【解決手段】無駄時間補償部20は、無駄時間を有する制御対象Pの出力値を入力指令に対して負帰還するフィードバックループ10を備えた制御系において前記無駄時間の補償を行う。無駄時間補償装置20は、前記制御対象の振動を低減するために、前記制御対象の推定される応答値から振動減衰補正値を算出する推定補正値算出部61と、前記無駄時間が経過する前の前記振動減衰補正値を算出する無駄時間分算出部62と、前記推定補正値算出部61によって算出された前記振動減衰補正値と前記無駄時間分算出部62によって算出された前記無駄時間が経過する前の前記振動減衰補正値との差を算出する減算器63とを備え、減算器63の出力を前記制御対象の入力指令に対して負帰還する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の特許文献1に開示されている共振抑制制御装置は、ハイパスフィルタを用いることにより、軸ねじれトルク検出値のうち直流成分には影響を与えずに共振周波数成分を抑制できる。しかしながら、前記特許文献1の共振抑制制御装置では、モータトルク指令において無駄時間の影響を低減するために、位相補償器の伝達関数G
PHCにおいて、無駄時間を考慮して位相補償パラメータαを適宜調整する必要がある。
【0009】
本発明の目的は、無駄時間を有する制御対象に対して前記無駄時間の補償を容易に行うことができる無駄時間補償装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る無駄時間補償装置は、無駄時間を有する制御対象の出力値を入力指令に対して負帰還するフィードバックループを備えた制御系において前記無駄時間の補償を行う無駄時間補償装置である。この無駄時間補償装置は、前記制御対象の振動を低減するために、前記制御対象の推定される応答値から振動減衰補正値を算出する推定補正値算出部と、前記無駄時間が経過する前の前記振動減衰補正値を算出する無駄時間分算出部と、前記推定補正値算出部によって算出された前記振動減衰補正値と前記無駄時間分算出部によって算出された前記無駄時間が経過する前の前記振動減衰補正値との差を算出する減算器とを備え、前記減算器の出力を前記制御対象の入力指令に対して負帰還する(第1の構成)。
【0011】
これにより、無駄時間の影響を受けることなく制御対象を制御することができる。すなわち、制御対象の入力指令から求められる前記制御対象の推定される応答値を用いて、振動減衰補正値を算出するとともに、該振動減衰補正値と無駄時間を考慮した場合の振動減衰補正値との差を、前記制御対象の入力指令に負帰還することにより、無駄時間を考慮して制御対象を制御することができる。したがって、制御対象の共振を容易に且つ効果的に抑制することができる。
【0012】
前記第1の構成において、前記推定補正値算出部は、前記推定される応答値を微分して所定の定数を乗算することにより、前記振動減衰補正値を求める(第2の構成)。
【0013】
これにより、上述の第1の構成を実現できる。具体的には、
図2に示すブロック線図において、伝達関数は、(1)式によって表される。
【0014】
【数1】
【0015】
ここで、rは入力値であり、yは応答値であり、Pは制御対象の伝達関数であり、K
Dは微分係数(所定の定数)であり、sは微分演算子であり、Lは無駄時間である。
【0016】
また、制御対象の伝達関数は、(2)式によって表される。
【0017】
【数2】
【0018】
ここで、ω
nは固有振動数であり、ζは減衰比であり、Kは制御対象のゲインである。
【0019】
上述の(1)式に(2)式を代入することにより、以下の(3)式のような伝達関数が得られる。
【0020】
【数3】
【0021】
上述の(3)式は、共振を抑制する伝達関数と、無駄時間の伝達関数e
-Lsとを用いて表される。よって、無駄時間を考慮しつつ制御対象の共振を抑制することができる。したがって、前記制御対象の共振をより効果的に抑制できる。
【0022】
本発明の一実施形態に係る共振抑制制御装置は、無駄時間を有する制御対象の出力値を入力指令に対して負帰還するフィードバックループを備えた多慣性共振システムの共振を抑制する共振抑制制御装置である。この共振抑制制御装置は、第1または第2の構成に記載の無駄時間補償装置と、前記フィードバックループに設けられ、振動の減衰比を調整する減衰比調整部と、を備える(第3の構成)。
【0023】
これにより、共振が生じる制御対象に対してフィードバックループを備えた多慣性共振システムの共振を、無駄時間を考慮して効果的に抑制できる。
【0024】
前記第3の構成において、共振抑制制御装置は、前記制御対象の入力指令に入力される外乱を抑制する外乱抑制部をさらに備える(第4の構成)。これにより、制御対象の入力指令に外乱が入力された場合でも、無駄時間を考慮しつつ、外乱の影響を排除して、制御対象を制御することができる。
【0025】
