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特開2019-99336荷物管理システム、及び、荷物管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-99336(P2019-99336A)
(43)【公開日】2019年6月24日
(54)【発明の名称】荷物管理システム、及び、荷物管理方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20190603BHJP
【FI】
   B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-232443(P2017-232443)
(22)【出願日】2017年12月4日
(71)【出願人】
【識別番号】311012538
【氏名又は名称】株式会社立山科学ワイヤレステクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】福島 慎吾
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522CC06
3F522DD03
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE18
3F522EE19
3F522FF02
3F522FF06
3F522FF12
3F522FF35
3F522GG03
3F522GG23
3F522GG26
3F522GG35
3F522GG39
3F522GG44
3F522GG47
3F522GG49
3F522HH30
3F522LL41
3F522LL46
3F522LL61
3F522LL62
(57)【要約】
【課題】無線通信による荷物及び作業員の管理情報を有効に利用可能なシステムを提供する。
【解決手段】荷物管理システム1は、倉庫2内に設置された複数の無線通信装置10と、荷物4に付され、無線通信装置と通信可能なRFIDタグ12と、作業員6が携帯し、無線通信装置と通信可能な通信端末14と、無線通信装置がRFIDタグと通信することにより、RFIDタグが付された荷物を識別する荷物識別情報、及び、荷物の位置を検知する荷物位置検知部と、無線通信装置が通信端末と通信することにより、通信端末を携帯する作業員を識別する作業員識別情報、及び、作業員の位置を検知する作業員位置検知部と、荷物位置検知部により検出された荷物の位置に関する位置情報と、作業員位置検知部により検知された作業員の位置に関する位置情報とに基づき管理を行う管理部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫内の荷物を管理するための荷物管理システムであって、
前記倉庫内に設置された複数の無線通信装置と、
前記荷物に付され、前記無線通信装置と通信可能な荷物通信手段と、
作業員が携帯し、前記無線通信装置と通信可能な作業員通信手段と、
前記無線通信装置が前記荷物通信手段と通信することにより、当該荷物通信手段が付された荷物を識別する荷物識別情報、及び、当該荷物の位置を検知する荷物位置検知手段と、
前記無線通信装置が前記作業員通信手段と通信することにより、当該作業員通信手段を携帯する作業員を識別する作業員識別情報、及び、当該作業員の位置を検知する作業員位置検知手段と、
前記荷物位置検知手段により検出された前記荷物の位置に関する位置情報と、前記作業員位置検知手段により検知された前記作業員の位置に関する位置情報とに基づき、管理を行う管理手段と、を備える、荷物管理システム。
【請求項2】
前記管理手段は、前記荷物位置検知手段により検出された前記荷物の位置と、前記作業員位置検知手段により検知された前記作業員の位置とが同期して移動する場合に、当該作業員が、同期して移動する荷物を搬送する権限を有するか否かを判定する、請求項1に記載の荷物管理システム。
【請求項3】
前記管理手段により、前記作業員が、同期して移動する荷物を搬送する権限を有していないと判定された場合に、警報を発する警報手段をさらに備える、請求項2に記載の荷物管理システム。
【請求項4】
さらに、前記倉庫の扉の開閉を制御する扉開閉制御手段を備え、
前記管理手段により、前記作業員が、同期して移動する荷物を搬送する権限を有していると判定された場合に、前記扉開閉制御手段は、前記扉を開く、又は、前記扉を開放可能にし、
前記管理手段により、前記作業員が、同期して移動する荷物を搬送する権限を有していないと判定された場合に、前記扉開閉制御手段は、前記扉を閉鎖する、又は前記扉を開放不可能にする、請求項2又は3に記載の荷物管理システム。
【請求項5】
