特開2019-99346(P2019-99346A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 ベアックの特許一覧

特開2019-99346フィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法
<>
  • 特開2019099346-フィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法 図000003
  • 特開2019099346-フィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法 図000004
  • 特開2019099346-フィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法 図000005
  • 特開2019099346-フィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法 図000006
  • 特開2019099346-フィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法 図000007
  • 特開2019099346-フィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法 図000008
  • 特開2019099346-フィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法 図000009
  • 特開2019099346-フィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2019-99346(P2019-99346A)
(43)【公開日】2019年6月24日
(54)【発明の名称】フィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 41/00 20060101AFI20190603BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20190603BHJP
【FI】
   B65H41/00 A
   B65H37/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2017-233772(P2017-233772)
(22)【出願日】2017年12月5日
(71)【出願人】
【識別番号】503210810
【氏名又は名称】株式会社 ベアック
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】河東 和彦
(72)【発明者】
【氏名】屋宜 健勇
【テーマコード(参考)】
3F108
【Fターム(参考)】
3F108GA09
3F108GB01
3F108HA07
3F108JA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リリースフィルムが剥離可能に貼付されたフィルム部材からリリースフィルムを剥がし部で折り返して剥がしながらフィルム部材を被貼り付け部材に貼り付けて行く際に、リリースフィルムに加わるテンションを小さくすることにより、リリースフィルムの破損を抑制する。
【解決手段】被貼り付け部材10を載置するテーブル100と、フィルム部材供給機構部200と、フィルム部材頭出し制御機能及び貼り付け制御機能を有する制御装置300とを備え、フィルム部材供給機構部200は、剥がし部210で折り返されたリリースフィルム40を進行させるリリースフィルム進行機構部220を有し、リリースフィルム進行機構部220は、フィルム部材(偏光フィルム)30の貼り付け動作を行う際においては、フィルム部材30の貼り付け動作に能動的に同期させてリリースフィルム40を剥がす貼り付け/剥がし同期機構部221を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面が接着面となっており、当該接着面にリリースフィルムが剥離可能に貼付されているフィルム部材から前記リリースフィルムを剥がしながら前記フィルム部材を進行させて行き、前記リリースフィルムが剥がされた前記フィルム部材の進行方向先端部を、被貼り付け部材の貼り付け始端に到達させるための「フィルム部材の頭出し動作」を行った後に、前記フィルム部材の進行方向先端部を前記被貼付け部材の貼り付け始端に押さえ付けた状態で前記貼り付け始端を起点に前記リリースフィルムを剥がしながら前記フィルム部材を前記被貼り付け部材に貼り付けて行く「フィルム部材の貼り付け動作」を行うフィルム部材貼り付け装置であって、
前記被貼り付け部材を載置するテーブルと、
前記フィルム部材を供給するフィルム部材供給機構部と、
前記「フィルム部材の頭出し動作」を行うために前記フィルム部材供給機構部を制御するフィルム部材頭出し制御機能と、前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行うために前記フィルム部材供給機構部及び前記テーブルの少なくとも一方を相対的に移動させる貼り付け制御機能とを有する制御装置と、
を備え、
前記フィルム部材供給機構部は、
前記リリースフィルムを前記フィルム部材の進行方向とはほぼ反対方向に折り返す折り返し部を有し、当該折り返し部でリリースフィルムを折り返した状態で前記フィルム部材供給機構部及び前記テーブルの少なくとも一方が相対的に移動することによって前記フィルム部材からリリースフィルムを剥がす剥がし部と、
前記折り返し部で折り返された前記リリースフィルムを進行させるリリースフィルム進行機構部と、
を有し、
前記リリースフィルム進行機構部には、
前記折り返された前記リリースフィルムに対して前記リリースフィルムが進行する方向に沿ったテンションを付与するテンション付与部と、
当該テンション付与部と前記剥がし部との間に配置され、前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行う際においては、前記リリースフィルムを前記テンション付与部と前記剥がし部との間の所定位置でクランプし、当該クランプした位置と前記剥がし部との間で、前記「フィルム部材の貼り付け動作」に能動的に同期させて前記フィルム部材から前記リリースフィルムを剥がす動作を行う貼り付け/剥がし同期機構部と、
が設けられていることを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記貼り付け/剥がし同期機構部は、
前記テンション付与部と前記剥がし部との間の所定位置に設けられ、前記リリースフィルムを前記テンション付与部と前記剥がし部との間の所定位置でクランプするクランパーと、
前記クランパーと前記剥がし部との間に位置し、かつ、前記フィルム部材供給機構部の側に取り付けられており、前記剥がし部で剥がされたリリースフィルムを前記フィルム部材の進行方向とほぼ同方向に進行させるように折り返す第1折り返しロールと、
前記クランパーと前記第1折り返しロールとの間に位置し、かつ、前記テーブルの側に取り付けられており、前記第1折り返しロールで折り返されたリリースフィルムを前記フィルム部材の進行方向とほぼ反対方向に進行させるように折り返す第2折り返しロールと、
有することを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記テーブルには、当該テーブルを上下方向に昇降させるための昇降機構が設けられており、
前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行う際の前記テーブルの上下方向の位置を上下方向基準位置としたとき、
前記制御装置は、前記「フィルム部材の頭出し動作」を行う際においては、前記テーブルを前記上下方向基準位置よりも下方向に一時的に下降させるように前記昇降機構を制御して、前記フィルム部材頭出し制御機能によって前記「フィルム部材の頭出し動作」を行い、前記フィルム部材の貼り付け動作が開始するまでの所定のタイミングで前記テーブルを前記上下方向基準位置にまで上昇させるように前記昇降機構を制御するテーブル昇降制御機能をさらに有することを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいいずれかに記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記剥がし部の前記折り返し部は角部となっていることを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記貼り付け/剥がし同期機構部と前記テンション付与部との間には、前記「フィルム部材の頭出し動作」を行わせるためのフィーダーが設けられていることを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項6】
請求項5に記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記フィルム部材供給機構部は、前記フィルム部材の所定部分を撮像可能に設置されたカメラをさらに有し、
前記制御装置は、
前記カメラからの撮影データに基づいて前記フィルム部材の前記所定部分の位置を監視して、前記「フィルム部材の頭出し動作」を行うように前記フィーダーを制御するフィーダー制御機能をさらに有することを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項7】
請求項6に記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記フィルム部材の所定部分は、当該フィルム部材の進行方向後端部であることを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記フィルム部材供給機構部は、
前記剥がし部によってリリースフィルムが剥がされた前記フィルム部材の進行をガイドするガイド面が存在し当該ガイド面には接着剤の付着を防ぐ非粘着性表面加工が施されているガイド部材をさらに有し、
前記ガイド部材は、当該ガイド部材の先端部がエッジとなっているとともに、前記ガイド面が前記被貼付け部材に対して鋭角をなし、かつ、当該ガイド面の延長上に前記被貼付け部材の貼り付け始端が位置するように設置されていることを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項9】
請求項8に記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記ガイド面は、導電性を有するとともに電気的に接地されていることを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記フィルム部材供給機構部は、
前記フィルム部材の進行方向先端部を前記被貼付け部材の貼り付け始端に押さえるための押さえロールをさらに有し、
前記押さえロールは、複数個の押さえロールが複数段に重ねられた構成となっていて、当該複数個の押さえロールのそれぞれの回転軸が、前記フィルム部材の進行方向先端部の辺に沿う方向となるように設置されていることを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項11】
請求項10に記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記複数個の押さえロールのうち、前記フィルム部材に接触する側に位置する押さえロールの径は、他の押さえロールの径よりも小径に設定されていることを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記テンション付与部は、ダンサーロールであることを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記フィルム部材は、長尺シート状をなし、当該長尺シート状のフィルム部材の長手方向に沿って所定長さごとに前記リリースフィルムを残して切れ目が設けられており、前記剥がし部によってリリースフィルムが剥がされることにより、個片化されたフィルム部材となり、当該個片化されたフィルム部材が前記被貼り付け部材に貼り付けられることを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載のフィルム部材貼り付け装置において、
前記フィルム部材は、液晶パネルに用いられる偏光フィルム若しくは保護フィルム又は電子機器に用いられる電磁波シールドフィルムであり、
前記被貼り付け部材は、前記液晶パネルに用いられるガラス基板若しくは合成樹脂基板又は電子機器に用いられる電子回路基板である、
ことを特徴とするフィルム部材貼り付け装置。
【請求項15】
一方の面が接着面となっており、当該接着面にリリースフィルムが剥離可能に貼付されているフィルム部材から前記リリースフィルムを剥がしながら前記フィルム部材を進行させて行き、前記リリースフィルムが剥がされた前記フィルム部材の進行方向先端部を、被貼り付け部材の貼り付け始端に到達させるための「フィルム部材の頭出し動作」を行った後に、前記フィルム部材の進行方向先端部を前記被貼付け部材の貼り付け始端に押さえ付けた状態で前記貼り付け始端を起点に前記リリースフィルムを剥がしながら前記フィルム部材を前記被貼り付け部材に貼り付けて行く「フィルム部材の貼り付け動作」を行うフィルム部材貼り付け方法であって、
前記被貼り付け部材を載置するテーブルと、
前記フィルム部材を供給するフィルム部材供給機構部と、
前記「フィルム部材の頭出し動作」を行うために前記フィルム部材供給機構部を制御するフィルム部材頭出し制御機能と、前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行うために前記フィルム部材供給機構部及び前記テーブルの少なくとも一方を相対的に移動させる貼り付け制御機能とを有する制御装置と、
を備え、
前記フィルム部材供給機構部は、
前記リリースフィルムを前記フィルム部材の進行方向とはほぼ反対方向に折り返す折り返し部を有し、当該折り返し部でリリースフィルムを折り返した状態で前記フィルム部材供給機構部及び前記テーブルの少なくとも一方が相対的に移動することによって前記フィルム部材からリリースフィルムを剥がす剥がし部と、
前記折り返し部で折り返された前記リリースフィルムを進行させるリリースフィルム進行機構部と、
を有し、
前記リリースフィルム進行機構部には、
前記折り返された前記リリースフィルムに対して前記リリースフィルムが進行する方向に沿ったテンションを付与するテンション付与部と、
当該テンション付与部と前記剥がし部との間に配置され、前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行う際においては、前記リリースフィルムを前記テンション付与部と前記剥がし部との間の所定位置でクランプし、当該クランプした位置と前記剥がし部との間で、前記「フィルム部材の貼り付け動作」に能動的に同期させて前記フィルム部材から前記リリースフィルムを剥がす動作を行う貼り付け/剥がし同期機構部と、
が設けられており、
前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行う際においては、
