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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-97724(P2019-97724A)
(43)【公開日】2019年6月24日
(54)【発明の名称】折り畳みかばん
(51)【国際特許分類】
   A45C 7/00 20060101AFI20190603BHJP
【FI】
   A45C7/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-229848(P2017-229848)
(22)【出願日】2017年11月30日
(11)【特許番号】特許第6468542号(P6468542)
(45)【特許公報発行日】2019年2月13日
(71)【出願人】
【識別番号】591203831
【氏名又は名称】株式会社マーナ
(74)【代理人】
【識別番号】100186358
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100191145
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 整博
(72)【発明者】
【氏名】菊田 みなみ
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA04
3B045AA05
3B045AA53
3B045CE07
3B045CE09
3B045EA02
3B045EB11
3B045FA01
3B045FC04
3B045FC08
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD01
3B045HA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】使用時の外観を底面が平坦で前後の胴部が直立し、天面が丸みを帯びた形状とすることができ、使用後は簡単に折り畳むことができる折り畳みかばんを提供する。
【解決手段】使用状態から裏返し、両端を閉じた長方形の扁平な形状に折り畳まれる折り畳みかばんAであって、折り畳まれた状態で前面および後面に位置する一組の折り畳み表面5と、両折り畳み表面5の長手方向一端側から内方他端側に向けて形成され、底マチに対応する幅の底内ヒダ6と、両折り畳み表面5の長手方向他端側から内方一端側に向けて形成され、内方に向かって順次ヒダの幅が狭くなる複数組の天内ヒダ7、8とを有する収納本体Bと、前記収納本体Bの天内ヒダ7、8の内側に形成され、収納対象物を出し入れする収納口部Eと、前記収納本体Bに形成される複数の内ヒダの側端部4を重ね合わせた状態で封止する集束端部Cと、収納口部Eの内側に取着されるハンドルHとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用状態から裏返し、長手方向の両端を引き離す方向に緊張させることにより、該両端を閉じた長方形の扁平な形状に折り畳まれる折り畳みかばんであって、
前記長方形の扁平な形状に折り畳まれた状態で前面および後面に位置する一組の折り畳み表面と、両折り畳み表面の長手方向一端側から内方他端側に向けて形成され、底マチに対応する幅の底内ヒダと、両折り畳み表面の長手方向他端側から内方一端側に向けて形成され、内方に向かって順次ヒダの幅が狭くなる複数組の天内ヒダとを有する収納本体と、
前記収納本体の天内ヒダの内側に形成され、収納対象物を出し入れする収納口部と、
前記収納本体に形成される複数の内ヒダの側端部を重ね合わせた状態で封止する集束端部と、
前記収納本体の収納口部の内側に取着されるハンドルと、を備えることを特徴とする折り畳みかばん。
【請求項2】
前記収納本体は、長方形のシート材料で構成され、
前記シート材料は、長辺の垂直2等分線に形成する第1谷折り線と、該第1谷折り線から短辺側に向けて底マチ幅の半分の間隔S1で形成する一組の第1山折り線と、該第1山折り線から短辺側に向けて間隔S1の倍以上の間隔S2で形成する一組の第2山折り線と、該第2山折り線から短辺側に向けて間隔S1よりも狭い間隔S3で形成する一組の第2谷折り線と、該第2谷折り線から短辺側に向けて間隔S3で形成する一組の第3山折り線と、該第3山折り線から短辺側に向けて間隔S3よりも順次狭くなる間隔で形成する複数組の谷折り線および山折り線で折り畳まれることを特徴とする請求項1に記載の折り畳みかばん。
