【課題】食物等に触れる作用部から離れた把持柄の後端側を卓上に載置することで作用部を卓上から離れた位置に支持することができ衛生面で優れ、作用部に食物等を保持させたままの状態でも、卓上より浮かせた状態で支持することができる飲食用具を提供する。
【解決手段】食物等に触れる作用部11と、該作用部11の後端に連なる把持柄20からなる飲食用具10において、把持柄20は、作用部11に連なる第1部位21と、第1部位21の後端より下方へ向かう第2部位22と、該第2部位22の下端より折り返されて第1部位21と対向して延び卓上に載置可能な第3部位23とを有する。第3部位23を卓上に載置した際に、第2部位22より上側は自立した状態となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
  しかしながら、前述した特許文献1〜4に記載された飲食用具は、いずれも作用部に近い箇所が支点となって卓上に当接するため、当該箇所を作用部と共に口に含めてしまうことも多く、しかも作用部は卓上に近接しており、衛生面での不安を解消するには不十分であった。また、飲食用具が計量スプーンである場合、調味料等を作用部に掬ったままの状態では、重心の関係で作用部を卓上より浮かせた状態で支持することは難しかった。
【0006】
  本発明は、以上のような従来技術の有する問題点に着目してなされたものであり、食物等に触れる作用部から離れた把持柄の後端側を卓上に載置することで作用部を卓上から離れた位置に支持することができ衛生面で優れ、作用部に食物等を保持させたままの状態でも、卓上より浮かせた状態で支持することができる飲食用具を提供することを目的としている。
 
【課題を解決するための手段】
【0007】
  前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
  [1]食物等に触れる作用部(11,11A等)と、該作用部(11,11A等)の後端に連なる把持柄(20,20A等)からなる飲食用具(10,10A等)において、
  前記把持柄(20,20A等)は、前記作用部(11,11A等)の後端より所定長さ延びる第1部位(21,21A等)と、該第1部位(21,21A等)の後端より下方へ向かう第2部位(22,22A等)と、該第2部位(22,22A等)の下端より折り返されて前記第1部位(21,21A等)と対向して延び卓上に載置可能な第3部位(23,23A等)とを有し、
  前記把持柄(20,20A等)の第3部位(23,23A等)を卓上に載置した際に、前記第2部位(22,22A等)より上側は自立した状態となり、前記作用部(11,11A等)および前記把持柄(20,20A等)の第1部位(21,21A等)は、第3部位(23,23A等)の前端と後端を結ぶ直線乃至その延長線に対して鉛直となる上方に離隔した状態で支持可能であることを特徴とする飲食用具(10,10A等)。
【0008】
  [2]前記把持柄(20,20A等)は、フックとして第1部位(21,21A等)と第3部位(23,23A等)との間に被支持体を挟んだ状態で掛止可能であることを特徴とする前記[1]に記載の飲食用具(10,10A等)。
【0009】
  [3]前記[1]または[2]に記載の飲食用具(10A)であって、互いに大きさの異なる複数が組みとなり、
  各飲食用具(10A1〜3)は、前記作用部(11A1〜3)が互いに重なり合う形状で相似形に形成され、かつ前記把持柄(20A1〜3)は、前記作用部(11A1〜3)が小さい順に逆に大きくなる相似形に形成されており、
  各飲食用具(10A1〜3)は、前記作用部(11A1〜3)が大きい順に、その上側に小さい前記作用部が順に重ね合わさると共に、前記把持柄(20A1〜3)が小さい順に、その外側に大きい前記把持部が順に重ね合わさる状態で収納可能である飲食用具(10A)。
【0010】
  次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。
  前記[1]に記載の飲食用具(10,10A等)によれば、把持柄(20,20A等)の後端側である第3部位(23,23A等)を卓上に載置すると、第3部位(23,23A等)の前端側に連なる第2部位(22,22A等)や第1部位(21,21A等)および作用部(11,11A等)を含む上側全体が自立する状態となる。
【0011】
  飲食用具(10,10A等)が自立した状態において、作用部(11,11A等)および把持柄(20,20A等)の第1部位(21,21A等)は、第3部位(23,23A等)の前端と後端を結ぶ直線乃至その延長線に対して鉛直となる上方に離隔した状態で支持される。ここで作用部(11,11A等)および把持柄(20,20A等)の第1部位(21,21A等)は、把持柄(20,20A等)の第2部位(22,22A等)における高さ分だけ卓上から十分に離すことができる。
【0012】
  これにより、飲食用具(10,10A等)の作用部(11,11A等)だけでなく、これに隣接する把持柄(20,20A等)の第1部位(21,21A等)および第2部位(22,22A等)(下端は除く)も、卓上に直に接触することはなく、衛生的に使用することができる。また、卓上に接触する把持柄(20,20A等)の第3部位(23,23A等)は、作用部(11,11A等)から離れているため、作用部(11,11A等)と一緒に口に含める虞もない。さらに、作用部(11,11A等)に食物等を保持させたままの状態でも、重心の関係で卓上より浮かせた状態で支持することができる。
【0013】
  また、前記[2]に記載の飲食用具(10,10A等)によれば、把持柄(20,20A等)は、フックとして第1部位(21,21A等)と第3部位(23,23A等)との間に被支持体を挟んだ状態で掛止可能である。すなわち、把持柄(20,20A等)の第1部位(21,21A等)と第3部位(23,23A等)との間に、立て掛けたまな板やどんぶり等の縁(被支持体)を挟んだ状態にして、この縁に第2部位(22,22A等)を置くようにすれば、飲食用具(10,10A等)を安定した状態で掛止しておくことができる。
【0014】
  さらに、前記[3]に記載の飲食用具(10A)によれば、互いに大きさの異なる複数が組みとなっている。ここで各飲食用具(10A1〜3)は、作用部(11A1〜3)が互いに重なり合う形状で相似形に形成され、かつ把持柄(20A1〜3)は、前記作用部(11A1〜3)が小さい順に逆に大きくなる相似形に形成されている。
【0015】
  よって、各飲食用具(10A1〜3)は、作用部(11A1〜3)が大きい順に、その上側に小さい作用部が順に重ね合わさると共に、把持柄(20A1〜3)が小さい順に、その外側に大きい前記把持部が順に重ね合わさる状態となる。このように、各飲食用具(10A1〜3)をひとまとめにして収納しておくことができる。かかる重ね合わせた状態でも、最も外側となる飲食用具(10A3)の把持柄(20A3)における第3部位(223A3)を卓上に載置すれば、全体として自立させることも可能である。
 
