【解決手段】印鑑Sを保持する印鑑保持部と、印鑑保持部に保持された印鑑Sの印面Fの周囲を囲むように配置されて印面Fに向けて光を照射するリング照明部183と、印鑑保持部に保持された印鑑Sの印面Fに印鑑Sの軸方向に沿って光を照射する同軸照明部225と、印鑑保持部に保持された印鑑Sの印面Fを撮像する撮像部186と、リング照明部183で印面Fに光を照射して撮像部186で撮像したリング照明画像データと、同軸照明部225で印面Fに光を照射して撮像部186で撮像した同軸照明画像データとに基づいて印面Fの印面データを取得する印面データ取得手段とを備える。
印鑑の印面の周囲を囲むように配置されたリング照明部から前記印面に向けて光を照射し前記印面を撮像してリング照明画像データを取得するリング照明画像データ取得ステップと、
前記印面に前記印鑑の軸方向に沿って光を照射する同軸照明部から光を照射し撮像して同軸照明画像データを取得する同軸照明画像データ取得ステップと、
前記リング照明画像データと前記同軸照明画像データとに基づいて前記印面の印面データを取得する印面データ取得ステップとを含むことを特徴とする印面データ取得方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る一実施形態の印面データ取得装置及び印面データ取得方法を図面を参照して以下に説明する。
【0017】
本実施形態の印面データ取得装置11は、
図1に示すように、下部カバー部材12と、下部カバー部材12に対し着脱可能な上部カバー部材13とを備えている。上部カバー部材13には、長手方向一側の上面に、使用者によって外から印鑑Sが投入される上方開口の投入口16が設けられており、長手方向の中間部の上面に半透明の窓部17が設けられている。ここで、印面データ取得装置11は、通常、投入口16を手前側、即ち操作者側にして使用されることになるため、以下では、このような使用時の状態での前後左右を用いて説明する。即ち、印面データ取得装置11の長手方向の投入口16側を「前」、長手方向の投入口16とは反対側を「後」、前面側から見て左を「左」、前面側から見て右を「右」とする。
【0018】
印面データ取得装置11は、投入口16に投入された印鑑Sの印面Fの形状を表す印面データを取得する印面データ取得処理を行うものであり、
図2に示すように、下部カバー部材12及び下部カバー部材12の上面に取り付けられたベース部材21を含むベース部22と、ベース部22のベース部材21の上面の前側部分に取り付けられた印鑑保持部23と、ベース部22の上面の後側部分に取り付けられた印面データ取得部24と、印鑑保持部23及び印面データ取得部24を制御する取得装置制御部25(印面データ取得手段)とを備えている。
【0019】
印鑑保持部23及び印面データ取得部24が、
図1に示すように、上部カバー部材13で覆われており、印鑑保持部23は、上部カバー部材13の投入口16と前後左右の位置を重ね合わせている。
【0020】
印鑑保持部23は、印面データ取得処理のうち、投入口16を介して投入されてセットされた印鑑Sを所定の撮像位置に配置して保持する印面データ取得前処理と、撮像位置に保持されていた印鑑Sを取り出し可能とする印面データ取得後処理とを行う。
【0021】
図2に示すように、印面データ取得部24は、印鑑保持部23よりも後方に配置されており、印面データ取得処理のうち、印面データ取得前処理によって印鑑保持部23に保持された印鑑Sの印面Fの印面データを取得する印面データ取得本処理を行う。印鑑Sは、軸方向、即ち長手方向の一端に印面Fを有している。使用者は、印鑑Sを投入口16に投入する際には、長手方向、即ち軸方向を前後に沿わせ後方に印面Fが向く姿勢で投入するようになっている。
【0022】
印鑑保持部23は、上部カバー部材13の投入口16に投入された印鑑Sが載置され、載置された印鑑Sを後方に押し込む印鑑セット部31と、印鑑セット部31で押し込まれた印鑑Sが挿入される本体開口部32を後部に有する保持本体部34と、本体開口部32を開閉し、印鑑セット部31で本体開口部32まで押し込まれた印鑑Sを閉状態で停止させるシャッタ部36(当接部)と、シャッタ部36で停止させられた印鑑Sを固定する固定部38とを有している。印鑑保持部23は、前から順に、印鑑セット部31、固定部38、保持本体部34の本体開口部32、シャッタ部36を有している。
【0023】
印鑑セット部31は、投入された印鑑Sを載置させる載置部41を有している。載置部41は、長尺状の板部材で構成されており、前後方向に延びている。載置部41は、帯板状の載置板部42と帯板状の載置板部43とが長手方向に沿う端縁部において連結されたL字のアングル材で構成されており、左右方向の中央ほど下に位置するように凹む載置凹部45が前後方向に貫通して形成されている。載置凹部45は、上方に向く底面が下方に凹む90度のV字形状に形成されている。載置凹部45は、載置板部42と載置板部43との間に形成されて直線状に延びる折線部47を下端に有している。
【0024】
載置部41は、折線部47を前後方向に水平に延在させて、印鑑保持部23の固定部38の前面に固定されている。この状態で、載置板部42と載置板部43とが、折線部47を含んで鉛直方向に沿う面に対し左右に45度ずつ傾いている。なお、載置部41は、ベース部22のベース部材21に固定されるようにしても良い。
【0025】
これにより、投入された印鑑Sは、載置凹部45の底面のV字形状により外周面が載置凹部45の底面の折線部47を挟んだ左右両側に当接することになる。この状態で、印鑑Sは、その中心軸線の左右方向の位置を折線部47と一致させて軸方向を折線部47の延在方向にして載置部41に載置される。よって、載置部41は、印鑑Sをその軸が前後方向に延在する水平姿勢にして左右方向に位置決めすることになる。載置部41は、このように位置決めした状態で、印鑑Sをその軸方向に移動可能に載置させる。
【0026】
印鑑セット部31は、載置部41のV字状の載置凹部45に載置された印鑑Sをその軸方向に沿って後方に向けて押す押込部51を有している。押込部51は、載置凹部45の底面上に前後方向に摺動可能に載置された押込部材52と、押込部材52を前後に摺動させる押込駆動部53とを有している。押込部材52は、90度のV字形状をなして載置部41の同じくV字形状の底面に載置される摺動部55と、摺動部55の後端部に設けられて水平前後方向に対し直交して広がる平面状の押込壁部56とを有している。
【0027】
摺動部55は、摺動板部57と摺動板部58とが90度をなして連結されており、一方の摺動板部57の摺動板部58とは反対側には、摺動板部57からその板厚方向において摺動板部58とは反対側に突出する中間板部59が設けられ、中間板部59の摺動板部57とは反対側には摺動板部57と平行をなすように折り返す折返板部60が設けられている。摺動部55は、摺動板部57が載置板部42に載置され、摺動板部58が載置板部43に載置されると共に、摺動板部57及び折返板部60が載置板部42を板厚方向に挟んでいる。摺動部55は、摺動板部57及び摺動板部58が、これらの間の屈曲部61を含んで鉛直方向に沿う面に対し左右に45度ずつ傾いている。
【0028】
