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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-90076(P2019-90076A)
(43)【公開日】2019年6月13日
(54)【発明の名称】ワークの焼入処理装置
(51)【国際特許分類】
   C21D 1/64 20060101AFI20190524BHJP
   C21D 1/18 20060101ALI20190524BHJP
【FI】
   C21D1/64
   C21D1/18 G
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-218751(P2017-218751)
(22)【出願日】2017年11月14日
(11)【特許番号】特許第6479141号(P6479141)
(45)【特許公報発行日】2019年3月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】江見 安彦
(72)【発明者】
【氏名】志村 英輝
(72)【発明者】
【氏名】野村 武次
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 克明
(57)【要約】
【課題】 熱処理炉において加熱処理されたワークを焼入れ室に導いて適切に焼入れ処理できるようにする。
【解決手段】 熱処理炉10で加熱処理されてワークWを、熱処理炉と密封されて連続する焼入れ室20内のワーク保持部材21の上に保持させ、プレス手段30によりワークをワーク保持部材に押し付けた状態で、昇降手段40によりワーク保持部材を下降させて、焼入れ室の下方の冷却液槽50の冷却液xに浸漬させると共に、焼入れ室の外部に設けた回転装置60の回転軸62と連動して回転する回転伝達機構70を冷却液中に設け、この回転伝達機構により前記のワーク保持部材を回転させると共に、ワーク保持部材の中央部に設けた貫通穴212に導入させた冷却液噴出管51を通して、冷却液をワーク保持部材の上に保持されたワークの下から噴出させて焼入れ処理する。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを加熱処理する熱処理炉と焼入れ室とを密封させた状態で連続するように設けると共に、前記の熱処理炉において加熱処理されて焼入れ室内に導入されたワークを前記の焼入れ室内に設けられたワーク保持部材の上に保持させ、前記のワークをプレス手段により前記のワーク保持部材の上に押し付けた状態で、前記のワーク保持部材を昇降手段により下降させて、このワーク保持部材に保持された前記のワークを、焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させて焼入れ処理するワークの焼入処理装置において、前記の焼入れ室の外部に設けた回転装置から延出された回転軸を前記の冷却液槽に収容された冷却液中に導入させると共に、この回転軸と連動して回転する回転伝達機構を前記の冷却液中に設け、前記のようにプレス手段によりワークが押し付けられた前記のワーク保持部材を焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させた状態で、前記の回転装置における回転軸により回転伝達機構を介して前記のワーク保持部材を回転させると共に、前記のワーク保持部材の中央部に設けた貫通穴に冷却液噴出管を導入させ、前記の冷却液噴出管から冷却液槽における冷却液を、前記のワーク保持部材の上に保持された前記のワークの下から噴出させることを特徴とするワークの焼入処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワークの焼入処理装置において、前記の焼入れ室の外側の位置に設けた回転装置から前記の回転軸を下方に向けて延出させて前記の冷却液槽に収容された冷却液中に導入させることを特徴とするワークの焼入処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のワークの焼入処理装置において、ワークを保持させる前記のワーク保持部材の上面部に、ワーク保持部材の中央部に設けた前記の貫通穴からワーク保持部材の外周に延びた複数の冷却液案内溝を設けたことを特徴とするワークの焼入処理装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のワークの焼入処理装置において、前記の焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液を前記の冷却液噴出管に供給して循環させる循環手段を設けたことを特徴とするワークの焼入処理装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のワークの焼入処理装置において、前記の焼入れ室の下方における冷却液槽と連通する冷却液槽を取り出し室の下方に設け、前記のワーク保持部材に保持されて焼入れ室の下方の冷却液槽における冷却液中で冷却させたワークを、前記のワーク保持部材から前記の取り出し室における冷却液槽内に昇降可能に設けられた取出し用保持台に送り、この取出し用保持台を取出し用昇降装置により上昇させて、ワークを保持した前記の取出し用保持台を、冷却液槽に収容された冷却液中から取り出し室内に取り出すことを特徴とするワークの焼入処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理炉において加熱処理されたワークを焼入れ室に導入させ、このワークを焼入れ室内に設けられたワーク保持部材の上に保持させ、前記のワークをプレス手段によりワーク保持部材の上に押し付けた状態で、このワーク保持部材を昇降手段により下降させ、このワーク保持部材に保持されたワークを焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させて、ワークを焼入れ処理するようにしたワークの焼入処理装置に関するものである。