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特開2019-91008レンズおよび平面ミラーを備えたクローキングデバイスおよびこれを含むビークル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-91008(P2019-91008A)
(43)【公開日】2019年6月13日
(54)【発明の名称】レンズおよび平面ミラーを備えたクローキングデバイスおよびこれを含むビークル
(51)【国際特許分類】
   G02B 17/08 20060101AFI20190524BHJP
   G02B 5/04 20060101ALI20190524BHJP
   B60R 1/04 20060101ALI20190524BHJP
【FI】
   G02B17/08 Z
   G02B5/04 G
   B60R1/04 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2018-154562(P2018-154562)
(22)【出願日】2018年8月21日
(31)【優先権主張番号】15/704,803
(32)【優先日】2017年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】イ キュ−テ
(72)【発明者】
【氏名】デバシシュ バナージー
【テーマコード(参考)】
2H042
2H087
【Fターム(参考)】
2H042CA12
2H042CA17
2H087KA00
2H087TA01
2H087TA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両、乗り物、輸送体のピラーを透明に見えるようにするための方法を提供する。
【解決手段】クローキングデバイスは、物体サイド12、画像サイド14、外向きミラー表面112,122,132,142を有する物体サイドクローキング領域反射境界、および、外向きミラー表面を有する画像サイドCR反射境界120,140を含む。クローキング領域200は、物体サイドCR反射境界110,130および画像サイドCR反射境界により囲まれている。物体サイドレンズ150,170、画像サイドレンズ160,180、および少なくとも1つの外部反射境界115,135が含まれている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クローキングデバイスであって、
物体サイド、画像サイド、および、前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する頂点軸と、
外向きミラー表面と内向き表面とを有する物体サイドCR反射境界、および、外向きミラー表面と内向き表面とを有する画像サイドCR反射境界と、
前記物体サイドCR反射境界および前記画像サイドCR反射境界の前記内向き表面により囲まれたクローキング領域と、
各々が外向き凸状表面を含む、物体サイドレンズおよび画像サイドレンズと、
前記物体サイドCR反射境界および前記画像サイドCR反射境界から離隔された内向きミラー表面を含む少なくとも1つの外部反射境界と、
を含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイドレンズにより集束され、前記物体サイドCR反射境界、前記少なくとも1つの外部反射境界および前記画像サイドCR反射境界により反射され、前記画像サイドレンズにより集束されて前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記クローキング領域を通過したようにみえる、
クローキングデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの外部反射境界が、前記物体サイドCR反射境界および前記画像サイドCR反射境界に面する前記内向きミラー表面を備えた、中央に位置付けされた外部反射境界を含む、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項3】
前記物体サイドレンズは、前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を前記物体サイドCR反射境界に集束させるように配向されており、前記物体サイドCR反射境界は、前記物体サイドレンズから集束された光を前記中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面に反射するよう配向されており、前記中央に位置付けされた外部反射境界の内向きミラー表面は、前記物体サイドCR反射境界からの光を前記画像サイドCR反射境界に反射するように配向されており、前記画像サイドCR反射境界は、前記中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面からの光を前記画像サイドレンズに反射するように配向されており、前記画像サイドレンズは、前記画像サイドCR反射境界からの光を集束させて前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、請求項2に記載のクローキングデバイス。
【請求項4】
前記物体サイドレンズは、前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を焦線に集束させ、前記中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面は前記焦線に位置付けされている、請求項2に記載のクローキングデバイス。
【請求項5】
前記中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面は前記頂点軸に対して平行に配向されている、請求項2に記載のクローキングデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの外部反射境界は、内向きミラー表面を備えた物体サイド外部反射境界と、外向きミラー表面を備えた中央に位置付けされた反射境界と、内向きミラー表面を備えた画像サイド外部反射境界と、を含む、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項7】
前記物体サイド外部反射境界の前記内向きミラー表面は、前記物体サイドCR反射境界の前記外向きミラー表面および前記中央に位置付けされた反射境界の前記外向きミラー表面に面しており、
前記画像サイド外部反射境界の前記内向きミラー表面は、前記中央に位置付けされた反射境界の前記外向きミラー表面および前記画像サイドCR反射境界の前記外向きミラー表面に面している、
請求項6に記載のクローキングデバイス。
【請求項8】
前記物体サイドレンズは、前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を前記物体サイドCR反射境界に集束させるように配向されており、前記物体サイドCR反射境界は、前記物体サイドレンズから集束された光を前記物体サイド外部反射境界に反射するように配向されており、前記物体サイド外部反射境界は、前記物体サイドCR反射境界からの光を前記中央に位置付けされた反射境界に反射するように配向されており、前記中央に位置付けされた反射境界は、前記物体サイド外部反射境界からの光を前記画像サイド外部反射境界に反射するように配向されており、前記画像サイド外部反射境界は、前記中央に位置付けされた反射境界からの光を前記画像サイドCR反射境界に反射するように配向されており、前記画像サイドCR反射境界は、前記画像サイド外部反射境界からの光を前記画像サイドレンズに反射するように配向されており、前記画像サイドレンズは、前記画像サイドCR反射境界からの光を集束させて前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、請求項6に記載のクローキングデバイス。
【請求項9】
前記中央に位置付けされた反射境界の前記外向きミラー表面が前記頂点軸に対して平行に配向されている、請求項6に記載のクローキングデバイス。
【請求項10】
請求項1に記載のクローキングデバイスを含むビークルであって、前記ビークルのAピラーが前記クローキング領域の内部に位置付けされている、ビークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本明細書は、概して、物体が透明に見えるようにするための装置および方法に関し、より具体的には、ビークル(車両、乗り物、輸送体)のピラー用のクローキングデバイスおよびビークルのピラーを透明に見えるようにするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ビークルのピラーを透明にすると考えられるクローキングデバイスについての研究が公表されている。このような研究は、ビークルの乗員が見掛け上、ビークルピラーを通して「見る」ことができるようにし、これによってビークル内の死角を減少させるためにメタマテリアルを使用すること、または表示スクリーンと組み合わせてビデオカメラを使用することを開示している。しかしながら、メタマテリアルおよびビデオ技術は、複雑な材料設計および設備を使用する。
【発明の概要】
【0003】
したがって、ビークルのピラーを透明にすると考えられる代替的なデバイスに対するニーズが存在する。
【0004】
概要
一実施形態において、クローキングデバイスは、物体サイド、画像サイド、および、物体サイドから画像サイドまで延在する頂点軸を含む。外向きミラー表面と内向き表面とを有する物体サイドクローキング領域(CR)反射境界、および外向きミラー表面と内向き表面とを有する画像サイドCR反射境界が含まれる。クローキング領域は、物体サイドCR反射境界および画像サイドCR反射境界の内向き表面により囲まれている。物体サイドレンズ、画像サイドレンズおよび少なくとも1つの外部反射境界が含まれている。物体サイドレンズおよび画像サイドレンズは、各々内向き表面と外向き凸状表面とを含み、少なくとも1つの外部反射境界は、物体サイドCR反射境界および画像サイドCR反射境界から離隔された内向きミラー表面を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの外部反射境界は、物体サイドCR反射境界および画像サイドCR反射境界に面した内向きミラー表面を備えた、中央に位置付けされた外部反射境界である。他の実施形態において、少なくとも1つの外部反射境界は、内向きミラー表面を備えた物体サイド外部反射境界、外向きミラー表面を備えた中央に位置付けされた反射境界および内向きミラー表面を備えた画像サイド外部反射境界を含む。クローキングデバイスの物体サイドに位置付けされクローキングデバイスにより視認不能化された物体からの光は、物体サイドレンズにより集束され、物体サイドCR反射境界、少なくとも1つの外部反射境界および画像サイドCR反射境界により反射され、画像サイドレンズにより集束されて、クローキングデバイスの画像サイドに物体の画像を形成し、こうして物体からの光がクローキング領域を通過したようにみえる。
【0005】
別の実施形態において、クローキングデバイスアセンブリは、物体サイド、画像サイド、物体サイドから画像サイドまで延在する頂点軸、一対の物体サイドクローキング領域(CR)反射境界、および、一対の画像サイドCR反射境界を含む。一対の物体サイドCR反射境界は、頂点軸の第1の側に位置付けされた第1の物体サイドCR反射境界および頂点軸の第2の側に位置付けされた第2の物体サイドCR反射境界を含む。一対の画像サイドCR反射境界は、頂点軸の第1の側に位置付けされた第1の画像サイドCR反射境界および第1の側と反対側の頂点軸の第2の側に位置付けされた第2の画像サイドCR反射境界を含む。一対の物体サイドCR反射境界の各々および一対の画像サイドCR反射境界の各々は、外向きミラー表面および内向き表面を含んでいる。クローキング領域は、一対の物体サイドCR反射境界および一対の画像サイドCR反射境界の内向き表面により囲まれている。一対の物体サイドレンズおよび一対の画像サイドレンズが含まれている。一対の物体サイドレンズは、頂点軸の第1の側に位置付けされた第1の物体サイドレンズおよび頂点軸の第2の側に位置付けされた第2の物体サイドレンズを含む。同様に、一対の画像サイドレンズは、頂点軸の第1の側に位置付けされた第1の画像サイドレンズおよび頂点軸の第2の側に位置付けされた第2の画像サイドレンズを含む。一対の物体サイドレンズの各々および一対の画像サイドレンズの各々は、内向き表面および外向き凸状表面を含む。頂点軸の第1の側に位置付けされた第1の外部反射境界および頂点軸の第2の側に位置付けされた第2の外部反射境界を備えた少なくとも一対の外部反射境界が含まれている。いくつかの実施形態において、少なくとも一対の外部反射境界は、内向きミラー表面を備えた一対の中央に位置付けされた外部反射境界である。他の実施形態において、少なくとも一対の外部反射境界は、内向きミラー表面を備えた一対の物体サイド外部反射境界、外向きミラー表面を備えた一対の中央に位置付けされた反射境界、および内向きミラー表面を備えた一対の画像サイド外部反射境界を含む。前記クローキングデバイスアセンブリの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された物体からの光は、一対の物体サイドレンズにより集束され、一対の物体サイドCR反射境界、少なくとも一対の外部反射境界および一対の画像サイドCR反射境界によって反射され、一対の画像サイドレンズ対により集束されてクローキングデバイスアセンブリの画像サイドに物体の画像を形成し、こうして物体からの光はクローキング領域を通過したようにみえる。