【発明の効果】
【0016】
  本発明に係る飲食用具によれば、食物等に触れる作用部から離れた把持柄の後端側を卓上に載置することで、作用部とこれに隣接した把持柄の前端側を卓上に接触させずに離れた位置に支持することができ、衛生的に使用することができる。また、作用部に食物等を保持させたままの状態でも、重心の関係で卓上より浮かせた状態で支持することも可能となる。
 
 
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施の形態に係る飲食用具を示す斜視図である。
 
【
図2】本発明の第1実施の形態に係る飲食用具を示す側面図である。
 
【
図3】本発明の第2実施の形態に係る飲食用具を示す斜視図である。
 
【
図4】本発明の第2実施の形態に係る飲食用具を示す側面図である。
 
【
図5】本発明の第3実施の形態に係る飲食用具を並べて示す斜視図である。
 
【
図6】本発明の第3実施の形態に係る飲食用具を重ね合わせて示す斜視図である。
 
【
図7】本発明の第4実施の形態に係る飲食用具を重ね合わせて示す斜視図である。
 
【
図8】本発明の第5実施の形態に係る飲食用具を重ね合わせて示す斜視図である。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0018】
  以下、図面に基づき本発明を代表する各種実施の形態を説明する。
  
図1および
図2は、本発明の第1実施の形態を示している。
  本実施の形態に係る飲食用具10は、食物等に触れる作用部11と、該作用部11の後端より連なる把持柄20とからなるスプーンである。以下、飲食用具を、作用部が食物等を掬って保持するスプーンに適用した例について説明する。
 
【0019】
  飲食用具10がスプーンの場合、作用部11は食物等を掬って保持しつつ口に運ぶ部位であり、凹状に窪んだ湾曲面に形成されている。ここで湾曲面の縁は、同一平面上に揃えられており、作用部11の上面をなしている。なお、飲食用具10は一般的なスプーンに限らず、作用部を底の深い容器状に形成して、粉状物(例えば調味料)等を計量する計量スプーンでも良い。
 
