【実施例】
【0022】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施例は、物品収納本体1と、この物品収納本体1を支承する脚体2とを有する脚付き収納構造体である。
【0024】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0025】
物品収納本体1は、
図1に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成した上部開口部を有する平面視長方形状の容器形状体であり、方形板状の底部1aと、この底部1aの左右端部に角部を介して立設される方形板状の左右側壁部1bと、この左右側壁部1bと角部を介して連設され底部1aの前後端部に角部を介して立設される方形板状の前後側壁部1cとで構成されている。
【0026】
尚、物品収納本体1は、図示した形状に限らず、例えば円盤状の底部の周縁部に周壁部が立設された円筒形状でも良く、また、図示した構造に限らず、例えば前後左右の四隅に配される支柱を介して枠形成体が上下に設けられてこの上下の枠形成体間に引出しケース収納部が設けられる枠状本体部と、この枠状本体部の前記引出しケース収納部に引き出し自在に設けられる引出しケースとからなる引き出し式収納ケースでも良いなど、本実施例の特性を発揮する構成であれば適宜採用し得るものである。
【0027】
また、物品収納本体1は、底部1aの下面部四隅に凹状の第一連結部3が設けられている。
【0028】
この第一連結部3は、
図2,3,5,6に図示したように底部1aに垂設される円筒状部を一体成形して構成されており、この第一連結部3の壁部にして後述する第二連結部4と重合する内側壁部には係止部6が設けられている。
【0029】
この係止部6は、第一連結部3の内側壁部に貫通窓孔から成る凹状部を設けて構成されている。
【0030】
従って、第一連結部3と第二連結部4とを差し込み嵌合した際、第一連結部3の内側壁部,第二連結部4の内側壁部の少なくとも一方(本実施例では双方)が他方に対して離反方向に変形移動した後に復帰動する弾性変形を伴い、この凹状部から成る係止部6に第二連結部4に設けられる凸状部から成る抜け止め係合部7が抜け止め係合する。
【0031】
尚、第一連結部3を凸状とし、第二連結部4を凹状としても良く、係止部6を凸状部とし、抜け止め係合部7を凹状部としても良い。
【0032】
また、物品収納本体1の上部開口部には水平方向に突出する鍔部1dが囲繞状態に設けられている。
【0033】
この鍔部1dのうち、左右側壁部1bの上端部に設けられる左右鍔部1dの中央下面部には、後述する脚体2に設けられる添設部10の上端部(差し込み凸状部10a)及び支柱体11の上端部(差し込み凸状部)が差し込み嵌合する下向き差し込み凹状部12が設けられ、一方、左右側壁部1bの上端部に設けられる左右鍔部1dの中央上面部には、支柱体11の下端部(差し込み凸状部)が差し込み嵌合する上向き差し込み凹状部(図示省略)が設けられている。
【0034】
また、物品収納本体1の左右側壁部1bの中央外面部には、凹条部8が上下方向に長さを有する状態で設けられている。
【0035】
この各凹条部8の下端部は底部1aに開口しており、物品収納本体1の側壁部1bに後述する脚体2の添設部10を添設状態とした際、この凹条部8に添設部10に設けられる凸条部9が内設されるように構成されている。
【0036】
尚、物品収納本体1の左右側壁部1bの中央外面部に凸条部を設け、この凸条部が内設される凹条部を添設部10に設けても良い。
【0037】
本実施例では、この物品収納本体1を左右位置で支承する一対の脚体2を設けている。
【0038】
この脚体2は、
図1〜6に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成したものであり、物品収納本体1の側壁部1bの幅(奥行き方向長さ)よりも長い脚本体部2aを有し、この脚本体部2aの前後両端部の下部に接地部5(キャスター)が設けられている。
【0039】
従って、本実施例は、前後左右の四箇所に接地部5が設けられている。
【0040】
また、この脚本体部2aの前後両端部の内側部位には、前述した物品収納本体1の左右両端部の前後位置に設けられる第一連結部3と差し込み嵌合する前後一対の第二連結部4が連設されている。
【0041】
従って、脚体2は第二連結部4の外側部位に連設される脚本体部2aの下部に接地部5が設けられた形状に設定されており、第一連結部3と第二連結部4とを差し込み嵌合することで、物品収納本体1の底部側端よりも外側に接地部5が位置する状態で物品収納本体1に脚体2が連結される。
【0042】
また、第一連結部3と重合する第二連結部4の壁部には、凹状部から成る係止部6に抜け止め係合する凸状部から成る抜け止め係合部7が設けられており、この抜け止め係合部7は、脚本体部2aが設けられる外側部位と反対側の内側部位である第二連結部4の内側壁部に設けられている。
【0043】
この抜け止め係合部7は、第一連結部3と第二連結部4とを差し込み嵌合する際の差し込み先端側から基端側に向けて上り傾斜する傾斜面7aと、この傾斜面7aの端部に角部を介して連設する段差面7bとを有する形状であり、この段差面7aが係止部6の縁部に抜け止め係合することになる。
【0044】