【請求項3】
該収納本体は、収納口部に沿って、収納口部を開閉するファスナーを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の折り畳みかばん。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、かばんに関し、とくに、不使用時に携帯が便利な折り畳みかばんに関するものである。
【背景技術】
【0002】
シート材料で構成され、不使用時の携帯を考慮して小さく折り畳むことができるかばんは、従来から様々な提案がなされている。
このような折り畳みかばんの一例として、ナイロンシートよりなり、長手状の出入口6を有し、かつ、両端部を縫合部3で封止した収納体1と、出入口6を開閉するファスナー6Aと、ファスナー6Aの両側に長手方向に沿って設けた蛇腹部5とを有することにより、収納体1を折り畳む際に平面積の広がりを抑制できるバッグが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、シート材料で構成され、使用後に両端部を引き離す方向に引っ張るだけで、長手方向の両端を閉じた所定の長方形の扁平な帯状の形態にすることができる折り畳み可能な袋として、前記袋が帯状の形態のときの幅方向中央部分又は一方の側縁を一端部から他端部に亘って直線状に延び、かつ対象物を出し入れするための開口部100aと、該開口部100aを挟んで、その一方側半分10aと他方側半分10bとに位置し、所定の幅で山折り、谷折りを繰り返すことにより形成された複数のプリーツ12で構成される蛇腹構造の袋本体であって、該複数のプリーツ12の各端部を重ねた状態で閉塞された袋本体と、前記一方側半分10aと前記他方側半分10bとに形成され、前記開口部100aに沿って延びる第1、第2のトンネル部18a,18bと、前記第1のトンネル部18aに挿通され、幅を有する扁平な第1のストラップST1と、前記第2のトンネル部18bに挿通され、幅を有する扁平な第2のストラップST2と、前記第1、第2のトンネル部の両端から前記第1、第2のストラップST1,ST2の一部を引っ張り出すことにより前記開口部100aを小さくしながら、第1、第2のストラップST1,ST2を使って運ぶことができる手提げ袋も、従来から知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−308215号公報
【特許文献2】国際公開第2017/033902号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載のバッグでは、図4,5のように収納体1内に物品11を詰めると、蛇腹部5が伸長して収納体1が膨らみ、物品11の形状に沿った形態となり、使用時の外観がバッグとしての体裁に欠けるという問題があった。
また、上記特許文献2記載の折り畳み可能な袋では、両端部を引き離す方向に引っ張るだけで、長手方向の両端を閉じた所定の長方形の扁平な帯状の形態にすることができるが、上記特許文献1記載のバッグと同様に、使用時の外観をいわゆるかばんのように、底面が平坦で前後の胴部が直立し、天面が丸みを帯びた形状にできないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、使用時の外観として、底面が平坦で前後の胴部が直立し、天面が丸みを帯びた形状とすることができるとともに、使用後には、裏返して長手方向の両端を引き離す方向に緊張させることにより、簡単に折り畳まれる折り畳みかばんを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、折り畳みかばんとして、使用状態から裏返し、長手方向の両端を引き離す方向に緊張させることにより、該両端を閉じた長方形の扁平な形状に折り畳まれる折り畳みかばんであって、前記長方形の扁平な形状に折り畳まれた状態で前面および後面に位置する一組の折り畳み表面と、両折り畳み表面の長手方向一端側から内方他端側に向けて形成され、底マチに対応する幅の底内ヒダと、両折り畳み表面の長手方向他端側から内方一端側に向けて形成され、内方に向かって順次ヒダの幅が狭くなる複数組の天内ヒダとを有する収納本体と、前記収納本体の天内ヒダの内側に形成され、収納対象物を出し入れする収納口部と、前記収納本体に形成される複数の内ヒダの側端部を重ね合わせた状態で封止する集束端部と、前記収納本体の収納口部の内側に取着されるハンドルと、を備えることを特徴とする構成を採用する。
