【解決手段】混合物充填装置10は、固形状物供給部12、液状物供給部14、ホッパーユニット16、重量測定計18、混合タンク20、混合物充填部22及び制御部を備える。重量測定計18は、ホッパーユニット16のホッパー本体31に貯留される内容物の重量を測定する。混合タンク20は、ホッパー本体31内から放出される内容物を受け止めて、固形状物供給部12からの固形状物及び液状物供給部14からの液状物を貯留する。制御部は、重量測定計18の測定結果に基づいてホッパー本体31に供給された固形状物の重量を取得する。液状物供給部14は、制御部により取得された固形状物の重量に基づいて決められる量の液状物を供給する。
前記液状物供給部は、前記固形状物供給部から前記ホッパーユニット内に前記固形状物が供給され、前記重量測定計が前記ホッパーユニット内に貯留された前記固形状物の重量を測定し、前記ホッパー本体の前記放出口が前記シャッターによって開かれた後に、前記吐出口から前記液状物を吐出することを特徴とする請求項3に記載の混合物充填装置。
前記制御部は、前記ホッパーユニット内に前記固形状物が供給される前に前記重量測定計により測定された前記ホッパーユニット内に付着残留した前記固形状物の重量の値と、前記ホッパーユニット内に前記固形状物が供給された後に前記重量測定計により測定された前記ホッパーユニット内における前記固形状物の重量の値と、の差分に基づいて、前記ホッパーユニット内に供給された前記固形状物の重量を取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の混合物充填装置。
前記液状物供給工程は、前記ホッパーユニットの内面に向けて前記液状物を供給し、供給した前記液状物によって前記ホッパーユニットの内面に付着した前記固形状物が流れ落ち、前記液状物と一緒に前記混合タンク内に供給されることを特徴とする請求項8に記載の混合物充填方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。以下で説明する混合物充填装置及び混合物充填方法は、所望比率で配合された液状物及び固形状物を容器に投入する装置及び方法である。
【0020】
液状物は、典型的には流動性を有する不定形の液体であり、具体的な種類や粘度等の物性は問わない。後述の液状物供給部から供給される液状物は、そのような液体を一部に含み或いは全部がそのような液体であり、全体として流動性を有する。一方、固形状物は、1又は複数の固体によって構成される物体であり、一般的な固形物に加えて、ゲル体、ペースト体、粒子、及び粉体も固形状物の概念に含まれる。後述の固形状物供給部から供給される固形状物は、そのような物体を一部に含み或いは全部がそのような物体である。本実施形態の液状物は固形状物の重量に応じた最適な量が定められており、最適量の液状物が固形状物に混ぜ合わせられて、液状物及び固形状物が所望比率で配合された混合物が容器に投入される。このようにして得られる混合物の用途は特に限定されず、典型的には、食品や日用品として混合物が用いられる。
【0021】
また混合物が投入される容器も限定されず、開口部を介して、液状物及び固形状物の混合物が容器内に投入される。したがって、ポリエチレン等の柔軟な素材で作られる袋体、PET(ポリエチレンテレフタラート)等の比較的剛性の高い素材で作られるボトル、或いはその他の素材で作られる収容体を容器として使用することができる。また容器の開口部の位置及び形態も限定されず、典型的には容器の天井部に形成された口部を開口部として利用可能であるが、容器の内側と外側とを連通させるスパウト等の器具を開口部として利用してもよいし、容器の天井部以外の箇所に設けられた口部や器具を開口部として利用してもよい。
【0022】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の混合物充填装置10を示す図である。
図2は、
図1の矢印「II」に沿って見た混合物充填装置10の一部を示す図である。
図3は、制御系を示すブロック図である。なお
図1及び
図2には、一部要素の内部構成が示されている。
【0023】
混合物充填装置10は、固形状物を供給する固形状物供給部12と、液状物を供給する液状物供給部14と、ホッパー本体31及びシャッター34を具備するホッパーユニット16と、固形状物と液状物とが混合される混合タンク20と、混合タンク20内に貯留される固形状物及び液状物の混合物を容器100に導入する混合物充填部22と、制御部38と、を備える。
