【課題】酸化マグネシウムに他の物質による処理を加えることなく、耐水性及び耐酸性を向上させた酸化マグネシウム粉末、その製造方法、熱伝導性樹脂組成物、熱伝導性グリス、及び熱伝導性塗料を提供する。
)が5〜100μm、MgOの純度が98質量%以上、Ca化合物の含有量がCaO換算で2質量%以下であり、純水に浸漬し、95℃で24時間静置した時に、水溶液中のマグネシウムイオンとカルシウムイオンとの質量比Ca/Mgが10以下であることを特徴とする酸化マグネシウム粉末である。
pH=3に制御された硫酸水溶液中に分散した時に、酸化マグネシウム粉末の50%当量に相当する硫酸が消費されるまでに1800秒以上の時間を要する請求項1又は2記載の酸化マグネシウム粉末。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.酸化マグネシウム粉末
本発明に係る酸化マグネシウム粉末は、メジアン径(D
50)が、5〜100μmの範囲内であり、10〜80μmの範囲内が好ましく、20〜60μmの範囲内がより好ましい。D
50が5μmを下回ると、樹脂に充填した時に粘度が上昇して取扱い性に劣る傾向にある。一方、D
50が100μmを超えると、粒子径が大きすぎるために樹脂に充填した時に外観を損なう場合がある。
【0013】
本発明に係る酸化マグネシウム粉末のMgOの純度は、98質量%以上であり、98〜99.9質量%が好ましい。また、酸化マグネシウム粉末のCa化合物の含有量がCaO換算の含有量で、2質量%以下であり、0.1〜2質量%が好ましい。
なお、酸化マグネシウム粉末のMgOの純度が98質量%以上であれば、Ca以外にもその他の元素や化合物を含んでもよく、例えば、Si、Al、Fe、Bなどを含んでもよい。これらの含有量は、通常酸化物換算で表される。
【0014】
酸化マグネシウム粉末の粒子形状は、特に制限はないが、円形度が0.75以上のものが好ましい。このような形状のものは、樹脂に充填した時の流動性が良くなり、樹脂に高充填しやすくなるため、高い熱伝導率を得やすい。
【0015】
また、酸化マグネシウム粉末のBET比表面積は、0.01〜1m
2/gが好ましく、0.1〜0.5m
2/gがより好ましい。BET比表面積がこの範囲であれば、樹脂に高充填しやすくなるため、高い熱伝導率を得やすい。
【0016】
また、本発明に係る酸化マグネシウム粉末は、純水に浸漬し、95℃で24時間静置した時に、水溶液中に溶出したマグネシウムイオンとカルシウムイオンとの質量比Ca/Mgが10以下である。なお、本明細書において、「純水に浸漬し、95℃で24時間静置した時」とは、後述する実施例に記載した方法と同様の方法で測定した場合と定義する。本発明の酸化マグネシウム粉末に含まれる酸化マグネシウムとCa化合物とを比較すると、Ca化合物は水に溶けやすく、酸化マグネシウムは水に溶けにくい傾向となるため、水溶液中に存在するマグネシウムイオンとカルシウムイオンとの質量比Ca/Mgが小さいほど、酸化マグネシウム粉末表面に存在するCa化合物が少ないといえる。マグネシウムイオンとカルシウムイオンとの質量比Ca/Mgは、10以下であり、6以下が好ましく、6〜1がより好ましい。
【0017】
また、本発明に係る酸化マグネシウム粉末は、温度85℃及び湿度85%で48時間保持した後の下記式(1)で示される質量増加率が2%以下であることが好ましい。本明細書において、「温度85℃及び湿度85%で48時間保持」とは、後述する実施例に記載した方法と同様の方法で保持することと定義する。質量増加率がこの範囲であれば、耐水性が十分であるといえる。
質量増加率=((保持後の酸化マグネシウム粉末の質量−保持前の酸化マグネシウム粉末の質量)/保持前の酸化マグネシウム粉末の質量)×100(%) ・・式(1)
【0018】
さらに、本発明に係る酸化マグネシウム粉末は、pH=3に制御された硫酸水溶液中に分散した時に、酸化マグネシウム粉末の50%当量に相当する硫酸が消費されるまでに1800秒以上の時間を要することが好ましい。硫酸の消費時間がこの範囲であれば、耐酸性に優れた酸化マグネシウム粉末であるといえる。なお、本明細書において、耐酸性の具体的な評価の方法は、後述する実施例に記載した方法と同様の方法と定義する。
【0019】
2.酸化マグネシウム粉末の製造方法
本発明の酸化マグネシウム粉末は、原料であるマグネシアクリンカーを粉砕する粉砕工程と、その後研磨工程及び分級工程を経ることで製造することができる。以下、本発明の製造方法について説明する。
【0020】
(0)原料調製