前記管理手段は、
前記荷物位置検知手段により検出された前記荷物の動線と、前記作業員位置検知手段により検知された作業員の動線とを管理する、請求項1に記載の荷物管理システム。
【請求項6】
前記荷物通信手段が前記無線通信装置と通信する周波数帯と、前記作業員通信手段が前記無線通信装置と通信する周波数帯とは異なる、請求項1〜5の何れか1項に記載の荷物管理システム。
【請求項7】
倉庫内に設置された複数の無線通信装置と、前記倉庫内の荷物に付され、前記無線通信装置と通信可能な荷物通信手段と、作業員が携帯し、前記無線通信装置と通信可能な作業員通信手段と、を備えたシステムにより、前記倉庫内の前記荷物を管理するための荷物管理方法であって、
前記無線通信装置が前記荷物通信手段と通信することにより、当該荷物通信手段が付された荷物を識別する荷物識別情報、及び、当該荷物の位置を検知する荷物位置検知ステップと、
前記無線通信装置が前記作業員通信手段と通信することにより、当該作業員通信手段を携帯する作業員を識別する作業員識別情報、及び、当該作業員の位置を検知する作業員位置検知ステップと、
前記荷物位置検知において検出された前記荷物の位置に関する位置情報と、前記作業員位置検知において検知された前記作業員の位置に関する位置情報とに基づき、管理を行う管理ステップと、を備える、荷物管理方法。
【請求項8】
前記管理ステップでは、前記荷物位置検知ステップにおいて検出された前記荷物の位置と、前記作業員位置検知ステップにおいて検知された前記作業員の位置とが同期して移動する場合に、当該作業員が、同期して移動する荷物を搬送する権限を有するか否かを判定する、請求項7に記載の荷物管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物管理システム、及び、荷物管理方法に関し、特に、倉庫内の荷物を管理するための荷物管理システム、及び、荷物管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、倉庫等における荷物を管理する方法として、倉庫内に無線通信用のアンテナを配置するとともに、荷物にRFID等のICタグを取り付けておき、アンテナと荷物に取り付けられたICタグとの間で無線通信を行い、通信結果に基づき荷物の位置を管理するシステムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、倉庫等における作業員を管理する方法として、倉庫内に無線通信用のアンテナを配置するとともに、作業員がICタグを携行し、アンテナと作業員が携行するICタグとの間で無線通信を行い、通信結果に基づき作業員を管理するシステムが用いられている(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−196553号公報
【特許文献2】特開2005−190299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の通り、倉庫内においてICタグを用いた無線通信により、荷物の管理を行うことや、作業員の管理を行うことは従来行われているものの、これら荷物の管理情報と、作業員の管理情報とを有効に組み合わせたシステムは開発されていない。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、無線通信による荷物及び作業員の管理情報を有効に利用可能なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、倉庫内の荷物を管理するための荷物管理システムであって、倉庫内に設置された複数の無線通信装置と、荷物に付され、無線通信装置と通信可能な荷物通信手段と、作業員が携帯し、無線通信装置と通信可能な作業員通信手段と、無線通信装置が荷物通信手段と通信することにより、荷物通信手段が付された荷物を識別する荷物識別情報、及び、荷物の位置を検知する荷物位置検知手段と、無線通信装置が作業員通信手段と通信することにより、作業員通信手段を携帯する作業員を識別する作業員識別情報、及び、作業員の位置を検知する作業員位置検知手段と、荷物位置検知手段により検出された荷物の位置に関する位置情報と、作業員位置検知手段により検知された作業員の位置に関する位置情報とに基づき、管理を行う管理手段と、を備える。
【0008】
上記構成の本発明によれば、荷物位置検知手段により検出された荷物の位置情報と、作業員位置検知手段により検知された作業員の位置情報とに基づき、管理を行うため、無線通信により取得した情報を有効利用することができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、管理手段は、荷物位置検知手段により検出された荷物の位置と、作業員位置検知手段により検知された作業員の位置とが同期して移動する場合に、作業員が、同期して移動する荷物を搬送する権限を有するか否かを判定する。