【0006】
さらに別の実施形態においては、ビークルが、Aピラーと、物体サイドおよび画像サイドを備えたクローキングアセンブリと、を含んでいる。このクローキングアセンブリは、外向きミラー表面と内向き表面とを備えた物体サイドクローキング領域(CR)反射境界、および、外向きミラー表面と内向き表面とを備えた画像サイドCR反射境界を含む。クローキング領域は、物体サイドCR反射境界および画像サイドCR反射境界の内向き表面により囲まれており、Aピラーは、クローキング領域の内部に位置付けされている。物体サイド色消しレンズ、画像サイド色消しレンズ、および少なくとも1つの外部反射境界が含まれている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの外部反射境界は、内向きミラー表面を備えた中央に位置付けされた外部反射境界を含む。他の実施形態において、少なくとも1つの外部反射境界は、内向きミラー表面を備えた物体サイド外部反射境界、外向きミラー表面を備えた中央に位置付けされた反射境界および内向きミラー表面を備えた画像サイド外部反射境界を含む。クローキングデバイスの物体サイドに位置付けされクローキングデバイスにより視認不能化された物体からの光は、物体サイド色消しレンズにより集束され、物体サイドCR反射境界、少なくとも1つの外部反射境界および画像サイドCR反射境界により反射され、画像サイド色消しレンズによって集束されて、クローキングデバイスの画像サイドに物体の画像を形成し、こうして物体からの光がAピラーを通過したようにみえる。
【0007】
本開示中に記載の実施形態により提供されるこれらのおよび付加的な特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することでより完全に理解されるものである。
【0008】
図面中に明記されている実施形態は、事実上説明的かつ例示的なものであり、特許請求の範囲によって定義されている主題を限定するように意図されたものではない。例示的実施形態についての以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読んだ場合に理解可能であり、これらの図面中、類似の構造には、類似の参照番号が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に描いている。
【0010】
図2】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイス用の色消し円柱レンズを概略的に描いている。
【0011】
図3】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイス用の円柱レンズを概略的に描いている。
【0012】
図4】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に描いている。
【0013】
図5】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に描いている。
【0014】
図6】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に描いている。
【0015】
図7】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの一方の側に第1の物体があり、クローキングデバイスのクローキング領域内に第2の物体がある状態の、図1および5のクローキングデバイスの頂面斜視図を概略的に描いている。
【0016】
図8】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの一方の側に第1の物体があり、クローキングデバイスのクローキング領域内に第2の物体がある状態の、図1および5のクローキングデバイスの側面図を概略的に描いている。
【0017】
図9】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るビークルのビークルAピラーをクローキングするクローキングデバイスを概略的に描いている。
【0018】
図10A】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が0°である、図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0019】
図10B】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が1°である、図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0020】
図10C】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が2°である、図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0021】
図10D】頂点軸とクローキングデバイスの視角の間の不整合が3°である、図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
本開示中に記載の1つ以上(1又は複数)の実施形態によると、クローキングデバイスは概して、複数のレンズおよび複数の平面ミラーを含み、これらが入射光をクローキング領域の周りに導く。本開示中に記載のクローキングデバイスは、物体からの光を集束させ、反射し、再度集束させるために、色消しレンズ、円柱レンズおよび平面ミラーを利用することができる。本開示中に記載のクローキングデバイスは、ビークルAピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラーなどのビークル部材をクローキングし、ビークル部材がもたらす「死角」を除去するために使用可能である。死角とは、乗員の視界が妨害され得るビークルの領域を意味する。クローキングデバイスがなければビークルのピラーによって妨害されると思われる画像を、レンズおよび平面ミラーを使用することにより、ドライバは、知覚することができる。本開示では、クローキングデバイスのさまざまな実施形態およびその使用方法が、添付図面を具体的に参照しながら、さらに詳細に説明される。
【0023】
図1は概して、クローキングデバイスの一実施形態を描いている。クローキングデバイスは、少なくとも2つのCR反射境界により少なくとも部分的に囲まれているクローキング領域(CR)、少なくとも2つのレンズおよび少なくとも2つのCR反射境界から離隔された少なくとも1つの外部反射境界を含む。本開示中で使用される「境界」なる用語は、物理的表面を意味し、「反射境界」なる用語は、「平面反射境界」(単数及び複数)をそれぞれ意味する。「外部」なる用語は、CR反射境界の1つから離隔された、すなわち、CR反射境界の1つから既定の距離のところに位置付けされた境界またはミラー表面を意味する。1つのCR反射境界は物体サイドCR反射境界であってよく、別のCR反射境界は画像サイドCR反射境界であってよい。同様に、レンズの1つは物体サイドレンズであってよく、別のレンズは画像サイドレンズであってよい。少なくとも1つの外部反射境界は、物体サイドCR反射境界および画像サイドCR反射境界から離隔された内向きミラー表面を含む。
【0024】
物体サイドレンズは、クローキングデバイスの物体サイドに位置付けされた物体からの入射光を物体サイドCR反射境界に集束させるように配向されている。物体サイドCR反射境界は、物体サイドレンズからの光を少なくとも1つの外部反射境界の内向きミラー表面に反射するように配向されており、少なくとも1つの外部反射境界は、物体サイドCR反射境界からの光を画像サイドCR反射境界に反射するように配向されている。画像サイドCR反射境界は、少なくとも1つの外部反射境界からの光を画像サイドレンズに反射するように配向され、画像サイドレンズは、画像サイドCR反射境界からの光を集束させクローキングデバイスの画像サイドに物体の画像を形成するように配向されている。
【0025】
さらに図1を参照すると、クローキングデバイスの実施形態は、物体サイド12、画像サイド14および4つのCR反射境界110、120、130、140を備えたクローキングアセンブリ10を含む。物体サイド12は、2等分軸15より上(+Y方向)に位置付けされ、画像サイド14は、2等分軸15より下(−Y方向)に位置付けされる。すなわち、2等分軸15は物体サイド12と画像サイド14の間に延在し、これら間を線引きする。4つのCR反射境界110、120、130、140の各々は、図中に示されたX軸に沿った長さ、Y軸に沿った幅、およびZ軸に沿った高さを有する。すなわち、図中に示されたX軸は、4つのCR反射境界110、120、130、140の長さに沿って延在し、図中に示されたY軸は、4つのCR反射境界110、120、130、140の幅に沿って延在し、図中に示されたZ軸は、4つのCR反射境界110、120、130、140の高さに沿って延在する。2つのCR反射境界110、130は、物体「O」に面するようにクローキングアセンブリ10の物体サイド12に位置付けされてよく、本開示中では、物体サイドCR反射境界110、130と呼ぶことができる。2つのCR反射境界120、140は、クローキングアセンブリ10によって形成される画像「I」を提供するように、クローキングアセンブリ10の画像サイド14に位置付けされてよく、本開示中では画像サイドCR反射境界120、140と呼ぶことができる。
【0026】
CR反射境界110、120、130、140は各々、外向きミラー表面112、122、132、142および内向き表面114、124、134、144をそれぞれ有している。本開示中で使用される「外向き」なる用語は、CR反射境界110,20,130、140により少なくとも部分的に囲まれているクローキング領域200から離れる方に面し、かつ/またはクローキング領域200から離れる方に光を反射する表面を意味し、本開示中で使用される「内向き」なる用語は、クローキング領域200に向かって面しかつ/またはクローキング領域200に向かって光を反射する表面を意味する。実施形態において、内向き表面114、124、134、144の1つ以上は、不透明な表面であり得る。外向きミラー表面112、122、132、142は、外向きミラー表面112、122、132、142に入射する光がそこから反射されるように、全方向フォトニック結晶またはミラーで製造され得る。本開示中で使用する「ミラー表面」なる用語は、ミラー表面に入射する全てのモードの光(例えばs偏光およびp偏光)を反射する表面を意味する。同様に、本開示中で使用される「そこから反射された」なる用語は、1つの表面から入射光の少なくとも50%が反射されていることを意味する。いくつかの実施形態においては、入射光の少なくとも60%が表面から反射され、一方他の実施形態においては、入射光の少なくとも70%が表面から反射される。さらに他の実施形態においては、入射光の少なくとも80%、例えば入射光の少なくとも90%が表面から反射される。
【0027】
CR反射境界110、120、130、140はそれぞれ、頂点端部116、126、136、146および側方端部118、128、138、148を有することができる。側方端部118、128、138、148はそれぞれ、頂点端部116、126、136、146から離隔されており、CR反射境界110、120、130、140はそれぞれ、頂点端部116、126、136、146と側方端部118、128、138、148の間に延在している。実施形態において、2つの物体サイドCR反射境界110、130の頂点端部116、136はそれぞれ、頂点190で合流または交差し、代替的にまたは付加的に、2つの画像サイドCR反射境界120、140の頂点端部126、146はそれぞれ、頂点192で合流または交差する。このような実施形態において、頂点軸16は、頂点190および頂点192を二等分し、クローキングアセンブリ10の右側(+X方向)と左側(−X方向)の間の中心線であり得る。他の実施形態において、2つの物体サイドCR反射境界110、130の頂点端部116、136はそれぞれ互いに離隔され、かつ/または2つの画像サイドCR反射境界120、140の頂点端部126、146はそれぞれ互いに離隔され、こうしてクローキングされていない領域または間隙(図示せず)が、離隔された頂点端部116、136および/または離隔された頂点端部126、146の間に存在するようになっている。このような実施形態においては、クローキングされていない領域より上(+Y方向)に位置付けされた物体Oの部分の画像は、クローキングアセンブリ10の画像サイド14に提供されることはない。
【0028】
実施形態において、図1に描かれているように側方端部118は側方端部128に隣接して位置付けされてよく、この側方端部128に接合され得、側方端部138は側方端部148に隣接して位置付けされてよく、この側方端部148に接合され得る。他の実施形態において、側方端部118、138は、側方端部128、148から離隔(Y方向)されていてよい(図示せず)。
【0029】