押込駆動部53は、載置部41の一方、具体的には左側の載置板部42の下面に取り付けられた取付部材67と、載置板部42の後部に取り付けられた押込駆動モータ68と、押込駆動モータ68に連結された駆動ギア69と、取付部材67の後部に取り付けられて駆動ギア69に噛み合う押込トルクリミッタ70と、押込トルクリミッタ70に連結された押込駆動プーリ71と、取付部材67の前部に設けられた従動プーリ72と、押込駆動プーリ71及び従動プーリ72に掛けられた無端のベルト73と、ベルト73と押込部材52の中間板部59とを連結する連結部材74とを有している。
【0029】
押込駆動部53は、押込駆動モータ68が押込トルクリミッタ70を介して押込駆動プーリ71を回転させることになり、これにより、ベルト73及び従動プーリ72を回転させて、ベルト73に連結された押込部材52を載置部41上で前後に摺動させる。押込トルクリミッタ70は、押込駆動プーリ71に押込駆動モータ68の所定値以上のトルクが加わらないように、トルクが所定値になると押込駆動モータ68と押込駆動プーリ71との間でスリップする。言い換えれば、押込トルクリミッタ70は、押込駆動モータ68と押込駆動プーリ71との間に所定値以上の負荷がかかると、これらの接続を切り、これらの間のそれ以上のトルク伝達を遮断する。
【0030】
図3(a)に示すように、印鑑セット部31は、押込部51の押込部材52を最も前側に位置させた状態が待機状態となっており、この待機状態で、投入口16に投入された印鑑Sが押込部材52よりも後側の載置凹部45上に載置される。印鑑セット部31は、待機状態で載置凹部45の押込部材52よりも後側に印鑑Sが載置されているか否かを検知する印鑑有無検知センサ75が載置部41に設けられている。印鑑セット部31は、
図3(a)に示すように待機状態で載置凹部45上に載置された印鑑Sを、押込駆動部53で駆動されて後方に移動する押込部材52が、
図3(b)に示すように押込壁部56で当接して後方に移動させる。
【0031】
保持本体部34は、その後部に、内側に印鑑Sの後部が配置される本体開口部32が形成されている。印鑑セット部31は、印面データ取得処理の印面データ取得前処理において、待機状態で載置部41に載置された印鑑Sを、押込部51でその軸方向に沿って後方に押してこの本体開口部32に押し込む。
【0032】
図4に示すように、本体開口部32は、正方形状をなして前後に貫通し前後に開口している。この本体開口部32は、正方形を、平行な一対の辺が水平に延在し残り一対の辺が鉛直に延在する状態に対して前後軸回りに45度傾けた形状に形成されている。本体開口部32は、下側で下方に凹む90度のV字形状に形成された下側凹部81と、上側で上方に凹む90度のV字形状に形成された上側凹部82とを有している。
【0033】
下側凹部81の下端は水平前後方向に直線状に延びる折線部83となっており、下側凹部81の上方に向く底面は、この折線部83を含んで鉛直方向に沿う面に対し左右に45度ずつ傾いている。上側凹部82の上端は水平前後方向に直線状に延びる折線部85となっており、上側凹部82の下方に向く天井面は、この折線部85を含んで鉛直方向に沿う面に対し左右に45度ずつ傾いている。折線部83,85は左右方向及び前後方向の位置を一致させている。
【0034】
図3に示すように、本体開口部32の下側凹部81と、載置部41の載置凹部45とは、折線部83及び折線部47の左右方向の位置を一致させており、折線部83及び折線部47の上下方向の位置も一致させている。よって、下側凹部81の底面の左右方向一側の部分と載置凹部45の底面の左右方向一側の部分とは同一平面に配置され、下側凹部81の底面の左右方向他側の部分と載置凹部45の底面の左右方向他側の部分とは同一平面に配置されている。
【0035】
印鑑保持部23は、保持本体部34内に、本体開口部32内に一部挿入された印鑑Sを固定する固定部38を備えている。この固定部38は、
図5に示すように、下方にV字状に凹んで形成された下部挟込凹部91を有する第1挟込部92と、上方にV字状に凹んで形成された上部挟込凹部95を有する第2挟込部97とを有している。
【0036】
図6に示すように、下部挟込凹部91は、第1挟込部92の左右方向の中間位置に、下方に凹んで形成されており、前後方向に貫通している。この下部挟込凹部91には、上方に向くV字状の底面が形成されている。下部挟込凹部91は、その下端の折線部101が水平前後方向に沿っており、その底面が、この折線部101を含んで鉛直方向に沿う面に対し左右に45度ずつ傾く90度のV字形状に形成されている。
【0037】
上部挟込凹部95は、第2挟込部97の左右方向の中間位置に、上方に凹んで形成されており、前後方向に貫通して形成されている。この上部挟込凹部95には、下方に向くV字状の天井面が形成されている。上部挟込凹部95は、その上端の折線部102が水平前後方向に沿っており、その天井面が、この折線部102を含んで鉛直方向に沿う面に対し左右に45度ずつ傾く90度のV字形状に形成されている。
【0038】
図3に示すように、本体開口部32の下側凹部81の折線部83と、載置部41の載置凹部45の折線部47と、第1挟込部92の下部挟込凹部91の折線部101とは、左右方向の位置を一致させており、これら折線部47,83,101と、
図6に示す第2挟込部97の上部挟込凹部95の折線部102も、左右方向の位置を一致させている。
【0039】
図5に示すように、第1挟込部92及び第2挟込部97は、何れも板部材であり、左右方向(幅方向)の両側部近傍が上下方向(高さ方向)に延在する長尺な棒状のガイド部材105に支持されている。第1挟込部92及び第2挟込部97は、それぞれガイド部材105によって前後左右の移動が規制された状態で上下方向にスライド可能に支持されている。これらのガイド部材105は、保持本体部34に上下両端が固定されている。
【0040】
図6に示すように、第1挟込部92は、2枚の側板部110と、2枚の側板部111と、これら4枚の側板部110,111を連結する連結部112とを有する平面視H字状をなしている。2枚の側板部110,111が前後に並べられ互いに平行に配置されて連結部112の左右方向一側に連結されており、残りの2枚の側板部110,111が前後に並べられ互いに平行に配置されて連結部112の左右方向他側に連結されている。前側の2枚の側板部110は前後方向の位置を合わせており、後側の2枚の側板部111も前後方向の位置を合わせている。
【0041】
第1挟込部92には、上部の左右方向の中間位置に、上記した下部挟込凹部91が形成されている。下部挟込凹部91は、4枚の側板部110,111の左右方向の連結部112側と連結部112とに形成されている。第1挟込部92には、4本のガイド部材105が、4枚の側板部110,111の下部挟込凹部91よりも左右方向外側に挿入されている。
【0042】
第1挟込部92は、左右方向一側の2枚の側板部110,111と連結部112とで左右方向一側の前後方向中間部から左右方向他側に向けて凹む収納凹部115が形成されており、左右方向他側の2枚の側板部110,111と連結部112とで左右方向他側の前後方向中間部から左右方向一側に向けて凹む収納凹部115が形成されている。つまり、第1挟込部92は、左右一対の鏡面対称状の収納凹部115を有している。
【0043】