【0020】
  把持柄20は、飲食用具10を使用する際に持ちやすい長さおよび形状に形成されている。本実施の形態では、飲食用具10は金属板より一体成形されている。よって、把持柄20は、作用部11の後端に元から一体に連なっており、同一の材料からなる。飲食用具10の材料としては、例えば、鉄やステンレス等の金属の他、ポリプロピレン樹脂等の樹脂でもかまわない。
 
【0021】
  図1に示すように、把持柄20は、作用部11の後端より所定長さ延びる第1部位21と、該第1部位21の後端より下方へ向かう第2部位22と、該第2部位22の下端より折り返され前記第1部位21と略平行に対向して延びて卓上に載置可能な第3部位23とを有する。把持柄20の第3部位23を卓上に載置した際に、第2部位22より上側は自立した状態となり、作用部11および把持柄20の第1部位21は、第3部位23の前端と後端を結ぶ直線乃至その延長線に対して鉛直となる上方に離隔した状態で支持可能である。
 
【0022】
  詳しく言えば、把持柄20の第1部位21は、作用部11の後端より作用部11の上面と同一平面上で所定の長さ直線状に延びている。第1部位21の長さは、少なくとも作用部11の全長より長く設定すると良く、例えば、作用部11の全長の1.0〜1.5倍の長さ範囲が好適である。なお、第1部位21は、作用部11の後端より作用部11の上面に対して若干傾斜させて延びるように形成してもかまわない。
 
【0023】
  第2部位22は、第1部位21の後端にそのまま続く部位を、下方(作用部11の上面の裏側)へ折り曲げたり湾曲させて形成されている。本実施の形態の第2部位22は、
図2に示す側面視において、第1部位21の後端より下方かつ作用部11寄りの前方へと湾曲した後、続いて下方かつ後方へと湾曲し、その下端が第1部位21の後端の真下付近に位置するように形成されている。このような第2部位22の湾曲した形状によれば、3つの折り返し湾曲した部位、特に中央の湾曲した部位の内側に指を絡ませることで、把持柄20を持ちやすく使い勝手が良い。
 
【0024】
  第3部位23は、卓上に載置可能に平板状に形成されている。ここで第3部位23の幅を、第1部位21や第2部位22より幅広に形成すれば、卓上に載置した際の安定性を増すことができる。第3部位23の長さは、第1部位21の長さと同程度の長さが好適である。なお、第3部位23は、その全域が卓上と接触するような平板状に限らず、前端(第2部位22の下端)と後端との2箇所が少なくとも卓上に接地する形状としても良い。
 
【0025】
  以上のような飲食用具10は、把持柄20の第3部位23を卓上に載置した際に、第2部位22より上側全体が自立する重心を備えている。詳しく言えば飲食用具10は、把持柄20の第3部位23を卓上に載置した際にテコの原理により、支点となる第3部位23の前端(第2部位22の後端)と力点となる第3部位23の後端とを結ぶ直線乃至その延長線に対して鉛直となる上方に、作用点となる作用部11や把持柄20の第1部位21が位置する。ここで作用部11および把持柄20のうち第1部位21と第2部位22を合わせた重心が、把持柄20の第3部位23の後端を超えないように設定されている。
 
【0026】
  また、把持柄20は、そのままフックとして、第1部位21と第3部位23との間に被支持体を挟んだ状態で支持可能となっている。すなわち、把持柄20の第1部位21と第3部位23との間に、立て掛けたまな板やどんぶり等の縁等(被支持体)を挟んだ状態にして、この縁に第2部位22を置くようにして掛止することができるように構成されている。
 
【0027】
  さらに、第3部位23の後端側には、図示省略したが紐等を通したりフックに引っ掛ける小孔を設けても良い。ここで第3部位23の前後方向は、第1部位21に対して折り返されて延びているため、第1部位21の前後方向とは逆向きとなり、作用部11や第1部位21の前端と第3部位23の後端とは同じ側を向くことになる。
 
【0028】
  次に、第1実施の形態に係る飲食用具10の作用について説明する。
  
図1に示すように、飲食用具10は、把持柄20の後端側である第3部位23を卓上に載置すると、第3部位23の前端側に連なる第2部位22や第1部位21および作用部11を含む上側全体が自立した状態となる。第3部位23の下面は平坦面に形成されているので、同じく平坦面である卓上に第3部位23の下面を当接させれば、安定して自立する状態に載置することができる。
 