特に、ワークを加熱処理する熱処理炉と密封させた状態で連続するように焼入れ室を設け、前記の熱処理炉において加熱処理されて焼入れ室内に導入されたワークを、焼入れ室内に設けられたワーク保持部材の上に保持させ、前記のワークをプレス手段によりワーク保持部材の上に押し付けた状態で、前記のワーク保持部材を昇降手段により下降させて、このワーク保持部材に保持された前記のワークを焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させ、この状態で、ワークを保持させたワーク保持部材を回転装置(電動モーター等)により回転させて、ワークを冷却液中で冷却させるにあたり、前記の回転装置が過剰に加熱されるのを防止して、ワークを十分に冷却できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワークを熱処理炉内で加熱処理した後、このワークを熱処理炉から取り出して焼入れ室に導き、この焼入れ室内に設けられたワーク保持部材の上に保持させ、前記のワークをプレス手段によりワーク保持部材の上に押し付けた状態で、このワーク保持部材を昇降手段により下降させ、このワーク保持部材に保持されたワークを焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させて、ワークを焼入れ処理することが行われている。
【0003】
ここで、前記のようにワークを熱処理炉内で加熱処理した後、このワークを熱処理炉から取り出して焼入れ室に導くようにした場合、ワークを熱処理炉から焼入れ室に導く途中において、加熱処理させたワークが酸化されたりして劣化するという問題があった。
【0004】
このため、例えば、特許文献1に示されるように、熱処理炉と密封させた状態で連続するようにして焼入れ室を設けるようにしたものが示されている。
【0005】
そして、この特許文献1に示されるものにおいては、熱処理炉において加熱処理されたワークを、熱処理炉と連続して設けられた焼入れ室内に設けられた焼入れ用下型に保持させ、この焼入れ用下型に保持されたワークを焼入れ用上型により押さえ付けた状態で、焼入れ室に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させて焼入れ処理し、このように焼入れ処理したワークを冷却液中から上昇させてリフターに移載し、このリフターを下降させて前記のワークを焼入れ室の冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させた後、このワークを焼入れ室の冷却液槽と連通する取り出し室の冷却液槽における冷却液中に導き、その後、前記のワークを取り出し室の冷却液槽における冷却液中から上昇させ、この取り出し室から焼入れ処理されたワークを取り出すようにしている。
【0006】
しかし、特許文献1に示されるものにおいては、熱処理炉において加熱処理されたワークを、前記の焼入れ室や取り出し室における冷却液槽に収容された冷却液中を移動させて冷却させるだけであるため、ワーク全体を均一に冷却させることが困難であると共に、ワークを十分に冷却させるのに時間を要するという問題があった。
【0007】
また、従来においては、特許文献2や特許文献3において、熱処理炉内で加熱処理したリング状のワークを下面保持部材と上面保持部材とによって保持させた状態で、焼入れ室における冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させて焼入れ処理するにあたり、リング状のワークを下面保持部材と上面保持部材とによって保持させて、冷却液中に浸漬させた状態で、焼入れ室内に設けた回転装置によりこれらを回転させて、リング状のワークを冷却させるようにしたものが示されている。
【0008】
しかし、前記の特許文献2や特許文献3に示されるものにおいては、特許文献1に示されるように、熱処理炉と密封させた状態で連続するようにして冷却液が収容された冷却液槽を有する焼入れ室を設けることは示されておらず、加熱処理したワークを熱処理炉から取り出して焼入れ室に導くようにした場合、前記のように加熱処理させたワークが酸化されたりして劣化するという問題があった。
【0009】
また、特許文献2や特許文献3に示されるものにおいて、特許文献1に示されるように、熱処理炉と密封させた状態で連続するようにして焼入れ室を設けた場合、焼入れ室の温度が非常に高くなり、焼入れ室内に設けた回転装置がすぐに損傷したり、回転装置の耐熱性を高めるためにコストが高くついたりする等の様々な問題があり、さらに、特許文献2や特許文献3に示されるものにおいては、前記のようにリング状のワークを対象としているが、底面が平坦になったワークを用いた場合、ワークと下面保持部材との間に冷却液が適切に導かれなくなり、ワークの底面側を十分に冷却させることが困難になるおそれもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実公平1−26759号公報
【特許文献2】実用新案登録第2576939号公報
【特許文献3】特開2010−222619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、熱処理炉において加熱処理されたワークを焼入れ室に導入させ、このワークを焼入れ室内に設けられたワーク保持部材の上に保持させ、前記のワークをプレス手段によりワーク保持部材の上に押し付けた状態で、このワーク保持部材を昇降手段により下降させ、このワーク保持部材に保持されたワークを焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させて、ワークを焼入れ処理するようにしたワークの焼入処理装置における前記のような様々な問題を解決することを課題とするものである。
