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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-101270(P2020-101270A)
(43)【公開日】2020年7月2日
(54)【発明の名称】自動変速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/04 20100101AFI20200605BHJP
   F16D 25/0638 20060101ALI20200605BHJP
   F16D 25/12 20060101ALI20200605BHJP
   F16D 55/40 20060101ALI20200605BHJP
   F16D 65/853 20060101ALI20200605BHJP
   F16D 65/16 20060101ALI20200605BHJP
   F16D 121/04 20120101ALN20200605BHJP
   F16D 125/04 20120101ALN20200605BHJP
   F16D 125/06 20120101ALN20200605BHJP
【FI】
   F16H57/04 J
   F16D25/0638
   F16D25/12 B
   F16D25/12 C
   F16D25/12 A
   F16D55/40 F
   F16D65/853
   F16D65/16
   F16D121:04
   F16D125:04
   F16D125:06 A
   F16D125:06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-241627(P2018-241627)
(22)【出願日】2018年12月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100197561
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 三喜男
(72)【発明者】
【氏名】山川 將太
(72)【発明者】
【氏名】石坂 友隆
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 龍彦
【テーマコード(参考)】
3J057
3J058
3J063
【Fターム(参考)】
3J057AA03
3J057BB04
3J057CA03
3J057DA11
3J057EE01
3J057EE05
3J057FF02
3J057FF07
3J057FF10
3J057HH01
3J057JJ02
3J058AA44
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA59
3J058AA70
3J058AA77
3J058AA87
3J058BA38
3J058BA67
3J058CC03
3J058CC07
3J058CC33
3J058CC36
3J058CC78
3J058FA29
3J063AA01
3J063AB12
3J063AB53
3J063AC03
3J063BA11
3J063CD14
3J063CD26
3J063XD03
3J063XD23
3J063XD32
3J063XD47
3J063XD62
3J063XD75
3J063XE18
(57)【要約】
【課題】コンパクトに構成しつつ、摩擦板がスプライン係合されるハブ部材の回り止めを行うと共にバルブボディから摩擦板に潤滑用の作動油を効率良く供給することができる自動変速機を提供する。
【解決手段】自動変速機10は、ハブ部材20とドラム部材60との間に摩擦板70が配置されたブレーキBR2を備え、付勢部材101と締結用油圧室91と解放用油圧室92とは、摩擦板70の径方向内側で径方向にオーバーラップする位置に配置される。ハブ部材20は、摩擦板70がスプライン係合されるスプライン部25を備えた円筒部23を有して変速機ケース11にスプライン係合される第1ハブ部材21と、潤滑用供給油路を形成すると共にバルブボディに接続されるように変速機ケース11に嵌合される第2ハブ部材31とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機ケースに結合されるハブ部材と、所定の回転部材に結合されるドラム部材と、前記ハブ部材と前記ドラム部材との間に配置される複数の摩擦板と、前記複数の摩擦板を締結するピストンと、前記ピストンを締結方向に付勢する付勢部材と、前記ピストンを締結方向に付勢する作動油が供給される締結用油圧室と、前記ピストンを解放方向に付勢する作動油が供給される解放用油圧室とを有するブレーキを備えた自動変速機であって、
前記付勢部材と前記締結用油圧室及び前記解放用油圧室とは、前記複数の摩擦板の径方向内側において径方向にオーバーラップする位置に配置され、
前記ハブ部材は、前記摩擦板がスプライン係合されるスプライン部を備えた円筒部を有すると共に前記変速機ケースにスプライン係合される第1ハブ部材と、前記第1ハブ部材の軸方向一方側に配置されると共に前記摩擦板に潤滑用の作動油を供給する潤滑用供給油路を形成し、且つ前記変速機ケースの下方に配設されるバルブボディに接続されるように前記変速機ケースに嵌合される第2ハブ部材とを備えている、
ことを特徴とする自動変速機。
【請求項2】
前記ハブ部材は、前記第1ハブ部材の径方向内側において前記第2ハブ部材の軸方向他方側に結合されると共に、前記第1ハブ部材の円筒部の径方向内側に設けられて前記第1ハブ部材の円筒部との間に前記潤滑用供給油路を形成する円筒部を有する第3ハブ部材を備え、
前記第1ハブ部材の円筒部に、前記摩擦板に潤滑用の作動油を供給する供給口が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機。
【請求項3】
前記第1ハブ部材、前記第2ハブ部材及び前記第3ハブ部材は、同一材料から形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動変速機。
【請求項4】
前記付勢部材は、前記ピストンに解放位置からゼロクリアランス位置まで締結方向に付勢力を作用させる付勢部材である、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の自動変速機。
【請求項5】
前記ピストンは、前記摩擦板を押圧する押圧部と、前記締結用油圧室及び前記解放用油圧室を形成する油圧室形成部と、前記押圧部と前記油圧室形成部とを連結する連結部とを備える第1ピストン部材と、前記第1ピストン部材に結合されて前記締結用油圧室及び前記解放用油圧室を区画する第2ピストン部材とを備えている、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の自動変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される自動変速機に関し、車両用の自動変速機の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される自動変速機として、エンジンなどの駆動源に連結されたトルクコンバータなどの流体伝動装置と、流体伝動装置に連結されると共に複数のプラネタリギヤセット(遊星歯車機構)及びクラッチやブレーキなどの複数の摩擦締結要素を備えた変速機構とを有し、油圧制御によって複数の摩擦締結要素を選択的に締結して減速比の異なる複数の変速段を達成するようにしたものが一般に知られている。