前記第3または第4の構成において、共振抑制制御装置は、前記制御対象の複数の振動モードから所定の振動モードを抽出するフィルタをさらに備える(第5の構成)。これにより、制御対象が複数の振動モードを有する場合でも、各振動モードに対して無駄時間を考慮して、共振を抑制できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施形態に係る無駄時間補償装置は、制御対象の推定される応答値から振動減衰補正値を算出する推定補正値算出部と、無駄時間が経過する前の前記振動減衰補正値を算出する無駄時間分算出部と、前記推定補正値算出部によって算出された前記振動減衰補正値と前記無駄時間分算出部によって算出された前記無駄時間が経過する前の前記振動減衰補正値との差を算出する減算器とを備え、該減算器の出力を前記制御対象の入力指令に対して負帰還する。これにより、無駄時間の影響を受けることなく制御対象を制御することができる。したがって、前記制御対象の制御において前記無駄時間の補償を容易に行うことができる無駄時間補償装置が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
<実施形態1>
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る無駄時間補償装置を備えた試験装置1の概略構成を機能ブロックで示す図である。この試験装置1は、自動車のモータなどの供試体Mの特性を試験するための試験装置である。なお、試験装置1で試験する供試体Mは、モータ以外の回転体であってもよい。
【0030】
具体的には、試験装置1は、制御装置2と、モータ駆動回路3と、電動モータ4と、トルク検出器5とを備える。
【0031】
制御装置2は、入力指令であるモータトルク指令rと後述のフィードバック値とを用いて、モータ駆動回路3に対する駆動指令を生成する。制御装置2は、トルク検出器5の出力値を用いてモータトルク指令rに対して負帰還するフィードバックループ10(共振抑制制御装置)を有する(
図2参照)。なお、制御装置2が前記駆動指令を生成する構成は、従来と同様であるため、制御装置2の詳しい説明は省略する。フィードバックループ10の構成については後述する。
【0032】
モータ駆動回路3は、特に図示しないが、複数のスイッチング素子を有する。モータ駆動回路3は、前記駆動指令に基づいて前記複数のスイッチング素子が駆動することにより、電動モータ4の図示しないコイルに電力を供給する。
【0033】
電動モータ4は、図示しない回転子及び固定子を有する。前記固定子のコイルにモータ駆動回路3から電力が供給されることにより、前記回転子が前記固定子に対して回転する。前記回転子は、図示しない中間軸を介して、供試体Mに対し、供試体Mと一体で回転可能に連結されている。これにより、前記回転子の回転によって、電動モータ4から供試体Mにトルクを出力することができる。なお、電動モータ4の構成は、一般的なモータの構成と同様であるため、電動モータ4の詳しい説明は省略する。
【0034】
トルク検出器5は、電動モータ4と供試体Mとを接続する中間軸に設けられている。トルク検出器5は、電動モータ4から出力されたトルクを検出する。トルク検出器5で検出されたトルクの出力値は、制御装置2にフィードバックループ10の入力値として入力される。すなわち、トルク検出器5の出力値は、フィードバック制御に用いられる。なお、トルク検出器5の構成は、従来の構成と同様であるため、トルク検出器5の詳しい説明は省略する。
【0035】
上述のような構成を有する試験装置1は、電動モータ4、トルク検出器5及び供試体Mを含む軸系の剛性によって、電動モータ4の回転時に機械共振(単に共振という)が生じる。供試体Mの試験において、前記共振が周波数の測定範囲内で発生した場合、トルク検出器5では、電動モータ4の出力トルクに前記共振の振動成分が加わったトルク(例えば軸トルク)が検出される。そのため、前記共振の振動成分を除去することが望まれる。
【0036】
これに対し、本実施形態において、制御装置2は、
図2に示すように、入力指令であるモータトルク指令rに対してトルク検出器5の出力値をフィードバックするフィードバックループ10と、制御対象Pを制御する際の無駄時間を考慮する無駄時間補償部20(無駄時間補償装置)とを有する。すなわち、本実施形態の試験装置1は、制御装置2、モータ駆動回路3、電動モータ4及びトルク検出器5を含み且つ供試体Mを含まない制御系によって、電動モータ4の駆動を制御する。
【0037】
なお、
図2において、rはモータトルク指令としての目標値(入力値)であり、yはトルク検出器5の出力値(応答値)であり、K
Dは微分係数であり、sは微分要素であり、Lは無駄時間である。
【0038】
また、
図2における符号Pは制御対象であり、本実施形態では、制御対象Pは、モータ駆動回路3、電動モータ4及びトルク検出器5を含む。なお、制御対象Pには、電動モータ4と供試体Mとを接続する中間軸のうち、電動モータ4からトルク検出器5までの範囲も含む。
【0039】
さらに、
図2において、P^は制御対象Pの応答値(トルク検出器の出力値)の推定値であり、e