原料となるマグネシアクリンカーは、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩を焼成して熱分解する方法などにより製造することができる。水酸化マグネシウムとしては、海水中のマグネシウム塩と水酸化カルシウムとの反応で沈殿したものなどを使用することができる。また、炭酸マグネシウムとしては、マグネサイト鉱石などを使用することができる。水酸化マグネシウムや炭酸マグネシウムの焼成条件としては特に制限はなく、一般的には焼成温度は1300℃以上、好ましくは1300〜2800℃、より好ましくは1400〜2400℃の範囲内、焼成時間は10分間〜10時間の範囲内である。
【0021】
マグネシアクリンカーの純度は、98質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることがより好ましく、99.5質量%以上であることが特に好ましい。酸化マグネシウム原料に含まれる不純物としては、カルシウム化合物、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、鉄化合物、ホウ素化合物などを挙げることができる。これらの不純物は、固溶体としてMgO結晶中に固溶している他、MgOの結晶粒子と結晶粒子との境界に粒界相として存在している。そのため、マグネシアクリンカーを粉砕した場合、粒子の一部に粒界相が付着した不均一な粒子となってしまう場合がある。また、マグネシアクリンカーの粉砕粉が水や酸と接触した場合、この付着した粒界相が反応の起点となり、耐水性や耐酸性が低下することになると考えられる。そこで、本発明においては、マグネシアクリンカーを粉砕した酸化マグネシウム粉末の表面を研磨し、粒界相として存在している不純物を取り除くことで、耐水性と耐酸性を改善しようとするものである。なお、マグネシアクリンカーの純度が98質量%を下回ると、マグネシアクリンカー中における粒界相が占める割合が大きくなり、表面の研磨で取り除くことが難しくなる。
【0022】
マグネシアクリンカーを構成する酸化マグネシウムの結晶径は、5〜200μmであることが好ましく、15〜150μmであることがより好ましく、30〜100μmであることが特に好ましい。結晶径が小さすぎると、粉砕して酸化マグネシウム粉末となった際に粒子表面に粒界相が露出する割合が小さくなり、研磨により十分取り除くことが難しくなるほか、比表面積が大きくなり樹脂への充填性、耐水性や耐酸性に悪影響を与える場合がある。また、結晶径が大きすぎると、粉砕して酸化マグネシウム粉末とした際に粒界相部分が遍在するため研磨により粒界相以外の部分も削られる割合が大きくなり非効率である。
【0023】
(1)粉砕工程
粉砕工程は、マグネシアクリンカーを粉砕することで酸化マグネシウム粉末を得る工程である。粉砕は、被粉砕物であるマグネシアクリンカーの性状や、得られる酸化マグネシウム粉末に求める性状に合わせて適宜選択することができる。例えば、ロールクラッシャー、ジョークラッシャーなどの破砕装置、転動ボールミル、振動ボールミルなどの粉砕装置を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることで酸化マグネシウム粉末を得ることができる。粉砕工程で得られた酸化マグネシウム粉末のD
50は、後の研磨工程で使用する装置に好適なサイズを適宜選択することができるが、5μm〜300mmが好ましい。
【0024】
(2)研磨工程
粉砕工程は、粉砕工程で得られた酸化マグネシウム粉末を研磨することで粒子表面の粒界相を剥離させる工程である。研磨方法としては、粉砕工程で得られた酸化マグネシウム粉末の粒子同士の接触を利用した方法や、粉砕工程で得られた酸化マグネシウム粉末と砥石との接触を利用した方法などを挙げることができる。
【0025】
酸化マグネシウム粉末の粒子同士の接触を利用した方法には、気流式粉砕機による処理が有効であり、カウンター型ジェットミルや旋回流型ジェットミルなどが挙げられる。特に、旋回流型ジェットミルは、研磨効果だけでなく粉砕効果と分級効果による粒度調整効果も期待できることから有用である。気流式粉砕機による処理の場合、粉砕圧は、0.6〜0.7MPaが好ましい。
また、酸化マグネシウム粉末と砥石との接触を利用した方法には、高速回転する円形砥石に酸化マグネシウム粉末を接触させる方式の鋳物用砂再生装置による処理が有効であり、例えば、清田鋳機社製の鋳物用砂再生装置(製品名サンドフレッシャー)などが挙げられる。鋳物用砂再生装置による処理の場合、円形砥石の回転周速は、30〜50m/sが好ましく、研磨滞留時間は5分〜1時間が好ましい。
【0026】
(3)分級工程
分級工程は、研磨工程で得られた酸化マグネシウム粉末を分級することで、剥離した不純物成分の微粉を取り除き、加えて好ましい粒度分布とするための工程である。分級方法は、特に限定されず、振動篩、風力分級機、サイクロン式分級機などを単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
