獲部において、前記平板が、不燃性材料を含有する紙、不織布、フェルト、樹脂の少なくとも一つから構成してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の捕虫器。
前記捕獲部において、前記平板に所定電位を付与するための電極が、導電性樹脂印刷層として、設けてあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の捕虫器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された吸引式捕虫器であっても、誘引装置として、紫外線を放射するLEDを用いることにほかならず、誘引装置から放射された紫外線を、外部から人が視認した場合、安全性に欠けるという問題が見られた。
また、かかる吸引式捕虫器は、基本的に小虫類を虫溜りに捕獲するだけであって、小虫類の殺虫性が不十分であり、さらには、廃棄処理が容易で無いという問題が見られた。
すなわち、吸引式捕虫器の虫溜りから小虫類を回収する際に、それらが生きたままの場合もあって、捕獲しにくく、それら小虫類の処理が困難になったり、さらには、再度外部に逃げ出したりするという問題も見られた。
【0007】
また、特許文献2に記載された捕虫器も、基本的に、誘引光源として、紫外線ランプを用いていることから、紫外線ランプから放射された紫外線を、外部から人が視認した場合に、安全性に欠けるという問題が見られた。
そしてまた、捕虫紙を用いているため、小虫類の捕獲量に制限があって、使用環境にもよるが、捕虫紙を頻繁に交換しなければならないという問題も見られた。
したがって、捕虫紙の交換に、手間やコストがかかるばかりか、捕虫紙を含めた小虫類を同時処理する必要があるという、廃棄処理上の問題も見られた。
【0008】
そこで、以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究した結果、筐体の内部に、少なくとも吸引部と、帯電部と、捕獲部と、を順次に組み合わせてなる捕虫器により、小虫類を帯電部で静電帯電させ、捕獲部において、小虫類を容易かつ確実に捕獲し感電死させることができ、ひいては廃棄処理が容易になることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、誘引装置として、紫外線ランプ等を直接的に使用することなく、小虫類の捕虫効果に優れるとともに、捕虫後の小虫類の廃棄処理が容易な捕虫器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、筐体の内部に、少なくとも吸引部と、帯電部と、捕獲部と、を順次に含む捕虫器であって、吸引部が、小虫類を吸引する吸込口を備えており、帯電部が、小虫類を静電帯電させるための放電線及びグランド線を備えており、かつ、捕獲部が、複数の平板を所定間隔で立接配置してなるとともに、隣接する平板間に所定電界を発生させており、小虫類を、複数の平板間に捕獲することを特徴とする捕虫器が提供、上述した従来の問題を解決することができる。 すなわち、このように構成することによって、帯電部で小虫類を静電帯電させて、捕獲部において、小虫類を、少なくとも電気的に捕獲、ほぼ感電死させることができる。
したがって、紫外線ランプ等を直接的に誘引装置として使用することなく、小虫類の捕虫効果に優れるとともに、捕虫後の廃棄処理が容易な捕虫器を提供することができる。
【0010】
また、本発明の捕虫器を構成するにあたり、捕獲部において、隣接する平板の間隔を1〜5mmの範囲内の値とすることが好ましい。 このような数値範囲に隣接する平板間隔を制限することによって、隣接する平板間に発生する電界強度を所望範囲に容易に調整することができ、また、各種大きさの小虫類に対応することができる。
【0011】
また、本発明の捕虫器を構成するにあたり、捕獲部において、平板が、不燃性材料を含有する紙、不織布、フェルト、樹脂の少なくとも一つから構成してあることが好ましい。
このような平板とすることによって、隣接する平板間に対して、所定電圧が長時間にわたって印加されたとしても、安全性や耐熱性に優れた捕獲部とすることができる。
また、当該捕獲部を軽量化、簡素化、及び低コスト化できることから、捕虫後の小虫類を平板間に挟んだまま、同時に廃棄処理ことが可能となって、ひいては、小虫類の廃棄処理をさらに容易化、清潔化することができる。
【0012】
また、本発明の捕虫器を構成するにあたり、捕獲部において、平板に所定電位を付与するための電極が、導電性樹脂印刷層として、設けてあることが好ましい。
