【課題】軽薄短小化が可能なコイル部品を提供し、下面電極構造を容易に形成することができるコイル部品及び漏洩磁束を低減する遮蔽構造を容易に形成することができるコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品1000は、一方向に互いに向かい合う一面101と他面102及び一面と他面とを連結する壁面103〜106を有する本体100と、本体100に埋設された内部絶縁層と、互いに向かい合う本体の両端面101、102に形成され、面106まで延長されたリセスR1、R2と、本体の一面と向かい合う内部絶縁層の一面に互いに離隔配置され、リセスの内壁と底面に露出した第1及び第2引出部を含むコイル部200と、コイル部と連結されるようにリセスの内壁と本体の一面に沿って形成され、本体の一面に互いに離隔配置された第1外部電極300及び第2外部電極400と、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願で用いられた用語は、ただ特定の実施形態を説明するために用いられたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在を指定するものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性を予め排除するものではないことを理解しなくてはならない。また、明細書の全般にわたって、「上に」とは、対象部分の上又は下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準にして上側に位置することを意味するものではない。
【0015】
また、「結合」とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0016】
図面に示されている各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明は、必ずしも図示のものに限定されない。
【0017】
図面において、L方向は第1方向又は長さ方向、W方向は第2方向又は幅方向、T方向は第3方向又は厚さ方向と定義することができる。
【0018】
以下、本発明の実施形態によるコイル部品を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたって、同一又は対応する構成要素は、同一の図面番号を付与し、これに対して重複する説明は省略する。
【0019】
電子機器には、様々な種類の電子部品が用いられる。このような電子部品の間にはノイズ除去などのために、様々な種類のコイル部品が適切に用いられることができる。
【0020】
即ち、電子機器においてコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズGHz Bead、コモンモードフィルタ(Common Mode Filter)などに用いられることができる。
【0021】
第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態によるコイル部品を概略的に示す図である。
図2は本発明の第1実施形態によるコイル部品を下部側から見た様子を示す図である。
図3は
図2において一部構成を省略した様子を示す図である。
図4は
図1のI−I'線に沿った断面を示す図である。
図5は
図1のII−II'線に沿った断面を示す図である。
図6はコイル部を分解した様子を示す図である。
【0022】
図1〜
図6を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品1000は、本体100、内部絶縁層IL、リセスR1、R2、コイル部200、及び外部電極300、400を含む。
【0023】
本体100は、本実施形態によるコイル部品1000の外観をなし、内部にはコイル部200が埋設される。
【0024】
本体100は、全体的に六面体状に形成されることができる。
【0025】
本体100は、
図1を基準に、長さ方向Lに互いに向かい合う第1面101及び第2面102、幅方向Wに互いに向かい合う第3面103及び第4面104、厚さ方向Tに互いに向かい合う第5面105及び第6面106を含む。本体100の第1〜第4面101、102、103、104はそれぞれ、本体100の第5面105と第6面106とを連結する本体100の壁面に該当する。以下で本体の両端面は、本体の第1面101及び第2面102を意味し、本体の両側面は、本体の第3面103及び第4面104を意味することができる。
【0026】
本体100は、例示的に、後述する外部電極300、400が形成された本実施形態によるコイル部品1000が2.0mmの長さ、1.2mmの幅、及び0.65mmの厚さを有するように形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0027】
本体100は、磁性物質と樹脂を含むことができる。具体的に、本体100は、磁性物質が樹脂に分散された磁性複合シートを一層以上積層して形成されることができる。但し、本体100は、磁性物質が樹脂に分散された構造以外に、他の構造を有することもできる。例えば、本体100は、フェライトのような磁性物質からなることもできる。
【0028】
磁性物質はフェライト又は金属磁性粉末であることができる。
【0029】
