【実施例】
【0017】
実施例1
1.ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルの調製
下記表1に示すグリセリン重合度及びオキシプロピレン基(PO)の付加モル数に従ってA1〜A7の化合物を得た。
【0018】
【表1】
【0019】
実施例2
1.クレンジング化粧料の調製
表2、表3に示す各成分を、パドルミキサーを用いて室温で30分間撹拌、混合することで均一なクレンジング化粧料を調製した。
【0020】
2.クレンジング化粧料の評価
以下の4項目について、それぞれ評価を行った。
(1)皮脂落とし効果
汚れのモデルとして人工皮脂組成物を用意した。続いて、スライドガラスにトランスポアテープを貼付し、2cm×2cm内に人工皮脂組成物を塗布した後、2時間自然乾燥させた。調製したクレンジング化粧料を塗布して指でなじませた後、コットンで叩いたのちに状態を観察した。コットンで叩く前後の人工皮脂組成物の質量変化から洗浄効果を下記の通り、評価を行った。評価は次の基準により判定した。
(評価基準)
A:30%以上減少
B:20%以上30%未満減少
C:10%以上20%未満減少
D:10%以下減少
【0021】
(2)眼刺激性のなさ
パネラー20名にファンデーションを重ね塗りさせ、2時間経過後に各クレンジング化粧料を用いた際の眼刺激性について評価を行った。評価は次の基準により判定した。
(評価基準)
A:すべての人が眼刺激を感じなかった。
B:1名以上2名以下の人が眼刺激を感じたが、許容できる弱い刺激であった。
C:1名以上2名以下の人が眼刺激を感じたが、許容できない強い刺激であった。
D:3名以上の人が眼刺激を感じた。
【0022】
(3)べたつきのなさ
パネラー20名にファンデーションを重ね塗りさせ、2時間経過後にクレンジング化粧料を用いた際のべたつきのなさについて評価を行った。評価は次の基準により判定した。
(評価基準)
A:すべての人がべたつきを感じなかった。
B:1名以上2名以下の人がべたつきを感じた。
C:3名以上4名以下の人がべたつきを感じた。
D:5名以上の人がべたつきを感じた。
【0023】
(4)安定性
各化粧料の調製後、各サンプルをガラス瓶に入れ、5℃恒温槽に静置し、24時間後における外観を目視により確認した。評価は次の基準により判定した。
(評価基準)
A:外観状態に変化が無かった。
B:5℃で微量の沈殿の生成がみられ、室温に戻すと沈殿は消失し、均一で正常な外観に戻る。
C:5℃で相当量の沈殿の生成がみられ、室温に戻すと沈殿は消失し、均一で正常な外観に戻る。
D:5℃で沈殿の生成または二層分離状態になる。
【0024】
3.結果
表2、表3の結果より、発明品1〜8はいずれも皮脂落とし効果、刺激性、べたつき、安定性の各評価において良好な結果を得ることができた。一方、グリセリン重合度が6であるヘキサグリンにプロピレンオキサイドを9モル付加させた化合物A6を配合した比較品1は、皮膚落とし効果に劣り、さらにはべたつきに問題のあるクレンジング化粧料となった。また、グリセリン重合度が2であるジグリセリンにプロピレンオキサイドを30モル付加させた化合物A7を配合した比較品2は、比較品1と同様、皮脂落とし効果に劣り、さらに安定性に問題のあるクレンジング化粧料となった。また本発明の(B)非イオン性界面活性剤に該当しないモノオレイン酸ソルビタンを配合した比較品3は、皮膚落とし効果及び安定性に劣る結果となった。本発明品の(B)非イオン性界面活性剤を配合せず、化合物A1のみ配合させた比較品4は、皮脂落とし効果をほとんど示さない結果となった。
表4の結果より、本発明のクレンジング化粧料に用いられる(A)ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルの配合量が1〜20質量%の場合(発明品9〜14)、評価に優れることが明らかとなり、非イオン性界面活性剤の配合量を低減させることが可能となった。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
処方例1.クレンジングローション
1.POP(9)ジグリセリルエーテル 10.0(質量%)
2.1,3−ブチレングリコール 5.0
3.POE(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル 3.0
4.モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン 2.0
5.POE(20)POP(4)セチルエーテル 1.0
6.防腐剤 適量
7.pH調整剤 適量
8.キレート剤 適量
9.精製水 残余
(調製方法)成分1〜8をはかりとり、加温し均一溶解させる。パドルミキサーを用いて混合し、均一になったところで終了した。
(結果)得られたクレンジングローションはいずれも優れた洗浄効果を有し、かつ肌への刺激性やべたつきのない使用感の良い化粧料であった。
【0029】
処方例2.クレンジングジェル
1.POP(14)ジグリセリルエーテル 10.0(質量%)
2.ジプロピレングリコール 5.0
3.モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン 5.0
4.トリイソステアリン酸PEG−20グリセリル 5.0
5.ポリオキシエチレンメチルグルコシド(10E.O.) 5.0
6.カルボマー 0.4
7.精製水 残余
8.水酸化カリウム 0.14
9.キレート剤 適量
10.精製水 10.0
(調製方法)成分1〜4をはかりとり、加温撹拌、均一溶解したのち45℃まで冷却する。成分5〜7を室温で撹拌し、高分子を膨潤させる。成分5〜7に成分8〜10を添加し撹拌し、成分1〜4を徐々に添加する。
(結果)得られたクレンジングジェルは優れた洗浄効果を有し、かつ肌への刺激性やべたつきのない使用感の良い化粧料であった。
【0030】
処方例3.クレンジングミルク
1.POP(9)トリグリセリルエーテル 5.0(質量%)
2.シクロペンタシロキサン 10.0
3.ミネラルオイル 8.0
4.POE(7)ヤシ油脂肪酸グリセリル 10.0
5.PEG(60)硬化ヒマシ油 1.0
6.テトラオレイン酸POE(30)ソルビット 2.0
7.セテアリルアルコール 0.5
8.グリセリン 10.0
9.1,3−ブチレングリコール 3.0
10.カルボマー 0.2
11.(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー 0.1
12.防腐剤 適量
13.キレート剤 適量
14.精製水 - 残余
15.水酸化カリウム 0.03
16.精製水 5.0
(調製方法)成分1〜7および成分8〜14をそれぞれ加温し、均一溶解する。80℃に維持したまま、成分8〜14に成分1〜7を添加し乳化する。あらかじめ溶解した成分15〜16を徐々に添加し、撹拌しながら35℃まで冷却する。
(結果)得られたクレンジングミルクは優れた洗浄効果を有し、かつ肌への刺激性やべたつきのない使用感の良い化粧料であった。