【0003】
近年、自動変速機の多段化や軽量化要求等に応じて流体伝動装置を廃止する傾向がある。この場合、発進時に1速の変速段で締結される少なくとも1つの摩擦締結要素をスリップ制御することによりエンジンストールを回避しながら円滑な発進を実現することが考えられる。
【0004】
発進時に1速の変速段で締結される摩擦締結要素をスリップ制御する場合、油圧室が回転するクラッチに比べて油圧室が回転しないブレーキの方が締結時の制御性が良いことから、発進時に1速の変速段で締結されるブレーキをスリップ制御することが考えられる。
【0005】
このように構成された自動変速機において、発進時に1速の変速段で締結されるブレーキについて、複数の摩擦板を締結するピストンをスプリング及び締結用油圧によって付勢して締結方向に移動させるものが知られている。
【0006】
例えば特許文献1には、ピストンを解放位置から複数の摩擦板がゼロクリアランス状態となるゼロクリアランス位置までスプリングによって付勢し、ゼロクリアランス位置から締結位置まで締結用油圧によって付勢して複数の摩擦板を締結するようにしたブレーキが開示されている。
【0007】
図16は、従来の自動変速機のブレーキを示す断面図である。図16に示すように、このブレーキ200は、ハブ部材201とドラム部材202との間に配置された複数の摩擦板203と、変速機ケースの一部であるハウジング204の外筒部204a、フランジ部204b及び内筒部204cによって形成されるシリンダ205に嵌合されたピストン206とを有している。
【0008】
ブレーキ200はまた、ピストン206を締結方向に付勢する締結用の作動油が供給される締結用油圧室207と、ピストン206を解放方向に付勢する解放用の作動油が供給される解放用油圧室208とを有している。締結用油圧室207内には、ピストン206を締結方向に付勢するスプリング210が配置されている。
【0009】
そして、ブレーキ200を締結する際には、締結用油圧室207から締結用油圧を排出すると共に解放用油圧室208に解放用油圧を供給してピストン206がスプリング210を圧縮した解放位置にある状態から、解放用油圧を排出すると、ピストン206がスプリング210によって付勢され、解放位置から複数の摩擦板203がゼロクリアランス状態となるゼロクリアランス位置まで移動される。その後に、締結用油圧が供給されると、ピストン206が締結用油圧によって付勢され、複数の摩擦板203が締結される締結位置に移動される。
【0010】
一方、ブレーキ200を解放する際には、ピストン206が締結位置にある状態から、締結用油圧を排出して解放用油圧を供給すると、ピストン206が解放方向に付勢され、ピストン206がスプリング210を圧縮した解放位置に移動される。
【0011】
ブレーキ200では、ピストン206を解放位置からゼロクリアランス位置まで油圧によって移動させる場合に比して、ピストン206を解放位置からゼロクリアランス位置までスプリング210によって精度良く移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2017−150533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記特許文献1に記載されるブレーキを備えた自動変速機では、付勢部材によってピストンを解放位置からゼロクリアランス位置まで精度良く移動させることができるが、ピストンの反駆動源側に付勢部材と締結用油圧室及び解放用油圧室とが配置されて軸方向寸法が大きな構成とされていることから、コンパクトに構成することが望まれる。
【0014】
また、ドラム部材が変速機ケースに結合されると共にハブ部材が所定の回転部材に結合された前記特許文献1に記載されるブレーキでは、ドラム部材の内周面付近に潤滑用の作動油が滞留して回転抵抗を増大させるおそれがあることから、ドラム部材を所定の回転部材に結合すると共にハブ部材を変速機ケースに結合し、ドラム部材の回転によって潤滑用の作動油が滞留することを抑制することが考えられる。
【0015】
また、ハブ部材が変速機ケースに結合されると共にドラム部材が所定の回転部材に結合されたブレーキを備えた自動変速機では、摩擦板の冷却効率を向上させるためにハブ部材内に潤滑用供給油路を形成してハブ部材側から潤滑用作動油を供給することが考えられるが、摩擦板がスプライン係合されると共に潤滑用供給油路を有するハブ部材を変速機ケースに如何に結合させるかが問題となる。
【0016】
摩擦板がスプライン係合されるスプライン部を有するハブ部材は、ブレーキの締結時に摩擦板から入力される力を受け止めて回り止めを行うように変速機ケースに結合する必要があることから、変速機ケースにスプライン係合させることが考えられる。
【0017】
しかしながら、ハブ部材と変速機ケースとをスプライン係合させる場合にはハブ部材と変速機ケースとの結合部に変速機ケースの周方向にガタが生じてハブ部材と変速機ケースの下方に配置されるバルブボディとの接続部についても変速機ケースの周方向にガタが生じ、バルブボディから摩擦板に潤滑用の作動油を効率良く供給することが困難になり得る。
【0018】
これに対し、摩擦板がスプライン係合されるハブ部材を、バルブボディから摩擦板に潤滑用の作動油を効率良く供給することができるように変速機ケースに圧入して嵌合させることが考えられるが、かかる場合、ブレーキの締結時に摩擦板から入力される力を受け止めて回り止めを行うことができないおそれがある。
【0019】
そこで、本発明は、ハブ部材とドラム部材との間に複数の摩擦板が配置されると共にピストンを付勢する付勢部材と締結用油圧室と解放用油圧室とを有するブレーキを備えた自動変速機において、コンパクトに構成しつつ、摩擦板がスプライン係合されるハブ部材の回り止めを行うと共にバルブボディから摩擦板に潤滑用の作動油を効率良く供給することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記課題を解決するため、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
【0021】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、変速機ケースに結合されるハブ部材と、所定の回転部材に結合されるドラム部材と、前記ハブ部材と前記ドラム部材との間に配置される複数の摩擦板と、前記複数の摩擦板を締結するピストンと、前記ピストンを締結方向に付勢する付勢部材と、前記ピストンを締結方向に付勢する作動油が供給される締結用油圧室と、前記ピストンを解放方向に付勢する作動油が供給される解放用油圧室とを有するブレーキを備えた自動変速機であって、前記付勢部材と前記締結用油圧室及び前記解放用油圧室とは、前記複数の摩擦板の径方向内側において径方向にオーバーラップする位置に配置され、前記ハブ部材は、前記摩擦板がスプライン係合されるスプライン部を備えた円筒部を有すると共に前記変速機ケースにスプライン係合される第1ハブ部材と、前記第1ハブ部材の軸方向一方側に配置されると共に前記摩擦板に潤滑用の作動油を供給する潤滑用供給油路を形成し、且つ前記変速機ケースの下方に配設されるバルブボディに接続されるように前記変速機ケースに嵌合される第2ハブ部材とを備えていることを特徴とする。
