特開2019-97052(P2019-97052A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-97052(P2019-97052A)
(43)【公開日】2019年6月20日
(54)【発明の名称】超音波投射装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 17/10 20060101AFI20190530BHJP
【FI】
   H04R17/10 330A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-225622(P2017-225622)
(22)【出願日】2017年11月24日
(71)【出願人】
【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(72)【発明者】
【氏名】三浦 光
【テーマコード(参考)】
5D019
【Fターム(参考)】
5D019AA21
5D019BB14
5D019BB16
5D019FF01
(57)【要約】
【課題】指向性の高い超音波を投射可能な超音波投射装置において、音圧の向上を図る。
【解決手段】超音波を投射する超音波投射装置1であって、投射する超音波に応じた振動を発生する振動部と、振動部の先端面から延出する支柱5と、支柱5の先端に固定されて振動が伝達されることによりたわみ振動すると共に、外縁が支柱5の周面に対して支柱の径方向外側に突出して位置する振動板6とを備え、振動板6は、外縁の全周において外縁から支柱5までの最短距離寸法がたわみ振動の波長の4分の1以下であり、支柱5は、延出方向における長さ寸法が支柱5における縦振動の波長の4分の1以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を投射する超音波投射装置であって、
投射する前記超音波に応じた振動を発生する振動部と、
振動部の先端面から延出する支柱と、
前記支柱の先端に固定されて前記振動が伝達されることによりたわみ振動すると共に、外縁が前記支柱の周面に対して前記支柱の径方向外側に突出して位置する振動板とを備え、
前記振動板は、前記外縁の全周において前記外縁から前記支柱までの最短距離寸法がたわみ振動の波長の4分の1以下であり、
前記支柱は、延出方向における長さ寸法が前記支柱における縦振動の波長の4分の1以下である
ことを特徴とする超音波投射装置。
【請求項2】
前記振動板は、前記外縁の形状が円形状の円板であることを特徴とする請求項1記載の超音波投射装置。
【請求項3】
前記支柱の軸芯に沿う方向から見て、前記振動板は中心位置が前記軸芯に重ねて配置されていることを特徴とする請求項2記載の超音波投射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波投射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両用の超音波センサや、音波に指向性を持たせて投射するパラメトリックスピーカとして、小型の超音波投射装置が用いられている。例えば、車両用の超音波センサは、超音波を投射すると共に、反射した超音波を受信して、障害物までの距離を示す信号を出力する。また、パラメトリックスピーカは、アレイ状に配列される複数の超音波投射装置を備え、定められた方向に強力な音波を投射する。例えば、特許文献1には、超音波を発する圧電部材を備える超音波センサが開示されている。このような特許文献1に示す超音波センサによれば、圧電部材で生成された超音波振動によって超音波を外部に対して投射することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−243414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的には、より遠方まで超音波を投射する超音波センサの場合には、圧電部材で生成された超音波振動に共振するホーンを備えている。このようなホーンは、通常は中実の棒状とされている。しかしながら、このようなホーンを備える超音波投射装置であっても、発生可能な超音波の音圧は小さい。このため、特許文献1で開示されたような超音波センサでは、極めて近距離にしか有効な超音波を投射することができない。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、指向性の高い超音波を投射可能な超音波投射装置において、音圧の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0007】
第1の発明は、超音波を投射する超音波投射装置であって、投射する上記超音波に応じた振動を発生する振動部と、振動部の先端面から延出する支柱と、上記支柱の先端に固定されて上記振動が伝達されることによりたわみ振動すると共に、外縁が上記支柱の周面に対して上記支柱の径方向外側に突出して位置する振動板とを備え、上記振動板が、上記外縁の全周において上記外縁から上記支柱までの最短距離寸法がたわみ振動の波長の4分の1以下であり、上記支柱が、延出方向における長さ寸法が上記支柱における縦振動の波長の4分の1以下であるという構成を採用する。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記振動板が、上記外縁の形状が円形状の円板であるという構成を採用する。