【0008】
折り畳みかばんを構成する収納本体の具体的実施形態として、前記収納本体は、長方形のシート材料で構成され、前記シート材料は、長辺の垂直2等分線に形成する第1谷折り線と、該第1谷折り線から短辺側に向けて底マチ幅の半分の間隔S1で形成する一組の第1山折り線と、該第1山折り線から短辺側に向けて間隔S1の倍以上の間隔S2で形成する一組の第2山折り線と、該第2山折り線から短辺側に向けて間隔S1よりも狭い間隔S3で形成する一組の第2谷折り線と、該第2谷折り線から短辺側に向けて間隔S3で形成する一組の第3山折り線と、該第3山折り線から短辺側に向けて間隔S3よりも順次狭くなる間隔で形成する複数組の谷折り線および山折り線で折り畳まれることを特徴とする構成を採用する。
また、収納口部の具体的実施形態として、該収納本体は、収納口部に沿って、収納口部を開閉するファスナーを備えることを特徴とする構成を採用する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の折り畳みかばんは、上記構成を採用することにより、使用時の外観として、底面が平坦で前後の胴部が直立し、天面が丸みを帯びた形状とすることができるとともに、使用後には、裏返して長手方向の両端を引き離す方向に緊張させるだけで、該両端が閉じた長方形の扁平な形状に、簡単に折り畳むことが可能である。
また、本発明の折り畳みかばんは、収納本体が一枚の長方形のシート材料を短辺と平行な谷折り線および山折り線に沿って折り畳むことで製作されているので、製作工程をシンプルにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例であるかばんの折り畳んだ状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)はX−X方向矢視断面図である。
図2】実施例のかばんをパーツ毎に分解した状態を示す図である。
図3】実施例のかばんを構成する収納本体および収納口部の折り畳み状態を説明する模式図である。
図4】実施例のかばんの使用状態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図5】実施例のかばんを拡げるときの手順を示す説明図であり、(a)は留めバンドを外し、長手方向に拡げた状態を示す図、(b)は全体を裏返した状態を示す図、(c)は全体を拡げた状態を示す図である。
図6】実施例のかばんを折り畳むときの手順を示す説明図であり、(a)は内側の集束端部を持ってかばんを裏返す状態を示す図、(b)は収納本体の両端を引き離す方向に緊張させる状態を示す図、(c)は2つ折りにした収納本体を長手方向に巻き取る状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の折り畳みかばんについて、実施例を示した図面を参照して説明する。
以下の説明では、図1(a)の正面図でみて、縦方向を「上下」、横向を「左右」、紙面の手前から奥方向を「前後」とする。
【実施例】
【0012】
図1および2において、Aは折り畳みかばん、Bは複数の内ヒダを形成することによって長方形の扁平な形状に折り畳まれる収納本体、Cは前記収納本体Bに形成された複数の内ヒダの側端部を重ね合わせた状態で封止する集束端部、Dは収納本体Bを長手方向に折り畳んで結束する留めバンド、Eは前記収納本体B内に収納対象物を出し入れする収納口部、Hは収納本体Bの収納口部Eの内側に取着されるハンドルである。
【0013】
収納本体Bは、図2に示すように、長辺1と短辺2とからなる長方形のシート材料3で構成されている。