【0012】
そして、本発明においては、前記のようにワークを加熱処理する熱処理炉と密封させた状態で連続するように焼入れ室を設け、熱処理炉において加熱処理されて焼入れ室内に導入されたワークを、焼入れ室内に設けられたワーク保持部材の上に保持させ、前記のワークをプレス手段によりワーク保持部材の上に押し付けた状態で、前記のワーク保持部材を昇降手段により下降させて、このワーク保持部材に保持された前記のワークを焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させ、この状態で、ワークを保持させたワーク保持部材を回転装置により回転させて、ワークを冷却液中で冷却させるにあたり、前記の回転装置が過剰に加熱されるのを防止して、ワークを十分に冷却できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るワークの焼入処理装置においては、前記のような課題を解決するため、ワークを加熱処理する熱処理炉と焼入れ室とを密封させた状態で連続するように設けると共に、前記の熱処理炉において加熱処理されて焼入れ室内に導入されたワークを前記の焼入れ室内に設けられたワーク保持部材の上に保持させ、前記のワークをプレス手段により前記のワーク保持部材の上に押し付けた状態で、前記のワーク保持部材を昇降手段により下降させて、このワーク保持部材に保持された前記のワークを、焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させて焼入れ処理するワークの焼入処理装置において、前記の焼入れ室の外部に設けた回転装置から延出された回転軸を前記の冷却液槽に収容された冷却液中に導入させると共に、この回転軸と連動して回転する回転伝達機構を前記の冷却液中に設け、前記のようにプレス手段によりワークが押し付けられた前記のワーク保持部材を焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させた状態で、前記の回転装置における回転軸により回転伝達機構を介して前記のワーク保持部材を回転させると共に、前記のワーク保持部材の中央部に設けた貫通穴に冷却液噴出管を導入させ、前記の冷却液噴出管から冷却液槽における冷却液を、前記のワーク保持部材の上に保持された前記のワークの下から噴出させるようにした。
【0014】
そして、前記のワークの焼入処理装置のように、焼入れ室の外部に設けた回転装置から延出された回転軸を前記の冷却液槽に収容された冷却液中に導入させると共に、この回転軸と連動して回転する回転伝達機構を前記の冷却液中に設け、前記の回転装置における回転軸により回転伝達機構を介して前記のワークを保持させたワーク保持部材を回転させて、ワーク保持部材に保持させたワークを冷却させるようにすると、回転装置が焼入れ室の外部に設けられているため、焼入れ室の内部に回転装置を設けた場合のように回転装置が過剰に加熱されるということがなくなる。
【0015】
また、前記のようにワーク保持部材の中央部に設けた貫通穴に冷却液噴出管を導入させ、前記の冷却液噴出管から冷却液槽における冷却液を、ワーク保持部材の上に保持された前記のワークの下から噴出させると、ワーク保持部材に保持させたワークの下面も前記の冷却液によって冷却されるようになる。
【0016】
ここで、前記のように焼入れ室の外部に設けた回転装置から延出された回転軸を前記の冷却液槽に収容された冷却液中に導入させるにあたっては、前記の回転装置を焼入れ室の外側の位置に設け、この回転装置から前記の回転軸を下方に向けて延出されて前記の冷却液槽に収容された冷却液中に導入させるようにすることができる。
【0017】
また、本発明に係るワークの焼入処理装置においては、ワークを保持させる前記のワーク保持部材の上面部に、ワーク保持部材の中央部に設けた前記の貫通穴からワーク保持部材の外周に延びた複数の冷却液案内溝を設けるようにすることが好ましい。このように、ワーク保持部材の上面部の中央部における貫通穴からワーク保持部材の外周に延びた複数の冷却液案内溝を設けると、底面が平坦になったワークをワーク保持部材の上に保持させ、これらを前記のように冷却液槽に収容された冷却液中において回転装置により回転させた場合に、前記の貫通穴から噴出させた冷却液が、回転するワーク保持部材の上面部に設けられた各冷却液案内溝に沿ってワークの底面との間を通してワーク保持部材の外周側に導かれ、この冷却液によってワークの底面側も十分に冷却されるようになる。
【0018】
また、本発明に係るワークの焼入処理装置においては、前記のようにワーク保持部材の中央部に設けた貫通穴に冷却液噴出管を導入させ、前記の冷却液噴出管から冷却液槽における冷却液を、ワーク保持部材の上に保持された前記のワークの下から噴出させるにあたっては、焼入れ室の下方における冷却液槽に収容された冷却液を前記の冷却液噴出管に供給して循環させる循環手段を設けるようにすることができる。
【0019】