【0009】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記支柱の軸芯に沿う方向から見て、上記振動板は中心位置が上記軸芯に重ねて配置されているという構成を採用する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、支柱を介して振動部の先端面に振動板が接続され、振動板が外縁の全周において外縁から支柱までの最短距離寸法がたわみ振動の波長の4分の1以下であり、支柱が延出方向における長さ寸法が支柱における縦振動の波長の4分の1以下とされている。このような本発明によれば、振動板が節なくたわみ振動する。つまり、本発明によれば、振動板の全域が同一方向に繰り返し変位するようにたわみ振動する。この結果、振動板が前方に向けて超音波を投射する場合に、後方に向かう成分の音波が発生せず、振動板から投射される超音波の音圧を向上させることができる。したがって、本発明によれば、指向性の高い超音波を投射可能な超音波投射装置において、音圧の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態における超音波投射装置の概略構成を示す外観図である。
図2】本発明の一実施形態における超音波投射装置が備える振動板及び支柱の正面図である。
図3】本発明の一実施形態における超音波投射装置と比較用超音波投射装置のアドミタンス特性を示すグラフであり、(a)が本発明の一実施形態における超音波投射装置のアドミタンス特性を示すグラフであり、(b)が比較用超音波投射装置のアドミタンス特性を示すグラフである。
図4】本発明の一実施形態における超音波投射装置と比較用超音波投射装置の振動分布を示すグラフである。
図5】本発明の一実施形態における超音波投射装置と比較用超音波投射装置の音圧分布を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明に係る超音波投射装置の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0013】
図1は、本実施形態の超音波投射装置1の概略構成を示す外観図である。この図に示すように、本実施形態の超音波投射装置1は、振動子2と、振動伝達部3と、ホーン4と、支柱5と、振動板6とを備えている。
【0014】
振動子2は、振動(超音波振動)を発生させるユニットであり、電力を供給することによって振動する複数の圧電素子2aと、これらの圧電素子2aを支持するホルダ2bとを備えている。なお、圧電素子2aに換えて、磁歪素子、電歪素子などの電気機械変換素子を用いることも可能である。このような振動子2としては、例えば、強力な超音波を発生させるボルト締めランジュバン型振動子(BLT:Bolt-clamped Langevin type Transducer)を好適に用いることができる。このような振動子2は、図示を省略する電源回路(電源)から供給される電力によって駆動される。
【0015】
振動伝達部3は、振動子2とホーン4との間に配置されており、振動子2で生成された超音波振動をホーン4に対して伝達する。この振動伝達部3は、中実な断面が一様な棒部3aと、棒部3aの周面に接続されたフランジ3bとを備えている。棒部3aは、一方の端部が振動子2に接続され、他方の端部がホーン4に接続されている。フランジ3bは、棒部3aの節(超音波振動が伝達された場合に変位しない部位)に接続されており、本実施形態の超音波投射装置1を外部部材に対して取り付ける場合の取付部とされる部位である。
【0016】
ホーン4は、振動伝達部3を介して振動子2から伝達される超音波振動に対して共振することによって超音波振動を増幅し、支柱5及び振動板6に伝達するための部位である。なお、本実施形態の超音波投射装置1においては、振動子2、振動伝達部3及びホーン4が、投射する超音波に応じた振動を発生する振動部として機能する。
【0017】
支柱5は、ホーン4の先端面(すなわち振動部の先端面)から延出する円柱型あるいは円柱型の部位であり、ホーン4と同心状に配置されている。この支柱5は、振動板6を支えると共にホーン4から伝達された振動を振動板6に伝達する。この支柱5は、軸芯に沿う方向から見て、ホーン4及び振動板6よりも小径とされている。また、支柱5の延出方向における長さ寸法は、支柱5における縦振動の波長の4分の1以下とされており、振動板6のたわみ振動の波長の4分の1よりも十分に小さいことが望ましい。
【0018】
振動板6は、外縁6aが支柱5の周面に対して支柱の径方向外側に突出して位置し、支柱5の先端に一体的に固定された部位である。この振動板6は、支柱5から伝達される縦振動によってたわみ振動する。図2は、振動板6を支柱5の軸芯に沿った方向(ホーン4からの延出方向に沿った方向)から見た正面図である。この図に示すように、振動板6は、外縁6aの形状が円形状とされた円板であり、中心位置が支柱5の軸芯に重ねて配置されている。この振動板6は、支柱5の軸芯に沿った方向から見て、支柱5の外周面までの距離寸法dが、振動板6のたわみ振動の波長の4分の1以下に設定されている。このような振動板6では、外縁6aの全周において外縁6aから支柱5までの最短距離寸法がたわみ振動の波長の4分の1以下となっている。