本実施例では、第二連結部4の内側壁部にして抜け止め係合部7が設けられた部位の下方部位には貫通孔が設けられており、第一連結部3と第二連結部4との差し込み嵌合に際して抜け止め係合部7の周囲(第二連結部4の内側壁部)が弾性変形し易いように構成されている。
【0045】
また、脚体2には、物品収納本体1と連結することで該物品収納本体1の側壁部1bに添設状態となる添設部10が設けられている。
【0046】
この添設部10は、
図1,2,3に図示したように脚本体部2aの中央上面部に一体に突出成形されており、上端部には物品収納本体1の側壁部1bに設けられる鍔部の下向き差し込み凹状部に差し込み嵌合する差し込み凸状部10aが設けられている。
【0047】
また、添設部10の内壁部には、凸条部9が上下方向に長さを有する状態で設けられており、物品収納本体1の側壁部1bに添設部10を添設状態とした際、凹条部8に凸条部9が内設されるように構成されている(
図7参照)。
【0048】
従って、物品収納本体1と脚体2との連結強度が得られる。
【0049】
また、本実施例は、支柱体11を介して物品収納本体1が上下多段に設けられている。
【0050】
この支柱体11は、適宜な合成樹脂製の部材で形成した中空の板状体であり、上下両端部には物品収納本体1の上向き差し込み凹状部及び下向き差し込み凹状部12に差し込み嵌合する差し込み凸状部(図示省略)が設けられている。
【0051】
符号13は最上段の物品収納本体1の上向き差し込み凹状部を閉塞する閉塞部材である。
【0052】
本実施例は上述のように構成したから、物品収納本体1と脚体2との組み立てに際し、物品収納本体1の底部1aの下面部に設けられた第一連結部3と、脚体2に設けられた第二連結部4とを差し込み嵌合する。
【0053】
本実施例は、脚体2は第二連結部4の外側部位に連設される脚本体部2aの下部に接地部5が設けられた形状に設定されて、第一連結部3と第二連結部4とを差し込み嵌合することで、物品収納本体1の底部側端よりも外側に接地部5が位置する状態で物品収納本体1に脚体2が連結されるように構成されており、前述した従来例と同様、組み立てが極めて容易であり、しかも、下方部位が幅広で安定的であるため倒れにくい良好な設置状態が得られる。
【0054】
また、本実施例は、第一連結部3と前記第二連結部4とを差し込み嵌合した際、第二連結部4と重合する第一連結部3の壁部には係止部6が設けられるとともに、第一連結部3と重合する第二連結部4の壁部には係止部6に抜け止め係合する抜け止め係合部7が設けられており、単なる差し込み嵌合だけでなく、この差し込み嵌合させる第一連結部3と第二連結部4とに係止構造を設けることで、第一連結部3と第二連結部4との抜け脱が防止される。
【0055】
そして更に、本実施例は、抜け止め係合部7は、脚本体部2aが設けられる外側部位と反対側の内側部位である第二連結部4の内側壁部に設けられ、この抜け止め係合部7が設けられた部位と重合する第一連結部3の内側壁部に係止部6が設けられているから、この係止構造を最も抜け脱しようとする力が作用する部位(第一連結部3及び第二連結部4双方の内側壁部)に設けることで、より確実に抜け脱が防止されている。
【0056】
つまり、本実施例は、係止構造を設けることで抜け脱しにくくするだけでなく、その係止構造を最も抜け脱を防止するに効果的な部位に設けることでより確実に抜け脱を防止することができ、しかも、この係止構造を必要な部位にだけ設ける構成であるから、構造がシンプルであり、連結部位の強度を落とすことなく確実に係止構造が得られることになる。
【0057】
よって、本実施例は、組み立てが極めて容易であり、しかも、下方部位が幅広で安定的であるため倒れにくい良好な設置状態が得られ、更に、物品収納本体1に荷重がかかる事により物品収納本体1から脚体2が外れてしまうことが無い。
【0058】
また、本実施例は、第一連結部3の内側壁部に凹状部が設けられて係止部6は構成されると共に、第二連結部4の内側壁部に凸状部が設けられて抜け止め係合部7は構成され、第一連結部3と第二連結部4とを差し込み嵌合した際、第一連結部3の内側壁部,第二連結部4の内側壁部の少なくとも一方が他方に対して離反方向に変形移動した後に復帰動する弾性変形を伴い、係止部6に前記抜け止め係合部7が抜け止め係合するように構成されているから、第一連結部3と第二連結部4とを差し込み嵌合するだけで確実に抜け止め係合状態が得られることになる。
【0059】
また、本実施例は、脚体2を複数有し、物品収納本体1の底部対向位置に前記第一連結部3が設けられるとともに、この第一連結部3夫々と差し込み嵌合される第二連結部4が各脚体2に設けられているから、この点においても安定的な設定状態が得られることになる。
【0060】
また、本実施例は、脚体2には物品収納本体1と連結することで該物品収納本体1の側壁部1bに添設状態となる添設部10が設けられ、物品収納本体1の側壁部1bには凹条部8若しくは凸条部が上下方向に長さを有する状態で設けられると共に、添設部10には凸条部9若しくは凹条部が上下方向に長さを有する状態で設けられ、物品収納本体1の側壁部1bに添設部10を添設状態とした際、凹条部8に凸条部9が内設されるように構成されているから、より一層物品収納本体1と脚体2との連結強度が得られることになる。
【0061】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。