【0022】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記ハブ部材は、前記第1ハブ部材の径方向内側において前記第2ハブ部材の軸方向他方側に結合されると共に、前記第1ハブ部材の円筒部の径方向内側に設けられて前記第1ハブ部材の円筒部との間に前記潤滑用供給油路を形成する円筒部を有する第3ハブ部材を備え、前記第1ハブ部材の円筒部に、前記摩擦板に潤滑用の作動油を供給する供給口が設けられていることを特徴とする。
【0023】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記第1ハブ部材、前記第2ハブ部材及び前記第3ハブ部材は、同一材料から形成されていることを特徴とする。
【0024】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記付勢部材は、前記ピストンに解放位置からゼロクリアランス位置まで締結方向に付勢力を作用させる付勢部材であることを特徴とする。
【0025】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記ピストンは、前記摩擦板を押圧する押圧部と、前記締結用油圧室及び前記解放用油圧室を形成する油圧室形成部と、前記押圧部と前記油圧室形成部とを連結する連結部とを備える第1ピストン部材と、前記第1ピストン部材に結合されて前記締結用油圧室及び前記解放用油圧室を区画する第2ピストン部材とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本願の請求項1に記載の発明によれば、ハブ部材とドラム部材との間に複数の摩擦板が配置されたブレーキを備えた自動変速機において、ピストンを付勢する付勢部材と締結用油圧室と解放用油圧室とは、複数の摩擦板の径方向内側において径方向にオーバーラップする位置に配置される。
【0027】
これにより、付勢部材と締結用油圧室と解放用油圧室とを複数の摩擦板の軸方向一方側に配置する場合に比して軸方向にコンパクトに構成することができると共に、付勢部材と締結用油圧室と解放用油圧室とを径方向にオーバーラップさせない場合に比して、径方向にコンパクトに構成することができる。
【0028】
また、ハブ部材は、摩擦板がスプライン係合されるスプライン部を備えた円筒部を有して変速機ケースにスプライン係合される第1ハブ部材と、潤滑用供給油路を形成すると共にバルブボディに接続されるように変速機ケースに嵌合される第2ハブ部材とを備える。
【0029】
これにより、第1ハブ部材が変速機ケースにスプライン係合されるので、ブレーキの締結時にスプライン部を介して摩擦板から入力される力によって第1ハブ部材が変速機ケースの周方向に回転することを抑制することができ、ハブ部材の回り止めを行うことができる。
【0030】
また、第2ハブ部材が変速機ケースに嵌合されるので、第2ハブ部材を変速機ケースに固定することができ、第2ハブ部材とバルブボディとの接続部において変速機ケースの周方向のガタをなくしてバルブボディから第2ハブ部材の潤滑用供給油路に潤滑用の作動油を効率良く供給することができる。
【0031】
したがって、ハブ部材とドラム部材との間に複数の摩擦板が配置されると共にピストンを付勢する付勢部材と締結用油圧室と解放用油圧室とを有するブレーキを備えた自動変速機において、コンパクトに構成しつつ、摩擦板がスプライン係合されるハブ部材の回り止めを行うと共にバルブボディから摩擦板に潤滑用の作動油を効率良く供給することができる。
【0032】
また、請求項2に記載の発明によれば、ハブ部材は、第1ハブ部材の径方向内側において第2ハブ部材に結合されると共に第1ハブ部材の円筒部との間に潤滑用供給油路を形成する円筒部を有する第3ハブ部材を備え、第1ハブ部材の円筒部に供給口が設けられる。これにより、第2ハブ部材の潤滑用供給油路から第1ハブ部材の円筒部と第3ハブ部材の円筒部との間の潤滑用供給油路を通じ、第1ハブ部材の円筒部の供給口から摩擦板に潤滑用の作動油を供給することができ、摩擦板に潤滑用の作動油を効率良く供給することができる。
【0033】
また、請求項3に記載の発明によれば、第1ハブ部材、第2ハブ部材及び第3ハブ部材は、同一材料から形成されることにより、第1ハブ部材、第2ハブ部材及び第3ハブ部材が同一材料から形成されない場合に比して、第1ハブ部材、第2ハブ部材及び第3ハブ部材の熱膨張による寸法変化を略等しくすることができ、摩擦板に潤滑用の作動油を効率良く供給することができる。
【0034】
また、請求項4に記載の発明によれば、付勢部材は、ピストンに解放位置からゼロクリアランス位置まで締結方向に付勢力を作用させる付勢部材であることにより、付勢部材によってピストンを解放位置からゼロクリアランス位置に精度良く移動させることができる。
【0035】
また、請求項5に記載の発明によれば、ピストンは、押圧部、油圧室形成部及び連結部を備える第1ピストン部材と、第1ピストン部材に結合されて締結用油圧室及び解放用油圧室を区画する第2ピストン部材とを備える。これにより、押圧部、油圧室形成部及び連結部を備えると共に締結用油圧室及び解放用油圧室を区画するピストンを単一部材で形成することが困難な場合においても、第1ピストン部材と第2ピストン部材とを結合させてピストンを形成することで、押圧部、油圧室形成部及び連結部を備えると共に締結用油圧室及び解放用油圧室を区画するピストンを比較的容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施形態に係る自動変速機の骨子図である。
図2】自動変速機の摩擦締結要素の締結表である。
図3】自動変速機のブレーキ及びその周辺の断面図である。
図4】自動変速機のブレーキ及びその周辺の別の断面図である。
図5】自動変速機のブレーキ及びその周辺の更に別の断面図である。
図6】自動変速機のブレーキ及びその周辺の更に別の断面図である。
図7】ブレーキのハブ部材及びピストンの組付状態を示す斜視図である。
図8】ブレーキの第1ハブ部材、第2ハブ部材及び第3ハブ部材の組付状態を示す斜視図である。
図9】ブレーキの第1ハブ部材及び第2ハブ部材の組付状態を示す斜視図である。
図10】第1ハブ部材を示す斜視図である。
図11】第2ハブ部材を示す斜視図である。
図12】ブレーキのハブ部材及びピストンの組付状態を示す別の斜視図である。
図13】第3ハブ部材を示す斜視図である。
図14】ブレーキのハブ部材及びピストンの要部を示す正面図である。
図15】解放状態、ゼロクリアランス状態及び締結状態にあるブレーキを示す断面図である。
図16】従来の自動変速機のブレーキを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0038】
図1は、本発明の実施形態に係る自動変速機の骨子図である。この自動変速機10は、エンジンなどの駆動源にトルクコンバータなどの流体伝動装置を介することなく連結されている。自動変速機10は、変速機ケース11内に、駆動源に連結されて駆動源側(図の左側)に配設された入力軸12と、反駆動源側(図の右側)に配設された出力軸13とを有している。自動変速機10は、入力軸12と出力軸13とが同一軸線上に配置されたフロントエンジン・リヤドライブ車用等の縦置き式のものである。