このような導電性樹脂印刷層を設けることによって、比較的広幅に形成することができ、導電性樹脂印刷層の表面抵抗を所定範囲内の値に調整しやすくなる。
また、かかる導電性樹脂印刷層であれば、所定印刷法等を用いて、精度良く、かつ迅速に形成することができることから、高性能化とともに、低コスト化も同時に図ることができる。
【0013】
また、本発明の捕虫器を構成するにあたり、捕獲部の導電性樹脂印刷層を、上方から眺めた場合に、隣接する平板において、千鳥状となるように設けてあることが好ましい。
このような導電性樹脂印刷層の形成位置(端部からの距離や高さ)を変えることによって、上方から眺めた場合に、千鳥状の配置関係となるように設けることができ、ひいては、隣接する平板間に発生する電界強度をより均一かつ大面積なものとすることができる。
【0014】
また、本発明の捕虫器を構成するにあたり、捕獲部において発生する電界強度を1kV/mm以上の値とすることが好ましい。
このような隣接する平板間に発生する電界を所望範囲の値とすることにより、静電帯電した小虫類を確実に捕獲することができる。
【0015】
また、本発明の捕虫器を構成するにあたり、吸引部の吸込口と、帯電部との間に、赤外線ランプが備えてあることが好ましい。
このように所定場所に赤外線ランプが設けてあることにより、小虫類、特に、蚊に対する誘引効果を効果的に発揮することができる。
また、赤外線ランプによって、捕虫器における筐体内部の温度を、人間等の体温付近の温度であって、蚊が好む温度範囲(例えば、30〜38℃)に容易に調整することができ、さらに、捕獲効率を高めることができる。
【0016】
また、本発明の捕虫器を構成するにあたり、捕獲部の上方又は後方に、紫外線ランプ(LED紫外光ランプを含む。)が備えてあることが好ましい。
このように所定場所に紫外線ランプが設けてあることにより、放射された紫外線を、外部から直接的に人が視認することがなくなり、間接使用によって、比較的安全に、小虫類に対する誘引効果を発揮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、
図1に例示されるように、筐体12の内部に、少なくとも吸引部(A)と、帯電部(B)と、捕獲部(C)と、を順次に含む捕虫器10であって、吸引部(A)が、小虫類を吸引する吸込口12bを備えており、帯電部(B)が、小虫類を静電帯電させる、高電圧を印加するためのグランド線(GND)14a及び放電線14bを備えており、かつ、捕獲部(C)が、複数の電極付き平板16を所定間隔で離間配置してなるとともに、隣接する電極付き平板16の間に、所定電界を発生させており、小虫類を複数の電極付き平板16の間に捕獲することを特徴とする捕虫器10である。
以下、
図1等の図面を適宜参照しながら、第1の実施形態の捕虫器10を具体的に説明する。
【0019】
1.基本構成
図1及び
図2に例示されるように、小虫類を感電死等させて捕獲するための捕虫器10は、基本構成として、筐体12の内部の所定位置に、少なくとも吸引部(A)と、帯電部(B)と、捕獲部(C)と、を備えている。
したがって、吸引部(A)で、強制的又は小虫類の特性等を利用して吸込んだ小虫類を、帯電部(B)で静電帯電させ、さらに、捕獲部(C)において、小虫類を、電気的及び物理的に捕獲、同時に感電死又は感電死状態とすることができる。
【0020】
そして、
図1及び
図2に例示される捕虫器10は、設置面積が比較的小さくてすみ、かつ、吸引部(A)の吸込口12b、12´bを、底板12aのみならず、四方に設けることができることから、基本的に、筐体12の内部に、少なくとも吸引部(A)と、帯電部(B)と、捕獲部(C)とを、下方から上方に向かって配置してなる、いわゆる縦型の捕虫器10であることが好ましい。
なお、
図1は、本発明の捕虫器10における主要構成部分を説明するために供する図であり、
図2は、本発明の捕虫器10における、主要構成部分とともに追加構成部分を説明するために供する図である。
【0021】
一方、図示しないものの、筐体の内部に、少なくとも吸引部と、帯電部と、捕獲部とを、右方向から左方向に向かって含んでなる、あるいは、少なくとも吸引部と、帯電部と、捕獲部とを、左方向から右方向に向かって含んでなる、いわゆる横型の捕虫器であっても良い。
このように横型の捕虫器であれば、床に設置した場合であって、かつ、大きな地震や振動等があった場合であっても、比較的転倒しにくいという特徴がある。
さらに言えば、縦型の捕虫器よりも、より小型化しやすいため、低重量化が図られ、ひいては、壁掛けしたり、窓付近に、容易に吊り下げたりすることができる。
【0022】
なお、対象虫となる小虫類としては、蝿、蝦、蛾、蝶、アブラムシ、コガネムシ、カマキリ、トビケラ、ウスバカゲロウ、ユスリカ等の少なくとも一つが挙げられるが、特に、蠅や蝦が典型的な小虫類である。