フェライトは、例えば、Mg−Zn系、Mn−Zn系、Mn−Mg系、Cu−Zn系、Mg−Mn−Sr系、Ni−Zn系などのスピネル型フェライト、Ba−Zn系、Ba−Mg系、Ba−Ni系、Ba−Co系、Ba−Ni−Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトの少なくとも一つ以上であることができる。
【0030】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe−Si系合金粉末、Fe−Si−Al系合金粉末、Fe−Ni系合金粉末、Fe−Ni−Mo系合金粉末、Fe−Ni−Mo−Cu系合金粉末、Fe−Co系合金粉末、Fe−Ni−Co系合金粉末、Fe−Cr系合金粉末、Fe−Cr−Si系合金粉末、Fe−Si−Cu−Nb系合金粉末、Fe−Ni−Cr系合金粉末、Fe−Cr−Al系合金粉末の少なくとも一つ以上であることができる。
【0031】
金属磁性粉末は、非晶質又は結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末は、Fe−Si−B−Cr系非晶質合金粉末であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0032】
フェライト及び金属磁性粉末はそれぞれ、平均直径が約0.1μm〜30μmであることができるが、これに制限されるものではない。
【0033】
本体100は、樹脂に分散された2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質が異なる種類とは、樹脂に分散された磁性物質が平均直径、組成、結晶性、及び形状のいずれか一つによって互いに区別されることを意味する。
【0034】
樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独又は混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0035】
本体100は、後述するコイル部200を貫通するコア110を含む。コア110は、磁性複合シートがコイル部200の貫通孔に充填されることにより形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0036】
リセスR1、R2は、本体100の第1及び第2面101、102にそれぞれ形成され、それぞれ本体100の第6面106まで延長される。即ち、第1リセスR1は、本体100の第1面101に形成されて本体100の第6面106まで延長され、第2リセスR2は、本体100の第2面102に形成されて本体100の第6面106まで延長される。第1及び第2リセスR1、R2はそれぞれ、本体100の第5面105まで延長されない。即ち、リセスR1、R2は、本体100の厚さ方向に本体100を貫通しない。
【0037】
本実施形態の場合、リセスR1、R2は、本体100の幅方向に沿って本体100の第3及び第4面103、104まで延長される。即ち、リセスR1、R2は、本体100の幅方向全体に形成されたスリットであることができる。リセスR1、R2は、各コイル部品が個別化される前の状態であるコイルバーにおいて、各コイル部品を個別化する境界線のうち、各コイル部品の幅方向と一致する境界線に沿ってコイルバーの一面に先ダイシング(pre−dicing)を行うことにより形成されることができる。かかる先ダイシング(pre−dicing)は、後述する引出部231、232がリセスR1、R2の底面と内壁に露出するように深さが調節される。
【0038】
一方、リセスR1、R2の内壁とリセスR1、R2の底面も本体100の表面を構成する。但し、本明細書では説明の便宜のために、リセスR1、R2の内壁と底面を本体100の表面と区別する。
【0039】
内部絶縁層ILは本体100に埋設される。内部絶縁層ILは、後述するコイル部200を支持する構成である。
【0040】
内部絶縁層ILは、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂、又は感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、又はかかる絶縁樹脂にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁材料で形成されることができる。例えば、内部絶縁層ILはプリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build−up Film)、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imagable Dielectric)などの絶縁材料で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0041】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO
4)、タルク、泥、雲母粉、水酸化アルミニウム(AlOH
3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)
2)、炭酸カルシウム(CaCO
3)、炭酸マグネシウム(MgCO
3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO
3)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)、及びジルコン酸カルシウム(CaZrO