3.熱伝導性樹脂組成物、熱伝導性グリス、及び熱伝導性塗料
本発明の酸化マグネシウム粉末は、熱伝導性樹脂組成物における熱伝導性フィラーとして、樹脂に充填して樹脂組成物の熱伝導性を高めることができる。
【0028】
熱伝導性樹脂組成物に配合される樹脂の種類としては、用途などに応じて適宜設定することができるが、例えば、オレフィン樹脂やポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂でもよく、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂でもよい。各成分の配合量は、熱伝導性樹脂組成物の全質量を100質量%としたときに、酸化マグネシウム粉末が1〜90質量%、樹脂が10〜99質量%であることが好ましい。酸化マグネシウム粉末の配合量が1質量%を下回ると、得られる樹脂組成物の熱伝導率が低くなりやすい。また、酸化マグネシウム粉末の配合量が90質量%を上回ると、酸化マグネシウム粉末の割合が高くなるため製造コストが上がるほか、樹脂特性に悪影響を及ぼしやすくなる。
【0029】
熱伝導性樹脂組成物は、樹脂と酸化マグネシウム粉末とを公知の方法で混合することで製造することができる。また、得られた熱伝導性樹脂組成物は、押出成形など公知の方法で成形し、所望の形状に加工することができる。
【0030】
また、樹脂と酸化マグネシウム粉末を混合する際の分散性、混合性、得られた樹脂組成物の機械特性などを改善する目的で酸化マグネシウム粉末を表面処理してから用いてもよい。表面処理に用いることができる化合物として、ビニル基、フェニル基、アミノ基などを有するシランカップリング剤や、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸、ステアリン酸ナトリウムなどの界面活性剤などを用いることができる。これらの表面処理剤はあらかじめミキサーなどで酸化マグネシウム粉末と混合して表面処理してもよいし、樹脂との混練時に混合するインテグラルブレンドにて行ってもよい。
【0031】
熱伝導性樹脂組成物は、各種物品に適用することができるが、特に高い熱伝導率と耐湿性が求められる物品に対して好適に使用することができる。このような物品としては、例えば自動車分野では、ランプソケット、各種電装部品などを挙げることができる。また、電子機器分野では、ヒートシンク、ダイパッド、プリント配線基板、半導体パッケージ用部品、冷却ファン用部品、ピックアップ部品、コネクタ、スイッチ、軸受け、ケースハウジングなどを挙げることができる。
【0032】
また、本発明の酸化マグネシウムは、高い耐水性と耐酸性を有するため、電子部品の発熱部と冷却部品との間に充填または塗布されることによって電子部品の発熱を冷却部品へと伝達する熱伝導性グリス、及び熱伝導性塗料の熱伝導性フィラーとして好適に用いることができる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではなく、また、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0034】
まず、本実施例で用いた評価方法を示す。
[MgO純度の測定]
MgOの純度は、JIS R2212−4に従い、CaO、SiO
2、Fe
2O
3、Al
2O
3、B
2O
3の含有量を定量した後、差数法により全体から5成分の含有量を差し引いて求めた。
【0035】
[メジアン径(D
50)]
メジアン径(D
50)は、マイクロトラック・ベル株式会社の粒子径分布測定装置MT3300EX型を用いて測定した。
【0036】
[BET比表面積]
BET比表面積は、ユアサイオニクス株式会社製モノソーブを用いて、前処理として180℃で10分間脱気後、BET1点法にて測定した。
【0037】
[円形度]
円形度は、株式会社セイシン企業製粒子形状評価装置PITA−3を用いて、0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液に酸化マグネシウム粉末を分散させて測定した。
【0038】
[耐水性(吸湿性)]
酸化マグネシウム粉末20gをガラス製秤量瓶に入れて秤量し、温度85℃及び湿度85%の恒温恒湿槽中で48時間保持した。その後、恒温恒湿槽から取り出し、酸化マグネシウム粉末の質量を秤量し下記式により重量増加率を求めた。
質量増加率=((保持後の酸化マグネシウム粉末の質量(g)−保持前の酸化マグネシウム粉末の質量(20g))/保持前の酸化マグネシウム粉末の質量(20g))×100(%)
【0039】
[耐酸性]
