【解決手段】平面状のシートを搬送しながら加工して有底袋を製作する製袋機において、前記シートの糊代部分に糊を塗布する糊塗布部を備えており、前記糊塗布部が、転写部と糊供給部と回動部とを備えており、前記糊供給部によって前記転写部の転写面に糊を供給し、前記回動部によって前記転写部を回動させることによって前記転写面の糊を前記糊代部分に一度に押し付けるようになっている、ことを特徴としている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜
図4は、本発明の一実施形態の製袋機10を示している。この製袋機10は、平面状のシートを搬送しながら和式封筒を製作するようになっている。
図1は、製袋機10を搬送方向の上流側且つ上方から見た斜視図である。
図2は、製袋機10を搬送方向の下流側且つ上方から見た斜視図である。
図3は、製袋機10の平面図である。
図4は、
図3のIV−IV断面図である。製袋機10は、搬送方向上流側から順に、給紙部1、第1折り部2、糊塗布部3、第2折り部4、糊直接塗布部5、クリース加工部6、第3折り部7、及び排紙部8を、装置本体10Aに、備えている。なお、「搬送方向」とは、矢印X方向である。「幅方向」とは、搬送方向Xに対して直交した方向Wである。また、上流側から下流側を見たときに、幅方向Wの右方を「右側」(又は単に「右」)と称し、幅方向Wの左方を「左側」(又は単に「左」)と称する。
【0011】
製袋機10は、
図5に示されている平面状のシート100を、搬送方向Xに搬送しながら、
図6〜
図11に示されるように加工することによって、和式封筒90を製作するようになっている。シート100は、前方面部101と、中央面部102と、後方面部103と、中央面部102の両側に張り出した入口片部104及び底片部105と、からなっている。
【0012】
製袋機10において、シート100は、まず、第1折り部2によって、後方面部103と中央面部102との境界線である第1折り目111で、
図6に示されるように、折り加工され、次に、糊塗布部3によって、
図7に示されるように、折り返された後方面部103の表面の搬送方向下流側の縁部(すなわち糊代部分)に、糊が塗布されて糊付着部112が形成され、次に、第2折り部4によって、前方面部101と中央面部102との境界線である第2折り目113で、
図8に示されるように、折り加工され、それによって、折り返された前方面部101の裏面の搬送方向上流側の縁部が糊付着部112によって後方面部103に接合され、次に、糊直接塗布部5によって、
図9に示されるように、底片部105の表面の縁部(すなわち糊代部分)に、糊が塗布されて糊付着部114が形成され、次に、クリース加工部6によって、
図10に示されるように、中央面部102と底片部105との境界線である第3折り目115に沿ってクリースが形成され、次に、第3折り部7によって、第3折り目115で、
図11に示されるように、折り加工され、それによって、折り返された底片部105が、折り返されている後方面部103及び前方面部101の表面に、糊付着部114によって接合される。これにより、
図11に示される和式封筒90が得られる。
図12は、シート100が製袋機10内において加工によって変化していく様子を示す断面略図である。
【0013】
[給紙部1]
給紙部1は、
図1〜3に示されるように、傾斜している給紙トレイ11と、搬送ローラ12と、を有している。搬送ローラ12は、給紙トレイ11上に載置されたシート100を1枚ずつ搬送方向下流へ送り出すようになっている。給紙部1において、シート100は、
図12のA状態で存在している。
【0014】
[第1折り部2]
第1折り部2は、拡大図である
図13に示されるように、搬送ローラ対21と、プレスローラ対22と、スイッチバックガイド板23と、を備えている。
【0015】
搬送ローラ対21は、上ローラ211と下ローラ212とからなっており、スイッチバックガイド板23よりも搬送方向上流側に位置しており、給紙部1から搬送面201を経て送られて来たシート100を、スイッチバックガイド板23に送り込むようになっている。
【0016】
スイッチバックガイド板23は、搬送面201に対して、斜め上方に向けて且つ搬送方向下流に向けて、傾斜している。ガイド板23は、2枚のプレート231、232が隙間233を隔てて重ね合わされて構成されている。隙間233は、1枚のシート100が挿入される間隔を有している。また、ガイド板23には、隙間233に挿入されたシート100の前方面部101の前端が突き当たるストッパ234が、設けられている。ストッパ234は、上側のプレート231の長孔2311(
図1)に沿って、搬送方向Xに平行な方向の所定距離の範囲内で、任意の位置に固定できるように設けられている。
【0017】
