特開2019-94750(P2019-94750A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2019094750-換気口浸水防止装置 図000003
  • 特開2019094750-換気口浸水防止装置 図000004
  • 特開2019094750-換気口浸水防止装置 図000005
  • 特開2019094750-換気口浸水防止装置 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-94750(P2019-94750A)
(43)【公開日】2019年6月20日
(54)【発明の名称】換気口浸水防止装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/70 20060101AFI20190530BHJP
   E04B 1/64 20060101ALI20190530BHJP
【FI】
   E04B1/70 C
   E04B1/64 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2017-238120(P2017-238120)
(22)【出願日】2017年11月24日
(71)【出願人】
【識別番号】517436257
【氏名又は名称】田中 伸一
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸一
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DA01
2E001FA21
2E001FA35
2E001GA12
2E001GA42
2E001HB03
2E001HD01
2E001HD11
2E001HE01
2E001ND01
(57)【要約】
【課題】床下浸水時における水害被害に対して、通常住居回りに土嚢を積んで対応していたが、土嚢での対応では玄関周辺に限られ住宅基礎の換気口に対応出来ない。
【解決手段】本発明は、床下換気口に閉塞できる換気口浸水防止装置を設ける。装置内には扉体4があり、装置内に流入した水の圧力と浮力材8で浮き上がり換気口を閉塞する。閉塞した扉体4は水圧による密着シール2および密着シール5と水圧による膨張シール6およびシールパイプ3の2重構造で水の流入を完全に止める。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床下空間と屋外とを連通する換気口に設置され、これを閉塞するため扉軸を中心に縦開きする扉体が浸入する雨水、汚泥、泥水、土砂の圧力より持ち上がるよう傾斜と浮力材を使う事を特徴とする換気口浸水防止装置
【請求項2】
前記扉体は、換気口が閉塞状態のとき、圧力による密着シール面と膨張シール面の2重シール構造を特徴とする請求項1に記載の換気口浸水防止装置。
【請求項3】
前記扉体は、閉塞状態のとき扉体がシール面方向に移動できることを特徴とする請求項1から2のいずれか記載の換気口浸水防止装置
【請求項4】
前記扉体は、扉軸を切換レバーで90度回転させることで、扉体の取り外しが出来ることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の換気口浸水防止装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台風や大雨などの災害時に、河川など水位が上昇し、これによって住宅床下の換気を行うために開口している換気口から雨水・汚水・泥水・土砂が床下に浸水するのを防止る換気口浸水防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2003−105873号公報)は、基礎の立ち上がり部に床下と屋外とを連通する円形の床下通気孔が設けられ、円形通気孔はその周囲を円形のスリーブ管で囲まれており、円形通気孔内の床下側の位置に独立発泡系樹脂からなる止水部材が立ち上がり状態に取り付けられている止水機能付き床下通気孔の構造を開示する。これによって、有効開口面積を確保しながら、傾斜させることもなく、床下への浸水を有効的に防ぐことができるものである。
【0003】
特許文献2(実用新案登録第3124597号公報)は、疎水性のスポンジ状に成形された合成ゴムなどで作った水密シール部を周囲に設け、中心に開口部を設けた止水板基部と、その開口部をふさぐための、蓋状止水板とで構成される止水装置を提供する。この止水装置は、基部を予め浸水が予想される住宅の床下通気孔等に設置しておき、水害警報の発令時に、基部の開口部を蓋状止水板でふさぐことにより、水害時の浸水を防ぐ機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−105873号公報
【特許文献2】実用新案登録第3124597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年都市部住宅地において、集中豪雨被害が多発している。しかし、1時間当たり50mm以上の豪雨に襲われると既存下水道の排水処理能力が超えるために、道路冠水や住宅地域の床下浸水被害等に見舞われることがある。特に、床下浸水時における水害被害に対しては、通常住居回りに土嚢を積んで対応していたが、土嚢での対応は、基本的に玄関周りに限られており、住宅基礎にあるすべての通気孔に対処できない場合が多い。
