(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-85775(P2019-85775A)
(43)【公開日】2019年6月6日
(54)【発明の名称】側溝蓋
(51)【国際特許分類】
E03F 5/04 20060101AFI20190517BHJP
【FI】
E03F5/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-214864(P2017-214864)
(22)【出願日】2017年11月7日
(71)【出願人】
【識別番号】596053585
【氏名又は名称】西日本高速道路エンジニアリング中国株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503410557
【氏名又は名称】コスモシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095359
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100143834
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 修二
(72)【発明者】
【氏名】前田 良文
(72)【発明者】
【氏名】竹原 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】秋田谷 米男
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063CA02
2D063CB03
2D063CB11
2D063CB30
(57)【要約】
【課題】排水可能で強度が大きい構造の側溝蓋を提供する。
【解決手段】複数の細長材1がFRP製で断面I字型の形状を有する。各細長材1は、両端の側部に端部貫通孔1aを有し、側部の中間部に2つの中間貫通孔1b、1cを有する。各細長材1は、側部間に排水用の間隔をあけて並列に配置される。複数の端部補強材2がFRP製で、側部に側部貫通孔2aを有している。各端部補強材2は、各細長材1の両端の側部間に嵌合され、接着剤で固定されている。1対の芯材3がFRP製で、それぞれ各細長材1の両端の端部貫通孔1aおよび各端部補強材2の側部貫通孔2aに貫通して固定される。2本の間隔保持材4が中間貫通孔1b、1cを貫通し、各細長材1と嵌合する複数の溝部4aを有する。2本の固定材5が間隔保持材4を中間貫通孔1b、1cに固定している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の細長材と、複数の端部補強材と、1対の芯材とを有し、
各細長材は、両端の側部に端部貫通孔を有し、側部間に排水用の間隔をあけて並列に配置され、
各端部補強材は、側部に側部貫通孔を有し、各細長材の前記両端の前記側部間に固定され、
各芯材はそれぞれ各細長材の前記両端の前記端部貫通孔および各端部補強材の前記側部貫通孔に貫通して固定されていることを、
特徴とする側溝蓋。
【請求項2】
間隔保持材と固定材とを有し、
各細長材は前記側部の中間部に中間貫通孔を有し、
前記間隔保持材は、前記中間貫通孔を貫通し、各細長材と嵌合する溝部を有し、
前記固定材は前記中間貫通孔を貫通し、前記間隔保持材を前記中間貫通孔に固定していることを、
特徴とする請求項1記載の側溝蓋。
【請求項3】
前記細長材は横断面の中間部が両端部より薄い形状を有し、
前記細長材および前記端部補強材はFRPから成ることを、
特徴とする請求項1または2記載の側溝蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側溝蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂製の側溝蓋が知られている(例えば、特許文献1参照)。合成樹脂製の側溝蓋は、コンクリート製や鋼鉄製のものに比べて、側溝の点検、追加工事等の際の取外しや設置、運搬などの作業が容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−312922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるような従来の合成樹脂製の側溝蓋は、強度が小さいという課題があった。特に、排水用の溝を形成した場合、強度がさらに小さくなると考えられる。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、排水可能で強度が大きい構造の側溝蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る側溝蓋は、複数の細長材と、複数の端部補強材と、1対の芯材とを有し、各細長材は、両端の側部に端部貫通孔を有し、側部間に排水用の間隔をあけて並列に配置され、各端部補強材は、側部に側部貫通孔を有し、各細長材の前記両端の前記側部間に固定され、各芯材はそれぞれ各細長材の前記両端の前記端部貫通孔および各端部補強材の前記側部貫通孔に貫通して固定されていることを、特徴とする。