プレスローラ対22は、上流ローラ221と下流ローラ222とからなっている。なお、搬送ローラ対21の下ローラ212とプレスローラ対22の上流ローラ221とは、兼用されている。プレスローラ対22は、ニップ部220がガイド板23の入口の下方に位置するように、配置されている。ニップ部220からストッパ234までの距離は、シート100の前方面部101及び中央面部102の搬送方向長さX1(
図5)と同じに設定されている。
【0018】
第1折り部2においては、搬送ローラ対21によってガイド板23に送り込まれたシート100は、ストッパ234に当接した後も更に搬送されるので、
図12のB状態に示されるように、第1折り目111で折り返されながらニップ部220に入り込んでいき、プレスローラ対22を通過する。これにより、シート100は、後方面部103が折り返された
図6の状態となる。
【0019】
[糊塗布部3]
図14〜
図16は、糊塗布部3の作動を示す断面図である。糊塗布部3は、転写部31と、糊供給部32と、回動部33と、を備えており、水平な搬送面34上のシート100に対して作動するようになっている。糊塗布部3は、
図14に示されるように、糊供給部32によって転写部31の転写面311に糊を供給し、
図15に示されるように、回動部33によって転写部31を回動させることによって、
図16に示されるように、転写面311の糊を搬送面34上でシート100の糊代部分に一度に押し付けるようになっている。
図17は、糊塗布部3を搬送方向下流側から見た上方斜視図である。
図17では、糊塗布部3は、待機状態にある。
【0020】
(1)転写部31は、シリコーンゴムからなる板状部材であり、表面に転写面311を有している。転写部31は、幅方向Wに延びている。
【0021】
(2)回動部33は、転写部31を支持する2本のアーム331と、幅方向Wに延びており、アーム331を回動自在に支持する、回動軸332と、回動軸332を回動駆動するモータ333と、モータ333の駆動を回動軸332に伝達する、プーリー334、環状ベルト335、及びプーリー336と、を備えている。2本のアーム331は、幅方向Wに離間して且つ対向して設けられている。回動部33においては、モータ333が駆動すると、回動軸332が回動して、アーム331がR1方向(
図14)に180度回動するようになっている。
【0022】
(3)糊供給部32は、転写面311に糊を吐出する塗布ノズル321と、塗布ノズル321に糊を供給する糊タンク322及びチューブ323(
図1)と、塗布ノズル321を支持する本体部324と、本体部324を幅方向に移動させる幅移動機構325と、を備えている。
図18は、本体部324の幅方向Wにおける一面側を搬送方向下流側から見た上方斜視図であり、
図19は、本体部324の幅方向Wにおける他面側を搬送方向下流側から見た上方斜視図である。
【0023】
(3-1)本体部324は、幅方向に延びたスライド軸3251にスライド可能に取り付けられたスライダ部3241と、スライダ部3241上に固定された固定部3242と、塗布ノズル321を支持した状態で上下動可能に固定部3242に取り付けられた可動部3243と、可動部3243を上下動させる上下動機構3244と、を備えている。
【0024】
(3-1-1)上下動機構3244は、固定部3242に保持されたモータ3261と、モータ3261の駆動を可動部3243に伝達する歯車3262と、可動部3243の最上位置を検知するセンサー3263と、を備えている。可動部3243は、塗布ノズル321を直接支持する水平部3264と、歯車3262と噛合するラック3265を有する垂直部3266と、を有している。水平部3264は、可動部3243が最下位置に来ると、固定部3242の基板部3267に上方から当接するようになっている。上下動機構3244においては、モータ3261が駆動すると、歯車3262を介して、可動部3243が上下動するようになっている。可動部3243の最上位置は、塗布ノズル321の待機位置である。可動部3243の最下位置は、塗布ノズル321が転写面311に当接する塗布位置である。
【0025】
(3-2)
図20は、
図17の糊塗布部3の平面図である。
図21は、本体部324を搬送方向上流側から見た下方斜視図である。幅移動機構325は、スライド軸3251と、モータ3252と、モータ3252の駆動プーリー3253に巻回されて且つ幅方向Wに延びている、環状ベルト3254と、本体部324の固定部3242から下方に延びて環状ベルト3254に固定された連結部3255と、を備えている。なお、モータ3252は、スライド軸3251に対して平行に設けられた基板3271の上に、配置されており、環状ベルト3254は、基板3271の下方に配置されており、基板3271には、連結部3255が幅方向に移動するための溝孔3272が形成されている。幅移動機構325においては、モータ3252が駆動すると、環状ベルト3254が幅方向Wに移動し、それに伴って本体部324が幅方向Wに移動するようになっている。