上記構成の本発明によれば、作業員が同期して移動する荷物を搬送する権限を有するかどうかを判定することにより、権限を有していない作業員による荷物の持ち出しを発見できる。
【0010】
本発明において、好ましくは、管理手段により、作業員が、同期して移動する荷物を搬送する権限を有していないと判定された場合に、警報を発する警報手段をさらに備える。
上記構成の本発明によれば、権限を有していない作業員が荷物を持ち出そうとした場合に、管理者がこれを発見することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、さらに、倉庫の扉の開閉を制御する扉開閉制御手段を備え、管理手段により、作業員が、同期して移動する荷物を搬送する権限を有していると判定された場合に、扉開閉制御手段は、扉を開く、又は、扉を開放可能にし、管理手段により、作業員が、同期して移動する荷物を搬送する権限を有していないと判定された場合に、扉開閉制御手段は、扉を閉鎖する、又は扉を開放不可能にする。
上記構成の本発明によれば、権限を有していない作業員が荷物を持ち出そうとしても、作業員が倉庫の外部にでることができず、確実に権限を有していない作業員による荷物の持ち出しを防止できる。
【0012】
本発明において、好ましくは、管理手段は、荷物位置検知手段により検出された荷物の動線と、作業員位置検知手段により検知された作業員の動線とを管理する。
上記構成の本発明によれば、荷物位置検知手段により検出された荷物の動線と、作業員位置検知手段により検知された作業員の動線とにより、荷物の管理位置を有効に変更することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、荷物通信手段が無線通信装置と通信する周波数帯と、作業員通信手段が無線通信装置と通信する周波数帯とは異なる。
上記構成の本発明によれば、荷物通信手段との通信と、作業員通信手段との通信が混線することを防止できる。
【0014】
本発明は、倉庫内に設置された複数の無線通信装置と、倉庫内の荷物に付され、無線通信装置と通信可能な荷物通信手段と、作業員が携帯し、無線通信装置と通信可能な作業員通信手段と、を備えたシステムにより、倉庫内の荷物を管理するための荷物管理方法であって、無線通信装置が荷物通信手段と通信することにより、荷物通信手段が付された荷物を識別する荷物識別情報、及び、荷物の位置を検知する荷物位置検知ステップと、無線通信装置が作業員通信手段と通信することにより、作業員通信手段を携帯する作業員を識別する作業員識別情報、及び、作業員の位置を検知する作業員位置検知ステップと、荷物位置検知において検出された荷物の位置に関する位置情報と、作業員位置検知において検知された作業員の位置に関する位置情報とに基づき、管理を行う管理ステップと、を備える。
【0015】
上記構成の本発明によれば、荷物位置検知手段により検出された荷物の位置情報と、作業員位置検知手段により検知された作業員の位置情報とに基づき、管理を行うため、無線通信により取得した情報を有効利用することができる。
【0016】
本発明において、好ましくは、管理ステップでは、荷物位置検知ステップにおいて検出された荷物の位置と、作業員位置検知ステップにおいて検知された前記作業員の位置とが同期して移動する場合に、作業員が、同期して移動する荷物を搬送する権限を有するか否かを判定する。
上記構成の本発明によれば、作業員が同期して移動する荷物を搬送する権限を有するかどうかを判定することにより、権限を有していない作業員による荷物の持ち出しを発見できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、無線通信による荷物及び作業員の管理情報を有効に利用可能なシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態による荷物管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による荷物管理システムの無線通信装置の配置を説明するための図である。