そして、対象虫となる小虫類の体長としては、通常、1mm〜30mmの範囲内の値であることが好ましく、2mm〜10mmの範囲内の値であることがより好ましく、3mm〜5mmの範囲内の値であることがさらに好ましい。
【0023】
2.筐体
図1及び
図2に例示されるように、捕虫器10の筐体12は、その内部に、少なくとも吸引部(A)と、帯電部(B)と、捕獲部(C)と、をそれぞれ所定位置に備え、かつ、これら部位(A)〜(C)等を機械的、電気的に保護するための外装である。
したがって、かかる筐体12は、通常、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂の少なくとも一つの樹脂を主成分として、構成されていることが好ましい。
【0024】
また、かかる筐体12の構成材料は、機械的強度や寸法安定性等を飛躍的に向上させるべく、主成分に対して、ガラス繊維、カーボン繊維、ナノファイバー、ガラス粒子、カーボン粒子、無機粒子、有機粒子等の少なくとも一つの充填材を、例えば、全体量に対して、0.1〜30重量%の範囲で含んで構成されていることが好ましい。
そして、かかる筐体12は、例えば、射出成形法、押し出し法、金型プレス法、三次元切削装置等の公知の成形法を用いて、概ね直方体や円柱体等の所定形状に形成されていることが好ましい。
【0025】
3.吸引部
図1及び
図2に例示されるように、外部から、小虫類を吸引部(A)の吸込口12bへと導くための部位である。
したがって、吸引部(A)は、小虫類を吸引するための吸込口12b、12´bを少なくとも一つ備えていることを特徴とする。
すなわち、吸引部(A)の下方の底板12a、12´aに設けてある吸込口12b、12´bに小虫類が近づくと、ベンチレーション効果等によって、また、空気の流れである吸引流に乗って、あるいは、小虫類が暗い箇所に自然と入り込む特性に応じて、吸い込まれることになる。
さらに、所定の吸引装置20を用いて、筐体12の内部を所定の減圧状態とすれば、吸引部(A)において、より効率的に、小虫類を吸い込むことができる。
【0026】
その他、吸引部(A)の下方に設けてある底板12a、12´aには、キャスター12c、12´cが設けてあり、捕虫器10、10´を任意位置に移動させることが容易となる。
その上、当該キャスター12c、12´cの高さ位置を変えることによっても、吸込口12b、12´bの高さ位置を、容易に変更することができ、ひいては、小虫類の種類等に応じて、より効率的に、小虫類を吸い込むことができる。
【0027】
4.帯電部
(1)基本構成
図1及び
図2に例示されるように、帯電部(B)は、高電圧を印加し、コロナ放電により、所定の放電電流を発生させて、小虫類を静電帯電させる部位である。
したがって、かかる帯電部(B)は、
図1に例示するように、基本構成として、高電圧を印加し、例えば、1μA〜20mAの放電電流を発生するためのグランド線(金属板電極、GND)14a及び放電線(金属線)14bを備えていることが好ましい。
【0028】
(2)高電圧の印加条件1
そして、放電線とグランド線(GND)との間に、所定直流電源あるいは交流パルス電源を電気的に接続し、例えば、1μA〜20mAの放電電流を発生させるため、通常、500〜10000Vの高電圧を印加することが好ましい。
また、高電圧の印加条件として、より好ましくは、3μA〜15mAの放電電流を発生させるべく、2000〜8000Vの高電圧を印加することであり、さらに好ましくは、5μA〜10mAの放電電流を発生させるべく、4000〜7000Vの高電圧を印加することである。
【0029】
(3)高電圧の印加条件2
また、放電線とグランド線(GND)との間に、電気接続する電源は、通常、直流電源であるが、交流パルス電源を電気的に接続し、所定電圧の直流と重畳させることも好ましい。
すなわち、プラス側のみ、あるいはマイナス側のみの所定電圧の交流パルスであれば、直流電源に由来した直流電流と同様の効果が得られるためである。
【0030】
(4)放電電流の極性
また、放電線とグランド線(GND)との間にこのような高電圧を印加することにより、所定極性の放電電流を発生させ、小虫類の種類によらず、確実に所定以上の電荷に静電帯電させることが望ましい。
すなわち、高電圧の極性として、プラス帯電あるいはマイナス帯電の、いずれの極性であってもよいが、後述する捕獲部に発生する電界の極性と反対となるように、高電圧の極性を定めて印加することが好ましい。
【0031】
5.捕獲部
(1)基本構成
図1及び