【0026】
(4)搬送面34は、水平に延びており、搬送されて来たシート100が当接するストッパ341を備えている。ストッパ341の位置は、シート100が
図12のC状態のようにストッパ341に当接した時に、後方面部103の糊代部分が、塗布のために回動した転写部31の転写面311の直下となる、位置に、設定されている。
【0027】
糊塗布部3は、次のように作動するようになっている。
まず、製袋機10の電源(図示せず)をオンする前は、糊塗布部3は、
図17に示される待機状態にある。すなわち、本体部324は、待機位置にある。電源がオンされて、シート100の搬送が開始されると、幅移動機構325が作動して、本体部324は、待機位置から、
図22に示される供給位置に移動する。供給位置では、本体部324は、転写部31の幅方向右端部の少し上方に位置している。次に、幅移動機構325及び上下動機構3244が同時に作動して、塗布ノズル321は、転写面311に沿って幅方向Wに移動しながら転写面311に当接して転写面311に糊を供給する。なお、塗布ノズル321は、転写面311に沿って移動する際に、上下動機構3244によって、上下動を繰り返す。そして、転写面311に沿った移動が終了すると、更に、幅移動機構325及び上下動機構3244が作動して、本体部324は、
図18に示されるように、転写部31の回動軌跡から外れるように幅方向左方に移動し、且つ、塗布ノズル321は、供給位置と同じ高さまで上方に移動する。すなわち、塗布ノズル321は、
図23に示される退避位置となる。次に、回動部33が作動して、転写部31が180度回動する。これにより、転写面311に供給されている糊が、シート100の糊代部分に一度に塗布される。
図12のC状態は、糊が塗布される時のシート100の状態を示している。次に、回動部33が作動して、転写部31が元の状態に戻るように回動する。そして、幅移動機構325が作動して、本体部324が幅方向Wに移動し、それによって、塗布ノズル321が、退避位置から供給位置へ移動する。
【0028】
[第2折り部4]
第2折り部4は、
図14〜16に示されるように、第1折り部2から搬送されて来たシート100を糊塗布部3へ送り込む搬送ローラ対41と、糊塗布部3における塗布作業が終了したシート100を折り加工しながら次段に搬送するプレスローラ対42と、を備えている。搬送ローラ対41は、上流ローラ411と下流ローラ412とからなっている。プレスローラ対42は、上ローラ421と下ローラ422とからなっている。なお、搬送ローラ対41の下流ローラ412とプレスローラ対42の上ローラ421とは兼用されている。
【0029】
プレスローラ対42のニップ部420は、糊塗布部3の搬送面34と同一水平面上に位置している。すなわち、糊塗布部3及び第2折り部4は、同一の水平面を構成する搬送面上のシート100に対して、作動するようになっている。更に、搬送面34を構成するガイド板342の搬送方向下流端3421は、ニップ部420から距離L1(
図14)だけ離れている。距離L1は、搬送ローラ対41によって搬送されて来たシート100が、糊塗布部3のストッパ341に当接した状態で更に搬送された際に、
図12のC状態に示されるように、シート100の第2折り目113の後近傍部120が下ローラ422に接触するようになる距離に、設定されている。
【0030】
更に、糊塗布部3と第2折り部4との間には、糊付着部112に接触する搬送ローラが、配置されていない。
【0031】
第2折り部4においては、搬送ローラ対41によって糊塗布部3に搬送されたシート100は、ストッパ341に当接した後も更に搬送されるので、
図12のC状態に示されるように、第2折り目113で折り返されながらニップ部420に入り込んでいき、プレスローラ対42を通過する。これにより、シート100は、前方面部101が折り返されて後方面部103に接合された
図8の状態となる。
【0032】
[糊直接塗布部5]
糊直接塗布部5は、
図4に示されるように、上下動する塗布ノズル51と、塗布ノズル51に糊を供給する糊タンク322及びチューブ53と、を備えている。糊直接塗布部5は、搬送されて行くシート100の底片部105の糊代部分が塗布ノズル51の直下に来ると、塗布ノズル51を下降させて糊代部分に当接させ、これにより、糊代部分に糊を塗布し、糊代部分が塗布ノズル51の直下を過ぎると、塗布ノズル51を上昇させて待機させるようになっている。糊直接塗布部5によれば、
図9に示されるように、底片部105の表面の縁部(すなわち糊代部分)に、糊が塗布されて糊付着部114が形成される。