実施形態において、2つの物体サイドCR反射境界110、130および2つの画像サイドCR反射境界120、140は、少なくとも部分的に内向き表面114、134、124、144により囲まれているクローキング領域200を形成する。2つの物体サイドCR反射境界110、130および2つの画像サイドCR反射境界120、140は、図中の座標軸のZ方向で高さ「h」(図8)を有し、クローキング領域200内部で反射または伝達される光は、内向き表面114、134、124、144を貫通しない。したがって、クローキング領域200の内部に位置設定された部材(例えばクローキングされた部材)は、+Y方向で画像サイド14からクローキングアセンブリ10を検分する観察者には見えない。
【0030】
さらに図1を参照すると、クローキングアセンブリは4つのレンズ150、160、170、180を含み得る。4つのレンズ150、160、170、180の各々は、図中に示された座標軸のX軸に沿った長さ、Y軸に沿った厚みおよびZ軸に沿った高さを有する。すなわち、図中に示されたX軸は、4つのレンズ150、160、170、180の長さに沿って延在し、図中に示されたY軸は4つのレンズ150、160、170、180の厚みに沿って延在し、図中に示されたZ軸は4つのレンズ150、160、170、180の高さに沿って延在する。2つのレンズ150、170は、物体「O」に面するようにクローキングアセンブリ10の物体サイド12に位置付けされてよく、本開示では物体サイドレンズ150、170と呼ぶことができる。2つのレンズ160、180は、クローキングアセンブリ10により形成された画像「I」を提供するようにクローキングアセンブリ10の画像サイド14に位置付けされてよく、本開示では、画像サイドレンズ160、180と呼ぶことができる。
【0031】
レンズ150、160、170、180は各々、内向き表面152、162、172、182および外向き凸状表面154、164、174、184をそれぞれ有する。実施形態において、内向き表面152、162、172、182は平面表面である。他の実施形態では、内向き表面152、162、172、182は、平面でない表面である。すなわち内向き表面152、162、172、182は曲線の表面である。レンズ150、160、170、180は各々、頂点軸16に対し遠位である第1の端部156、166、176、186および頂点軸16に対して近位である第2の端部158、168、178、188をそれぞれ有する。内向き表面152、162、172、182および外向き凸状表面154、164、174、184はそれぞれ第1の端部156、166、176、186および第2の端部158、168、178、188の間に延在する。
【0032】
実施形態において、レンズ150、160、170、180は、図1に描かれているような色消しレンズであってよい。色消しレンズの形をしたレンズ160の個別の斜視図が図2に描かれている。詳細には、レンズ160は、内向き表面162および外向き凸状表面164を含む。外向き凸状表面164は半径「r1」を有する。内向き表面162および外向き凸状表面164は、第1の端部166と第2の端部168の間に延在する。レンズ160は、X方向に沿った長さ「l」、Y方向の厚み(標識なし)、およびZ方向に延在する高さ「h」を有する。レンズ160は、図2に描かれているように、2つの光学構成要素、例えばフリント161とクラウン163から形成されていてよい。フリント161は、内向き表面162を含み、クラウン163は外向き凸状表面164を含む。フリント161は、第1の屈折率を有する第1の透明材料で形成され、クラウン163は、第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を備えた第2の透明材料で形成されている。
【0033】
クローキングアセンブリ10は、それぞれCR反射境界110、120およびCR反射境界130、140から離隔された中央に位置付けされた外部反射境界115、135を含んでいてよい。実施形態において、中央に位置付けされた外部反射境界115、135は、それぞれCR反射境界110、120および130、140のそれぞれ側方端部118、128および138、148から離隔されていてかつこれらの端部の近位に位置付けされていてよい。中央に位置付けされた外部反射境界115は、CR反射境界110、120に面する内向きミラー表面を有し、中央に位置付けされた外部反射境界135は、CR反射境界130、140に面する内向きミラー表面137を有する。このような実施形態において、中央に位置付けされた外部反射境界115は、CR反射境界110、120の側(+X方向)に位置付けされ、中央に位置付けされた外部反射境界135は、CR反射境界130、140の側(−X方向)に位置付けされる。実施形態において、中央に位置付けされた外部反射境界115、135は、2等分軸15上に位置付けされてよい。同様に、内向きミラー表面117、137は、頂点190および頂点192を2等分する頂点軸16に対して概して平行に配向または整列されてよい。
【0034】
物体サイドレンズ150は、クローキングアセンブリ10において右側(+X方向)に入射する物体Oからの光(図1に矢印「1」として示されている)が物体サイドレンズ150を通って伝播し物体サイドレンズ150より集束され(図1に矢印「2」として示されている)、外向きミラー表面112に集束される(図1に矢印「3」として示されている)ように、物体サイドCR反射境界110との関係において位置付けされている。中央に位置付けされた外部反射境界115は、物体サイドレンズ150からの光3が外向きミラー表面112によって内向きミラー表面117に反射される(図1に矢印「4」として示されている)ように、物体サイドCR反射境界110との関係において位置付けされている。実施形態において、光4は焦線fに集束され、内向きミラー表面117は焦線fに位置付けされる。すなわち、外向き凸状表面154の高さh(Z方向)に沿って物体サイドレンズ150に入射する光1は、概して、物体サイドレンズ150によって集束され、外向きミラー表面112によって、Z方向に延在する焦線fに反射される。焦線fおよび本開示中に記載の他の焦線が所与の1つまたは複数のレンズ表面の曲率により提供されていることを理解すべきである。例えば、焦線fは、物体サイドレンズ150の外向き凸状表面154の曲率に起因する、つまりこの曲率によって提供される。
【0035】
中央に位置付けされた外部反射境界115は、外向きミラー表面112からの光4が、内向きミラー表面117によって反射されこの内向きミラー表面117から画像サイド反射境界120の外向きミラー表面122に発散する(図1に矢印「5」として示されている)ように、CR反射境界110、120との関係において位置付けされてよい。画像サイドCR反射境界120は、内向きミラー表面117からの光5が、外向きミラー表面122により画像サイドレンズ160の内向き表面162に反射される(図5に矢印「6」として示されている)ように、中央に位置付けされた外部反射境界115との関係において位置付けされている。画像サイドレンズ160は、外向きミラー表面122からの光6が、画像サイドレンズ160を通って伝播し画像サイドレンズ160によって集束され(図1に矢印「7」として示されている)、頂点軸16に対し概して平行な方向に集束され(光8)、頂点軸16の右側(+X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイドCR反射境界120との関係において位置付けされる。実施形態において、画像サイドレンズ160は、光7を元の経路に戻すようにすなわち光1と平行かつ共線的になるように集束させる。
【0036】
物体サイドレンズ170は、クローキングアセンブリ10において左側(−X方向)に入射する物体Oからの光1が物体サイドレンズ170を通って伝播し物体サイドレンズ170により集束され(光2)、光3として外向きミラー表面112に集束されるように、物体サイドCR反射境界130との関係において位置付けされている。中央に位置付けされた外部反射境界135は、物体サイドレンズ170からの光3が外向きミラー表面132によって内向きミラー表面137に反射される(光4)ように、物体サイドCR反射境界130との関係において位置付けされている。実施形態において、光4は焦線fに集束され、内向きミラー表面137は焦線fに位置付けされる。すなわち、外向き凸状表面174の高さh(Z方向)に沿って物体サイドレンズ170に入射する光1は、概して、物体サイドレンズ170によって集束され、外向きミラー表面132によって、Z方向に延在する焦線fに反射される。
【0037】
中央に位置付けされた外部反射境界135は、外向きミラー表面132からの光4が、内向きミラー表面137によって反射されこの内向きミラー表面137から画像サイド反射境界140の外向きミラー表面142に発散する(光5)ように、CR反射境界130、140との関係において位置付けされてよい。画像サイドCR反射境界140は、内向きミラー表面137からの光5が、外向きミラー表面142により画像サイドレンズ180の内向き表面182に反射される(光6)ように、中央に位置付けされた外部反射境界135との関係において位置付けされている。画像サイドレンズ180は、外向きミラー表面142からの光6が、画像サイドレンズ180を通って伝播し画像サイドレンズ180により集束され(光7)、頂点軸16に対し概して平行な方向に集束され(光8)、頂点軸16の左側(−X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイドCR反射境界140との関係において位置付けされる。実施形態において、画像サイドレンズ180は、光7を元の経路に戻すように、すなわち光1と平行かつ共線的になるように集束させる。
【0038】
図1は、それぞれ物体サイドレンズ150、170の第2の端部158、178およびそれぞれ画像サイドレンズ160、180の第2の端部168、188を、互いに接触して位置付けされた状態で描いているが、第2の端部158、178および/または第2の端部168、188は、クローキングされていない領域または間隙(図示せず)が離隔された第2の端部158、178および/または離隔された第2の端部168、188の間に存在するように、X軸に沿って互いから離隔されていてよい、ということを理解すべきである。このような実施形態においては、クローキングされていない領域より上(+Y方向)に位置付けされた物体Oの部分の画像がクローキングアセンブリ10の画像サイド14に提供されることはない。
【0039】
さらに図1を参照すると、物体「O」から光1は−Y方向に進み、それぞれ、物体サイドレンズ150、170の外向き凸状表面154、174に入射する。クローキングアセンブリ10の頂点軸16の右側(+X方向)の光1は、光2として物体サイドレンズ150により物体サイドCR反射境界110の外向きミラー表面112に集束され(光3)、その後、光4として焦線fまで、内向きミラー表面117に反射される。光4は、光5として画像サイドCR反射境界120の外向きミラー表面122に、内向きミラー表面117によって反射されこの内向きミラー表面117から発散した後、光6として画像サイドレンズ160の内向き表面162に反射される。光6は、画像サイドレンズ160を通して伝搬し画像サイドレンズ160により集束され(光7)、−Y方向で光1に対し概して平行に集束され(光8)、頂点軸16の右(+X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸16の右側の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドレンズ150−外向きミラー表面112−内向きミラー表面117−外向きミラー表面122−画像サイドレンズ160−I、という光路を有する。
【0040】
クローキングアセンブリ10の頂点軸16の左側(−X方向)の光1は、光2として物体サイドレンズ170により物体サイドCR反射境界130の外向きミラー表面132(光3)に集束された後、光4として内向きミラー表面137の焦線fに反射される。光4は、光5として、画像サイドCR反射境界140の外向きミラー表面142まで内向きミラー表面137によって反射されこの内向きミラー表面137から発散した後、光6として画像サイドレンズ180の内向き表面182に反射される。光6は、画像サイドレンズ180を通って伝播し画像サイドレンズ180により集束され(光7)、−Y方向で光1に対し概して平行に集束され(光8)、頂点軸16の左(−X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸16の左側の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドレンズ170−外向きミラー表面132−内向きミラー表面137−外向きミラー表面142−画像サイドレンズ180−I、という光路を有する。
【0041】