後側2枚の側板部111は、前側2枚の側板部110よりも左右方向の幅が広くなっており、後側2枚の側板部111のそれぞれの前側の側板部110よりも左右方向外側に突出する端縁側の前面に、上下方向に直線状に延在する第1連結ラックギア116が形成されている。また、
図3に示すように、後側2枚の側板部111のうちの左右方向一側である左側の側板部111の側板部110とは反対側の後面には、上下方向に直線状に延在する挟込ラックギア117が形成されている。更に、
図5に示すように、前側2枚の側板部110の側板部111とは反対側の前面に、投入された印鑑Sを載置させる載置部41が固定されている。
【0044】
図6に示すように、第2挟込部97は、主板部121と、主板部121の左右方向両側に形成された一対の段板部122とを有している。主板部121には、その上下方向及び左右方向の中間位置に、上方に凹む形状の上記した上部挟込凹部95が形成されている。また、主板部121は、下部が分断されることで、左右一対の脚板部125と、これら脚板部125を上部で連結する連結板部126とを有する二股形状となっている。
図5に示すように、第2挟込部97には、2本のガイド部材105が挿入されており、これらガイド部材105は、主板部121の左右両側部に脚板部125を貫通して挿入されている。
【0045】
一対の段板部122は、主板部121よりも前側に位置して主板部121と平行をなしており、これら一対の段板部122のそれぞれの後面に、上下方向に直線状に延在する第2連結ラックギア128が形成されている。
【0046】
第2挟込部97は、左右方向一側の脚板部125が第1挟込部92の左右方向一側の収納凹部115に、左右方向他側の脚板部125が第1挟込部92の左右方向他側の収納凹部115に、それぞれ上側から挿入されることになる。この状態で、
図3に示すように、第1挟込部92の左右方向一側の第1連結ラックギア116と第2挟込部97の左右方向一側の第2連結ラックギア128とが左右方向の位置を合わせて前後に対向する。同様に、第1挟込部92の左右方向他側の第1連結ラックギア116と第2挟込部97の左右方向他側の第2連結ラックギア128とが左右方向の位置を合わせて前後に対向する。
【0047】
固定部38は、左右方向一側で左右方向の位置を合わせて前後に対向する第1連結ラックギア116及び第2連結ラックギア128に噛み合うように配置される連結ピニオンギア131と、左右方向他側で左右方向の位置を合わせて前後に対向する第1連結ラックギア116及び第2連結ラックギア128に噛み合うように配置される連結ピニオンギア131とを備えている。これら一対の連結ピニオンギア131はそれぞれ支持部材132を介して保持本体部34に回転自在に支持されている。
【0048】
これにより、保持本体部34に対して、H字状の第1挟込部92が上昇すると、一対の第1連結ラックギア116がそれぞれに噛み合う連結ピニオンギア131を回転させることになり、これらの連結ピニオンギア131がそれぞれに噛み合う第2連結ラックギア128を含む第2挟込部97を下降させることになる。逆に、保持本体部34に対して、第1挟込部92が下降すると、一対の第1連結ラックギア116がそれぞれに噛み合う連結ピニオンギア131を回転させることになり、これらの連結ピニオンギア131がそれぞれに噛み合う第2連結ラックギア128を含む第2挟込部97を上昇させることになる。よって、第1挟込部92が上昇すると、これに同期し連動して第2挟込部97が下降することになり、第1挟込部92が下降すると、これに同期し連動して第2挟込部97が上昇することになる。
【0049】
固定部38は、保持本体部34内の第1挟込部92の後側に、第1挟込部92を昇降させる挟込駆動部141を備えている。この挟込駆動部141は、保持本体部34に取り付けられた挟込駆動モータ142と、挟込駆動モータ142に連結された挟込トルクリミッタ143と、挟込トルクリミッタ143に連結された挟込駆動ピニオンギア144とを有している。挟込駆動部141は、挟込駆動ピニオンギア144が第1挟込部92の挟込ラックギア117に噛み合っている。
【0050】
これにより、挟込駆動モータ142が挟込トルクリミッタ143を介して挟込駆動ピニオンギア144を回転させると、挟込駆動ピニオンギア144に噛み合う挟込ラックギア117を含む第1挟込部92が昇降することになる。挟込トルクリミッタ143は、第1挟込部92に挟込駆動モータ142の所定値以上のトルクが加わらないように、トルクが所定値になると挟込駆動モータ142と挟込駆動ピニオンギア144との間でスリップする。言い換えれば、挟込トルクリミッタ143は、挟込駆動モータ142と挟込駆動ピニオンギア144との間に所定値以上の負荷がかかるとこれらの接続を切り、これらの間のそれ以上のトルク伝達を遮断する。
【0051】
固定部38は、その第1挟込部92の下部挟込凹部91の折線部101が、本体開口部32の下側凹部81の折線部83及び載置部41の載置凹部45の折線部47と上下方向の位置を合わせる状態が待機状態となっている。固定部38には、この待機状態で、
図3(a)に示すように、載置凹部45の底面の上に印鑑Sが載置されることになる。そして、この状態で、取得装置制御部25が、印面データ取得前処理として、載置凹部45に載置された印鑑Sを押込部51で後方に押し込む。すると、印鑑Sは、
図3(b)及び
図7(a)に示すように、下部挟込凹部91の底面の上に載置されることになる。
【0052】
この状態で、取得装置制御部25が、同じく印面データ取得前処理として、挟込駆動部141の挟込駆動モータ142を駆動して保持本体部34に対し第1挟込部92を上方に移動させると共に連結ピニオンギア131によって第2挟込部97を下方に移動させる。すると、
図7(b)に示すように、第1挟込部92及び第2挟込部97が、相対的に上下移動して下部挟込凹部91と上部挟込凹部95とを近接させることになり、下部挟込凹部91の底面と上部挟込凹部95の天井面との間に印鑑Sを挟み込んで固定する。このように第1挟込部92と第2挟込部97とで印鑑Sを挟み込むと、挟込トルクリミッタ143が滑って、印鑑Sに過剰な挟持力が加わらないようにする。
【0053】
その後、固定部38に固定された印鑑Sの印面データを印面データ取得部24によって取得する印面データ取得本処理(後述)を行い、この印面データ取得本処理が終了すると、取得装置制御部25は、印面データ取得後処理として、押込部51を前方に移動させると共に、挟込駆動部141の挟込駆動モータ142を上記とは逆方向に駆動して、第1挟込部92を下方に移動させると共に、連結ピニオンギア131によって第2挟込部97を上方に移動させて、
図7(a)に示すように、下部挟込凹部91と上部挟込凹部95とを離間させて待機位置に戻す。これにより、下部挟込凹部91と上部挟込凹部95とが印鑑Sの挟み込みを解除する。固定部38が待機状態になると、印鑑Sは、下部挟込凹部91及び載置凹部45に載置される。
【0054】
印鑑保持部23は、
図4に示すように、保持本体部34の後側に、本体開口部32の下部の一部を閉じたり開放したりするシャッタ部36を備えている。シャッタ部36は、本体開口部32を開閉するシャッタ部材151と、シャッタ部材151を駆動するシャッタ駆動部152とを有している。シャッタ部材151は、板部材であって、本体開口部32の左下側に設けられた支持軸153を介して保持本体部34に回動自在に支持されている。シャッタ部材151には、左右方向の支持軸153とは反対側の端部に支持軸153を中心とした円弧状のシャッタギア156が形成されている。