【0039】
入力軸12及び出力軸13の軸心上には、駆動源側から、第1、第2、第3、第4プラネタリギヤセット(以下、単に「第1、第2、第3、第4ギヤセット」という)PG1、PG2、PG3、PG4が配設されている。
【0040】
変速機ケース11内において、第1ギヤセットPG1の駆動源側に第1クラッチCL1が配設され、第1クラッチCL1の駆動源側に第2クラッチCL2が配設され、第2クラッチCL2の駆動源側に第3クラッチCL3が配設されている。また、第3クラッチCL3の駆動源側に第1ブレーキBR1が配設され、第3ギヤセットPG3の駆動源側且つ第2ギヤセットPG2の反駆動源側に第2ブレーキBR2が配設されている。
【0041】
第1、第2、第3、第4ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4は、いずれも、キャリヤに支持されたピニオンがサンギヤとリングギヤに直接噛合するシングルピニオン型である。第1、第2、第3、第4ギヤセットPG1、PG2、PG3、PG4はそれぞれ、回転要素として、サンギヤS1、S2、S3、S4と、リングギヤR1、R2、R3、R4と、キャリヤC1、C2、C3、C4とを有している。
【0042】
第1ギヤセットPG1は、サンギヤS1が軸方向に2分割されたダブルサンギヤ型である。サンギヤS1は、駆動源側に配置された第1サンギヤS1aと、反駆動源側に配置された第2サンギヤS1bとを有している。第1及び第2サンギヤS1a、S1bは、同一歯数を有し、キャリヤC1に支持された同一ピニオンに噛合する。これにより、第1及び第2サンギヤS1a、S1bは、常に同一回転する。
【0043】
自動変速機10では、第1ギヤセットPG1のサンギヤS1、具体的には第2サンギヤS1bと第4ギヤセットPG4のサンギヤS4とが常時連結され、第1ギヤセットPG1のリングギヤR1と第2ギヤセットPG2のサンギヤS2とが常時連結され、第2ギヤセットPG2のキャリヤC2と第4ギヤセットPG4のキャリヤC4とが常時連結され、第3ギヤセットPG3のキャリヤC3と第4ギヤセットPG4のリングギヤR4とが常時連結されている。
【0044】
入力軸12は、第1ギヤセットPG1のキャリヤC1に第1サンギヤS1a及び第2サンギヤS1bの間を通じて常時連結され、出力軸13は、第4ギヤセットPG4のキャリヤC4に常時連結されている。
【0045】
第1クラッチCL1は、入力軸12及び第1ギヤセットPG1のキャリヤC1と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設されて、これらを断接するようになっており、第2クラッチCL2は、第1ギヤセットPG1のリングギヤR1及び第2ギヤセットPG2のサンギヤS2と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設され、これらを断接するようになっており、第3クラッチCL3は、第2ギヤセットPG2のリングギヤR2と第3ギヤセットPG3のサンギヤS3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。
【0046】
第1ブレーキBR1は、変速機ケース11と第1ギヤセットPG1のサンギヤS1、具体的には第1サンギヤS1aとの間に配設されて、これらを断接するようになっており、第2ブレーキBR2は、変速機ケース11と第3ギヤセットPG3のリングギヤR3との間に配設されて、これらを断接するようになっている。
【0047】
以上の構成により、自動変速機10は、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3、第1ブレーキBR1、第2ブレーキBR2の締結状態の組み合わせにより、図2に示すように、Dレンジでの1〜8速と、Rレンジでの後退速とが形成されるようになっている。
【0048】
自動変速機10では、発進時に1速の変速段で締結される第2ブレーキBR2がスリップ制御され、第2ブレーキBR2が本発明に係る自動変速機の摩擦締結要素に相当する。以下、このブレーキBR2について説明する。
【0049】
図3は、自動変速機のブレーキ及びその周辺の断面図、図4は、自動変速機のブレーキ及びその周辺の別の断面図、図5及び図6はそれぞれ、自動変速機のブレーキ及びその周辺の更に別の断面図である。図3は、図7のY3−Y3線に沿った断面に対応する自動変速機のブレーキ及びその周辺の断面を示し、図4図5図6はそれぞれ、図12のY4−Y4線、Y5−Y5線、Y6−Y6線に沿った断面に対応する自動変速機のブレーキ及びその周辺の断面を示している。
【0050】
図3から図6に示すように、ブレーキBR2は、略円筒状に形成された変速機ケース11内に収容され、第3ギヤセットPG3のサンギヤS3に連結されて第1、第2、第3クラッチCL1、CL2、CL3の内外一対の回転部材の一方が一体化された動力伝達部材14の外周側に配置されている。
【0051】
動力伝達部材14は、第2ギヤセットPG2のキャリヤC2と第4ギヤセットPG4のキャリヤC4とを連結する動力伝達部材15の外周側に配置され、動力伝達部材15は、第1ギヤセットPG1のサンギヤS1、具体的には第2サンギヤS1bと第4ギヤセットPG4のサンギヤS4とを連結する動力伝達部材16の外周側に配置されている。
【0052】
ブレーキBR2は、変速機ケース11に結合されるハブ部材20と、ハブ部材20の反駆動源側に配置されて第3ギヤセットPG3のリングギヤR3に結合されるドラム部材60と、ハブ部材20とドラム部材60との間に軸方向に並べて配置される複数の摩擦板70と、複数の摩擦板70の反駆動源側に配置されて複数の摩擦板70を締結するピストン80とを有している。
【0053】
ブレーキBR2は、摩擦板70の径方向内側にピストン80を付勢する作動油が供給される油圧室90を有している。油圧室90は、ピストン80を締結方向に付勢する締結用作動油が供給される締結用油圧室91と、ピストン80を解放方向に付勢する解放用作動油が供給される解放用油圧室92とを備えている。
【0054】
ブレーキBR2はまた、図3に示すように、摩擦板70の径方向内側にピストン80を付勢する付勢ユニット100を有している。付勢ユニット100は、ピストン80を付勢する付勢部材としてピストン80に締結方向に付勢力を作用させるスプリング101を備えている。
【0055】
図7は、ブレーキのハブ部材及びピストンの組付状態を示す斜視図、図8は、ブレーキの第1ハブ部材、第2ハブ部材及び第3ハブ部材の組付状態を示す斜視図、図9は、ブレーキの第1ハブ部材及び第2ハブ部材の組付状態を示す斜視図、図10は、第1ハブ部材を示す斜視図、図11は、第2ハブ部材を示す斜視図、図12は、ブレーキのハブ部材及びピストンの組付状態を示す別の斜視図、図13は、第3ハブ部材を示す斜視図である。
【0056】
図3から図13に示すように、ハブ部材20は、摩擦板70がスプライン係合されると共に変速機ケース11にスプライン係合される第1ハブ部材21と、第1ハブ部材21の駆動源側に配置されて変速機ケース11に嵌合されると共に第1ハブ部材21より径方向内側に延びる第2ハブ部材31と、第1ハブ部材21より径方向内側において第2ハブ部材31の反駆動側に結合される第3ハブ部材41と、第1ハブ部材21より径方向内側において第3ハブ部材41の反駆動源側に結合される第4ハブ部材51とを備えている。