【0024】
固形状物供給部12は、ホッパー本体31に固形状物を供給する。図示の固形状物供給部12は、無端状ベルトを含む搬送コンベア41と、搬送コンベア41を駆動するコンベア駆動部(例えばサーボモータ等)42と、を有する。搬送コンベア41上には固形状物が載せられ、固形状物は搬送コンベア41によりホッパー本体31に向けて搬送される。搬送コンベア41上には、他の装置によって固形状物が載せられてもよいし、作業者によって固形状物が載せられてもよい。
【0025】
本実施形態の搬送コンベア41は、コンベア駆動部42によって断続的に移動させられる。搬送コンベア41の移動量及び/又は移動タイミングは予め決められていてもよく、また作業者によって決められてもよい。例えば、制御部38がコンベア駆動部42を制御し、所定タイミングで所定量だけ搬送コンベア41を移動させてもよい。また図示しない入力装置を作業者が操作することでその入力装置から制御部38に指示信号が送られ、その指示信号に応じて制御部38がコンベア駆動部42を制御して搬送コンベア41を駆動してもよい。したがって例えば、予め定められたタイミングで及び/又は作業者が入力装置を操作したタイミングで、搬送コンベア41を予め定められた一定距離だけ断続的に走行させてもよい。
【0026】
上述の構成を有する固形状物供給部12において、搬送コンベア41上に載せられる固形状物の重量は測定されず、搬送コンベア41上に対する固形状物の載置作業を無造作に行うことができる。すなわち、基本的には固形状物の重量を気にすることなく搬送コンベア41上に固形状物を載せることができ、固形状物の供給作業を迅速に行うことができる。
【0027】
ホッパーユニット16のホッパー本体31は、固形状物供給部12からの固形状物を受け入れ、シャッター34がホッパー本体31の底部開口(すなわち放出口)31bを開くことによって、ホッパー本体31内に貯留されている固形状物が混合タンク20内に向けて落下させられる。ホッパー本体31の上部開口31aは、搬送コンベア41の終端位置の鉛直方向下方に配置される。一方、ホッパー本体31の底部開口31bは、混合タンク20の上部開口20aの下方において混合タンク20内に配置されるとともに、混合タンク20の底部開口20bよりも上方に配置されている。図示のホッパー本体31の上部開口31aは、鉛直方向に搬送コンベア41から比較的離れた位置に配置されているが、搬送コンベア41に接近した位置に設けられていてもよい。また図示のホッパー本体31の底部開口31bは、混合タンク20の内部に配置されているが、混合タンク20の外部に配置されていてもよい。ホッパー本体31の底部開口31bが混合タンク20の外部に配置される場合には、シャッター34により底部開口31bが開かれた際にホッパー本体31内から落下してくる固形状物が混合タンク20内に進入するように、ホッパー本体31と混合タンク20との間の相対位置を調整することが好ましい。
【0028】
このようにホッパー本体31は、固形状物供給部12から固形状物が供給される。さらに本実施形態のホッパー本体31は、液状物供給部14から液状物も供給される。図示のホッパー本体31は、搬送コンベア41の終端位置から落下した固形状物がホッパー本体31の上部開口31aを介してホッパー本体31の内部に進入する。また図示のホッパー本体31の上部開口31aには、液状物供給部14の液状物導入部44の吐出口が向けられており、液状物導入部44から吐出した液状物が上部開口31aを介してホッパー本体31の内部に進入する。特に本実施形態の液状物導入部44は、その吐出口がホッパー本体31の内壁面及び/又はシャッター34に向けられており、液状物導入部44から吐出される液状物がホッパー本体31の内壁面及び/又はシャッター34に付着する。
【0029】
シャッター34は、ホッパー本体31に対して揺動可能に取り付けられており、制御部38の制御下でホッパー本体31の底部開口31bを開閉する。底部開口31bがシャッター34により閉じられている状態でホッパー本体31内に投入された固形状物は、ホッパー本体31内に貯留される。底部開口31bがシャッター34により開かれた場合、ホッパー本体31内の内容物は、重力の影響によりホッパー本体31内から底部開口31bを介して落下し、混合タンク20内に進入する。
【0030】
