【解決手段】圧力スイッチ100は、ダイヤフラム112の変動に対して鉛直方向に移動可能に配置される接点シャフト123と、2枚の接点板127とを備える。接点シャフト123は、ダイヤフラム112に鉛直方向に移動可能に接触する円柱形状の絶縁体部124と、絶縁体部124のダイヤフラム112に対向する側に配置される導体部125とを含む。2枚の接点板127は、それぞれの一方の端部が2本の接続端子128にそれぞれ接続され、それぞれの他方の端部が接点シャフト123に摺動可能にそれぞれ接触される。
前記接点板の前記他方の端部には、前記接点シャフトの前記導体部のフランジ部に面接触可能とするための、折り曲げられた接点部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の圧力スイッチ。
前記接点シャフトの前記ダイヤフラムに対向する側には、前記接点シャフトを前記ダイヤフラムに向けて付勢する弾性部材が更に設けられることを特徴とする請求項3に記載の圧力スイッチ。
前記ダイヤフラムの前記変動に対して鉛直方向に移動可能に接触するように配置され、前記弾性金属部材の前記屈曲部に押圧可能に接触する可動シャフトを更に備えることを特徴とする請求項11に記載の圧力スイッチ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
チャタリングを抑制するという共通の課題を有する発明として、例えば特許文献1には、電気回路の開閉を行う対向接点スイッチにおいて、コイルばね又は板ばね等の弾性接点部を設けてバイパス回路を形成することにより、コストアップを最小限としながらも、接点の接触時に生じるチャタリングを電気的に防止する発明が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、電力用開閉器および開閉装置において、接点との間にチャタリングに影響を与える固有振動数を有する部材が介在しない位置に接点閉合時の運動エネルギを消費するための開閉器機本来の部材を配置することにより、チャタリングを的確に抑制できる発明が記載されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2のいずれに記載された発明も、弾性部材を使用することにより、チャタリングによる振動を抑制する発明であり、チャタリングそのものを無くす発明ではない。
【0008】
従って、本発明の目的は、スイッチ及び圧力スイッチにおいて、接点間のチャタリングを防止し、チャタリング時のアーク放電による接点の劣化等を防止できるスイッチ及び圧力スイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のスイッチは、スイッチ動作に合わせて可動する駆動部と、絶縁体部、及び、前記絶縁体部に段差なく隣接して配置される導体部を含む第1接点と、前記第1接点の前記絶縁体部と前記導体部との間を直線状に摺動する第2接点と、前記駆動部による前記第1接点、又は、前記第2接点の駆動により、前記第1接点の前記導体部と前記第2接点が接触/非接触し、これにより外部にスイッチのON/OFF信号を送出する接続端子とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記スイッチは、圧力スイッチであって、前記駆動部として、配管から供給される流体の作動圧力に応じて変動するダイヤフラムを更に備えるものとしてもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の圧力スイッチは、配管から供給される流体の作動圧力に応じて変動するダイヤフラムと、外部にスイッチのON/OFF信号を送出する接続端子と、前記ダイヤフラムの前記変動に対して鉛直方向に移動可能に配置される接点シャフトと、接点板とを備える圧力スイッチにおいて、前記接点シャフトは、前記ダイヤフラムに鉛直方向に移動可能に接触する絶縁体部、及び、前記絶縁体部の前記ダイヤフラムに対向する側に配置され、前記絶縁体部に段差なく隣接して配置される導体部を含み、前記接点板は、前記接点板の一方の端部が前記接続端子に接続され、前記接点板の他方の端部が前記接点シャフトの前記絶縁体部と前記導体部との間を直線状に摺動可能にそれぞれ接触されることを特徴とする。
【0012】
また、前記絶縁体部は、円柱形状または多角柱形状に形成されるものとしてもよい。
【0013】
また、前記導体部は、前記絶縁体部に接続される接続部を有し、前記導体部の前記接続部は、断面が円形状または多角形状を有するように形成されるものとしてもよい。
【0014】
また、前記接点板の前記他方の端部には、前記接点シャフトの前記導体部のフランジ部に面接触可能とするための、折り曲げられた接点部が形成されるものとしてもよい。
【0015】