本実施例では、シート材料3の材質として、ポリエステルの布帛が使用されているが、ナイロンや木綿などの合成繊維や天然繊維からなる布帛や、前記布帛に合成樹脂をコーティングした積層材料など、必要な強度と屈曲性を有する可撓性のシート材料であれば、いずれも選択可能である。
【0014】
シート材料3は、長辺1の垂直2等分線である中心線CLを挟んで線対称にヒダを形成するために、該中心線CLに沿って形成される第1谷折り線V1と、該第1谷折り線V1から両方の短辺2側に向けて底マチ20の幅の半分の間隔S1(図4(c)参照)で形成される一対の第1山折り線M1と、該第1山折り線M1から該短辺2側に向けて間隔S1の倍以上の間隔S2で形成される一対の第2山折り線M2と、該第2山折り線M2から短辺2側に向けて間隔S1よりも狭い間隔S3で形成される一対の第2谷折り線V2と、該第2谷折り線V2から短辺2側に向けて間隔S3で形成される一対の第3山折り線M3と、該第3山折り線M3から短辺2側に向けて間隔S3よりも狭い間隔S4で形成される一対の第3谷折り線V3とを有し、該第3谷折り線V3から短辺2までの幅は、間隔S4となるように設定されている。
本実施例では、シート材料3に、第3山折り線M3および第3谷折り線V3まで形成されているが、該第3山折り線M3から短辺2側に向けて間隔S3より順次狭くなる間隔で複数組の谷折り線および山折り線が形成されるようにしても構わない。
【0015】
収納本体Bは、図3に示すように、シート材料3を谷折り線V1〜3および山折り線M1〜3に沿ってそれぞれ折り畳むと、図1(b)に示すように、折り畳まれた収納本体Bの縦断面の前面および後面には、第1山折り線M1を長手方向一端側とするとともに、第2山折り線M2を長手方向他端側とし、該一端側と他端側との間隔がS2である折り畳み表面5が形成される。
さらに、収納本体Bは、前後の折り畳み表面5の長手方向一端側から内方他端側に向けて、第1谷折り線V1によって底マチ20に対応する間隔S1の幅で底内ヒダ6が形成され、前後の折り畳み表面5の長手方向他端側から内方一端側に向けて、第2谷折り線V2によって間隔S1よりも狭い間隔S3の幅で第1天内ヒダ7、および第3谷折り線V3によって間隔S3よりも狭い間隔S4の幅で第2天内ヒダ8が、順次内方に向けて形成される。
本実施例では、収納本体Bの天内ヒダは、第2天内ヒダ8まで形成されているが、天内ヒダは、前後の折り畳み表面5の長手方向他端側から内方一端側に向けて、内方に向かって順次ヒダの幅が狭くなるように複数組の内ヒダを形成するようにしても構わない。
【0016】
ハンドルHは、図2に示すように、全体がU字状をなすようにテープ状材料11で形成されており、ハンドルHの取付端部12は、図1(b)に示すように、収納本体Bを構成するシート材料3の短辺2から間隔S4の範囲で縫い付けられている。
本実施例では、ハンドルHは、全体がU字状をなすようにテープ状材料11で形成されているが、ハンドルHは、この形状に限らず、肩掛け用にストラップ状など、必要に応じて様々な形状のものを選択することができる。
【0017】
収納口部Eは、図2に示すように、収納本体Bを構成するシート材料3と同材質で長方形に形成され、長辺である一対の取付縁部14は、図1(b)に示すように、それぞれがハンドルHを縫い付けたシート材料3の短辺2に沿って重ね合わせた状態で縫合されている。
さらに、収納口部Eは、中央に取り付けられたファスナーFの開閉によって開け閉めできるようになっている。
【0018】
集束端部Cは、図2に示すように、シート材料3の折り畳み表面5の幅である間隔S2の2倍強に設定された全長を有する一対のテープ状材料16から構成され、収納本体Bに形成された複数のヒダの各側端を重ね合わせた状態で封止するために、それぞれのテープ状材料16を折り目17から折り返し、収納本体Bの折り畳まれた側端部4を挟持するように縫合されている。
さらに、一方の集束端部Cには、中央付近から外方に向けて、図1(a)に示す収納本体Bを長手方向に折り畳んで結束するために、リング状のゴム製の留めバンドDの一端が縫い付けられている。
本実施例では、留めバンドDは、リング状のゴム製のものが使用されているが、このタイプのものに限らず、テープ状の留めバンドの端部にボタンを取着し、該ボタンと協働する受け部を収納本体Bに取着するようにしても構わない。
【0019】
