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特開2019-96230情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-96230(P2019-96230A)
(43)【公開日】2019年6月20日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20190530BHJP
【FI】
   G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-227165(P2017-227165)
(22)【出願日】2017年11月27日
(71)【出願人】
【識別番号】397065480
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 祐希
(72)【発明者】
【氏名】田坂 明照
(72)【発明者】
【氏名】浅見 晶
(72)【発明者】
【氏名】新井田 竜也
(72)【発明者】
【氏名】川西 潤
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050AA07
5B050BA06
5B050BA08
5B050BA18
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA05
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA27
5B050FA02
(57)【要約】
【課題】3次元空間に配置されたオブジェクトのステータス情報の時間的な変化をわかりやすく閲覧させること。
【解決手段】予め設定された第1オブジェクトの配置位置情報に基づいて、前記第1オブジェクトを所定高さに設定された2次元座標面に配置する自動配置部と、ユーザの操作に基づいて、前記第1オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および前記第1オブジェクトの表示形態を設定する手動設定部と、を備え、前記第1オブジェクトの表示形態を設定する処理は、前記ステータス情報の変化に基づいて、前記2次元座標面と交わる方向に延びる前記第1オブジェクトの高さを変化させるように設定する、情報処理装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された第1オブジェクトの配置位置情報に基づいて、前記第1オブジェクトを所定高さに設定された2次元座標面に配置する自動配置部と、
ユーザの操作に基づいて、前記第1オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および前記第1オブジェクトの表示形態を設定する手動設定部と、を備え、
前記第1オブジェクトの表示形態を設定する処理は、前記ステータス情報の変化に基づいて、前記2次元座標面と交わる方向に延びる前記第1オブジェクトの高さを変化させるように設定する、情報処理装置。
【請求項2】
前記手動設定部は、ユーザの操作に基づいて、前記2次元座標面に第2オブジェクトを配置し、前記第2オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および前記第2オブジェクトの表示形態を設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記手動設定部は、ユーザの操作に基づいて、前記第2オブジェクトとして、画像データ、前記第1オブジェクトが延びる高さ方向と直交する2次元座標面であって前記所定高さとは異なる高さに設定される階層面、または3次元ポリゴンを設定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記手動設定部は、ユーザの操作に基づいて、前記第2オブジェクトとして前記画像データまたは3次元ポリゴンを設定した場合において、前記第2オブジェクトのステータス情報が閾値を超えた場合に、前記第2オブジェクトの表示形態を変化させることでアラートを通知することを設定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記手動設定部は、ユーザの操作に基づいて、前記第2オブジェクトとして前記画像データまたは3次元ポリゴンを設定した場合において、前記第2オブジェクトのステータス情報が閾値に近づくほど前記第2オブジェクトの形を次第に変化させ、前記第2オブジェクトのステータス情報が閾値を超えた場合に、前記第2オブジェクトを強調して表示させることでアラートを通知することを設定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記手動設定部は、ユーザの操作に基づいて、前記第2オブジェクトとして前記画像データを設定した場合において、当該画像データの表示を実行する期間を設定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
予め設定された第1オブジェクトの配置位置情報に基づいて、前記第1オブジェクトを所定高さに設定された2次元座標面に配置するステップと、
ユーザの操作に基づいて、前記第1オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および前記第1オブジェクトの表示形態を設定するステップと、を有し、
前記第1オブジェクトの表示形態を設定する処理は、前記ステータス情報の変化に基づいて、前記2次元座標面と交わる方向に延びる前記第1オブジェクトの高さを変化させるように設定する、情報処理方法。
【請求項8】
情報処理装置のコンピュータに、
予め設定された第1オブジェクトの配置位置情報に基づいて、前記第1オブジェクトを所定高さに設定された2次元座標面に配置するステップと、
ユーザの操作に基づいて、前記第1オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および前記第1オブジェクトの表示形態を設定するステップと、を有し、
前記第1オブジェクトの表示形態を設定する処理は、前記ステータス情報の変化に基づいて、前記2次元座標面と交わる方向に延びる前記第1オブジェクトの高さを変化させるように設定する、