3)からなる群から選択された少なくとも一つ以上が用いられることができる。
【0042】
内部絶縁層ILが補強材を含む絶縁材料で形成される場合、内部絶縁層ILは、より優れた剛性を提供することができる。内部絶縁層ILがガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、内部絶縁層ILは、コイル部200の全厚を薄型化するのに有利である。内部絶縁層ILが感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成される場合、コイル部200を形成するための工程数が減少して生産費の節減に有利であり、微細なビアを形成することができる。
【0043】
コイル部200は本体100に埋設され、コイル部品の特性を発現する。例えば、本実施形態のコイル部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、コイル部200は、電気エネルギーを磁場の形態で貯蔵して出力電圧を維持することにより、電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。
【0044】
コイル部200は、コイルパターン211、212、引出部231、232、補助引出部241、242、及びビア221、222、223を含む。
【0045】
具体的に、
図1、
図4、及び
図5を基準に、本体100の第6面106と向かい合う内部絶縁層ILの下面に第1コイルパターン211、第1引出部231、及び第2引出部232が配置され、内部絶縁層ILの下面と向かい合う内部絶縁層ILの上面に第2コイルパターン212、第1補助引出部241、及び第2補助引出部242が配置される。内部絶縁層ILの下面において第1コイルパターン211は、第1引出部231と接触して連結され、第1コイルパターン211及び第1引出部231は、第2引出部232と離隔する。内部絶縁層ILの上面において第2コイルパターン212は、第2補助引出部242と接触して連結され、第2コイルパターン212及び第2補助引出部242は、第1補助引出部241と離隔する。第1ビア221は、内部絶縁層ILを貫通して第1コイルパターン211と第2コイルパターン212にそれぞれ接触し、第2ビア222は、内部絶縁層ILを貫通して第1引出部231と第1補助引出部241にそれぞれ接触し、第3ビア223は、内部絶縁層ILを貫通して第2引出部232と第2補助引出部242にそれぞれ接触する。これにより、コイル部200は、全体的に一つのコイルとしての機能を果たすことができる。
【0046】
第1コイルパターン211と第2コイルパターン212はそれぞれ、コア110を軸に少なくとも一つのターン(turn)を形成した平面螺旋状であることができる。例えば、第1コイルパターン211は、内部絶縁層ILの下面でコア110を軸に少なくとも一つのターン(turn)を形成することができる。
【0047】
リセスR1、R2は、第1引出部231と第2引出部232にそれぞれ延長形成される。これにより、第1引出部231は、第1リセスR1の底面と内壁にそれぞれ露出し、第2引出部232は、第2リセスR2の底面と内壁にそれぞれ露出する。リセスR1、R2の底面と内壁に露出した引出部231、232には、後述する外部電極300、400が形成されて、コイル部200と外部電極300、400とが連結される。
【0048】
リセスR1、R2の内壁と底面に露出した引出部231、232の一面は、引出部231、232の他の表面よりも表面粗さが高くてもよい。例えば、引出部231、232を電解めっきで形成した後、引出部231、232と本体100にリセスR1、R2を形成する場合、引出部231、232の一部はリセス形成工程で除去される。これにより、リセスR1、R2の内壁と底面に露出した引出部231、232の一面は、ダイシングチップの研磨のため、引出部231、232の残りの表面に比べて表面粗さが高く形成される。後述のように、外部電極300、400は薄膜で形成されるため、本体100との結合力が弱いが、外部電極300、400は、表面粗さが相対的に高い引出部231、232の一面と接触連結されるため、外部電極300、400と引出部231、232の間の結合力が向上することができる。
【0049】
引出部231、232と補助引出部241、242はそれぞれ、本体100の両端面101、102に露出する。即ち、第1引出部231は、本体100の第1面101に露出し、第2引出部232は、本体100の第2面102に露出する。また、第1補助引出部241は、本体100の第1面101に露出し、第2補助引出部242は、本体100の第2面102に露出する。これにより、第1引出部231は、第1リセスR1の内壁、第1リセスR1の底面、及び本体100の第1面101に連続的に露出し、第2引出部232は、第2リセスR2の内壁、第2リセスR2の底面、及び本体100の第2面102に連続的に露出する。
【0050】
コイルパターン211、212、ビア221、222、223、引出部231、232、及び補助引出部241、242の少なくとも一つは、少なくとも一つ以上の導電層を含むことができる。
【0051】