-Ls^は制御対象Pの推定される応答値に無駄時間を考慮した値である。なお、以下では、各図において各文字の上に付される“^”を、説明の都合上、各文字の後ろに記載する。
【0040】
フィードバックループ10は、微分要素sを含む微分フィードバック系である。フィードバックループ10には、トルク検出器5の出力値が入力される。フィードバックループ10は、減衰比調整部51を有する。減衰比調整部51は、微分要素s及び微分係数K
Dによって、制御対象に対する減衰比を調整する。フィードバックループ10では、トルク検出器5の出力値は、減衰比調整部51によって処理された後、フィードバック値としてモータトルク指令rに負帰還される。
【0041】
無駄時間補償部20は、無駄時間の影響をなくすように、制御対象Pの入力指令を補正する。具体的には、無駄時間補償部20は、制御対象Pの推定される応答値から振動減衰補正値を求めるとともに、該振動減衰補正値と推定された無駄時間による前記振動減衰補正値との差分を求めて、制御対象Pの入力指令に対して負帰還する。これにより、無駄時間補償部20は、入力指令から無駄時間による影響を排除することができる。
【0042】
詳しくは、無駄時間補償部20は、推定補正値算出部61と、無駄時間分算出部62と、減算器63とを有する。推定補正値算出部61は、制御対象Pの入力指令から推定される応答値P^を微分して微分係数K
Dを乗算することにより、振動減衰補正値を求める。無駄時間分算出部62は、推定される無駄時間前の振動減衰補正値を求める。減算器63は、推定補正値算出部61で求めた振動減衰補正値と無駄時間前の振動減衰補正値との差分を求める。よって、減算器63から出力される値は、無駄時間の影響が排除された振動減衰補正値である。減算器63の出力は、制御対象Pの入力指令に対して負帰還される。
【0043】
このように、無駄時間の影響が排除された振動減衰補正値を用いて、制御対象Pの入力指令を補正することにより、制御対象Pの制御において無駄時間の影響を排除することができる。よって、無駄時間の影響を受けることなく、制御対象Pの共振を抑制することができる。
【0044】
ここで、
図2に示すブロック図における構成を伝達関数で示した場合、伝達関数は、以下の(1)式である。
【0046】
また、制御対象Pの伝達関数は、以下の(2)式である。
【0048】
上述の(2)式において、ω
nは固有振動数であり、ζは減衰比であり、Kは制御対象のゲインである。
【0049】
上述の(1)式に(2)式を代入することにより、以下の(3)式が得られる。
【0051】
上述の(3)式に示すように、
図2のブロック図における伝達関数は、制御対象Pの共振を抑制する伝達関数と無駄時間の伝達関数e
-Lsとを用いて表される。このように、
図2に示すブロック図の構成により、無駄時間を考慮しつつ制御対象Pの共振を抑制することができる。
【0052】
図3に、本実施形態の効果を示すボード線図を示す。なお、
図3において、上図がゲイン特性を示すボード線図であり、下図が位相特性を示すボード線図である。
図3のボード線図において、無駄時間を考慮した場合(
図3において“本実施形態”)の波形を実線で示し、無駄時間を考慮せずに微分フィードバック制御を行った場合(
図3において“微分FBあり”)の波形を破線で示し、微分フィードバック制御を行わない場合(
図3において“微分FBなし)の波形を一点鎖線で示す。
【0053】
図3に示すように、本実施形態のように無駄時間を考慮した場合には、微分フィードバック制御を行わない場合及び無駄時間を考慮せずに微分フィードバック制御を行った場合に比べて、共振を抑制することができる。よって、本実施形態のように無駄時間を考慮することにより、効果的に共振を抑制できることが分かる。
【0054】
図4に、本実施形態の効果を示すステップ応答を示す。なお、
図4は、信号強度が1のステップ信号を入力した場合(二点鎖線)の制御対象の出力、すなわちトルク検出器5から出力される信号強度の時間変化を示す。
図4において、無駄時間を考慮した場合(
図3において“本実施形態”)の波形を実線で示し、無駄時間を考慮せずに微分フィードバック制御を行った場合(
図3において“微分FBあり”)の波形を破線で示す。なお、
図4において、入力されるステップ信号の波形を二点鎖線で示す。
【0055】
図4に示すように、本実施形態のように無駄時間を考慮した場合には、無駄時間を考慮せずに微分フィードバック制御を行った場合とは異なり、信号立ち上がり時の信号強度の変動がほとんどない。よって、本実施形態の構成は、振動を抑制しつつ制御対象Pを応答性良く制御できることが分かる。
【0056】
以上のように、無駄時間を考慮して制御対象Pの入力指令を補正する本実施形態の構成により、制御対象Pの共振を容易に抑制しつつ、制御対象Pを応答性良く制御することができる。
【0057】
<実施形態2>
図5に、実施形態2に係る制御装置102のブロック線図を示す。