前記リリースフィルムを前記テンション付与部と前記剥がし部との間の所定位置でクランプし、当該クランプした位置と前記剥がし部との間で、前記「フィルム部材の貼り付け動作」に能動的に同期させて前記フィルム部材から前記リリースフィルムを剥がす動作を行うことを特徴とするフィルム部材貼り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム部材を被貼り付け部材に貼り付けるフィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リリースフィルムが剥離可能に貼付されているフィルム部材からリリースフィルムを剥がした後に、リリースフィルムが剥がされたフィルム部材を被貼り付け部材に貼り付けるフィルム部材貼り付け装置は種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図7は、特許文献1に記載されているフィルム部材貼り付け装置800の要部を取り出して示す図である。なお、特許文献1においては「プラスチックフィルム貼り合わせ装置」としているが、この明細書においては、「フィルム部材貼り付け装置」として説明する。
【0004】
特許文献1に記載されているフィルム部材貼り付け装置800には、図7に示すように、リリースフィルム810が剥離可能に貼付されているフィルム部材820からリリースフィルム810を剥がす剥がしユニット830が備えられている。当該剥がしユニット830には、剥がし部840が設けられており、当該剥がし部840の先端部には折り返し部841が形成されており、当該折り返し部841は角部(くさび状の角部)となっている。そして、リリースフィルム810は、剥がし部840の折り返し部841で折り返されたのちにロール850によって進行方向を変えて矢印x’方向に進行するように構成されている。
【0005】
このような剥がしユニット830において、リリースフィルム810をフィルム部材820から剥がす際には、剥がしユニット830の上面において、フィルム部材820を吸着装置(図示せず。)によって吸着した状態として、剥がしユニット830を矢印x方向にスライドさせる。これにより、フィルム部材820からリリースフィルム810を剥がすことができる。
【0006】
一方、吸着装置によって吸着されたフィルム部材820は、被貼り付け部材(図示せず。)の所定の貼り付け位置に移送されて当該貼り付け位置に貼り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−251805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されているフィルム部材貼り付け装置800においては、リリースフィルム810が剥離可能に貼付されているフィルム部材820からリリースフィルム810を剥がして、リリースフィルム810が剥がされたフィルム部材820を被貼り付け部材に貼り付けることができるが、フィルム部材820からリリースフィルム810を剥がすための剥がし部840においては改善すべき課題も残る。
【0009】
すなわち、特許文献1に記載されているフィルム部材貼り付け装置800に用いられている剥がし部840は、折り返し部841が角部となっていて、当該折り返し部841においてリリースフィルム810を折り返すようにしている。このようなフィルム部材貼り付け装置800においては、リリースフィルムには、ダンサーロールなどのテンション付与部により、当該リリースフィルムの長手方向に沿ってテンション(張力)が付与されており、テンションが付与されている状態でリリースフィルムを進行させることによってフィルム部材を剥がすことが一般的に行われている。このため、リリースフィルム810の材質によっては、折り返し部841による擦れによって、リリースフィルム810が破れたり、切れたりして、リリースフィルムが破損してしまうといった問題がある。リリースフィルム810が破損すると、フィルム部材の進行動作及びリリースフィルム40の剥がし動作に支障が生じてしまうことにもつながる。
【0010】
また、特許文献1に記載されているフィルム部材貼り付け装置800に用いられている剥がし部840に類似した剥がし部を有する他のフィルム部材貼り付け装置においても、同様の問題が生じる。
【0011】
図8は、従来の他のフィルム部材貼り付け装置900の一例を説明するために示す図である。以下、特許文献1に記載されているフィルム部材貼り付け装置800(図7参照)を「従来の第1フィルム部材貼り付け装置800」とし、図8に示す他のフィルム部材貼り付け装置900を「従来の第2フィルム部材貼り付け装置900」とする。なお、図8は従来の第2フィルム部材貼り付け装置900に用いられている剥がし部を簡略化して模式的に示している。
【0012】
図8に示すように、従来の第2フィルム部材貼り付け装置900においても、リリースフィルム910が剥離可能に添付されているフィルム部材920からリリースフィルム910を剥がす剥がし部930が備えられている。当該剥がし部930においても、折り返し部931が角部(くさび状の角部)となっており、リリースフィルム910を折り返し部931で折り返したのちに、当該リリースフィルム910を矢印x方向に進行させることによって、リリースフィルム910が剥離可能に添付されているフィルム部材920からリリースフィルム910を剥がす。
【0013】
但し、従来の第2フィルム部材貼り付け装置900においては、リリースフィルム910を剥がす際には、フィルム部材920を吸着装置によって吸着する構成ではなく、リリースフィルム910を剥がしながらフィルム部材920をわずかに進行させて、当該フィルム部材920の進行方向先端部920a(先端部920aと略記する場合もある。)を被貼り付け部材940の貼り付け始端940aに到達させた後に、当該フィルム部材920の先端部920aを押さえロール950などで押さえ付けて、テーブル960をガイドレール970に沿って矢印x’方向に移動させるとともに、折り返し部931で折り返されたリリースフィルムを矢印x方向に引っ張って行く。これにより、フィルム部材920は、被貼り付け部材940に貼り付けられて行く。
【0014】
従来の第2フィルム部材貼り付け装置900においても、従来の第1フィルム部材貼り付け装置800と同様に、リリースフィルム910をくさび状の折り返し部931で折り返しているとともに、当該リリースフィルムにはテンションが付与されているため、リリースフィルム910の材質によっては、折り返し部841による擦れによって、リリースフィルム910が破れたり、切れたりして、リリースフィルムが破損してしまうといった問題がある。
【0015】
このような問題を解消するには、折り返し部931を角部とするのではなく、図8における破線枠C内に示すように、折り返し部931を、丸みを有する折り返し部931aとすることも考えられるが、従来の第2フィルム部材貼り付け装置900においては、折り返し部と被貼り付け部材940の貼り付け始端940aとの関係が重要なものとなる。
【0016】
その理由は、従来の第2フィルム部材貼り付け装置900においては、折り返し部931によってリリースフィルム910が剥がされたフィルム部材920の先端部920aを、被貼り付け部材に到達させる際の到達位置の精度は、高い精度が要求されるからである。
【0017】
すなわち、従来の第2フィルム部材貼り付け装置900においては、剥がし部930の折り返し部931でリリースフィルム910が剥がされたフィルム部材920は、剥がし部930の傾斜面932の延長上を進んで、当該フィルム部材920の先端部920aが被貼り付け部材940の貼り付け始端940aに到達した後に、当該フィルム部材920の先端部920aを押さえロール950などにより押さえ付けた状態で、テーブル960をガイドレール970に沿って矢印x’方向に移動させるとともに、折り返し部931で折り返されたリリースフィルム910を矢印x方向に進行させて行くといった動作を行うためである。
【0018】
このため、フィルム部材920の先端部920aを被貼り付け部材940に到達させる際の到達位置の精度が低いと、フィルム部材920が被貼り付け部材940の正しい位置に貼り付けられないこととなる。具体的には、例えば、図8における破線枠C内に示すように、折り返し部931を、丸みを有する折り返し部931aとすると、当該折り返し部931aでリリースフィルムが剥がされたフィルム部材920は、剥がし部930の傾斜面932の延長上を進む際に、フィルム部材920の先端部920aが被貼り付け部材940の貼り付け始端940aに到達するまでの距離が長くなり、貼り付け始端940aに到達するまでの間において、自重によって撓んでしまう場合もある。このため、フィルム部材920先端部920aが被貼り付け部材940の貼り付け始端940aに高い精度で到達できずに、フィルム部材920を被貼り付け部材940に正確に貼り付けできないといった問題が生じる。丸みの径を大きくすると、このような傾向はより顕著なものとなる。
【0019】
このような問題、すなわち、フィルム部材920の先端部920aが被貼り付け部材940の貼り付け始端940aに高い精度で到達できずに、フィルム部材920を被貼り付け部材940に正確に貼り付けできないといった問題は、折り返し部931を、丸みを有する折り返し部931aとする場合だけでなく、例えば、折り返し部931をロール(図示せず。)とした場合にも同様に発生する。
【0020】
すなわち、折り返し部931をロールとした場合であっても、丸みを有する折り返し部931aとした場合と同様に、リリースフィルム910が剥がされたフィルム部材920は、剥がし部930の傾斜面932の延長上を進む際に、被貼り付け部材940の貼り付け始端940aに到達するまでの距離が長くなるため、フィルム部材920の先端部920aが被貼り付け部材940の貼り付け始端940aに高い精度で到達できないといった問題が生じることとなる。このため、折り返し部は角部(特にくさび状の角部)とすることが好ましいが、折り返し部をくさび状の角部とすると、上記したようにリリースフィルムが破損し易くなるといった問題が生じる。
【0021】
なお、リリースフィルムが破損し易くなる問題は、剥がし部の折り返し部が、くさび状などの角部となっていることによって生じるだけではなく、折り返し部が多少の丸みを有していても、長期間の使用などによって生じる可能性はある。このため、このような問題は、リリースフィルムを剥がし部の折り返し部で折り返すことによってリリースフィルムを剥がしながらフィルム部材を被貼り付け部材に貼り付けて行くフィルム部材貼り付け装置においては共通して存在する。
【0022】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、リリースフィルムを剥がし部の折り返し部で折り返すことによってリリースフィルムを剥がしながらフィルム部材を被貼り付け部材に貼り付けて行く際に、リリースフィルムに加わるテンション(張力)を小さくすることにより、リリースフィルムの破損を抑制することができるフィルム部材貼り付け装置及びフィルム部材貼り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
[1]本発明のフィルム部材貼り付け装置は、一方の面が接着面となっており、当該接着面にリリースフィルムが剥離可能に貼付されているフィルム部材から前記リリースフィルムを剥がしながら前記フィルム部材を進行させて行き、前記リリースフィルムが剥がされた前記フィルム部材の進行方向先端部を、被貼り付け部材の貼り付け始端に到達させるための「フィルム部材の頭出し動作」を行った後に、前記フィルム部材の進行方向先端部を前記被貼付け部材の貼り付け始端に押さえ付けた状態で前記貼り付け始端を起点に前記リリースフィルムを剥がしながら前記フィルム部材を前記被貼り付け部材に貼り付けて行く「フィルム部材の貼り付け動作」を行うフィルム部材貼り付け装置であって、前記被貼り付け部材を載置するテーブルと、前記フィルム部材を供給するフィルム部材供給機構部と、前記「フィルム部材の頭出し動作」を行うために前記フィルム部材供給機構部を制御するフィルム部材頭出し制御機能と、前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行うために前記フィルム部材供給機構部及び前記テーブルの少なくとも一方を相対的に移動させる貼り付け制御機能とを有する制御装置と、を備え、前記フィルム部材供給機構部は、前記リリースフィルムを前記フィルム部材の進行方向とはほぼ反対方向に折り返す折り返し部を有し、当該折り返し部でリリースフィルムを折り返した状態で前記フィルム部材供給機構部及び前記テーブルの少なくとも一方が相対的に移動することによって前記フィルム部材からリリースフィルムを剥がす剥がし部と、前記折り返し部で折り返された前記リリースフィルムを進行させるリリースフィルム進行機構部と、を有し、前記リリースフィルム進行機構部には、前記折り返された前記リリースフィルムに対して前記リリースフィルムが進行する方向に沿ったテンションを付与するテンション付与部と、当該テンション付与部と前記剥がし部との間に配置され、前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行う際においては、前記リリースフィルムを前記テンション付与部と前記剥がし部との間の所定位置でクランプし、当該クランプした位置と前記剥がし部との間で、前記「フィルム部材の貼り付け動作」に能動的に同期させて前記フィルム部材から前記リリースフィルムを剥がす動作を行う貼り付け/剥がし同期機構部と、が設けられていることを特徴とする。
【0024】
このように、本発明においては、リリースフィルム進行機構部には、「フィルム部材の貼り付け動作」を行う際においては、リリースフィルムをテンション付与部と剥がし部との間の所定位置でクランプし、当該クランプした位置と剥がし部との間で、「フィルム部材の貼り付け動作」に能動的に同期させてフィルム部材からリリースフィルムを剥がす動作を行う貼り付け/剥がし同期機構部が設けられている。このため、フィルム部材の貼り付け動作を行う際においては、「フィルム部材の貼り付け動作」に同期してフィルム部材からリリースフィルムを剥がす動作を行わせることができる。
【0025】
具体的には、「フィルム部材貼り付け動作」を行う際においては、リリースフィルムがクランプされた状態となっているため、リリースフィルムは、テンション付与部によるテンションから解放された状態となり、リリースフィルムに加わるテンションはクランパーと剥がし部との間のテンションのみとなる。そして、この状態で、フィルム部材の貼り付け動作に同期してフィルム部材からリリースフィルムを剥がす動作が行われるため、リリースフィルムに加わるテンションはわずかなものとなる。このため、テション付与部によってリリースフィルムに大きなテンションンが加わっているような構成であったとしても、リリースフィルムは、テンション付与部によるテンションから解放された状態となり、リリースフィルムにはそれほど大きなテンションは加わらないこととなる。
【0026】
これにより、本発明のフィルム部材貼り付け装置によれば、フィルム部材の貼り付け動作を行う際においては、リリースフィルムに加わるテンションを小さくすることができる。これによって、リリースフィルムが剥がし部の折り返し部で擦れてしまうことにより、リリースフィルムが破損してしまうことを抑制できる。また、フィルム部材貼り付け装置を長期間使用すると、リリースフィルムとの間の摩擦によって剥がし部の折り返し部も擦り減ってしまうといった問題もあるが、本発明のフィルム部材貼り付け装置によれば、折り返し部の擦り減りをも抑制できる。
【0027】
なお、能動的に同期させて」の「能動的に」というのは、例えば、「積極的に」にといった意味を有している。従って、「能動的に同期させて前記フィルム部材から前記リリースフィルムを剥がす動作を行う」というのは、例えば、「積極的に同期させて前記フィルム部材から前記リリースフィルムを剥がす動作を行う」と言い換えることもできる。