以上説明したように、折り畳みかばんAは、折り畳まれた状態で製作されるので、次に、図4を参照しながら、使用状態の折り畳みかばんAの外観について説明する。
使用状態に拡げられた折り畳みかばんAは、図4(c)の側面図に示すように、間隔S1の倍の幅を有する底マチ(底面)20と、底マチ20の前後(第1山折り線M1)から略垂直に立ち上がる前後の胴部21(第1山折り線M1から第2谷折り線V2まで)と、胴部21から上方の収納口部Eに連続し、側面からみて丸みを帯びた天マチ(天面)22(第2谷折り線V2から収納口部Eの取付縁部14まで)と、底マチ20、胴部21および天マチ22の両側部からそれぞれ連続する横マチ23とから構成されている。
【0020】
次に、本実施例の使用態様と作用効果について図面を参照しながら説明する。
本実施例の折り畳みかばんAは、図2に示すように、収納本体Bを構成するシート材料3の短辺2のそれぞれに、ハンドルHの取付端部12を縫い付けた後、ハンドルHをシート材料3の短辺2に沿って折り返し、ハンドルHの上から収納口部Eのそれぞれの取付縁部14をシート材料3の短辺2に沿って縫い付ける。
【0021】
その後、ハンドルHおよび収納口部Eが縫い付けられた収納本体Bは、図3に示すように、谷折り線V1〜3および山折り線M1〜3に沿ってそれぞれ折り畳まれた後、側端部4に集束端部Cを縫い付けるとともに、集束端部Cの一方に留めバンドDを縫い付けることにより、図1(a)に示すように、折り畳みかばんAは、折り畳まれた状態で製作される。
【0022】
次に、図5を参照しながら、折り畳まれた折り畳みかばんAを使用可能な状態にする手順について説明する。
まず、結束された収納本体Bから留めバンドDを外し、図5(a)のように、収納口部Eを下にした状態で左右方向に拡げる。
その後、収納口部EのファスナーFを全開し、図5(b)のように、収納本体Bの中からハンドルHを引き出し、矢印方向に全体を裏返す。
すると、図5(c)のように、折り畳みかばんAが使用状態になるので、収納口部Eから収納物品を入れた後、ファスナーFを閉じ、ハンドルHに手を掛けて使用することができる。
【0023】
以上のように、使用状態に拡げられた折り畳みかばんAは、図4(c)に示すように、外観として、平坦な底マチ20と、底マチ20の前後から略垂直に立ち上がる前後の胴部21と、該胴部21から上方の収納口部Eに向けて丸みを帯びた天マチ22とを有することにより、従来の折り畳みかばんとは外観において、一線を画す優れたデザインとすることができる。
【0024】
次に、図6を参照しながら、使用後の折り畳みかばんAを小さく折り畳む手順について説明する。
まず、折り畳みかばんAのファスナーFを全開し、収納対象物を取り出した後、図6(a)に示すように、収納口部Eから収納本体Bの中に両手を入れ、内側の集束端部Cをそれぞれ持ち、折り畳みかばんAを裏返すように外側に向ける。
その後、図6(b)に示すように、集束端部Cを引き離す方向に両手で引っ張るが、もし、一度で上手く畳めない時は、再度、集束端部Cを左右方向に引っ張り直すことで収納本体Bを長方形の扁平な形状にすることができる。
【0025】
その後、ハンドルHをそれぞれ収納本体Bの中に入れた後、ファスナーFを閉じると、前述した図5(a)の状態に戻すことができる。
その後、収納本体Bを二つに折り畳んだ後、図6(c)のように、折り目25の方から小さくなるように折り畳み、最後に、ゴム製の留めバンドDで結束して折り畳みが完了する。
【0026】
本実施例では、折り畳みかばんAの収納口部EをファスナーFにより開閉するようにしているが、これに限らず、例えば、マジックテープ(登録商標)により開閉するようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の折り畳みかばんは、使用時の外観として、底面が平坦で前後の胴部が直立し、天面が丸みを帯びた形状とすることができるとともに、使用後には、裏返して長手方向の両端を引き離す方向に緊張させるだけで、該両端が閉じた長方形の扁平な形状にすることができるので、携帯時に簡単に折り畳むことができ、とくに、旅行の際に、増えた荷物を収納するサブのボストンバッグとして好適である。
【符号の説明】
【0028】
A 折り畳みかばん
B 収納本体
C 集束端部