【0055】
シャッタ駆動部152は、保持本体部34に取り付けられたシャッタ駆動モータ161と、シャッタ駆動モータ161に連結されたシャッタトルクリミッタ162と、シャッタトルクリミッタ162に連結されたシャッタ駆動ピニオンギア163とを有している。シャッタ駆動部152は、シャッタ駆動ピニオンギア163がシャッタ部材151のシャッタギア156に噛み合っている。
【0056】
これにより、シャッタ駆動モータ161がシャッタトルクリミッタ162を介してシャッタ駆動ピニオンギア163を回転させると、シャッタギア156を含むシャッタ部材151が支持軸153を中心に回動することになる。シャッタトルクリミッタ162は、シャッタ部材151にシャッタ駆動モータ161の所定値以上のトルクが加わらないように、トルクが所定値になるとシャッタ駆動モータ161とシャッタ駆動ピニオンギア163との間でスリップする。言い換えれば、シャッタトルクリミッタ162は、シャッタ駆動モータ161とシャッタ駆動ピニオンギア163との間に所定値以上の負荷がかかるとこれらの接続を切り、これらの間のそれ以上のトルク伝達を遮断する。シャッタ部36は、
図4に示すようにシャッタ部材151で本体開口部32の下部を閉じた閉状態が待機状態となっている。
【0057】
印鑑セット部31は、印面データ取得前処理において、待機状態で載置凹部45に載置された印鑑Sを、押込部51でその軸方向に沿って後方に押して、待機状態にある固定部38を介して本体開口部32に押し込むことになるが、このとき、待機状態にあるシャッタ部36は、本体開口部32を閉塞する閉位置にあるシャッタ部材151が、押込部51で本体開口部32に押し込まれてきた印鑑Sに当接してこれを停止させる。すると、印鑑セット部31は、押込トルクリミッタ70が滑って、印鑑Sに過剰な押圧力が加わらないようになる。即ち、印鑑セット部31は、載置部41に印鑑Sが載置されると、押込駆動部53によって押込部材52をシャッタ部36側に移動させ、印鑑Sの印面Fがシャッタ部材151に当接するまで印鑑Sを押し込む。
【0058】
印面データ取得前処理においては、このように本体開口部32内に挿入され印面Fがシャッタ部材151に当接した状態の印鑑Sが、固定部38によって上記のようにして固定される。言い換えれば、固定部38は、シャッタ部36に当接して前後方向に位置決めされた印鑑Sを軸直交方向において挟んで固定する。固定部38が、印鑑Sを固定すると、取得装置制御部25は、印面データ取得前処理として、閉位置にあったシャッタ部材151をシャッタ駆動部152によって本体開口部32を開放する開位置に移動させる(
図4中の矢印R方向)。
【0059】
これにより、シャッタ部材151が、固定部38に固定された印鑑Sの印面Fから下方に離間し、その結果、この印面Fの全体が、開状態の本体開口部32内の空間と上下方向及び左右方向の位置を重ね合わせる。即ち、印面Fの全体が、開状態の本体開口部32を介して後方に向け露出する状態になる。このようにして、印面データ取得前処理が終了し、その後、固定部38に固定された印鑑Sの印面データを印面データ取得部24によって取得する印面データ取得本処理を行う。この印面データ取得本処理が終了すると、取得装置制御部25は、印面データ取得後処理として、シャッタ部材151をシャッタ駆動部152によって開位置から閉位置に移動させてシャッタ部36を待機状態に戻す。
【0060】
シャッタ部36は、本体開口部32を閉塞することで、印面データ取得部24に印鑑Sや塵埃が接触することを防止する。更に、シャッタ部36は、セットされる印鑑Sの先端の印面Fが当接することで、印鑑Sの前後方向の位置決めを行う。言い換えれば、シャッタ部36は、押込部51で押された印鑑Sにシャッタ部材151において当接して、この印鑑Sを軸方向に位置決めする。よって、シャッタ部36は、そのシャッタ部材151が、印面データを取得する際の印面Fの前後方向の基準位置となる。
【0061】
ここで、固定部38の下部挟込凹部91及び上部挟込凹部95は、それぞれが互いに反対方向に凹むV字状をなし同期して近接するため、
図7及び
図8に示すように、異なる直径の印鑑Sであっても、固定状態では、中心を高さ方向の一定位置及び左右方向の一定位置に保持する。更に、
図9に示すような四角形や、その他の多角形の印鑑Sであっても、固定状態では、中心を円形の印鑑Sと同じ高さ方向の一定位置及び左右方向の一定位置に保持する。従って、印面データ取得本処理の際に、印面Fの印面データ取得部24に対する上下方向及び左右方向の調整が必要ない。また、シャッタ部36に当接することで印面Fが前後方向の一定位置に配置されることになる。よって、印面データ取得本処理の際に、印面Fの印面データ取得部24に対する前後方向の調整も必要ない。即ち、印鑑保持部23は、印面Fの中心を、高さ方向、左右方向及び前後方向の全方向において所定の一定位置に配置した所定の撮像位置で印鑑Sを保持する。
【0062】
保持本体部34の上面には、
図2に示すように、複数のLEDランプ171を含む告知部172が取り付けられている。この告知部172は、
図1に示す上部カバー部材13の半透明の窓部17の鉛直下方に配置されており、複数のLEDランプ171が窓部17を介して外部に発光して告知を行う。取得装置制御部25は、告知部172を、例えば、印面データ取得装置11の主電源がONになると緑色に点灯させ、印面データ取得処理が行われる際の初期には印鑑Sのセット位置を示すために緑色で点滅させ、印面データ取得処理が行われている最中には赤色に点灯させ、印面データ取得処理の終了後は印鑑Sの取り忘れを防止するために赤色で点滅させる等して、告知部172に印面データ取得装置11の状態を告知させる。
【0063】
印面データ取得部24は、上記した印鑑保持部23によって撮像位置に保持された印鑑Sの印面Fの印面データを取得する。
図10に示すように、印面データ取得部24は、ベースプレート181と、ベースプレート181上に取り付けられる保護部182と、保護部182の後方に配置されてベースプレート181に取り付けられるリング照明部183と、リング照明部183の後方に配置されてベースプレート181に取り付けられるハーフミラー部184と、ハーフミラー部184の左右方向一側、具体的には左側に配置されてベースプレート181に取り付けられる光源部185と、ハーフミラー部184の後方に配置されてベースプレート181に取り付けられる撮像部186とを有している。印面データ取得部24は、保護部182をシャッタ部材151の直後位置に配置して、そのベースプレート181においてベース部22のベース部材21に固定される。
【0064】
保護部182は、ベースプレート181上に取り付けられるガラスホルダ191と、ガラスホルダ191に外周縁部において支持される保護ガラス192とを有している。保護ガラス192は、平板状であり、撮像位置に保持された印鑑Sの印面Fと平行をなして上下方向及び左右方向の位置が重なり合い、前後方向に近接して対向するように配置されている。言い換えれば、保護ガラス192は、撮像位置に保持された印鑑Sの中心軸に直交して広がるように配置されている。