例えば、第2コイルパターン212、補助引出部241、242、及びビア221、222、223を内部絶縁層ILの他面側にめっきで形成する場合、第2コイルパターン212、補助引出部241、242、及びビア221、222、223はそれぞれ、無電解めっき層などのシード層と電解めっき層を含むことができる。ここで、電解めっき層は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、いずれかの一つの電解めっき層を他の一つの電解めっき層がカバーするコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されることもでき、いずれか一つの電解めっき層の一面にのみ他の一つの電解めっき層が積層された形状に形成されることもできる。第2コイルパターン212のシード層、補助引出部241、242のシード層、及びビア221、222、223のシード層は、一体に形成されて相互間に境界が形成されないが、これに制限されるものではない。第2コイルパターン212の電解めっき層、補助引出部241、242の電解めっき層、及びビア221、222、223の電解めっき層は、一体に形成されて相互間に境界が形成されないが、これに制限されるものではない。
【0052】
他の例として、
図1〜
図5を基準に、内部絶縁層ILの下面側に配置された第1コイルパターン211及び引出部231、232と、内部絶縁層ILの上面側に配置された第2コイルパターン212及び補助引出部241、242とを互いに別に形成した後、内部絶縁層ILに一括積層してコイル部200を形成する場合、ビア221、222、223は、高融点金属層と、高融点金属層の溶融点よりも低い溶融点を有する低融点金属層とを含むことができる。ここで、低融点金属層は、鉛(Pb)、及び/又は錫(Sn)を含む半田で形成されることができる。低融点金属層は、一括積層時の圧力及び温度によって少なくとも一部が溶融して、低融点金属層と第2コイルパターン212の間の境界には、金属間化合物層(Inter Metallic Compound Layer、IMC Layer)が形成されることができる。
【0053】
コイルパターン211、212、引出部231、232、及び補助引出部241、242は、例えば、
図4及び
図5に示されているように、内部絶縁層ILの下面及び上面にそれぞれ突出形成されることができる。他の例として、第1コイルパターン211と引出部231、232は、内部絶縁層ILの下面に突出形成され、第2コイルパターン212と補助引出部241、242は、内部絶縁層ILの上面に埋め込まれて、上面が内部絶縁層ILの上面に露出することができる。この場合、第2コイルパターン212の上面及び/又は補助引出部241、242の上面には凹部が形成され、内部絶縁層ILの上面と第2コイルパターン212の上面及び/又は補助引出部241、242の上面は、同一平面上に位置しない。
【0054】
コイルパターン211、212、引出部231、232、補助引出部241、242、及びビア221、222、223はそれぞれ、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0055】
一方、第1補助引出部241は、コイル部200の残りの構成間の電気的連結とは無関係であるため、本実施形態では省略されることができる。但し、本体100の第5面105と第6面106を区別する工程を省略するために、第1補助引出部241を形成することが好ましい。
【0056】
外部電極300、400はそれぞれ、コイル部200と連結されて本体100の第6面106上に互いに離隔して配置される。具体的に、第1外部電極300は第1引出部231と連結される。第2外部電極400は第2引出部232と連結される。第1外部電極300と第2外部電極400は、本体100の第6面106上で互いに離隔する。
【0057】
外部電極300、400はそれぞれ、リセスR1、R2の内壁と本体100の第6面106に沿って形成される。即ち、外部電極300、400は、リセスR1、R2の内壁及び本体100の第6面106にコンフォーマル(conformal)な膜の形態で形成される。外部電極300、400は、リセスR1、R2の内壁と本体100の第6面106で一体に形成されることができる。そのために、外部電極300、400はスパッタリング工程のような薄膜工程で形成されることができる。
【0058】
外部電極300、400は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。外部電極300、400は、単層又は複数層の構造で形成されることができる。
【0059】
外部電極300、400はそれぞれ、リセスR1、R2の底面に延長配置されることができる。この場合、外部電極300、400と引出部231、232の間の接触面積が増加して、外部電極300、400と引出部231、232の間の結合力が向上することができる。
【0060】
一方、図示してはいないが、本実施形態では、引出部231、232、コイルパターン211、212、内部絶縁層IL、及び補助引出部241、242の表面に沿って形成された絶縁膜をさらに含むことができる。絶縁膜は、引出部231、232、コイルパターン211、212、及び補助引出部241、242を保護し、本体100から絶縁させるためのものであって、パリレンなどの公知の絶縁物質を含む。絶縁膜に含まれる絶縁物質は、どのようなものであっても使用可能であり、特別な制限はない。絶縁膜は、気相蒸着などの方法で形成されることができるが、これに制限されるものではなく、絶縁フィルムを内部絶縁層ILの両面に積層することによって形成されることもできる。
【0061】