D 留めバンド
E 収納口部
F ファスナー
H ハンドル
M1、M2、M3 山折り線
V1、V2、V3 谷折り線
S1、S2、S3、S4 間隔
1 長辺
2 短辺
3 シート材料
4 側端部
5 折り畳み表面
6 底内ヒダ
7 第1天内ヒダ
8 第2天内ヒダ
11、16 テープ状材料
12 取付端部
14 取付縁部
17、25 折り目
20 底マチ(底面)
21 胴部
22 天マチ(天面)
23 横マチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2018年11月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形の扁平な形状に折り畳まれる折り畳みかばんであって、
前記長方形の扁平な形状に折り畳まれた状態で前面および後面に位置し、長手方向一端側と長手方向他端側との間隔がS2である一組の折り畳み表面と、前後の折り畳み表面の長手方向一端側から内方他端側に向けて、底マチに対応する間隔S1の幅で形成される底内ヒダと、前後の折り畳み表面の長手方向他端側から内方一端側に向けて形成され、内方対向側に向かって間隔S1よりも順次ヒダの幅が狭くなる複数組の天内ヒダとを有する収納本体と、
前記折り畳まれた収納本体の複数組の天内ヒダの最内方側に形成され、収納対象物を出し入れする収納口部と、
前記折り畳まれた収納本体に形成される底内ヒダおよび複数組の天内ヒダの各側端を重ね合わせた状態で封止するために、収納本体の折り畳まれた側端部に縫い付けられる集束端部と、
前記折り畳まれた収納本体の収納口部の外側に取着されるハンドルと、を備え、
前記収納本体は、長方形のシート材料で構成され、
前記間隔S2は、間隔S1の倍以上に設定され、
使用状態から裏返し、集束端部を引き離す方向に緊張させることにより、収納本体を折り畳むことを特徴とする折り畳みかばん。
【請求項2】
前記シート材料は、長辺と短辺とを有し、長辺の垂直2等分線に形成する第1谷折り線と、該第1谷折り線から短辺側に向けて底マチ幅の半分の間隔S1で形成され、前後の折り畳み表面の長手方向一端側に対応する一組の第1山折り線と、該第1山折り線から短辺側に向けて間隔S1の倍以上の間隔S2で形成され、前後の折り畳み表面の長手方向他端側に対応する一組の第2山折り線と、該第2山折り線から短辺側に向けて間隔S1よりも狭い間隔S3で形成され、第1天内ヒダに対応する一組の第2谷折り線と、該第2谷折り線から短辺側に向けて間隔S3で形成され、第2天内ヒダに対応する一組の第3山折り線と、該第3山折り線から短辺側に向けて間隔S3よりも順次狭くなる間隔で形成する複数組の谷折り線および山折り線で折り畳まれることを特徴とする請求項1に記載の折り畳みかばん。
【請求項3】
前記収納本体は、収納口部に沿って、収納口部を開閉するファスナーを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の折り畳みかばん。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するため、折り畳みかばんとして、長方形の扁平な形状に折り畳まれる折り畳みかばんであって、前記長方形の扁平な形状に折り畳まれた状態で前面および後面に位置し、長手方向一端側と長手方向他端側との間隔がS2である一組の折り畳み表面と、前後の折り畳み表面の長手方向一端側から内方他端側に向けて、底マチに対応する間隔S1の幅で形成される底内ヒダと、前後の折り畳み表面の長手方向他端側から内方一端側に向けて形成され、内方対向側に向かって間隔S1よりも順次ヒダの幅が狭くなる複数組の天内ヒダとを有する収納本体と、前記折り畳まれた収納本体の複数組の天内ヒダの最内方側に形成され、収納対象物を出し入れする収納口部と、前記折り畳まれた収納本体に形成される底内ヒダおよび複数組の天内ヒダの各側端を重ね合わせた状態で封止するために、収納本体の折り畳まれた側端部に縫い付けられる集束端部と、前記折り畳まれた収納本体の収納口部の外側に取着されるハンドルと、を備え、前記収納本体は、長方形のシート材料で構成され、前記間隔S2は、間隔S1の倍以上に設定され、使用状態から裏返し、集束端部を引き離す方向に緊張させることにより、収納本体を折り畳むことを特徴とする構成を採用する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