図2に例示されるように、捕獲部(C)は、帯電部(B)において静電帯電した小虫類を、所定電界が発生している複数の電極付き平板16の間に、捕獲し、感電死、あるいは感電死状態とするための部位である。
したがって、捕獲部(C)の基本構成として、複数の電極付き平板16を所定間隔で離間配置してなるとともに、かつ、隣接する電極付き平板16の間が電気絶縁されていることから、所定電界が発生しており、静電帯電した小虫類を、電気的に吸引し、感電死させかつ、物理的に捕獲することができる。
【0032】
(2)電界の極性
また、帯電部(B)で、プラス側の高電圧を小虫類に印加した場合には、捕獲部(C)において、マイナス側の電界を発生させ、複数の電極付き平板16の間において、小虫類を捕捉することが好ましい。
一方、帯電部(B)で、マイナス側の高電圧を小虫類に印加した場合には、捕獲部(C)において、プラス側の電界を発生させ、複数の電極付き平板16の間において、小虫類を捕捉することが好ましい。
すなわち、帯電部(B)で静電帯電した小虫類を、吸引流(空気流)及び電気的吸引力によって、捕獲部(C)に運び、そこで捕獲されることになる。
【0033】
(3)電極付き平板の配置関係1
また、
図3(c)及び
図4(c)に例示されるように、捕獲部(C)において、隣接する電極付き平板16、16´の間隔(t1)を1〜5mmの範囲内の値とすることが好ましい。 この理由は、かかる電極付き平板の間隔(t1)を所定範囲内の値に制限することによって、隣接する平板の間に発生する所定電界の強さを所望範囲に容易に調整することができるためである。
また、隣接する平板の間に、小虫類を挟んだ状態等で捕獲することになるため、かかる間隔(t1)を所定範囲内の値に制限することによって、各種小虫類の大きさに対応することができる。
したがって、隣接する平板の間隔(t1)を1.5〜4.5mmの範囲内の値とすることがより好ましく、2〜4mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0034】
なお、
図5(a)〜(c)に例示されるように、捕獲部(C)のフレーム16hは、複数の電極付き平板16を、所定間隔で立設かつ離間配置するための部材である。
そして、かかるフレーム16hは、所定の電気配線(図示せず)を含み、かつ、公知の電気絶縁性材料、例えば、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂等から構成してあることが好ましい。
【0035】
(4)電極付き平板の配置関係2
また、隣接する電極付き平板16の間隔は、
図5(a)に示すように、必ずしも等間隔(t1)である必要はなく、
図5(c)に示すように、配置された複数の電極付き平板16において、左から右方向に向かって、あるいは右から左方向に向かって、徐々に間隔が狭くなったり(t10〜t16)、逆に、広くなったりする構成も好ましい。
この理由は、隣接する電極付き平板16の間隔を非等間隔とすることによって、一つの捕獲部であっても、電界強度を適切な範囲に、いくつかの値に制御することができ、ひいては、小虫類の大きさ等に応じて、かかる電界強度を適切な範囲に調整できるためである。
【0036】
また、複数の電極付き平板16は、
図5(a)に示すように、必ずしも垂直方向の角度(直角方向、θ1)でもって平行関係にある必要はなく、
図5(b)に示すように、それぞれ所定角度(θ2)でもって、傾斜状態で平行配置されてなる構成も好ましい。
この理由は、電極付き平板16を傾斜状態で平行配置することによって、かかる電極付き平板16、16cの1枚あたりの面積をより大きくすることができ、ひいては、小虫類の大きさ等に応じて、かかる電界強度を適切な範囲に調整できるためである。
【0037】
(5)電界強度
また、捕虫器10の捕獲部(C)において発生する電界強度が、1kV/mm以上の値であることが好ましい。
この理由は、このような隣接する平板間に発生する電界を所望範囲の値とすることにより、捕獲部(C)において、静電帯電した小虫類を確実に捕獲することができるためである。
【0038】
但し、捕獲部(C)において発生する電界強度が過度に大きくなると、消費電力が過大になったり、あるいは、所定の電界強度を発生させる電源設備(図示せず)が大型化したりする場合がある。
したがって、捕獲部(C)において発生する電界強度を1〜2kV/mmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0039】
(6)不燃性材料
また、捕獲部(C)において、電極付き平板16が、不燃性材料を含有する紙、不燃性材料を含有する不織布、不燃性材料を含有するフェルト、不燃性材料を含有する樹脂、あるいはそれ自体、不燃性である紙、不燃性である不織布、不燃性であるフェルト、不燃性である樹脂の少なくとも一つを、平板の構成材料としてあることが好ましい。