また、本発明に係るワークの焼入処理装置においては、前記の焼入れ室の下方における冷却液槽と連通する冷却液槽を取り出し室の下方に設け、前記のワーク保持部材に保持されて焼入れ室の下方の冷却液槽における冷却液中で冷却させたワークを、前記のワーク保持部材から前記の取り出し室における冷却液槽内に昇降可能に設けられた取出し用保持台に送り、この取出し用保持台を取出し用昇降装置により上昇させて、ワークを保持した前記の取出し用保持台を、冷却液槽に収容された冷却液中から取り出し室内に取り出すようにすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明におけるワークの焼入処理装置においては、前記のように加熱処理されたワークを熱処理炉と密封させた状態で連続するようにして冷却液が収容された冷却液槽を有する焼入れ室に導き、加熱処理されたワークを焼入れ室内において上下方向に移動するワーク保持部材の上に保持させ、このワークをプレス部材によりワーク保持部材に押し付けた状態で下降させて、ワーク保持部材に保持されたワークを冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬させ、この状態で、ワークを保持させたワーク保持部材を回転装置(電動モーター等)により回転させてワークを冷却させるにあたり、回転装置を焼入れ室の外部に設け、この回転装置から延出された回転軸を前記の冷却液槽における冷却液中に導入させ、この回転軸の回転を回転伝達機構によりワークを保持させたワーク保持部材に伝達させて、前記のワーク保持部材に保持されたワークを、前記の冷却液槽内に収容された冷却液中において回転させて冷却させるようにしたため、回転装置が焼入れ室の外部で放冷でき、焼入れ室の内部に回転装置を設けた場合のように回転装置が過剰に加熱されて損傷するということがなくなる。
【0021】
また、前記のようにワーク保持部材の中央部に設けた貫通穴に冷却液噴出管を導入させ、前記の冷却液噴出管から冷却液槽における冷却液を、ワーク保持部材の上に保持された前記のワークの下から噴出させるようにしたため、ワーク保持部材に保持させたワークの底面も冷却液によって十分に冷却されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、ワークを加熱処理する熱処理炉と冷却液が収容された冷却液槽を有する焼入れ室とを密封した状態で連通させる連通路を通して、熱処理炉において加熱処理されたワークを焼入れ室内におけるワーク保持部材の上に導く状態を示したワークの移動方向における概略断面説明図である。
図2】前記の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、前記のワークが導かれる焼入れ室内におけるワーク保持部材を回転させる構成として、焼入れ室の外部に設けた回転装置から延出された回転軸を冷却液槽に収容された冷却液中に導入させ、この回転軸と連動して回転する回転伝達機構を設けた状態を示したワークの移動方向と交差する方向における概略断面説明図である。
図3】前記の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、ワークを保持させるワーク保持部材の上面部の例を示し、(A)はワーク保持部材の上面部にワーク保持部材の中央部に設けた貫通穴からワーク保持部材の外周に向けて放射状に複数の直線状になった冷却液案内溝を設けた状態を示した概略平面図、(B)はワーク保持部材の上面部にワーク保持部材の中央部に設けた貫通穴からワーク保持部材の外周に向けて放射状に複数の円弧状になった冷却液案内溝を設けた状態を示した概略平面図である。
図4】前記の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、熱処理炉において加熱処理されたワークを、連通路を通して焼入れ室内におけるワーク保持部材の上面部に保持させた状態を示したワークの移動方向における概略断面説明図である。
図5】前記の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、図4に示す状態から、焼入れ室の上に設けた昇降装置から焼入れ室内に導入させた一対の吊下げ用チェーンによって昇降される昇降用フレームの上に設けたプレス用シリンダーにおける伸縮ロッドを伸長させ、この伸縮ロッドの先端に回転可能に取り付けられたプレス板によって、焼入れ室内においてワーク保持部材の上面部に保持されたワークを押圧させた状態を示したワークの移動方向における概略断面説明図である。
図6】前記の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、図5に示す状態から、前記の昇降装置に設けた吊下げ用チェーンによって昇降用フレームと一緒に前記のワーク保持部材を下降させて、プレス板によってワークをワーク保持部材の上面部に押圧させた状態で、焼入れ室の冷却液槽における冷却液中に浸漬させた状態を示したワークの移動方向における概略断面説明図である。
図7】前記の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、図6に示した状態から、前記のワーク保持部材を回転装置から延出された回転軸により回転伝達機構を介して回転させると共に、ワーク保持部材の中央部に設けた貫通穴に導入された冷却液噴出管を通して冷却液をワークの底面に向けて噴出させ、ワーク保持部材の上面部に設けた案内溝を通してワークの底面に導いて、ワークを冷却液中で冷却させる状態を示し、(A)は回転装置から延出された回転軸により回転伝達機構を介して前記のワーク保持部材を回転させる状態を示したワークの移動方向と交差する方向における概略断面説明図、(B)は前記の状態を示したワークの移動方向における概略断面説明図である。
図8】前記の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、図7に示した状態から、回転装置によるワーク保持部材の回転を停止させ、前記のプレス用シリンダーにおける伸縮ロッドを収縮させて、前記のプレス板をワークから離間させて冷却液中から持ち上げた状態を示したワークの移動方向における概略断面説明図である。
図9】前記の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、図8に示した状態から、前記の焼入れ室における冷却液槽の外部に設けた移送用シリンダーにおけるプッシャーを取り出し室に向けて伸長させて、ワーク保持部材の上面部に保持されたワークを、焼入れ室と冷却液槽が連通する取り出し室における冷却液中に浸漬された取出し用保持台の上に移載させた状態を示したワークの移動方向における概略断面説明図である。