組み合わせた形で、すなわち、クローキングアセンブリ10の物体サイド12にある物体Oからの頂点軸16の右側(+X方向)および左側(−X方向)の光1は、物体O−物体サイドレンズ150、170−外向きミラー表面112、132−内向きミラー表面117、137−外向きミラー表面122、142−画像サイドレンズ160、180−画像という光路を介して画像サイド14まで伝播する。すなわち、物体Oからの光1は、物体O−それぞれ物体サイドレンズ150、170の外向き凸状表面154、174−それぞれ物体サイドレンズ150、170の内向き表面152、172−それぞれ物体サイドCR反射境界110、130の外向きミラー表面112、132−それぞれ中央に位置付けされた外部反射境界115、135の内向きミラー表面117、137−それぞれ画像サイドCR反射境界120、140の外向きミラー表面122、142−それぞれ画像サイドレンズ160、180の内向き表面162、182−それぞれ画像サイドレンズ160、180の外向き凸状表面164、184−画像I、という光路を介して伝播する。
【0042】
図1は、色消しレンズを含むクローキングアセンブリ10を描いているものの、レンズ150、160、170、180は色消しレンズでなくてもよいということを理解すべきである。例えば、図3は、色消しレンズではなく円柱レンズを備えたクローキングアセンブリ20を描いている。詳細には、図1に描かれているレンズ150、160、170、180はそれぞれ円柱レンズ250、260、270、280の形をしている(本開示中では「レンズ250、260、270、280」とも呼ばれる)。クローキングアセンブリ10で描かれたレンズ150、160、170、180と同様に、レンズ250、260、270、280は各々、図中に示された座標軸のX軸に沿った長さ、Y軸に沿った厚みおよびZ軸に沿った高さを有する。すなわち、図中に示されたX軸は、レンズ250、260、270、280の長さに沿って延在し、図中に示されたY軸はレンズ250、260、270、280の厚みに沿って延在し、図中に示されたZ軸はレンズ250、260、270、280の高さに沿って延在する。2つのレンズ250、270は、物体「O」に面するようにクローキングアセンブリ20の物体サイド12に位置付けされてよく、本開示では物体サイドレンズ250、270と呼ぶことができる。2つのレンズ260、280は、クローキングアセンブリ20により形成された画像「I」を提供するようにクローキングアセンブリ20の画像サイド14に位置付けされてよく、本開示では、画像サイドレンズ260、280と呼ぶことができる。
【0043】
レンズ250、260、270、280は各々、内向き表面252、262、272、282および外向き凸状表面254、264、274、284をそれぞれ有する。実施形態において、内向き表面252、262、272、282は平面表面である。他の実施形態では、内向き表面252、262、272、282は、平面でない表面である。すなわち内向き表面252、262、272、282は曲線の表面である。レンズ250、260、270、280は各々、頂点軸16に対し遠位である第1の端部256、266、276、286および頂点軸16に対して近位である第2の端部258、268、278、288をそれぞれ有する。内向き表面252、262、272、282および外向き凸状表面254、264、274、284はそれぞれ第1の端部256、266、276、286および第2の端部258、268、278、288の間に延在する。
【0044】
レンズ260の個別の斜視図が図4に描かれている。レンズ260は、内向き表面262および外向き凸状表面264を含む。外向き凸状表面264は半径「r2」を有する。内向き表面262および外向き円筒形表面264は、第1の端部266と第2の端部268の間に延在する。レンズ260は、X方向に沿った長さ「l」、Y方向の厚み(標識なし)、およびZ方向に延在する高さ「h」を有する。
【0045】
物体サイドレンズ250は、右側(+X方向)のクローキングアセンブリ20に入射する物体Oからの光1が物体サイドレンズ250を通って伝播し物体サイドレンズ250により集束され(光2)、外向きミラー表面112に集束される(光3)ように、物体サイドCR反射境界110との関係において位置付けされている。中央に位置付けされた外部反射境界115は、物体サイドレンズ250からの光3が外向きミラー表面112によって内向きミラー表面117に反射される(光4)ように、物体サイドCR反射境界110との関係において位置付けされている。実施形態において、光4は焦線fに集束され、内向きミラー表面117は焦線fに位置付けされる。すなわち、外向き凸状表面254の高さh(Z方向)に沿って物体サイドレンズ250に入射する光1は、概して、物体サイドレンズ250によって集束され、外向きミラー表面112によって、Z方向に延在する焦線fに反射される。
【0046】
中央に位置付けされた外部反射境界115は、外向きミラー表面112からの光4が、内向きミラー表面117によって反射されこの内向きミラー表面117から画像サイド反射境界120の外向きミラー表面122に発散する(光5)ように、CR反射境界110、120との関係において位置付けされてよい。画像サイドCR反射境界120は、内向きミラー表面117からの光5が、画像サイドレンズ260の内向き表面262に反射される(光6)ように、中央に位置付けされた外部反射境界115との関係において位置付けされている。画像サイドレンズ260は、外向きミラー表面122からの光6が、画像サイドレンズ260を通って伝播し画像サイドレンズ260によって集束され(光7)、頂点軸16に対し概して平行な方向に集束され(光8)、頂点軸16の右側(+X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイドCR反射境界120との関係において位置付けされる。実施形態において、画像サイドレンズ260は、光7を元の経路に戻すように、すなわち光1と平行かつ共線的になるように集束させる。
【0047】
物体サイドレンズ270は、クローキングアセンブリ20において左側(−X方向)に入射する物体Oからの光1が物体サイドレンズ270を通って伝播し物体サイドレンズ270により集束され(光2)、光3として外向きミラー表面132に集束されるように、物体サイドCR反射境界130との関係において位置付けされている。中央に位置付けされた外部反射境界135は、物体サイドレンズ270からの光3が外向きミラー表面132によって内向きミラー表面137に反射される(光4)ように、物体サイドCR反射境界130との関係において位置付けされている。実施形態において、光4は焦線fに集束され、内向きミラー表面137は焦線fに位置付けされる。すなわち、外向き凸状表面274の高さh(Z方向)に沿って物体サイドレンズ270に入射する光1は、概して、物体サイドレンズ270によって集束され、外向きミラー表面132によって、Z方向に延在する焦線fに反射される。
【0048】
中央に位置付けされた外部反射境界135は、外向きミラー表面132からの光4が、内向きミラー表面137によって反射されこの内向きミラー表面137から画像サイド反射境界140の外向きミラー表面142に発散する(光5)ように、CR反射境界130、140との関係において位置付けされてよい。画像サイドCR反射境界140は、内向きミラー表面137からの光5が、外向きミラー表面142により画像サイドレンズ280の内向き表面282に反射される(光6)ように、中央に位置付けされた外部反射境界135との関係において位置付けされている。画像サイドレンズ280は、外向きミラー表面142からの光6が、画像サイドレンズ280を通って伝播し画像サイドレンズ280によって集束され(光7)、頂点軸16に対し概して平行な方向に集束され(光8)、頂点軸16の左側(−X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイドCR反射境界140との関係において位置付けされる。実施形態において、画像サイドレンズ280は、光7を元の経路に戻すように、すなわち光1と平行かつ共線的になるように集束させる。
【0049】
図3は、それぞれ物体サイドレンズ250、270の第2の端部258、278およびそれぞれ画像サイドレンズ260、280の第2の端部268、288を、互いに接触して位置付けされた状態で描いているが、第2の端部258、278および/または第2の端部268、288は、クローキングされていない領域または間隙(図示せず)が離隔された第2の端部258、278および/または離隔された第2の端部268、288の間に存在するように、X軸に沿って互いから離隔されていてよい、ということを理解すべきである。このような実施形態においては、クローキングされていない領域より上(+Y方向)に位置付けされた物体Oの部分の画像がクローキングアセンブリ20の画像サイド14に提供されることはない。
【0050】
さらに図3を参照すると、物体「O」から光1は−Y方向に進み、それぞれ、物体サイドレンズ250、270の外向き凸状表面254、274に入射する。クローキングアセンブリ20の頂点軸16の右側(+X方向)の光1は、光2として物体サイドレンズ250により物体サイドCR反射境界110の外向きミラー表面112に集束され(光3)、その後、光4として焦線fまで、内向きミラー表面117に反射される。光4は、光5として画像サイドCR反射境界120の外向きミラー表面122に、内向きミラー表面117によって反射されこの内向きミラー表面117から発散した後、光6として画像サイドレンズ260の内向き表面262に反射される。光6は、画像サイドレンズ260を通して伝搬し画像サイドレンズ260により集束され(光7)、−Y方向で光1に対し概して平行に集束され(光8)、頂点軸16の右(+X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸16の右側の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドレンズ250−外向きミラー表面112−内向きミラー表面117−外向きミラー表面122−画像サイドレンズ260−I、という光路を有する。
【0051】
クローキングアセンブリ20の頂点軸16の左側(−X方向)の光1は、光2として物体サイドレンズ270により物体サイドCR反射境界130の外向きミラー表面132(光3)に集束された後、光4として内向きミラー表面137の焦線fに反射される。光4は、光5として、画像サイドCR反射境界140の外向きミラー表面142に内向きミラー表面137によって反射されこの内向きミラー表面137から発散した後、光6として画像サイドレンズ280の内向き表面282に反射される。光6は、画像サイドレンズ280を通って伝播し画像サイドレンズ180によって集束され(光7)、−Y方向で光1に対し概して平行に集束され(光8)、頂点軸16の左(−X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸16の左側の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドレンズ270−外向きミラー表面132−内向きミラー表面137−外向きミラー表面142−画像サイドレンズ280−I、という光路を有する。
【0052】
組み合わせた形で、すなわち、クローキングアセンブリ20の物体サイド12にある物体Oからの頂点軸16の右側(+X方向)および左側(−X方向)の光1は、物体O−物体サイドレンズ250、270−外向きミラー表面112、132−内向きミラー表面117、137−外向きミラー表面122、142−画像サイドレンズ260、280−画像、という光路を介して画像サイド14まで伝播する。すなわち、物体Oからの光1は、物体O−それぞれ物体サイドレンズ250、270の外向き凸状表面254、274−それぞれ物体サイドレンズ250、270の内向き表面252、272−それぞれ物体サイドCR反射境界110、130の外向きミラー表面112、132−それぞれ中央に位置付けされた外部反射境界115、135の内向きミラー表面117、137−それぞれ画像サイドCR反射境界120、140の外向きミラー表面122、142−それぞれ画像サイドレンズ260、280の内向き表面262、282−それぞれ画像サイドレンズ260、280の外向き凸状表面264、284−画像I、という光路を介して伝播する。
【0053】
ここで図5を参照すると、中央に位置付けされた外部反射境界115、135以外の部分がクローキングアセンブリ10に類似するクローキングアセンブリの実施形態が描かれている。すなわち、少なくとも1つの外部反射境界が、内向きミラー表面を備えた物体サイド外部反射境界と、外向きミラー表面を備えた中央に位置付けされた反射境界と、内向きミラー表面を備えた画像サイド外部反射境界とを含んでいるクローキングアセンブリ30が、図5に描かれている。クローキングアセンブリ30は、物体サイド32、画像サイド34および4つのCR反射境界310、320、330、340を含む。物体サイド32は、2等分軸35より上(+Y方向)に位置付けされ、画像サイド34は、2等分軸35より下(−Y方向)に位置付けされる。すなわち、2等分軸35は物体サイド32と画像サイド34の間に延在し、これらの間を線引きする。4つのCR反射境界310、320、330、340の各々は、図中に示されたX軸に沿った長さ、Y軸に沿った幅、およびZ軸に沿った高さを有する。すなわち、図中に示されたX軸は、4つのCR反射境界310、320、330、340の長さに沿って延在し、図中に示されたY軸は、4つのCR反射境界310、320、330、340の幅に沿って延在し、図中に示されたZ軸は、4つのCR反射境界310、320、330、340の高さに沿って延在する。2つのCR反射境界310、330は、物体「O」に面するようにクローキングアセンブリ30の物体サイド32に位置付けされてよく、本開示中では、物体サイドCR反射境界310、330と呼ぶことができる。2つのCR反射境界320、340は、クローキングアセンブリ30によって形成される画像「I」を提供するように、クローキングアセンブリ30の画像サイド34に位置付けされてよく、本開示中では画像サイドCR反射境界320、340と呼ぶことができる。