【0028】
[2]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記貼り付け/剥がし同期機構部は、前記テンション付与部と前記剥がし部との間の所定位置に設けられ、前記リリースフィルムを前記テンション付与部と前記剥がし部との間の所定位置でクランプするクランパーと、前記クランパーと前記剥がし部との間に位置し、かつ、前記フィルム部材供給機構部の側に取り付けられており、前記剥がし部で剥がされたリリースフィルムを前記フィルム部材の進行方向とほぼ同方向に進行させるように折り返す第1折り返しロールと、前記クランパーと前記第1折り返しロールとの間に位置し、かつ、前記テーブルの側に取り付けられており、前記第1折り返しロールで折り返されたリリースフィルムを前記フィルム部材の進行方向とほぼ反対方向に進行させるように折り返す第2折り返しロールと、 有することが好ましい。
【0029】
貼り付け/剥がし同期機構部がこのような構成となっていることにより、フィルム部材の貼り付け動作を行う際においては、クランパーでクランプした位置と剥がし部との間で、「フィルム部材の貼り付け動作」に能動的に同期させてフィルム部材からリリースフィルムを剥がす動作を行わせることができる。
【0030】
[3]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記テーブルには、当該テーブルを上下方向に昇降させるための昇降機構が設けられており、前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行う際の前記テーブルの上下方向の位置を上下方向基準位置としたとき、前記制御装置は、前記「フィルム部材の頭出し動作」を行う際においては、前記テーブルを前記上下方向基準位置よりも下方向に一時的に下降させるように前記昇降機構を制御して、前記フィルム部材頭出し制御機能によって前記「フィルム部材の頭出し動作」を行い、前記フィルム部材の貼り付け動作が開始するまでの所定のタイミングで前記テーブルを前記上下方向基準位置にまで上昇させるように前記昇降機構を制御するテーブル昇降制御機能をさらに有することが好ましい。
【0031】
このように、フィルム部材の頭出し動作を行う際においては、テーブルを上下方向基準位置よりも下方向に一時的に下降(退避)させた状態としてフィルム部材の頭出し動作を行い、フィルム部材の貼り付け動作が開始するまでの所定のタイミングでテーブルを上下方向基準位置にまで上昇(復帰)させるように昇降機構を制御する。このような制御を行うことによって、フィルム部材を高い精度で頭出しすることができ、それによって、フィルム部材の進行方向先端部を、被貼り付け部材の貼り付け始端に高精度に到達させることができる。
【0032】
すなわち、リリースフィルムが剥がされたフィルム部材には接着剤が塗布されているため、テーブルが上下方向基準位置にある状態でフィルム部材の頭出し動作を行うと、接着剤が被貼付け部材に付着してフィルム部材の進行が妨げられてしまい、フィルム部材の進行方向先端部を、被貼り付け部材の貼り付け始端に高精度に到達させることができないといった不具合が生じる可能性がある。このような不具合を防止するために、フィルム部材の頭出し動作を行う際においては、テーブルを上下方向基準位置よりも下方向に一時的に下降(退避)させた状態とする。なお、フィルム部材の貼り付け動作が開始するまでの所定のタイミングとしては、フィルム部材の頭出し動作が終了した直後又はフィルム部材の頭出し動作が終了するのとほぼ同じタイミングとすることが好ましい。
【0033】
[4]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記剥がし部の前記折り返し部は角部となっていることが好ましい。
【0034】
このように、剥がし部の折り返し部が角部となっていることにより、フィルム部材からリリースフィルムを剥がすときの剥がし動作を確実に行うことができる。なお、剥がし部の折り返し部が角部となっている場合には、リリースフィルムは、より破損しやすくなるとともに、剥がし部の折り返し部も擦り減りやすくなるが、剥がし部の折り返し部が角部となっている場合であっても、リリースフィルムに加わるテンションを小さくすることによって、リリースフィルムの破損を抑制できる。また、リリースフィルムが剥がし部の折り返し部で擦れることによる折り返し部の擦り減りをも抑制できる。なお、角部というのは、例えば、くさび状の角部を例示できる。
【0035】
[5]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記クランパーと前記テンション付与部との間には、前記「フィルム部材の頭出し動作」を行わせるためのフィーダーが設けられていることが好ましい。
【0036】
このようなフィーダーが設けられていることにより、リリースフィルムが剥がされたフィルム部材の頭出し動作を行うことができる。それによって、フィルム部材の進行方向先端部を被貼り付け部材の貼り付け始端に到達させることができる。
【0037】
[6]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記フィルム部材供給機構部は、前記フィルム部材の所定部分を撮像可能に設置されたカメラをさらに有し、前記制御装置は、前記カメラからの撮影データに基づいて前記フィルム部材の前記所定部分の位置を監視して、前記「フィルム部材の頭出し動作」を行うように前記フィーダーを制御するフィーダー制御機能をさらに有することが好ましい。
【0038】
これにより、フィルム部材の頭出し動作を高い精度で行うことができる。それによって、フィルム部材の進行方向先端部を被貼り付け部材の貼り付け始端に高い精度で到達させることができる。
【0039】
[7]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記フィルム部材の所定部分は、当該フィルム部材の進行方向後端部であることが好ましい。
【0040】
このように、カメラをフィルム部材(現時点において貼り付け対象となっているフィルム部材)の進行方向後端部を撮像可能に設置することにより、カメラを設置するためのスペースに余裕を持たせることができる。これは、現時点において貼り付け対象となっているフィルム部材の進行方向先端部を撮影しようとすると、当該フィルム部材の進行方向先端部の付近は、押さえロールなどが存在するために、カメラを設置するためのスペースに余裕がないためである。
【0041】
[8]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記フィルム部材供給機構部は、前記剥がし部によってリリースフィルムが剥がされた前記フィルム部材の進行をガイドするガイド面が存在し当該ガイド面には接着剤の付着を防ぐ非粘着性表面加工が施されているガイド部材をさらに有し、前記ガイド部材は、当該ガイド部材の先端部がエッジとなっているとともに、前記ガイド面が前記被貼付け部材に対して鋭角をなし、かつ、当該ガイド面の延長上に前記被貼付け部材の貼り付け始端が位置するように設置されていることが好ましい。
【0042】
このように、剥がし部の前方側には、フィルム部材の進行をガイドするガイド部材が設けられている。そして、当該ガイド部材のガイド面には、非粘着性表面加工が施されているため、フィルム部材の接着面がガイド部材のガイド面に付着してしまうことを防止でき、フィルム部材をガイド部材のガイド面でスムーズに進行させることができる。
【0043】
また、ガイド部材は、当該ガイド部材の先端部がエッジとなっているとともに、ガイド面が被貼付け部材に対して鋭角をなし、かつ、当該ガイド面の延長上に被貼付け部材の貼り付け始端が位置するように設置されているため、当該ガイド部材の先端部と被貼付け部材の貼り付け始端との間隔を可能な限り狭くすることができるとともに、ガイド部材の先端部と被貼付け部材の貼り付け始端との間の段差を可能な限り小さくできる。これにより、フィルム部材の進行方向先端部が被貼付け部材の貼り付け始端に到達するまでの距離を短くすることができ、フィルム部材が貼り付け始端に到達するまでの間において、自重によって撓んでしまうといったことを防止できる。それによって、ガイド面を進行するフィルム部材の進行方向先端部を被貼付け部材の貼り付け始端に高い精度で到達させることができる。
【0044】
また、ガイド部材は、当該ガイド面の延長上に被貼付け部材の貼り付け始端が位置するように設置されているため、これによっても、ガイド面を進行するフィルム部材の進行方向先端部を被貼付け部材の貼り付け始端に高い精度で到達させることができる。なお、「ガイド部材の先端部がエッジとなっている」というのは、例えば、先端部が鋭角をなしていてもよく、また、先端部が薄板状となっていてもよいことを意味している。
【0045】
[9]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記ガイド面は、導電性を有するとともに電気的に接地されていることが好ましい。
【0046】
このように、ガイド面は、導電性をも有するとともに電気的に接地されているため、フィルム部材に静電気が帯電した場合であっても、当該フィルム部材に帯電した静電気を除去できる。これにより、フィルム部材に埃やゴミなどが付着しにくくなるとともに、フィルム部材を被貼り付け部材に貼り付ける動作を行う際に、高い精度でフィルム部材を被貼付け部材に貼り付けることができる。また、フィルム部材が貼り付けられた被貼付け部材を次の工程に送る際に、静電気が帯電したままの状態で次の工程に送られてしまうことを防ぐことができる。
【0047】
特に、フィルム部材の接着面(接着材が塗布されている面)に静電気が帯電した場合でも、フィルム部材の接着面が導電性を有するガイド面に接触することによって、接着面に帯電した静電気を確実に除去できる。これにより、フィルム部材が貼り付けられた被貼付け部材を次の工程に送る際に、被貼付け部材とフィルム部材との間に静電気が帯電したままの状態で次の工程に送られてしまうことを防ぐことができる。被貼付け部材とフィルム部材との間に静電気が帯電すると、容易には、静電気を除去することができない。このため、フィルム部材の接着面が導電性を有するガイド面に接触するだけで、接着面に帯電した静電気を確実に除去できることは、静電気対策として極めて有効なものとなる。
【0048】
[10]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記フィルム部材供給機構部は、前記フィルム部材の進行方向先端部を前記被貼付け部材の貼り付け始端に押さえるための押さえロールをさらに有し、前記押さえロールは、複数個の押さえロールが複数段に重ねられた構成となっていて、当該複数個の押さえロールのそれぞれの回転軸が、前記フィルム部材の進行方向先端部の辺に沿う方向となるように設置されていることが好ましい。
【0049】
フィルム部材の進行方向先端部を被貼付け部材の貼り付け始端に押さえ付ける押さえロールを有するため、フィルム部材を確実に被貼付け部材の貼り付け始端に位置決めすることができる。また、押さえロールがこのような構成となっていることにより、フィルム部材の進行方向先端部を当該進行方向先端部の辺に沿って確実に押さえ付けることができる。特に、フィルム部材の幅方向の長さ(押さえロールの回転軸に沿った長さ)が長い場合には、フィルム部材の進行方向先端部を幅方向全体に渡って均一な押圧力で押さえ付けることができ、フィルム部材の進行方向先端部を確実に押さえ付けることができる。
【0050】
[11]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記複数個の押さえロールのうち、前記フィルム部材に接触する側に位置する押さえロールの径は、他の押さえロールの径よりも小径に設定されていることが好ましい。
【0051】
フィルム部材に接触する側に位置する押さえロールの径がこのように設定されていることにより、ガイド部材の先端部と被貼り付け部材の貼り付け始端との間隔が狭くても、当該押さえロールが小径であることからガイド部材に接触することなく、フィルム部材の進行方向先端部を確実に押さえ付けることができる。また、小径となっている押さえロールの反りを防ぐこともできることから、フィルム部材の進行方向先端部を当該フィルム部材の幅方向全体に渡って均一な押圧力で押さえ付けることができる。
【0052】
[12]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記テンション付与部は、ダンサーロールであることが好ましい。
【0053】
前記テンション付与部がダンサーロールであることにより、リリースフィルムに対してテンション付与を行えることができるとともにフィルム部材の頭出し時及びフィルム部材の貼り付け動作時のそれぞれにおいて、フィルム部材の頭出し動作又はフィルム部材貼り付け動作と、巻き取りロールによるリリースフィルムの巻き取り動作とは同期をとる必要はなく、それぞれの動作を独立して行うことができる。
【0054】
[13]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記フィルム部材は、長尺シート状をなし、当該長尺シート状のフィルム部材の長手方向に沿って所定長さごとに前記リリースフィルムを残して切れ目が設けられており、前記剥がし部によってリリースフィルムが剥がされることにより、個片化されたフィルム部材となり、当該個片化されたフィルム部材が前記被貼り付け部材に貼り付けられることが好ましい。
【0055】
フィルム部材がこのような構成となっていることにより、個々の被貼り付け部材にフィルム部材を貼り付ける動作を連続的に行うことができる。
【0056】
[14]本発明のフィルム部材貼り付け装置においては、前記フィルム部材は、液晶パネルに用いられる偏光フィルム若しくは保護フィルム又は電子機器に用いられる電磁波シールドフィルムであり、前記被貼り付け部材は、前記液晶パネルに用いられるガラス基板若しくは合成樹脂基板又は電子機器に用いられる電子回路基板である、ことが好ましい。
【0057】
本態様のフィルム部材貼り付け装置によれば、液晶パネルに用いられる偏光フィルム又は保護フィルムを液晶パネルに用いられるガラス基板又は合成樹脂基板に精度よく貼り付けたり、電子機器に用いられる電磁波シールドフィルムを電子機器に用いられる電子回路基板に精度よく貼り付けたりすることができるため、高品質な液晶パネルや電子機器を製造することができる。
【0058】