【0029】
  飲食用具10が自立した状態において、作用部11および把持柄20の第1部位21は、第3部位23の前端と後端を結ぶ直線乃至その延長線に対して鉛直となる上方に離隔した状態で支持される。ここで作用部11および把持柄20の第1部位21は、把持柄20の第2部位22における高さ分だけ卓上から離すことができる。すなわち、飲食用具10であるスプーンでは、食物等に触れる作用部11(掬う部分)だけでなく、その後端に連なる把持柄20の第1部位21も含めて、把持柄20の全体の半分以上の領域に亘って卓上から十分な高さ離隔した位置に支持される。
 
【0030】
  このように、飲食用具10の作用部11だけでなく、これに隣接する把持柄20の第1部位21および第2部位22(下端は除く)も、卓上に直に接触することはなく、衛生的に使用することができる。また、卓上に接触する把持柄20の第3部位23は、作用部11から離れているため、作用部11と一緒に口に含める虞もない。さらに、作用部11に食物や調味料、薬等を保持させたままの状態でも、重心の関係で卓上より浮かせた状態で支持することができる。
 
【0031】
  また、飲食用具10によれば、把持柄20は、フックとして第1部位21と第3部位23との間に被支持体を挟んだ状態で掛止可能である。すなわち、把持柄20の第1部位21と第3部位23との間に、立て掛けたまな板やどんぶり等の縁、あるいは略水平なバー(被支持体)を挟んだ状態にして、この縁に第2部位22を置くようにすれば、飲食用具10を安定した状態で掛止しておくことができる。
 
【0032】
  図3および
図4は、本発明の第2実施の形態を示している。
  第2実施の形態に係る飲食用具10Aは、前記飲食用具10と基本的な構成は共通するが、作用部11Aと把持柄20Aの具体的な形状が若干異なっている。すなわち、飲食用具10Aの作用部11Aは、前記作用部11と同様に凹状に窪んだ湾曲面に形成されているが、全体に占める割合が大き目に形成されている。
 
【0033】
  把持柄20Aは、作用部11Aの後端より所定長さ延びる第1部位21Aと、該第1部位21Aの後端より下方へ向かう第2部位22Aと、該第2部位22Aの下端より折り返され前記第1部位21Aと略平行に対向して延びて卓上に載置可能な第3部位23Aとを有する。第1部位21Aと第3部位23Aは、前記把持柄20における対応部位とほぼ同様であるが、第2部位22Aは前記第2部位22とは異なり、第1部位21Aの後端より下方かつ作用部11A寄りの前方へ鋭角に折曲した後、その下端より鈍角に折曲して第3部位23Aが第1部位21Aと略平行に対向して延びるように形成されている。
 
【0034】
  かかる第2部位22Aの形状も一例に過ぎず、他に例えば、第1部位21Aの後端より下方へ単に直角に折曲した形状としても良い。第1部位21Aや第3部位23Aの相対的な長さや幅についても、
図3および
図4に示したものは一例に過ぎない。作用部11Aや把持柄20Aが何れの形状であっても、把持柄20Aの第3部位23Aを卓上に載置した際に、第2部位22Aより上側は自立した状態となり、作用部11Aおよび把持柄20Aの第1部位21Aは、第3部位23Aの前端と後端を結ぶ直線乃至その延長線に対して鉛直となる上方に離隔した状態で支持可能に構成される。
 
【0035】
  図5および
図6は、本発明の第3実施の形態を示している。
  第3実施の形態では、前記第2実施の形態の飲食用具10Aであって、互いに大きさの異なる複数が組みとなっている。飲食用具10Aの具体的な数は任意であるが、例えば、3つの飲食用具10A1〜3が組みとなる場合について以下に説明する。各飲食用具10A1〜3は、それぞれ全体的に大きさの異なる相似形に形成されており、最も大きいものが飲食用具10A1、中間の大きさのものが飲食用具10A2、最も小さいものが飲食用具10A3となる。
 
【0036】
  図5に示すように、各飲食用具10A1〜3は、前記第2実施の形態の飲食用具10Aと基本的な構成は同一である。各飲食用具10A1〜3は、それぞれ作用部11A1〜3が互いに重なり合う形状で相似形に形成され、かつ把持柄20A1〜3は、前記作用部11A1〜3が小さい順に逆に大きくなる相似形に形成されている。なお、中間の大きさの飲食用具10A2が、前記第2実施の形態の飲食用具10Aと同一の大きさ・形状のものに相当する。
 