【0033】
[クリース加工部6]
クリース加工部6は、シート100の第3折り目115にクリースを形成するようになっている。クリース加工部6としては、公知の機構を採用できる。
【0034】
[第3折り部7]
第3折り部7は、底片部105を第3折り目115で折り返すように、幅方向右側に配置されている。
図24は、第3折り部7を搬送方向上流側から見た上方斜視図である。
図25は、第3折り部7を搬送方向下流側から見た上方斜視図である。第3折り部7は、底片部105を折り返すために回動可能に設けられたフラップ板71と、フラップ板71を回動させるためのリンク機構72と、リンク機構72を駆動する、モータ73、プーリー74、75、及び環状ベルト76と、リンク機構72の状態を検知するためのセンサー77と、を備えている。
【0035】
リンク機構72は、縦アーム体721と横アーム体722とからなっている。リンク機構72では、モータ73からの駆動を受けると、縦アーム体721が水平状態から
図24に示されるR2方向へ回動し、それに伴って、横アーム体722が幅方向左側へ移動するようになっている。センサー77は、縦アーム体721が回動前の水平状態にあることを検知するようになっている。
【0036】
フラップ板71は、リンク機構72の横アーム体722が幅方向左側へ移動することにより、
図26に示されるように、底片部105を伴って、R3方向に回動する。
【0037】
第3折り部7は、フラップ板71を回動させることにより、底片部105を第3折り目115で折り返すようになっている。
【0038】
[排紙部8]
排紙部8は、2つの搬送ローラ対81、82と排紙トレイ83とを有している。搬送ローラ対82は、排出ローラとして作動するように設けられている。排紙トレイ83は、搬送面34と同一水平面である搬送面80よりも下方の位置から斜め上方に向けて且つ搬送方向下流に向けて、傾斜している。
【0039】
次に、前記構成の製袋機10の作動について説明する。
【0040】
まず、
図5に示されているシート100を給紙トレイ11上に載置する。このとき、前方面部101は搬送方向下流側に位置している。そして、電源(図示せず)をオンして、作動を開始する。
【0041】
(1)給紙トレイ11上のシート100は、搬送ローラ12によって搬送方向下流へ送り出され、第1折り部2へ入って行く。
【0042】
(2)第1折り部2へ入って来たシート100は、第1折り目111で折り返されながらニップ部220に入り込んでいき、プレスローラ対22を通過する。これにより、後方面部103が折り返されて、
図6の状態のシート100が得られる。
【0043】
(3)
図6の状態のシート100は、搬送ローラ対41によって搬送されて、糊塗布部3へ入って行く。一方、シート100が糊塗布部3へ送られて来る前に、糊供給部32が作動して、転写部31の転写面311に糊が供給される。そして、糊塗布部3へ入って来たシート100は、ストッパ341に当接して一時停止する。その時、回動部33が作動して、転写部31が180度回動する。これにより、転写面311の糊がシート100の糊代部分に一度に塗布され、
図7の状態のシート100が得られる。
【0044】
(4)
図7の状態のシート100は、既に、第2折り部4にも位置しており、搬送ローラ対41によって更に搬送されて、第2折り目113で折り返されながらニップ部420に入り込んでいき、プレスローラ対42を通過する。このとき、糊付着部112は、搬送ローラに接触しない。これにより、前方面部101が、折り返されると同時に後方面部103に接合され、
図8の状態のシート100が得られる。
【0045】
(5)
図8の状態のシート100は、搬送ローラ対45(
図4)によって更に搬送されて、糊直接塗布部5を通過する。糊直接塗布部5においては、底片部105の糊代部分の通過が開始する時に、塗布ノズル51が下方に移動して糊代部分の表面に当接し、糊代部分の通過が終了する時に、塗布ノズル51が上方へ移動して糊代部分の表面から離れる。これにより、底片部105の糊代部分に糊が塗布されて糊付着部114が形成され、
図9の状態のシート100が得られる。
【0046】
(6)
図9の状態のシート100は、更に搬送されて、クリース加工部6を通過する。クリース加工部6においては、シート100の第3折り目115にクリースが形成される。これにより、
図10の状態のシート100が得られる。
【0047】
(7)
図10の状態のシート100は、更に搬送されて、第3折り部7において停止する。このとき、第3折り部7のフラップ板71は、幅方向外側に水平状態で位置しており、シート100の底片部105は、フラップ板71上に載っている。そして、モータ73が作動して、リンク機構72が作動し、フラップ板71が内側(R3方向)へ回動する。これにより、底片部105が、第3折り目115にて内側へ折り返されて前方面部101及び後方面部103の表面に接合される。これにより、