[15]本発明のフィルム部材貼り付け方法は、一方の面が接着面となっており、当該接着面にリリースフィルムが剥離可能に貼付されているフィルム部材から前記リリースフィルムを剥がしながら前記フィルム部材を進行させて行き、前記リリースフィルムが剥がされた前記フィルム部材の進行方向先端部を、被貼り付け部材の貼り付け始端に到達させるための「フィルム部材の頭出し動作」を行った後に、前記フィルム部材の進行方向先端部を前記被貼付け部材の貼り付け始端に押さえ付けた状態で前記貼り付け始端を起点に前記リリースフィルムを剥がしながら前記フィルム部材を前記被貼り付け部材に貼り付けて行く「フィルム部材の貼り付け動作」を行うフィルム部材貼り付け方法であって、前記被貼り付け部材を載置するテーブルと、前記フィルム部材を供給するフィルム部材供給機構部と、前記「フィルム部材の頭出し動作」を行うために前記フィルム部材供給機構部を制御するフィルム部材頭出し制御機能と、前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行うために前記フィルム部材供給機構部及び前記テーブルの少なくとも一方を相対的に移動させる貼り付け制御機能とを有する制御装置と、を備え、前記フィルム部材供給機構部は、前記リリースフィルムを前記フィルム部材の進行方向とはほぼ反対方向に折り返す折り返し部を有し、当該折り返し部でリリースフィルムを折り返した状態で前記フィルム部材供給機構部及び前記テーブルの少なくとも一方が相対的に移動することによって前記フィルム部材からリリースフィルムを剥がす剥がし部と、前記折り返し部で折り返された前記リリースフィルムを進行させるリリースフィルム進行機構部と、を有し、前記リリースフィルム進行機構部には、前記折り返された前記リリースフィルムに対して前記リリースフィルムが進行する方向に沿ったテンションを付与するテンション付与部と、当該テンション付与部と前記剥がし部との間に配置され、前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行う際においては、前記リリースフィルムを前記テンション付与部と前記剥がし部との間の所定位置でクランプし、当該クランプした位置と前記剥がし部との間で、前記「フィルム部材の貼り付け動作」に能動的に同期させて前記フィルム部材から前記リリースフィルムを剥がす動作を行う貼り付け/剥がし同期機構部と、が設けられており、前記「フィルム部材の貼り付け動作」を行う際においては、前記リリースフィルムを前記テンション付与部と前記剥がし部との間の所定位置でクランプし、当該クランプした位置と前記剥がし部との間で、前記「フィルム部材の貼り付け動作」に能動的に同期させて前記フィルム部材から前記リリースフィルムを剥がす動作を行うことを特徴とする。
【0059】
本発明のフィルム部材貼り付け方法によれば、前記[1]に記載の本発明のフィルム部材貼り付け装置と同様の効果が得られる。また、本発明のフィルム部材貼り付け方法においても、前記[2]〜[14]に記載の本発明のフィルム部材貼り付け装置と同様の特徴を有することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】実施形態1に係るフィルム部材貼り付け装置1を説明するために示す図である。
図2】偏光フィルム30(リリースフィルム40が貼付されている状態の偏光フィルム30)を説明するために示す図である。
図3】ガイド部材230及び押さえロール240を説明するために示す図である。
図4】実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1の動作を説明するために示す図である。
図5】実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1動作(図4の続きの動作)を説明するために示す図である。
図6】ガイド部材230を板状とした場合を説明するために示す図である。
図7】特許文献1に記載されているフィルム部材貼り付け装置800の要部を取り出して示す図である。
図8】従来の他のフィルム部材貼り付け装置900の一例を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、本発明の実施形態について説明する。実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1は、接着面にリリースフィルムが剥離可能に貼付されているフィルム部材からリリースフィルムを剥がしながらフィルム部材を進行させて行き、リリースフィルムが剥がされたフィルム部材の進行方向先端部を、被貼り付け部材の貼り付け始端に到達させるための「フィルム部材の頭出し動作」を行った後に、フィルム部材の進行方向先端部を被貼付け部材の貼り付け始端に押さえた状態で貼り付け始端を起点にリリースフィルムを剥がしながらフィルム部材を被貼り付け部材に貼り付けて行く「フィルム部材の貼り付け動作」を行うフィルム部材貼り付け装置である。
【0062】
なお、フィルム部材は、被貼り付け部材のフィルム部材貼り付け面における貼り付け始端を起点に当該フィルム部材貼り付け面に貼り付けられて行くものであるが、この明細書においては、「フィルム部材貼り付け面」を省略して、例えば、「フィルム部材は、被貼り付け部材の貼り付け始端を起点に貼り付けられて行く」と表記したり、単に「フィルム部材は、被貼り付け部材に貼り付けられて行く」と表記したりする。
【0063】
また、実施形態1に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、フィルム部材は、液晶パネルに用いられる偏光フィルムであるとし、また、被貼り付け部材は、液晶パネルに用いられるガラス基板であるとする。ここで、フィルム部材(偏光フィルム)のサイズは特に限定されるものではないが、実施形態1に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、被貼り付け部材(ガラス基板)が、例えば、長辺(縦)1500mm×短辺(横)900mm程度の比較的大きいサイズであるとし、このようなサイズを有する被貼り付け部材の横方向の辺及び縦方向の辺からそれぞれ5mm程度の余白を有して貼り付けることができるサイズ(例えば、長辺(縦)1490mm×短辺(横)890mm程度)を有するものであるとする。
【0064】
液晶パネルは、一般的には、液晶層の表側及び裏側に設けられる2枚のガラス基板(表側のガラス基板及び裏側のガラス基板)に、偏光方向が直交する偏光フィルムを貼付した構成となっているが、実施形態1に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、表側のガラス基板及び裏側のガラス基板のうちの一方の面に用いるガラス基板に偏光フィルムを貼付する場合について説明する。以下、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1について詳細に説明する。
【0065】
なお、以下の説明においては、「フィルム部材」を「偏光フィルム」と表記する場合もあり、「被貼付け部材」を「ガラス基板」と表記する場合もある。このため、以下の説明において「偏光フィルム」と表記されている場合には、当該偏光フィルムは「フィルム部材」を指すものであり、「ガラス基板」と表記されている場合には、当該ガラス基板は「被貼付け部材」を指すものである。
【0066】
図1は、実施形態1に係るフィルム部材貼り付け装置1を説明するために示す図である。なお、図1は実施形態1に係るフィルム部材貼り付け装置1を模式的に示す図である。実施形態1に係るフィルム部材貼り付け装置1は、図1に示すように、ガラス基板10を載置するテーブル100と、偏光フィルム30(フィルム部材)を供給するフィルム部材供給機構部200と、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1の各構成要素を制御するための制御機能を有する制御装置300と、備えている。なお、これらテーブル100、フィルム部材供給機構部200の詳細な構成及び動作については後述する。また、制御装置300が有する制御機能についても後述する。
【0067】
また、実施形態1に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、フィルム部材供給機構部200を固定として、テーブル100を移動(x軸に沿ってx−x’方向に移動)させることにより、偏光フィルム30をガラス基板10に貼り付ける動作を行うものとして説明する。
【0068】
フィルム部材供給機構部200は、リリースフィルム40を偏光フィルム30の進行方向とはほぼ反対方向に折り返す折り返し部211を有する剥がし部210と、剥がし部210の折り返し部211で折り返されたリリースフィルム40をリリースフィルム進行方向に進行させるリリースフィルム進行機構部220とを有している。なお、「リリースフィルム進行方向」というのは、剥がし部210で折り返されたリリースフィルム40が進行する方向(矢印x方向)方向である。また、折り返し部211は、角部となっており、当該角部は、先端にわずかな丸みを有していてもよい。
【0069】
剥がし部210は、折り返し部211によってリリースフィルム40を偏光フィルム30が進行する方向とはほぼ反対方向に折り返した状態で、この場合、テーブル100が移動することによって、偏光フィルム30からリリースフィルム40を剥がすように動作する。
【0070】
また、フィルム部材供給機構部200は、剥がし部210によってリリースフィルム40が剥がされた偏光フィルム30の進行をガイドするガイド面231が存在するガイド部材230と、偏光フィルム30の進行方向先端部30a(以下、先端部30aと略記する場合もある。)が、ガラス基板10の貼り付け始端10aに到達すると、当該貼り付け始端10aにおいて当該偏光フィルム30の先端部30aを貼り付け始端10aに押さえ付ける押さえロール240と、偏光フィルム30の所定部分(後述する。)を撮像可能に設置されたカメラ250と、を有している。
【0071】
また、フィルム部材供給機構部200には、上記した構成要素の他に、偏光フィルム30(リリースフィルム40が貼付されている状態の偏光フィルム30)を屈曲させて進行させる進行補助ロール261,262が設けられている。また、偏光フィルム30(リリースフィルム40が貼付されている状態の偏光フィルム30)を送り出す送り出し機構部及び進行路の中途部に設けられているダンサーロールなども存在するが、これらの図示は省略する。
【0072】
ところで、図1においては、偏光フィルム30は、ガラス基板10の貼り付け始端10aに到達した状態(頭出しされている状態)となっているとともに、テーブル100は、ガラス基板10の貼り付け始端10aを起点に偏光フィルム30を貼り付ける動作を行う位置に移動した状態となった場合を示している。
【0073】
なお、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1を説明する際においては、リリースフィルム40が剥がされた偏光フィルム30の進行方向先端部30aを、ガラス基板10の貼り付け始端10aに到達させるための動作を「偏光フィルム30の頭出し動作」と表記する場合もある。また、当該偏光フィルム30の頭出し動作を行った後に、偏光フィルム30の進行方向先端部30aをガラス基板10の貼り付け始端10aに押さえた状態で貼り付け始端10aを起点にリリースフィルム40を剥がしながら偏光フィルム30をガラス基板10貼り付けて行く動作を「偏光フィルム30の貼り付け動作」と表記する場合もある。
【0074】
また、図1においては、押さえロール240は、当該偏光フィルム30の先端部30aから離脱した位置となっている場合が示されているが、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際には、当該押さえロール240は、偏光フィルム30の先端部30a押さえた状態となる。そして、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際のテーブルの100のz軸に沿った上下方向位置を「上下方向基準位置」とする。当該上下方向基準位置は、ステージ50の表面からの高さhとして示されている。このため、以下、上下方向基準位置を「上下方向基準位置h」と表記する。
【0075】
また、図1においては、偏光フィルム30(リリースフィルム40が貼付されている状態の偏光フィルム30)は、進行補助ロール261によって、大きな角度で下方向に屈曲したのちに、進行補助ロール262によってxy平面に対して所定角度(実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1においては30度とする。)となるように屈曲して剥がし部210に到達する。なお、当該角度は30度に限定されるものではなく、適宜、最適な角度に設定可能である。
【0076】
このように、偏光フィルム30(リリースフィルム40が貼付されている状態の偏光フィルム30)は、当該偏光フィルム30の進行路上において、進行補助ロール261,262などにより、進行方向が下方向に屈曲したり斜め方向となったりするが、当該偏光フィルム30の進行方向は、全体的には、x軸に沿って図示の右から左に向かう方向(矢印x’方向)であるとする。このため、この明細書においては、偏光フィルム30の進行方向について述べる場合には、「x軸に沿った矢印x’方向」又は「図示の右から左方向」というように表記する。
【0077】
なお、図1における破線枠A内は、偏光フィルム30(リリースフィルム40が貼付されている状態の偏光フィルム30)の拡大断面図である。当該偏光フィルム30(リリースフィルム40が貼付されている状態の偏光フィルム30)の構成については図2により説明する。
【0078】
図2は、偏光フィルム30(リリースフィルム40が貼付されている状態の偏光フィルム30)を説明するために示す図である。図2において、図2(a)は平面図であり、図2(b)は側断面図である。なお、図2は模式的に示す図であり、厚みなどが誇張されて描かれている。
【0079】
偏光フィルム30には、図2に示すように、長尺状となっており、長尺のリリースフィルム40が剥離可能に貼付されている。当該偏光フィルム30は、貼り付け対象となる個々のガラス基板10(図1参照。)に対応したサイズに個片化できるように、リリースフィルム40を残して所定の長さごとに切れ目が設けられている。例えば、ガラス基板10の長辺(1500mmとする。)がx軸に沿うようにテーブル100上に載置される場合においては、偏光フィルム30の長辺(1490mmとする。)ごとに、リリースフィルム40を残して切れ目C1,C2,・・・が設けられている。
【0080】
また、偏光フィルム30には接着剤31が塗布されているため、偏光フィルム30からリリースフィルム40を剥がすと、偏光フィルム30の一方の面(下面とする。)には、接着剤31が露出することとなる。なお、偏光フィルム30において接着剤31が塗布されている側の面を「接着面」という。
【0081】
なお、図2に示す長尺状の偏光フィルム30において、個々のガラス基板に対応した偏光フィルムを個々に説明する場合には、個々の偏光フィルムを、図2における左側から順に、第1偏光フィルム30、第2偏光フィルム30、・・・というように説明する。なお、切れ目C1,C2,・・・は、個々の偏光フィルム30においては進行方向後端部(以下、後端部と略記する。)となる場合もあり、また、先端部となる場合もある。例えば、第1偏光フィルム30に注目した場合には、切れ目C1は、当該第1偏光フィルム30の後端部30bとなり、また、第2偏光フィルム30に注目した場合には、切れ目C1は、当該第2偏光フィルム30の先端部30aとなる。
【0082】
図1に戻って、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1の個々の構成要素についてさらに詳細に説明する。
【0083】
テーブル100は、ステージ50に敷設されているガイドレール60上をx軸に沿って矢印x−x’方向に往復動可能となっている。なお、テーブル100は、ガイドレール60を走行可能なスライダー110と、当該スライダー110上に取り付けられているテーブル本体部120と、を有している。テーブル本体部120は、ガラス基板10(被貼付け部材)を載置するものである。当該テーブル本体部120は、スライダー110とともにx軸に沿った往復動が可能となっているとともに、スライダー110に対して、y軸に沿った移動、xy平面上での回転及びz軸に沿った昇降が可能となっている。
【0084】