ホッパー本体31には、ロードセル59を具備する重量測定計18が連結されている。重量測定計18(すなわちロードセル59)は、ホッパー本体31内に貯留される内容物の重量を測定し、測定結果を制御部38に送信する。実際には、重量測定計18は、ホッパー本体31内の内容物の重量だけではなく、ホッパー本体31及びシャッター34の重量も測定するが、予め把握されているホッパー本体及びシャッターの重量値を重量測定計18の測定値から差し引くことによって、ホッパー本体31内の内容物の重量を取得することができる。そのような重量の演算は、重量測定計18により行われてもよいし、制御部38により行われてもよい。いずれにしても制御部38は、重量測定計18の測定結果に基づいて、ホッパー本体31に供給された固形状物の重量を取得することができる。
【0031】
また本実施形態の制御部38は、ホッパー本体31に新たな固形状物が供給される前に重量測定計18により測定されたホッパー本体31内に貯留される内容物の重量の値と、ホッパー本体31に新たな固形状物が供給された後に重量測定計18により測定されたホッパー本体31内に貯留される内容物の重量の値と、の差分に基づいて、ホッパー本体31に新たに供給された固形状物の重量を取得する。これにより、例えば、ホッパー本体31内に固形状物が残存していても、ホッパー本体31に新たに供給された固形状物の重量を精度良く取得することができる。
【0032】
混合タンク20には、固形状物供給部12からの固形状物及び液状物供給部14からの液状物が貯留される。混合タンク20の少なくとも一部は、ホッパー本体31の底部開口31bの鉛直方向下方に配置され、ホッパー本体31の底部開口31bがシャッター34により開かれた際にホッパー本体31内から放出される内容物を受け止める。本実施形態では、固形状物及び液状物の両者がホッパー本体31に供給されるため、固形状物及び液状物の両方がホッパー本体31を介して混合タンク20に供給される。
【0033】
混合タンク20内には撹拌部24が設けられている。撹拌部24は混合タンク20内の液状物及び固形状物を撹拌する。図示の撹拌部24は、撹拌羽根56及びスクリュー羽根58を具備する。撹拌羽根56は、主として液状物及び固形状物を互いに混ぜ合わせるために設けられており、効率良く液状物及び固形状物を掻き回すことができる。一方、スクリュー羽根58は、撹拌羽根56よりも下方に設けられており、液状物及び固形状物を撹拌する機能だけではなく、液状物及び固形状物の混合物を混合タンク20の底部開口20bに向けて送り出す機能も有する。
【0034】
撹拌羽根56は撹拌羽根回転軸55に固定され、撹拌羽根回転軸55は第2ギア52に固定され、第2ギア52は第1ギア51と噛み合っている。第1ギア51にはギア駆動部53(例えばサーボモータ)が接続されており、ギア駆動部53は制御部38によって制御される。制御部38の制御下でギア駆動部53が第1ギア51を回転させることにより、第2ギア52及び撹拌羽根回転軸55を回転させることができ、撹拌羽根回転軸55に固定されている撹拌羽根56も回転させることができる。このように、撹拌羽根56の回転は制御部38の制御下でギア駆動部53によって調整される。
【0035】
スクリュー羽根58はスクリュー回転軸57に固定され、スクリュー回転軸57はスクリュー駆動部54(例えばサーボモータ)に接続されており、スクリュー駆動部54は制御部38によって制御される。制御部38の制御下でスクリュー駆動部54がスクリュー回転軸57を回転させることにより、スクリュー羽根58を回転させることができる。このように、スクリュー羽根58の回転は制御部38の制御下でスクリュー駆動部54によって調整される。なお上述のようにスクリュー羽根58は、主として混合物を混合タンク20から混合物用三方弁65に向かって送り出すために働き、混合物の送り出し量はスクリュー羽根58の回転量に応じて調整される。したがって制御部38は、スクリュー駆動部54を制御してスクリュー羽根58の回転量を調整することで、混合タンク20から混合物用三方弁65に向かって送り出す混合物の量や速度を変えることもできる。
【0036】
混合物充填部22は、混合タンク20内に貯留される固形状物及び液状物の混合物を容器100に導入する。具体的には、混合物充填部22は、制御部38の制御下で、混合タンク20から予め定められた量の混合物を取り出し、その取り出された混合物を容器100に供給する。
【0037】
本実施形態の混合物充填部22は、混合物用三方弁65、混合物用シリンダ66、混合物用ピストン67、混合物供給駆動部68、混合物搬送路72及び充填ノズル73を有する。
【0038】