【0065】
リング照明部183は、ベースプレート181上に取り付けられる照明ホルダ201と、照明ホルダ201に支持される円環状の基板202と、基板202に取り付けられる複数、具体的には36個の単光源としてのLEDランプ203とを有している。基板202は、LEDランプ203の取付部分よりも径方向の内側部分が前後方向に貫通する図示略の開口部となっている。
【0066】
LEDランプ203は、撮像位置に保持された印鑑Sの中心軸線を中心とする、印鑑Sの想定される最大径よりも大径の一つの円上に配置されており、複数がこの円の周方向に等間隔で配置されている。よって、複数のLEDランプ203は、円形に配置されて全体としてリング状をなすリング状光源204を構成している。リング状光源204は、撮像位置に保持された印鑑Sの中心軸線を中心とする円形をなしている。リング照明部183は、全てのLEDランプ203を、撮像位置に保持された印鑑Sの印面Fよりも一定距離後側に配置し、全てのLEDランプ203の光軸を撮像位置に保持された印鑑Sの印面Fに向ける状態となっている。よって、リング照明部183は、印鑑保持部23に保持された印鑑Sの印面Fの周囲を囲むように配置されてこの印面Fに光を照射する。
【0067】
ハーフミラー部184は、ベースプレート181上に取り付けられるミラーホルダ211と、ミラーホルダ211に外周縁部において支持されるハーフミラー212とを有している。ハーフミラー212は、平板状であり、撮像位置に保持された印鑑Sの印面Fと上下方向及び左右方向の位置が重なり合うように配置されている。ハーフミラー212は、光源部185と前後方向の位置を重ね合わせており、撮像位置に保持された印鑑Sの印面Fに平行な状態に対して、光源部185側が光源部185とは反対側よりも後側に位置するように鉛直軸回りに45度傾けられている。言い換えれば、ハーフミラー212は、撮像位置に保持された印鑑Sの中心軸線に対して45度傾いている。ハーフミラー212は、印鑑保持部23に保持された印鑑Sの印面Fと撮像部186との間に設けられており、光源部185からの光を撮像位置に保持された印鑑Sの印面Fの方向に反射させると共に印面Fからの反射光を撮像部186の方向に透過させる。
【0068】
光源部185は、ベースプレート181上に取り付けられるランプホルダ221と、ランプホルダ221に支持される矩形の基板222と、基板222に取り付けられる複数の単光源としてのLEDランプ223とを有している。LEDランプ223は、左右方向の一定位置に、前後方向に等間隔で、上下方向にも同じ等間隔で配置されている。よって、複数のLEDランプ223は、面状に配置されて全体として面状の面状光源224を構成している。全てのLEDランプ223は、光軸がハーフミラー212に向いている。
【0069】
光源部185からハーフミラー212に向けて水平右方に照射された光は、ハーフミラー212で反射して水平前方に向きをかえて照射される。言い換えれば、光源部185から発光しハーフミラー212で反射する光は、印鑑保持部23に保持されて撮像位置にある印鑑Sの印面Fに向けて、この印鑑Sの軸方向に沿って進む。よって、光源部185は、ハーフミラー212を介して印鑑Sの印面Fに光を照射する。光源部185とハーフミラー部184とが、印鑑保持部23に保持された印鑑Sの印面Fに、印鑑Sの軸方向に沿って光を照射する同軸照明部225を構成している。
【0070】
撮像部186は、ベースプレート181上に取り付けられるアダプタ231と、アダプタ231上に取り付けられるCCDカメラ等のカメラ232と、カメラ232に取り付けられるレンズ233とを有している。カメラ232は、レンズ233の方向、即ち撮像方向を撮像位置に保持された印鑑Sの印面Fに向けており、この印面Fをハーフミラー212及び保護ガラス192越しに正面から撮像する。撮像部186は、印鑑保持部23に保持された印鑑Sの印面Fをリング照明部183の照明下で撮像すると共に、これとは別に同軸照明部225の照明下でも撮像する。
【0071】
印面データ取得装置11は、撮像位置に保持された印鑑Sの印面Fを撮像部186で撮像した画像データから印面データを取得する印面データ取得本処理を行う。その際に、印面データ取得装置11の取得装置制御部25は、撮像位置に保持された一つの印鑑Sの印面Fの印面データを、リング照明部183及び同軸照明部225のうちのリング照明部183のみで光を照射して撮像部186で撮像したリング照明画像データと、同軸照明部225のみで光を照射して撮像部186で撮像した同軸照明画像データとに基づいて取得する。即ち、印面データ取得装置11は、印面データ取得本処理として、撮像位置に保持された一つの印鑑Sの印面Fに対し、リング照明部183のみから光を照射して撮像部186で撮像してリング照明画像データを取得するリング照明画像データ取得ステップと、同軸照明部225のみで印鑑Sの軸方向に沿って光を照射して撮像部186で撮像して同軸照明画像データを取得する同軸照明画像データ取得ステップとを行い、これらのステップで取得したリング照明画像データと同軸照明画像データとに基づいて印面データ取得ステップを行って印面Fの印面データを取得する。
【0072】
[リング照明画像データ取得ステップ]
リング照明画像データ取得ステップにおいて、取得装置制御部25は、撮像位置に保持された印鑑Sの印面Fにリング照明部183で光を照射して撮像部186で撮像して一つの印面Fのリング照明画像データを得る際に、リング照明部183の発光するLEDランプ203の周方向の位置を切り替えながら、切り替える都度、撮像部186で撮像させてリング照明画像データを得る。即ち、リング照明部183の複数のLEDランプ203を周方向に連続的に並ぶ所定数ずつの複数区分に分割し、各区分毎に、他の区分を発光させずに全てのLEDランプ203を同時に発光させ、各区分の発光毎に撮像部186で撮像させて複数のリング照明画像データを得る。具体的に、取得装置制御部25は、36個のLEDランプ203を周方向に連続的に並ぶ6個ずつの6区分に分類し、各区分毎に、他の区分を発光させずに6個のLEDランプ203の全部を同時に発光させ、各区分の発光毎に撮像部186で撮像させて6つのリング照明画像データを得る。言い換えれば、複数のLEDランプ203を、60度分ずつ、残りの角度に位置するものを発光させずに同時に発光させ、各区分の発光毎に撮像部186で撮像させて6つのリング照明画像データを得る。
【0073】
撮像位置に保持された印鑑Sの一つの印面Fに対し上記のようにリング照明部183の照射角度を切り替えながら複数のリング照明画像データを取得する。ここで、
図11に示すように、印鑑Sの一端部は、平坦な先端面である印面Fと、印面Fよりも軸方向に凹む位置に設けられた彫刻面Cと、これらの間のエッジ面Eとを有している。印面Fは、付着したインクを押印操作により紙面に付着させる印影形成部分となっており、彫刻面C及びエッジ面Eは、インクが付着しても基本的に付着したインクを紙面に付着させることはない。リング照明部183の照明光Lは、その方向が、印面Fに沿う方向になるため印面Fを十分に明るく照らすことはできないものの、リング照明部183の発光する区分が対面する側のエッジ面Eに対しては略垂直に近くなるため、このエッジ面Eを明るく照らすことができる。具体例として、