処理を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の状況を把握するために、各種の状況に関する情報を表示させる技術が提案されている。例えば、特許文献1には、多数の監視対象から得られた観測値を3次元表示する。観測対象を観測して得られる観測値を表示する観測データ表示装置が記載されている。観測データ表示装置は、観測対象を特定するための観測対象識別情報と当該観測対象を観測して得られる観測値との組を取得し、観測対象の観測値を表示するための基準位置を、観測対象識別情報に基づいて二次元平面内に配置し、観測値に応じた高さを観測値ごとに算出し、観測値が、基準位置において、算出された高さによって表現された画像を、表示装置に表示させる。これにより、多数の監視対象から得た観測値を3次元表示することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再公表WO2006/077666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、室内および室外の双方を含む3次元空間に配置したオブジェクトの時間的な変化を更にわかりやすく表示するためのシステムおよびサービスが望まれている。また、オブジェクトにおける状況の時間的な変化を表示するシステムおよびサービスにおいては、ユーザが自由にオブジェクト、または当該オブジェクトのパラメータを設定して、設定したオブジェクトのパラメータの時間的な変化を監視したいというニーズがある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、3次元空間に配置されたオブジェクトのステータス情報の時間的な変化をわかりやすく閲覧させることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、予め設定された第1オブジェクトの配置位置情報に基づいて、前記第1オブジェクトを所定高さに設定された2次元座標面に配置する自動配置部と、
ユーザの操作に基づいて、前記第1オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および前記第1オブジェクトの表示形態を設定する手動設定部と、を備え、
前記第1オブジェクトの表示形態を設定する処理は、前記ステータス情報の変化に基づいて、前記2次元座標面と交わる方向に延びる前記第1オブジェクトの高さを変化させるように設定する、情報処理装置である。
【0007】
(2)本発明の一態様は、上記の情報処理装置であって、前記手動設定部は、ユーザの操作に基づいて、前記2次元座標面に第2オブジェクトを配置し、前記第2オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および前記第2オブジェクトの表示形態を設定する。
【0008】
(3)本発明の一態様は、上記の情報処理装置であって、前記手動設定部は、ユーザの操作に基づいて、前記第2オブジェクトとして、画像データ、前記第1オブジェクトが延びる高さ方向と直交する2次元座標面であって前記所定高さとは異なる高さに設定される階層面、または3次元ポリゴンを設定する。
【0009】
(4)本発明の一態様は、上記の情報処理装置であって、前記手動設定部は、ユーザの操作に基づいて、前記第2オブジェクトとして前記画像データまたは3次元ポリゴンを設定した場合において、前記第2オブジェクトのステータス情報が閾値を超えた場合に、前記第2オブジェクトの表示形態を変化させることでアラートを通知することを設定する。
【0010】
(5)本発明の一態様は、上記の情報処理装置であって、前記手動設定部は、ユーザの操作に基づいて、前記第2オブジェクトとして前記画像データまたは3次元ポリゴンを設定した場合において、前記第2オブジェクトのステータス情報が閾値に近づくほど前記第2オブジェクトの形を次第に変化させ、前記第2オブジェクトのステータス情報が閾値を超えた場合に、前記第2オブジェクトを強調して表示させることでアラートを通知することを設定する。
【0011】
(6)本発明の一態様は、上記の情報処理装置であって、前記手動設定部は、ユーザの操作に基づいて、前記第2オブジェクトとして前記画像データを設定した場合において、当該画像データの表示を実行する期間を設定する。
【0012】
(7)本発明の一態様は、予め設定された第1オブジェクトの配置位置情報に基づいて、前記第1オブジェクトを所定高さに設定された2次元座標面に配置するステップと、ユーザの操作に基づいて、前記第1オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および前記第1オブジェクトの表示形態を設定するステップと、を有し、前記第1オブジェクトの表示形態を設定する処理は、前記ステータス情報の変化に基づいて、前記2次元座標面と交わる方向に延びる前記第1オブジェクトの高さを変化させるように設定する、情報処理方法である。
【0013】
(8)本発明の一態様は、情報処理装置のコンピュータに、予め設定された第1オブジェクトの配置位置情報に基づいて、前記第1オブジェクトを所定高さに設定された2次元座標面に配置するステップと、ユーザの操作に基づいて、前記第1オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および前記第1オブジェクトの表示形態を設定するステップと、を有し、前記第1オブジェクトの表示形態を設定する処理は、前記ステータス情報の変化に基づいて、前記2次元座標面と交わる方向に延びる前記第1オブジェクトの高さを変化させるように設定する、処理を実行させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、3次元空間に配置されたオブジェクトのステータス情報の時間的な変化をわかりやすく閲覧させることができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態における処理手順の一例を示すフローチャートである。
図2】情報処理システムの一構成例を示すブロック図である。
図3】アプリケーションサーバ装置の一構成例を示すブロック図である。
図4】自動設定オブジェクトに関する設定情報の一例を示す図である。
図5】ビルオブジェクトの一例を示す図である。
図6】装置オブジェクトO(d)、リンクオブジェクトO(l)、リングオブジェクトO(r)、インナーサブネットワークオブジェクトO(i)、アウターサブネットワークオブジェクトO(o)、フロアオブジェクトO(f)を表す図である。
図7】手動設定オブジェクトに関する設定情報の一例を示す図である。
図8】コンテンツをクライアント端末装置に表示させた画面の一例を示す図である。
図9】コンテンツをクライアント端末装置に表示させた画面の他の一例を示す図である。
図10】オブジェクトのステータスの変化を説明するための図である。