混合物用三方弁65は、相互に連通するタンク連通口65a、導入部連通口65b及び搬送路連通口65cを有し、タンク連通口65aを介して混合タンク20(特に底部開口20b)と連通し、導入部連通口65bを介して混合物用ピストン67と連通し、搬送路連通口65cを介して混合物搬送路72と連通する。これらの連通口65a、65b、65cは制御部38の制御下で開閉可能に設けられている。混合物用三方弁65は、例えば、タンク連通口65a及び導入部連通口65bを開きつつ搬送路連通口65cを閉鎖する第1の開閉モードと、導入部連通口65b及び搬送路連通口65cを開きつつタンク連通口65aを閉鎖する第2の開閉モードと、をとりうる。
【0039】
混合物供給駆動部68は、混合物用シリンダ66内における混合物用ピストン67の配置位置を調整することができる任意の機構を採用することができる。図示の混合物供給駆動部68は、サーボモータ等の回転軸に連結されたリンクが、混合物用ピストン67に対して揺動自在に設けられた揺動体に連結されており、その回転軸の回転位置(すなわち回転角度)に応じて混合物用シリンダ66内における混合物用ピストン67の位置が決められる。したがって制御部38は混合物供給駆動部68(具体的には回転軸の回転角度)を制御することで、混合物用ピストン67を混合物用シリンダ66内の任意の位置に配置することができる。
【0040】
混合物を混合タンク20から取り出す場合、混合物用三方弁65は第1の開閉モードをとり、搬送路連通口65cが閉鎖されるとともに、タンク連通口65a及び導入部連通口65bを介して混合タンク20と混合物用シリンダ66とが連通される。また制御部38の制御下で混合物供給駆動部68が混合物用ピストン67の位置を調整し、混合物の取り出し量に相当する空間が混合物用シリンダ66内の混合物用ピストン67の上方に作り出される。その状態で、スクリュー駆動部54がスクリュー羽根58を回転させて混合タンク20内の混合物を底部開口20bから混合物用三方弁65及び混合物用ピストン67に向かって送り出すことで、混合物用シリンダ66内の混合物用ピストン67の上方の空間が混合物によって充填される。このようにして所望量の混合物が混合タンク20から取り出される。
【0041】
このようにして取り出された混合物を容器100に投入する際には、混合物用三方弁65は第2の開閉モードをとり、タンク連通口65aが閉鎖されるとともに、導入部連通口65b及び搬送路連通口65cを介して混合物用シリンダ66と混合物搬送路72とが連通される。その状態で、混合物供給駆動部68が混合物用ピストン67の位置を調整し、混合物用シリンダ66内の混合物用ピストン67の上方の混合物が混合物用三方弁65に向かって押し出される。混合物用ピストン67によって混合物用シリンダ66内から混合物用三方弁65に押し出された混合物は、搬送路連通口65c及び混合物搬送路72を介して充填ノズル73に送られ、充填ノズル73から容器100内に投入される。
【0042】
なお充填ノズル73は、混合物搬送路72を介して送られてくる混合物を容器100に投入可能な任意の構成を有する。したがって充填ノズル73は、例えば、混合物搬送路72から送られてきた混合物を容器100に向けて積極的に押し出すことが可能なピストン等の機構を具備してもよい。すなわち充填ノズル73は、それ自体が混合物を積極的に吐出する機構を具備していてもよいし、或いはそのような積極的に混合物を吐出する機構を具備せずに、混合物の供給圧のみに基づいて混合物を吐出してもよい。
【0043】
液状物供給部14は、制御部38により取得されたホッパー本体31に供給された固形状物の重量に基づいて決められる量の液状物を供給する。本実施形態の液状物供給部14は、液状物導入部44を介してホッパー本体31内に液状物を供給する。
図2に示す液状物供給部14では、液体供給源(図示省略)から液状物供給路45を介して液状物貯留タンク46に液状物が供給され、液状物貯留タンク46には多量の液状物を貯めておくことができる。液状物貯留タンク46には、液状物用三方弁47を介して液状物搬送部50が接続されており、液状物搬送部50には液状物導入部44が接続されている。
【0044】
液状物用三方弁47には液状物用シリンダ48が接続されており、液状物用シリンダ48内における液状物用ピストン49の進退動作に応じて、液状物貯留タンク46からの液状物の取り出しと、取り出された液状物の液状物導入部44への送り出しと、が行われる。これらの液状物の取り出し及び送り出しは、上述の混合物用三方弁65、混合物用シリンダ66、混合物用ピストン67及び混合物供給駆動部68によって行われる混合物の取り出し及び送り出しと同様に行われる。すなわち、液状物用ピストン49の進退位置を調整する液状物供給駆動部75(