また、前記接点板の前記折り曲げられた接点部には、スリットが形成され、多点接触部が形成されるものとしてもよい。
【0016】
また、前記接点板の前記他方の端部には、前記接点板とは別の材質で形成された接点部材が取り付けられるものとしてもよい。
【0017】
また、前記接点部材には、溝が形成され、多点接触部が形成されるものとしてもよい。
【0018】
また、前記接点シャフトの前記ダイヤフラムに対向する側には、前記接点シャフトを前記ダイヤフラムに向けて付勢する弾性部材が更に設けられるものとしてもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の圧力スイッチは、配管から供給される流体の作動圧力に応じて変動するダイヤフラムと、外部にスイッチのON/OFF信号を送出する接続端子と、第1接点と、長手方向の中央位置に屈曲部が形成された弾性金属部材を有する第2接点とを備える圧力スイッチにおいて、前記第1接点は、絶縁体部、及び、前記絶縁体部に段差なく隣接して配置され、前記接続端子と接続される導体部を含み、前記弾性金属部材は、前記弾性金属部材の一方の端部が片持ち状に支持され、前記弾性金属部材の他方の端部が前記ダイヤフラムの前記変動に合わせて前記屈曲部が押圧されることにより、前記第1接点の前記絶縁体部と前記導体部との間を直線状に摺動することを特徴とする。
【0020】
また、前記ダイヤフラムの前記変動に対して鉛直方向に移動可能に接触するように配置され、前記弾性金属部材の前記屈曲部に押圧可能に接触する可動シャフトを更に備えるものとしてもよい。
【0021】
また、前記弾性金属部材の前記他方の端部には、前記弾性金属部材とは別の材質で形成された接点部材が取り付けられるものとしてもよい。
【0022】
また、前記ダイヤフラムは、スナップアクションするものとしてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明のスイッチ及び圧力スイッチによれば、接点間のチャタリングを防止することができ、チャタリング時のアーク放電による接点の劣化等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1(a)は、本発明の第1の実施形態による圧力スイッチのスイッチ閉状態を示す縦断面図であり、
図1(b)は、接点シャフトの導体部と接点板との接触状態を示す上面断面図である。
【
図2】
図2(a)は、
図1(a)に示す圧力スイッチのスイッチ開状態を示す縦断面図であり、
図2(b)は、接点シャフトの絶縁体部と接点板との接触状態を示す上面断面図である。
【
図3】接点シャフトと接点板との接触状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4(a)は、本発明の第2の実施形態による圧力スイッチのスイッチ閉状態を示す縦断面図であり、
図4(b)は、接点シャフトの導体部と接点板との接触状態を示す上面断面図であり、
図4(c)は、接点シャフトと接続端子に接続された接点板との接触状態を示す斜視図である。
【
図5】
図5(a)は、
図4(a)に示す圧力スイッチのスイッチ開状態を示す縦断面図であり、
図5(b)は、接点シャフトの絶縁体部と接点板との接触状態を示す上面断面図である。
【
図6】
図6(a)は、本発明の第3の実施形態による圧力スイッチのスイッチ閉状態を示す縦断面図であり、
図6(b)は、接点シャフトの導体部と接点板との接触状態を示す上面断面図であり、
図6(c)は、接点シャフトの導体部の斜視図である。
【
図7】
図7(a)は、
図6(a)に示す圧力スイッチのスイッチ開状態を示す縦断面図であり、
図7(b)は、接点シャフトの絶縁体部と接点板との接触状態を示す上面断面図である。
【
図8】
図8(a)は、接点シャフトと接続端子に接続された接点板との接触状態を示す斜視図であり、
図8(b)は、接点シャフトの絶縁体部と多点接点を有する接点板との接触状態を拡大して示す上面断面図である。
【
図9】
図9(a)は、本発明の第4の実施形態による圧力スイッチのスイッチ閉状態を示す縦断面図であり、
図9(b)は、接点シャフトの導体部と接点板との接触状態を示す上面断面図である。
【
図10】
図10(a)は、
図9(a)に示す圧力スイッチのスイッチ開状態を示す縦断面図であり、
図10(b)は、接点シャフトの絶縁体部と接点板との接触状態を示す上面断面図である。
【
図11】接点シャフトと接続端子に接続された接点板との接触状態を示す斜視図である。
【
図12】
図12(a)は、本発明の第5の実施形態による圧力スイッチのスイッチ閉状態を示す縦断面図であり、
図12(b)は、
図12(a)に示す圧力スイッチのスイッチ開状態を示す縦断面図である。
【
図13】
図13(a)は、本発明の第6の実施形態による圧力スイッチのスイッチ開状態を示す縦断面図であり、