図3】本発明の一実施形態による荷物管理システムの管理サーバの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態による荷物管理システムを用いた荷物管理方法の流れを示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による荷物管理システムによる動線を改良する流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の荷物管理システムの一実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の荷物管理システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、荷物管理システム1は、倉庫2内の荷物4等の管理を行うためのシステムである。倉庫2は荷物4を貯蔵するための建物であり、扉2Aにより内外の出入りが可能な設備である。扉2Aには、扉の開閉を制御する扉開閉制御装置20が接続されている。
【0020】
荷物管理システム1は、倉庫2内に設けられた無線通信装置10と、荷物4に付された荷物通信手段としてのRFIDタグ12と、BLE(Bluetooth (登録商標) Low Energy)等の無線通信手段を有する例えばスマートフォンなどの作業員6が携帯する作業員通信手段としての通信端末14と、無線通信装置10とネットワークを介して接続された管理サーバ16と、管理サーバ16に接続された管理端末18と、を備える。
【0021】
無線通信装置10は、RFIDタグ用の周波数帯域(315MHz)に対応したアンテナと、RFIDタグ用の周波数帯域とは異なるBLEの周波数帯域(2.4GHz)に対応したアンテナとをそれぞれ備えている。なお、これらRFIDタグ用の周波数帯域(315MHz)用のアンテナと、BLEの周波数帯域(2.4GHz)に対応したアンテナとは一体化することも可能である。図2は、本発明の一実施形態による荷物管理システムの無線通信装置の配置を説明するための図である。同図に示すように、無線通信装置10は、倉庫2内に縦横の等間隔のグリッドの格子点に当たる位置の天井に配置されている。隣接する無線通信装置10の間隔は、倉庫2内に無線通信装置10の電波が届かない位置がないように設定されている。また、図1及び図2に示すように、倉庫2の扉2Aが設けられており、この扉2Aの上方にも無線通信装置10が設けられている。
【0022】
倉庫2内に保管される全ての荷物4には、各々RFIDタグ12が貼付されている。RFIDタグ12には、それぞれの荷物を識別するための荷物識別情報が記録されている。RFIDタグ12は、無線通信装置10からの電波(問合信号)により励起されると、荷物識別情報を含む電波(応答信号)を送信する。
【0023】
倉庫2内に入室する作業員6は、BLE等の無線通信手段を有する通信端末14を携帯している。各通信端末14には、携帯する作業員を識別するための作業員識別情報が記録されている。通信端末14は、無線通信装置10からの電波(問合信号)を受信すると、作業員識別情報を含む電波(応答信号)を送信する。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態による荷物管理システムの管理サーバの構成を示すブロック図である。同図に示すように、管理サーバ16には、荷物位置検知部22と、作業員位置検知部24と、権限管理部26と、動線管理部28と、データベース30とが構築されている。荷物位置検知部22、作業員位置検知部24、権限管理部26、及び、動線管理部28は管理サーバ16のCPUが所定のプログラムを実行することにより実現される。また、データベース30は管理サーバ16のハードディスク等の記録装置に構成されている。
【0025】
荷物位置検知部22は、所定の時間おきに、無線通信装置10により問合信号を送信し、この問合信号に応じてRFIDタグ12が送信した応答信号を受信して、それぞれの荷物4の荷物識別情報及び位置を検出する。荷物4の位置は、例えば、一か所の無線通信装置10で応答信号が受信された場合には、応答信号を最も強く受信された無線通信装置10の近傍にあると検知することができる。また、複数の無線通信装置10で応答信号が受信された場合には、その強度に応じた係数を乗じたベクトル演算をすることにより、荷物4の位置を検知することができる。
【0026】
作業員位置検知部24は、所定の時間おきに、無線通信装置10により問合信号を送信し、この問合信号に応じて通信端末14が送信した応答信号を受信して、それぞれの作業員6の作業員識別情報及び位置を検出する。作業員6の位置は、例えば、一か所の無線通信装置10で応答信号が受信された場合には、応答信号を最も強く受信された無線通信装置10の近傍にあると検知することができる。また、複数の無線通信装置10で応答信号が受信された場合には、その強度に応じた係数を乗じたベクトル演算をすることにより、作業員6の位置を検知することができる。
【0027】