この理由は、このような不燃性の平板材料とすることによって、所定電圧を連続的又は断続的に印加し、所定の電界が長期間にわたって形成されていても、安全性に優れた捕獲部とすることができ、かつ、当該捕獲部を各種所望の形態とすることができるためである。
【0040】
したがって、例えば、上述した不燃性材料として、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハロゲン系難燃剤、リン酸系難燃剤、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等を含浸又は付着させてなる、紙、不織布、フェルト、樹脂の少なくとも一つとすることが好ましい。
なお、平板における不燃性の目安として、UL94V規格のV1以上又はV0であることが好ましい。
【0041】
そして、
図3(a)及び
図4(a)に例示するように、捕獲部(C)の主要構成である平板16a、16´aについての構成も、特に制限されるものでない。
したがって、平板16a、16´aを概ね長方形と想定した場合、その長さ(L1、L´1)を5〜25cmの範囲内の値とすることが好ましく、8〜20cmの範囲内の値とすることが好ましく、10〜15cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、平板16a、16´aの幅(L3、L´3)を4〜15cmの範囲内の値とすることが好ましく、5〜12cmの範囲内の値とすることが好ましく、6〜10cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0042】
そして、
図6(a)〜(e)に例示するように、平板を各種態様とすることができる。
例えば、
図6(a)に示される平板16iは、通常の樹脂板であって、軽量性、電気絶縁性、成形性、コスト性等に優れている。
したがって、ポリイミド、フッ素樹脂、難燃性ポリエステル等の耐熱性樹脂からなることが好ましい。
【0043】
また、
図6(b)に示される平板16jは、難燃剤(水酸化カルシウム、ハロゲン系難燃剤等)を所定量(例えば、全体量に対して、1〜30重量%)含む難燃性樹脂に由来した板である。
このような難燃剤含む難燃性樹脂から構成されていれば、捕獲部(C)の安全性をより高めることができる。
【0044】
また、
図6(c)に示される平板16kは、ポリイミド、フッ素樹脂、難燃性ポリエステル等の耐熱性樹脂に由来した織布又は不織布である。
このような織布又は不織布から構成されていれば、表面積が大きくなって、捕獲効率がより高まるという利点がある。
【0045】
また、
図6(d)に示される平板16lは、所定の孔開き樹脂板である。
したがって、通気性、耐久性、あるいは軽量性等を考慮して、通常、直径0.1〜3mmの直径の貫通孔を備えた孔開き樹脂板であることが好ましい。
【0046】
また、
図6(e)に示される平板16mは、表面に、所定深さの断面が半円又は四角計等の溝16nが形成してある溝付き樹脂板である。
したがって、溝に沿って、導電性樹脂を塗布し、次いで、スキージ等で表面を平滑にするだけで、所定の導電性印刷層を形成することができる。
【0047】
(7)導電性樹脂印刷層
また、
図3及び
図4に例示するように、捕獲部(C)の別の主要構成である、平板16a、16´aに所定電位を付与するための電極16b、16´bとして、概ね直線状の導電性樹脂印刷層が設けてあることが好ましい。
この理由は、このような導電性樹脂印刷層を設けることによって、所定の表面抵抗を調整することができ、また、その形成が極めて容易かつ精度良くなるためである。
その上、所定の導電性樹脂印刷層であれば、隣接する平板間に所定電圧が長期間にわたって印加されていたとしても、安全性に優れた捕獲部とすることができるためである。
【0048】
すなわち、電気絶縁性の主剤(ビヒクル)としてのエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール系樹脂等に対して、銅、銀、金、ニッケル、半田、スズ、ステンレス等の導電材料を、所定量配合してなる導電性ペーストを製造する。
次いで、スクリーン印刷法等によって、導電性ペーストを、例えば、ライン状に印刷する。
【0049】
最後に、印刷された導電性ペーストを、通常、オーブン等を用いて、80〜200℃、10分〜60分の加熱条件で熱硬化させてなる、表面抵抗が、例えば、100〜10000オーム/□の範囲の導電性樹脂印刷層とすることが好ましい。