図13(b)は、
図13(a)に示す圧力スイッチのスイッチ閉状態を示す縦断面図である。
【
図14】
図14(a)は、本発明の第7の実施形態による圧力スイッチの接点シャフトと接続端子に接続された接点板との接触状態を示す斜視図であり、
図14(b)は、第1の接点状態を示す模式図であり、
図14(c)は、第2の接点状態を示す模式図であり、
図14(d)は、第3の接点状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0026】
尚、以下の説明における上下方向、又は、左右方向の概念は、
図1(a)における上下左右に対応しており、各部材の相対的な位置関係を示すものであって、絶対的な位置関係を示すものではない。
【0027】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0028】
図1(a)は、本発明の第1の実施形態による圧力スイッチ100のスイッチ閉状態を示す縦断面図であり、
図1(b)は、接点シャフト123の導体部125と接点板127との接触状態を示す上面断面図であり、
図2(a)は、
図1(a)に示す圧力スイッチ100のスイッチ開状態を示す縦断面図であり、
図2(b)は、接点シャフト123の絶縁体部124と接点板127との接触状態を示す上面断面図である。
図3は、接点シャフト123と接点板127との接触状態を示す斜視図である。
【0029】
図1(a)乃至
図3において、本発明の第1の実施形態による圧力スイッチ100は、圧力導入部110と、スイッチ部120と、カバー部材130とを備えており、圧力導入部110とスイッチ部120は、これらの外周部に配置された、円筒形状の例えば金属製のカバー部材130により互いに固定される。
【0030】
図1(a)及び
図2(a)に示すように、圧力導入部110は、継手111と、ダイヤフラム112と、ストッパ113と、キャップ114と、溶接部115とを備える。
【0031】
継手111は、冷凍空調サイクルで使用される冷媒等の圧力検出されるべき流体が導かれる配管に接続され、例えば金属材料からなり、プレス成形、切削加工、ダイキャスト、鍛造等により形成される。継手111の端部はキャップ114の中央部に設けられた開口部114aに例えば溶接等により接続される。
【0032】
ダイヤフラム112は、継手111及びキャップ114との間に受圧室112Aを区画している。ダイヤフラム112は、配管から受圧室112Aに供給された流体の作動圧力に応じて変動する。ダイヤフラム112は、本実施形態では、受圧室112Aの圧力に応じて反転動作、すなわち、スナップアクションするばね性を有する金属製のものを使用している。つまり、受圧室112Aの圧力が設定値未満である場合には、
図1(a)に示すように下側に膨らんだ形状をなし、受圧室112Aの圧力が設定値以上になると、
図2(a)に示すように、上側に膨らんだ形状に可逆的に反転する。なお、ダイヤフラム112として、本実施形態ではスナップアクションするものを使用したが、これには限定されず、受圧室112Aの流体の圧力の変化に従い、ダイヤフラム112の形状が変化するものであればよい。
【0033】
ストッパ113及びキャップ114は、中央に開口部113a及び114aを有する、例えば金属材料の部材であり、プレス成形、切削加工、ダイキャスト、鍛造等により形成される。ストッパ113は、上カバーとも呼ばれ、ダイヤフラム112の受圧室112Aに対向する側に配置され、キャップ114は、下カバーとも呼ばれ、ダイヤフラム112の受圧室112A側に配置される。本実施形態では、ストッパ113及びキャップ114は、これらの間にダイヤフラム112を挟持した状態でその外周縁全周を溶接部115により固定される。
【0034】
なお、ストッパ113及びキャップ114は、上述の例に限定されず、例えばストッパ113及びキャップ114が一体とされる1つの支持部材にダイヤフラム112の外周縁が支持される構成としてもよい。また、例えば、ダイヤフラム112の外周縁を支持する支持部材としてのストッパ113及びキャップ114が、継手111の一部、あるいは、他の装置の一部(例えば、基台)として構成されてもよい。また、キャップ114とダイヤフラム112、若しくは、ストッパ113とダイヤフラム112のみで構成されてもよい。また、本実施形態では、キャップ114の中央の開口部114a付近が継手111側に湾曲しており、キャップ114は継手111と共に受圧室112Aを形成しているが、この形状には限定されず、キャップ114に別のお椀形状の部品を固定する、あるいは、継手111の形状を変形して受圧室112Aを形成するものとしてもよい。
【0035】
図1(a)乃至
図3に示すように、スイッチ部120は、端子台121と、ガイド板122と、接点シャフト123と、板ばね126と、2枚の接点板127と、2本の接続端子128と、シール用Oリング129とを備える。