また、本実施形態の場合、本体100の第1〜第5面101、102、103、104、105に形成された外部絶縁層をさらに含むことができる。このとき、外部絶縁層は、リセスR1、R2上に延長され、外部電極300、400のうちリセスR1、R2の底面及びリセスR1、R2の内壁に配置された部分をカバーすることができる。外部絶縁層は、気相蒸着などの方法で形成されることができるが、これに制限されるものではない。外部絶縁層は、ポリスチレン系、酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリアミド系、ゴム系、アクリル系などの熱可塑性樹脂、フェノール系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系、アルキド系などの熱硬化性樹脂、感光性樹脂、パリレン、SiO
x、又はSiN
xを含むことができる。
【0062】
これにより、本実施形態によるコイル部品1000は、コイル部品のサイズを小さくしながらも、下部電極構造を容易に実現することができる。即ち、従来とは異なり、外部電極が本体100の両端面101、102又は両側面103、104から突出形成されないため、コイル部品1000の全長及び幅を増加させない。また、外部電極300、400が相対的に薄く形成されるため、コイル部品1000の全厚を薄く形成することができる。さらに、本体100に形成されたリセスR1、R2によって外部電極300、400と引出部231、232の間の接触面積を増加させて部品信頼性を向上させることができる。
【0063】
図7は本発明の第1実施形態によるコイル部品の変形例を下部側から見た様子を概略的に示す図である。
【0064】
図7を参照すると、本変形例において外部電極300、400は、リセスR1、R2の内壁の一部と本体100の第6面の一部とを露出させる露出部310、410を含むことができる。即ち、本変形例の外部電極300、400は、リセスR1、R2と本体100の第3面及び第4面103、104の間の境界、及び本体100の第6面106と本体100の第3面及び第4面103、104の間の境界まで延長されない。
【0065】
本変形例によると、本変形例のコイル部品1000'をプリント回路基板などに実装する際に用いられる半田などの結合部材とコイル部品1000'の間の接触面積が増加する。これにより、結合部材とコイル部品の間の結合力が向上することができる。また、本変形例の場合、露出部310、410に半田などの結合部材が収容されるため、結合部材が本体100の第1及び第2面101、102まで延長形成されることを防止することができる。
【0066】
第2実施形態
図8は本発明の第2実施形態によるコイル部品を概略的に示す図である。
【0067】
図9は本発明の第2実施形態によるコイル部品を下部側から見た様子を示す図であり、一部構成を省略した図である。具体的に、
図8には本実施形態によるコイル部品において外部電極を除いた構成が示されている。
【0068】
図8及び
図9を参照すると、本実施形態によるコイル部品2000は、本発明の第1実施形態によるコイル部品1000と比較して、リセスR1、R2の形態が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたっては、第1実施形態と異なるリセスR1、R2の形態についてのみ説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1実施形態における説明がそのまま適用されることができる。
【0069】
本実施形態に適用されるリセスR1、R2は、第1実施形態とは異なり、本体100の幅方向全体にわたって形成されない。即ち、リセスR1、R2は、本体100の第3及び第4面103、104まで延長形成されない。
【0070】
本実施形態に適用されるリセスR1、R2は、本体100の第6面106と本体100の第1及び第2面101、102がそれぞれ形成する角のうち一部領域に孔加工を行うことにより形成されることができる。孔加工時に孔が第1及び第2引出部231、232まで延長されるように、孔の直径、孔の深さが調節される。第1及び第2引出部231、232の一部には孔が延長される。したがって、第1及び第2引出部231、232は、孔R1、R2の内壁及び底面に露出する。
【0071】
一方、
図8及び9には、リセスR1、R2の断面形状が半円で示されているが、これに制限されるものではなく、リセスR1、R2は、断面の形状が多角形及び楕円などの形状を有するように変形されることができる。
【0072】
また、本実施形態の一変形例の場合、第1及び第2リセスR1、R2はそれぞれ、複数の形態で形成されることができる。即ち、第1リセスR1が複数形成されるか、又は第2リセスR2が複数形成されることができる。
【0073】
また、本実施形態の他の変形例の場合、本発明の第1実施形態の変形例と同様に、外部電極300、400が、本体100の第6面106と本体100の第3面及び第4面103、104の間の境界まで延長されない。
【0074】
これにより、本実施形態の場合、第1実施形態と比較して、本体100の損失量を低減することができる。したがって、同一体積内の有効磁性体の量を向上させて部品特性が低下することを防止することができる。
【0075】
第3実施形態
図10は本発明の第3実施形態によるコイル部品を概略的に示す図である。
図11は本発明の第3実施形態によるコイル部品を下部側から見た様子を示す図であり、一部構成を省略した図である。具体的に、
図11には本実施形態によるコイル部品において外部電極を除いた構成が示されている。
図12は
図10のIII−III'線に沿った断面を示す図である。
【0076】