図11】アプリケーションサーバ装置が検出した情報に基づいてステータス情報が変化する様子を示す図である。
図12】アプリケーションサーバ装置が検出した情報に基づいてステータス情報が変化する様子を示す他の図である。
図13】コンテンツをクライアント端末装置に表示させた画面の他の一例を示す図である。
図14】コンテンツをクライアント端末装置100に表示させた画面の他の一例を示す図である。
図15】フロアオブジェクトO(f2)の表示をオフした場合のコンテンツの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を適用した情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。
【0017】
(実施形態の概要)
実施形態の情報処理システムは、対象となるオブジェクトの配置位置、オブジェクトのステータス情報、およびオブジェクトの表示形態を自動および手動で設定し、設定した情報に基づいてオブジェクトを表示する情報提供サービスを提供する。自動設定とは、オブジェクトの所属する先と、オブジェクトの高さを設定して、設定した所属先および高さにおいて円形等の所定の形状のオブジェクトを設定することをいう。例えば、自動設定は、ビルの中の第1階層(所属先)に画像オブジェクトを10個配置し、第2階層に画像オブジェクトを5個配置する。この自動設定の表示結果は、ビル内の第1階層に画像オブジェクトが10個円形で配置され、第2階層に画像オブジェクトが5個円形に配置されるものになる。一方、手動設定とは、オブジェクトが配置される緯度・経度・高度、または空間内の位置(XYZ座標系における(x,y,z))を手動で指定して、指定された場所にオブジェクトを配置することである。これにより、情報処理システムは、例えば、地図上に配置された複数の装置の状況、装置間のつながりなどを監視するサービスや、ビル内における人物の動きを監視するサービスなどを提供することができる。
【0018】
以下、情報処理システムが提供することができるサービスを、情報提供サービスと称する。情報提供サービスを提供するため、情報処理システムは、大きく分けて2つの処理を実行する。一つ目の処理は、設定処理である。設定処理は、オブジェクトに関する各種の設定を行う処理である。2つ目の処理は、情報提供処理である。情報提供処理は、設定処理により設定されたオブジェクトに関する各種の設定に基づいて大量のデータを収集して、オブジェクトに関する各種の状態を表示させるための情報(コンテンツ)を提供する処理である。以下、2つの処理を中心に説明する。
【0019】
(実施形態の全体処理)
図1は、実施形態における処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理システムは、設定処理として、ステップS100からステップS106の処理を実行する。次に、情報処理システムは、情報提示処理として、ステップS110からステップS122の処理を実行する。
【0020】
以下、設定処理について説明する。
まず、情報処理システムは、自動設定オブジェクトの読み込み処理を実行する(ステップS100)。自動設定オブジェクトは、第1オブジェクトの一例である。自動設定オブジェクトとは、情報処理システムが設定および提示するコンテンツ内に存在する仮想的な物体であって、予め形状や位置が設定されたオブジェクトである。自動設定オブジェクトには、当該当該自動設定オブジェクトの種類、自動設定オブジェクトの形状、自動設定オブジェクトが配置される位置情報等が設定されている。自動設定オブジェクトは、所定高さに設定された2次元座標面に配置される。2次元座標面は、例えば、地面や建物内のフロアである。自動設定オブジェクトが配置される位置情報は、例えば、緯度および経度で設定されている。
【0021】
次に、情報処理システムは、自動設定オブジェクトのパラメータの設定処理を実行する(ステップS102)。自動設定オブジェクトのパラメータは、予め設定されたパラメータであってユーザの操作に基づいて設定できないパラメータと、ユーザの操作に基づいて設定可能なパラメータとを含む。情報処理システムは、ユーザの操作に基づいて、ユーザの操作に基づいて設定可能な自動設定オブジェクトのパラメータを設定する。
【0022】
自動設定オブジェクトのパラメータは、例えば、自動設定オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および自動オブジェクトの表示形態である。ステータス情報は、自動設定オブジェクトに関連する量または値である。具体的に、ステータス情報は、ビル内に配置された装置の稼働状況である(例えば、図6を参照)。
【0023】
次に、情報処理システムは、手動設定オブジェクトの配置の設定処理を実行する(ステップS104)。手動設定オブジェクトとは、情報処理システムが設定および提示するコンテンツ内に存在する仮想的な物体であって、ユーザの操作に基づいて形状や位置が設定可能なオブジェクトである。情報処理システムは、ユーザの操作に基づいて、手動設定オブジェクトの位置を設定する。手動設定オブジェクトは、所定高さに設定された2次元座標面に配置される。情報処理システムは、手動設定オブジェクトの位置情報として、例えば、手動設定オブジェクトの緯度および経度を設定する。
【0024】
次に、情報処理システムは、手動設定オブジェクトのパラメータの設定処理を実行する(ステップS106)。手動設定オブジェクトのパラメータは、ユーザの操作に基づいて設定可能なパラメータである。情報処理システムは、ユーザの操作に基づいて、ユーザの操作に基づいて設定可能な手動設定オブジェクトのパラメータを設定する。
【0025】
手動設定オブジェクトのパラメータは、例えば、手動設定オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および手動オブジェクトの表示形態である。ステータス情報は、手動設定オブジェクトに関連する量または値である。具体的に、ステータス情報は、ビルのフロアにおける所定の領域に対する人の滞在時間である(例えば、図13を参照)。手動オブジェクトの表示形態は、例えば、手動設定オブジェクトの色や大きさなどである。
【0026】
情報処理システムは、例えば、ユーザの操作に基づいてコンテンツを表示する処理を実行するための命令を取得した場合に、情報提示処理を開始する(ステップS110:YES)。情報処理システムは、命令を取得していない場合(ステップS110:NO)、待機する。
【0027】