データベースに30は、各荷物識別情報に対応して、この荷物識別情報により特定される荷物を搬送する権限を有する作業員の作業員識別情報が記録されている。
権限管理部26は、荷物位置検知部22により荷物4の移動が検知され、作業員位置検知部24によりこの荷物4と同期した移動が検知されると、まず、データベース30を参照して、荷物4の荷物識別情報に対応付けられた搬送する権限を有する作業員の作業員識別情報を取得する。そして、権限管理部26は、作業員位置検知部24により検知された作業員の識別情報が、データベース30から取得した権限を有する作業員識別情報に含まれてない場合には、管理端末18に権限を有していない作業員が荷物を搬送している旨の警告を表示する。
【0028】
また、権限管理部26は、作業員位置検知部24により検知された作業員の識別情報が、データベース30から取得した権限を有する作業員識別情報に含まれてない場合には、扉開閉制御装置20により扉2Aを閉鎖する、又は、扉2Aをロックして開放できないようにする。なお、権限管理部26は、作業員位置検知部24により検知された作業員の識別情報が、データベース30から取得した権限を有する作業員識別情報に含まれている場合には、扉開閉制御装置20により扉2Aを開放する、又は、扉2Aのロックを解除して開放できるようにする。
【0029】
なお、上述の通り、荷物位置検知部22が荷物4の移動を検知すると、荷物識別情報に対応づけて荷物4の位置、及び、荷物4と同期して移動する作業員6の作業員識別情報をデータベース30に記録する。これにより、データベース30には、各荷物識別情報に対応づけて時間経過にともなう荷物4の位置、すなわち、荷物動線情報と、搬送した作業員の作業員識別情報と、が記録される。
【0030】
また、作業員位置検知部24が作業員6の入出を検知すると、作業員識別情報に対応づけて作業員6の位置をデータベース30に記録する。これにより、データベース30には、各作業員識別情報に対応づけて時間経過にともなう作業員6の位置、すなわち、作業員動線情報が記録される。
【0031】
動線管理部28は、データベース30から各作業員の識別情報に対応する作業員動線情報と、当該作業員の識別情報に対応する荷物動線情報とを読み込む。そして、これら作業員動線情報と、荷物動線情報とに基づき動線管理を行う。具体的には、例えば、作業員の動線が過度に長くなる場合には、荷物の保管位置を変更したりする。
【0032】
以下、本実施形態の荷物管理システムを用いた荷物管理方法を説明する。図4は、本発明の一実施形態による荷物管理システムを用いた荷物管理方法の流れを示すフローチャートである。
まず、無線通信装置10により所定の時間おきに問合信号を送信する(S102)。
【0033】
次に、通信端末14を携帯する作業員6が倉庫2に入室すると、通信端末14が問い合わせ信号を受信し、応答信号を送信する。応答信号が無線通信装置10により受信されると、管理サーバ16の作業員位置検知部24は作業員の入室を検知する(S104でYES)。なお、管理サーバ16の作業員位置検知部24は作業員の入室を検知されない場合には(S104でNO)、検知されるまで待機する。
【0034】
次に、作業員位置検知部24が作業員の入室を検知すると、無線通信装置10により所定の時間おきに問合信号を送信する。そして、作業員6の携帯する通信端末14が問い合わせ信号を受信し、応答信号を送信する。これにより、作業員位置検知部24が所定の時間おきに作業員の位置を検知することができる(S106)。このようにして作業員位置検知部24により検知された各時間における作業員6の位置は、所定の時間おきにデータベース30に記録される(S108)。
【0035】
また、上述の通り、無線通信装置10により所定の時間おきに問合信号を送信すると、荷物4に付されたRFIDタグ12が問い合わせ信号を受信し、応答信号を送信する。これにより、荷物位置検知部22が所定の時間おきに荷物の位置を検知することができる(S110)。
【0036】
次に、作業員6が荷物4を搬送すると、荷物位置検知部22により荷物4の移動が検知される(S112でYES)。このように荷物位置検知部22により荷物4の移動が検知されると、荷物位置検知部22が検知した荷物の位置が所定の時間おきにデータベース30に記録される(S114)。
【0037】
次に、データベース30を参照して、荷物位置検知部22により移動が検知された荷物4の荷物識別情報に対応して記録された、当該荷物識別情報で特定される荷物4を搬送する権限を有する作業員6の作業員識別情報を取得する(S116)。
【0038】