【0036】
端子台121は、略円柱形状で電気絶縁性の合成樹脂等で形成される。端子台121の上部には、2本の接続端子128のそれぞれの一方の端部が外部に引き出された状態で保持される。更に端子台121の表面の2本の接続端子128の周囲に接着剤129Aが塗布され、大気側に対する防水/防塵機能を果たしている。
図1(a)及び
図2(a)に示すように、端子台121の内部には、接点シャフト123及び接点板127等の導電部品が内部に収容され、端子台121は、接着剤129A、及び、後述するシール用Oリング129と共に、圧力スイッチ100の防水機能を果たしている。
【0037】
ガイド板122は、
図1(a)及び
図2(a)に示すように、電気絶縁性を有する合成樹脂等で形成され、中央に貫通孔122aを有し、受圧室112Aに対向する側であり中央に向かい次第に突出する肉厚部122bを有する形状に形成される。ガイド板122は、ストッパ113の受圧室112Aに対向する側に配置され、これによりダイヤフラム112、ストッパ113、及び、キャップ114などの金属部品と、接点シャフト123及び接点板127等の導電部品との間の絶縁性を保つ機能を果たしている。
【0038】
接点シャフト123は、
図1(a)及び
図2(a)に示すように、ストッパ113の開口部113a、及び、ガイド板122の貫通孔122aに移動可能に配置され、ダイヤフラム112のスナップアクション等の変動、及び、後述する板ばね126の付勢力に合わせて、ダイヤフラム112に対して鉛直方向に移動する。接点シャフト123は、
図3に示すように、ダイヤフラム112に鉛直方向に移動可能に接触する円柱形状の絶縁体部124と、絶縁体部124のダイヤフラム112に対向する側に配置され、絶縁体部124に接続する断面が四角形状の接続部125aを有し、この接続部125aに対して対称となるような断面T字形状を有する導体部125とを備える。
【0039】
なお、本実施形態では、
図3に示すように、導体部125の形状を、接続部125aの絶縁体部124に対向する側に直方体が配置されるT字形状としたが、この形状には限定されず、直方体の代わりに円板形状のフランジが設けられるものとしてもよい。また、本実施形態では、
図1(b)に示すように、T字形状の導体部125の接続部125aの断面を四角形状とし、
図2(b)に示すように、絶縁体部124を円柱形状としたが、これには限定されず、導体部125、絶縁体部124、共に、断面を円形状又は四角等の多角形状としてもよいし、更に別の形状としてもよい。但し、絶縁体部124、及び、導体部125の表面は、後述するように、2枚の接点板127が摺動可能に接触する必要があるため、絶縁体部124と導体部125の接点板127との摺動部は、段差がなく隣接して配置される必要がある。また、接点シャフト123の絶縁体部124と、導体部125の接続の方法としては、インサート成形、圧入、溶接、ねじ止め等の方法が考えられるが、相対位置に変動がなければ、接触していればよく、嵌めあいなどでも構わない。
【0040】
板ばね126は、
図1(a)及び
図2(a)に示すように、接点シャフト123の導体部125の上部に配置され、端子台121の内壁の上面に接触し、接点シャフト123を下方に付勢する力を生じている。なお、板ばね126は、本実施形態では、例えば弾性を有する金属製の板ばねとしたが、これには限定されず下方に付勢する力を生じる他の形状のばねを使用するものとしても構わない。また、板ばね126は、受圧室112Aの圧力が低下し、ダイヤフラム112が下側に膨らんだ場合に、接点シャフト123と接点板127が摺動可能に接触した状態で、接点シャフト123を確実に下方に移動させるために設けられている。このため、接点シャフト123と接点板127の接触力を低く設定した場合、又は、接点シャフト123をダイヤフラム112に固定した場合等では、板ばね126を設けなくても構わない。
【0041】
接点板127は、
図1(a)及び
図2(a)に示すように、2枚の長方形状の金属製の板ばねであり、それぞれの一方の端部が2本の接続端子128にそれぞれ接続されて固定される。さらに、2枚の接点板127のそれぞれの他方の端部は、その間に配置された接点シャフト123に摺動可能に接触し、この状態で接点シャフト123が移動できるように、受圧室112Aに対向する側で中心に向かい傾斜した状態で片持ち梁状に配置される。
【0042】
また、本実施形態では、
図1(a)及び
図2(a)に示すように、2枚の接点板127のそれぞれの他方の端部には、接点シャフト123のT字形状の導体部125のフランジ部に面接触可能とするために折り曲げられた接点部127aがそれぞれ形成される。これにより、接点シャフト123が下方に移動したとき、2枚の接点板127と接点シャフト123の導体部125が確実に接触することができ、スイッチ閉状態における電気伝導を確実なものとすることができる。