図3参照)が設けられており、制御部38の制御下で、液状物供給駆動部75による液状物用ピストン49の進退動作と、液状物用三方弁47の連通口47a、47b、47cの開閉動作とが互いに連動させられる。
【0045】
例えば、液状物を液状物貯留タンク46から取り出す場合、制御部38によって液状物用三方弁47のタンク連通口47a及びシリンダ連通口47bが開かれるとともに搬送路連通口47cが閉鎖される。これにより、タンク連通口47a及びシリンダ連通口47bを介して、液状物貯留タンク46と液状物用シリンダ48とが連通される。また制御部38の制御下で液状物供給駆動部75が液状物用ピストン49の位置を調整し、取り出される液状物の量に相当する空間が液状物用シリンダ48内の液状物用ピストン49の上方に作り出される。これにより、液状物用シリンダ48内における液状物用ピストン49の上方の空間が液状物貯留タンク46からの液状物によって充填され、所望量の液状物が液状物貯留タンク46から取り出される。なお上述のように、液状物貯留タンク46から取り出される液状物の量は、重量測定計18の測定結果に基づいて得られる「ホッパー本体31に投入された固形状物の重量」に応じて決められる。
【0046】
このようにして取り出された液状物を液状物導入部44から吐出させる際には、液状物用三方弁47のシリンダ連通口47b及び搬送路連通口47cが開かれるとともにタンク連通口47aが閉鎖され、液状物用シリンダ48と液状物搬送部50とが連通される。その状態で、液状物供給駆動部75が液状物用ピストン49の位置を調整し、液状物用シリンダ48内の液状物用ピストン49の上方の液状物が液状物用三方弁47に向かって押し出される。液状物用シリンダ48から液状物用三方弁47に押し出された液状物は、搬送路連通口47c及び液状物搬送部50を介して液状物導入部44に送られ、液状物導入部44からホッパー本体31内に向けて吐出される。
【0047】
図3に示す制御部38は、上述のように、重量測定計18(ロードセル59)、液状物用三方弁47、液状物供給駆動部75、コンベア駆動部42、ギア駆動部53、スクリュー駆動部54、シャッター34、混合物用三方弁65及び混合物供給駆動部68等に接続され、各要素を制御する。
【0048】
特に制御部38は、重量測定計18の測定結果に基づいて、ホッパー本体31に供給された固形状物の重量を取得し、その固形状物の重量に応じて予め決められている液状物の最適量を取得(算出)する。そして制御部38は、その最適量の液状物が液状物導入部44を介してホッパー本体31に供給されるように液状物供給部14(特に液状物用三方弁47及び液状物供給駆動部75)を制御する。
【0049】
また本実施形態の制御部38は液状物供給部14及びシャッター34を制御し、ホッパー本体31及びシャッター34のうちの少なくともいずれかに液状物が付着するように、液状物供給部14(特に液状物導入部44)からホッパー本体31内に液状物が供給される。具体的には、ホッパー本体31及びシャッター34に付着した固形状物を液状物によって洗い落とすことができるように、液状物導入部44の吐出口の向きが決められている。また液状物供給部14は、固形状物供給部12からホッパー本体31に固形状物が供給され、重量測定計18がホッパー本体31内に貯留される内容物の重量を測定し、底部開口31bがシャッター34によって開かれた後に、ホッパー本体31内に液状物を供給する。これにより、ホッパー本体31内から固形状物が落下した後に液状物がホッパー本体31内に供給されるため、ホッパー本体31及びシャッター34に液状物を効率良く付着させることができる。なお液状物供給部14(すなわち液状物導入部44)からホッパー本体31内に液状物を吐出する間、ホッパー本体31の底部開口31bはシャッター34によって閉じられていてもよいし、開かれていてもよい。
【0050】
また制御部38は、スクリュー駆動部54、混合物用三方弁65及び混合物供給駆動部68を制御し、所望量の混合物を混合タンク20内から取り出して、当該所望量の混合物を混合物用三方弁65、混合物搬送路72及び充填ノズル73を介して容器100に投入する。
【0051】
なお
図3において制御部38は単一ブロックによって示されているが、制御部38は単一デバイスによって構成されてもよいし、互いに分離した複数のデバイスによって構成されてもよい。