このため、テーブル100には、テーブル本体部120のy軸に沿った位置調整を可能とするy軸方向位置調整機構と、テーブル本体部120のxy平面上での回転角度調整を可能とする回転角度調整機構と、テーブル本体部120のz軸に沿った昇降を可能とする昇降機構とが設けられている。これら、y軸方向位置調整機構、回転角度調整機構及び昇降機構については、種々の機構を採用することができるため、これら各機構の図示及び説明は省略する。また、スライダー110のx軸に沿った往復動制御、テーブル本体部120のy軸方向位置調整制御、回転角度調整制御及び昇降制御は、制御装置300が有する制御機能として行われる。
【0085】
なお、上記したようにテーブル100は、スライダー110とテーブル本体部120とを有するものであるが、この明細書においては、これらをまとめて「テーブル100」として説明する場合もある。従って、例えば、テーブル100がx軸に沿って移動するというのは、実際には、スライダー110とテーブル本体部120とが一体的にx軸に沿って移動することであり、テーブル100がz軸に沿って昇降するというのは、実際には、テーブル本体部120がスライダー110に対してz軸に沿って昇降することである。
また、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、スライダー110、テーブル本体部120、ステージ50及びガイドレール60は、例えば、鉄などの金属でなるものとする。
【0086】
次に、リリースフィルム進行機構部220について説明する。
リリースフィルム進行機構部220は、剥がし部210で折り返されたリリースフィルム40を偏光フィルム30の進行方向とほぼ反対方向(リリースフィルム進行方向)に進行させるものである。
当該リリースフィルム進行機構部220は、貼り付け/剥がし同期機構部221(詳細は後述する。)と、剥がし部210の折り返し部211で折り返されたリリースフィルム40に対して当該リリースフィルム40が進行する方向(リリースフィルム進行方向)に沿ったテンションを付与するテンション付与部(実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1においてはダンサーロール222とする。)と、複数の進行補助ロール(例えば、進行補助ロール223,224と、偏光フィルム30の頭出し動作を行うフィーダー225と、ダンサーロール222のさらに下流側(リリースフィルム進行方向の前方側)に設けられ、リリースフィルム40を巻き取るための巻き取りロール(図示せず。)などが設けられている。
【0087】
貼り付け/剥がし同期機構部221は、テンション付与部としてのダンサーロール222と剥がし部210との間に配置されている。そして、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際においては、リリースフィルム40をダンサーロール222と剥がし部210との間の所定位置でクランプし、当該クランプした位置と剥がし部210との間で、偏光フィルム30の貼り付け動作に能動的に同期させて偏光フィルム30からリリースフィルム40を剥がす動作を行う。なお、以下の説明においては、偏光フィルム30からリリースフィルム40を剥がす動作を「リリースフィルム40の剥がし動作」と略記する場合もある。
【0088】
当該貼り付け/剥がし同期機構部221の具体的な構成要素としては、ダンサーロール222と剥がし部210との間の所定位置に設けられ、リリースフィルム40をダンサーロール222と剥がし部210との間の所定位置でクランプするクランパー221cと、当該クランパー221cと剥がし部210との間に位置し、かつ、フィルム部材供給機構部200の側に取り付けられており、剥がし部210で剥がされたリリースフィルム40を偏光フィルム30の進行方向とほぼ同方向に進行させるように折り返す第1折り返しロール221aと、クランパー221cと第1折り返しロール221aとの間に位置し、かつ、テーブル100の側に取り付けられており、第1折り返しロール221aで折り返されたリリースフィルム40を偏光フィルム30の進行方向とほぼ反対方向に進行させるように折り返す第2折り返しロール221bとを有している。
【0089】
第1折り返しロール221aは、フィルム部材供給機構部200の側に取り付けられているため、テーブル100が移動したとしても位置は変化しない。一方、第2折り返しロール221bは、テーブル100の側(具体的には、テーブル100のスライダー110)に取り付けられているため、テーブル100(スライダー110)のx−x’方向の移動とともに移動する。
【0090】
また、クランパー221cは、偏光フィルム30をガラス基板10に貼り付けて行く動作を行う際においては、リリースフィルム40をクランプするが、フィーダー225によって偏光フィルム30の頭出し動作を行う際には、リリースフィルム40のクランプを解除する。このように構成されている貼り付け/剥がし同期機構部221の具体的な動作については後述する。なお、クランパー221cによるリリースフィルム40のクランプ/クランプ解除動作及びフィーダー225による偏光フィルム30の頭出し動作は、制御装置300が有する制御機能の1つとして行われる。
【0091】
フィーダー225は、クランパー221cと進行補助ロール223との間に設けられており、リリースフィルム40が剥がされた偏光フィルム30の先端部30aをガラス基板10の貼り付け始端10aに到達させるための機能、すなわち偏光フィルム30の頭出し動作を行う機能を有している。なお、フィーダー225は、リリースフィルム40をクランプするための複数のクランパー226を有し、x軸に沿って矢印x−x’方向に往復動可能となっている。
【0092】
フィーダー225に対する制御は、制御装置300が有する制御機能の1つとして行われる。この場合、制御装置300は、カメラ250からの撮影データに基づいて偏光フィルム30の所定部分(例えば後端部30b)の位置(x軸に沿った位置)を監視して、偏光フィルム30の先端部30aがガラス基板10の貼り付け始端10aに到達するようにフィーダー225を制御する。
【0093】
制御装置300によるフィーダー225に対する制御の一例としては、例えば、制御装置300は、カメラ250からの撮影データに基づいて、現時点において貼り付け対象となっている偏光フィルム(第1偏光フィルム30とする。)の後端部30b(当該第1偏光フィルム30と第2偏光フィルム30との間の切れ目C1)の位置を監視し、当該後端部30b(切れ目C1)の位置が目標位置に到達するまで、フィーダー225を動作させる。
【0094】
具体的には、偏光フィルム30の先端部30aがガラス基板10の貼り付け始端10aに正しく到達しているときの当該偏光フィルム30の後端部30bの位置を「目標位置」として予め求めておき、制御装置300は、現時点において貼り付け対象となっている第1偏光フィルム30の後端部30b(切れ目C1)の位置が目標位置に達するまで、リリースフィルム40をリリースフィルム進行方向に進行させる。これにより、当該第1偏光フィルム30の頭出しを高い精度で行うことができる。すなわち、偏光フィルム30の先端部30aをガラス基板10の貼り付け始端10aに高い精度で到達させることができる。
【0095】
そして、偏光フィルム30の後端部30b(切れ目C1)の位置が目標位置に到達すると、リリースフィルム40に対するフィーダー225のクランプ動作を解除して、フィーダー225を元の位置に復帰させるように制御する。
【0096】
なお、カメラ250は、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、現時点において貼り付け対象となっている第1偏光フィルム30の後端部30b(切れ目C1)の位置を監視するようにしているが、これは、カメラ250を、仮に、現時点において貼り付け対象となっている第1偏光フィルム30の先端部30aの位置を監視する位置に設置しようとすると、押さえロール240の存在(図1参照。)などにより、カメラ250を設置するためのスペースに余裕がないためである。但し、カメラ250を設置するためのスペースに余裕があれば、現時点において貼り付け対象となっている第1偏光フィルム30の先端部30aの位置を監視するようにしてもよい。
【0097】
続いて、ガイド部材230及び押さえロール240について図3を参照して説明する。
図3は、ガイド部材230及び押さえロール240を説明するために示す図である。図3(a)は図1の押さえロール240及び図1において破線枠Bで囲った範囲をそれぞれ拡大して示す図であり、図3(b)は図3(a)をz軸に沿って上から見た図(平面図)である。なお、図3(b)においては、図3(a)で示されている押さえロール240などは図示が省略されている。
【0098】
まずは、ガイド部材230について説明する。ガイド部材230には、リリースフィルム40が剥がされた偏光フィルム30の進行をガイドするガイド面231が存在している。なお、図3図1と同様に模式図であるため、当該ガイド部材230の取り付け構造は図示が省略されているが、当該ガイド部材230は、ステージ50から立設されている支持部材(図示せず。)に取り付けられている。当該支持部材も例えば鉄などの金属でなる。また、ガイド部材230は、例えば、ステンレス鋼などの金属によって形成されており、当該ガイド部材230のガイド面231(偏光フィルム30と接する側の面)は、非粘着性を有するものとなっている。すなわち、ガイド部材230のガイド面231には、導電性を維持した状態で非粘着性を有するような非粘着性表面加工が施されている。このように、ガイド面231に非粘着性表面加工を施す理由は、偏光フィルム30の一方の面は、接着剤31(図2参照。)が塗布された接着面となっているためである。
【0099】
すなわち、リリースフィルム40が剥がされた状態の偏光フィルム30の接着面は、接着剤31が塗布されているため、ガイド部材230のガイド面231に接着剤31の付着を防ぐ非粘着性表面加工が施されていないと、偏光フィルム30の接着剤31がガイド部材230のガイド面231に付着してしまい、偏光フィルム30がガイド部材230のガイド面231に沿ってスムーズに進行できないこととなるからである。
【0100】
接着剤31の付着を防ぐ非粘着性表面加工は、公知の技術であり、例えば、「トシカル(登録商標)Sコーティング加工」と呼ばれる表面加工の技術を採用することができる。このような表面加工(トシカル(登録商標)Sのコーティング被膜形成加工/株式会社トシコ)をガイド部材230のガイド面231に施すことによって、リリースフィルム40が剥がされた偏光フィルム30の接着面がガイド部材230のガイド面231に付着することなく、偏光フィルム30をスムーズに進行させてガラス基板10の貼り付け始端10aに進行させることができる。トシカル(登録商標)Sとしては、例えば、UNA―300シリーズ(UNA―310−X10)、UNA―800シリーズ、TS−1000シリーズ、TS−1080シリーズ、TS−1310シリーズのものを好適に用いることができる。
【0101】
トシカル(登録商標)Sのコーティング被膜の膜厚は、例えば、1μm〜200μm、好ましくは3μm〜150μmのものを好適に用いることができる。トシカル(登録商標)Sのコーティング被膜を形成する前に、ガイド部材230のガイド面231に凹凸構造を形成しておいてもよい。この場合の凹凸構造の平均表面粗さとしては、2μm〜15μmのものを好適に用いることができる。
【0102】
このような非非粘着性表面加工をガイド部材230のガイド面231に施すことによって、リリースフィルム40が剥がされた偏光フィルム30の接着面がガイド部材230のガイド面231に付着することなく、偏光フィルム30をスムーズに進行させてガラス基板10の貼り付け始端10aに進行させることができる。このような表面加工は、導電性を損なうことのない非粘着性表面加工である。従って、ガイド面231は、非粘着性表面加工が施された後でも導電性が維持されたものとなっている。このため、ガイド面231の導電性は損なわれることがない。また、当該ガイド面231は、電気的に接地されている。すなわち、ガイド面231は、導電性を有するとともに接地されている。このように、ガイド面231が導電性を有するとともに接地されていることの理由については後述する。
【0103】
また、ガイド部材230は、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、3角形のブロック状とし、当該ガイド部材230の先端部232がエッジとなっているとともに、ガイド面231がガラス基板10に対して鋭角をなすように配置されている。なお、以下、ガイド部材230の先端部232を「ガイド部材先端部232」と表記する。
【0104】
このように構成されているガイド部材230は、図3(a)に示すように、ガラス基板10の貼り付け始端10aが、押さえロール240の押圧点Pを通る垂線L上の位置(貼り付け動作開始位置という。)に到達したときにおいて、ガイド面231の延長上にガラス基板10の貼り付け始端10aが位置するように設置されている。
【0105】
また、当該ガイド部材230は、z軸に沿った位置としては、テーブル100に載置されているガラス基板10に接触しないような位置で、かつ、ガイド部材先端部232とガラス基板10との段差が小さくなるような位置に設置されている。なお、押さえロール240の「押圧点P」というのは、押さえロール240が偏光フィルム30を押さえ付ける動作を行う際に、偏光フィルム30に対して押圧力を与える点を指すものとする。
【0106】
ここで、ガイド面231の傾斜角度、すなわち、ガイド面231とxy平面とのなす角度θ(ガイド面231とテーブル100に載置されているガラス基板10とのなす角度θ)は、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、30度に設定されているものとする。なお、ガイド面231とガラス基板10とのなす角度θは、30度に限定されるものではなく、偏光フィルム30の先端部30aがガラス基板10の貼り付け始端10aにスムーズに到達できればよい。
【0107】
また、ガイド部材230の設置位置は、ガラス基板10の貼り付け始端10aが貼り付け動作開始位置に到達したときにおける当該ガイド部材230の先端部232とガラス基板10の貼り付け始端10aとの間隔(x軸に沿った間隔)dが可能な限り狭くするように設置されることが好ましい。なお、間隔dは、ガイド面231の傾斜角度などによって異なるが、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、間隔dを15mmとしている。当該間隔dは、15mmに限定されるものではなく、ガイド部材230のガイド面231のxy平面に対する角度、偏光フィルム30の材質及びサイズなどによって最適な値に設定することができる。
【0108】
また、ガイド部材230は、電気的に接地(アース)されている。具体的には、ガイド部材230は、前述したように、ステージ50(図1参照。)に立設されている支持部材(図示せず。)に取り付けられており、これら支持部材及びステージ50はともに金属でなるため、ガイド部材230は、当該支持部材及びステージ50を介して電気的に接地(アース)されたものとなっている。このため、当該ガイド部材2310が有するガイド面231は、必然的に接地されることとなる。
【0109】
なお、先に説明した図1は実施形態1に係るフィルム部材貼り付け装置1を模式的に示す図であるため、ステージ50の具体的な設置状態などについては示されていないが、ステージ50は工場などの床に電気的に接地(アース)された状態で設置されているものとする。これにより、ガイド部材230はそのガイド面231を含めて、支持部材及びステージ50を介して電気的に接地(アース)されたものとなる。
【0110】