【0043】
2本の接続端子128は、圧力スイッチ100の外部出力端子であり、上述のように、配管から受圧室112Aに供給された流体の作動圧力に応じたダイヤフラム112の変動に合わせた接点シャフト123の移動により行われるスイッチ動作を、電気スイッチの開閉信号として外部に送出する。
【0044】
シール用Oリング129は、
図1(a)及び
図2(a)に示すように、ストッパ113の上部に、ガイド板122と端子台121との間に挟まれて配置され、大気側に対する防水/防塵機能を果たしている。なお、接点シャフト123は、第1接点を構成し、接点板127は、第2接点を構成する。
【0045】
以上のように、本発明の第1の実施形態による圧力スイッチ100によれば、絶縁体部124とこれに段差なく隣接して配置された導体部125とを有する接点シャフト123がダイヤフラム112の変動に合わせて移動し、このときに2枚の接点板127が接点シャフト123と直線状に摺動して接触しつつ、導体部125とのスイッチ開閉動作を行うことにより、有接点式の圧力スイッチで問題となるチャタリングを防止しこれによる不具合を解消することができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0047】
図4(a)は、本発明の第2の実施形態による圧力スイッチ200のスイッチ閉状態を示す縦断面図であり、
図4(b)は、接点シャフト123の導体部125と接点板227Aとの接触状態を示す上面断面図であり、
図4(c)は、接点シャフト123と接続端子128に接続された接点板227Aとの接触状態を示す斜視図であり、
図5(a)は、
図4(a)に示す圧力スイッチ200のスイッチ開状態を示す縦断面図であり、
図5(b)は、接点シャフト123の絶縁体部124と接点板227Aとの接触状態を示す上面断面図である。
【0048】
図4(a)乃至
図5(b)において、本発明の第2の実施形態による圧力スイッチ200は、
図1(a)乃至
図3に示す圧力スイッチ100と比較して、2枚の接点板227Aの他方の端部に、2枚の接点板227Aとは別の材質で形成された接点部材227Bが取り付けられている点が異なり、その他の構成は圧力スイッチ100と同じである。同様の構成要素には、同様の符号を付し、説明を省略する。
【0049】
なお、接点板227Aの他方の端部に、接点部材227Bを設けることにより、接点部材227Bの材質として、耐発熱性の材質を選択することができる。接点部材227Bの材質として、例えば冷熱系の圧力スイッチの接点部材で使用される銀合金等を使用するものとしてもよい。
【0050】
以上のように、本発明の第2の実施形態の圧力スイッチ200によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られ、さらに耐発熱性の材質で形成された接点部材227Bを使用することにより、圧力スイッチ200の耐久性を向上させることができる。
【0051】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0052】
図6(a)は、本発明の第3の実施形態による圧力スイッチ300のスイッチ閉状態を示す縦断面図であり、
図6(b)は、接点シャフト323の導体部325と接点板327との接触状態を示す上面断面図であり、
図6(c)は、接点シャフト323の導体部325の斜視図であり、
図7(a)は、
図6(a)に示す圧力スイッチ300のスイッチ開状態を示す縦断面図であり、
図7(b)は、接点シャフト323の絶縁体部324と接点板327との接触状態を示す上面断面図であり、
図8(a)は、接点シャフト323と接続端子128に接続された接点板327との接触状態を示す斜視図であり、
図8(b)は、接点シャフト323の絶縁体部324と多点接触部327bを有する接点板327との接触状態を拡大して示す上面断面図である。
【0053】
図6(a)乃至
図8(b)において、本発明の第3の実施形態による圧力スイッチ300は、
図1(a)乃至
図3に示す圧力スイッチ100と比較して、接点シャフト323のT字形状の導体部325の接続部325aの断面が円形状である点と、2枚の接点板327の他方の端部に、スリット327aが形成され多点接触部327bが形成される点が異なり、その他の構成は圧力スイッチ100と同じである。同様の構成要素には、同様の符号を付し、説明を省略する。
【0054】
図8(a)に示すように、本実施形態では、2枚の接点板327には、第1の実施形態の2枚の接点板127と同様に折り曲げられた接点部が形成され、さらにこの折り曲げられた接点部にスリット327aが形成され、接点部が2つに分かれた多点接触部327bが形成されている。多点接触部327bが設けられることにより、噛み込みによる接点不良が生じる可能性が低くなり、信頼性が向上する。