電位差自動滴定装置(京都電子工業製AT−510型)を用い、酸化マグネシウム粉末を超純水に分散した酸化マグネシウム懸濁液を0.05mol/Lの硫酸を滴下することでpH=3に保持し、硫酸の滴定量を硫酸消費量とし硫酸消費量が酸化マグネシウム粉末の50%当量に到達するために要した時間により耐酸性を評価した。
まず、ブランクとして超純水100mLを測定し、続いて酸化マグネシウム粉末50mgを超純水100mLに分散させた懸濁液についても同様に測定した。酸化マグネシウム懸濁液の硫酸消費量からブランクでの硫酸消費量を差し引き、酸化マグネシウム粉末が消費した硫酸の量を求めた。消費した硫酸量が酸化マグネシウムの50%当量に達した時間により耐酸性を評価した。
【0040】
[溶出イオンの抽出試験方法]
酸化マグネシウム粉末40gを500mLのポリプロピレン製容器に計り取り、続けて純水400mLを投入して密栓した後、あらかじめ95℃に保持した熱風循環式乾燥機の中に静置した。1時間後ボトルの栓を緩め、内部の圧を抜いた後、再度密栓して95℃の熱風循環式乾燥機に静置し、さらに23時間合計で24時間加温静置した。室温まで冷却した後にろ過して濾液に含まれるイオン量を、ICPとイオンクロマトグラフにより分析した。
【0041】
[流動性]
流動性は、液状エポキシ樹脂(三菱化学製828EL)と50体積%の酸化マグネシウム粉末とを混合した混合物5gを鏡面研磨したステンレス板で挟み、小型熱プレス機(アズワン株式会社製、型番AH−2003C、冷却機能付き)にて50℃、10MPaまで加圧圧延したときの延伸直径を測定して流動性の評価とした。
【0042】
(実施例1)
宇部マテリアルズ株式会社製マグネシアクリンカーUBE995S(MgO純度99.5%、平均結晶径37μm)をマキノ製ロールクラッシャーMRCA−0型にて1mm以下になるように破砕した後、セイシン企業製旋回流型ジェットミルSTJ−200型にて、送入量10kg/h、粉砕圧0.65MPaにて粉砕及び研磨処理をし、1μm〜1mmの間に分布を持つメジアン径(D
50)が37μmの酸化マグネシウム粉末を得た。この酸化マグネシウム粉末を目開き45μmで篩別し、風力分級機にて5μm以下の粉末を除去し、粗粉側を回収して実施例1に係る酸化マグネシウム粉末を得た。
【0043】
(実施例2)
宇部マテリアルズ株式会社製マグネシアクリンカーUBE995S(MgO純度99.5%、平均結晶径37μm)をマキノ製ロールクラッシャーMRCA−0型にて1mm以下になるように破砕した後、中央化工機製振動ミルCH−20型で粉砕することで1μm〜1mmの間に分布を持つメジアン径(D
50)が54μmの酸化マグネシウム粉末を得た。この酸化マグネシウム粉末を清田鋳機製鋳物用砂再生装置サンドフレッシャーBR305型を用いて円形砥石の回転周速40m/sで10分間研磨処理をした。酸化マグネシウム粉末を目開き45μmで篩別し、風力分級機にて5μm以下の粉末を除去し、粗粉側を回収して実施例2に係る酸化マグネシウム粉末を得た。
【0044】
(実施例3)
研磨処理時間を20分間にした以外は、実施例2と同様にして実施例3に係る酸化マグネシウム粉末を得た。
【0045】
(比較例1)
研磨処理を行わなかった以外は、実施例2と同様にして比較例1に係る酸化マグネシウム粉末を得た。
【0046】
[評価結果]
表1に、MgO純度の測定結果を示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表2に、メジアン径(D
50)、BET比表面積、円形度の結果を示す。
【0049】
【表2】
【0050】
表2より、分級操作によって、全てのサンプルでほぼ同じメジアン径をもつ酸化マグネシウム粉末が得られていることが分かる。比表面積は、研磨が進むほど低下することが確認され、併せて円形度より、研磨が進むことで角がとれ円形度が向上していることが確認できた。
【0051】
表3に、吸湿性と耐酸性の結果を示す。
【0052】
【表3】
【0053】
表3より、比較例に対して実施例は、研磨処理を行うことで吸湿性が6割以上改善し、耐酸性も4割程度の改善が確認できた。メジアン径や比表面積がほぼ同等なのに対し、吸湿性や耐酸性が改善していることから、表面研磨による粒界相が除去された効果が確認できた。
【0054】
表4に、水溶液中のマグネシウムイオンとカルシウムイオンの測定結果とCa/Mg質量比を示す。
【0055】
【表4】
【0056】
表4より、粒子表面を剥離させた実施例では、溶出したマグネシウムイオンに対するカルシウムイオンの質量比Ca/Mgが10以下となっていることから、粒子表面のカルシウム化合物が除去された効果が確認できた。
【0057】
表5に、流動性の評価結果を示す。
【0058】
【表5】
【0059】
表5より、比較例に対して実施例は、流動性について、4割以上の改善が確認できた。