図11の状態のシート100が得られる。なお、フラップ板71は、底片部105を折り返した後、外側に回動する。
【0048】
(8)
図11の状態のシート100は、搬送ローラ対81、82によって更に搬送されて、排紙トレイ83上へ排出される。こうして、
図11に示される和式封筒90が得られる。
【0049】
前記構成の製袋機10によれば、次のような効果を発揮できる。
【0050】
(a)糊塗布部3によって、後方面部103の糊代部分に糊を一度に塗布できるので、糊代部分の全部において糊の浸透時間が均等になる。したがって、シート100に波打が発生するのを防止できる。
【0051】
(b)糊は、糊タンク322に保管されており、必要に応じて、塗布ノズル321、51へ供給されるので、糊の乾燥を防ぐための作業が不要である。したがって、操作者のメンテナンス作業を簡素化できる。なお、操作者は、塗布ノズル321、51の先端にキャップを被せるだけで、ノズル先端における糊の乾燥を防止できる。
【0052】
(c)糊塗布部3において、転写面311への糊の供給を、塗布ノズル321で行っているので、容易に行うことができる。
【0053】
(d)糊塗布部3において、塗布ノズル321は、上下動を繰り返しながら転写面311に糊を供給するので、転写面311上の糊の積載量を増大できる。
【0054】
(e)糊塗布部3において、塗布ノズル321は、供給位置と退避位置との間で変位できるので、糊塗布部3の全体構成を簡素化できる。
【0055】
(f)糊塗布部3と第2折り部4との間には、糊付着部112に接触する搬送ローラが、配置されていないので、糊塗布部3から第2折り部4へ移行する際にシート100の糊が搬送ローラに付着しない。したがって、搬送ローラが糊で汚れることはない。
【0056】
(g)糊塗布部3において、転写部31は、シリコーンゴムからなっているので、糊が乾燥しても、操作者は、糊を簡単に剥がして除去できる。したがって、操作者のメンテナンス作業を簡素化できる。
【0057】
(h)糊塗布部3及び第2折り部4は、同一の水平面を構成する搬送面上の、シート100に対して、作動するようになっているので、所謂「箱折れ」を防止できる。ちなみに、後方面部103が既に折り返されているシート100において、前方面部101を折り返す際に、
図27に示されるように、シート100の搬送面F1がプレスローラ対42の搬送面F2に対して斜め下方に傾斜している場合には、後方面部103がニップ部420に入り込む際に少し上流側へずれて、第1折り目111の部分が
図28に示されるような箱形に変形してしまう。これを「箱折れ」と称する。しかるに、本実施形態では、シート100の搬送面F1(すなわち搬送面34)がプレスローラ対42の搬送面F2に対して同一の水平面を構成しているので、「箱折れ」を防止できる。
【0058】
(i)第2折り部4において、搬送面34のガイド板342の搬送方向下流端3421とニップ部420との間が、距離L1に設定されているので、シート100の第2折り目113がニップ部420に送り込まれる際に、
図12のC状態に示されるように、シート100の第2折り目113の後近傍部120が下ローラ422に接触することとなる。それ故、シート100をプレスローラ対42へ送り込む際の搬送力が増大する。したがって、第2折り部4における折り加工を円滑に行うことができる。
【0059】
(j)クリース加工部6によって第3折り目115にクリースを形成するので、第3折り部7による折り加工を円滑に実行できる。
【0060】
(k)第3折り部7のフラップ板71の回動によって底片部105を折り返すので、底片部105を、短時間で且つ確実に且つ均一に、折り返すことができる。
【0061】
なお、本発明の製袋機10は、次のような変形構成を1つ以上任意に採用してもよい。
【0062】
(1)糊塗布部3が、シート100の糊代部分の内の短い方の糊代部分に糊を塗布するように設定されている。
(2)クリース加工部6を備えていない。
【0063】
(3)第3折り部7が、フラップ板71を回動させる構造以外の構造を、有している。
【0064】
(4)上記実施形態では、塗布ノズル321は、供給位置から退避位置へ移動しながら転写面311に糊を供給し、退避位置から供給位置への移動では転写面311に糊を供給していないが、本発明では、塗布ノズル321は、退避位置から供給位置への移動でも転写面311に糊を供給するようにしてもよい。
【0065】
なお、本発明の製袋機が製作できる和式封筒は、一般的形態の和式封筒だけでなく、後方面部103及び前方面部101を折り返して底片部105を接着させることによって形成できる形態の封筒であれば、そのような封筒も含んでいる。