【解決手段】リポソーム化したレチノール、グリセリン、平均分子量が2000〜4200のポリエチレングリコールを配合することで、肌に十分なしっとり感を付与できるレチノールを配合したにもかかわらず、塗布後や乾燥後においてべたつき感を改善した化粧水組成物が得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、リポソーム化したレチノールを配合した化粧水が塗布時や乾燥後の皮膚に十分なしっとり感を付与できることを見出したが、塗布時や塗布乾燥後の皮膚にべたつき感が発生する使用感上の課題点が残ることが判明した。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされてものであり、その主な目的は、肌に十分なしっとり感を付与できる程度のレチノールを配合したにもかかわらず、塗布時や塗布乾燥後の皮膚において、べたつき感を感じない化粧水組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、リポソーム化したレチノールとグリセリンに加え、平均分子量が2000〜4200となる分子量分布を有するポリエチレングリコールを併用することにより,化粧水組成物の塗布時や塗布乾燥後の皮膚に、べたつき感を与ないにもかかわらず、しっとりした十分な保湿感を与えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下の1〜4項に記載の化粧水組成物を提供するものである。
項1.
下記のA、BおよびC成分を含有する化粧水組成物。
A レチノールを包含しているリポソーム
B グリセリン
C 平均分子量が2000〜4200のポリエチレングリコール
項2.
組成物全量に対してレチノールを0.01〜0.15質量%含有する、項1に記載の化粧水組成物。
項3.
組成物全量に対してポリエチレングリコールを0.1〜2質量%含有する、項1または2の何れか1項に記載の化粧水組成物。
項4.
さらに、トリメチルグリシンを含有する、項1〜3の何れか1項に記載の化粧水組成物。
【発明の効果】
【0009】
乾燥後にしっとり感を感じる保湿性を付与したにもかかわらず、塗布時や乾燥後のべたつき感を軽減させた化粧水組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明の化粧水組成物は、レチノールを包含しているリポソーム、グリセリンおよび平均分子量が2000〜4200の分子量分布を有するポリエチレングリコールを含有する化粧水組成物に関する。
【0012】
本発明の化粧水組成物は、「γ―オリザノールを包含しているリポソーム」を含む。ここにおいて、リポソームは脂質二重膜で形成される脂質小胞体といい、通常、リン脂質を主体とした脂質を十分量の水で水和することにより形成できる。リポソームは、一般的に脂質二重層の数に基づいて分類されており、多重膜リポソーム(MLV)と一枚膜リポソームに分類される。一枚膜リポソームは、そのサイズに応じて、更にSUV(small unilamella vesicle)、LUV(large unilamella vesicle)、GUV(giant unilamella vesicle)などに分類される。これらのうち何れでも使用できるが、本発明に最適なリポソームはMLVである。本発明で好ましく使用し得るリポソームの大きさ(外径)は、10〜1000nmであり、さらに好ましくは20〜600nm、最も好ましくは30〜200nmである。
【0013】
本発明でいう「包含している」とは、主として脂質二重膜で形成された脂質小胞体(リポソーム)の中に包含される物質が存在している状態を意味する。リポソーム膜に囲まれる空間に封入されている状態で存在することが好ましいが、リポソーム膜の構成成分とともに存在していてもよく、多重膜リポソームを構成する多重膜の間に存在していてもよく、リポソームを構成する脂質二重膜のうちの最も外側に位置する膜の表面に付着又は結合する形態で存在していても良く、それらの全てもしくは一部に存在しても良い。「γ―オリザノールを包含しているリポソーム」は本願において、「リポソーム化したγ―オリザノール」や単に「γ―オリザノールリポソーム」と表現することがある。
【0014】
本発明で使用するγ―オリザノールリポソームを構成するリン脂質はレシチンおよびその誘導体である。レシチンとしては、例えば、卵黄レシチン、大豆レシチン、ナタネレシチン、コーンレシチン、ひまわりレシチン、ピーナッツレシチンなどを1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができるがこれらに限定されない。本発明では、これらの誘導体である水素添加物を用いることがより好ましい。レシチンはホスファチジルコリン又は1,2−ジアシルグリセロール 3−ホスホコリンとも称され、一般的に、グリセロールの1位及び2位に脂肪酸が結合している。本発明では、上記例示のレシチンに加えて、1位及び2位の両方又は片方に炭素数12〜24の不飽和脂肪酸が結合しているレシチンを使用することが好ましく、1位に炭素数12〜24の飽和脂肪酸、2位に炭素数12〜24の不飽和脂肪酸が結合しているレシチンを使用することが特に好ましい。ここで、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸は直鎖状及び分枝状のいずれでもよい。好ましい不飽和脂肪酸としては、炭素数16〜18の不飽和脂肪酸を使用できる。特に2位にオレイン酸、リノール酸が多く結合したレシチンが好ましい。具体的には、卵黄レシチン、大豆レシチンおよびその水素添加処理物が好ましい。
【0015】
レチノールリポソームは、常法により製造することができる。例えば、所望量のレシチン及び必要に応じて所望量のステロールを、例えばエタノールなどの適当な有機溶媒で溶解し、減圧下に溶媒を除去し、膜脂質を作成後、これにレチノール含む溶液を添加して、例えば、1000〜3000rpm程度で2〜5分間程度撹拌して、リポソーム分散液を調製することにより、レチノールリポソームの分散液を得ることができる。
【0016】
また、この方法とは別に、所望量のレシチン及び必要に応じて所望量ステロールを少量のエタノールに溶解後、水溶液又は緩衝液に分散して予備乳化を行った後、高圧で分散させて脂質二重層を形成させてリポソーム分散液を調製することによってもレチノールリポソームの分散液を得ることができる。
【0017】