【0037】
  各飲食用具10A1〜3は、
図6に示すように、作用部11A1が大きい順に、その上側に小さい作用部11A2,3が順に重ね合わさると共に、把持柄20A1が小さい順に、その外側に大きい把持部20A2,3が順に重ね合わさる状態で収納可能に構成されている。すなわち、各飲食用具10A1〜3を重ね合わせると、内側に飲食用具10A1が位置し、その直ぐ外側に飲食用具10A2が重なり、外側に飲食用具10A3が位置することになる。
 
【0038】
  各飲食用具10A1〜3は、その素材である金属乃至樹脂自体の弾性により、ある程度弾性変形が可能に形成されている。そのため、各飲食用具10A1〜3を、互いに重ね合わせる際に、作用部11A2,3の湾曲面の底が、他の把持柄20A1,2の第1部位21A1,2や作用部11A1,2の湾曲面の縁を乗り上げるように若干拡がり、大きい方の作用部11A1,2内に小さい方の作用部11A2,3が陥入する。同時に、大きい方の作用部11A1,2に連なる把持柄20A1,2の外側に、小さい方の作用部11A2,3が重なるようにして、互いに組み合わせることができる。
 
【0039】
  これにより、各飲食用具10A1〜3をひとまとめにして、コンパクトに収納することができる。かかる重ね合わせた状態でも、
図6に示すように、最も外側となる飲食用具10A3の把持柄20A3における第3部位23A3を卓上に載置すれば、全体として自立させることも可能である。
 
【0040】
  以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、飲食用具はスプーンに限られるものではなく、フォークに適用しても良い。飲食用具がフォークの場合には、その作用部は食物等に突き刺して保持し口に運ぶものとなり、一般のフォーク同様に幅方向に複数の爪が並設されたものとなる。
 
【0041】
  また、
図7に示すように、本発明の第4実施の形態として、飲食用具10Bを飲食用のナイフに適用しても良い。飲食用具10Bは、前記飲食用具10,10Aと基本的な構成は共通するが、作用部11Bと把持柄20Bの具体的な形状が異なっている。すなわち、飲食用具10Bの作用部11Bは、刃部として形成されており、把持柄20Bの第1部位21Bは、前記作用部11Bが長い分だけ短く、第2部位22Bの高さは比較的低く、第3部位23Bは長めに形成されている。
 
【0042】
  さらに、
図8に示すように、本発明の第5実施の形態として、前記飲食用具10Bのナイフの刃の向きを変更した飲食用具10Cとしても良い。飲食用具10Cは、前記飲食用具10Bと基本的な構成は同一であり、作用部11Cである刃の向きが自立させた状態で下向きとなるように形成されている。また、把持柄20Cの第1部位21Cは、作用部11Cに連なる先端側が漸次幅が狭くなり、第2部位22Cの高さは前記第2部位22Bと同様であるが、第3部位23Cは前記第3部位23Bより短めに形成されている。
 
【0043】
  このように、飲食用具10B,10Cは、前述した飲食用のスプーンや計量スプーン、あるいはフォークに限らず、口に運ばない飲食用具であるナイフにも適用することができる。ここで、把持柄20B,20Cの第2部位22B,22Cの高さをもっと低くし、第1部位21B,21Cと第3部位23B,23Cとを互いに近接させれば、第1部位21B,21Cおよび第3部位23B,23Cをまとめて握るように使用することができる。
 
【0044】
  また、前記各実施の形態では、把持柄20,20A,20B,20Cにおいて、第1部位21,21A,21B,21Cと、第2部位22,22A,22B,22Cと、第3部位23,23A,23B,23Cの全ての部位において同じ厚みであるが、第3部位23,23A,23B,23Cを他より肉厚にして重く設定すれば、より安定した状態に自立させることができる。また、作用部11,11A,11B,11Cおよび把持柄20,20A,20B,20Cは、1枚の金属板より一体に形成されているが、同素材または他の素材で別々に形成した後、一体に溶接等により固着するように形成しても良い。
 
【0045】
  さらに、前記各実施の形態において、把持柄20,20A,20B,20Cの第3部位23,23A,23B,23Cの卓上に接する裏面側に、シート状の磁石を張り付けても良い。これにより、第3部位23,23A,23B,23Cを金属製(鉄、ニッケル等)の卓上に対して磁力でより確実に載置することができ、金属製の鉛直の縦壁面に対しても取り付けることも可能となる。しかも、シート状の磁石が重しとなり、いっそう安定した状態に自立させることができる。