以上説明したように、ガイド部材230は、ガイド部材先端部232がエッジとなっているため、当該ガイド部材先端部232とガラス基板10の貼り付け始端10aとの間隔を可能な限り狭くすることができるとともに、ガイド部材先端部232とガラス基板10の貼り付け始端10aとの間の段差を可能な限り小さくできる。これにより、偏光フィルム30(フィルム部材)の先端部30aがガラス基板10(被貼付け部材)の貼り付け始端10aに到達するまでの距離を短くすることができ、偏光フィルム30が貼り付け始端10aに到達するまでの間において、自重によって撓んでしまうといったことを防止できる。それによって、ガイド面231を進行する偏光フィルム30の先端部30aをガラス基板10の貼り付け始端10aに高い精度で到達させることができる。
【0111】
また、ガイド部材230は、当該ガイド面231の延長上にガラス基板10の貼り付け始端10aが位置するように設置されているため、これによっても、ガイド面231を進行する偏光フィルム30の先端部30aをガラス基板10の貼り付け始端10aに高い精度で到達させることができる。
【0112】
また、ガイド部材230は、ステンレス鋼などの金属によって形成されており、当該ガイド部材230のガイド面231は、導電性を有するとともに電気的に接地(アース)されている。このため、偏光フィルム30に静電気が帯電した場合であっても、偏光フィルム30に帯電した静電気を除去できる。これにより、偏光フィルム30に埃やゴミなどが付着しにくくなるとともに、偏光フィルム30を被貼り付け部材としてのガラス基板10に貼り付ける動作を行う際に、高い精度でフィルム部材をガラス基板10に貼り付けることができる。また、偏光フィルム30が貼り付けられたガラス基板10を次の工程に送る際に、静電気が帯電したままの状態で次の工程に送られてしまうことを防ぐことができる。
【0113】
特に、偏光フィルム30の接着面(具体的には、偏光フィルム30に塗布されている接着剤31)に静電気が帯電した場合でも、偏光フィルム30の接着面(接着剤31が塗布されている面)が、導電性を有するガイド面231に接触することによって、接着面(接着剤31)に帯電した静電気を確実に除去できる。これにより、偏光フィルム30が貼り付けられたガラス基板10を次の工程に送る際に、ガラス基板10と偏光フィルム30との間に静電気が帯電したままの状態で次の工程に送られてしまうことを防ぐことができる。ガラス基板10と偏光フィルム30との間に静電気が帯電すると、容易には、静電気を除去することができないため、偏光フィルム30の接着面が導電性を有するガイド面に接触するだけで、接着面に帯電した静電気を確実に除去できることは、静電気対策として極めて有効なものとなる。
【0114】
続いて、押さえロール240について説明する。押さえロール240は、図3(a)に示すように、径の異なる2個のロール241,242が垂線Lに沿って2段に重ねられた構成(2段重ねの構成)となっており、それぞれの回転軸241a,242aが、偏光フィルム30の先端部30aに沿う方向(y軸に沿う方向)となるように設置されている。第1押さえロール241,242は、それぞれの回転軸241a,242aが押さえロール取り付け部材243に回転自在に取り付けられている。なお、押さえロール取り付け部材243は、フィルム部材供給機構部200に取り付けられている。
【0115】
ここで、2個の押さえロール241,242のうち、偏光フィルム30に接触する側に位置する押さえロール241を第1押さえロール241とし、他の押さえロール242を第2押さえロール242としたとき、当該第1押さえロール241の径Φ1(図3(a)参照。)は、第2押さえロール242の径Φ2よりも小さく設定されている。実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、第1押さえロール241の径Φ1は10mm程度としている。このように、第1押さえロール241と第2押さえロール242とを2段重ねの構成とする理由及び第1押さえロール241の径Φ1を第2押さえロール242の径Φ2よりも小さく設定した理由については後述する。
【0116】
このように構成されている押さえロール240(第1押さえロール241及び第2押さえロール242)は、押さえロール取り付け部材243とともにz軸に沿った方向(矢印z−z’方向)に上下動可能となっており、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1が、偏光フィルム30の貼り付け動作を行っていないときにおいては、テーブル100上に載置されたガラス基板10を含む平面(xy平面)に対して離脱(上方に位置)しており、偏光フィルム30の貼り付け動作を行うときにおいては、下降して、偏光フィルム30を押さえ付ける動作を行うようになっている。押さえロール240の上昇及び下降動作は、制御装置300が有する制御機能の1つとして行われる。
【0117】
ところで、第1押さえロール241の径Φ1を第2押さえロール242の径Φ2よリも小さくし、かつ、小さい径の第1押さえロール241の上に大きな径の第2押さえロール242を重ねた構成としたのは、次に述べる理由によるものである。
【0118】
すなわち、ガラス基板10が貼り付け動作開始位置に到達したときにおいて、ガイド部材先端部232とガラス基板10の貼り付け始端10aとの間隔dは、上記したように15mmというように狭い間隔しているために、第1押さえロール241が偏光フィルム30を押さえ付けた状態となったときに、第1押さえロール241がガイド部材230に接触しないようにするためである。
【0119】
すなわち、第1押さえロール241がガイド部材230に接触しないようにするためには、第1押さえロール241の径Φ1をできるだけ小さくする必要がある。一方、第1押さえロール241の径を小さくすると、第1押さえロール241だけでは、偏光フィルム30を押さえ付けるための押圧力が偏光フィルム30の幅方向(この場合はy軸に沿った幅)全体に渡って均一に付与されない場合があるといった問題が生じる。
【0120】
具体的に言えば、偏光フィルム30の幅方向(図3におけるy軸に沿った方向)の長さは、この場合、890mm程度としている。このように、偏光フィルム30の幅方向(図3におけるy軸に沿った方向)の長さが890mm程度というように長い場合には、第1押さえロール241の回転軸241aに沿った長さ(y軸に沿った長さ)も長くなる。ここで、第1押さえロール241の回転軸241aに沿った長さに対して径Φ1が小さいと、反りが生じてしまう場合もあり、反りが生じてしまうと、押圧力が幅方向全体に渡って均一に付与されないこととなる。そこで、第1押さえロール241の径Φ1はできるだけ小さくしながらも、押圧点Pによる押圧力が偏光フィルム30の幅方向全体に渡って均一に付与されるように、小さい径の第1押さえロール241の上に大きな径の第2ロール242を重ねた構成としている。
【0121】
押さえロール240をこのような構成とすることによって、ガイド部材先端部232とガラス基板10の貼り付け始端10aとの間隔dが15mmと狭くても、第1押さえロール241がガイド部材230に接触することなく、偏光フィルム30を確実に押さえ付けることができる。また、第2押さえロール242が第1押さえロール241の反りを防いで偏光フィルム30を幅方向(y軸方向)全体に渡って均一な押圧力で確実に押さえ付けることができる。このように、第2押さえロール242は、第1押さえロール241の押圧力をバックアップするためのバックアップロールとして機能する。
【0122】
次に、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1の動作について説明する。
図4は、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1の動作を説明するために示す図である。
図5は、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1の動作(図4の続きの動作)を説明するために示す図である。
【0123】
図4(a)は貼り付け動作開始前の状態であり、この状態をこの初期状態とする。この初期状態においては、テーブル100は、押さえロール240(第1押さえロール241及び第2押さえロール242)よりも図示左側の位置(スタート位置)となっている。なお、初期状態においては、テーブル100上には、現時点において被貼り付け対象となるガラス基板10(第1ガラス基板10とする。)がテーブル100上の所定位置に載置されているものとする。また、テーブル100のスタート位置からのx軸に沿った移動量、y軸に沿った位置及びz軸周りの角度(平面上での角度)などは、適正に調整されているものとする。また、初期状態においては、テーブル100のz軸に沿った上下方向位置は、上下方向基準位置hとなっているものとする。
【0124】
また、リリースフィルム40は巻き取り側の先端部(図示せず。)が、リリースフィルム40を巻き取るための巻き取りロール(図示せず。)に接続されており、現時点において貼り付け対象となる偏光フィルム(第1偏光フィルム30とする。)の先端部30aは、剥がし部210の先端部(折り返し部211)に達しているものとする。また、この初期状態においては、押さえロール240(第1押さえロール241及び第2押さえロール242)は、テーブル100上に載置されたガラス基板10を含む平面(xy平面)に対して離脱(上方に位置)している。
【0125】
図4(a)に示す初期状態において、まずは、制御装置300によってテーブル100をx軸に沿って右方向(矢印x方向)に所定の移動量だけ進行させるように制御する。これにより、テーブル100は図4(b)に示す位置(貼り付け動作開始位置)に進行する。具体的には、制御装置300は、第1ガラス基板10の貼り付け始端10aが、押さえロール240の押圧点Pに対向する位置に到達するように、テーブル100をx軸に沿って右方向(矢印x方向)に移動させるように制御する。なお、ここでは、被貼付け対象となるガラス基板は「第1ガラス基板10」であるが、「第1」を省略して「ガラス基板10」と表記する場合もある。
【0126】
このように、テーブル100がx軸に沿って右方向(矢印x方向)に移動すると、ガラス基板10の貼り付け始端10aが、押さえロール240の押圧点Pに対向する位置に到達する。この状態で、制御装置300は、当該制御装置300が有するフィルム部材頭出し制御機構によって、第1偏光フィルム30の頭出し動作を行うが、第1偏光フィルム30の頭出し動作を行う前に、制御装置300は、当該制御装置300が有するテーブル昇降制御機能によって、昇降機構に対し、テーブル100を上下方向基準位置hよりもz軸に沿って所定量Δh(図4(b)参照。)だけ下降(退避)させるように制御する。なお、ここでは、貼り付け対象となる偏光フィルムは「第1偏光フィルム30」であるが、「第1」を省略して「偏光フィルム30」と表記する場合もある。
【0127】
制御装置300がこのような制御を行うことによって、テーブル100は、図4(b)に示すように、ガラス基板10の貼り付け始端10aが、押さえロール240の押圧点Pに対向する位置で、かつ、上下方向基準位置hよりもz軸に沿って所定量Δhだけ下降した位置となる。ここでの「所定量Δh」というのは、偏光フィルム30の頭出し動作を行う際に、頭出しされた偏光フィルム30の先端部30aが、テーブル100上に載置されているガラス基板10に接触することを確実に防ぐことができる程度であればよく、例えば、数mm〜数10mm程度でよい。なお、この「所定量Δh」は、特に限定されるものではなく、適宜、最適な量に設定可能である。
【0128】
図4(b)に示すように、ガラス基板10の貼り付け始端10aが、押さえロール240の押圧点Pに対向する位置で、かつ、上下方向基準位置hよりもz軸に沿って所定量Δhだけ下降した位置となった状態で、制御装置300は、当該制御装置300が有するフィルム部材頭出し制御機能によって、偏光フィルム30の頭出し動作を行うようにフィーダー225を制御する。
【0129】
これにより、フィーダー225は、図4(c)に示すように、リリースフィルム40をクランパー226によってクランプして、当該リリースフィルム40を所定量だけリリースフィルム進行方向(矢印x方向)に進行させる。制御装置300がこのような制御を行うことによって、リリースフィルム40が剥がされた偏光フィルム30の先端部30aが、ガラス基板10の貼り付け始端10aに対向する位置に到達する。すなわち、偏光フィルム30の頭出し動作がなされる。但し、この時点では、テーブル100は、下降した状態となっているため、偏光フィルム30の先端部30aは、ガラス基板10の貼り付け始端10aに接触しない。なお、このような偏光フィルム30の頭出し動作を行う際には、制御装置300は、貼り付け/剥がし同期機構部221のクランパー221cに対し、リリースフィルム40のクランプを解除するように制御する。
【0130】
ここで、偏光フィルム30の頭出し動作を具体的に説明する。フィーダー225によってリリースフィルム40を所定量だけリリースフィルム進行方向(矢印x方向)に進行させると、剥がし部210によって偏光フィルム30からリリースフィルム40が剥がされて行くとともに、リリースフィルム40が剥がされた偏光フィルム30が、ガイド部材230のガイド面231を進行して行き、当該偏光フィルム30の先端部30aがガラス基板10の貼り付け始端10aに対向する位置に到達する(図4(c)参照。)。但し、この時点においては、テーブル100は、下降(退避)した状態にあるため、偏光フィルム30の進行方向先端部30aは、ガラス基板10の貼り付け始端10aには接触していない状態となっている。
【0131】
また、偏光フィルム30が、ガイド部材230のガイド面231を進行する際には、ガイド部材230のガイド面231は非粘着性表面加工が施されているため、リリースフィルム40が剥がされた偏光フィルム30がガイド部材230のガイド面231を進行して行く際に、偏光フィルム30の接着面がガイド部材230のガイド面231に付着することなく、偏光フィルム30をスムーズに進行させることができる。
【0132】
ところで、上記したような制御装置300によるフィーダー225に対する制御は、カメラ250からの撮影画像データに基づいて行われる。制御装置300によるフィーダー225に対する制御の一例としては、前述したように、制御装置300は、カメラ250からの撮影データに基づいて、現時点において貼り付け対象となっている偏光フィルム30(第1偏光フィルム30)の後端部30b(切れ目C1)の位置を監視し、当該後端部30b(切れ目C1)の位置が目標位置に到達するまで、フィーダー225を動作させる。これにより、偏光フィルム30の先端部30aがガラス基板10の貼り付け始端10aに到達する。このように、偏光フィルム30の先端部30aがガラス基板10の貼り付け始端10aに到達すると、制御装置300はフィーダー225に対して、リリースフィルム40のクランプを解除させるように制御する。これによって、フィーダー225は初期状態の位置に復帰する。
【0133】
フィーダー225がリリースフィルム40をリリースフィルム進行方向に進行させると、ダンサーロール222は、フィーダー225が移動した分だけ下降する動作を行う。このようなダンサーロール222を設けることによって、フィーダー225による偏光フィルム30の供給動作(頭出し動作)と、巻き取りロール(図示せず。)によるリリースフィルム40の巻き取り動作とは同期をとる必要はなく、それぞれの動作を独立して行うことができる。巻き取りロール(図示せず。)によるリリースフィルム40の巻き取り動作は、ダンサーロール222の下降量が所定量に達した場合に行うようにすればよい。
【0134】