【0057】
第1ハブ部材21は、図3に示すように、変速機ケース11の軸方向と直交する方向に延びて略円盤状に形成された縦壁部22と、縦壁部22の径方向内側において縦壁部22から反駆動源側に略円筒状に延びる円筒部23とを備えている。
【0058】
第1ハブ部材21は、縦壁部22の外周面にスプラインが形成されたスプライン部24を有し、スプライン部24が変速機ケース11の内周面にスプラインが形成されたスプライン部11aにスプライン係合されて変速機ケース11に結合されている。
【0059】
第1ハブ部材21の円筒部23は、外周面にスプラインが形成されたスプライン部25を有し、スプライン部25に、摩擦板70を構成する固定側摩擦板71がスプライン係合されている。スプライン部25は、図10に示すように、スプライン部25が複数の摩擦板70の解放状態においても複数の摩擦板70にスプライン係合する所定の軸方向長さを有する第1歯部26と、第1歯部26より軸方向長さが短く形成されて複数の摩擦板70にスプライン係合する第2歯部27とを有している。第1ハブ部材21には、複数、具体的には3つの第1歯部26が周方向に略等間隔に配置されている。
【0060】
第2ハブ部材31は、図3に示すように、変速機ケース11の軸方向と直交する方向に延びて略円盤状に形成された縦壁部32を備えている。第2ハブ部材31の縦壁部32には、図4に示すように、摩擦板70に潤滑用作動油を供給する潤滑用供給油路L1が形成されている。
【0061】
第2ハブ部材31は、縦壁部32の外周面が第1ハブ部材21のスプライン部24の駆動源側において変速機ケース11の内周面11bに嵌合されている。第2ハブ部材31は、スナップリング17により駆動源側への抜け止めが図られると共に回り止めピン18を用いて変速機ケース11に固定され、変速機ケース11に結合されている。なお、第2ハブ部材31を変速機ケース11の内周面11bに圧入によって嵌合させて固定し、変速機ケース11に結合させるようにしてもよい。
【0062】
変速機ケース11の下方には、図4に示すように、ブレーキBR2の油圧室90や摩擦板70などに作動油を供給するバルブボディ5が配設されている。バルブボディ5は、変速機ケース11の下方に取り付けられたオイルパン(不図示)内に収容され、変速機ケース11に固定されている。第2ハブ部材31は、バルブボディ5に接続するためのバルブボディ接続部34を有し、変速機ケース11に形成されたケース開口部11cを通じて潤滑用供給油路L1がバルブボディ5に接続されるように形成されている。
【0063】
第2ハブ部材31の縦壁部32には、図5に示すように、締結用油圧室91に締結用作動油を供給する締結用供給油路L2が形成されると共に、図6に示すように、解放用油圧室92に解放用作動油を供給する解放用供給油路L3が形成されている。
【0064】
図11に示すように、潤滑用供給油路L1、解放用供給油路L3及び締結用供給油路L2は、変速機ケース11の下方側に周方向に並んで配置され、第2ハブ部材31は、潤滑用供給油路L1、解放用供給油路L3及び締結用供給油路L2がそれぞれバルブボディ5に接続されるように形成されている。
【0065】
第2ハブ部材31の縦壁部32には、図3に示すように、反駆動源側に駆動源側に窪む段差部32aが形成されている。第2ハブ部材31の段差部32aは、第2ハブ部材31の縦壁部32に第1ハブ部材21の縦壁部22が当接されたときに第1ハブ部材21の縦壁部22の内周側が係合するように形成されている。
【0066】
第2ハブ部材31の縦壁部32には、内周側に反駆動源側に略円柱状に延びる複数のボス部35が形成されている。複数のボス部35は、図9及び図11に示すように、周方向に分散して配置され、ボス部35にはそれぞれ、反駆動源側にネジ孔35aが形成されている。ボス部35のネジ孔35aに第4ハブ部材51の反駆動源側から締結ボルトB1を螺合させることにより第2ハブ部材31の反駆動源側に第3ハブ部材41及び第4ハブ部材51が結合されている。
【0067】
第3ハブ部材41は、図3に示すように、変速機ケース11の軸方向と直交する方向に延びて略円盤状に形成された縦壁部42と、縦壁部42の径方向外側から反駆動源側に略円筒状に延びる第1円筒部43と、縦壁部42の径方向内側から反駆動源側に略円筒状に延びる第2円筒部44とを備え、第1円筒部43及び第2円筒部44は、略等しい軸方向長さを有するように形成されている。
【0068】
第3ハブ部材41の第1円筒部43は、第1ハブ部材21の円筒部23の径方向内側に設けられている。第3ハブ部材41の第1円筒部43は、反駆動源側に第1ハブ部材21の円筒部23の内周面に当接するように径方向外側に延びるフランジ部43aを備え、第1ハブ部材21の円筒部23との間に潤滑用供給油路L1を形成するように設けられている。
【0069】
第3ハブ部材41の第2円筒部44は、駆動源側の外周面44aと反駆動源側の外周面44bとを有し、反駆動源側の外周面44bは、解放用油圧室92を形成するように駆動源側の外周面44aに比して径方向寸法が小さく形成されている。
【0070】
第3ハブ部材41の第2円筒部44にはまた、図3図8及び図13に示すように、駆動源側から反駆動源側に略矩形状に窪んで第2ハブ部材31の複数のボス部35をそれぞれ収容する複数のボス部収容部45と、締結ボルトB1を挿通するボルト挿通穴44cとが形成されている。
【0071】
第4ハブ部材51は、変速機ケース11の軸方向と直交する方向に延びて略円盤状に形成され、第3ハブ部材41の反駆動源側に配置されている。第4ハブ部材51の径方向内側には、締結ボルトB1を挿通するボルト挿通穴52が形成されている。
【0072】
前述したように、第4ハブ部材51の反駆動源側から第4ハブ部材51のボルト挿通穴52及び第3ハブ部材41のボルト挿通穴44cを通じて締結ボルトB1を第2ハブ部材31のネジ孔35aに螺合させることにより、第2ハブ部材31の反駆動源側に第3ハブ部材41が結合されると共に第3ハブ部材41の反駆動源側に第4ハブ部材51が結合されている。
【0073】
第4ハブ部材51は、第3ハブ部材41の第2円筒部44より径方向外側に延びるように形成され、第4ハブ部材51の外周面がピストン80に嵌合されている。第4ハブ部材51の外周面には、ピストン80との嵌合部分より反駆動源側に径方向内側に断面略矩形状に窪むスナップリング用周溝54が形成され、スナップリング用周溝54に断面略矩形状に形成されたスナップリング55が装着されている。
【0074】
スナップリング55は、未装着時には装着時より小径とされて略環状に形成されている。ピストン80の径方向中央側には、スナップリング55に対応して反駆動源側から駆動源側に断面略L字状に窪むスナップリング用溝部80aが形成されている。スナップリング55は、駆動源側がスナップリング用溝部80aの駆動源側の側面に当接すると共に反駆動源側がスナップリング用周溝54の反駆動源側の側面に当接したときに、ピストン80を所定の解放位置に規制するようになっている。
【0075】
このようにして、ハブ部材20、具体的には第4ハブ部材51に、ピストン80を解放位置に規制する規制部材としてのスナップリング55が取り付けられている。スナップリング55は、ピストン80と軸方向にオーバーラップする位置に配置され、ピストン80の径方向中央側に当接するように設けられている。
【0076】