折り畳みかばんを構成する収納本体の具体的実施形態として、前記シート材料は、長辺と短辺とを有し、長辺の垂直2等分線に形成する第1谷折り線と、該第1谷折り線から短辺側に向けて底マチ幅の半分の間隔S1で形成され、前後の折り畳み表面の長手方向一端側に対応する一組の第1山折り線と、該第1山折り線から短辺側に向けて間隔S1の倍以上の間隔S2で形成され、前後の折り畳み表面の長手方向他端側に対応する一組の第2山折り線と、該第2山折り線から短辺側に向けて間隔S1よりも狭い間隔S3で形成され、第1天内ヒダに対応する一組の第2谷折り線と、該第2谷折り線から短辺側に向けて間隔S3で形成され、第2天内ヒダに対応する一組の第3山折り線と、該第3山折り線から短辺側に向けて間隔S3よりも順次狭くなる間隔で形成する複数組の谷折り線および山折り線で折り畳まれることを特徴とする構成を採用する。
また、収納口部の具体的実施形態として、前記収納本体は、収納口部に沿って、収納口部を開閉するファスナーを備えることを特徴とする構成を採用する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の折り畳みかばんは、上記構成を採用することにより、使用時の外観として、底面が平坦で前後の胴部が直立し、天面が丸みを帯びた形状とすることができるとともに、使用後には、裏返して集束端部を引き離す方向に緊張させるだけで、収納本体を長方形の扁平な形状に、簡単に折り畳むことが可能である。
また、本発明の折り畳みかばんは、収納本体が一枚の長方形のシート材料を短辺と平行な谷折り線および山折り線に沿って折り畳むことで製作されているので、製作工程をシンプルにすることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
図1および2において、Aは折り畳みかばん、Bは複数の内ヒダを形成することによって長方形の扁平な形状に折り畳まれる収納本体、Cは前記折り畳まれた収納本体Bに形成された複数の内ヒダの各側端を重ね合わせた状態で封止するために、収納本体Bの折り畳まれた側端部4に縫い付けられる集束端部、Dは収納本体Bを長手方向に折り畳んで結束する留めバンド、Eは前記収納本体B内に収納対象物を出し入れする収納口部、Hは折り畳まれた収納本体Bの収納口部Eの外側に取着されるハンドルである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
収納本体Bは、図3に示すように、シート材料3を谷折り線V1〜3および山折り線M1〜3に沿ってそれぞれ折り畳むと、図1(b)に示すように、折り畳まれた収納本体Bの縦断面の前面および後面には、第1山折り線M1を長手方向一端側とするとともに、第2山折り線M2を長手方向他端側とし、該一端側と他端側との間隔がS2である折り畳み表面5が形成される。
さらに、収納本体Bは、前後の折り畳み表面5の長手方向一端側から内方他端側に向けて、第1谷折り線V1によって底マチ20に対応する間隔S1の幅で底内ヒダ6が形成され、前後の折り畳み表面5の長手方向他端側から内方一端側に向けて、第2谷折り線V2によって間隔S1よりも狭い間隔S3の幅で第1天内ヒダ7、および第3谷折り線V3によって間隔S3よりも狭い間隔S4の幅で第2天内ヒダ8が、順次内方対向側に向けて形成される。
本実施例では、収納本体Bの天内ヒダは、第2天内ヒダ8まで形成されているが、天内ヒダは、前後の折り畳み表面5の長手方向他端側から内方一端側に向けて、内方対向側に向かって順次ヒダの幅が狭くなるように複数組の天内ヒダを形成するようにしても構わない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
本発明の折り畳みかばんは、使用時の外観として、底面が平坦で前後の胴部が直立し、天面が丸みを帯びた形状とすることができるとともに、使用後には、裏返して集束端部を引き離す方向に緊張させるだけで、収納本体を長方形の扁平な形状にすることができるので、携帯時に簡単に折り畳むことができ、とくに、旅行の際に、増えた荷物を収納するサブのボストンバッグとして好適である。