また、印刷された導電性ペーストを、所定の加熱条件で熱硬化させ、200〜5000オーム/□の範囲の導電性樹脂印刷層とすることがより好ましく、300〜1000オーム/□の範囲の導電性樹脂印刷層とすることがさらに好ましい。
【0050】
また、
図3又は
図4に例示されるように、このような所定電位を付与するための電極16b、16´bが、導電性樹脂印刷層から構成され、かつ、概ね長方形と想定した場合、表面抵抗の値を所定範囲内の値に調整すべく、その長さ(L2、L´2)を3〜20cmの範囲内の値とすることが好ましく、4〜15cmの範囲内の値とすることが好ましく、6〜10cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0051】
なお、このような導電性樹脂印刷層の長さ(L2、L´2)は、所定電界の形成の容易さから、平板の長さ(L1、L´1)も考慮することが好ましく、少なくとも平板の長さ(L1、L´1)よりも短くすることが好ましい。
より具体的には、導電性樹脂印刷層の長さ(L2、L´2)を、平板の長さ(L1、L´1)の95%以下とすることが好ましく、90%以下とすることがより好ましく、80%以下とすることがさらに好ましい。
【0052】
また、同様に、概ね長方形と想定した場合、表面抵抗の値を所定範囲内の値に調整すべく、その幅(L4)を5〜50mmの範囲内の値とすることが好ましく、10〜45mmの範囲内の値とすることが好ましく、20〜40mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0053】
(8)電極配置
また、
図4(b)に例示されるように、複数の電極付き平板16´を上方から視覚した場合に、形成された電極(導電性樹脂印刷層)16´bが、千鳥状となるように設けてあることが好ましい。
すなわち、電極(導電性樹脂印刷層)16´bの形成方向に沿って中心線(L)を想定した場合に、隣接する電極付き平板16´において、それぞれ中心線(L)を挟んで、左右方向(あるいは上下方向)に、電極(導電性樹脂印刷層)16´bが位置する関係となるように、当該電極(導電性樹脂印刷層)16´bを形成することが好ましい。
【0054】
より具体的には、
図4(a)〜(b)に例示されるように、中心線(L)を想定して、複数の電極付き平板16´を上方から視覚した場合に、一方の電極付き平板16´においては、その中心線(L)よりも、下方位置となるように電極(導電性樹脂印刷層)16´bを形成する。
そして、隣接するもう一方の電極付き平板16´においては、その中心線(L)よりも、上方位置となるように電極(導電性樹脂印刷層)16´bを形成することが好ましい。
この理由は、このように電極(導電性樹脂印刷層)を形成することによって、上方から視覚した場合に、千鳥状に配置されることになり、ひいては、隣接する平板間に発生する電界をより均一かつ大面積なものとすることができるためである。
【0055】
6.吸引装置
図1や
図2に例示する吸引装置20、20´の構成は、吸引流を効果的に生成できる態様であれば特に制限されるものでないが、ファン(クロスフローファンを含む。)、真空吸引装置、減圧装置、扇風機等の少なくとも一つの吸引装置を用いることが好ましい。
したがって、吸引部あるいは他の箇所に、生成された吸引流によって、小虫類を吸引するためのファンを備えることが好ましい。
【0056】
さらに、
図1に例示するように、吸引装置20を捕獲部(C)の上方に設けることによって、筐体12の内部において、下方の吸引部(A)から、その上方の捕獲部(C)へと続く、垂直方向の空気の流れである、吸引流れを容易に生成することができる。
したがって、
図1において、矢印A及びBは、このような吸引流れが生成され、最後は、排気口12dを介して、外部に放出されることを意味している。
すなわち、小虫類を、吸引部(A)の吸込口12bから、筐体12の内部に取り込み易くなって、かかる小虫類の捕獲率を高めることができる。
【0057】
7.紫外線ランプ等
(1)
図2に例示されるように、捕獲部(C)の上方又は後方に、紫外線ランプ17が備えてあることが好ましい。
この理由は、このように所定場所に紫外線ランプが設けてあることにより、外部から人が直接的に視認することなく、安全性に高く、かつ、小虫類に対する誘引効果を十分に発揮することができるためである。
すなわち、小虫類は一般に、波長300〜400nmの紫外線に誘引される、走光性を有しているため、所定場所に紫外線ランプを備えることによって、外部から人が直接的に視認することなく、小虫類の捕獲性を著しく高めることができる。
【0058】
(2)光触媒部材
また、