情報処理システムは、まず、自動設定オブジェクトをユーザの端末装置に表示させる(ステップS112)。次に、情報処理システムは、手動設定オブジェクトをユーザの端末装置に表示させる(ステップS114)。なお、情報処理システムは、手動設定オブジェクトが設定されていない場合、本処理を実行せず、ステップS116に処理を進める。
【0028】
次に情報処理システムは、自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトに設定されたパラメータに関連する検出情報を取得する(ステップS116)。情報処理システムは、例えば、ビル内に配置された装置の稼働状況を表す情報を、自動設定オブジェクトについての検出情報として取得する。情報処理システムは、例えば、ビルのフロアにおける所定の領域に対する人の滞在時間を表す情報を、手動設定オブジェクトについての検出情報として取得する。
【0029】
次に情報処理システムは、取得した検出情報に基づいて、自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトの表示形態を制御する(ステップS118)。情報処理システムは、時間を経過させながらコンテンツを表示させることが設定されている場合、時間変化に合わせて、検出情報に基づいて自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトの表示形態を制御する。情報処理システムは、時間を経過させながらコンテンツを表示させることが設定されていない場合、現在停止している時刻の検出情報に基づいて自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトの表示形態を制御する。
【0030】
次に情報処理システムは、ユーザの操作に基づいて、時間軸における時刻の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS120)。情報処理システムは、時刻の指示を受け付けた場合(ステップS120:YES)、受け付けた時刻において表示するべき自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクト、当該自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトのパラメータに基づいて、ステップS112〜ステップS118の処理を実行する。情報処理システムは、時間指示を受け付けていない場合(ステップS120:NO)、ステップS122に処理を進める。
【0031】
情報処理システムは、自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトに対する表示をオン(表示)またはオフ(非表示)する指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS122)。情報処理システムは、自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトに対する表示をオンにする指示を受け付けた場合(ステップS122:YES)、当該自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトを表示させる。情報処理システムは、自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトに対する表示をオフにする指示を受け付けた場合(ステップS122:YES)、当該自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトを表示させない。また、情報処理システムは、手動設定オブジェクトの位置を変更する指示を受け付けた場合も、当該手動設定オブジェクトの表示位置を変更させる。情報処理システムは、自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトに対する表示の指示を受け付けない場合(ステップS122:NO)、ステップS110以降の処理を繰り返す。
【0032】
(情報処理システムの構成)
以下、上述した処理を実行する情報処理システムの構成について説明する。図2は、情報処理システムの一構成例を示すブロック図である。情報処理システム1は、例えば、クライアント端末装置100と、アプリケーションサーバ装置200と、データベースサーバ装置300とを備える。クライアント端末装置100は、端末装置の一例である。アプリケーションサーバ装置200は、情報処理装置および情報提示装置の一例である。情報処理システム1は、例えば、クライアント端末装置100と、アプリケーションサーバ装置200と、データベースサーバ装置300とが、ネットワークNWに接続可能である。ネットワークNWに接続される各装置は、NIC(Network Interface Card)や無線通信モジュールなどの通信インターフェースを備えている。ネットワークNWは、例えば、無線基地局、Wi−Fiアクセスポイント、通信回線、プロバイダ、インターネットなどを含んでもよい。なお、アプリケーションサーバ装置200とデータベースサーバ装置300との一部または全部は、統合されて一つの装置とされてもよい。
【0033】
クライアント端末装置100は、ユーザ(一般利用者)によって使用される装置である。アプリケーションサーバ装置200は、情報提供サービスの管理者によって使用される装置である。情報提供サービスの管理者は、例えば、情報提供サービスを運営する組織の管理担当者である。クライアント端末装置100は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置(通信装置)である。
【0034】
クライアント端末装置100は、ウェブブラウザなどのUA(User Agent)が起動し、所定の操作がなされることで、アプリケーションサーバ装置200にHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストを送信する。そして、クライアント端末装置100は、アプリケーションサーバ装置200から返信されたウェブページに基づいてウェブ画面を生成し、表示部に表示させる。ウェブページは、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)等のマークアップ言語で記述されたテキストデータや、スタイルシート、静止画像データ、動画データ、音声データなどを含むコンテンツである。なお、コンテンツを取得するための手段として、ウェブブラウザに代えて、コンテンツ提供サービス用のアプリケーションプログラムが使用されてもよい。
【0035】