【0055】
本発明では、チャタリングを防止するために、2枚の接点板327が摺動して導体部325とのスイッチ開閉動作を行う必要があるために、接点シャフト323の絶縁体部324と導体部325は、段差なく隣接して配置される必要がある。このときに、多点接触部327bを設け、第1の実施形態の圧力スイッチ100のように、導体部125の接続部125aの断面を四角形状とし、絶縁体部124を円柱形状とした場合には、円柱の直径を変更する必要がある。この点について、
図8(b)を使用して説明する。
【0056】
図8(b)に示すように、2枚の接点板327にスリット327aを設け、多点接触部327bを形成した場合には、導体部125の断面が四角形状の接続部125aから、円柱形状の絶縁体部124に移動し接触するときに、接触位置が内側に入り込むため段差が生じ、接点板327が弾みチャタリングが発生する可能性がある。これを防止するためには、
図8(b)の実線で示すように、円柱形状の絶縁体部324の半径を大きくする必要がある。このときの円柱形状の半径の条件は以下のようになる。なお、以下の式は、導体部125の接続部125aの断面が四角形状の場合のものであり、それ以外の形状の場合には別途計算式が必要になる。また、スリット幅が狭い場合には、段差自体が小さくなるため、半径を変更する必要はない。
【0057】
【数1】
A:接続部125aの幅、B:スリット327aの幅、C:絶縁体部324の半径
【0058】
このように、多点接触部327bを設けた場合には、絶縁体部324は、スリット327aの幅等を考慮した半径に変更する必要があるため、絶縁体部324と導体部325の形状は、円柱同士、または、四角柱など多角柱同士の方が望ましい。なお、本実施形態では、
図6(b)に示すように、T字形状の導体部325の接続部325aの断面を円形状とし、
図7(b)に示すように、絶縁体部324を円柱形状としている。
【0059】
なお、第2の実施形態の圧力スイッチ200のように、圧力スイッチ300の接点板327の多点接触部327bのそれぞれに、耐発熱性の材質の接点部材を取り付けて、多点接触としてもよい。
【0060】
以上のように、本発明の第3の実施形態による圧力スイッチ300によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られ、さらに2枚の接点板327にスリット327aを設け、多点接触部327bを形成することにより、噛み込みによる接点不良が生じる可能性が低くなり、信頼性を向上させることができる。
【0061】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0062】
図9(a)は、本発明の第4の実施形態による圧力スイッチ400のスイッチ閉状態を示す縦断面図であり、
図9(b)は、接点シャフト423の導体部425と接点板427Aとの接触状態を示す上面断面図であり、
図10(a)は、
図9(a)に示す圧力スイッチ400のスイッチ開状態を示す縦断面図であり、
図10(b)は、接点シャフト423の絶縁体部424と接点板427Aとの接触状態を示す上面断面図であり、
図11は、接点シャフト423と接続端子128に接続された接点板427Aとの接触状態を示す斜視図である。
【0063】
図9(a)乃至
図11において、本発明の第4の実施形態による圧力スイッチ400は、
図4(a)乃至
図5(b)に示す圧力スイッチ200と比較して、2枚の接点板427Aの他方の端部にそれぞれ取り付けられた2つの接点部材427Bには、溝427Baが形成され、多点接触部427Bbが形成される点と、接点シャフト423の絶縁体部424が、導体部425の四角形状の接続部425aの形状に合わせて四角柱形状である点が異なり、その他の構成は圧力スイッチ200と同じである。同様の構成要素には、同様の符号を付し、説明を省略する。
【0064】
接点部材427Bを設けることにより、接点部材427Bの材質として、耐発熱性の材質を使用することができ、これにより圧力スイッチ400の耐久性を向上させることができる。また、接点部材427Bに溝427Baを設け多点接触部427Bbを形成することにより、噛み込みによる接点不良が生じる可能性が低くなり、信頼性を向上させることができる。
【0065】
以上のように、本発明の第4の実施形態による圧力スイッチ400によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られ、さらに、第2及び第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0067】