本発明のリポソームは、ステロールを含有させてもよい。ステロールとしては、コレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、デスモステロール、ジヒドロコレステロールなどの動物由来のステロール;β−シトステロール、カンペステロール、スティグマステロール、ブラシカステロール、エルゴステロール、エルゴスタディエノール、シトステロール、ブラシカステロールなどの植物由来のステロール(フィトステロール);チモステロール、エルゴステロールなどの微生物由来のステロール等が挙げられ、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも、コレステロール又はフィトステロールが好ましい。
【0018】
リポソームにおけるリン脂質とステロールのモル比は、55:45〜95:5程度が好ましく、60:40〜90:10程度がより好ましく、75:25〜85:15程度が最も好ましい。モル比がこれらの範囲にあるとリポソームを構成する脂質二重膜の安定性が向上する。なお、リン脂質又はステロールの含有量は既知の方法で測定できる。例えば、リン脂質の含有量はFiske−Subbarow法など、ステロールの含有量はHPLC、比色法などによって定量できる。
【0019】
前記の方法で調製されたレチノールリポソームは分散液として得られる。好ましいレチノールリポソーム分散液中における、レチノールおよびレシチンの含有量は、以下のとおりである。レチノールの含有量は好ましくは0.01〜0.5質量%程度、より好ましくは0.03〜0.2質量%程度、さらに好ましくは0.05〜0.15質量%程度。レシチンの含有量は、好ましくは1〜80質量%程度、より好ましくは3〜65質量%程度、さらに好ましくは5〜50質量%程度。なお、本発明の化粧水組成物には上記のレチノールリポソーム分散液を配合することでレチノールを包含しているリポソームを含有させることができる。レチノールリポソーム分散液は、組成物全量に対してレチノールの含有量が0.01〜0.15質量%の範囲になるように調整した配合量とする。組成物全量に対するγ―オリザノールの含有量としては、0.03〜0.15質量%がより好ましく、0.05〜0.1質量%が最も好ましい。
【0020】
本発明で使用するグリセリンは、組成物全量に対して1〜15質量%含有する。より好ましくは3〜12質量%であり、もっとも好ましくは4〜10質量%である。
【0021】
分子量が約1000を超えるポリエチレングリコールは単独の分子を分離することが困難なため、分子量に分布を有した混合物として製造されている。したがって、本発明で使用するポリエチレングリコールは、平均分子量が2000〜4200となる分子量分布を有する。ポリエチレングリコールの平均分子量は公知の方法を用いて測定することができる。例えば、ODSカラムを用いたグラジエントHPLCやゲル浸透クロマトグラフィーが挙げられる。ポリエチレングリコールの平均分子量は製造方法や精製方法によって種々のものが市販されている。本願発明においては平均分子量が2000〜4200のものが使用できるが、2800〜3800が好ましく、3000〜3600がより好ましく、3100〜3500がさらに好ましく、3100〜3400がもっとも好ましい。ポリエチレングリコールは組成物全量に対して0.1〜2質量%含有することが好ましいが、0.5〜1.5質量%がより好ましく、0.7〜1.3質量%がもっとも好ましい。
【0022】
本発明において、トリメチルグリシンを含有するとより好ましい。トリメチルグリシンは、組成部全量に対して0.1〜15質量%含有することが好ましく、0.5〜10質量%含有することがより好ましく、0.5〜5質量%含有することがさらに好ましく、0.5〜3質量%含有することが最も好ましい。
【0023】
本願発明の化粧水組成物には、上記化合物のほかに、本願発明の効果を損なわない範囲であれば、通常、皮膚外用組成物に使用できる成分を配合することができる。例えば、界面活性剤、加脂剤、シリコーン類、保湿剤、高分子類、紫外線吸収剤、金属封鎖剤、溶剤、pH調節剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、香料などが挙げられる。
【0024】
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤が挙げられる。これらのうち、ノニオン界面活性剤が好ましい。これらは1種または2種以上を配合することができる。
【0025】
アニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンステロールエーテルリン酸、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステロールエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル酢酸等が挙げられる。
【0026】
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(平均付加モル数20〜50モル)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数20〜50モル)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜50モル)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数20〜40モル)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜30モル)ベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数20〜40モル)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜50モル)2−オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜50モル)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜50モル)フィトステロールエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数20〜100モル)硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン(平均付加モル数5〜30モル)ポリオキシプロピレン(平均付加モル数5〜30モル)2−デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜50モル)ポリオキシプロピレン(平均付加モル数2〜30モル)セチルエーテルなどのエーテル型ノニオン界面活性剤;ポリオキシエチレン(平均付加モル数20〜40モル)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(平均付加モル数20〜60モル)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(