アプリケーションサーバ装置200は、情報提供サービスを提供するサーバ装置である。アプリケーションサーバ装置200は、クライアント端末装置100からコンテンツの設定要求を受け付けた場合、設定処理を行う。アプリケーションサーバ装置200は、クライアント端末装置100からコンテンツの要求を受け付けた場合、情報提示処理を行う。なお、アプリケーションサーバ装置200は、情報提供サービスの管理担当者の操作に基づいて自動設定オブジェクトに予め設定するパラメータを設定するものとするが、これに限定されず、アプリケーションサーバ装置200に予めインストールされてもよい。
【0036】
図3は、アプリケーションサーバ装置200の一構成例を示すブロック図である。アプリケーションサーバ装置200は、例えば、オブジェクト設定部210と、コンテンツ提供部220とを備える。オブジェクト設定部210およびコンテンツ提供部220は、例えば1つ、または複数のCPU等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアが協働することで実現されてもよい。
【0037】
オブジェクト設定部210は、自動設定オブジェクト設定部212と、手動設定オブジェクト設定部214と、を備える。
【0038】
自動設定オブジェクト設定部212は、ステップS100のように、自動設定オブジェクトの読み込み処理を実行することで、予め設定されている自動設定オブジェクト情報、および配置位置情報を取得する。さらに、自動設定オブジェクト設定部212は、ユーザの操作に基づいてステータス情報および表示形態を表す情報を取得し、ステップS102のように、自動設定オブジェクトのパラメータの設定処理を実行する。
【0039】
手動設定オブジェクト設定部214は、ユーザの操作に基づいて手動設定オブジェクト情報、および配置位置情報を取得し、ステップS104のように、手動設定オブジェクトの配置の設定処理を実行する。手動設定オブジェクト設定部214は、ユーザの操作に基づいてステータス情報および表示形態を表す情報を取得し、ステップS106のように、手動設定オブジェクトのパラメータの設定処理を実行する。
【0040】
コンテンツ提供部220は、ステータス更新部222と、表示制御部224とを備える。
【0041】
ステータス更新部222は、自動設定オブジェクト設定部212および手動設定オブジェクト設定部214において設定されたステータス情報を取得する。ステータス更新部222は、例えば、ビル内の装置の稼働状況を監視している監視サーバから、自動設定オブジェクトに対応する装置の稼働状況を表す情報を取得する。ステータス更新部222は、例えば、ビルのフロアにおける人感センサにより取得した情報を管理しているサーバ装置から、ビルのフロアにおける所定の領域に対する人の滞在時間を表す情報を取得する。ステータス更新部222は、取得したステータス情報をデータベースサーバ装置300に記憶させることで、データベースサーバ装置300にステータス情報を蓄積する。
【0042】
表示制御部224は、ステータス更新部222により取得したステータス情報に基づいて、自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトの表示形態を変化させる。表示制御部224は、例えば、ある自動設定オブジェクトに対応する装置の稼働状況が、所定の状態に至った場合、当該自動設定オブジェクトの表示形態を変化させることでアラートを表示させる。
【0043】
データベースサーバ装置300は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Elctrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)、或いはこれらを複数用いたハイブリッド型記憶装置により実現される。データベースサーバ装置300は、各種ネットワークを介してアクセス可能な外部記憶装置によって実現されてもよい。外部記憶装置の一例として、NAS(Network Attached Storage)装置が挙げられる。データベースサーバ装置300には、オブジェクト設定部210により設定された自動設定オブジェクトに関する設定情報、手動設定オブジェクトに関する設定情報、ステータス情報などが記憶される。
【0044】
(自動設定オブジェクトに関する設定情報)
図4は、自動設定オブジェクトに関する設定情報の一例を示す図である。自動設定オブジェクト設定部212は、自動設定オブジェクトに関する設定情報を生成し、データベースサーバ装置300に記憶させる。自動設定オブジェクトに関する設定情報は、オブジェクトIDに、オブジェクトの種類、位置、ステータスの有無、ステータスの種類、およびアラームの有無を対応付けた情報である。
【0045】
オブジェクトIDは、自動設定オブジェクトを一意に特定するための情報である。オブジェクトの種別は、例えば、ビル、アイコン画像、リンク、リング、インナーサブネットワーク、アウターサブネットワークのいずれかを表す情報である。ステータスの有無は、自動設定オブジェクトにステータス情報が設定されているか否かを表す。ステータスの種類は、自動設定オブジェクトに設定されたステータス情報により変化する表示形態、および/または表示のオン/オフの切替が有効か否かを表す。また、表示のオン/オフは、手動設定オブジェクトとして画像データを設定した場合において、当該画像データの表示を実行する期間を設定してよい。アラームの有無は、自動設定オブジェクトに設定されたステータスが所定の状態に至った場合に、アラームを通知するか否かを表す。
【0046】
(オブジェクトの形態)
ビルオブジェクトは、手動で配置が設定されるオブジェクトであって、直方体のオブジェクトである。図5は、ビルオブジェクトの一例を示す図である。ビルオブジェクトO(b)は、高さHおよび幅Wが設定可能なオブジェクトである。アイコン画像は、自動で配置が設定されるビルや装置などのオブジェクトである。リンクオブジェクトは、2つのオブジェクト間を結ぶ線のオブジェクトである。リンクオブジェクトは、ユーザの操作に基づいて両端に接続されたオブジェクトの位置が変更した場合であっても、両端のオブジェクトに接続するオブジェクトである。リングオブジェクトは、複数のオブジェクトを囲むように結ぶ線の集合体のオブジェクトであって、複数のオブジェクトを直線で結ぶことで多角形を生成するオブジェクトである。リングオブジェクトは、ユーザの操作に基づいて両端に接続されたオブジェクトの位置が変更した場合であっても、両端のオブジェクトに接続するオブジェクトである。インナーサブネットワークオブジェクトは、ビル内に存在するオブジェクト群を総称するためのオブジェクトである。アウターサブネットワークは、複数のビル内に存在するオブジェクト群を総称するためのオブジェクトである。図6は、装置オブジェクトO(d)、リンクオブジェクトO(l)、リングオブジェクトO(r)、インナーサブネットワークオブジェクトO(i)、アウターサブネットワークオブジェクトO(o)、フロアオブジェクトO(f)を表す図である。