ハブ部材20では、第1ハブ部材21、第2ハブ部材31、第3ハブ部材41及び第4ハブ部材51がそれぞれ、アルミニウム系材料から形成されて同一材料から形成されている。
【0077】
ドラム部材60は、第1ハブ部材21の円筒部23の外周側に対向配置されて略円筒状に軸方向に延びる円筒部61と、円筒部61の反駆動源側から径方向内側に変速機ケース11の軸方向と直交する方向に延びて略円盤状に形成された縦壁部62とを備えている。
【0078】
ドラム部材60の縦壁部62は、回転部材としてのリングギヤR3に結合されている。ドラム部材60の円筒部61は、内周面にスプラインが形成されたスプライン部61aを有し、スプライン部61aに、摩擦板70を構成する回転側摩擦板72がスプライン係合されている。固定側摩擦板71と回転側摩擦板72とは、軸方向に交互に配置されている。
【0079】
ピストン80は、ハブ部材20とドラム部材60との間に、具体的には第1ハブ部材21の円筒部23とドラム部材60の円筒部61との間に配置されて第3ハブ部材41の第2円筒部44の外周面に摺動自在に嵌合されている。ピストン80は、ピストン80を解放位置に規制するスナップリング55によって反駆動源側への抜け止めが図られている。
【0080】
ピストン80は、環状に形成され、図4に示すように、外周側に設けられて摩擦板70を押圧する押圧部81と、内周側に設けられて油圧室90を形成する油圧室形成部82と、押圧部81と油圧室形成部82とを連結する連結部83とを備えている。ピストン80の油圧室形成部82は、締結用油圧室91を形成する締結用油圧室形成部84と、解放用油圧室92を形成する解放用油圧室形成部85とを備えている。
【0081】
ピストン80の押圧部81は、摩擦板70の反駆動源側に配置され、油圧室形成部82は、摩擦板70の径方向内側に配置され、連結部83は、押圧部81と油圧室形成部82とを連結するように摩擦板70の反駆動源側から摩擦板70の径方向内側に延びている。
【0082】
自動変速機10では、ピストン80は、押圧部81と、油圧室形成部82と、連結部83とを備える第1ピストン部材86と、第1ピストン部材86に結合されて油圧室形成部82を備えると共に締結用油圧室91及び解放用油圧室92を区画する第2ピストン部材87とから形成されている。
【0083】
第1ピストン部材86には、連結部83にスナップリング55に対応して設けられたスナップリング用溝部80aが形成されている。図4に示すように、第1ピストン部材86には、反駆動源側に環状に突出する被嵌合部86aが設けられ、第2ピストン部材87には、駆動源側に環状に突出する嵌合部87aが設けられている。
【0084】
ピストン80は、第1ピストン部材86の被嵌合部86aと第2ピストン部材87の嵌合部87aとが圧入によって嵌合されることにより第1ピストン部材86と第2ピストン部材87とが結合されて形成されている。第2ピストン部材87は、第1ピストン部材86に結合されて反駆動源側の締結用油圧室91と駆動源側の解放用油圧室92とを区画している。
【0085】
第1ピストン部材86は、摩擦板70の反駆動源側から径方向内側に延びて第4ハブ部材51の外周面に嵌合されると共に、第4ハブ部材51より駆動源側を被嵌合部86aより径方向内側に延びて第3ハブ部材41の第2円筒部44の外周面44aに嵌合されている。第1ピストン部材86の径方向内側の端部には、第1ピストン部材86と第3ハブ部材41との間をシールするシール部材86bが装着されている。
【0086】
第2ピストン部材87は、第1ピストン部材86に結合されて嵌合部87aより径方向内側に延びて第3ハブ部材41の第2円筒部44の外周面44bに嵌合されている。第2ピストン部材87は、第1ピストン部材86より径方向内側に延び、第2ピストン部材87の径方向内側の端部には、第2ピストン部材87と第3ハブ部材41との間をシールするシール部材87bが装着されている。
【0087】
このようにして、締結用油圧室91は、第1ピストン部材86、第2ピストン部材87、第3ハブ部材41及び第4ハブ部材51によって区画された空間部によって形成されている。解放用油圧室92は、第1ピストン部材86、第2ピストン部材87及び第3ハブ部材41によって区画された空間部によって形成されている。
【0088】
図5に示すように、付勢ユニット100は、締結用油圧室91内に配置されている。締結用油圧室91を形成する第2ピストン部材87は、反駆動源側が付勢ユニット100のスプリング101による付勢力を受けるようになっている。スプリング101と締結用油圧室91及び解放用油圧室92とは、複数の摩擦板70の径方向内側において径方向にオーバーラップする位置に配置されている。
【0089】
付勢ユニット100は、軸方向に延びるコイルスプリングからなる複数のスプリング101と、環状に形成されて複数のスプリング101の駆動源側の端部を保持する保持プレート102とを備えている。保持プレート102には、反駆動源側に円筒状に突出して複数のスプリング101がそれぞれ装着される複数のスプリングガイド部103が設けられ、複数のスプリング101が径方向にオーバーラップする位置且つ周方向に異なる位置に配置されている。
【0090】
付勢ユニット100は、保持プレート102が第2ピストン部材87の反駆動源側に支持されると共に保持プレート102に装着されたスプリング101の反駆動源側が第4ハブ部材51の駆動源側に支持されてハブ部材20に取り付けられている。付勢ユニット100は、スプリング101が自由長さとなったときにピストン80がゼロクリアランス位置になるように設定されている。
【0091】
このようにして、付勢ユニット100は、スプリング101がピストン80に解放位置からゼロクリアランス位置まで締結方向に付勢力を作用させるようになっている。そして、ピストン80がゼロクリアランス位置にあるときに締結用油圧室91に締結用油圧を供給すると、ピストン80が複数の摩擦板70を押し付けて、複数の摩擦板70が第1ハブ部材21の縦壁部22とピストン80との間に挟み込まれて相対回転不能になる締結状態となる締結位置まで移動される。
【0092】
一方、ピストン80が締結位置にあるときに、締結用油圧室91から締結用油圧を排出して解放用油圧室92に解放用油圧を供給すると、ピストン80が解放方向に付勢されて移動され、ピストン80がゼロクリアランス位置に移動される。ピストン80はさらに、スプリング101に抗して解放方向に付勢されて移動され、解放位置に移動される。
【0093】
自動変速機10では、図3に示すように、ピストン80の連結部83に、具体的には押圧部81より反駆動源側に膨出する膨出部83aに第1ハブ部材21の円筒部23のスプライン部25に対応して切り欠かれた第1ハブ部材用切欠部83bが形成されている。第1ハブ部材21の円筒部23のスプライン部25の反駆動源側は、ピストン80の第1ハブ部材用切欠部83bに嵌合され、第1ハブ部材21とピストン80とは、軸方向にオーバーラップして配置されている。
【0094】
図14は、ブレーキのハブ部材及びピストンの要部を示す正面図である。図14に示すように、第1ハブ部材用切欠部83bは、スプライン部25の第1歯部26に対応して形成されている。第1ハブ部材用切欠部83bは、第1ハブ部材21のスプライン部25の第1歯部26の断面形状より大きく切り欠かれ、第1歯部26の両側の側面26aに沿ってそれぞれ配置される両側の側面83cを有している。ピストン80には、図7に示すように、第1ハブ部材21の複数、具体的には3つの第1歯部26に対応して3つの第1ハブ部材用切欠部83bが周方向に略等間隔に形成されている。