【0054】
CR反射境界310、320、330、340は各々、外向きミラー表面312、322、332、342および内向き表面314、324、334、344をそれぞれ有している。実施形態において、内向き表面314、324、334、344の1つ以上は、不透明な表面、またはミラー表面であり得る。外向きミラー表面312、322、332、342は、外向きミラー表面312、322、332、342に入射する光がそこから反射されるように、全方向フォトニック結晶またはミラーで製造され得る。
【0055】
CR反射境界310、320、330、340はそれぞれ、頂点端部316、326、336、346および側方端部318、328、338、348を有することができる。側方端部318、328、338、348はそれぞれ、頂点端部316、326、336、346から離隔されており、CR反射境界310、320、330、340はそれぞれ、頂点端部316、326、336、346と側方端部318、328、338、348の間に延在している。実施形態において、2つの物体サイドCR反射境界310、330の頂点端部316、336はそれぞれ、頂点390で合流または交差し、代替的にまたは付加的に、2つの画像サイドCR平面反射境界320、340の頂点端部326、346はそれぞれ、頂点392で合流または交差する。このような実施形態において、頂点軸36は、頂点390および頂点392を二等分し、クローキングアセンブリ30の右側(+X方向)と左側(−X方向)の間の中心線であり得る。他の実施形態において、2つの物体サイドCR反射境界310、330の頂点端部316、336はそれぞれ、互いに離隔され、2つの画像サイドCR反射境界320、340の頂点端部326、346はそれぞれ互いに離隔され、こうしてクローキングされていない領域または間隙(図示せず)が、離隔された頂点端部316、336および離隔された頂点端部326、346の間に存在するようになっている。このような実施形態においては、クローキングされていない領域より上(+Y方向)に位置付けされた物体Oの部分の画像が、クローキングアセンブリ30の画像サイド34に提供されることはない。
【0056】
実施形態において、図5に描かれているように側方端部318は側方端部328に隣接して位置付けされてよく、この側方端部328に接合され得、側方端部338は側方端部348に隣接して位置付けされてよく、この側方端部348に接合され得る。他の実施形態において、側方端部318、338は、側方端部328、348から離隔(Y方向)されていてよい(図示せず)。
【0057】
実施形態において、2つの物体サイドCR反射境界310、330および2つの画像サイドCR反射境界320、340は、少なくとも部分的に内向き表面314、334、324、344により囲まれているクローキング領域300を形成する。2つの物体サイドCR反射境界310、330および2つの画像サイドCR反射境界320、340は、図中の座標軸のZ方向で高さ「h」(図8)を有し、クローキング領域300内部で反射または伝達される光は、内向き表面314、334、324、344を貫通しない。したがって、クローキング領域300の内部に位置設定された部材(例えばクローキングされた部材)は、+Y方向で画像サイド34からクローキングアセンブリ30を検分する観察者には見えない。
【0058】
さらに図5を参照すると、クローキングアセンブリは4つのレンズ350、360、370、380を含み得る。4つのレンズ350、360、370、380の各々は、図中に示された座標軸のX軸に沿った長さ、Y軸に沿った厚みおよびZ軸に沿った高さを有する。すなわち、図中に示されたX軸は、4つのレンズ350、360、370、380の長さに沿って延在し、図中に示されたY軸は4つのレンズ350、360、370、380の厚みに沿って延在し、図中に示されたZ軸は4つのレンズ350、360、370、380の高さに沿って延在する。2つのレンズ350、370は、物体「O」に面するようにクローキングアセンブリ30の物体サイド32に位置付けされてよく、本開示では物体サイドレンズ350、370と呼ぶことができる。2つのレンズ360、380は、クローキングアセンブリ30により形成された画像「I」を提供するようにクローキングアセンブリ30の画像サイド34に位置付けされてよく、本開示では、画像サイドレンズ360、380と呼ぶことができる。
【0059】
レンズ350、360、370、380は各々、内向き表面352、362、372、382および外向き凸状表面354、364、374、384をそれぞれ有する。実施形態において、内向き表面352、362、372、382は平面表面である。他の実施形態では、内向き表面352、362、372、382は、平面でない表面である。すなわち内向き表面352、362、372、382は曲線の表面である。レンズ350、360、370、380は各々、頂点軸36に対し遠位である第1の端部356、366、376、386および頂点軸36に対して近位である第2の端部358、368、378、388をそれぞれ有する。内向き表面352、362、372、382および外向き凸状表面354、364、374、384はそれぞれ第1の端部356、366、376、386および第2の端部358、368、378、388の間に延在する。実施形態において、レンズ350,360,370,380は、図2および5に描かれているような色消しレンズである。
【0060】
クローキングアセンブリ30は、一対の物体サイド外部反射境界351、371、一対の中央に位置付けされた反射境界355、375(明確さのため図6では標識されている)、および、一対の画像サイド外部反射境界361、381を含んでいてよい。物体サイド外部反射境界351、371は、それぞれCR反射境界310、330から離隔されており、かつこれらのCR反射境界の近位に位置付けされている。物体サイド外部反射境界351は、物体サイドCR反射境界310から外向き(+X方向)に位置付けされ、外向きミラー表面312に面する内向きミラー表面353を有する。物体サイド外部反射境界371は、物体サイドCR反射境界330から外向き(−X方向)に位置付けされ、外向きミラー表面332に面する内向きミラー表面373を有する。画像サイド外部反射境界361、381は、それぞれCR反射境界320、340から離隔され、これらのCR反射境界に近位に位置付けされている。画像サイド外部反射境界361は、画像サイドCR反射境界320から外向き(+X方向)に位置付けされ、外向きミラー表面322に面する内向きミラー表面363を有する。画像サイド反射境界381は、画像サイドCR反射境界340から外向き(−X方向)に位置付けされ、外向きミラー表面342に面する内向きミラー表面383を有する。
【0061】
中央に位置付けされた反射境界355は、物体サイド外部反射境界351と画像サイド外部反射境界361の間に位置付けされてよい。中央に位置付けされた反射境界355は、物体サイド外部反射境界351の内向きミラー表面353および画像サイド外部反射境界361の内向きミラー表面363に面する外向きミラー表面357(図6)を含む。同様に、中央に位置付けされた反射境界375は、物体サイド外部反射境界371と画像サイド外部反射境界381の間に位置付けされてよい。中央に位置付けされた反射境界375は、物体サイド外部反射境界371の内向きミラー表面373および画像サイド外部反射境界381の内向きミラー表面383に面する外向きミラー表面377図6を含む。
【0062】
物体サイドレンズ350は、右側(+X方向)のクローキングアセンブリ30に入射する物体Oからの光1が物体サイドレンズ350を通って伝播し物体サイドレンズ350により集束され(光2)、外向きミラー表面312に集束される(光3)ように、物体サイドCR反射境界310との関係において位置付けされている。物体サイド外部反射境界351は、物体サイドレンズ350からの光3が外向きミラー表面312によって内向きミラー表面353に反射される(光4)ように、物体サイドCR反射境界310との関係において位置付けされている。中央に位置付けされた反射境界355は、光4が内向きミラー表面353により外向きミラー表面357に反射される(光5)ように物体サイド外部反射境界351との関係において位置付けされる。実施形態において、光5は焦線fに集束され、外向きミラー表面357は焦線fに位置付けされる。すなわち、外向き凸状表面354の高さh(Z方向)に沿って物体サイドレンズ350に入射する光1は、概して、物体サイドレンズ350によって集束され、外向きミラー表面312および内向きミラー表面353によって、Z方向に延在する焦線fに反射される。
【0063】
画像サイド外部反射境界361は、光5が外向きミラー表面357によって反射され内向きミラー表面363に発散する(光6)ように、中央に位置付けされた反射境界355との関係において位置付けされる。画像サイドCR反射境界320は、光6が内向きミラー表面363により外向きミラー表面322に反射される(光7)ように、画像サイド外部反射境界361との関係において位置付けされる。画像サイドレンズ360は、外向きミラー表面322から反射された光7(光8)が画像サイドレンズを通って伝播し画像サイドレンズ360により集束され(光9)、頂点軸36に対し概して平行な方向に集束され(光11)、頂点軸36の右側(+X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイドCR反射境界320との関係において位置付けされている。実施形態において、画像サイドレンズ360は、光9を原初の経路に戻すように、すなわち光1と平行かつ共線的になるように集束させる。
【0064】
物体サイドレンズ370は、クローキングアセンブリ30において左側(−X方向)に入射する物体Oからの光1が物体サイドレンズ370を通って伝播し物体サイドレンズ370により集束され(光2)、外向きミラー表面332に集束される(光3)ように、物体サイドCR反射境界330との関係において位置付けされている。物体サイド外部反射境界371は、物体サイドレンズ370からの光3が外向きミラー表面332によって内向きミラー表面373に反射される(光4)ように、物体サイドCR反射境界330との関係において位置付けされている。中央に位置付けされた反射境界375は、光4が内向きミラー表面373によって外向きミラー表面377に反射される(光5)ように、物体サイド外部反射境界371との関係において位置付けされる。実施形態において、光5は焦線fに集束され、外向きミラー表面377は焦線fに位置付けされる。すなわち、外向き凸状表面374の高さh(Z方向)に沿って物体サイドレンズ370に入射する光1は、概して、物体サイドレンズ370によって集束され、外向きミラー表面332および内向きミラー表面373によって、Z方向に延在する焦線fに反射される。
【0065】
画像サイド外部反射境界381は、光5が、外向きミラー表面377によって反射されこの外向きミラー表面377から内向きミラー表面383に発散する(光6)ように、中央に位置付けされた反射境界375との関係において位置付けされてよい。画像サイドCR反射境界340は、光6が、内向きミラー表面383により外向きミラー表面324に反射される(光7)ように、画像サイド外部反射境界381との関係において位置付けされている。画像サイドレンズ380は、外向きミラー表面342から反射された光7(光8)が、画像サイドレンズ380を通って伝播し画像サイドレンズ380により集束され(光9)、頂点軸36に対し概して平行な方向に集束され(光11)、頂点軸36の左側(−X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイドCR反射境界340との関係において位置付けされる。実施形態において、画像サイドレンズ380は、光9を元の経路に戻すように、すなわち光1と平行かつ共線的になるように集束させる。
【0066】
図5は、それぞれ物体サイドレンズ350、370の第2の端部358、378およびそれぞれ画像サイドレンズ360、380の第2の端部368、388を、互いに接触して位置付けされた状態で描いているが、第2の端部358、378および/または第2の端部368、388は、クローキングされていない領域または間隙(図示せず)が離隔された第2の端部358、378および/または離隔された第2の端部368、388の間に存在するように、X軸に沿って互いから離隔されていてよい、ということを理解すべきである。このような実施形態においては、クローキングされていない領域より上(+Y方向)に位置付けされた物体Oの部分の画像がクローキングアセンブリ30の画像サイド34に提供されることはない。
【0067】