【0006】
これに対して、特許文献1では、止水部材の上面までは止水効果を得ることができるが、それ以上の場合には、開口部から浸水するという問題点がある。また、特許文献2で開示される止水装置では、水害警報が発令された場合に、開口部を蓋状止水板で塞ぐため、水害警報の発令が遅れた場合や、局地的な大雨などの場合、止水板の設置が間に合わなかった場合には、開口部からの浸水を許す結果となるという不具合を有する。
【0007】
以上のことから、本発明は、床下換気口に装着し、通常時は換気口からの換気を維持すると同時に、浸水時には換気口からの浸水防止を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、換気口前面に配置され筐体の換気口と浮力を生じる扉体より形成され、換気口浸水防止装置内に水が浸水する事により、換気口を塞ぐ機構を具備するものである。
【0009】
浸水防止装置内の水位の上昇に伴って扉体の浮力材と水圧により扉体を持ち上げ、換気口を完全に閉塞する。
【0010】
閉塞した扉体は、水圧により押さえ着けられ密着シール面と膨張するシール面の2重シール構造を使い換気口への浸水を防ぐ。
【発明の効果】
【0011】
本発明の換気口浸水防止装置によれば、換気口の前面に沿って配置するだけで、水位の上昇に伴って換気口を閉塞できるとともに、水位の下降に伴い換気口を再度開放できるため、基本的に何度でも換気口からの浸水を防止できるものである。また、作業しやすい時に設置できるため、大雨の中で土嚢を積んだり、シートを配したりする必要がないため、危険な作業がなくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】 本発明に係る換気口浸水防止装置断面図
図2】 扉体閉塞時の換気口浸水防水装置断面図
図3】 ゴミ侵入防止網半断面図
図4】 扉体軸図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態をなす換気口浸水防止装置を、図面を参照して説明する。図3に示すように、換気口浸水防止装置は正面からみて正方形に近い形をなしており、建屋基礎の換気口を塞ぐように設置されている。
【0014】
換気口浸水防止装置は、図1に示すように筐体1と扉体4及び、扉体4を浮き上がらせる浮力材8とゴミ防止網10から構成されている。
【0015】
筐体1は、内部に扉体4と合わさる円筒形のシールパイプ3と水圧のよる密着シール2がある。また扉体4にはシールパイプ3と合わさる膨張シール6があり、密着シール2と重なる密着シール5があります。
【0016】
筐体1の密着シール2は、柔軟性のある材質、例えば軟質ゴム・シリコン系ゴム・発泡性の合成樹脂が図1のようにシールパイプ3の淵部分に円周上に密着しています。
【0017】
筐体1のシールパイプ3は、内面研磨された非腐食性金属、例えばステンレ等や樹脂製配管が筐体1の中に取り付いている。
【0018】
扉体4は、密着シール5と膨張シール6および、浮力材8で構成され、筐体1の密着シール面2とシールパイプ3と合わさるように取り付いており、密着シール面5は筐体1の密着シール面2と同じ柔軟性のある材質で取り付いている。
【0019】
扉体4の膨張シール6は、図1のように扉体4より一段高く筐体1のシールパイプより内径が一回り小さく、円形状の形をして水圧で膨らむシール材、例えばUシールが取り付いており、扉体4が垂直に立ち上がり図2に示す通り、シールパイプ3と均一に接触する。
【0020】
扉体4は、樹脂又は、軽量金属で出来ており、図1に示す通り浮力材8により容易に浮き上がる構造で、なおかつ換気口に流れ込む雨水・汚泥・泥水・土砂に扉軸9を中心に浮き上がりやすいように傾斜13が付けられている。
【0021】
ゴミ防止網10は、図3のように下部開口部10Bと上部開口部10Aとに分けることで、雨水、汚泥・泥水・土砂が上部開口部10Aに達するまで、図2に示す通り下部開口部10Bより浸入し扉体4が浮き上がりを確実にする。
【0022】
雨水、汚泥、泥水、土砂が一気に押し寄せた場合でも、換気口に流れ込む圧力で扉体4に付いている傾斜13により閉塞することができる。
【0023】
扉体4の軸受け11は、図4のように開放側7が扉軸9の長径より狭くなっている。また、扉軸9は平行する軸平面16があり、扉体4が垂直に立ち上がり軸受け開放側7と合わさることで、筐体側に水圧で移動し密着シール面2と密着シール面5の防水を確実にする。
【0024】
また、扉軸9に直結されている切換レバー17を90度手前に回転させることで、図1の水平状態の扉体4を扉軸9から取り外すことができ、扉体動作後のメンテナンスも容易に出来る
【符号の説明】
【0025】
1 換気口浸水防止装置筐体
2 密着シール面(筐体側)
3 シールパイプ
4 扉体
5 密着シール面(扉体側)
6 膨張シール
7 軸受け開放側
8 浮力材
9 扉軸
10 ゴミ防止網
10Aゴミ防止網上部開口部
10Bゴミ防止網下部開口部
11 軸受け
13 傾斜
16 軸平面
17 切換レバー
図1
図2
図3
図4