【0052】
次に、本実施形態の混合物充填装置10の作用について説明する。以下に説明する混合物充填装置10の作用は、制御部38が各種要素の作動を制御することによって行われる。
【0053】
まずコンベア駆動部42によって搬送コンベア41が駆動され、搬送コンベア41によって固形状物がホッパー本体31に供給される。この際、搬送コンベア41上に載せられる固形状物の大きさはばらついており、搬送コンベア41からホッパー本体31内への固形状物の供給量は必ずしも一定しない。搬送コンベア41からホッパー本体31に固形状物の混合物が供給されている間、ホッパー本体31の底部開口31bはシャッター34によって閉じられており、ホッパー本体31内に供給された固形状物はホッパー本体31内に貯留される。
【0054】
搬送コンベア41からホッパー本体31内に固形状物がある程度供給された後に、コンベア駆動部42は搬送コンベア41を停止させ、搬送コンベア41からホッパー本体31内への固形状物の供給も停止させられる。搬送コンベア41が停止させられるタイミングは、予め定められた時間によって決められていてもよいし、予め定められた搬送コンベア41の走行距離によって決められてもよいし、作業者が入力装置(図示省略)を使って決めてもよいし、重量測定計18の測定値に基づいて制御部38が決めてもよい。
【0055】
搬送コンベア41からホッパー本体31内への固形状物の供給が停止している間に、ホッパー本体31内の内容物の重量が重量測定計18によって測定される。重量測定計18の測定は、搬送コンベア41が動いている間(すなわち搬送コンベア41からホッパー本体31内に固形状物が供給されている間)も行われてもよいし、搬送コンベア41が停止している間(すなわち搬送コンベア41からホッパー本体31内への固形状物の供給が止められている間)のみ行われてもよい。
【0056】
制御部38は、ホッパー本体31内に新たに投入された固形状物の重量を取得し、その固形状物の重量に基づいて最適な液状物の量を算出する。すなわち制御部38は、固形状物と液状物との配合比を予め定められた比率にするための液状物の量を取得する。
【0057】
重量測定計18による測定が終わった後に、ホッパー本体31の底部開口31bがシャッター34によって開かれ、ホッパー本体31内の固形状物が混合タンク20内に落下させられる。そして、液状物供給部14(特に液状物導入部44)からホッパー本体31の内壁面及び/又はシャッター34に向けて液状物を吐出し、ホッパー本体31の内壁面及び/又はシャッター34に付着した固形状物を液状物により洗い落とす。
【0058】
ホッパー本体31の底部開口31bがシャッター34により開かれた状態で液状物がホッパー本体31から混合タンク20に落下した後に、底部開口31bはシャッター34によって再び閉じられる。なおこの底部開口31bの再閉鎖は、搬送コンベア41の次の移動に伴って新たな固形状物がホッパー本体31内に供給される前に行われる。
【0059】
上述の重量測定計18による計量、ホッパー本体31からの固形状物の落下、ホッパー本体31からの液状物の落下、及びホッパー本体31の底部開口31bの再閉鎖の一連の動作は、搬送コンベア41の一度の「移動及び停止」が行われるたびに実行され、混合タンク20における液状物及び固形状物の混合及び混合タンク20から容器100への混合物の投入の処理とは、基本的に無関係に行うことができる。そのため、混合タンク20から液状物及び固形状物が溢れない範囲において、ホッパー本体31は任意のタイミングで任意の量の固形状物(及び液状物)を混合タンク20内に供給することができる。
【0060】
混合タンク20内では撹拌羽根56が回転させられ、混合タンク20内の液状物及び固形状物の混合が促進される。
【0061】
また混合物用三方弁65が制御部38により制御され、タンク連通口65a及び導入部連通口65bが開かれる一方で搬送路連通口65cが閉鎖され、混合物用三方弁65の混合タンク20と混合物用シリンダ66とが混合物用三方弁65を介して連通される。そして混合物用ピストン67を下降させて混合物用シリンダ66内に混合物を引き込みつつ、スクリュー羽根58を回転させて混合物用三方弁65及び混合物用シリンダ66に向けて混合物が送り出される。
【0062】