さらに図5を参照すると、物体「O」から光1は−Y方向に進み、それぞれ、物体サイドレンズ350、370の外向き凸状表面354、374に入射する。クローキングアセンブリ30の頂点軸36の右側(+X方向)の光1は、光2として物体サイドレンズ350により物体サイドCR反射境界310の外向きミラー表面312に集束される(光3)。光3は、物体サイド外部反射境界351の内向きミラー表面353に光4として外向きミラー表面312によって反射され、内向きミラー表面353は光4を、中央に位置付けされた反射境界355の外向きミラー表面357の焦線fに反射する(光5)。光5は、光6として画像サイド外部反射境界361の内向きミラー表面363に外向きミラー表面357によって反射され発散する。光6は、光7として画像サイドCR反射境界320の外向きミラー表面322に、画像サイド外部反射境界361の内向きミラー表面363により反射される。光7は、光8として画像サイドレンズ360の内向き表面362に、外向きミラー表面322によって反射される。光8は、光9として画像サイドレンズ360によって集束される。光9は−Y方向で光11として光1に対し概して平行に画像サイドレンズ360から伝播し、頂点軸36の右(+X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸36の右側の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドレンズ350−外向きミラー表面312−内向きミラー表面353−外向きミラー表面357−内向きミラー表面363−外向きミラー表面322−画像サイドレンズ360−Iという光路を有する。
【0068】
クローキングアセンブリ30の頂点軸36の左側(−X方向)の光1は、光2として物体サイドレンズ370により物体サイドCR反射境界330の外向きミラー表面332に集束される(光3)。光3は、物体サイド外部反射境界371の内向きミラー表面373に光4として外向きミラー表面332によって反射され、内向きミラー表面373は光4を、中央に位置付けされた反射境界375の外向きミラー表面377の焦線fに反射する(光5)。光5は、光6として画像サイド外部反射境界381の内向きミラー表面383に外向きミラー表面377によって反射され発散する。光6は、光7として画像サイドCR反射境界340の外向きミラー表面342に、画像サイド外部反射境界381の内向きミラー表面383により反射される。光7は、光8として画像サイドレンズ380の内向き表面382に、外向きミラー表面342によって反射される。光8は、光9として画像サイドレンズ380によって集束される。光9は−Y方向で光11として光1に対し概して平行に画像サイドレンズ380から伝播し、頂点軸36の左(−X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸36の左側の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドレンズ370−外向きミラー表面332−内向きミラー表面373−外向きミラー表面377−内向きミラー表面383−外向きミラー表面342−画像サイドレンズ380−Iという光路を有する。
【0069】
組み合わせた形で、すなわち、クローキングアセンブリ30の物体サイド32の物体Oからの頂点軸36の右側(+X方向)および左側(−X方向)の光1は、物体O−物体サイドレンズ350、370−外向きミラー表面312、332−内向きミラー表面353、373−外向きミラー表面357、377−内向きミラー表面363、383−外向きミラー表面322、342−画像サイドレンズ360、380−画像という光路を介して、画像サイド34まで伝播する。すなわち、物体Oからの光1は、物体O−それぞれ物体サイドレンズ350、370の外向き凸状表面354、374−それぞれ物体サイドレンズ350、370の内向き表面352、372−それぞれ物体サイドCR反射境界310、330の外向きミラー表面312、332−それぞれ物体サイド外部反射境界351、371の内向きミラー表面353、373−それぞれ中央に位置付けされた反射境界355、375の外向きミラー表面357、377−それぞれ画像サイド外部反射境界361、381の内向きミラー表面363、383−それぞれ画像サイドCR反射境界320、340の外向きミラー表面322、342−それぞれ画像サイドレンズ360、380の内向き表面362、382−それぞれ画像サイドレンズ360、380の外向き凸状表面364、384−画像Iという光路を介して伝播する。
【0070】
図5は、色消しレンズを含むクローキングアセンブリ30を描いているものの、レンズ350、360、370、380は色消しレンズでなくてもよいということを理解すべきである。例えば、図6は、色消しレンズではなく円柱レンズを備えたクローキングアセンブリ40を描いている。詳細には、図5に描かれているレンズ350、360、370、380はそれぞれ円柱レンズ450、460、470、480の形をしている(本開示中では「レンズ450、460、470、480」とも呼ばれる)。クローキングアセンブリ30で描かれたレンズ350、360、370、380と同様に、レンズ450、460、470、480は各々、図中に示された座標軸のX軸に沿った長さ、Y軸に沿った厚みおよびZ軸に沿った高さを有する。すなわち、図中に示されたX軸は、レンズ450、460、470、480の長さに沿って延在し、図中に示されたY軸はレンズ450、460、470、480の厚みに沿って延在し、図中に示されたZ軸はレンズ450、460、470、480の高さに沿って延在する。2つのレンズ450、470は、物体「O」に面するようにクローキングアセンブリ40の物体サイド32に位置付けされてよく、本開示では物体サイドレンズ450、470と呼ぶことができる。2つのレンズ460、480は、クローキングアセンブリ40により形成された画像「I」を提供するようにクローキングアセンブリ40の画像サイド34に位置付けされてよく、本開示では、画像サイドレンズ460、480と呼ぶことができる。
【0071】
レンズ450、460、470、480は各々、内向き表面452、462、472、482および外向き凸状表面454、464、474、484をそれぞれ有する。実施形態において、内向き表面452、462、472、482は平面表面である。他の実施形態では、内向き表面452、462、472、482は、平面でない表面である。すなわち内向き表面452、462、472、482は曲線の表面である。レンズ450、460、470、480は各々、頂点軸36に対し遠位である第1の端部456、466、476、486および頂点軸36に対して近位である第2の端部458、468、478、488をそれぞれ有する。内向き表面452、462、472、482および外向き凸状表面454、464、474、484はそれぞれ第1の端部456、466、476、486および第2の端部458、468、478、488の間に延在する。
【0072】
さらに図6を参照すると、物体サイドレンズ450は、右側(+X方向)のクローキングアセンブリ40に入射する物体Oからの光1が物体サイドレンズ450を通って伝播し物体サイドレンズ450により集束され(光2)、外向きミラー表面312に集束される(光3)ように、物体サイドCR反射境界310との関係において位置付けされている。物体サイド外部反射境界351は、物体サイドレンズ450からの光3が外向きミラー表面312によって内向きミラー表面353に反射される(光4)ように、物体サイドCR反射境界310との関係において位置付けされている。中央に位置付けされた反射境界355は、光4が内向きミラー表面353によって外向きミラー表面357に反射される(光5)ように、物体サイド外部反射境界351との関係において位置付けされる。実施形態において、光5は焦線fに集束され、外向きミラー表面357は焦線fに位置付けされる。すなわち、外向き凸状表面454の高さh(Z方向)に沿って物体サイドレンズ450に入射する光1は、概して、物体サイドレンズ450によって集束され、外向きミラー表面312および内向きミラー表面353によって、Z方向に延在する焦線fに反射される。
【0073】
画像サイド外部反射境界361は、光5が、外向きミラー表面357によって反射されこの外向きミラー表面357から内向きミラー表面363に発散する(光6)ように、中央に位置付けされた反射境界355との関係において位置付けされてよい。画像サイドCR反射境界320は、光6が、内向きミラー表面363により外向きミラー表面322に反射される(光7)ように、画像サイド外部反射境界361との関係において位置付けされている。画像サイドレンズ460は、外向きミラー表面322から反射された光7(光8)が、画像サイドレンズ460を通って伝播し画像サイドレンズ460により集束され(光9)、頂点軸36に対し概して平行な方向に集束され(光11)、頂点軸36の右側(+X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイドCR反射境界320との関係において位置付けされる。実施形態において、画像サイドレンズ460は、光9を元の経路に戻すように、すなわち光1と平行かつ共線的になるように集束させる。
【0074】
物体サイドレンズ470は、クローキングアセンブリ30において左側(−X方向)に入射する物体Oからの光1が物体サイドレンズ470を通って伝播し物体サイドレンズ470により集束され(光2)、外向きミラー表面332に集束される(光3)ように、物体サイドCR反射境界330との関係において位置付けされている。物体サイド外部反射境界371は、物体サイドレンズ470からの光3が外向きミラー表面332によって内向きミラー表面373に反射される(光4)ように、物体サイドCR反射境界330との関係において位置付けされている。中央に位置付けされた反射境界375は、光4が内向きミラー表面373によって外向きミラー表面377に反射される(光5)ように、物体サイド外部反射境界371との関係において位置付けされる。実施形態において、光5は焦線fに集束され、外向きミラー表面377は焦線fに位置付けされる。すなわち、外向き凸状表面474の高さh(Z方向)に沿って物体サイドレンズ470に入射する光1は、概して、物体サイドレンズ470によって集束され、外向きミラー表面332および内向きミラー表面373によって、Z方向に延在する焦線fに反射される。
【0075】
画像サイド外部反射境界381は、光5が、外向きミラー表面377によって反射されこの外向きミラー表面377から内向きミラー表面383に発散する(光6)ように、中央に位置付けされた反射境界375との関係において位置付けされてよい。画像サイドCR反射境界340は、光6が、内向きミラー表面383により外向きミラー表面324に反射される(光7)ように、画像サイド外部反射境界381との関係において位置付けされている。画像サイドレンズ480は、外向きミラー表面342から反射された光7(光8)が、画像サイドレンズ480を通って伝播し画像サイドレンズ480により集束され(光9)、頂点軸36に対し概して平行な方向に集束され(光11)、頂点軸36の左側(−X方向)で画像Iの一部分を形成するように、画像サイドCR反射境界340との関係において位置付けされる。実施形態において、画像サイドレンズ480は、光9を元の経路に戻すように、すなわち光1と平行かつ共線的になるように集束させる。
【0076】
図6は、それぞれ物体サイドレンズ450、470の第2の端部458、478およびそれぞれ画像サイドレンズ460、480の第2の端部468、488を、互いに接触して位置付けされた状態で描いているが、第2の端部458、478および/または第2の端部468、488は、クローキングされていない領域または間隙(図示せず)が離隔された第2の端部458、478および/または離隔された第2の端部468、488の間に存在するように、X軸に沿って互いから離隔されていてよい、ということを理解すべきである。このような実施形態においては、クローキングされていない領域より上(+Y方向)に位置付けされた物体Oの部分の画像がクローキングアセンブリ40の画像サイド34に提供されることはない。
【0077】
物体「O」から光1は−Y方向に進み、それぞれ、物体サイドレンズ450、470の外向き凸状表面454、474に入射する。クローキングアセンブリ40の頂点軸36の右側(+X方向)の光1は、光2として物体サイドレンズ450により物体サイドCR反射境界310の外向きミラー表面312に集束される(光3)。光3は、物体サイド外部反射境界451の内向きミラー表面453に光4として外向きミラー表面312によって反射され、内向きミラー表面453は光4を、中央に位置付けされた反射境界455の外向きミラー表面457の焦線fに反射する(光5)。光5は、光6として画像サイド外部反射境界461の内向きミラー表面463に外向きミラー表面457によって反射され発散する。光6は、光7として画像サイドCR反射境界320の外向きミラー表面322に、画像サイド外部反射境界361の内向きミラー表面363により反射される。光7は、光8として画像サイドレンズ460の内向き表面462に、外向きミラー表面322によって反射される。光8は、光9として画像サイドレンズ460によって集束される。光9は−Y方向で光11として光1に対して概して平行に画像サイドレンズ460から伝播し、頂点軸46の右(+X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸36の右側の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドレンズ450−外向きミラー表面312−内向きミラー表面353−外向きミラー表面357−内向きミラー表面363−外向きミラー表面322−画像サイドレンズ460−Iという光路を有する。