図2に例示されるように、捕獲部(C)と、紫外線ランプ17との間に、(D´)清浄部を構成する一部として、光触媒部材18を設けることが好ましい。
例えば、通気性のあるメッシュ材や孔開き基材に、光触媒効果を発揮する酸化チタン(特に、アナターゼ型)や酸化タングステン等を配合又は付着させておけば、吸引流の流れを妨げることなく、誘引効果を発揮する紫外線ランプの紫外線によって、酸化チタン等が活性化させることができる。
また、このように捕獲部と、紫外線ランプとの間に、光触媒部材が設けてあれば、外部から人が直接的に視認することが、ますます少なくなると言える。
したがって、光触媒部材によって、捕獲部における感電死した小虫類や汚染物、雑菌等を分解除去することができ、ひいては、捕獲部の清浄性を保持することができ、さらには、安全性についてもさらに向上させることができる。
【0059】
8.赤外線ランプ
また、
図2に例示するように、吸引部(A)の吸込口12´bと、帯電部(B)との間に、赤外線ランプ13が備えてあることが好ましい。
この理由は、このように所定場所に赤外線ランプ13が設けてあることにより、赤外線の波長(780nm以上)の関係で、小虫類のうち、特に蝦に対する誘引効果を効果的に発揮できるためである。
その上、このように赤外線ランプ13が設けてあることにより、吸引部(A)を含めて、筐体12の内部の温度や吸引流れを、人間の体温に近い温度であって、小虫類が好む温度に微妙に調整することも可能である。
なお、赤外線ランプ13の出力については、捕虫器10(筐体12)の大きさや対象とする小虫類の種類等に応じて、適宜変更することができるが、通常、1〜50Wの範囲内の値とすることが好ましく、2〜30Wの範囲内の値とすることが好ましく、3〜10Wの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0060】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、
図1等に例示される、筐体12の内部に、少なくとも吸引部(A)と、帯電部(B)と、捕獲部(C)とを、下方から垂直方向に順次に含む捕虫器10を用いてなる捕虫方法であって、下記工程(1)〜(3)を少なくとも含む捕虫方法である。
(1)小虫類を吸引する吸込口12bを備えた吸引部(A)において、小虫類を筐体12の内部に吸引する工程(以下、吸引工程と称する場合がある。)
(2)グランド線(GND)14a及び放電線14bを備えた帯電部(B)が、コロナ放電により、小虫類を静電帯電する工程(以下、帯電工程と称する場合がある。)
(3)複数の平板を所定間隔で離間配置してなるとともに、隣接する平板間に所定電界を発生させており、静電帯電した小虫類を、複数の平板間に捕獲、感電死させる工程(以下、捕獲工程と称する場合がある。)
【0061】
1.吸引工程
吸引工程は、吸引部(A)において、小虫類を吸込口12bから、筐体12の内部に、強制的又は自然に吸引(誘引)する工程である。
したがって、吸込口12bにおけるベンチレーション効果や、筐体12の内部や外部に設けた吸引装置20としてのファン等によって生成された吸引流(気流)、さらには、筐体12の内部に設けた紫外線ランプ17や誘引剤等を用いて、小虫類を筐体12の内部に効果的に誘引して、引き込めばよい。
また、狭いスリット等の吸込口12bであれば、自然と侵入するという小虫類の特性を利用して、筐体12の内部に引き込むことも可能である。
さらには、筐体の内部に設けた赤外線ランプ13で温度調整された吸込口12bであれば、小虫類が内部に侵入しやすいという特性があって、それを利用し、小虫類を筐体12の内部に引き込むことも可能である。
【0062】
2.帯電工程
帯電工程は、電極として、グランド線(GND)14a及び放電線14bを備えた帯電部(B)において、コロナ放電により、小虫類を静電帯電する工程である。
したがって、かかる帯電工程において、放電線14bは、コロナ放電を発生させるに十分な細さとし、かつ、グランド線との間隔は、所望の放電電流が発生可能なものとしなければならない。
より具体的には、例えば、1μA〜20mAの放電電流を発生するためには、放電線をタングステン等から構成し、その直径を100〜300μmの範囲内の値とすることが好ましく、120〜200μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
【0063】
3.捕獲工程
捕獲工程は、帯電工程によって、プラス側又はマイナス側の放電電流で、静電帯電した小虫類を、吸引流に乗った状態で運び、そこで電気的かつ物理的に捕獲する工程である。