そして混合物用三方弁65の連通状態が切り換えられて、導入部連通口65b及び搬送路連通口65cが開かれる一方でタンク連通口65aが閉鎖され、混合物用シリンダ66と混合物搬送路72とが混合物用三方弁65を介して連通される。そして混合物用ピストン67を上昇させて混合物用シリンダ66内の混合物を混合物用三方弁65に向かって押し出すことで、混合物搬送路72を介して充填ノズル73に混合物が供給される。そして充填ノズル73から容器100内に混合物が投入される。
【0063】
上述のように本実施形態の混合物充填装置10は、固形状物を供給する固形状物供給部12と、液状物を供給する液状物供給部14と、固形状物供給部12から供給される固形状物を貯留及び放出可能なホッパーユニット16であって、ホッパー本体31と、ホッパー本体31の放出口(底部開口31b)を開閉するシャッター34と、を有するホッパーユニット16と、ホッパーユニット16に連結され、ホッパーユニット16内に貯留された固形状物の重量を測定する重量測定計18と、ホッパーユニット16を介して固形状物供給部12から供給される固形状物及び液状物供給部14から供給される液状物が貯留される混合タンク20であって、ホッパー本体31の放出口がシャッター34によって開かれた際にホッパーユニット16内から放出される固形状物を受け入れる混合タンク20と、混合タンク20内に貯留された固形状物及び液状物の混合物を容器100に充填する混合物充填部22と、重量測定計18及び液状物供給部14に接続される制御部38と、を備え、制御部38は、重量測定計18の測定結果に基づいて、液状物供給部14を制御し、液状物供給部14から供給する液状物の量を調整する。
【0064】
特に液状物供給部14は、ホッパーユニット16内に向けて液状物を吐出する吐出口を備える。また液状物供給部14の吐出口は、ホッパー本体31の内面及びシャッター34の内面のうちの少なくともいずれかに向けて配置される。また液状物供給部14は、固形状物供給部12からホッパーユニット16内に固形状物が供給され、重量測定計18がホッパーユニット16内に貯留された固形状物の重量を測定し、ホッパー本体31の放出口がシャッター34によって開かれた後に、液状物供給部14の吐出口から液状物を吐出する。また制御部38は、ホッパーユニット16内に固形状物が供給される前に重量測定計18により測定されたホッパーユニット16内に付着残留した固形状物の重量の値と、ホッパーユニット16内に固形状物が供給された後に重量測定計18により測定されたホッパーユニット16内における固形状物の重量の値と、の差分に基づいて、ホッパーユニット16内に供給された固形状物の重量を取得する。
【0065】
また混合物充填方法は、固形状物を貯留及び放出可能なホッパーユニット16に固形状物を供給する固形状物供給工程と、固形状物供給工程後、ホッパーユニット16内に貯留した固形状物の重量を測定する重量測定工程と、重量測定工程後、ホッパーユニット16内の固形状物を混合タンク20内に放出する固形物放出工程と、重量測定工程後、重量測定工程における測定結果に基づき、固形状物の重量の値に応じて予め設定されている最適な液状物の供給量の値から、混合タンク20内に供給する液状物の量を決定する液状物供給量決定工程と、液状物供給量決定工程後、決定された液状物の量を液状物供給部14から混合タンク20内に供給する液状物供給工程と、固形物放出工程及び液状物供給工程で混合タンク20内に供給された固形状物及び液状物を、混合タンク20内に貯留し、混合タンク20内で混合する混合工程と、混合工程で混合された混合タンク20内における固形状物及び液状物を容器100に充填する混合物充填工程と、を備える。
【0066】
特に液状物供給工程は、ホッパーユニット16の内面に向けて液状物を供給し、供給した液状物によってホッパーユニット16の内面に付着した固形状物が流れ落ち、液状物と一緒に混合タンク20内に供給される。
【0067】
以上説明したように本実施形態によれば、液状物及び固形状物を適切な比率で混合し、混合物の容器100への投入処理を高速に行うことができ、生産性を向上させることができる。
【0068】
すなわち、ホッパー本体31に投入された固形状物の重量に応じて液状物の供給量が決められるため、液状物と固形状物とを所望比率で混合することができる。
【0069】
また液状物及び固形状物の混合を行う場所(すなわち混合タンク20)と、固形状物の重量を測定する場所(すなわちホッパー本体31)とを互いに分離することによって、固形状物の重量測定が行われている間も、液状物及び固形状物の混合や混合物の送り出しを行うことができる。これにより、固形状物の重量測定を行う際に液状物及び固形状物の混合や混合物の送り出しを停止させる必要がなく、固形状物の重量測定と、液状物及び固形状物の混合や混合物の送り出しとを並行して行うことができる。