【0019】
このような振動板6は、径方向における全域が同相で振動される。例えば、振動板6は、径方向の中央側の部位が超音波の投射方向に変位する場合には、径方向の中央側の部位を除く他の領域も超音波の投射方向に変位し、径方向の中央側の部位が超音波の投射方向と反対側に変位する場合には、径方向の中央側の部位を除く他の領域も超音波の投射方向と反対側に変位するように振動する。つまり、振動子2が発生する超音波振動の周波数は、振動板6が表面に沿った方向にて節が発生しない周波数とされている。なお、振動板6は、ホーン4と同様に超音波振動に対して共振することでたわみ振動し、これによって指向性の高い強力な音波を放射する。
【0020】
なお、支柱5及び振動板6は、例えばホーン4と同一材料によって形成することができる。このような場合には、例えばホーン4、支柱5及び振動板6を削り出しによって一体的に形成することができ、振動板6により良好に振動を伝達することが可能となる。
【0021】
このような本実施形態の超音波投射装置1では、外部の電源回路(電源)から電力が振動子2の圧電素子2aに供給されると、圧電素子2aが振動し、超音波振動が生成される。この超音波振動は、振動伝達部3からホーン4及び支柱5を介して振動板6に伝達される。これによって振動板6から強力な超音波が指向性を有して射出される。
【0022】
続いて、本実施形態の超音波投射装置1を用いた基礎検討について説明する。
本検討では、振動子2として、60kHz用ボルト締めランジュバン型振動子を用いた。振動子2は、直径寸法を15mm、長さ寸法を39mmとした。また、振動伝達部3において、棒部3aの直径寸法を15mm、棒部3aの長さ寸法を42.5mmとした。また、振動伝達部3において、フランジ3bは、直径寸法を25mm、厚さ寸法を1mmとし、棒部3aの振動子2側の端部から19.5mmの位置に設置した。
【0023】
ホーン4は、直径寸法を15mm、長さ寸法を60mmとした。支柱5は、直径寸法を4mm、長さ寸法を5mmとした。振動板6は、直径寸法を10mm、厚さ寸法を0.8mmとした。
【0024】
また、本検討においては、本実施形態の超音波投射装置1と比較するために、支柱5及び振動板6を備えていない超音波投射装置(比較用超音波投射装置)についても検討を行った。
【0025】
まず、本実施形態の超音波投射装置1と比較用超音波投射装置の共振周波数及び尖鋭度を求めるため、インピーダンスアナライザを用いてアドミタンス特性を測定した。図3は、本実施形態の超音波投射装置1と比較用超音波投射装置のアドミタンス特性を示すグラフであり、(a)が本実施形態の超音波投射装置1のアドミタンス特性を示すグラフであり、(b)が比較用超音波投射装置のアドミタンス特性を示すグラフである。なお、図3において、横軸はコンダクタンス、縦軸がサセプタンスを示している。
【0026】
本実施形態の超音波投射装置1の共振周波数は61.4kHz、尖鋭度は1661であった。本実施形態の超音波投射装置1のコンダクタンス最大は、図3(a)に示すように、12.2mSであった。また、比較用超音波投射装置の共振周波数は57.8kHz、尖鋭度は615であった。比較用超音波投射装置のコンダクタンス最大は、図3(b)に示すように、31.8mSであった。
【0027】
続いて、振動板6の振動変位の検討をするため、レーザードップラ振動計を用いて振動分布の測定を行った。また、振動板6がない場合の比較として比較用超音波投射装置の場合についても測定した。測定は中心を通る径方向15mmの範囲とし、0.5mm間隔で行った。本実施形態の超音波投射装置1及び比較用超音波投射装置の駆動条件は入力電力0.1W一定、駆動周波数は、図3の説明における共振周波数に示した値である。
【0028】
図4は、本実施形態の超音波投射装置1と比較用超音波投射装置の振動分布を示すグラフである。なお、図4において、横軸は振動板6(ホーン先端面)中心からの距離、縦軸は振動変位(実効値)を示している。また、図4において、黒丸を繋ぐラインは本実施形態の超音波投射装置1の振動分布を示し、白丸を繋ぐラインは比較用超音波投射装置の振動分布を示している。
【0029】
図4に示すように、本実施形態の超音波投射装置1の振動変位は中心付近で比較的小さく、振動板6の端に近づくにつれて大きくなることが分かる。一方、比較用超音波投射装置は表面全体が均一な振動変位であることが分かる。また、両結果を比較すると、本実施形態の超音波投射装置1の最大振動変位は、比較用超音波投射装置の最大振動変位より約22倍大きいことが分かる。
【0030】
続いて、振動板6の音圧分布を検討するため、プローブ付きマイクロフォン(ACO、 TYPE−7118)、及び、回転ステージを用いて音圧の測定を行った。また、比較として比較用超音波投射装置も測定した。測定は、本実施形態の超音波投射装置1と比較用超音波投射装置と測定点との距離を300mmとし、本実施形態の超音波投射装置1と比較用超音波投射装置の中心軸上の角度を0°として、−90°〜90°の範囲で1°ずつ変化させて行った。本実施形態の超音波投射装置1と比較用超音波投射装置の駆動条件は、上述の図4の説明における条件と同様である。