平均付加モル数40〜60モル)モノステアレート、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜60モル)ソルビタンモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(平均付加モル数20〜40モル)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜80モル)グリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(平均付加モル数10〜30モル)グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、グリセリルモノオレート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルジイソステアレート、グリセリルモノエルケート、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンジオレート、ジグリセリンモノイソステアレート、ジグリセリンジイソステアレート、デカグリセリルモノラウレート、デカグリセリンペンタオレート、デカグリセリンペンタイソステアレート、デカグリセリンデカオレート、デカグリセリンデカイソステアレート、ショ糖モノステアレート,ショ糖モノパルミテート,ショ糖モノミリステート、ショ糖モノオレートなどのエステル型ノニオン界面活性剤;ポリオキシエチレン(平均付加モル数20〜30モル)メチルグルコシドなどのアルキルグルコシド型ノニオン界面活性剤などが挙げられる。
【0027】
加脂剤としては、油脂類、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油などが挙げられる。これらは1種または2種以上を配合することができる。
【0028】
油脂類としては、アボガド油、アマニ油、ツバキ油、アルモンド油、サザンカ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、キョウニン油、ブドウ油、グレープシード油、メドフォーム油、ホホバ油、オリーブ油、ヒマワリ油、ナタネ油、シナモン油、卵黄油、ゴマ油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、米胚芽油、コメヌカ油、カカオ脂、ヤシ油、月見草油、シア脂、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化ヒマシ油などが挙げられる。これらは1種または2種以上を配合することができる。
【0029】
ロウ類としては、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、還元ラノリン、POEラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。これらは1種または2種以上を配合することができる。これらは1種または2種以上を配合することができる。
【0030】
炭化水素としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、パラフィン、スクワラン、パラフィン、イソパラフィン、オクタン、デカン、ドデカン、イソドデカン、ヘキサデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。これらは1種または2種以上を配合することができる。
【0031】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、オレイン酸、12− ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、アラキドン酸等が挙げられる。これらは1種または2種以上を配合することができる。
【0032】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。これらは1種または2種以上を配合することができる。
【0033】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル等が挙げられる。これらは1種または2種以上を配合することができる。
【0034】
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン等が挙げられる。これらは1種または2種以上を配合することができる。
【0035】
保湿剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、平均分子量が3000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類;ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリスリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトースなどの糖類やその誘導体;デンプン分解糖還元アルコール等の糖アルコール;大豆タンパク加水分解物、小麦タンパク加水分解物、シルクタンパク加水分解物、カゼイン加水分解物、卵黄膜加水分解物、蛋白質加水分解物のカチオン化物、シリル化ポリペプチド、アシル化ポリペプチドなどの蛋白質加水分解物およびその誘導体;ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル等のポリオキシアルキレングリセリルエーテル;ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル等のポリオキシアルキレンジグリセリルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンヘキシレングリコールエーテル等のポリオキシアルキレングリコールエーテル;ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等のポリオキシアルキレンアルキルグルコシド;ポリオキシプロピレンソルビトールエーテル等のポリオキシアルキレンソルビトールエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;コハク酸ビスエトキシジグリコール、シクロへキサン−1,4−ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール等のジカルボン酸ビス(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)エステル;、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸および/又はその誘導体、ムコイチン硫酸、コラーゲン誘導体、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、海水、海洋深層水、キトサン誘導体、PCAソーダ、ジグリセリン(EO)PO付加物などが挙げられる。これらは1種または2種以上を配合することができる。