図5に示す構成は、フィードバックループ110の外に、無駄時間補償部20が設けられている点で、実施形態1の構成とは異なる。なお、以下では、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。
【0058】
図5に示すように、無駄時間補償部20は、制御装置102のフィードバックループ110の外に設けられている。この実施形態では、実施形態1の
図2に示すブロック図と同じ伝達関数になるように、フィードバックループ110が構成されている。すなわち、フィードバックループ110は、実施形態1と同様の減衰比調整部51と、フィードバックループ用無駄時間補償部153とを有する。
【0059】
フィードバックループ用無駄時間補償部153は、フィードバックループ110において無駄時間を考慮する。すなわち、フィードバックループ用無駄時間補償部153は、制御対象Pの応答値を推定する応答推定部154と、制御対象Pの推定される応答値における無駄時間分を求める無駄時間分算出部155と、減算器156とを有する。
【0060】
応答推定部154は、フィードバックループ110の減衰比調整部51の出力値を用いて、制御対象Pの応答値を推定する。無駄時間分算出部155は、制御対象Pの推定される応答値のうち無駄時間分を算出する。減算器156は、応答推定部154で推定した応答値と無駄時間分算出部155で算出された応答値の無駄時間分との差を求める。減算器156の出力は、フィードバックループ110の減衰比調整部51の入力側に負帰還される。これにより、フィードバックループ110内で無駄時間を考慮することができる。
【0061】
上述の構成により、
図5に示すブロック図の伝達関数は、
図2に示すブロック図の伝達関数と同じであるため、実施形態2の構成においても、実施形態1と同様の作用効果が得られる。
【0062】
<実施形態3>
図6に、実施形態3に係る制御装置202のブロック線図を示す。
図6に示す構成は、外乱オブザーバ270を有する点で、実施形態1の構成とは異なる。なお、以下では、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。
【0063】
図6に示すように、外乱オブザーバ270は、予測部271と、減算器272と、補正部273とを有する。予測部271は、制御対象Pの入力指令から、無駄時間も含めて制御対象Pの応答値を予測する。減算器272は、予測部271で予測した応答値と制御対象Pの実際の応答値との差を求める。補正部273は、減算器272の出力及びオブザーバゲインKobを用いて、オブザーバ値を得る。得られたオブザーバ値は、制御対象Pの入力指令に正帰還される。
【0064】
これにより、無駄時間だけでなく、外乱dの影響も排除して、制御対象Pの制御を行うことができる。
【0065】
<実施形態4>
図7に、実施形態4に係る制御装置302のブロック線図を示す。
図7に示す構成は、フィードバックループ310に振動モード抽出用のフィルタ352を有する点で、実施形態1の構成とは異なる。なお、以下では、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。
【0066】
図7の例では、制御対象Pが2次の振動モードを有し且つフィルタ352が制御対象Pで生じる1次の振動モードを抽出する場合を示す。
【0067】
図7に示すように、フィードバックループ310は、減衰比調整部51と、フィルタ352とを有する。フィルタ352は、制御対象Pで生じる複数の振動モードから所定の振動モードのみを抽出する。抽出された振動モードに対し、実施形態1のように無駄時間補償部20によって無駄時間を考慮することにより、制御対象Pの前記振動モードにおける共振を抑制することができる。
【0068】
なお、制御対象Pの振動モードは、3次以上であってもよい。また、フィルタ352が抽出する振動モードは1次以外の振動モードであってもよい。
【0069】
また、特に図示しないが、制御対象Pの複数の振動モードをそれぞれ抽出して、各振動モードに対して実施形態1の無駄時間補償部20によって無駄時間を考慮することにより、前記各振動モードにおける共振を抑制することができる。
【0070】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0071】
前記各実施形態では、微分フィードバック制御において無駄時間を無駄時間補償部20で考慮している。しかしながら、微分フィードバック制御以外のフィードバック制御で且つ無駄時間が影響する制御に対して、前記実施形態のように無駄時間を考慮してもよい。
【0072】
前記各実施形態では、制御対象Pは、モータ駆動回路3、電動モータ4及びトルク検出器5を含む。しかしながら、制御対象は、他の構成を含んでもよいし、他の構成を有する軸系を含んでいてもよい。
【0073】
前記実施形態3では、制御装置202が外乱オブザーバ270を有し、前記実施形態4では、制御装置302が制御対象Pの共振の振動モードを抽出するフィルタ352を有する。制御装置は、外乱オブザーバ及びフィルタの両方を有していてもよい。