【0047】
(手動設定オブジェクトに関する設定情報)
図7は、手動設定オブジェクトに関する設定情報の一例を示す図である。手動設定オブジェクト設定部214は、手動設定オブジェクトに関する設定情報を生成し、データベースサーバ装置300に記憶させる。手動設定オブジェクトに関する設定情報は、オブジェクトIDに、オブジェクトの種類、位置、ステータスの有無、ステータスの種類、およびアラームの有無を対応付けた情報である。
【0048】
オブジェクトIDは、手動設定オブジェクトを一意に特定するための情報である。オブジェクトの種別は、例えば、ビル、アイコン画像、地図データ、フロア、3Dポリゴンのいずれかを表す情報である。地図データオブジェクトは、地図を表すオブジェクトであって、高さが0に設定されたオブジェクトである。フロアオブジェクトは、高さ方向に対して垂直な2次元の画像データを表示するためのオブジェクトである。フロアオブジェクトは、異なる高さに複数枚の画像データを設定することができる。
【0049】
また、自動設定オブジェクトおよび手動設定オブジェクトにおけるビルオブジェクトおよびアイコン画像は、詳細情報として、ステータス情報の変化に基づいて、地図データオブジェクトまたはフロアオブジェクトと交わる方向に延びる、高さを変化させるように設定することができる。
【0050】
(コンテンツの具体例1)
図8は、コンテンツをクライアント端末装置100に表示させた画面の一例を示す図である。クライアント端末装置100は、アプリケーションサーバ装置200から送信された情報に基づいて、自動設定オブジェクトを含むコンテンツ1000を表示する。コンテンツ1000には、装置の状態を監視するための監視用コンテンツ1100と、時間軸画像1200と、操作用画像1110とが含まれている。監視用コンテンツ1100には、地図オブジェクトO(m)と、ビルオブジェクトO(b1)〜O(b5)と、装置オブジェクトO(d1)〜O(d5)と、リンクオブジェクトO(l1)〜O(l5)とが含まれている。時間軸画像1200には、表示位置により時刻を指定するためのスライダ1210が含まれている。操作用画像1110は、監視用コンテンツ1100に含まれるオブジェクトを選択するための画像である。操作用画像1110には、監視用コンテンツ1100において表示可能なオブジェクトの種類情報1112と、オブジェクトの種類に対応したチェックボックス1114とが含まれている。
【0051】
クライアント端末装置100は、スライダ1210の位置を指定する操作を受け付けた場合、表示する監視用コンテンツ1100を、当該指定された位置に対応する時刻における監視用コンテンツ1100に更新する。
【0052】
クライアント端末装置100は、オブジェクトの種類に対応したチェックボックス1114が選択された場合、当該オブジェクトの種類に対応するオブジェクトの表示をオンまたはオフとの間で切り替える。なお、図9は、監視用コンテンツ1100に含まれるオブジェクトがビルオブジェクト、装置オブジェクト、およびリンクオブジェクトであり、全てのチェックボックス1114がチェックされている状態を示している。クライアント端末装置100は、例えば、ビルオブジェクトに対応するチェックボックス1114が選択された場合、ビルオブジェクトの表示をオフするように監視用コンテンツ1100を更新する。
【0053】
図9は、コンテンツをクライアント端末装置100に表示させた画面の他の一例を示す図である。クライアント端末装置100は、任意の時刻を指定するようにスライダ1210#が操作されたことを受け付けた場合、当該時刻におけるオブジェクトのパラメータに基づいて、監視用コンテンツ1100を更新する。クライアント端末装置100は、例えば、装置オブジェクトO(d1)#および装置オブジェクトO(d2)#の故障ステータスとして、アラートを表示させる。また、クライアント端末装置100は、例えば、装置オブジェクトO(d1)#および装置オブジェクトO(d2)#との間の通信が途絶しているリンクオブジェクトO(r1)#のステータスとして、アラートを表示させる。
【0054】
(コンテンツのアラート表示例)
図10は、オブジェクトのステータスの変化を説明するための図である。図10に示したオブジェクトは、例えば、ビルオブジェクト内に配置される装置オブジェクトの一例である。装置オブジェクトのステータス情報が通常であって異常がない場合、情報処理システム1は、例えば、装置オブジェクトO(S=1)の色を、通常の色(例えば、白色)で表示させる。情報処理システム1は、装置オブジェクトのステータス情報が異常である場合、例えば、装置オブジェクトO(S=2)に、文字画像(例えば「!」)を重畳させて表示させる。情報処理システム1は、装置オブジェクトのステータス情報が異常であって稼働が停止した場合、例えば、装置オブジェクトO(S=3)の色を、アラートを提示するための色(赤)で表示させる。なお、情報処理システム1は、装置オブジェクトのステータス情報が異常であって稼働が停止した場合に代えて、異常状態のレベルが閾値を超えたことに基づいてアラートを提示してよい。
【0055】
図11は、アプリケーションサーバ装置200が検出した情報に基づいてステータス情報が変化する様子を示す図である。情報処理システム1は、装置オブジェクトOについてのステータス情報が通常(S=1)である場合、装置オブジェクトOを白色で表示させ、ステータス情報が異常に変化した場合、装置オブジェクトOに文字画像を重畳させて表示させ、さらに、ステータス情報が稼働停止に変化した場合、装置オブジェクトOの色を赤色で表示させ、ステータス情報が通常に戻った場合、装置オブジェクトOを白色に戻す。
【0056】
図12は、アプリケーションサーバ装置200が検出した情報に基づいてステータス情報が変化する様子を示す他の図である。情報処理システム1は、装置オブジェクトOに対応する装置の異常状態のレベルに基づいて、装置オブジェクトO(S=2)の高さを変化させる。情報処理システム1は、例えば、異常状態のレベルが3段階ある場合において、異常状態のレベルが1段階目である場合、装置オブジェクトO(S=2)の高さを最も低くし、異常状態のレベルが高くなるほど、装置オブジェクトO(S=2)を次第に高くする。
【0057】
以上のように、情報処理システム1は、自動設定オブジェクトまたは手動設定オブジェクトにステータス情報および表示形態を設定することで、図10および図11に示すように、監視用コンテンツ1100における各種のオブジェクトの各種のステータス情報を監視させることができる。
【0058】
(コンテンツの具体例2)
図13は、コンテンツをクライアント端末装置100に表示させた画面の他の一例を示す図である。情報処理システム1は、地図オブジェクトO(m)に、各地域に2層のアイコン画像オブジェクトO(1)〜O(5)を配置したコンテンツ1300をクライアント端末装置100に表示させる。また、コンテンツ1300には、操作用画像1310が含まれている。時間軸画像1200には、表示位置により時刻を指定するためのスライダ1210が含まれている。操作用画像1310は、コンテンツ1300に含まれるオブジェクトを選択するための画像である。操作用画像1310には、コンテンツ1300において表示可能なオブジェクトの種類情報1312と、オブジェクトの種類に対応したチェックボックス1314とが含まれている。
【0059】
アイコン画像オブジェクトは、自動設定オブジェクトであってもよく、手動設定オブジェクトであってもよい。情報処理システム1は、アイコン画像オブジェクトのそれぞれに、ステータス情報および表示形態を設定する。情報処理システム1は、アイコン画像オブジェクトの下層が第1のステータス情報に基づいて高さh1を変化させるように設定する。情報処理システム1は、例えば、アイコン画像オブジェクトの上層が第2のステータス情報に基づいて高さh2を変化させるように設定する。アイコン画像オブジェクトの上層の高さh2は、h1からh2までの距離である。例えば、第1のステータス情報は、20歳以上の人口であり、第2のステータス情報は、20歳未満の人口である。これにより、情報処理システム1は、20歳以上の人口と20歳未満の人口の分布を監視用コンテンツ1100により監視することができる。また、情報処理システム1は、スライダ1210の位置が指定されることにより、例えば、1900年から2010年に亘って、20歳以上の人口と20歳未満の人口の分布の変化を閲覧させることができる。
【0060】
以上のように、情報処理システム1は、自動設定オブジェクトまたは手動設定オブジェクトにステータス情報および表示形態を設定することで、図13に示すように、ステータス情報が変化するほど、高さ方向に表示形態を変化するコンテンツ1000を提供することができる。
【0061】
(コンテンツの具体例3)
図14は、コンテンツをクライアント端末装置100に表示させた画面の他の一例を示す図である。情報処理システム1は、フロアオブジェクトO(f1)〜O(f3)と、領域オブジェクトO(a1)〜O(a5)と、滞在状況オブジェクトO(p1)〜O(p5)と、装置オブジェクトO(d1)〜O(d5)と、リンクオブジェクトO(r1)〜O(r6)とを含む。
【0062】
情報処理システム1は、設定処理として、以下の処理を行う。情報処理システム1は、ユーザの操作に基づいて、フロアオブジェクトO(f1)に属するオブジェクトとして、領域オブジェクトO(a1)、滞在状況オブジェクトO(p1)、装置オブジェクトO(d1)、および装置オブジェクトO(d2)を設定する。同様に、情報処理システム1は、ユーザの操作に基づいて、フロアオブジェクトO(f2)に属するオブジェクトとして、領域オブジェクトO(a2)、滞在状況オブジェクトO(p2)、領域オブジェクトO(a3)、滞在状況オブジェクトO(p3)、装置オブジェクトO(d3)を設定する。同様に、情報処理システム1は、ユーザの操作に基づいて、フロアオブジェクトO(f3)に属するオブジェクトとして、領域オブジェクトO(a4)、滞在状況オブジェクトO(p4)、領域オブジェクトO(a5)、滞在状況オブジェクトO(p5)、装置オブジェクトO(d4)、装置オブジェクトO(d5)を設定する。
【0063】
さらに、情報処理システム1は、ユーザの操作に基づいて、各フロアオブジェクトの高さおよび面積、各フロアオブジェクトに属する各オブジェクトの水平方向の位置を設定する。さらに、情報処理システム1は、ユーザの操作に基づいて、各オブジェクトの位置を設定する。なお、情報処理システム1は、滞在状況オブジェクトO(p1)〜O(p5)の高さ寸法を0に設定し、上面および底面の面積を所定の面積に設定する。
【0064】
アプリケーションサーバ装置200は、ビルに設置された人感センサが取得した情報に基づいて、ビルの利用者の動き情報を取得する。アプリケーションサーバ装置200は、領域オブジェクトO(a1)に対応する領域に滞在する利用者が多いほど滞在状況オブジェクトO(p1)の高さh1を高く設定する。アプリケーションサーバ装置200は、領域オブジェクトO(a1)に対応する領域に利用者が長く滞在するほど滞在状況オブジェクトO(p1)の幅w1を大きく設定する。これにより、アプリケーションサーバ装置200は、滞在状況オブジェクトO(p1)の高さh1および幅w1の設定を反映させたコンテンツ1400を、クライアント端末装置100に提供することができる。
【0065】
アプリケーションサーバ装置200は、ビルに設置された人感センサが取得した情報に基づいて、領域オブジェクトO(p1)に対応する領域から、領域オブジェクトO(p2)に対応する領域に移動した利用者が多いほど、リンクオブジェクトO(r1)の本数を多くするよう設定する。これにより、アプリケーションサーバ装置200は、リンクオブジェクトO(r1)の設定を反映させたコンテンツ1400を、クライアント端末装置100に提供することができる。
【0066】
なお、リンクオブジェクトは、オブジェクト同士を接続する階層接続オブジェクトの一例である。階層接続オブジェクトは、例えば、フロアオブジェクトO(f1)に関連付けられたオブジェクトと、フロアオブジェクトO(f2)に関連付けられたオブジェクトと、の関連を表す関連情報に基づいて、表示が制御される。
【0067】
コンテンツ1400には、操作用画像1410が含まれる。操作用画像1410は、コンテンツ1300に含まれるオブジェクトを選択するための画像である。操作用画像1410には、コンテンツ1400において表示可能なオブジェクトの種類情報1412と、オブジェクトの種類に対応したチェックボックス1414とが含まれている。オブジェクトの種類情報1412は、ビル1F、ビル2F、およびビル3Fが含まれ、チェックボックス1414には、ビル1F、ビル2F、およびビル3Fに対応して3つのチェックボックスが含まれる。なお、図示していないが、ユーザの操作に基づいて、各フロアオブジェクトに属するオブジェクト単位で表示のオンまたはオフを切り替えることもできる。
【0068】
アプリケーションサーバ装置200は、ユーザの操作に基づいて、同じフロアオブジェクトに関連付けられた複数のオブジェクトを含むグループ単位で表示を制御する。すなわち、アプリケーションサーバ装置200は、例えば、ビル2Fに対応するチェックボックス1414のチェックが外された場合、フロアオブジェクトO(f2)、およびフロアオブジェクトO(f2)に属するオブジェクトの表示をコンテンツ1400から消すように、コンテンツ1400を更新する。
【0069】
図15は、フロアオブジェクトO(f2)の表示をオフした場合のコンテンツの一例を示す図である。図14に示したように、コンテンツ1400には、フロアオブジェクトO(f1)〜O(f3)を含み、さらに、リンクオブジェクトO(r1)〜O(r6)を含む。アプリケーションサーバ装置200は、コンテンツ1400を表示させている場合において、ユーザの操作に基づいて、フロアオブジェクトO(f2)の表示を消去させる場合に、フロアオブジェクトO(f2)、フロアオブジェクトO(f2)に属する滞在状況オブジェクトオブジェクトO(p2)等、リンクオブジェクトO(r1)〜O(r6)を消去し、滞在状況オブジェクトO(p1)と滞在状況オブジェクトO(p4)とを接続するリンクオブジェクトO(r11)と、滞在状況オブジェクトO(p1)と滞在状況オブジェクトO(p5)とを接続するリンクオブジェクトO(r12)と、を表示させる。
【0070】
(実施形態の効果)
以上説明したように、情報処理システム1は、予め設定された自動設定オブジェクトの配置位置情報に基づいて、自動設定オブジェクトを所定高さに設定された2次元座標面に配置し、ユーザの操作に基づいて、自動設定オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および自動設定オブジェクトの表示形態を設定する。さらに、自動設定オブジェクトの表示形態を設定する処理は、ステータス情報の変化に基づいて、2次元座標面と交わる方向に延びる自動設定オブジェクトの高さを変化させるように設定する。これにより、情報処理システム1によれば、3次元空間に配置された自動設定オブジェクトのステータス情報の時間的な変化をわかりやすく閲覧させることができる。
【0071】
また、情報処理システム1によれば、ユーザの操作に基づいて、手動設定オブジェクトを配置し、手動設定オブジェクトの時間的に変化する状態を表すステータス情報、および手動設定オブジェクトの表示形態を設定する。これにより、情報処理システム1によれば、自動設定オブジェクトのみならず、手動設定オブジェクトを含むコンテンツを提供することができる。
【0072】
情報処理システム1によれば、フロアオブジェクト以外のオブジェクト単位で表示形態を変化させると共に、同じフロアオブジェクトに関連付けられた複数のオブジェクトを含むグループ単位で表示を制御することができる。これにより、情報処理システム1によれば、ビル内のフロア単位で、オブジェクトの状態をわかりやすく閲覧させることができる。
【0073】
また、情報処理システム1によれば、あるフロアオブジェクトに関連付けられたオブジェクトと、他のフロアオブジェクトに関連付けられたオブジェクトと、の関連を表す関連情報を取得し、関連情報に基づいて、あるフロアオブジェクトのオブジェクトと他のフロアオブジェクトのオブジェクトとを接続するリンクオブジェクトの表示を制御することができる。これにより、情報処理システム1によれば、フロア間の関連をわかりやすく閲覧させることができる。
【0074】
さらに、情報処理システム1によれば、フロアオブジェクトに挟まれたフロアオブジェクトの表示がオフに変更された場合に、当該オフに変更されたフロアオブジェクトを挟んでいた2つのフロアオブジェクト間を接続するリンクオブジェクトを表示させることができる。これにより、情報処理システム1によれば、隣接するフロア間の関連のみならず、隣接していないフロア間の関連をわかりやすく閲覧させることができる。
【0075】
なお、各実施形態、各変形例について説明したが、一例であってこれらに限られず、例えば、各実施形態や各変形例のうちのいずれかや、各実施形態の一部や各変形例の一部を、他の1または複数の実施形態や他の1または複数の変形例と組み合わせて本発明の一態様を実現させてもよい。
【0076】
なお、本実施形態における情報処理システム1の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムを、コンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、情報処理システム1に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
【0077】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器などのハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリなどの書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROMなどの可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置のことをいう。
【0078】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic
Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置などに格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
【0079】
ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネットなどのネットワーク(通信網)や電話回線などの通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0080】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。
【符号の説明】
【0081】
100…クライアント端末装置、200…アプリケーションサーバ装置、300…データベースサーバ装置、210…オブジェクト設定部、212…自動設定オブジェクト設定部、214…手動設定オブジェクト設定部、220…コンテンツ提供部、222…ステータス更新部、224…表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15