【0078】
クローキングアセンブリ40の頂点軸36の左側(−X方向)の光1は、光2として物体サイドレンズ470により物体サイドCR反射境界330の外向きミラー表面332に集束される(光3)。光3は、物体サイド外部反射境界371の内向きミラー表面373に光4として外向きミラー表面332によって反射され、内向きミラー表面373は光4を、中央に位置付けされた反射境界375の外向きミラー表面377の焦線fに反射する(光5)。光5は、光6として画像サイド外部反射境界381の内向きミラー表面383に外向きミラー表面377によって反射され発散する。光6は、光7として画像サイドCR反射境界340の外向きミラー表面342に、画像サイド外部反射境界381の内向きミラー表面383により反射される。光7は、光8として画像サイドレンズ480の内向き表面482に、外向きミラー表面342によって反射される。光8は、光9として画像サイドレンズ480によって集束される。光9は、−Y方向で光11として光1に対して概して平行に画像サイドレンズ480から伝播し、頂点軸36の左(−X方向)に位置付けされた物体Oの部分に対応する画像Iの一部分を形成する。したがって、頂点軸36の左側の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドレンズ470−外向きミラー表面332−内向きミラー表面373−外向きミラー表面377−内向きミラー表面383−外向きミラー表面342−画像サイドレンズ480−I、という光路を有する。
【0079】
組み合わせた形で、すなわち、クローキングアセンブリ40の物体サイド32の物体Oからの頂点軸36の右側(+X方向)および左側(−X方向)の光1は、物体O−物体サイドレンズ450、470−外向きミラー表面312、332−内向きミラー表面317、337−外向きミラー表面357、377−内向きミラー表面363、383−外向きミラー表面322、342−画像サイドレンズ460、480−画像、という光路を介して画像サイド34まで伝播する。すなわち、物体Oからの光1は、物体O−それぞれ物体サイドレンズ450、470の外向き凸状表面454、474−それぞれ物体サイドレンズ450、470の内向き表面452、472−それぞれ物体サイドCR反射境界310、330の外向きミラー表面312、332−それぞれ物体サイド外部反射境界351、371の内向きミラー表面353、373−それぞれ中央に位置付けされた反射境界355、375の外向きミラー表面357、377−それぞれ画像サイド外部反射境界361、381の内向きミラー表面363、383−それぞれ画像サイドCR反射境界320、340の外向きミラー表面322、342−それぞれ画像サイドレンズ460、480の内向き表面462、482−それぞれ画像サイドレンズ460、480の外向き凸状表面464、484−画像I、という光路を介して伝播する。
【0080】
ここで図1、5および図7〜8を参照すると、図1および5に関連して論述された実施形態に係るクローキングデバイスの頂面斜視図および側面図がそれぞれ図7および8に示されている。具体的には、図7は、クローキングアセンブリ10、30のクローキング領域内部の支柱「C」の形をした部材および+Y方向でクローキングアセンブリ10、30の物体サイド12、32で支柱Cの背後に位置設定された自動車「A」の頂面斜視図である。支柱Cは、クローキングデバイスの高さhよりも大きいZ方向の高さ寸法(+Z方向で増大する高さ)を有する。図8は、図1および5に示されているクローキングアセンブリ10、30の+Y方向からの側面図である。ボックス50は、クローキングアセンブリ10の中央に位置付けされた外部反射境界115、135およびクローキングアセンブリ30の物体サイド外部反射境界351、371、中央に位置付けされた反射境界355、375および画像サイド外部反射境界361、381を表す。図8は同様に、+Y方向でクローキングアセンブリ10を検分する観察者にとって、クローキング領域内にある支柱Cの部分が視認不能であり、+Y方向で支柱Cの背後に位置設定された自動車が視認可能であることを示している。したがって、クローキング領域内部に位置付けされた支柱Cは、クローキング領域10、30の画像サイド14、34を検分する観察者には視認不能であり、画像サイド14、34を検分する観察者には、自動車A全体の画像が視認可能である。図7および8中の支柱Cは、CR反射境界110〜140、310〜340から分離している、すなわち支柱Cはクローキングアセンブリ10、30とは別個の物体であるものの、支柱Cが構造的にクローキングアセンブリ10、30の一部であり、外向きミラー表面を備えたCR反射境界を提供するかまたはこのCR反射境界と同等である外部表面を有することができる、ということを認識すべきである。
【0081】
図9を参照すると、クローキングデバイスによってクローキングされているビークルのAピラーの実施形態が示されている。詳細には、図9は、ビークルVのAピラーPの一部分をクローキングする、本開示に開示された1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイス19を示す。AピラーPの一部分がクローキングデバイス19のクローキング領域(図示せず)内の位置付けされており、AピラーPの一部分がクローキングデバイスを超えて延在しトリムTでカバーされている。クローキングデバイス19の物体サイドでビークルVの外側に例示されているのは、歩行者の形をした標的物体「O」である。歩行者Oの一部分は、ビークルVのサイドウィンドウを通して視認可能であり、歩行者の一部分はクローキングデバイス19によってクローキングされたAピラーPを「通して」視認可能である。クローキングデバイス19は、歩行者Oから反射された光を、クローキングデバイス19のクローキング領域内に位置付けされたAピラーPの周りに方向転換させ、歩行者Oの方を見ているビークルVの乗員にとって視認可能である歩行者Oの画像Iをクローキングデバイス19の画像サイドでビークルの内部に形成する。したがって、歩行者Oからの光は、AピラーPを通過するが如く見え、典型的にAピラーPにより作り出される死角は、クローキングデバイス19のクローキング領域内部にAピラーPの部分が位置付けされていない場合ほどには存在しない。実施形態において、AピラーP自体がCRとして役立つ、すなわちAピラーPは歩行者Oからの光をAピラーPの周りに方向転換するのを補助する1つ以上の外向きミラー表面を備えた外部表面を有する。クローキングデバイス19を用いたAピラーPのクローキングおよびAピラーPにより生成される死角の迂回が、メタマテリアル、ビデオ画像、カメラ、高性能電子機器を使用することなく行なわれる、ということを認識すべきである。
【0082】
実施例
ここで図10A〜10Dを参照すると、クローキングアセンブリ10の物体サイド12に位置付けされたエンブレムの形をした物体の、市販のソフトウェアプログラム(Zemax Optic Studio)を用いてシミュレートされた画像サイド14から見た画像が描かれている。レンズ150、160、170、180は、市販の色消しダブレットレンズ(AC254−030、Thorlabs)であった。全デバイス面積と隠された領域についての縦横比は、それぞれ0.91および0.77であり、クローキング比(すなわち隠された面積/合計デバイス面積)は約18%であった。図10Aは、+Y方向からの、すなわち頂点軸16に沿って+Y方向で画像Iを検分する人から見たクローキングアセンブリ10の視角と頂点軸16との間に全く不整合がない(0°)物体の画像を描いている。すなわち本開示中で使用される不整合なる用語は、クローキングアセンブリの頂点軸と、図中の+Y方向により描かれているように画像サイドからクローキングアセンブリを検分する観察者の視線とによって画定される角度(本開示においては視角とも呼ばれる)を意味する。図10Bは、頂点軸16とクローキングアセンブリ10の視角の間に1°の不整合を有する物体の画像を描いている。図10Cは、頂点軸16とクローキングアセンブリ10の視角の間に2°の不整合を有する物体の画像を描いている。図10Dは、頂点軸16とクローキングアセンブリ10の視角の間に3°の不整合を有する物体の画像を描いている。図10A〜10D中の画像により示されているように、クローキングアセンブリ10の物体サイド12の物体の画像は、最高2°の不整合で明瞭に見ることができ、最高3°の不整合でもなお視認可能である。
【0083】
本開示中に記載されているクローキングデバイスは、ビークルAピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラーなど、ビークルの内部から見た場合のビークル部材をクローキングし、このビークル部材がもたらす死角を迂回するために使用され得る。同様に、本開示中に記載のデバイスは、ケーブル、延長コード、ホースなどの他の品目または部材をクローキングするためにも使用可能である。「物体」、「部材」および「品目」なる用語は、光を反射または伝達する視覚的物体または画像(2Dまたは3D)を互換的に意味することができ、「〜からの光」なる用語は、「〜から反射された光」または「〜から伝達された光」を意味することができる。「概して」、「おおよそ」、および「約」なる用語は、本開示中では、いずれかの定量的比較、値、測定または他の表現に起因し得る固有の不確実性度を表わすために使用され得る。これらの用語は同様に、本開示中で、問題となっている主題の基本的機能の変化を結果としてもたらすことなく、定量的表現が定められた基準から変動し得る度合を表わすためにも使用される。
【0084】
図中に開示され描かれている実施形態は、4つの色消しレンズまたは円柱レンズおよび4つのCR反射境界により囲まれたCRを備えたクローキングアセンブリを描いているものの、2つの色消しレンズまたは円柱レンズおよび2つのCR反射境界により囲まれたCRを備えたクローキングアセンブリも提供される。例えば、非限定的に、クローキングアセンブリは、1つの物体サイドレンズと1つの画像サイドレンズのみ、そして物体サイドCR反射境界と画像サイドCR反射境界の間に囲まれたクローキング領域を含んでいてよい。
【0085】
本開示中で使用されている方向用語、例えば上、下、右、左、前、後、頂部、底部、垂直、水平などは、描画された通りの図を基準としているにすぎず、別段の規定のない限り絶対的配向を暗示するように意図されていない。
【0086】
本開示中では特定の実施形態が例示され説明されてきたが、請求対象の主題の真意および範囲から逸脱することなく、さまざまな他の変更および修正を加えることができるということを理解すべきである。その上、本開示中では、請求対象の主題のさまざまな態様が説明されてきたが、このような態様を組み合わせで使用する必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は請求対象の主題の範囲内に入るこのような変更および修正の全てを網羅することが意図されている。
【0087】
[例1]
クローキングデバイスであって、
物体サイド、画像サイド、および、前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する頂点軸と、
外向きミラー表面と内向き表面とを有する物体サイドCR反射境界、および、外向きミラー表面と内向き表面とを有する画像サイドCR反射境界と、
前記物体サイドCR反射境界および前記画像サイドCR反射境界の前記内向き表面により囲まれたクローキング領域と、
各々が外向き凸状表面を含む、物体サイドレンズおよび画像サイドレンズと、
前記物体サイドCR反射境界および前記画像サイドCR反射境界から離隔された内向きミラー表面を含む少なくとも1つの外部反射境界と、
を含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイドレンズにより集束され、前記物体サイドCR反射境界、前記少なくとも1つの外部反射境界および前記画像サイドCR反射境界により反射され、前記画像サイドレンズにより集束されて前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記クローキング領域を通過したようにみえる、
クローキングデバイス。
[例2]
前記少なくとも1つの外部反射境界が、前記物体サイドCR反射境界および前記画像サイドCR反射境界に面する前記内向きミラー表面を備えた、中央に位置付けされた外部反射境界を含む、例1に記載のクローキングデバイス。
[例3]
前記物体サイドレンズは、前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を前記物体サイドCR反射境界に集束させるように配向されており、前記物体サイドCR反射境界は、前記物体サイドレンズから集束された光を前記中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面に反射するよう配向されており、前記中央に位置付けされた外部反射境界の内向きミラー表面は、前記物体サイドCR反射境界からの光を前記画像サイドCR反射境界に反射するように配向されており、前記画像サイドCR反射境界は、前記中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面からの光を前記画像サイドレンズに反射するように配向されており、前記画像サイドレンズは、前記画像サイドCR反射境界からの光を集束させて前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、例2に記載のクローキングデバイス。
