【実施例】
【0014】
図1は、本発明の一実施例であるシフト操作感覚シミュレータ装置100を示している。シフト操作感覚シミュレータ装置100は、長手状の操作レバー10をシフト方向およびセレクト方向に操作自在に支持するシフト操作機構12と、シフト操作機構12に操作荷重を付与する電子制御装置80とを備えている。
図1はシフト操作機構12の正面を、
図2はシフト操作機構12の側面を、
図3はシフト操作機構12の平面をそれぞれ示している。
【0015】
シフト操作機構12は、位置固定の基台14と、基台14上に固設され、第1方向たとえばセレクト方向の3本の第1案内レール16によって案内される第1プレート20と、基台14に固定されたセレクト方向に長手状且つU字状断面の第1ステータ22aと第1プレート20の下面に固定され且つ第1ステータ22aの開口内に一部が収容されて第1ステータ22aが発生する移動磁界にしたがって駆動される第1リニヤ可動子22bとを有する第1リニヤモータ22と、第1プレート20上に固設され、第1方向と直交する第2方向たとえばシフト方向に互いに平行な一対の第2案内レール24と、一対の第2案内レール24によってシフト方向に案内される第2プレート28と、第1プレート20上に固定されたシフト方向に長手状且つU字状断面の第2ステータ30aと第2プレート28の下面に固定され且つ第2ステータ30aの開口内に一部が収容されて第2ステータ30aが発生する移動磁界にしたがって駆動される第2リニヤ可動子30bとを有する第2リニヤモータ30とを、備えている。
【0016】
また、シフト操作機構12は、基台14上に設けられたフレーム40により支持された位置固定の天板42と、天板42に設けられ、操作レバー10の中間部10aをシフト方向およびセレクト方向に回動可能に支持して、操作レバー10の中間部10aを中心とする回動を許容する自在軸受44と、第2プレート28に設けられ、操作レバー10の下端部10bをその長手方向に摺動可能に嵌合させたブシュ46を、シフト方向およびセレクト方向に回動可能に支持した自在継手48とを、備えている。これにより、操作レバー10が
図1に示すシフト操作範囲内で操作されると、それに応じて第2プレート28が往復移動させられ、操作レバー10が
図2に示すセレクト操作範囲内で操作されると、それに応じて第1プレート20が往復移動させられるようになっている。
【0017】
操作レバー10の上端部10cには、操作グリップ50と、操作グリップ50に加えられる荷重(操作反力)を検出する荷重センサ52とが設けられている。
【0018】
図4は、上記のように構成されたシフト操作機構12の作動を説明する模式図である。操作レバー10がシフト方向に操作されると、第2リニヤモータ30の第2ステータ30aと第2リニヤ可動子30bとが相対移動させられる。また、操作レバー10がセレクト方向に操作されると、第1リニヤモータ22の第1ステータ22aと第1リニヤ可動子22bとが相対移動させられる。このため、操作レバー10のシフト方向への操作ストロークに応じて第2リニヤモータ30から予め操作ストロークに応じて設定されたシフト操作荷重(シフト反力)が出力されると、セレクト方向に操作中の操作レバー10に対してシフト反力すなわち操作感が付与されるので、操作レバー10に対して操作感が付与される。同様に、操作レバー10のセレクト方向への操作ストロークに応じて第1リニヤモータ22から予め操作ストロークに応じて設定されたシフト操作荷重(シフト反力)が出力されると、シフト方向に操作中の操作レバー10に対してシフト反力すなわち操作感が付与されるので、操作レバー10に対して操作感が付与される。
【0019】
図1に戻って、電子制御装置80は、たとえばROM、RAM、CPU、入出力インターフェースなどを含む所謂マイクロコンピュータであって、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、予めROMに記憶されたプログラムおよびシフト荷重に従って、操作レバー10の上端部10cの操作グリップ50直下に設けられた荷重センサ52からの操作荷重を表す操作荷重信号SF、セレクト方向の第1案内レール16およびシフト方向の第2案内レール24に設けられたセレクト操作ストロークセンサ54およびシフト操作ストロークセンサ56からのセレクト操作ストロークおよびシフト操作ストロークを表す信号STRおよびSTF等の入力信号を処理し、第1リニヤモータ22および第2リニヤモータ30の出力を制御する。
【0020】
たとえばシフト方向の操作に関して、電子制御装置80は、たとえば
図5に示されているシフトストローク(mm)に対するシフト荷重(N)の関係を用いて、シフト操作ストロークセンサ56から入力された操作レバー10のシフト方向の操作ストロークに基づいて上記関係からシフト荷重を決定して第2リニヤモータ30から操作荷重すなわち操作反力を出力させる。この場合、オープンループ制御であってもよいが、荷重センサ52により検知される操作荷重と上記関係から決定された操作荷重(目標値)とが一致するように第2リニヤモータ30の出力を制御するクローズドループ制御であってもよい。
【0021】
図6は、上記のクローズドループ制御の結果得られた、操作レバー10に対するシフト荷重(シフト反力)すなわちシフト感の時間的変化を示している。
【0022】
上述のように、本実施例のシフト操作感覚シミュレータ装置100によれば、操作レバー10には、第1案内レール(第1ガイド)16によりセレクト方向(第1方向)に案内される第1プレート(第1部材)20に対してセレクト方向の操作感を付与する第1リニヤモータ22と、第2案内レール(第2ガイド)24によりセレクト方向と交差するシフト方向(第2方向)に案内される第2プレート(第2部材)28に対して操作感を付与する第2リニヤモータ30とが設けられていることから、第1リニヤモータ22および第2リニヤモータ30からセレクト方向およびシフト方向の操作感が独立に操作レバー10に対して付与されるので、実車に近い高応答の操作感を操作レバーに再現することができる。
【0023】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0024】
例えば、前述の実施例において、操作レバー10の上端部10cを貫通させてそれを案内するH型の貫通穴を有する案内プレートが位置固定に設けられていてもよい。
【0025】
前述の実施例において、操作レバー10は、第2プレート(第2部材)28に対して直接固定されることで連結されていてもよい。
【0026】
前述の実施例において、前記操作レバー10は、図示しない位置固定の支持部材にシフト方向に平行移動可能且つ前記シフト方向の軸線まわりに回動可能に支持され、第2プレート(第2部材)28に対して前記シフト方向の軸線まわりに回動可能に連結されてもよい。
【0027】
前述の実施例において、第1案内レール16と第2案内レール24とは直交した方向に設けられており、操作レバー10によるセレクト操作方向とシフト操作方向とは直交した操作方向であったが、90度以下の角度で交差していてもよく、必ずしも直交していなくてもよい。
【0028】
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。