【0036】
高分子類としては、天然の水溶性高分子、半合成の水溶性高分子、合成の水溶性高分子や無機の水系高分子などが挙げられる。これらは1種または2種以上を配合することができる。
【0037】
天然の水溶性高分子としては、例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、アミロペクチン、プルラン、アガロース、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アミロース、等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子が挙げられる。
【0038】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子が挙げられる。
【0039】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、カチオン化ポリマー等が挙げられる。
【0040】
無機の水系高分子としては、例えば、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0041】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]安息香酸エチル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N− アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸ベンジル、パラメトキシ桂皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシ桂皮酸オクチル、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシ桂皮酸イソプロピル・ジイソプロピル桂皮酸エステル混合物等の桂皮酸系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルなどのウロカニン酸系紫外線吸収剤、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)-1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0042】
金属封鎖剤としては、例えば、アラニン、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、酒石酸、コハク酸、エデト酸、フィチン酸等が挙げられる。
【0043】
溶剤としては、例えば、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングルコール、1,3−ブチレングルコール、等の2価のアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価のアルコール、ペンタエリスリトール等の4価アルコール、キシリトール等の5価アルコール、ソルビトール、マンニトール等の6価アルコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体、エチレングリコールモノメチルエーテル等の2価のアルコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等の2価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の2価アルコールエーテルエステル、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモノアルキルエーテル等が挙げられる。
【0044】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、乳酸、酢酸、塩酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム等が挙げられる。これらは単独若しくは組合せて使用することができ、pH値の調整だけでなく、調整したpH値の緩衝目的でも使用できる。
【0045】
ビタミン類としては、例えば、VB2、VB6、VB12などのビタミンB類;アスコルビン酸やエリソルビン酸などのビタミンC類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールなどのビタミンE類;パントテン酸およびその誘導体等が挙げられる。
【0046】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0047】
防腐剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ウンデシレン酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸塩などの有機酸およびその誘導体、イソプロピルメチルフェノールなどのフェノール類、フェノキシエタノール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオールなどが挙げられる。
【実施例】
【0048】
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、以下特に断りのない限り「%」は「質量%」を示す。
【0049】
塗布時・塗布乾燥後における使用感の評価
表1の処方の化粧水組成物に関して、予め水素添加レシチン、プロピレングリコール、コレステロール、水とレチノールを混合し、常法を用いてリポソーム分散液(表1のIで示した部分)を調製した。別途、常法を用いてその他の成分を均一混合し得られた組成物に前記リポソーム分散液を添加し、均一とすることで化粧水組成物を調製した。得られた化粧水組成物に関して、専門パネル12名による乾燥後べたつき感の評価を実施した。評価は2つの被検体の使用感を相対的に判断する相対評価とした。なお、使用した表1のポリエチレングリコールは平均分子量が約3400の平均分子量を有するポリエチレングリコール、HCO−60はポリオキシエチレン(平均付加モル数60)硬化ヒマシ油である。
【0050】
【表1】
【0051】
評価の結果、8名(約67%)の評価者において平均分子量が約3400のポリエチレングリコールを含有する化粧水組成物の方が塗布乾燥後のべたつき感が改善されていると評価された。