図10〜
図12を参照すると、本実施形態によるコイル部品3000は、本発明の第1及び第2実施形態によるコイル部品1000、2000と比較して、コイル部200が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたっては、第1及び第2実施形態と異なるコイル部200についてのみ説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1実施形態又は第2実施形態における説明がそのまま適用されることができる。
【0077】
本実施形態に適用されるコイル部200は、引出部231、232及び補助引出部241、242からそれぞれ延長されて、それぞれ本体100の第1及び第2面101、102に露出した結合強化部251、252、253、254をさらに含む。具体的に、コイル部200は、第1引出部231から延長されて本体100の第1面101に露出した第1結合強化部251、第2引出部232から延長されて本体100の第2面102に露出した第2結合強化部252、第1補助引出部241から延長されて本体100の第1面101に露出した第3結合強化部253、及び第2補助引出部242から延長されて本体100の第2面102に露出した第4結合強化部254をさらに含むことができる。本実施形態の場合、第1実施形態とは異なり、引出部231、232及び補助引出部241、242が本体100の第1及び第2面101、102に露出せず、引出部231、232及び補助引出部241、242から本体100の両端面101、102に延長された結合強化部251、252、253、254が本体100の両端面101、102に露出する。
【0078】
結合強化部251、252、253、254の幅は、引出部231、232及び補助引出部241、242の幅よりも小さくてもよく、又は結合強化部251、252、253、254の厚さが引出部231、232及び補助引出部241、242の厚さよりも薄くてもよい。即ち、結合強化部251、252、253、254は、コイル部200の端部側の体積を減少させて、本体100の第1及び第2面101、102に露出するコイル部200の面積を最小化することができる。
【0079】
これにより、本実施形態によるコイル部品3000は、コイル部200の端部側と本体100の間の結合力を向上させることができる。即ち、コイル部200のうち引出部231、232及び補助引出部241、242の体積よりも小さい体積の結合強化部251、252、253、254を本体100の最外側に配置することにより、コイル部品3000の最外側における本体100の実効面積を向上させることができる。
【0080】
また、本実施形態によるコイル部品3000は、磁性体の有効体積を向上させることにより、部品特性が低下することを防止することができる。
【0081】
また、本実施形態によるコイル部品3000は、本体100の両端面101、102に露出するコイル部200の面積を減少させて電気的短絡を防止することができる。
【0082】
一方、本実施形態の場合、本発明の第1実施形態の変形例と同一に変形されることができる。即ち、本実施形態の変形例の場合、外部電極300、400が、リセスR1、R2と本体100の第3面及び第4面103、104の間の境界、及び本体100の第6面106と本体100の第3面及び第4面103、104の間の境界まで延長されない。
【0083】
第4実施形態
図13は本発明の第4実施形態によるコイル部品を概略的に示す図である。
【0084】
図13を参照すると、本実施形態によるコイル部品4000は、本発明の第3実施形態によるコイル部品3000と比較して、コイル部200の結合強化部251、252、253、254が異なる。したがって、本実施形態を説明するにあたっては、第3実施形態と異なるコイル部200についてのみ説明する。本実施形態の残りの構成は、本発明の第1実施形態〜第3実施形態のいずれか一つにおける説明がそのまま適用されることができる。
【0085】
本実施形態に適用される結合強化部251、252、253、254は、引出部231、232及び補助引出部241、242に複数形成される。具体的に、第1引出部231から延長されて本体100の第1面101に露出した第1結合強化部251、第2引出部232から延長されて本体100の第2面102に露出した第2結合強化部252、第1補助引出部241から延長されて本体100の第1面101に露出した第3結合強化部253、及び第2補助引出部242から延長されて本体100の第2面102に露出した第4結合強化部254の少なくとも一つは、複数形成されることができる。
【0086】
これにより、本実施形態によるコイル部品4000は、コイル部200と本体100の間の接触面積が増加して、相互間の結合力が増加することができる。
【0087】
一方、本実施形態の場合、本発明の第1実施形態の変形例と同一に変形されることができる。即ち、本実施形態の変形例の場合、外部電極300、400が、リセスR1、R2と本体100の第3面及び第4面103、104の間の境界、及び本体100の第6面106と本体100の第3面及び第4面103、104の間の境界まで延長されない。
【0088】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、又は削除などにより本発明を多様に修正及び変更させることができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるといえる。