(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-85701(P2019-85701A)
(43)【公開日】2019年6月6日
(54)【発明の名称】ペット用のドア開閉装置
(51)【国際特許分類】
E05F 1/14 20060101AFI20190517BHJP
E05F 5/00 20170101ALI20190517BHJP
【FI】
E05F1/14 A
E05F5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-211817(P2017-211817)
(22)【出願日】2017年11月1日
(71)【出願人】
【識別番号】591287196
【氏名又は名称】森村金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 充
(72)【発明者】
【氏名】伊東 淳一
(57)【要約】
【課題】比較的安価で容易に取り付けることができ、隙間風の吹込みや冷暖房効率の低下を防止できるペット用のドア開閉装置を提供する。
【解決手段】開き戸のドアDを備えた出入口の両側上部間に突っ張るように架設する装置本体1と、ドアDの回動軸から離れた位置の上部に跨らせるように載せるワイヤー引掛具2と、これらを繋ぐワイヤー3とから構成する。装置本体1には、ドアDの戸先寄りに対応する部分に位置するプッシュステー11と、ワイヤー3に引張力を付与する引張ばね12と、ワイヤー3の引き込み量を増大させる引込量拡大機構13と、ワイヤー3の引き込みに伴うドアDの閉止速度を緩速化する緩速化機構14とを備える。プッシュステー11の押込後のドアDの開放方向への反発力は、ワイヤー3の引込力よりも大きく設定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開き戸のドアを備えた出入口の両側上部間に突っ張るように架設する装置本体(1)と、ドアの回動軸から離れた位置の上部に跨らせるように載せるワイヤー引掛具(2)と、前記装置本体(1)とワイヤー引掛具(2)を繋ぐワイヤー(3)とから成り、
前記装置本体(1)には、ドアの戸先寄りに対応する部分に位置するプッシュステー(11)と、前記ワイヤー(3)に引張力を付与する引張ばね(12)と、前記引張ばね(12)の引張力による前記ワイヤー(3)の引き込み量を増大させる引込量拡大機構(3)と、前記ワイヤー(3)の引き込みに伴うドアの閉止速度を緩速化する緩速化機構(14)とが備えられ、
前記プッシュステー(11)の押込後のドアの開放方向への反発力は、前記ワイヤー(3)の引込力よりも大きく設定されているペット用のドア開閉装置。
【請求項2】
前記引込量拡大機構(13)は、一列に並ぶ複数個のプーリー(13a,13b)のそれぞれの大径部(13a1,13b1)と小径部(13a2,13b2)にワイヤー(3)を段階的に巻き掛けた構成となっていることを特徴とする請求項1に記載のペット用のドア開閉装置。
【請求項3】
前記緩速化機構(14)は、揺動自在のアーム(14a)とダンパー(14b)とから成り、ドアの開度が所定角度より小さい範囲で、前記アーム(14a)の先端部がドアの表面に当接し、前記アーム(14a)の基部が前記ダンパー(14b)を作動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のペット用のドア開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、犬や猫などのペットが部屋の出入りを自由にできるようにするためのドア開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、開き戸のドアを完全に開放することなく、家屋内で飼われている犬や猫などのペットが部屋の出入りを自由にできるようにするため、下記特許文献1では、
図11に示すようなペット用ドアパネルが提案されている。
【0003】
このペット用ドアパネルは、ドアDの戸先側に対応して設置されるものであり、ドアDとほぼ同等の高さを有する縦長の遮蔽パネル51と、その一側部を回動可能に支持する伸縮可能な支柱52とから構成され、遮蔽パネル51の下端部には、吊下式の蓋板53aを有するペット出入口53が備えられている。
【0004】
上記ペット用ドアパネルの設置に際しては、ドア枠の両側の立枠V
1,V
2のうち、ドアDの戸先寄りに対応する一側の立枠V
1に近接して、支柱52を床面と天井の間に突っ張るように直立させて固定する。
【0005】
そして、ドアDを出入口の一側の立枠V
1から離れるように少し開き、遮蔽パネル51の他側部をドアDの戸先寄りの表面に当接させて、ドアDの戸先と立枠V
1の間を遮蔽する。これにより、部屋の内側と外側は、ドアDの戸先側での通風が遮断され、互いに容易に視認できないように仕切られる。
【0006】
このように遮蔽しても、ペットは、吊下式の蓋板53aを押して揺動させつつ、ペット出入口53を介して部屋の出入りを自由にできる。
【0007】
また、遮蔽パネル51を鎖線で示すように回動させ、出入口の側方の壁面に沿わせておくと、遮蔽パネル51に妨げられることなく、ドアDを完全に閉じることができ、遮蔽パネル51が出入口付近に迫り出して煩わしく感じられることもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−115461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のようなペット用ドアパネルは、大きな遮蔽パネル51を良質の材料で仕上げた場合、高価なものとなるため、購入者層が限られるという問題があるほか、設置に際して、床面と天井の間に及ぶ長い支柱52を直立させるのが難しく、設置作業に手間取る恐れがある。
【0010】
また、遮蔽状態でもドアDの戸先側が立枠V
1から離れているため、出入口の上部とドアDとの間に隙間が生じ、室内に隙間風が吹き込んだり、室内の冷暖房効率が低下したりするという問題を完全には解消できない。
【0011】
そこで、この発明は、比較的安価で容易に取り付けることができ、隙間風の吹込みや冷暖房効率の低下を防止できるペット用のドア開閉装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この発明に係るペット用のドア開閉装置は、開き戸のドアを備えた出入口の両側上部間に突っ張るように架設する装置本体と、ドアの回動軸から離れた位置の上部に跨らせるように載せるワイヤー引掛具と、前記装置本体とワイヤー引掛具を繋ぐワイヤーとから成り、
前記装置本体には、ドアの戸先寄りに対応する部分に位置するプッシュステーと、前記ワイヤーに引張力を付与する引張ばねと、前記引張ばねの引張力による前記ワイヤーの引き込み量を増大させる引込量拡大機構と、前記ワイヤーの引き込みに伴うドアの閉止速度を緩速化する緩速化機構とが備えられ、
前記プッシュステーの押込後のドアの開放方向への反発力は、前記ワイヤーの引込力よりも大きく設定されているものとしたのである。
【0013】
また、前記引込量拡大機構は、一列に並ぶ複数個のプーリーのそれぞれの大径部と小径部にワイヤーを段階的に巻き掛けた構成としたのである。
【0014】
さらに、前記緩速化機構は、揺動自在のアームとダンパーとから成り、ドアの開度が所定角度より小さい範囲で、前記アームの先端部がドアの表面に当接し、前記アームの基部が前記ダンパーを作動させるものとしたのである。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係るペット用のドア開閉装置は、装置本体を出入口の両側上部間に架設し、ワイヤー引掛具をドアの上部に跨らせるように載せ、装置本体とワイヤー引掛具をワイヤーで繋ぐだけで、簡単に取付作業が完了する。
【0016】
また、美装仕上げを要する大きなパネルを構成部材としないので、比較的安価なものとすることができる。
【0017】
そして、開き戸へ取り付けた状態でドアを閉めたとき、プッシュステーに当接したドアの戸先を、出入口の立枠の奥行の範囲内に収めることができるので、隙間風の吹込みや冷暖房効率の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】この発明に係るペット用のドア開閉装置を取り付けた開き戸のドアを閉めた状態をドア開放方向の反対側から示す出入口の内外の一側から示す斜視図
【
図2】同上のドアを閉めた状態をドア開放方向の上方から示す斜視図
【
図3】同上のペットがドアを押した状態を示す斜視図
【
図4】同上のドアが半開きとなってペットが通り抜ける状態を示す斜視図
【
図6】同上のドアが大きく開いて人が出入りする状態を示す斜視図
【
図7】同上の開き戸の(7A)
図2に対応するドアが閉じた状態、(7B)
図3に対応するドアが押し込まれた状態、(7C)
図4に対応するドアが半開きとなった状態、(7D)
図6に対応するドアが大きく開いた状態をそれぞれ示す平面図
【
図8】同上の装置本体を示す(8A)平面図、(8B)(8A)のI−I断面図、(8C)(8A)のII−II断面図
【
図9】同上の引込量拡大機構におけるワイヤーの巻掛状態を示す(9A)拡大平面図、(9B)拡大正面図
【
図10】同上のワイヤー引掛具のドアへの取付状態を示す(10A)平面図、(10B)背面図、(10C)側面図
【
図11】特許文献1に記載のペット用ドアパネルの設置状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
図1及び
図2に示すように、このドア開閉装置は、開き戸のドアDを備えた出入口の上部に取り付けるものであり、
図7に示すように、長さ方向を出入口の幅方向へ向けて、両側の立枠V
1,V
2の上部間に突っ張るように架設する装置本体1と、ドアDの回動軸から離れた位置の上部に跨らせるように載せるワイヤー引掛具2と、装置本体1とワイヤー引掛具2に引っ掛けてこれらを繋ぐワイヤー3とから構成される。
【0021】
図8に示すように、装置本体1は、四角筒状の梁体10に各機構の主要部を内蔵しており、ドアDの戸先寄りに対応する部分に位置するプッシュステー11と、ワイヤー3に引張力を付与する引張ばね12と、引張ばね12の引張力によるワイヤー3の引き込み量を増大させる引込量拡大機構13と、ワイヤー3の引き込みに伴うドアDの閉止速度を緩速化する緩速化機構14とを備えている。
【0022】
梁体10は、外カバー10aと筐体10b
1、10b
2とから成る二重構造とされ、一方の筐体10b
1は短く、他方の筐体10b
2は長くなっている。短い筐体10b
1の内端壁には、長い筐体10b
2へ向かう寸切りボルト4が固定され、外カバー10aは、筐体10b
1、10b
2に対して長さ方向にスライドするようになっている。
【0023】
筐体10b
1、10b
2の間において、寸切りボルト4には、取付時の押圧力調整用のハンドル5が螺合しており、ハンドル5と筐体10b
2の間には、ばね定数が大きい圧縮ばね6が介在し、筐体10b
1に対して筐体10b
2が離反する方向へ付勢されている。
【0024】
筐体10b
1、10b
2のそれぞれの外端壁には、先端が円盤部となった押当片7が設けられている。押当片7の円盤部の表面には、滑止用のゴムが貼られている。
【0025】
プッシュステー11は、装置本体1の長さ方向に直交し、筐体10b
1に埋設するように固定された基体部11aに対してロッド11bが出没するものである。そして、基体部11aからロッド11bが突出した状態で、ロッド11bが基体部11aに押し込まれると、ロッド11bが基体部11aに内蔵されたばねの反発力により、基体部11aから大きく突出するようになっている。
【0026】
引張ばね12は、筐体10b
2の内部に設けられ、その両端部が筐体10b
2の端壁側と引込量拡大機構13のワイヤー3とに接続されている。引張ばね12によるワイヤー3の引張力は、ばね受具12aに螺合するねじ軸12bに螺合した調整ツマミ12cを回すことにより、調整できるようになっている。
【0027】
引込量拡大機構13は、
図9に示すように、筐体10b
2の内部で装置本体1の長さ方向に一列に並ぶ2個のプーリー13a,13bを備え、これらのプーリー13a,13bは、それぞれに設けられた大径部13a
1,13b
1と小径部13a
2,13b
2とが上下互い違いになるように配置されている。
【0028】
そして、一端が引張ばね12に接続されたワイヤー3の他端側は、引張ばね12に近いプーリー13aの小径部13a
2に巻き掛けられている。
【0029】
また、次の段階として、引張ばね12に近いプーリー13aの大径部13a
1にワイヤー3の一端側が巻き掛けられ、このワイヤー3の他端側は、引張ばね12から遠いプーリー13bの小径部13b
2に巻き掛けられている。
【0030】
さらに、次の段階として、引張ばね12から遠いプーリー13bの大径部13b
1にワイヤー3の一端側が巻き掛けられ、このワイヤー3の他端側は、プッシュステー11と同方向へ向きを変えられて、梁体10の外部に引き出され、先端部にワイヤー引掛具2に繋ぐワイヤー3を接続するための接続具3aが取り付けられている。
【0031】
また、
図8に示すように、緩速化機構14は、筐体10b
2の内部の回転軸8を中心に揺動するように支持されて梁体10の外側へ延びるアーム14aと、筐体10b
2の内部に設けられたダンパー14bとから成り、アーム14aの基部がダンパー14bを作動させるようになっている。
【0032】
アーム14aは、捩りコイルばね14cにより迫り出す方向に付勢され、アーム14aの先端部には、ドアDの開閉に伴い、ドアDの表面に押し付けられて接触回動するローラー14dが設けられている(
図7(7C)参照)。
【0033】
この装置本体1において、プッシュステー11の反発力は、約11.76Nとされ、引張ばね12の引張力は、約35〜80Nとされている。そして、引込量拡大機構13によるワイヤー3の引込力は、プッシュステー11の反発力より小さくなるように、約1.96〜4.9Nとされている。
【0034】
一方、
図10に示すように、ワイヤー引掛具2は、ドアDの上部に跨る抱持部材21の背面に上下2個のフック22が互いに左右逆方向に向くように設けられ、抱持部材21の正面に設けられた2個の締付ねじ23の締め付けに伴い押付板24が前進し、抱持部材21と押付板24の間にドアDを挟み込むことにより、ドアDに固定されるものである。
【0035】
また、抱持部材21及び押付板24とドアDの各表面の間には、それぞれ傷防止用のゴム製の保護シート25が介在すると共に、押付板24とドアDの表面の間には、間隔調整用のゴム製のスペーサー26が挟まれるようになっている。
【0036】
上記のようなドア開閉装置を開き戸に取り付けるには、
図1及び
図2に示すように、開き戸のドアDの開放方向とは反対側において、長さ方向に押し縮めた装置本体1を、反発により伸長させ、両端の押当片7を出入口の立枠V
1,V
2の上部にそれぞれ押し当てることにより、立枠V
1,V
2の上部間に突っ張るように架設する。
【0037】
また、ワイヤー引掛具2を、ドアDの戸尻側の回動軸から離れた位置の上部に跨らせるように載せ、
図10に示すように、締付ねじ23を回して、ドアDを挟み込んだ状態で締め付けることにより、ドアDに固定する。
【0038】
そして、装置本体1から引き出したワイヤー3の先端の接続具3aを、ドアDの左右の勝手に応じて、ワイヤー引掛具2の上下2個のフック22のうち、いずれかに引っ掛けることにより、装置本体1とワイヤー引掛具2とを繋ぐ。
【0039】
この場合、ドアDが装置本体1の取付側から見て右丁番である場合には、左側が開放されたフック22にワイヤー3の接続具3aを引っ掛け、ドアDが装置本体1の取付側から見て左丁番である場合には、右側が開放されたフック22にワイヤー3の接続具3aを引っ掛けるようにすると、ドアDの開閉時にワイヤー3の接続具3aが外れにくい。
【0040】
上記のようなドア開閉装置は、ドアDの戸先側に遮蔽パネルを設ける従来のペット用ドアパネルのように、美装仕上げを要する大きなパネルを構成部材としないので、比較的安価に提供することができる。
【0041】
また、開き戸への取付作業を簡単に行うことができ、ドアDや立枠V
1,V
2に穴開け加工等を施す必要がなく、建具や壁面を傷つけることがないので、賃貸住宅にも取り付けることができる。
【0042】
また、引込量拡大機構13の2個のプーリー13a,13bが装置本体1の長さ方向に一列に並び、それらの大径部13a
1,13b
1と小径部13a
2,13b
2にワイヤー3が段階的に巻き掛けられていることから、装置本体1が細長いものとなり、開き戸への取付状態において、立枠V
1,V
2の幅の範囲内に体裁よく収めることができる。
【0043】
さらに、装置本体1が万一落下した場合には、ドアDの上部からワイヤー3を介してぶら下がるので、出入口を通る人HやペットPに当たる危険性はほとんどなく、床面を傷つける恐れもない。
【0044】
上記のようなドア開閉装置を取り付けた開き戸において、
図1、
図2及び
図7(7A)に示すように、ドアDを閉めると、プッシュステー11の基体部11aから突出したロッド11bの先端がドアDの開放方向とは反対側の表面に当接する。
【0045】
この状態では、ドアDを戸先のラッチボルトが立枠V
1の凹部に嵌合するまで完全に閉じることはできないが、ドアDの戸先を立枠V
1の奥行の範囲内に収めることができるので、隙間風の吹込みや冷暖房効率の低下を防止できる。
【0046】
そして、
図3及び
図7(7B)に示すように、ペットPがドアDの開放方向の表面を押すと、プッシュステー11の基体部11aにロッド11bが押し込まれる。
【0047】
この押し込みに伴い、プッシュステー11のロッド11bが反発して基体部11aから突出し、
図4及び
図7(7C)に示すように、ドアDの戸先側がロッド11bにより突き放され、ドアDが半開き状態となり、この状態に気付いたペットPは、ドアDの戸先と立枠V
1の間をドアDの開放方向とは反対側へ通り抜けることができる。
【0048】
なお、半開き状態となったドアDは、
図5に示すように、引張ばね12の引張力に抗して引込量拡大機構13から引き出されたワイヤー3により引っ張られ、その引張力で閉まり始める。このとき、緩速化機構14の作用により、ドアDはゆっくりと閉まるので、ペットPがドアDの戸先側と立枠V
1の間に挟まれる事態が防止される。
【0049】
上記作用例では、ペットPがドアDの開放方向から反対側へ通り抜ける場合について例示したが、これとは逆に、ドアDの開放方向とは反対側にいるペットPは、ドアDの開放方向とは反対側の表面を押すだけで、ドアDが開くので、ドアDの戸先と立枠V
1の間を容易に通り抜けることができる。
【0050】
一方、
図6及び
図7(7D)に示すように、開き戸の出入口を飼い主等の人Hが出入りする際には、ワイヤー3が最大限度近くまで大きく引き出されることにより、ドアDを大きく開くことができるので、障害物に煩わされることなく通ることができる。このとき、ドアDの開度が所定角度より大きくなると、アーム14aの先端のローラー14dがドアDの表面から離れる。
【0051】
その後、ドアDは、ワイヤー3に引っ張られて閉まり、
図1、
図2及び
図7(7A)に示す状態に復帰する。このとき、ドアDの開度が所定角度より小さくなると、アーム14aの先端のローラー14dがドアDの表面に当接して、アーム14aの基部がダンパー14bを作動させ、ドアDはゆっくりと閉まり、大きな衝撃音が発生することがない。
【符号の説明】
【0052】
1 装置本体
2 ワイヤー引掛具
3 ワイヤー
3a 接続具
4 寸切りボルト
5 ハンドル
6 圧縮ばね
7 押当片
8 回転軸
10 梁体
10a 外カバー
10b
1、10b
2 筐体
11 プッシュステー
11a 基体部
11b ロッド
12 引張ばね
12a ばね受具
12b ねじ軸
12c 調整ツマミ
13 引込量拡大機構
13a,13b プーリー
13a
1,13b
1 大径部
13a
2,13b
2 小径部
14 緩速化機構
14a アーム
14b ダンパー
14c 捩りコイルばね
14d ローラー
21 抱持部材
22 フック
23 締付ねじ
24 押付板
25 保護シート
26 スペーサー
D ドア
H 人
P ペット
V
1,V
2 立枠