図12の(a)〜(f)に、黒色印鑑のリング照明画像データを取得する際の、リング照明部183の各区分毎の発光状態と、それぞれの撮像部186で撮像したリング照明画像データとを対応させて示す。このように、黒色印鑑であっても、リング照明画像データは、印面部分は明るくはならないものの、リング照明部183の発光する区分に対面する側のエッジ面部分が明るくなる。
【0074】
[同軸照明画像データ取得ステップ]
取得装置制御部25は、撮像位置に保持された印鑑Sの一つの印面Fの印面データを得る際に、上記のリング照明画像データ取得ステップによってリング照明画像データを得るのとは別に、同軸照明画像データ取得ステップにおいて、この一つの印面Fに同軸照明部225で光を照射して撮像部186で撮像した同軸照明画像データを得る。即ち、同軸照明部225の光源部185の全てのLEDランプ223を同時に発光させると共に撮像部186で印面Fを撮像させる。光源部185のLEDランプ223の発光光により構成される同軸照明部225の照明光は、ハーフミラー212で反射して、撮像位置に保持された印鑑Sの印面Fの方向に印鑑Sの軸方向に進んで、印面Fに照射される。取得装置制御部25は、撮像部186にこの印面Fを撮像させて同軸照明画像データを得る。具体例として、
図12の(a)〜(f)に示すリング照明画像データが得られた黒色印鑑の同軸照明画像データを
図13に示す。
【0075】
[印面データ取得ステップ]
印面データ取得ステップにおいて、取得装置制御部25は、リング照明加算フィルタ処理画像データ取得ステップと、印面候補画像データ取得ステップと、同一面グループ化ステップと、印面データ取得最終ステップとを行う。
【0076】
{リング照明加算フィルタ処理画像データ取得ステップ}
リング照明加算フィルタ処理画像データ取得ステップにおいて、取得装置制御部25は、リング照明加算画像データをフィルタ処理する。具体的には、リング照明部183を、180度位置がずれて対向する区分同士を対とした、複数対の照明とみなして、上記したリング照明画像データ取得ステップにおいて取得した複数のリング照明画像データを、対をなす照明で照らしたもの同士加算して対加算画像データを取得する。リング照明加算画像データは、これら対加算画像データを加算したものであり、このようにリング照明加算画像データを構成する各対加算画像データをフィルタ処理する。
【0077】
具体例として、
図12(a)に示す最も左側の照明で照らして取得したリング照明画像データと
図12(d)に示す最も右側の照明で照らして取得したリング照明画像データとを加算した対加算画像データと、
図12(b)に示す左上側の照明で照らして取得したリング照明画像データと
図12(e)に示す右下側の照明で照らして取得したリング照明画像データとを加算した対加算画像データと、
図12(c)に示す右上側の照明で照らして取得したリング照明画像データと
図12(f)に示す左下側の照明で照らして取得したリング照明画像データとを加算した対加算画像データとを取得する。
【0078】
そして、リング照明加算画像データを構成する各対加算画像データに、微分フィルタをかけてエッジを強調する。次に、微分フィルタをかけた後の全ての対加算画像データを加算してリング照明加算フィルタ処理画像データを得る。具体例として、
図12の(a)〜(f)に示すリング照明画像データからリング照明加算フィルタ処理画像データ取得ステップで得られたリング照明加算フィルタ処理画像データを
図14に示す。リング照明加算フィルタ処理画像データは、印面Fのエッジ抽出データとなる。
【0079】
{印面候補画像データ取得ステップ}
印面候補画像データ取得ステップにおいて、取得装置制御部25は、印面Fの候補を抽出して印面候補画像データを作成する。即ち、印面Fと、彫刻面Cと、エッジ面Eと、リング照明部183の照明光Lとの関係は、
図15に示すようになっており、リング照明加算画像データを構成する対加算画像データから、180度位置がずれて対向する照明光Lでのエッジ面部分間を印面部分として、それ以外と分けて、印面候補画像データを作成する。印面候補画像データは、印面Fの同一面抽出データである。
【0080】
つまり、対加算画像データのうち、明るさが所定値以上となったら印面部分の開始のエッジ面部分とし、所定値未満となったら印面部分の終了のエッジ面部分とする、という処理を繰り返し行う方法で、印面候補画像データを抽出する。具体例として、
図12(a)に示す最も左側の照明で照らして取得したリング照明画像データと
図12(d)に示す最も右側の照明で照らして取得したリング照明画像データとを加算した対加算画像データから明るさが所定値以上となったら印面部分の開始のエッジ面部分とし、所定値未満となったら印面部分の終了のエッジ面部分とする処理を行って、
図16(a)に示す画像データを得る。また、
図12(b)に示す左上側の照明で照らして取得したリング照明画像データと
図12(e)に示す右下側の照明で照らして取得したリング照明画像データとを加算した対加算画像データから同様の処理を行って、
図16(b)に示す画像データを得る。また、
図12(c)に示す右上側の照明で照らして取得したリング照明画像データと
図12(f)に示す左下側の照明で照らして取得したリング照明画像データとを加算した対加算画像データから同様の処理を行って、
図16(c)に示す画像データを得る。また、
図12(b)に示す左上側の照明で照らして取得したリング照明画像データと
図12(c)に示す右上側の照明で照らして取得したリング照明画像データと
図12(e)に示す右下側の照明で照らして取得したリング照明画像データと
図12(f)に示す左下側の照明で照らして取得したリング照明画像データとを加算した対加算画像データから同様の処理を行って、
図16(d)に示す画像データを得る。そして、これらを加算して、
図17に示す印面候補画像データを得る。
【0081】
なお、
図16(d)に示す画像データの代わりに又は加えて、
図12(a)と
図12(b)と
図12(d)と
図12(e)とに示すリング照明画像データを加算した対加算画像データから同様の処理を行って得た画像データや、
図12(c)と
図12(d)と
図12(f)と
図12(a)とに示すリング照明画像データを加算した対加算画像データから同様の処理を行って得た画像データ等を用いるようにしても良い。また、
図16(a)と
図16(b)と
図16(c)だけを加算して、印面候補画像データを得るようにしても良い。
【0082】
{同一面グループ化ステップ}
同一面グループ化ステップにおいて、取得装置制御部25は、同軸照明画像データから同一面としてのグループ化を行う。即ち、同軸照明画像データを所定値を基準に2値化して同軸照明2値化画像データからなる領域を作成し、ラベリング処理を行うことで、2値化画像データを対象に同一面としてのグループ化を行う。具体例として、
図13に示す同軸照明画像データを所定値を基準に2値化して同軸照明2値化画像データからなる領域を作成し、
図18に示す黒塗り部分の同一面のグループに分け、異なるハッチングの3つの異なる同一面のグループと、異なるドットの2つの異なる同一面のグループとの、合計6グループに分ける。
【0083】
{印面データ取得最終ステップ}