【0095】
第1ハブ部材21は、ピストン80が周方向に回動するときに第1ハブ部材用切欠部83bの側面83cが第1ハブ部材21の第1歯部26の側面26aに当接してピストン80が所定量以上、例えばピストン80の回動角度が1度となる所定量以上回動することを規制するようになっている。
【0096】
第1ハブ部材用切欠部83bの側面83cは、ハブ部材20のスプライン部25の歯部26の側面26aに沿って配置される規制部として機能し、ハブ部材20、具体的には第1ハブ部材21は、ピストン80が周方向に所定量以上回動することを規制するピストン回動規制部材として機能する。
【0097】
第2ハブ部材31には、図11に示すように、締結用供給油路L2及び解放用供給油路L3の近傍に2つのボルト挿通穴32bが形成されている。図13に示すように、第3ハブ部材41には、第2ハブ部材31のボルト挿通穴32bに対応してネジ孔41aが形成されている。
【0098】
第3ハブ部材41は、図12に示すように、第2ハブ部材31の駆動源側から締結ボルトB2を第2ハブ部材31のボルト挿通穴32bを通じて第3ハブ部材41のネジ孔41aに螺合させることにより第2ハブ部材31に結合されている。第3ハブ部材41には、図13に示すように、駆動源側に第2ハブ部材31と第3ハブ部材41との間において締結用供給油路L2及び解放用供給油路L3の周囲をシールするシール部材47が装着されている。
【0099】
次に、ブレーキBR2に作動油を供給する供給油路について説明する。
摩擦板70に潤滑用作動油を供給する潤滑用供給油路L1は、第1ハブ部材21、第2ハブ部材31及び第3ハブ部材41に形成されている。締結用油圧室91に締結用作動油を供給する締結用供給油路L2は、第2ハブ部材31、第3ハブ部材41及び第4ハブ部材51に形成されている。解放用油圧室92に解放用作動油を供給する解放用供給油路L3は、第2ハブ部材31及び第3ハブ部材41に形成されている。
【0100】
潤滑用供給油路L1は、図3及び図4に示すように、第2ハブ部材31の縦壁部32に設けられて径方向に延びる径方向油路131と、第2ハブ部材31の径方向油路131に接続されて第1ハブ部材21の円筒部23と第3ハブ部材41の円筒部43との間に周方向に環状に設けられる周方向油路132と、第1ハブ部材21の円筒部23に設けられて周方向油路132に接続されると共に第1ハブ部材21の円筒部23の外周面に開口して摩擦板70に潤滑用作動油を供給する供給口133とを備えて構成されている。
【0101】
図10に示すように、供給口133は、第1ハブ部材21の円筒部23の軸方向に並んで複数設けられると共に、第1ハブ部材21の円筒部23の周方向に離間して複数設けられる。供給口133は、好ましくは第1ハブ部材21の円筒部23のスプライン部25の歯部26、27の歯先に開口するように設けられるが、スプライン部25の歯部26、27の歯底に開口するように設けることも可能である。
【0102】
第2ハブ部材31は、潤滑用供給油路L1がバルブボディ5に接続されるように形成されている。第2ハブ部材31の径方向油路131は、第2ハブ部材31の縦壁部32に設けられると共にバルブボディ接続部34の下面に開口し、バルブボディ5に接続されている。バルブボディ5は、潤滑用供給油路L1を通じて複数の摩擦板70に潤滑用作動油を供給できるようになっている。
【0103】
締結用供給油路L2は、図5に示すように、第2ハブ部材31の縦壁部32に設けられて径方向に延びる径方向油路111と、第3ハブ部材41の第2円筒部44に設けられて第2ハブ部材31の径方向油路111に接続されて軸方向に延びると共に、第4ハブ部材51に設けられて径方向に延びる径方向油路112を介して締結用油圧室91に開口して接続される軸方向油路113とを備えて構成されている。第2ハブ部材31の径方向油路111の径方向内側は、第3ハブ部材41によって覆われて形成され、第4ハブ部材51の径方向油路112は、第3ハブ部材41によって覆われて形成されている。
【0104】
第2ハブ部材31は、締結用供給油路L2がバルブボディ5に接続されるように形成されている。第2ハブ部材31の径方向油路111は、第2ハブ部材31の縦壁部32に設けられると共にバルブボディ接続部34の下面に開口し、バルブボディ5に接続されている。バルブボディ5は、締結用供給油路L2を通じて締結用油圧室91に締結用作動油を供給して所定の締結用油圧を供給できるようになっている。
【0105】
解放用供給油路L3は、図6に示すように、第2ハブ部材31の縦壁部32に設けられて径方向に延びる径方向油路121と、第3ハブ部材41の第2円筒部44に設けられて第2ハブ部材31の径方向油路121に接続されて軸方向に延びると共に、解放用油圧室92に開口して接続される軸方向油路122とを備えて構成されている。第2ハブ部材31の径方向油路121の径方向内側は、第3ハブ部材41によって覆われて形成されている。
【0106】
第2ハブ部材31は、解放用供給油路L3がバルブボディ5に接続されるように形成されている。第2ハブ部材31の径方向油路121は、第2ハブ部材310の縦壁部32に設けられると共にバルブボディ接続部34の下面に開口し、バルブボディ5に接続されている。バルブボディ5は、解放用供給油路L3を通じて解放用油圧室92に解放用作動油を供給して所定の解放用油圧を供給できるようになっている。
【0107】
自動変速機10では、図11に示すように、締結用供給油路L2、解放用供給油路L3及び潤滑用供給油路L1をそれぞれ構成する径方向油路111、121、131が周方向に並んで配置されている。図12に示すように、潤滑用供給油路L1を構成する周方向油路132は、径方向油路131に接続されると共に周方向に環状に延びている。
【0108】
次に、このようにして構成されたブレーキBR2の作動について説明する。
図15は、解放状態、ゼロクリアランス状態及び締結状態にあるブレーキを示す断面図である。図15では、図3に示すブレーキBR2の要部を示している。
【0109】
図15(a)では、締結用油圧室91から締結用油圧が排出されると共に解放用油圧室92に解放用油圧が供給されてピストン80を介してスプリング101を圧縮してピストン80が反駆動源側である解放方向に移動され、ピストン80の位置が複数の摩擦板70が解放状態となる解放位置にあるブレーキBR2の解放状態が示されている。
【0110】
ブレーキBR2の締結時には、図15(a)に示す解放状態において解放用油圧室92から解放用油圧が排出され、図15(b)に示すように、ピストン80がスプリング101の付勢力を受けてスプリング101の自由長さまで締結方向に移動され、ピストン80の位置が複数の摩擦板70を押圧することなく摩擦板70に接した状態若しくはほぼ接した状態であるゼロクリアランス状態となるゼロクリアランス位置になり、ブレーキBR2がゼロクリアランス状態となる。
【0111】
そして、図15(b)に示すゼロクリアランス状態において締結用油圧室91に締結用油圧が供給されると、図15(c)に示すように、ピストン80が締結用油圧室91に供給された締結用油圧によって締結方向に付勢されて移動され、ピストン80が複数の摩擦板70を押し付けてピストン80の位置が複数の摩擦板70が相対回転不能になる締結位置になり、ブレーキBR2が締結状態となる。