【0070】
また液状物をホッパー本体31の内壁面及び/又はシャッター34に向けて吐出することで、ホッパー本体31及びシャッター34に付着した固形状物を液状物によって洗い流すことができる。これにより、次にホッパー本体31内に投入される固形状物の重量の測定における誤差の発生を抑制でき、また混合タンク20内に適正量の固形状物及び液状物を送ることができる。
【0071】
また混合タンク20内に撹拌部24を設けることにより、液状物及び固形状物の混合を促して、液状物及び固形状物が互いに分離した状態で容器100に投入されることを防ぐことができる。
【0072】
また、本実施形態では混合物が混合物充填部22により容器100に向けて積極的に押し出されるため、固形状物及び液状物(或いは固形状物及び液状物の混合物)を自然落下させて容器100に投入する場合に比べ、投入に要する時間を短縮することが可能である。
【0073】
[第2実施形態]
本実施形態において上述の第1実施形態と同じ又は類似の構成には共通の符合を付し、その詳細な説明は省略する。
【0074】
図4は、第2実施形態の混合物充填装置10を示す図である。なお
図4には液状物供給部14が図示されていないが、本実施形態の液状物供給部14は、基本的に
図2に示す第1実施形態の液状物供給部14と同じ構成を有する。
【0075】
本実施形態の液状物供給部14は、上述の第1実施形態の液状物供給部14(
図1及び
図2参照)と同様の構成を有するが、液状物導入部44が混合タンク20内に接続している。すなわち液状物供給部14は、ホッパー本体31を経由させずに、混合タンク20に対して液状物を直接的に供給する。
【0076】
このように本実施形態の液状物供給部14は、混合タンク20内に向けて液状物を吐出する吐出口を備える。
【0077】
他の構成は、上述の第1実施形態の混合物充填装置10と同様である。
【0078】
本実施形態によれば、搬送コンベア41からホッパー本体31に投入された固形状物の重量に応じた最適量の液状物が、混合タンク20内に供給される。これにより、液状物の混合タンク20内における落下距離を小さくして、液状物の不要な泡立ちや飛散を防ぐことができる。また、ホッパー本体31及びシャッター34に液状物を付着させることなく混合タンク20に液状物を供給することができるため、ホッパー本体31及びシャッター34に液状物を付着させることで不具合が発生しうる場合には、本実施形態の混合物充填装置10が有利である。
【0079】
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また、上述の構成要素及び/又は方法以外の構成要素及び/又は方法を含む形態も、本発明の実施形態に含まれうる。また、上述の構成要素及び/又は方法のうちの一部の要素が含まれない形態も、本発明の実施形態に含まれうる。また、本発明のある実施形態に含まれる一部の構成要素及び/又は方法と、本発明の他の実施形態に含まれる一部の構成要素及び/又は方法とを含む形態も、本発明の実施形態に含まれうる。したがって、上述の実施形態及び変形例、及び上述以外の本発明の実施形態の各々に含まれる構成要素及び/又は方法同士が組み合わされてもよく、そのような組み合わせに係る形態も本発明の実施形態に含まれうる。また、本発明によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書、要約書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【0080】
例えば上述の実施形態及び変形例では、シャッター34によってホッパー本体31の底部開口31b(放出口)が開閉されるが、ホッパー本体31内において固形状物等の内容物を貯留及び放出する方式はこれには限定されない。例えば、ホッパー本体31の底部が開口部を持たず、ホッパー本体31の側壁に放出口として機能する切欠部(図示省略)が設けられており、ホッパー本体31全体が回転可能に設けられていてもよい。この場合、制御部38の制御下で、例えば、固形状物をホッパー本体31内に貯留する際にはホッパー本体31の底部を鉛直方向下方に配置した状態でホッパー本体31内に固形状物を入れ、固形状物をホッパー本体31から放出する際には、ホッパー本体31を回転させて切欠部を鉛直方向下方に向けて、当該切欠部を介してホッパー本体31から混合タンク20内に向けて固形状物を放出することも可能である。