印面データ取得最終ステップにおいて、取得装置制御部25は、同軸照明画像データを印面候補画像データに基づいて印面部分と印面部分以外とに分けて2値化を行う。具体的には、印面部分の同一面データである印面候補画像データと、エッジ抽出データであるリング照明加算フィルタ処理画像データとから、これらの合成データを作成し、同軸照明2値化画像データのそれぞれのグループに対して合成データの同一面としての領域割合が所定値以上になった箇所を印面部分、所定未満なら印面部分以外として2値化して、同軸照明印面画像データを得ることになり、この同軸照明印面画像データから最終の印面データを得る。具体例として、
図17に示す印面候補画像データと
図14に示すリング照明加算フィルタ処理画像データとから
図19に示す合成データを作成し、
図18に示すそれぞれのグループに対して合成データの同一面としての領域割合が所定値以上になった箇所を印面部分、所定未満なら印面部分以外として2値化して、
図20に示す同軸照明印面画像データを得る。この同軸照明印面画像データから印面部分を抽出して
図21に示す最終の印面データを得る。以上のような印面データ取得本処理で印面データを得る。なお、ここで言う領域割合とは、個々のグループに対する印面候補の占める割合である。
【0084】
以上に述べた印面データ取得装置11は、例えば、
図22に示すような情報処理装置301に接続されて用いられる。情報処理装置301は、例えば、銀行、消費者金融、クレジットカード会社、小売店(コンビニエンスストア、スーパーマーケット)などの店舗に設置され、口座開設、ローンや口座振替の申込みなどの契約の一部を顧客自らが行えるように支援するものである。例えば、口座開設の主な流れは、本人確認、申込書の記入、審査、契約書への署名、通帳・カードの発行の順となるが、情報処理装置301では、そのうちの本人確認及び申込書の記入を行う。その後の、審査、契約書への署名、及び、通帳・カードの発行は、店舗の店舗カウンタなどで行われる。
【0085】
情報処理装置301は、その上部に、前面側に開口部302を有し前面から水平方向後方に凹む後方凹状部303が形成されている。後方凹状部303内の底面は、読み取り対象書類が開口部302から挿入されて載置されると、読み取りを行う。読み取り対象書類は、この情報処理装置301で本人確認を行う際に読み取るものであり、例えば、運転免許証や健康保険証などの本人確認書類、申込書、契約書などである。読み取り対象書類は、読み取られる面を下向きにして後方凹状部303内の底面上に載置される。
【0086】
情報処理装置301は、内線電話305と、非接触型カードリーダ306と、接触型カードリーダ307とを有している。また、情報処理装置301は、使用者に向けた表示を行うと共に使用者の操作入力を受け付けるタッチパネル式の操作表示部311を有している。情報処理装置301は、その内部に、情報処理装置301の全体を制御すると共に、接続された印面データ取得装置11を制御する処理装置制御部312が設けられている。
【0087】
情報処理装置301の各種処理において印鑑Sの印面データの取得が必要となった場合、情報処理装置301の処理装置制御部312が、操作表示部311に、印面データ取得装置11に、印面Fを後向きにした状態での印鑑Sのセットを促すメッセージを表示させると共に、印面データ取得装置11の取得装置制御部25に、印面データの取得が必要となった旨の信号を出力する。すると、取得装置制御部25は、告知部172を緑色点灯状態から緑色点滅状態にし、印鑑Sの載置場所を告知させる。
【0088】
取得装置制御部25は、その後、待機状態にある印鑑保持部23の、シャッタ部材151と押込部51との間の載置部41に印鑑Sが載置されたことを印鑑有無検知センサ75が検知すると、処理装置制御部312にその旨の信号を出力する。すると、処理装置制御部312が、情報処理装置301の操作表示部311に「開始ボタン」アイコンを表示させ、この「開始ボタン」アイコンが押されると、その旨の信号を取得装置制御部25に出力する。
【0089】
すると、取得装置制御部25は、印面データ取得処理の印面データ取得前処理を開始することになり、告知部172を赤色点灯状態にすると共に、押込駆動部53の押込駆動モータ68を所定時間駆動し、押込部材52をシャッタ部36側に移動させる。すると、押込部材52は、印鑑Sをその印面Fがシャッタ部材151に当接するまでシャッタ部36側に移動させる。印鑑Sの印面Fがシャッタ部材151に当接すると、押込トルクリミッタ70が滑って押込駆動モータ68の負荷を吸収する。
【0090】
次いで、取得装置制御部25は、印鑑Sをシャッタ部材151と押込部材52とで軸方向に挟んだ状態のまま、挟込駆動部141の挟込駆動モータ142を所定時間駆動し、第1挟込部92を上方に移動させると共に第2挟込部97を下方に移動させ、第1挟込部92の下部挟込凹部91と第2挟込部97の上部挟込凹部95とを近接させる。すると、下部挟込凹部91及び上部挟込凹部95が印鑑Sの印面F近傍の中間部を挟み込み、印鑑Sを固定する。その間、印鑑Sは、シャッタ部材151と押込部材52の押込壁部56とで軸方向に挟まれた状態のまま、これらに対して摺動する。
【0091】
下部挟込凹部91に載置されて上昇する印鑑Sに、下降する上部挟込凹部95が当接すると、挟込トルクリミッタ143が滑って挟込駆動モータ142の負荷を吸収する。このように固定部38の第1挟込部92及び第2挟込部97で固定された印鑑Sは、印面Fの中心が、高さ方向、左右方向及び前後方向の全方向において一定位置に位置する撮像位置に保持される。
【0092】
次いで、取得装置制御部25は、シャッタ駆動部152のシャッタ駆動モータ161を所定時間駆動し、シャッタ部材151を閉位置から開位置に移動させる。シャッタ部材151が開位置に位置して図示略のストッパに当接すると、シャッタトルクリミッタ162が滑ってシャッタ駆動モータ161の負荷を吸収する。以上により、印面データ取得前処理を終了する。
【0093】
次に、取得装置制御部25は、固定部38によって撮像位置に固定された印鑑Sの印面データを印面データ取得部24によって取得する上述した印面データ取得本処理を行う。この印面データ取得本処理が終了すると、取得装置制御部25は、印面データを処理装置制御部312に出力すると共に、印面データ取得後処理を開始する。即ち、取得装置制御部25は、押込駆動部53の押込駆動モータ68を駆動して、押込部材52をシャッタ部36と離間する方向に移動させて待機状態に戻す。それと共に、取得装置制御部25は、シャッタ駆動部152のシャッタ駆動モータ161を駆動して、シャッタ部材151を開位置から閉位置に移動させて待機状態に戻す。加えて、取得装置制御部25は、挟込駆動部141の挟込駆動モータ142を駆動して、第1挟込部92を下方に、第2挟込部97を上方に移動させ、下部挟込凹部91と上部挟込凹部95とを離間させて待機状態に戻すことにより、印鑑Sの挟み込みを解除する。更に、そして、告知部172を赤色点滅状態にする。
【0094】