なお、ダンサーロール222は、フィーダー225による偏光フィルム30の頭出し動作時だけでなく、偏光フィルム30の貼り付け動作時においても機能する。すなわち、偏光フィルム30の貼り付け動作時においても、テーブル100が移動する動作と、巻き取りロールによるリリースフィルムの巻き取り動作とは同期をとる必要はなく、それぞれの動作を独立して行うことができる。例えば、偏光フィルム30の貼り付け動作時においては、巻き取りロールによるリリースフィルムの巻き取り動作は、偏光フィルム30の貼り付け動作が終了して、クランパー221cがリリースフィルム40のクランプを解除した後の所定のタイミングで行えばよい。
【0135】
図4(a)〜図4(c)の動作が終了すると、続いて図5に示す動作を行う。
図5(a)はテーブル100が下降(退避)した位置から上下方向基準位置hにまで上昇した状態を示している。テーブル100が上下方向基準位置hにまで上昇すると、図5(a)に示すように、偏光フィルム30の先端部30aがガラス基板10の貼り付け始端10aに到達した状態となる。このようなテーブル100の上昇動作は、制御装置300によって行われる。
【0136】
このように、制御装置300は、偏光フィルム30の頭出し動作を行う際においては、テーブル昇降制御機能によって、テーブル100を上下方向基準位置hよりも下方向に一時的に下降(退避)させるように昇降機構を制御したのちに、フィルム部材頭出し制御機能によって、偏光フィルム30の頭出し動作を行うようにフィーダー225を制御する。そして、制御装置300は、テーブル昇降制御機能によって、偏光フィルム30の貼り付け動作が開始するまでの所定のタイミングでテーブル100を上下方向基準位置hにまで上昇させるように昇降機構を制御する。なお、「偏光フィルム30の貼り付け動作が開始するまでの所定のタイミング」としては、偏光フィルム30の頭出し動作が終了した直後又は偏光フィルム30の頭出し動作が終了するのとほぼ同じタイミングとすることが好ましい。
【0137】
このような制御を行うことによって、偏光フィルム30を高い精度で頭出しすることができ、それによって、偏光フィルム30の先端部30aを、ガラス基板10の貼り付け始端10aに高精度に到達させることができる。すなわち、リリースフィルム40が剥がされた偏光フィルム30には接着剤が塗布されているため、テーブル100が上下方向基準位置hにある状態で偏光フィルム30の頭出し動作を行うと、接着剤がガラス基板10に付着して偏光フィルム30の進行が妨げられてしまい、偏光フィルム30の先端部30aを、ガラス基板10の貼り付け始端10aに高精度に到達させることができないといった不具合が生じる可能性がある。このような不具合を防止するために、偏光フィルム30の頭出し動作を行う際においては、テーブル100を上下方向基準位置hよりも下方向に一時的に下降(退避)させた状態としている。
【0138】
以上のようにして、偏光フィルム30の頭出し動作(図4(c)参照。)がなされて、テーブル100が上下方向基準位置hにまで上昇すると(図5(a)参照。)、押さえロール240によって、偏光フィルム30の先端部30aをガラス基板10の貼り付け始端10aに押さえ付けるように押えロール240を移動(下降)させる。これにより、押さえロール240(第1押さえロール241及び第2押さえロール242)が下降して、第1押さえロール241の押圧点Pが、偏光フィルム30の先端部30aをガラス基板10の貼り付け始端10aに押さえ付けた状態となる(図5(b)参照。)。これにより、偏光フィルム30がガラス基板10の貼り付け始端10aに位置決めされた状態となる。なお、このとき、第2押さえロール242が第1押さえロール241を押圧した状態となっている。
【0139】
この図5(b)の状態(偏光フィルム30の先端部30aをガラス基板10の貼り付け始端10aに押さえ付けた状態)から、テーブル100を移動させることによって、偏光フィルム30の貼り付け動作が行われる。すなわち、図5(b)の状態から、テーブル100がx軸に沿って矢印x’方向(図示左方向)に移動して行くことによって、偏光フィルム30がガラス基板10の貼り付け始端10aを起点にして貼り付けられて行く(図5(c)参照。)。このとき、押さえロール240は偏光フィルム30を押さえ付けた状態を保持しているため、テーブル100が矢印x’方向(図示左方向)に移動して行くと、第1押さえロール241は時計方向に回転するとともに第2押さえロール242は反時計方向に回転しながら偏光フィルム30をガラス基板10に押さえ付けて行く。
【0140】
図5(b)から図5(c)に示すような偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際においては、貼り付け/剥がし同期機構部221が機能する。すなわち、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際においては、リリースフィルム40をテンション付与部としてのダンサーロール222と剥がし部210との間の所定位置でクランプし、当該クランプした位置と剥がし部210との間で、偏光フィルム30の貼り付け動作に能動的に同期させて偏光フィルム30からリリースフィルム40を剥がす動作(リリースフィルム40の剥がし動作)を行う。
【0141】
具体的には、テーブル100がx軸に沿って矢印x’方向(図示左方向)に移動して行くと、偏光フィルム(この場合、偏光フィルム30)がガラス基板10の貼り付け始端10aを起点にして貼り付けられて行く。このように、テーブル100がx軸に沿って矢印x’方向(図示左方向)に移動すると、リースフィルム40はテーブル100の移動に伴って、テーブル100の移動量と同じ移動量で剥がし部210から折り返し方向すなわちリリースフィルム進行方向(矢印x方向)に進行する。
【0142】
このように、貼り付け/剥がし同期機構部221は、偏光フィルム30をガラス基板10に貼り付けて行く動作(偏光フィルム30の貼り付け動作)を行う際においては、クランプした位置と剥がし部210との間で、第1偏光フィルム30の貼り付け動作に能動的に同期させてリリースフィルム40の剥がし動作を行う。
【0143】
貼り付け/剥がし同期機構部221の動作についてさらに説明する。貼り付け/剥がし同期機構部221は、前述したように、フィルム部材供給機構部200の側に設けられている第1折り返しロール221aと、テーブル100の側に設けられている第2折り返しロール221bと、クランパー221cとを有している。
【0144】
クランパー221cは、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際においては、リリースフィルム40をクランプする。このため、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際においては、クランパー221cによってリリースフィルム40をクランプした状態で、テーブル100がx軸に沿って矢印x’方向に移動すると、フィルム部材供給機構部200の側に取り付けられている第1折り返しロール221aの位置は変化せずに、テーブル100の側に取り付けられている第2折り返しロール221bが、テーブル100の移動とともに移動する。これにより、リリースフィルム40はテーブル100の移動により第2折り返しロール221bによって引っ張られて行き、リリースフィルム進行方向(矢印x方向)に進行する。
【0145】
このように、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際においては、リリースフィルム40がクランプされた状態となっているため、リリースフィルム40は、テンション付与部としてのダンサーロール222によるテンションから解放された状態となり、リリースフィルム40に加わるテンションはクランパー221cと剥がし部210との間のテンションのみとなり、この状態で、偏光フィルム30の貼り付け動作に同期してリリースフィルム40の剥がし動作が行われるため、リリースフィルム40に加わるテンションはわずかなものとなる。
【0146】
このため、テション付与部としてのダンサーロール222によってリリースフィルムに大きなテンションンが加わっているような構成であったとしても、リリースフィルム40は、ダンサーロール222によるテンションから解放された状態となり、リリースフィルム40にはそれほど大きなテンションは加わらないこととなる。
【0147】
これにより、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1によれば、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際においては、リリースフィルム40に加わるテンションを小さくすることができ、それによって、リリースフィルム40が剥がし部210の折り返し部211で擦れてしまうことによって、リリースフィルム40が破損してしまうことを抑制できる。また、フィルム部材貼り付け装置を長期間使用すると、リリースフィルムとの間の摩擦によって剥がし部210の折り返し部211も擦り減ってしまうといった問題もあるが、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1によれば、折り返し部211の擦り減りをも抑制できる。
【0148】
また、剥がし部210の折り返し部211が角部(この場合、くさび状)となっていることにより、偏光フィルム30からリリースフィルム40を剥がすときの剥がし動作(リリースフィルム40の剥がし動作)を確実に行うことができる。特に、剥がし部210の折り返し部211が例えばロールである場合に比べると、リリースフィルム40の剥がし動作をより確実に行うことができる。すなわち、折り返し部211がロールであると、偏光フィルム30からリリースフィルム40を剥がすときに、偏光フィルム30がリリースフィルム40とともにロールに巻き込まれてしまい、剥がし動作が確実に行えないといった不具合が発生する場合がある。このとき、ロールが大径であると、このような不具合の発生はより顕著なものとなる。
【0149】
実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、上記した不具合を解消するために、剥がし部210の折り返し部211を角部としている。それによって、上記した不具合を解消することができ、確実な剥がし動作が可能となる。但し、剥がし部210の折り返し部211が角部となっていることによって、リリースフィルム40が擦り易くなってリリースフィルム40が破損し易いといった課題があるが、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1においては、貼り付け/剥がし同期機構部221を設けることによって、このような課題を解消できる。また、リリースフィルム40が剥がし部210の折り返し部211で擦れることにより折り返し部211が擦り減り易いといった課題も解消できる。
【0150】
なお、偏光フィルム30の頭出しを行う際は、貼り付け/剥がし同期機構部221は機能しないが、偏光フィルム30の頭出しを行う際においては、偏光フィルム30の頭出し動作を行うに必要なだけリリースフィルム40を進行させればよいため、リリースフィルム40の進行量はわずかである。このため、リリースフィルム40に加わる負荷を小さくでき、リリースフィルムを破損させたり、折り返し部211を擦り減らしたりするおそれは少ない。また、偏光フィルム30の頭出しを行う際は、リリースフィルム40はフィーダー225によってクランプされた状態となっているため、この場合も、リリースフィルム40に加わるテンション付与部(ダンサーロール222)によるテンションは解放されたものとなっている。これによっても、偏光フィルム30の頭出しを行う際は、リリースフィルム40に加わる負荷を小さくできる。
【0151】
一方、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う場合には、リリースフィルム40の進行量も多く、かつ、偏光フィルム30の先端部30aを押さえロール240で押さえた状態でリリースフィルムを剥がすため、リリースフィルム40に加わる負荷が大きくなる。特に、偏光フィルム30のサイズ(進行方向に沿ったサイズ)が大きいとリリースフィルム40の進行量が多くなり、リリースフィルム40に加わる負荷がより大きくなる。このような場合、貼り付け/剥がし同期機構部221を設けることによって、リリースフィルム40に与えるテンションを小さく抑えることができ、リリースフィルム40に与える負荷を小さくできる。それによって、リリースフィルム40の破損を抑制することができる。また、折り返し部211の擦り減りをも抑制することができる。
【0152】
ところで、図5(c)に示すようなフィルム部材貼り付け動作が終了すると、テーブル100は初期位置に復帰するが、テーブル100が初期位置に復帰する際には、クランパー221cによるリリースフィルム40のクランプを解除する。そして、テーブル100が図5(c)に示す状態からが矢印x’方向にさらに移動すると、当該テーブル100は、図4(a)の位置(初期状態と同じ位置)に戻る。これにより、ガラス基板10(第1ガラス基板10)に対する偏光フィルム30(第1偏光フィルム30)の貼り付け工程が終了し、続いて、次のガラス基板(第2ガラス基板10とする。)に対する偏光フィルム(第2偏光フィルム30)の貼り付け工程を行う。
【0153】
第2ガラス基板10に対する第2偏光フィルム30の貼り付け工程を行うには、第1偏光フィルム30の貼り付け工程が終了した第1ガラス基板10をテーブル100から取り外して、当該テーブル100に第2ガラス基板10を載置して、図4(a)〜図4(c)及び図5(a)〜図5(c)の工程を行う。このような工程を繰り返すことにより、個々のガラス基板に偏光フィルムを順次貼り付けて行くことができる。
【0154】
以上説明したように、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1によれば、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際においては、貼り付け/剥がし同期機構部221によって、偏光フィルム30の貼り付け動作に能動的に同期させてリリースフィルム40の剥がし動作を行うようにしている。
【0155】
このため、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際においては、リリースフィルム40に加わるテンションを小さくすることができ、それによって、リリースフィルム40が剥がし部210の折り返し部211で擦れてしまうことによって、リリースフィルム40が破損してしまうことを抑制できる。また、折り返し部211の擦り減りをも抑制できる。また、剥がし部210の折り返し部211が角部となっていることにより、リリースフィルム40の剥がし動作を確実に行うことができる。
【0156】
また、剥がし部210の前方側には、偏光フィルム30の進行をガイドするガイド部材230が設けられている。当該ガイド部材230のガイド面231には、非粘着性表面加工が施されているため、偏光フィルム30接着面がガイド部材230のガイド面231に付着してしまうことを防止でき、偏光フィルム30をガイド部材230のガイド面231でスムーズに進行させることができる。
【0157】
また、ガイド部材230は、当該ガイド部材先端部232がエッジとなっているため、当該ガイド部材先端部232とガラス基板10の貼り付け始端10aとの間隔を可能な限り狭くすることができるとともに、ガイド部材先端部232とガラス基板10の貼り付け始端10aとの間の段差を可能な限り小さくできる。
【0158】