【0031】
図5は、本実施形態の超音波投射装置1と比較用超音波投射装置の音圧分布を示すグラフである。なお、図5において、横軸は本実施形態の超音波投射装置1あるいは比較用超音波投射装置の上記角度、縦軸は音圧を示している。また、図4において、黒丸を繋ぐラインは本実施形態の超音波投射装置1の音圧分布を示し、白丸を繋ぐラインは比較用超音波投射装置の音圧分布を示している。
【0032】
図5に示すように、本実施形態の超音波投射装置1及び比較用超音波投射装置の音圧は共に0°の方向が極大となることが分かる。また、本実施形態の超音波投射装置1の場合の最大音圧は45Paであり、比較用超音波投射装置の最大音圧8Paに比べて約6倍の音圧になっていることが分かった。
【0033】
このように、本実施形態の超音波投射装置1の音圧分布及び振動分布の検討を行った結果、本実施形態の超音波投射装置1の音圧及び振動変位は、比較用超音波投射装置に比べて大きくなることが分かった。つまり、本実施形態の超音波投射装置1は、指向性の高い超音波を投射可能な超音波投射装置において、音圧の向上を図ることが可能となる。
【0034】
以上のような本実施形態の超音波投射装置1によれば、支柱5を介してホーン4の先端面に振動板6が接続され、振動板6が外縁の全周において外縁から支柱までの最短距離寸法がたわみ振動の波長の4分の1以下であり、支柱5が延出方向における長さ寸法が支柱5における縦振動の波長の4分の1以下とされている。このような本実施形態の超音波投射装置1によれば、振動板6が節なくたわみ振動する。つまり、本実施形態の超音波投射装置1によれば、振動板6の全域が同一方向に繰り返し変位するようにたわみ振動する。この結果、振動板6が前方に向けて超音波を投射する場合に、後方に向かう成分の音波が発生せず、振動板6から投射される超音波の音圧を向上させることができる。
【0035】
また、本実施形態の超音波投射装置1においては、振動板6は、外縁6aの形状が円形状の円板とされている。このため、振動板6の外縁6aに屈曲した部位が存在せず、振動によって振動板6の外縁6aに局所的に大きな応力が作用することを抑止することができる。
【0036】
さらに、本実施形態の超音波投射装置1においては、支柱5の軸芯に沿う方向から見て、円板状の振動板6の中心が支柱5の軸芯に重ねて配置されている。このため、振動板6が支柱5の軸芯を中心として径方向において一様に変形しながらたわみ振動する。このため、振動板6から放射される超音波の広がりが均一となり、超音波の指向性をより高めることができる。
【0037】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態においては、支柱5及び振動板6がホーン4と同一材料によって形成された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。振動板6をホーン4や支柱5と別の材料によって形成することも可能である。また、ホーン4、支柱5及び振動板6を樹脂材料等によって形成することも可能である。さらに、振動板6を、超音波が投射される先側に露出して配置された表層部と、表層部と異なる材料で形成されると共にホーン4側に位置する底層部とに分かれた構成を採用することも可能である。例えば、底層部が剛性を高めるための金属で形成され、表層部が車両の塗料と同一色の樹脂材料で形成された構成を採用することも可能である。
【0039】
また、上記実施形態においては、支柱5が、ホーン4の先端面(すなわち振動部の先端面)から延出する円柱型あるいは円柱型である構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、多角柱形状や多角状の円筒状の支柱を備える構成を採用することも可能である。
【0040】
また、振動板6も円板ではなく、多角形状や楕円形状等の他の形状の板部材とすることも可能である。また、振動板6の中心は、必ずしも支柱5の軸芯に一致して配置されている必要はない。例えば、振動板6を支柱5の軸芯に対して偏心して取り付けることによって、超音波の投射方向を変更できる可能性がある。
【0041】
また、上記実施形態においては、ホーン4を備える構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ホーン4を備えずに、振動伝達部3に対して支柱5を設け、支柱5を振動伝達部3に対して直接接続する構成を採用することも可能である。また、ホーン4、および振動伝達部3を備えずに、振動子2に対して支柱5を設け、支柱5を振動子2に対して直接接続する構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0042】
1……超音波投射装置
2……振動子
2a……圧電素子
2b……ホルダ
3……振動伝達部
3a……棒部
3b……フランジ
4……ホーン
5……支柱
6……振動板
6a……外縁
図1
図2
図3
図4
図5