取得装置制御部25は、その後、所定時間の間に、印鑑Sが載置部41から取り出され、印鑑有無検知センサ75によって印鑑Sが検知されない状態になると、印面データ取得後処理、即ち印面データ取得処理を終了する。また、所定時間経過しても、印鑑Sが載置部41から取り出されずに印鑑有無検知センサ75によって印鑑Sが検知された状態であると、取得装置制御部25は、情報処理装置301の処理装置制御部312にその旨の信号を出力する。すると、処理装置制御部312は、操作表示部311に印鑑Sの取り忘れメッセージを表示させる。このとき、情報処理装置301及び印面データ取得装置11の少なくとも何れか一方のスピーカから警告音や警告メッセージ音声を出力させても良い。その後、印鑑有無検知センサ75によって印鑑Sが検知されなくなると、取得装置制御部25は、印面データ取得後処理、即ち印面データ取得処理を終了する。
【0095】
以上に述べた本実施形態の印面データ取得装置11及び印面データ取得方法によれば、リング照明画像データ取得ステップによって、印鑑Sの印面Fの周囲を囲むように配置されたリング照明部183から印面Fに向けて光を照射し印面Fを撮像部186で撮像してリング照明画像データを取得すると共に、同軸照明画像データ取得ステップによって、印面Fに印鑑Sの軸方向に沿って光を照射する同軸照明部225から光を照射し撮像部186で撮像して同軸照明画像データを取得し、印面データ取得ステップによって、これらリング照明画像データと同軸照明画像データとに基づいて印面Fの印面データを取得する。これにより、印鑑Sを圧力センサ群に押し当てる必要がなくなるため、使用者の技術に関わらずに、精度良く印面データの取得ができる。また、リング照明画像データと同軸照明画像データとに基づいて印面Fの印面データを取得することから、印面Fが明るくならない印鑑Sに対しても印面データを取得することが可能になる。
【0096】
つまり、リング照明部183だけを使用して取得した画像データに基づいて、印鑑Sの印面データを取得する場合、白色印鑑等のような、印面が明るく彫刻面が暗くなる印鑑においては印面を取得できるが、黒色印鑑等のような、印面と彫刻面との境界、即ちエッジ面部分は明るくなるが印面が明るくならない印鑑においては印面を取得することが困難であったが、本実施形態の印面データ取得装置11及び印面データ取得方法によれば、このような印面Fが明るくならない印鑑Sについても印面データを良好に取得することが可能になる。
【0097】
また、同軸照明部225は、印鑑保持部23に保持された印鑑Sの印面Fと撮像部186との間に設けられたハーフミラー212を介して光源部185からの光を印面Fに向けて照射するため、同軸照明部225と撮像部186との干渉を回避しつつ、同じ印鑑Sの軸方向に沿う同軸照明部225からの印面Fへの光の照射及び撮像部186による撮像が可能になる。
【0098】
また、印鑑保持部23は、載置部41に載置された印鑑Sを、その軸方向に押込部51で押して移動させてシャッタ部36に当接させると、印鑑Sが軸方向に位置決めされる。このように、シャッタ部36に当接してその軸方向に位置決めされた印鑑Sを固定部38で固定する。これにより、印鑑保持部23は、印鑑Sを軸方向に位置決めして保持することができる。よって、より精度良く印面データの取得ができる。
【0099】
以上の実施形態を以下の変形例のように変更することができる。
【0100】
<変形例1>
実施形態では、シャッタ部36が、閉状態でシャッタ部材151により本体開口部32の下部の一部を閉じるようにしたが、閉状態でシャッタ部材151により本体開口部32の全部を閉じるようにしても良い。
【0101】
<変形例2>
第1挟込部92の後面に挟込ラックギア117を形成して、挟込駆動部141を第1挟込部92の後面側に設けるものに限定されるものではなく、第1挟込部92の前面に挟込ラックギア117を形成して、挟込駆動部141を第1挟込部92の前面側に設けるようにしても良い。また、第2挟込部97の前面に挟込ラックギア117を形成して、挟込駆動部141を第2挟込部97の前面側に設けるようにしても良く、第2挟込部97の後面に挟込ラックギア117を形成して、挟込駆動部141を第2挟込部97の後面側に設けるようにしても良い。
【0102】
<変形例3>
情報処理装置301の操作表示部311に表示された「開始ボタン」アイコンを押すことで、印面データ取得処理が開始されることに限定されるものではなく、印面データ取得処理の開始操作が入力される開始ボタンを印面データ取得装置11に設けても良く、情報処理装置301及び印面データ取得装置11の両方に開始ボタンを設けても良い。印面データ取得装置11に開始ボタンを設ける場合、例えば保持本体部34の上面等に設けて、上部カバー部材13にこの開始ボタンを露出させる穴部を設けることが可能である。
【0103】
<変形例4>
印面データ取得装置11は、情報処理装置301に外付けされることに限定されるものではなく、情報処理装置301に一体に取り付けても良く、情報処理装置301に一体に内蔵しても良い。
【0104】
<変形例5>
印鑑Sを水平方向に配置して、印鑑Sを第1挟込部92及び第2挟込部97によって上下方向から挟み込んで保持することに限定されるものではなく、印鑑Sを上下方向に配置して、第1挟込部92及び第2挟込部97によって水平方向から挟み込んで保持するようにしても良い。また、印鑑Sを水平に対し所定の角度傾斜した第1の傾斜方向に傾斜配置して、第1挟込部92及び第2挟込部97によって第1の傾斜方向と直交する第2の傾斜方向から挟み込んで保持するようにしても良い。
【0105】
<変形例6>
印面データ取得最終ステップにおいて、最終の印面データの作成後、最終の印面データを情報処理装置301の操作表示部311に表示させると共に、「確定ボタン」と「やり直しボタン」とを表示させて、「確定ボタン」が押された場合にはその最終の印面データを印面データとして確定し、使用者が不鮮明等と感じて「やり直しボタン」が押された場合には、最初からやり直すようにしても良い。更に、「やり直しボタン」が押された場合には、情報処理装置301の操作表示部311に印面のクリーニングを促すメッセージを表示させるようにしても良い。更に、最終の印面データが所定の基準データに対して不鮮明と判定される場合には、自動的にやり直しをさせるようにしても良い。
【0106】
<変形例7>
また、最終の印面データを情報処理装置301の操作表示部311に表示させる場合に、30度、45度、90度ずつ等、最終の印面データを所定角度ずつ回転させた画像データを一覧表示させるようにしても良い。例えば、90度ずつの場合には、最終の印面データを0度、90度、180度、270度回転させた4枚の画像を一覧表示させると共に、「決定ボタン」を表示させる。使用者により画像の1つが選択されて「決定ボタン」が押されると、選択された画像を最終の印面データとして確定する。これにより、載置部41に印鑑Sを印面の天地が逆さま等の状態に配置して印面データを取得しても、やり直すことなく、追って、天地が鉛直に近い正しい向きの印面データに修正することができ、作業性が良い。
【0107】
更に、印鑑Sが四角形の場合には、印面は、天地が常に鉛直に対し45度傾斜して配置されるので、最終の印面データを45度回転させた後に更に90度ずつ回転させた4つの画像を一覧表示させて1つの画像を選択させるようにしても良い。これにより、印面データを天地が鉛直となる正しい向きに修正することができる。更に、最終の印面データから上下方向を取得装置制御部25で自動的に認識して自動修正するようにしても良い。