図10】前記の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、図9に示した状態から、前記の移送用シリンダーにおけるプッシャーを収縮させた状態を示したワークの移動方向における概略断面説明図である。
図11】前記の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、図10に示した状態から、取り出し室の冷却液槽の冷却液中においてワークが移載された前記の取出し用保持台を取出し用昇降装置により上昇させて、前記の冷却液槽における冷却液中から持ち上げて前記の取出し用保持台を取り出し室内に導くと共に、前記の昇降用ウインチにより前記の昇降台と一緒に前記のワーク保持部材を上昇させて、昇降台及びワーク保持部材を熱処理炉において加熱処理されたワークを導く元の位置に戻した状態を示したワークの移動方向における概略断面説明図である。
図12】前記の実施形態に係るワークの焼入処理装置において、図11に示した状態から、取り出し室内に導かれた前記の取出し用保持台に保持されたワークを、取り出し室内から外部に取り出した状態を示したワークの移動方向における概略断面説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係るワークの焼入処理装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係るワークの焼入処理装置は下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0024】
ここで、図1等に示す実施形態におけるワークの焼入処理装置においては、ワークWを加熱処理する熱処理炉10と、加熱処理されたワークWを焼入れさせる焼入れ室20とを密封させた状態で連通路11により連通させ、熱処理炉10内において加熱処理されたワークWを、この連通路11を通して密封させた状態で前記の焼入れ室20に導くようにしている。
【0025】
そして、この実施形態におけるワークの焼入処理装置においては、熱処理炉10において加熱処理され、前記の連通路11を通して焼入れ室20内に導入されたワークWを、焼入れ室20内に設けられたワーク保持部材21の上面部211の上に保持させ、ワークWをプレス手段30によりワーク保持部材21の上面部211に押し付けた状態で、ワーク保持部材21を昇降させる昇降手段40によりワーク保持部材21を下降させて、このワーク保持部材21と一緒にその上面部211に保持されたワークWを、焼入れ室20の下方における冷却液槽50に収容された冷却液x中に浸漬させ、加熱処理されたワークWを冷却させて焼入れ処理するようにしている。
【0026】
ここで、この実施形態におけるワークの焼入処理装置においては、前記のようにワーク保持部材21を昇降させる昇降手段40として、図2等に示すように、焼入れ室20の天井20aの上に設けた昇降用装置41から焼入れ室20内に一対の吊下げ用チェーン42を導入させ、この吊下げ用チェーン42に昇降用フレーム43を吊下げると共に、この昇降用フレーム43の両側に設けられたリニアガイド44を、それぞれ焼入れ室20内の両側において上下方向に設けられたガイド部材45にスライド可能に装着させて、前記の昇降用フレーム43をガイド部材45に沿って上下方向にスライドできるようにしている。
【0027】
また、この実施形態においては、前記の昇降用フレーム43の両側部から一対の支持アーム46を下方に延出させて、前記の冷却液槽50に収容された冷却液xの中に浸漬させると共に、この一対の支持アーム46の下端に保持部材47を設けている。そして、この保持部材47の中央部に上方に向けて筒状に延出された回転支持部47aを設け、この回転支持部47aの内周側に設けた軸受け47bを介して前記のワーク保持部材21を回転可能に保持させるようにしている。
【0028】
また、前記の保持部材47においては、前記のワーク保持部材21を回転させるための回転装置60を焼入れ室20の外部に設けるように、この保持部材47を前記の焼入れ室20よりも前記のワークWを移動させる方向と交差する片側の方向に延出された冷却液槽50における冷却液xの中に延出させ、焼入れ室20の外部に延出された保持部材47の上に、回転装置60を冷却液槽50の上方において保持する回転装置保持台61を設けている。
【0029】
そして、この回転装置保持台61の上に保持された回転装置60によって回転される回転軸62を、前記の回転装置保持台61の上から下方に延出させて冷却液槽50の冷却液xの中に導き、さらにこの回転軸62を前記の保持部材47を通して下方に延出させ、この回転軸62の先端に、前記のワーク保持部材21を回転させる回転伝達機構70の1つとして回転ギア71を設けている。
【0030】
また、回転軸62は、冷却液槽50の冷却液xで外部とシールされているため、例えば、冷却液槽50の底板を貫通させて回転軸62を設ける場合のように、液漏れ防止のシール機構を設ける必要がなく、構造が簡単になる。
【0031】
また、前記のワーク保持部材21においては、図2等に示すように、その中央部に貫通穴212を設け、冷却液槽50における冷却液xをワーク保持部材21の上面部211に保持されたワークWの下から吹き付ける冷却液噴出管51を導入させる貫通穴212を設けると共に、ワーク保持部材21の上面部に、その中央部における前記の貫通穴212からワーク保持部材21の外周に延びた複数の冷却液案内溝213を設け、ワークWの下から吹き付けられた冷却液xを、各冷却液案内溝213によりワークWの下を通してワーク保持部材21の外周に導いて、ワークWの下面を冷却液xによって冷却させるようにしている。