次に、作業員位置検知部24により検知された移動が、荷物位置検知部22により検知された荷物4の移動と同期する、作業員6の作業員識別情報が、データベース30から取得された権限を有する作業員の作業員識別情報に含まれているかどうかを判定する(S118)。なお、ここでいう同期とは、作業員の移動と、荷物の移動とが同期するとは、一時的に作業員の位置と荷物の位置が同じ位置にあるのみではなく、作業員と荷物が同じタイミングで同じ方向に移動することをいう。
【0039】
S118において、データベース30から取得した作業員識別情報に、荷物と同期して移動する作業員に対応する作業員識別情報が含まれている場合には(S118でYES)、権限管理部26は、当該作業員は荷物を搬出する権限を有するとして、扉開閉制御装置20により扉2Aを開放する(S120)。
【0040】
また、S118において、データベース30から取得した作業員識別情報に、荷物と同期して移動する作業員に対応する作業員識別情報が含まれていない場合には(S118でNO)、権限管理部26は、管理端末18に権限を有していない作業員が荷物を搬送している旨の警告を表示し、警報を発する(S122)。さらに、権限管理部26は、扉開閉制御装置20により扉2Aを閉鎖し、ロック状態とする(S124)。
【0041】
また、本実施形態によれば、上記のようにしてデータベース30に記録された荷物動線情報と、作業員動線情報に基づき、動線を改良することができる。図5は、本発明の一実施形態の荷物管理システムによる動線を改良する流れを示すフローチャートである。同図に示すように、まず、動線管理部28が、データベース30を参照して、各作業員識別情報に対応する作業員動線情報を取得する(S202)。
【0042】
次に、動線管理部28が、データベース30を参照して、各作業員識別情報に対応する荷物動線情報を取得する(S204)。
【0043】
次に、動線管理部28が、取得した作業員動線情報及び荷物動線情報に基づき、例えば、各作業員に対応する荷物動線情報が最短となるような、荷物の管理位置を検討したり、複数の作業員の作業員動線ができるだけ重ならないような荷物の管理位置を検討したりする(S206)。
次に、動線管理部28が検討した結果を、管理端末18に表示する(S208)。
以上の工程により、動線を改良することができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、権限管理部26及び動線管理部28が、荷物位置検知部22により検出された荷物4の位置情報と、作業員位置検知部24により検知された作業員6の位置情報とに基づき、管理を行うため、無線通信により取得した情報を有効利用することができる。
【0045】
また、本実施形態では、権限管理部26が、荷物位置検知部22により検出された荷物4の位置と、作業員位置検知部24により検知された作業員6の位置とが同期して移動する場合に、作業員6が、同期して移動する荷物4を搬送する権限を有するか否かを判定する。このように、権限管理部26が、作業員6が同期して移動する荷物4を搬送する権限を有するかどうかを判定することにより、権限を有していない作業員6による荷物4の持ち出しを発見できる。
【0046】
また、本実施形態では、権限管理部26により、作業員6が、同期して移動する荷物4を搬送する権限を有していないと判定された場合に、警報を発する管理端末18をさらに備える。これにより、権限を有していない作業員6が荷物4を持ち出そうとした場合に、管理者がこれを発見することができる。
【0047】
また、本実施形態では、さらに、倉庫2の扉2Aの開閉を制御する扉開閉制御装置20を備え、権限管理部26により、作業員6が、同期して移動する荷物4を搬送する権限を有していると判定された場合に、扉開閉制御装置20は、扉2Aを開放し、権限管理部26により、作業員6が、同期して移動する荷物4を搬送する権限を有していないと判定された場合に、扉開閉制御装置20は、扉2Aを閉鎖する。これにより、権限を有していない作業員6が荷物4を持ち出そうとしても、作業員6が倉庫の外部にでることができず、確実に権限を有していない作業員6による荷物4の持ち出しを防止できる。
【0048】
また、本実施形態では、RFIDタグ12が無線通信装置10と通信する周波数帯と、通信端末14が無線通信装置と通信する周波数帯が異なっている。これにより、RFIDタグ12と、通信端末14とからの応答信号が混線することを防止できる。
【符号の説明】
【0049】
1 荷物管理システム
2 倉庫
2A 扉
4 荷物
6 作業員
10 無線通信装置
12 RFIDタグ
14 通信端末
16 管理サーバ
18 管理端末
20 扉開閉制御装置
22 荷物位置検知部
24 作業員位置検知部
26 権限管理部
28 動線管理部
図1
図2
図3
図4
図5