図12(a)は、本発明の第5の実施形態による圧力スイッチ500のスイッチ閉状態を示す縦断面図であり、
図12(b)は、
図12(a)に示す圧力スイッチ500のスイッチ開状態を示す縦断面図である。
【0068】
図12(a)及び
図12(b)において、本発明の第5の実施形態による圧力スイッチ500は、圧力導入部110と、スイッチ部520と、カバー部材130とを備えている。圧力導入部110とスイッチ部520は、これらの外周部に配置された、円筒形状の例えば金属製のカバー部材130により互いに固定される。圧力導入部110及びカバー部材130については、圧力スイッチ100と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0069】
図12(a)及び
図12(b)に示すように、スイッチ部520は、端子台521と、ガイド板522と、可動シャフト523と、弾性金属板526と、接点部材527と、2本の接続端子528と、シール用Oリング529とを備える。
【0070】
端子台521は、電気絶縁性を有する合成樹脂等で形成され、ストッパ113の上部に配置され、ガイド板522及びシール用Oリング529と共に、大気側に対する防水/防塵機能を果たしている。端子台521の上部には、2本の接続端子528のそれぞれの一方の端部が外部に引き出された状態で保持される。2本の接続端子528の一方は、端子台521の内部の上面壁に沿ってその中央まで伸び、端子台521の上面壁に段差なく隣接して配置される。
【0071】
なお、端子台521の内部の上面壁は第1接点の絶縁体部を構成し、2本の接続端子528の一方は第1接点の導体部を構成する。また、本実施形態では、2本の接続端子528のうちの1本の長さを延長するものとしたが、別の導電性の部品を新たに接続するものとしてもよい。
【0072】
ガイド板522は、
図12(a)及び
図12(b)に示すように、電気絶縁性を有する合成樹脂等で形成され、中央に開口部522aを有し、受圧室112Aに対向する側に平坦な平面を有する形状に形成される。
【0073】
可動シャフト523は、
図12(a)及び
図12(b)に示すように、ストッパ113の開口部113a、及び、ガイド板522の開口部522aに移動可能に配置され、ダイヤフラム112のスナップアクション等の変動に対して鉛直方向に移動可能に接触するように配置され、後述する弾性金属板526の屈曲部526aに押圧可能に接触する。
【0074】
弾性金属板526は、長手方向の中央位置に屈曲部526aが形成された長方形状を有する金属板であり、第2接点を構成する。弾性金属板526の一方の端部は、2本の接続端子528の他方に接続され片持ち状に支持される。また、弾性金属板526の他方の端部は、ダイヤフラム112の変動に合わせて屈曲部526aが押圧されることにより、上述の第1接点の絶縁体部を構成する端子台521の内部の上面壁と、第1接点の導体部を構成する接続端子528の一部との間を摺動可能に移動する。なお、ここでは、弾性金属板526として、長方形状を有する金属板を使用したが、ワイヤー等の他の弾性金属部材を使用するものとしてもよい。
【0075】
接点部材527は、弾性金属板526の他方の端部に取り付けられ、弾性金属板526とは別の材質で形成される。接点部材527の材質として、耐発熱性の材質、例えば冷熱系の圧力スイッチの接点部材で使用される銀合金等を使用するものとしてもよい。また、第4の実施形態と同様に、接点部材527に溝を形成し、多点接触部を形成するものとしてもよい。
【0076】
以上のように、本発明の第5の実施形態による圧力スイッチ500によっても、第1乃至第4の実施形態と同様の効果が得られ、さらに、第1乃至第4の実施形態と比較して、全長を短くすることができ、小型化につながるという利点がある。
【0077】
ここまで、本発明の第1乃至第5の実施形態による圧力スイッチ100乃至500を参照して、2本の接続端子を有する実施形態について説明してきたが、これには限定されず、接続端子は1本でも、その他複数本を有するものとしてもよい。以下に、2本以外の接続端子を有する実施形態について説明する。
【0078】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
【0079】
図13(a)は、本発明の第6の実施形態による圧力スイッチ600のスイッチ開状態を示す縦断面図であり、
図13(b)は、
図13(a)に示す圧力スイッチ600のスイッチ閉状態を示す縦断面図である。
【0080】
図13(a)及び
図13(b)において、本発明の第6の実施形態による圧力スイッチ600は、
図12(a)及び
図12(b)に示す圧力スイッチ500と比較して、1本の接続端子628を有するボディアースタイプである点が異なり、その他の構成は圧力スイッチ500と同様である。同様の構成要素には、同様の符号を付し、説明を省略する。