したがって、複数の平板を所定間隔で離間配置してなるとともに、かつ、隣接する平板間が電気絶縁されて、マイナス側又はプラス側の電界が発生しており、例えば、上昇する吸引流に乗って運ばれた小虫類を、複数の平板間に電気的かつ物理的に捕獲することができる。
【0064】
4.誘引工程
誘引工程は、吸引工程の前に実施する場合と、筐体内部に侵入した小虫類を、帯電工程や捕獲工程に導く場合の、いずれの実施工程も含んでいる。
したがって、吸引工程の前に実施する誘引工程は、筐体内部のファン(クロスフローファンを含む。)等の吸引装置によって発生した吸引流によって、吸引部に、小虫類を引き込む工程である。
一方、吸引工程の後に実施する誘引工程は、筐体内部に設けた紫外線ランプ等の誘引装置によって、吸引部から侵入した小虫類を、帯電工程や捕獲工程に導く工程である。
【0065】
5.温度調整工程
温度調整工程は、筐体内部に備えた赤外線ランプ及び吸引流(気流)の強度等によって、筐体内部の温度を所定範囲内の値に調整する工程である。
より具体的には、温度調整工程によって、筐体内部の温度を、小虫類が好む20〜40℃の範囲内の値とすることが好ましく、25〜38℃の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜36℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0066】
6.光触媒による清浄工程
光触媒による清浄工程は、捕獲部と、紫外線ランプとの間に、光触媒部材を設けて、紫外線ランプからの紫外線によって励起された光触媒機能によって、捕獲部における感電死した小虫類や汚染物、雑菌等を分解除去することができ、ひいては、捕獲部の清浄性を保持する
すなわち、光触媒による清浄工程を実施することによって、吸引流の流れを妨げることなく、誘引効果を発揮する紫外線ランプの紫外線によって、酸化チタン等を活性化させ、ひいては、触媒効果を発揮させることができる。
【0067】
なお、省力化、安全性のさらなる確保のため、紫外線ランプの点灯は、必ずしも連続的である必要はなく、定期的に点灯させても良く、あるいは、任意動作によって、捕獲部の清浄性が低下した場合に実施することも好ましい。
【0068】
7.吸引流の生成工程
吸引流の生成工程は、基本的に、筐体内部に設けたファン(クロスフローファンを含む。)等の吸引装置によって発生させる工程である。
すなわち、吸引装置によって、例えば、上昇する吸引流を発生させることによって、吸引部に、小虫類を引き込むことができ、その後、小虫類を適切に、上方での帯電工程や捕獲工程に運んで、そこで、所定処理を実施することができる。
【0069】
なお、省力化、安全性のさらなる確保のため、吸引装置の動作は、必ずしも連続的である必要はなく、定期的に動作させても良く、あるいは、任意動作によって、吸引装置を動作させることも好ましい。
【0070】
8.廃棄工程
廃棄工程は、帯電工程で感電死等させ、次いで、捕獲工程で捕獲した小虫類を、外部に廃棄する工程である。
したがって、かかる廃棄工程は、捕獲工程を実施する複数の平板とともに、捕獲した小虫類を廃棄しても良いし、あるいは、捕獲した小虫類のみ廃棄し、捕獲工程を実施する複数の平板をリサイクルすることも経済的に好ましい。
前記捕獲部において、前記平板が、不燃性材料を含有する紙、不織布、フェルト、樹脂の少なくとも一つから構成してあることを特徴とする請求項1又は2に記載の捕虫器。
前記捕獲部において、前記平板に所定電位を付与するための電極が、導電性樹脂印刷層として、設けてあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の捕虫器。
本発明によれば、筐体の内部に、少なくとも吸引部と、帯電部と、捕獲部と、を順次に含む捕虫器であって、吸引部が、小虫類を吸引する吸込口を備えており、帯電部が、小虫類を
ための放電線及びグランド線を備えており、かつ、捕獲部が、複数の平板を所定間隔で立接配置してなるとともに、隣接する平板間に所定電界を発生させており、小虫類を、複数の平板間に捕獲することを特徴とする捕虫器が提供、上述した従来の問題を解決することができる。
に例示されるように、筐体12の内部に、少なくとも吸引部(A)と、帯電部(B)と、捕獲部(C)と、を順次に含む捕虫器10であって、吸引部(A)が、小虫類を吸引する吸込口12bを備えており、帯電部(B)が、小虫類を
ためのグランド線(GND)14a及び放電線14bを備えており、かつ、捕獲部(C)が、複数の電極付き平板16を所定間隔で離間配置してなるとともに、隣接する電極付き平板16の間に、所定電界を発生させており、小虫類を複数の電極付き平板16の間に捕獲することを特徴とする捕虫器10である。