【0032】
ここで、ワーク保持部材21の上面部211の中央部における貫通穴212からワーク保持部材21の外周に延びるように設ける複数の冷却液案内溝213の形状や数などは特に限定されない。例えば、図3(A)に示すように、ワーク保持部材21の上面部211の中央部における貫通穴212からワーク保持部材21の外周に向けて放射状に複数の直線状になった冷却液案内溝213aを設けるようにしたり、図3(B)に示すように、ワーク保持部材21の上面部の中央部における貫通穴212からワーク保持部材21の外周に向けて放射状に複数の円弧状になった冷却液案内溝213bを設けるようにすることができる。
【0033】
ここで、ワークWの下面が平坦であった場合は、冷却液xがワークWの下面の貫通穴212の部分にしか接触できないが、このようにするとそれ以外の部分にも冷却液xが接触でき、冷却効率が向上する。また、ワーク保持部材21が回転することにより、冷却液案内溝213に遠心力が生じ、冷却液xが冷却液案内溝213の内部を素速く流れていくようになる。また、図3(B)に示すように、冷却液案内溝213bのように円弧状にすることにより、冷却液xがさらにスムーズに流れていくようになる。
【0034】
また、前記のワーク保持部材21においては、中央部に貫通穴212が設けられて前記の上面部211から下方に延出された筒状の胴部214を、前記の保持部材47の中央部に上方に向けて筒状に延出された回転支持部47aに前記の軸受け47bを介して回転可能に保持させている。
【0035】
また、このワーク保持部材21を、前記の回転装置60によって回転させる回転伝達機構70として、前記のワーク保持部材21の胴部214の下端にワーク保持部材21を回転させる径大のギア部72を設けると共に、前記の回転装置60によって回転される回転軸62の先端に設けた前記の回転ギア71とこのギア部72とに噛み合うようにして、前記の保持部材47にアイドルギア73を設け、回転軸62の先端に設けた回転ギア71の回転を前記のアイドルギア73を介してワーク保持部材21の胴部214の下端におけるギア部72に伝達させて、ワーク保持部材21を回転装置60によって回転させるようにしている。
【0036】
また、この実施形態におけるワークの焼入処理装置においては、前記のようにワーク保持部材21の上面部211に導かれたワークWをワーク保持部材21の上面部211に押し付けるプレス手段30として、前記の昇降用装置41から焼入れ室20内に導入させた吊下げ用チェーン42によって吊下げられた昇降用フレーム43の上にプレス用シリンダー31を設け、このプレス用シリンダー31から下方に向けて伸縮される伸縮ロッド32の先端部に、軸受け33を介してプレス板34を回転可能に取り付けたものを用いている。
【0037】
そして、前記のプレス用シリンダー31により伸縮ロッド32を下方に向けて伸長させ、この伸縮ロッド32の先端に回転可能に取り付けられた前記のプレス板34によって、ワーク保持部材21の上面部211に保持されたワークWを押圧させるようにしている。
【0038】
また、この実施形態におけるワークの焼入処理装置においては、前記のように加熱処理されてワーク保持部材21の上面部に保持されたワークWをプレス手段30によりワーク保持部材21の上面部211に押し付けた状態で、昇降手段40により前記のワーク保持部材21を下降させ、このワーク保持部材21と一緒にワークWを焼入れ室20の下方における冷却液槽50に収容された冷却液x中に浸漬させて焼入れ処理する場合に、ワーク保持部材21の中央部における前記の貫通穴212に導入させた冷却液噴出管51を通して、冷却液槽50内の冷却液xをワークWの下から吹き付けるにあたって、冷却液槽50内における冷却液xを循環させるようにして前記の冷却液噴出管51に供給する循環ポンプ等の循環手段52を設け、この循環手段52により冷却液槽50内における冷却液xを前記の冷却液噴出管51を通して前記のワークWの下に連続して吹き付けるようにしている。
【0039】
また、この実施形態におけるワークの焼入処理装置においては、前記の焼入れ室20よりもワークWの送り方向下流側に、焼入れ室20の下方における冷却液xを収容させた冷却液槽50と連通する取り出し室80を設け、この取り出し室80の上に設けた取出し用昇降装置81から昇降用ロッド82を取り出し室80内に延出させて、この昇降用ロッド82の先端部に取出し用保持台83を取り付けている。
【0040】
また、焼入れ室20と取り出し室80とは、その間に隔壁12が設けられ、その下端を冷却液xに浸漬させることにより、熱処理室10や連通路11や焼入れ室20の内部の雰囲気が外部に漏れないようにシールされている。
【0041】
そして、前記の取出し用昇降装置81から昇降用ロッド82を伸長させて、前記の取出し用保持台83を取り出し室80の下方における冷却液槽50に収容された冷却液x中に浸漬させて保持させるようにする一方、前記の昇降用ロッド82を収縮させて、前記の冷却液槽50における冷却液x中に浸漬された取出し用保持台83を、冷却液x中から取り出し室80内に取り出し、取り出し室80内に取り出された前記のワークWを、取り出し室80から外部に設けた送り部材85に導くようにしている。
【0042】
また、この実施形態におけるワークの焼入処理装置においては、前記の取り出し室80と反対側におけるワークWの送り方向上流側における冷却液槽50の外部に移送用シリンダー53を設け、この移送用シリンダー53から冷却液槽50における冷却液x中に導入させたプッシャー53aをワークWの送り方向に伸縮させるようにしている。
【0043】