【0081】
図13(b)に示すように、ボディアースタイプの圧力スイッチ600のスイッチ閉状態では、導通経路が、接続端子628、接点部材627、弾性金属板626、ガイド板622、金属製のダイヤフラムアセンブリ、継手111などの外部アースとなる。このため、本実施形態では、ガイド板622が金属等の導電性の材質で形成される必要がある。なお、本実施形態のダイヤフラムアセンブリは、ダイヤフラム112と、ストッパ113と、キャップ114と、溶接部115とから構成される。また、ガイド板622と、金属製のダイヤフラムアセンブリ、又は、継手111などの外部アースとの間は、確実に導通させる必要があるため、ガイド板622と、金属製のダイヤフラムアセンブリとの間に、金属製の皿ばねを配置してもよい。
【0082】
以上のように、本発明の第6の実施形態による圧力スイッチ600によっても、第5の実施形態と同様の効果が得られる。
【0083】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
【0084】
図14(a)は、本発明の第7の実施形態による圧力スイッチ700の接点シャフト723と接続端子728に接続された接点板727との接触状態を示す斜視図であり、
図14(b)は、第1の接点状態を示す模式図であり、
図14(c)は、第2の接点状態を示す模式図であり、
図14(d)は、第3の接点状態を示す模式図である。
【0085】
図14(a)乃至
図14(d)において、本発明の第7の実施形態による圧力スイッチ700は、
図1(a)乃至
図3に示す圧力スイッチ100と比較して、3本の接続端子728と、3接点用の接点シャフト723を備える点が異なり、その他の構成は圧力スイッチ100と同様である。同様の構成要素には、同様の符号を付し、説明を省略する。3接点用の接点シャフト723は、ここでは円柱形状を有しており、
図14(a)の上方から、長手方向に導体部725A、絶縁体部724、導体部725Bの順で段差なく隣接して配置され、導体部725Aと導体部725Bとの間は、絶縁体部724の内部に配置された接続部725Cにより電気的に接続される。
【0086】
図14(b)乃至
図14(d)に示すように、接点シャフト723が、
図14(a)に示す上下方向に移動させることにより、3枚の接続端子728の電気的な接続状態は変化する。つまり、
図14(b)に示す第1の接点状態では、接続端子728L、728C間が電気的に接続され、
図14(c)に示す第2の接点状態では、接続端子728H、728L間が電気的に接続され、
図14(d)に示す第3の接点状態では、接続端子728H、728C間が電気的に接続される。なお、
図14(a)に示す状態は、
図14(d)に示す第3の接点状態に対応する。
【0087】
また、例えば接点シャフト723がスナップアクションするダイヤフラムに駆動される圧力スイッチ700の場合には、接点シャフト723のストロークを長くできないため、
図14(b)に示す第1の状態と
図14(c)に示す第2の状態の間、又は、
図14(c)に示す第2の接点状態と
図14(d)に示す第3の接点状態との間を遷移することになる。また、駆動部がダイヤフラム以外の場合には、第1乃至第3の状態の全ての間を遷移することも可能となる。また、本実施形態では、3枚の接続端子728H、728C、728Lを備えるものとしたが、これには限定されず、さらにそれ以上の本数の接続端子を備えるものとしてもよい。
【0088】
以上のように、本発明の第7の実施形態による圧力スイッチ700によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0089】
なお、以上のように、本発明のスイッチ及び圧力スイッチについて、第1乃至第7の実施形態による圧力スイッチを使用して説明してきたが、これらの実施形態は例示であって限定ではない。例えば、ダイヤフラム112として、金属製のスナップアクションするものを使用したが、これには限定されず、接点シャフト又は可動シャフトを可動させる駆動部は、他のものでも構わない。
【0090】
また、本発明は、圧力スイッチに限定されず、電気スイッチ等のその他のスイッチにも適用可能である。つまり、絶縁体部、及び、絶縁体部に段差なく隣接して配置される導体部を含む第1接点と、駆動部により駆動され、第1接点の絶縁体部と導体部との間を直線状に摺動する第2接点とを有し、第1接点と第2接点の接触/非接触により外部にスイッチのON/OFF信号を送出する電気スイッチ等のその他のスイッチにも本発明は適用可能である。
【0091】
以上説明したように、本発明のスイッチ及び圧力スイッチによれば、接点式のスイッチ及び圧力スイッチで問題となる接点間のチャタリングを防止しこれによる不具合を解消することができる。