これにより、偏光フィルム30の先端部30aがガラス基板10の貼り付け始端10aに到達するまでの距離を短くすることができ、偏光フィルム30が貼り付け始端10aに到達するまでの間において、自重によって撓んでしまうといったことを防止できる。それによって、ガイド面231を進行する偏光フィルム30の先端部30aをガラス基板10の貼り付け始端10aに高い精度で到達させることができる。
【0159】
また、ガイド部材230は、当該ガイド面231の延長上にガラス基板10の貼り付け始端10aが位置するように設置されているため、これによっても、ガイド面231を進行する偏光フィルム30の先端部30aをガラス基板10の貼り付け始端10aに高い精度で到達させることができる。
【0160】
また、ガイド部材230は、ステンレス鋼などの金属によって形成されており、当該ガイド部材230のガイド面231には、導電性かつ非粘着性表面加工が施されており、当該ガイド面231は電気的に接地(アース)されている。このため、偏光フィルム30に静電気が帯電した場合であっても、偏光フィルム30に帯電した静電気を除去できる。この観点でいえば、ガイド部材230は、静電気除去部材ともいえる。このように、ガイド部材230が静電気除去部材であることにより、偏光フィルム30に埃やゴミなどが付着しにくくなるとともに、偏光フィルム30を被貼り付け部材としてのガラス基板10に貼り付ける動作を行う際に、高い精度でフィルム部材をガラス基板10に貼り付けることができる。また、偏光フィルム30が貼り付けられたガラス基板10を次の工程に送る際に、静電気が帯電したままの状態で次の工程に送られてしまうことを防ぐことができる。
【0161】
また、偏光フィルム30の頭出し動作を行う際においては、テーブル100を上下方向基準位置hよりも下方向に一時的に退避させた状態とし、第1偏光フィルム30の頭出し動作が終了した直後のタイミング又は第1偏光フィルム30の頭出し動作が終了するのとほぼ同じタイミングで、テーブル100を上下方向基準位置hに復帰させるようにしている。これにより、偏光フィルム30を高い精度で頭出しすることができる。
【0162】
また、押さえロール240は、偏光フィルム30に接触する側に位置する小径の第1押さえロール241と当該第1押さえロール241の押圧力をバックアップするための大径の第2押さえロール242によって構成されている。
【0163】
押さえロール240がこのような構成となっていることにより、ガイド部材先端部232とガラス基板10の貼り付け始端10aとの間隔が狭くても、第1押さえロール241が小径であることからガイド部材230に接触することなく、偏光フィルム30を押さえ付けることができる。また、第2押さえロール242が第1押さえロール241の反りを防ぐ役目もなすことから、偏光フィルム30を幅方向(押さえロール240の回転軸に沿った方向)全体に渡って均一な押圧力で確実に押さえ付けることができる。
【0164】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0165】
(1)上記実施形態においては、第1押さえロールの径を10mm程度とした場合を例示したが、第1押さえロールの径は必ずしも10mm程度とする必要はなく、ガイド部材先端部232とガラス基板10の貼り付け始端10aとの間隔dなどに応じて最適な径とすることができる。
【0166】
(2)上記実施形態においては、ガイド部材230は、3角形のブロック状のものを採用した場合を例示したが、ガイド部材230の形状は限定されるものではなく、リリースフィルム40が剥がされた偏光フィルム30の先端部30aが、テーブル100に載置されたガラス基板10の貼り付け始端10aに向かって進行させることができればよく、例えば板状であってもよい。
【0167】
図6は、ガイド部材230を板状とした場合を説明するために示す図である。なお、図6図3(a)に対応するものであり、ガイド部材230材を板状とした点が異なるだけであり、その他の構成要素は図3と同じであるため、同一構成要素には同一符号が付されている。ガイド部材230を板状とした場合においても、ガイド部材先端部232は、図6に示すようにエッジとなっていることが好ましい。
【0168】
このようにすることで、偏光フィルム30の先端部30aをガラス基板10の貼り付け始端10aに高い精度で到達させることができる。なお、ガイド部材230を板状とした場合であっても、当該板状のガイド部材230のガイド面231は、導電性を有する非粘着性表面加工が施されており、当該ガイド面231は電気的に接地されている。これにより、実施形態に係るフィルム部材貼り付け装置1で使用したガイド部材230と同様の静電気対策が可能となる。また、ガイド部材230は、図6に示すような厚みを有する板状ではなく、板厚が例えば1mmから数mm程度の薄板状部材を用いてもよく、このような薄板部材であれば、ガイド部材先端部232は、おのずからエッジとなる。
【0169】
(3)上記実施形態においては、図4に示す偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際には、フィルム部材供給機構部200を固定とし、テーブル100をx軸に沿って往復移動させる場合を例示したが、テーブル100を固定し、フィルム部材供給機構部200を往復動させるようにしてもよい。
【0170】
具体的には、図4(a)の初期状態と同様にテーブル100にガラス基板10を載置した状態で、当該テーブル100の位置を固定しておく。そして、フィルム部材供給機構部200を図4における矢印x’方向(図示左方向に)に移動させて、図4(b)とほぼ同様の状態として、図4(c)及び図5(a)〜図5(c)の工程を行う。この場合、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際には、テーブル100を固定として、フィルム部材供給機構部200を矢印x方向に移動させる。このような動作を行うことによっても、上記実施形態と同様に偏光フィルム30をガラス基板10に貼り付けて行くことができる。
【0171】
また、偏光フィルム30の貼り付け動作は、テーブル100をx軸に沿って往復移動させる動作と、フィルム部材供給機構部200をx軸に沿って往復移動させる動作とを併用してもよい。このような動作を行うことによっても、上記実施形態と同様に偏光フィルム30をガラス基板10に貼り付けて行くことができる。この場合、貼り付け動作をより高速化できるといった効果も得られる。
【0172】
なお、テーブル100を固定して、フィルム部材供給機構部200を往復動させる場合においても、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際においては、貼り付け/剥がし同期機構部221を機能させることができる。この場合、偏光フィルム30の貼り付け動作を行う際においては、フィルム部材供給機構部200が矢印x方向に移動するが、このとき、第1折り返しロール221aもフィルム部材供給機構部200の移動とともに移動するが、テーブル100の側に設けられている第2折り返しロール221bの位置は変化しない。
【0173】
このため、リリースフィルム40はフィルム部材供給機構部200の移動とともに第1折り返しロール221aによって引っ張られて、偏光フィルム30からリリースフィルム40が剥がされて行きながら偏光フィルム30が進行して行く。この場合においても、クランパー221ccによってリリースフィルム40をクランプした状態で、偏光フィルム30の貼り付け動作に能動的に同期してリリースフィルム40の剥がし動作が行われることとなるため、偏光フィルム30からリリースフィルム40を剥がす際に、リリースフィルムに加わるテンション(張力)を小さくすることができる。
【0174】
また、テーブル100をx軸に沿って往復移動させる動作と、フィルム部材供給機構部200をx軸に沿って往復移動させる動作とを併用した場合にも、貼り付け/剥がし同期機構部を機能させることができる。
【0175】
(4)制御装置300によるフィーダー225に対する制御の他の例としては、偏光フィルム30の後端部30bの位置を監視し、当該偏光フィルム30の後端部30bの位置が、偏光フィルム30の後端部30bが目標とする移動量(目標移動量という。)だけ移動するまで、リリースフィルム40をリリースフィルム進行方向に進行させるというような制御としてもよい。これにより、偏光フィルム30の先端部30aを第1押さえロール241の押圧点Pに高い精度で到達させることができる。このような制御は、偏光フィルム30の後端部30bが所定位置からどれだけ移動させると当該偏光フィルム30の先端部30aが第1押さえロール241の押圧点Pに達するかを目標移動量として予め求めておくことにより、実施可能である。
【0176】
(5)上記実施形態においては、剥がし部は、先端折り返し部の角部がくさび状(鋭角)である場合を例示したが、くさび状(鋭角)であるあることに限定されるものではなく、例えば、ほぼ直角の角部であってもよい。
【0177】
(6)上記実施形態においては、偏光フィルム30の頭出し動作を行う際において、テーブル100を下降(退避)させる動作は、図4(b)の位置に移動したときに当該テーブル100を退避させるようにしたが、図4(a)の初期状態の段階でテーブル100を下降(退避)させた状態として、図4(b)の位置に移動させるようにしてもよい。
【0178】
(7)上記実施形態においては、液晶パネルに用いられる2枚のガラス基板(液晶層の表面側に設けられるガラス基板及び裏面側に設けられるガラス基板)のうちの一方の面に用いるガラス基板に偏光フィルムを貼付する場合について説明したが、他方の面に用いるガラス基板に偏光フィルムを貼付する場合もほぼ同様に実施できる。
【0179】
(8)上記実施形態においては、フィルム部材は、液晶パネルに用いられる偏光フィルムであるとし、被貼り付け部材は、液晶パネルに用いられるガラス基板であるとして、当該ガラス基板に偏光フィルムを貼り付けるためのフィルム部材貼り付け装置について説明したが、フィルム部材貼り付け装置としては、上記実施形態において説明したフィルム部材貼り付け装置に限られるものではなく、フィルム部材を被貼り付け部材に貼り付ける装置に広く適用できる。
【0180】
(9)上記実施形態においては、フィルム部材は長方形状としたが、フィルム部材の形状は長方形に限られるものではなく、正方形であってもよく、また、長方形及び正方形(矩形)に限られるものではない。
【0181】
(10)上記実施形態においては、第1押さえロール241及び第2押さえロール242は、第1押さえロール241を第2押さえロール242に比べて小径としたが、第2押さえロール242がバックアップロールとして機能できれば、第1押さえロール241及び第2押さえロール242を同じ径としてもよい。
【0182】
(11)上記実施形態においては、押さえロール240は、2個の押さえロールを2段重ねした構成とした場合を例示したが、2個に限られるものではなく、3個以上の押さえロールを重ねた構成としてもよい。
【0183】
(12)上記実施形態においては、ガイド部材230のガイド面231は、ガイド部材230、支持部材(図示せず。)及びステージ50を介して電気的に接地(アース)するようにしたが、当該ガイド面231又はガイド部材230に接地(アース)用のリード線を接続して当該ガイド部材を直接的に接地(アース)するようにしてもよい。
【0184】
(13)上記実施形態においては、フィルム部材としては、液晶パネルに用いられる偏光フィルムとしたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、フィルム部材は、液晶パネルに用いられる保護フィルムであってもよく、また、電子機器に用いられる電磁波シールドフィルムであってもよい。また、上記実施形態においては、被貼り付け部材は、液晶パネルに用いられるガラス基板としたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、液晶パネルに用いられる合成樹脂基板(合成樹脂フィルムも含む。)であってもよい。また、液晶パネル以外(例えば、有機ELパネル又はその他のディスプレイ)に用いられるガラス基板や合成樹脂基板(合成樹脂フィルムも含む。)であってもよい。また、ディスプレイ以外(例えば、電子機器など)に用いられる電子回路基板であってもよい。
【0185】
(14)上記実施形態においては、ガイド部材230のガイド面231に、導電性を有する非粘着性表面加工を施すための処理として、「トシカル(登録商標)Sコーティング加工」と呼ばれる表面加工の技術を採用し、そのようなコーティング加工を、トシカル(登録商標)S、UNA―300シリーズ(UNA―310−X10)、UNA―800シリーズ、TS−1000シリーズ、TS−1080シリーズ、TS−1310シリーズのものを好適に用いることができるとしたが、本発明はこれに限られるものではない。また、トシカル(登録商標)Sのコーティング被膜の膜厚は、例えば、1μm〜200μm、好ましくは3μm〜150μmのものを好適に用いることができるとしたが、本発明はこれに限られるものではない。また、トシカル(登録商標)Sのコーティング被膜を形成する前に、ガイド部材230のガイド面231に凹凸構造を形成しておいてもよい。この場合の凹凸構造の平均表面粗さとしては、2μm〜15μmのものを好適に用いることができるとしたが、本発明はこれに限られるものではない。
【0186】
(15)上記実施形態においては、貼り付け/剥がし同期機構部221が、偏光フィルム30の貼り付け動作に能動的に同期させてリリースフィルムの剥がし動作を行う際に、当該貼り付け/剥がし同期機構部221にクランパー221cを設けて、当該クランパー221cによってリリースフィルム40をクランプするようにしたが、当該クランパー221cを設けずに、当該フィーダー225のクランパー226を、偏光フィルム30の頭出し動作用としてだけでなく、貼り付け/剥がし同期機構部221における貼り付け/剥がし同期動作用としても用いることも可能である。この場合、貼り付け/剥がし同期動作を行う際には、当該フィーサー225のクランパー226によってリリースフィルム40をクランプする。このようにしても、リリースフィルム40はテンション付与部としてのダンサーロール222によるテンションから解放された状態となり、リリースフィルム40に加わるテンションを小さくできる。
【符号の説明】
【0187】
1・・・フィルム部材貼り付け装置、10・・・ガラス基板(被貼り付け部材)、10a・・・貼り付け始端、30・・・偏光フィルム(フィルム部材)、30a・・・先端部(進行方向先端部)、30b・・・後端部(進行方向後端部)、31・・・接着剤、40・・・リリースフィルム、50・・・ステージ、60・・・ガイドレール、100・・・テーブル、110・・・スライダー、120・・・テーブル本体部、200・・・フィルム部材供給機構部、210・・・剥がし部、211・・・折り返し部、220・・・リリースフィルム進行機構部、221・・・剥がし/貼り付け同期機構部、221a・・・第1折り返しロール、221b・・・第2折り返しロール、221c・・・クランパー、222・・・ダンサーロール(テンション付与部)、225・・・フィーダー、226・・・クランパー(フィーダー225のクランパー)、230・・・ガイド部材、231・・・ガイド面、232・・・ガイド部材先端部(ガイド部材の先端部)、240・・・押さえロール、241・・・第1押さえロール、242・・・第2押さえロール、250・・・カメラ、300・・制御装置、C1,C2,・・・切れ目、h・・・上下方向基準位置、P・・・押圧点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8