そして、ワーク保持部材21の上面部211に保持させたワークWを、前記のように焼入れ室20の下方における冷却液槽50に収容された冷却液x中に浸漬させて冷却させ、前記のプレス手段30におけるプレス板34によるワークWの押し付けを解除させた後、前記の移送用シリンダー53におけるプッシャー53aを前記の取り出し室80に向けて伸長させて、ワーク保持部材21の上面部211に保持させたワークWを、焼入れ室20と取り出し室80との間の冷却液槽50の冷却液x中に設けられた案内ガイド台84を通して、前記のように取り出し室80の下方における冷却液槽50の冷却液x中に浸漬させた状態にある前記の取出し用保持台83の上に移載させるようにしている。
【0044】
そして、この実施形態におけるワークの焼入処理装置において、熱処理炉10において加熱処理されたワークWを焼入れ室20において焼入れ処理するにあたっては、熱処理炉10において加熱処理されたワークWを、図4に示すように、熱処理炉10と焼入れ室20とを密封させた状態で連通させた連通路11を通して焼入れ室20内に導くと共に、前記の昇降手段40によって前記のワーク保持部材21を焼入れ室20内において上昇させて、このワーク保持部材21の上面部211の上にワークWを保持させるようにする。
【0045】
また、このようにワーク保持部材21の上面部211の上にワークWを保持させた後、図5に示すように、前記のようにプレス手段30における伸縮ロッド32を伸長させて、この伸縮ロッド32の先端に回転可能に取り付けられた前記のプレス板34によって、前記のワークWをワーク保持部材21の上面部211に押し付けるようにする。
【0046】
そして、このようにプレス手段30におけるプレス板34によってワークWをワーク保持部材21の上面部211に押し付けた状態で、図6に示すように、前記の昇降手段40によって前記のワーク保持部材21と一緒にプレス手段30を下降させ、このワーク保持部材21の上面部211に保持されたワークWを、焼入れ室20の下方における冷却液槽50に収容された冷却液x中に浸漬させると共に、前記のワーク保持部材21の中央部における前記の貫通穴212内に、冷却液槽50に収容された冷却液xをワーク保持部材21の上面部211に保持されたワークWの下から吹き付ける冷却液噴出管51を挿入させる。
【0047】
次いで、このようにプレス板34によってワークWをワーク保持部材21の上面部211に押し付け、ワーク保持部材21の上面部211に保持されたワークWを焼入れ室20の下方における冷却液槽50に収容された冷却液x中に浸漬させると共に、ワーク保持部材21の中央部における貫通穴212内に冷却液噴出管51を挿入させた状態で、図7(A),(B)に示すように、焼入れ室20の外部に設けた回転装置60から冷却液槽50に収容された冷却液xの中に導入させた回転軸62を回転させ、この回転軸62の先端に設けた回転ギア71と、ワーク保持部材21の下端における径大のギア部72と、前記の回転ギア71とギア部72とに噛み合うようにして保持部材47に設けたアイドルギア73とからなる回転伝達機構70を介して、前記のワーク保持部材21と一緒に、プレス板34によってワーク保持部材21の上面部211に押し付けたワークWを回転させて、ワークWを冷却液槽50における冷却液x中で冷却させるようにする。また、前記の冷却液槽50内における冷却液xを前記の循環手段52によって循環させながら、この冷却液xをワーク保持部材21の中央部における貫通穴212に導入させた前記の冷却液噴出管51を通してワークWの下に連続して吹き付けると共に、このように吹付けた冷却液xをワーク保持部材21の上面部211の中央部における貫通穴212からワーク保持部材21の外周に延びるように設けた各冷却液案内溝213を通してワークWの下に導き、ワークWの下面も冷却液xによって冷却させるようにする。
【0048】
また、このようにしてワーク保持部材21の上面部211におけるワークWを冷却させた後、図8に示すように、前記のプレス手段30における伸縮ロッド32を収縮させて、ワークWをワーク保持部材21の上面部211に押し付けていたプレス板34を冷却液槽50における冷却液xの上に移動させる。
【0049】
次いで、図9に示すように、取り出し室80と反対側におけるワークWの送り方向上流側における冷却液槽50の外部に設けた移送用シリンダー53から冷却液槽50における冷却液x中に導入させたプッシャー53aをワークWの送り方向に伸長させて、ワーク保持部材21に上面部211に保持させたワークWを、焼入れ室20と取り出し室80との間の冷却液槽50の冷却液x中における案内ガイド台84を通して、前記のように取り出し室80の下方における冷却液槽50の冷却液x中に浸漬させた状態にある取出し用保持台83の上に移載させる。その後、図10に示すように、前記の移送用シリンダー53からワークWの送り方向に伸長させたプッシャー53aを収縮させて元の位置に戻す。
【0050】
そして、前記のように取り出し室80の下方における冷却液槽50の冷却液x中に浸漬させた取出し用保持台83にワークWを移載させた後、図11に示すように、前記の取り出し室80の上に設けた取出し用昇降装置81における昇降用ロッド82を収縮させて、ワークWが移載された前記の取出し用保持台83を上昇させ、この取出し用保持台83を前記の冷却液槽50における冷却液xの上に移動させて取り出し室80内に導くと共に、前記の昇降手段40によってワークWを移動させた後のワーク保持部材21とプレス手段30とを上昇させて焼入れ室20内に導き、これらを元の状態に戻す。
【0051】
その後、図12に示すように、取り出し室80内に導かれた前記の取出し用保持台83に保持されたワークWを、この取り出し室80の外部に設けた送り部材85に導くようにすると共に、前記のように熱処理炉10において加熱処理されたワークWを、熱処理炉10と焼入れ室20とを密封させた状態で連通させた連通路11に導き、前記のような操作を繰り返して行い、熱処理炉10において加熱処理されたワークWを順々に焼入れ処理するようにしている。
【符号の説明】
【0052】
10 :熱処理炉
11 :連通路