【0112】
一方、ブレーキBR2の解放時には、図15(c)に示す締結状態において締結用油圧室91から締結用油圧が排出されると共に解放用油圧室92に解放用油圧が供給され、ピストン80が解放用油圧室92に供給された解放用油圧によって反駆動源側である解放方向に付勢されて移動され、図15(b)に示すゼロクリアランス状態を経て、図15(a)に示す解放状態となる。
【0113】
ブレーキBR2では、ピストン80を解放位置からゼロクリアランス位置までスプリング101によって精度良く移動させることができる。なお、図15(a)に示す解放状態において解放用油圧室92から解放用油圧が排出されてピストン80が締結方向に移動されるときに、ピストン80が速やかに移動されるように締結用油圧室91に作動油をプリチャージすることも可能である。
【0114】
ブレーキBR2は、前述したように、車両の発進時にスリップ制御される。ブレーキBR2の締結時には、締結用油圧室91に締結用油圧よりも低い油圧が供給されて複数の摩擦板70がスリップ状態とされた後に締結用油圧室91に締結用油圧が供給されて複数の摩擦板70が締結される。一方、ブレーキBR2の解放時には、解放用油圧室92に解放用油圧よりも低い油圧が供給されて複数の摩擦板70がスリップ状態とされた後に解放用油圧室92に解放用油圧が供給されて複数の摩擦板70が締結解除される。
【0115】
ブレーキBR2の締結時及び解放時には、潤滑用供給油路L1を通じて複数の摩擦板70に潤滑用作動油が供給され、ブレーキBR2がスリップ制御されるときに潤滑用供給油路L1を通じて複数の摩擦板70に潤滑用作動油が供給される。
【0116】
このように、本実施形態に係る自動変速機10では、ハブ部材20とドラム部材60との間に複数の摩擦板70が配置されたブレーキBR2を備え、ピストン80を付勢する付勢部材101と締結用油圧室91と解放用油圧室92とは、複数の摩擦板70の径方向内側において径方向にオーバーラップする位置に配置される。
【0117】
これにより、付勢部材101と締結用油圧室91と解放用油圧室92とを複数の摩擦板79の軸方向一方側に配置する場合に比して軸方向にコンパクトに構成することができると共に、付勢部材101と締結用油圧室91と解放用油圧室92とを径方向にオーバーラップさせない場合に比して、径方向にコンパクトに構成することができる。
【0118】
また、ハブ部材20は、摩擦板70がスプライン係合されるスプライン部25を備えた円筒部23を有して変速機ケース11にスプライン係合される第1ハブ部材21と、潤滑用供給油路L1を形成すると共にバルブボディ5に接続されるように変速機ケース11に嵌合される第2ハブ部材31とを備える。
【0119】
これにより、第1ハブ部材21が変速機ケース11にスプライン係合されるので、ブレーキBR2の締結時にスプライン部25を介して摩擦板70から入力される力によって第1ハブ部材21が変速機ケース11の周方向に回転することを抑制することができ、ハブ部材20の回り止めを行うことができる。
【0120】
また、第2ハブ部材31が変速機ケース11に嵌合されるので、第2ハブ部材31を変速機ケース11に固定することができ、第2ハブ部材31とバルブボディ5との接続部において変速機ケース11の周方向のガタをなくしてバルブボディ5から第2ハブ部材31の潤滑用供給油路L1に潤滑用の作動油を効率良く供給することができる。
【0121】
したがって、ハブ部材20とドラム部材60との間に複数の摩擦板70が配置されると共にピストン80を付勢する付勢部材101と締結用油圧室91と解放用油圧室92とを有するブレーキBR2を備えた自動変速機10において、コンパクトに構成しつつ、摩擦板70がスプライン係合されるハブ部材20の回り止めを行うと共にバルブボディ5から摩擦板70に潤滑用の作動油を効率良く供給することができる。
【0122】
また、ハブ部材20は、第1ハブ部材21の径方向内側において第2ハブ部材31に結合されると共に第1ハブ部材21の円筒部23との間に潤滑用供給油路L1を形成する円筒部43を有する第3ハブ部材41を備え、第1ハブ部材21の円筒部23に供給口133が設けられる。これにより、第2ハブ部材31の潤滑用供給油路L1から第1ハブ部材21の円筒部23と第3ハブ部材41の円筒部43との間の潤滑用供給油路L1を通じ、第1ハブ部材21の円筒部23の供給口133から摩擦板70に潤滑用の作動油を供給することができ、摩擦板70に潤滑用の作動油を効率良く供給することができる。
【0123】
また、第1ハブ部材21、第2ハブ部材31及び第3ハブ部材41は、同一材料から形成される。これにより、第1ハブ部材21、第2ハブ部材31及び第3ハブ部材41が同一材料から形成されない場合に比して、第1ハブ部材21、第2ハブ部材31及び第3ハブ部材41の熱膨張による寸法変化を略等しくすることができ、摩擦板70に潤滑用の作動油を効率良く供給することができる。
【0124】
また、付勢部材101は、ピストン80に解放位置からゼロクリアランス位置まで締結方向に付勢力を作用させる付勢部材101である。これにより、付勢部材101によってピストン80を解放位置からゼロクリアランス位置に精度良く移動させることができる。
【0125】
また、ピストン80は、押圧部81、油圧室形成部82及び連結部83を備える第1ピストン部材86と、第1ピストン部材86に結合されて締結用油圧室91及び解放用油圧室92を区画する第2ピストン部材87とを備える。これにより、押圧部81、油圧室形成部82及び連結部83を備えると共に締結用油圧室91及び解放用油圧室92を区画するピストン80を単一部材で形成することが困難な場合においても、第1ピストン部材86と第2ピストン部材87とを結合させてピストン80を形成することで、押圧部81、油圧室形成部82及び連結部83を備えると共に締結用油圧室91及び解放用油圧室92を区画するピストン80を比較的容易に形成することができる。
【0126】
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0127】
以上のように、本発明によれば、ハブ部材とドラム部材との間に複数の摩擦板が配置されると共にピストンを付勢する付勢部材と締結用油圧室と解放用油圧室とを有するブレーキを備えた自動変速機において、コンパクトに構成しつつ、摩擦板がスプライン係合されるハブ部材の回り止めを行うと共にバルブボディから摩擦板に潤滑用の作動油を効率良く供給することが可能となるから、この種の自動変速機ないしこれを搭載する車両の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0128】
10 自動変速機
11 変速機ケース
20 ハブ部材
21 第1ハブ部材
31 第2ハブ部材
41 第3ハブ部材
51 第4ハブ部材
60 ドラム部材
70 摩擦板
80 ピストン
90 油圧室
91 締結用油圧室
92 解放用油圧室
101 スプリング
BR2 第2ブレーキ
L1 潤滑用供給油路
L2 締結用供給油路
L3 解放用供給油路
R3 リングギヤ
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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