【0007】
本発明に係る側溝蓋は、複数の細長材が排水用の間隔をあけて並列に配置されることにより、強度が大きくなっている。各細長材の間から排水することができる。各端部補強材は、各細長材が倒れるのを防止する。各芯材は、各細長材と各端部補強材とがずれたり抜けたりするのを防止する。
【0008】
本発明に係る側溝蓋は、間隔保持材と固定材とを有し、各細長材は前記側部の中間部に中間貫通孔を有し、前記間隔保持材は、前記中間貫通孔を貫通し、各細長材と嵌合する溝部を有し、前記固定材は前記中間貫通孔を貫通し、前記間隔保持材を前記中間貫通孔に固定していることが好ましい。
この場合、間隔保持材が各細長材の間隔を保ち、固定材により中間貫通孔に固定されて各細長材の水平方向のたわみを防止することができる。なお、中間貫通孔は各細長材に2個または3個以上設けられていることが好ましく、間隔保持材および固定材もそれぞれ2本または3本以上設けられていることが好ましい。また、本発明に係る側溝蓋は、1本または2本以上の中間芯材を有していてもよく、間隔保持材および固定材を固定した中間貫通孔以外の中間貫通孔に、中間芯材が貫通して固定されていてもよい。
【0009】
本発明に係る側溝蓋において、前記細長材は横断面の中間部が両端部より薄い形状を有し、前記細長材および前記端部補強材はFRPから成ることが好ましい。
この場合、強度を保ちながら、軽量化を図ることができるとともに、鋼鉄製のものに比べて腐食しにくい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、排水可能で強度が大きい構造の側溝蓋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態の側溝蓋を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1および
図2は、本発明の実施の形態の側溝蓋を示している。
側溝蓋は、複数の細長材1と、複数の端部補強材2と、1対の芯材3と、2本の間隔保持材4と、2本の固定材5とを有している。
【0013】
各細長材1は、FRP製で、横断面の中間部が板状で両端部より薄い断面I字型の形状を有している。各細長材1は、両端の側部に端部貫通孔1aを有し、側部の中間部に2つの中間貫通孔1b、1cを有している。各細長材1は、側部間に排水用の間隔をあけて並列に配置されている。
各端部補強材2は、FRP製で、側部に側部貫通孔2aを有している。各端部補強材2は、各細長材1の両端の側部間に嵌合され、接着剤で固定されている。
【0014】
各芯材3は、FRP製で、それぞれ各細長材1の両端の端部貫通孔1aおよび各端部補強材2の側部貫通孔2aに貫通して固定されている。
各間隔保持材4は、FRP製で、中間貫通孔1b、1cを貫通し、各細長材1と嵌合する複数の溝部4aを下部に有している。各固定材5は、FRP製で、中間貫通孔1b、1cを貫通し、間隔保持材4を中間貫通孔1b、1cに固定している。各間隔保持材4および各固定材5は、それぞれ横断面が半円形で、互いに重ねたとき中間貫通孔1b、1cの内径とほぼ同じ外径を有している。
【0015】
側溝蓋は、複数の細長材1が排水用の間隔をあけて並列に配置されることにより、強度が大きくなっている。特に、細長材1は、断面I字型のため、車両の荷重に耐える強度を保ちながら、軽量化を図ることができる。また、側溝蓋は、すべての部材がFRPから成るため、鋼鉄製のものに比べて腐食しにくい。このため、本実施の形態の側溝蓋は、高規格道路のトンネル内に設置される排水枡蓋に適している。
【0016】
側溝蓋は、各細長材1の間から排水することができる。各端部補強材2は、車両タイヤの回転により各細長材1が倒れるのを防止する。各芯材3は、各細長材1と各端部補強材2とがずれたり抜けたりするのを防止する。
間隔保持材4は、各溝部4aが各細長材1と嵌合しているため、各細長材1の間隔を保っている。間隔保持材4は、固定材5により中間貫通孔1b、1cに固定されて各細長材1の水平方向のたわみを防止することができる。
【符号の説明】
【0017】
1 細長材
1a 端部貫通孔
1b、1c 中間貫通孔
2 端部補強材
2a 側部貫通孔
3 芯材
4 間隔保持材
4a 溝部
5 固定材