12 :隔壁
20 :焼入れ室
20a :天井
21 :ワーク保持部材
30 :プレス手段
31 :プレス用シリンダー
32 :伸縮ロッド
33 :軸受け
34 :プレス板
40 :昇降手段
41 :昇降用装置
42 :吊下げ用チェーン
43 :昇降用フレーム
44 :リニアガイド
45 :ガイド部材
46 :支持アーム
47 :保持部材
47a :回転支持部
47b :軸受け
50 :冷却液槽
51 :冷却液噴出管
52 :循環手段
53 :移送用シリンダー
53a :プッシャー
60 :回転装置
61 :回転装置保持台
62 :回転軸
70 :回転伝達機構
71 :回転ギア
72 :ギア部
73 :アイドルギア
80 :取り出し室
81 :取出し用昇降装置
82 :昇降用ロッド
83 :取出し用保持台
84 :案内ガイド台
85 :送り部材
211 :上面部
212 :貫通穴
213 :冷却液案内溝
213a :冷却液案内溝
213b :冷却液案内溝
214 :胴部
W :ワーク
x :冷却液

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2018年11月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを加熱処理する熱処理炉と焼入れ室と密封させた状態で連続するように設けられると共に、前記の熱処理炉において加熱処理されて焼入れ室内に導入されたワーク前記の焼入れ室内に設けられたワーク保持部材の上に保持さ、前記のワークプレス手段により前記のワーク保持部材の上に押し付けられた状態で、前記のワーク保持部材昇降手段により下降さて、このワーク保持部材に保持された前記のワーク、焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬さて焼入れ処理されるワークの焼入処理装置において、前記の焼入れ室の外部に設けた回転装置から延出された回転軸前記の冷却液槽に収容された冷却液中に導入さると共に、この回転軸と連動して回転する回転伝達機構前記の冷却液中に設けられ、前記のようにプレス手段によりワークが押し付けられた前記のワーク保持部材焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬さた状態で、前記の回転装置における回転軸により回転伝達機構を介して前記のワーク保持部材回転さると共に、前記のワーク保持部材の中央部に設けた貫通穴に冷却液噴出管導入さ、前記の冷却液噴出管から冷却液槽における冷却液、前記のワーク保持部材の上に保持された前記のワークの下から噴出さることを特徴とするワークの焼入処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワークの焼入処理装置において、前記の焼入れ室の外側の位置に設けられた回転装置から前記の回転軸下方に向けて延出さて前記の冷却液槽に収容された冷却液中に導入されていることを特徴とするワークの焼入処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のワークの焼入処理装置において、ワークを保持させる前記のワーク保持部材の上面部に、ワーク保持部材の中央部に設けられた前記の貫通穴からワーク保持部材の外周に延びた複数の冷却液案内溝設けられたことを特徴とするワークの焼入処理装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のワークの焼入処理装置において、前記の焼入れ室の下方に設けられ冷却液槽に収容された冷却液前記の冷却液噴出管に供給されて循環さる循環手段設けられたことを特徴とするワークの焼入処理装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のワークの焼入処理装置において、前記の焼入れ室の下方における冷却液槽と連通する冷却液槽取り出し室の下方に設けられ、前記のワーク保持部材に保持されて焼入れ室の下方の冷却液槽における冷却液中で冷却さたワーク、前記のワーク保持部材から前記の取り出し室における冷却液槽内に昇降可能に設けられた取出し用保持台に送られ、この取出し用保持台取出し用昇降装置により上昇さて、ワークを保持した前記の取出し用保持台、冷却液槽に収容された冷却液中から取り出し室内に取り出されることを特徴とするワークの焼入処理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明に係るワークの焼入処理装置においては、前記のような課題を解決するため、ワークを加熱処理する熱処理炉と焼入れ室と密封させた状態で連続するように設けられると共に、前記の熱処理炉において加熱処理されて焼入れ室内に導入されたワーク前記の焼入れ室内に設けられたワーク保持部材の上に保持さ、前記のワークプレス手段により前記のワーク保持部材の上に押し付けられた状態で、前記のワーク保持部材昇降手段により下降さて、このワーク保持部材に保持された前記のワーク、焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬さて焼入れ処理されるワークの焼入処理装置において、前記の焼入れ室の外部に設けた回転装置から延出された回転軸前記の冷却液槽に収容された冷却液中に導入さると共に、この回転軸と連動して回転する回転伝達機構前記の冷却液中に設けられ、前記のようにプレス手段によりワークが押し付けられた前記のワーク保持部材焼入れ室の下方に設けた冷却液槽に収容された冷却液中に浸漬さた状態で、前記の回転装置における回転軸により回転伝達機構を介して前記のワーク保持部材回転さると共に、前記のワーク保持部材の中央部に設けた貫通穴に冷却液噴出管導入さ、前記の冷却液噴出管から冷却液槽における冷却液、前記のワーク保持部材の上に保持された前記のワークの下から噴出さるようになっている。