[例4]
前記物体サイドレンズは、前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を焦線に集束させ、前記中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面は前記焦線に位置付けされている、例2に記載のクローキングデバイス。
[例5]
前記中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面は前記頂点軸に対して平行に配向されている、例2に記載のクローキングデバイス。
[例6]
前記少なくとも1つの外部反射境界は、内向きミラー表面を備えた物体サイド外部反射境界と、外向きミラー表面を備えた中央に位置付けされた反射境界と、内向きミラー表面を備えた画像サイド外部反射境界と、を含む、例1に記載のクローキングデバイス。
[例7]
前記物体サイド外部反射境界の前記内向きミラー表面は、前記物体サイドCR反射境界の前記外向きミラー表面および前記中央に位置付けされた反射境界の前記外向きミラー表面に面しており、
前記画像サイド外部反射境界の前記内向きミラー表面は、前記中央に位置付けされた反射境界の前記外向きミラー表面および前記画像サイドCR反射境界の前記外向きミラー表面に面している、
例6に記載のクローキングデバイス。
[例8]
前記物体サイドレンズは、前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を前記物体サイドCR反射境界に集束させるように配向されており、前記物体サイドCR反射境界は、前記物体サイドレンズから集束された光を前記物体サイド外部反射境界に反射するように配向されており、前記物体サイド外部反射境界は、前記物体サイドCR反射境界からの光を前記中央に位置付けされた反射境界に反射するように配向されており、前記中央に位置付けされた反射境界は、前記物体サイド外部反射境界からの光を前記画像サイド外部反射境界に反射するように配向されており、前記画像サイド外部反射境界は、前記中央に位置付けされた反射境界からの光を前記画像サイドCR反射境界に反射するように配向されており、前記画像サイドCR反射境界は、前記画像サイド外部反射境界からの光を前記画像サイドレンズに反射するように配向されており、前記画像サイドレンズは、前記画像サイドCR反射境界からの光を集束させて前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、例6に記載のクローキングデバイス。
[例9]
前記中央に位置付けされた反射境界の前記外向きミラー表面が前記頂点軸に対して平行に配向されている、例6に記載のクローキングデバイス。
[例10]
クローキングデバイスアセンブリであって、
物体サイド、画像サイド、および、前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する頂点軸と、
前記頂点軸の第1の側に位置付けされた第1の物体サイドCR反射境界および前記第1の側と反対側の前記頂点軸の第2の側に位置付けされた第2の物体サイドCR反射境界を含む、一対の物体サイドCR反射境界であって、各々が外向きミラー表面および内向き表面を含んでいる、一対の物体サイドCR反射境界と、
前記頂点軸の前記第1の側に位置付けされた第1の画像サイドCR反射境界および前記頂点軸の前記第2の側に位置付けされた第2の画像サイドCR反射境界を含む、一対の画像サイドCR反射境界であって、各々が外向きミラー表面および内向き表面を含んでいる、一対の画像サイドCR反射境界と、
前記一対の物体サイドCR反射境界および前記一対の画像サイドCR反射境界の前記内向き表面により囲まれたクローキング領域と、
前記頂点軸の前記第1の側に位置付けされた第1の物体サイドレンズおよび前記頂点軸の前記第2の側に位置付けされた第2の物体サイドレンズを含む、一対の物体サイドレンズであって、各々が外向き凸状表面を含んでいる、一対の物体サイドレンズと、
前記頂点軸の前記第1の側に位置付けされた第1の画像サイドレンズおよび前記頂点軸の前記第2の側に位置付けされた第2の画像サイドレンズを含む、一対の画像サイドレンズであって、各々が外向き凸状表面を含んでいる、一対の画像サイドレンズと、
前記頂点軸の前記第1の側に位置付けされた第1の外部反射境界および前記頂点軸の前記第2の側に位置付けされた第2の外部反射境界を含む少なくとも一対の外部反射境界であって、前記第1の外部反射境界が、前記第1の物体サイドCR反射境界および前記第1の画像サイドCR反射境界から離隔されかつこれらの第1の物体サイドCR反射境界および第1の画像サイドCR反射境界に面する内向きミラー表面を含み、前記第2の外部反射境界が、前記第2の物体サイドCR反射境界および前記第2の画像サイドCR反射境界から離隔されかつこれらの第2の物体サイドCR反射境界および第2の画像サイドCR反射境界に面する内向きミラー表面を含んでいる、少なくとも一対の外部反射境界と、
を含み、
前記クローキングデバイスアセンブリの前記物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記一対の物体サイドレンズにより集束され、前記一対の物体サイドCR反射境界、前記少なくとも一対の外部反射境界および前記一対の画像サイドCR反射境界により反射され、前記一対の画像サイドレンズにより集束されて前記クローキングデバイスアセンブリの画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記クローキング領域を通過したようにみえる、
クローキングデバイスアセンブリ。
[例11]
前記一対の物体サイドレンズおよび前記一対の画像サイドレンズが色消しレンズである、例10に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例12]
前記少なくとも一対の外部反射境界が、前記頂点軸の前記第1の側に位置付けされた第1の中央に位置付けされた外部反射境界および前記頂点軸の前記第2の側に位置付けされた第2の中央に位置付けされた外部反射境界を備えた、一対の中央に位置付けされた外部反射境界を含み、前記一対の中央に位置付けされた外部反射境界の各々が、頂点軸に対し平行に配向された前記内向きミラー表面を含んでいる、例10に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例13]
前記一対の物体サイドレンズは、前記クローキングデバイスアセンブリの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を前記一対の物体サイドCR反射境界に集束させるように配向されており、前記一対の物体サイドCR反射境界は、前記一対の物体サイドレンズから集束された光を前記一対の中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面に反射するよう配向されており、前記一対の中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面は、前記一対の物体サイドCR反射境界からの光を前記一対の画像サイドCR反射境界に反射するように配向されており、前記一対の画像サイドCR反射境界は、前記一対の中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面からの光を前記一対の画像サイドレンズに反射するように配向されており、前記一対の画像サイドレンズは、前記一対の画像サイドCR反射境界からの光を集束させて前記クローキングデバイスアセンブリの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、例12に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例14]
前記少なくとも一対の外部反射境界は、内向きミラー表面を備えた一対の物体サイド外部反射境界と、外向きミラー表面を備えた一対の中央に位置付けされた反射境界と、内向きミラー表面を備えた一対の画像サイド外部反射境界と、を含む、例10に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例15]
前記一対の物体サイドレンズは、前記クローキングデバイスアセンブリの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を前記一対の物体サイドCR反射境界に集束させるように配向されており、
前記一対の物体サイドCR反射境界は、前記一対の物体サイドレンズから集束された光を前記一対の物体サイド外部反射境界に反射するように配向されており、
前記一対の物体サイド外部反射境界は、前記一対の物体サイドCR反射境界からの光を前記一対の中央に位置付けされた反射境界に反射するように配向されており、
前記一対の中央に位置付けされた反射境界は、前記一対の物体サイド外部反射境界からの光を前記一対の画像サイド外部反射境界に反射するように配向されており、
前記一対の画像サイド外部反射境界は、前記一対の中央に位置付けされた反射境界からの光を前記一対の画像サイドCR反射境界に反射するように配向されており、
前記一対の画像サイドCR反射境界は、前記一対の画像サイド外部反射境界からの光を前記一対の画像サイドレンズに反射するように配向されており、
前記一対の画像サイドレンズは、前記一対の画像サイドCR反射境界からの光を集束させて前記クローキングデバイスアセンブリの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、
例14に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例16]
ビークルであって、
Aピラーと、
クローキングデバイスであって、
物体サイド、画像サイド、および、前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する頂点軸と、
外向きミラー表面と内向き表面とを含む物体サイドCR反射境界、および、外向きミラー表面と内向き表面とを含む画像サイドCR反射境界と、
前記物体サイドCR反射境界および前記画像サイドCR反射境界の前記内向き表面により囲まれたクローキング領域であって、前記Aピラーが当該クローキング領域の内部に位置付けされている、クローキング領域と、
各々が外向き凸状表面を含む、物体サイド色消しレンズおよび画像サイド色消しレンズと、
前記物体サイドCR反射境界および前記CR平面境界から離隔された内向きミラー表面を含む少なくとも1つの外部反射境界と、
を含むクローキングデバイスと、
を含み、
前記クローキングデバイスの物体サイドに位置付けされ前記クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイド色消しレンズにより集束され、前記物体サイドCR反射境界、前記少なくとも1つの外部反射境界および前記画像サイドCR反射境界により反射され、前記画像サイド色消しレンズにより集束されて前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記Aピラーを通過したようにみえる、
ビークル。
[例17]
前記少なくとも1つの外部反射境界が、前記頂点軸に対して平行に配向され前記物体サイドCR反射境界および前記画像サイドCR反射境界に面する前記内向きミラー表面を備えた、中央に位置付けされた外部反射境界を含む、例16に記載のビークル。
[例18]
前記物体サイドレンズが、前記物体サイドに位置付けされた物体からの入射光を焦線に集束させ、前記中央に位置付けされた外部反射境界の前記内向きミラー表面が前記焦線に位置付けされている、例17に記載のビークル。
[例19]
前記少なくとも1つの外部反射境界が、内向きミラー表面を備えた物体サイド外部反射境界と、前記頂点軸に対して平行に配向された外向きミラー表面を備えた中央に位置付けされた反射境界と、内向きミラー表面を備えた画像サイド外部反射境界と、を含む、例16に記載のビークル。
[例20]
前記物体サイド色消しレンズは、前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの入射光を前記物体サイドCR反射境界に集束させるように配向されており、前記物体サイドCR反射境界は、前記物体サイド色消しレンズから集束された光を前記少なくとも1つの外部反射境界に反射するように配向されており、前記少なくとも1つの外部反射境界は、前記物体サイドCR反射境界からの光を前記画像サイドCR反射境界に反射するように配向されており、前記画像サイドCR反射境界は、前記少なくとも1つの外部反射境界からの光を前記画像サイド色消しレンズに反射するように配向されており、前記画像サイド色消しレンズは、前記画像サイドCR反射境界からの光を集束させ前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、例16に記載のビークル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
【外国語明細書】
2019091008000001.pdf