特開2020-101542(P2020-101542A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特開2020-101542バッテリーセンサーのための抵抗アセンブリ、および、バッテリーセンサー
<>
  • 特開2020101542-バッテリーセンサーのための抵抗アセンブリ、および、バッテリーセンサー 図000003
  • 特開2020101542-バッテリーセンサーのための抵抗アセンブリ、および、バッテリーセンサー 図000004
  • 特開2020101542-バッテリーセンサーのための抵抗アセンブリ、および、バッテリーセンサー 図000005
  • 特開2020101542-バッテリーセンサーのための抵抗アセンブリ、および、バッテリーセンサー 図000006
  • 特開2020101542-バッテリーセンサーのための抵抗アセンブリ、および、バッテリーセンサー 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2020-101542(P2020-101542A)
(43)【公開日】2020年7月2日
(54)【発明の名称】バッテリーセンサーのための抵抗アセンブリ、および、バッテリーセンサー
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/00 20060101AFI20200605BHJP
   H01C 13/00 20060101ALI20200605BHJP
   H01C 1/144 20060101ALI20200605BHJP
【FI】
   G01R15/00 500
   H01C13/00 J
   H01C1/144
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-226061(P2019-226061)
(22)【出願日】2019年12月16日
(31)【優先権主張番号】20 2018 005 888.2
(32)【優先日】2018年12月20日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク・フレンツェル
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・シュランメ
【テーマコード(参考)】
2G025
5E028
【Fターム(参考)】
2G025AA09
2G025AB05
2G025AC01
5E028AA10
5E028BA21
5E028BB01
5E028BB20
5E028CA02
5E028DA08
5E028EA13
5E028JA11
5E028JA12
5E028JC01
(57)【要約】
【課題】本発明は、車両内における、バッテリーセンサー10のための抵抗アセンブリ20に関し、この抵抗アセンブリが、第1の接続要素26と、第2の接続要素28と、所定の電気的な抵抗を有する測定抵抗24とを有し、前記測定抵抗24が、前記第1の接続要素26と前記第2の接続要素28との間に配置されており、且つ、導電的にこれら接続要素と結合されており、および、前記測定抵抗24が、低い抵抗−温度係数を有している。本発明は、更に、そのような抵抗アセンブリ20を有するバッテリーセンサー10に関する。
【解決手段】前記第1の接続要素26及び/または前記第2の接続要素28は、それぞれに、少なくとも前記測定抵抗24と隣接する接続領域内において、銅、特に銅合金よりも低い抵抗−温度係数を有する材料から成っている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内における、バッテリーセンサー(10)のための抵抗アセンブリ(20)であって、この抵抗アセンブリが、
第1の接続要素(26)と、第2の接続要素(28)と、所定の電気的な抵抗を有する測定抵抗(24)とを有し、
前記測定抵抗(24)が、前記第1の接続要素(26)と前記第2の接続要素(28)との間に配置されており、且つ、導電的にこれら接続要素と結合されており、および、
前記測定抵抗(24)が、低い抵抗−温度係数を有している、
様式の上記抵抗アセンブリにおいて、
前記第1の接続要素(26)及び/または前記第2の接続要素(28)が、それぞれに、少なくとも前記測定抵抗(24)と隣接する接続領域内において、銅、特に銅合金よりも低い抵抗−温度係数を有する材料から成っている、
ことを特徴とする抵抗アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の接続要素(26)及び/または前記第2の接続要素(28)は、少なくとも接続領域内において、3200ppm/Kよりも低い、特に2000ppm/Kよりも低い抵抗−温度係数を有していることを特徴とする請求項1に記載の抵抗アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の接続要素(26)及び/または前記第2の接続要素(28)は、少なくとも接続領域内において、銅−鉄−燐合金から成っていることを特徴とする請求項1または2に記載の抵抗アセンブリ。
【請求項4】
前記抵抗要素(24)は、前記第1の接続要素(26)及び/または前記第2の接続要素(28)よりも低い温度係数、特に100ppm/Kよりも低い温度係数を有しており、
特に前記抵抗要素(24)が、銅−マンガン−ニッケル合金から成っていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の抵抗アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の接続要素(26)及び/または前記第2の接続要素(28)は、少なくとも接続領域内において、前記抵抗要素と同じ厚さを有しており、
特にこの厚さが、1.5と3.5mmとの間、有利には1.8と3mmとの間の値であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の抵抗アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の接続要素(26)において、少なくとも1つの第1の接点位置(32a、32b)が、および、
前記第2の接続要素(28)において、少なくとも1つの第2の接点位置(34a、34b)が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の抵抗アセンブリ。
【請求項7】
車両のためのバッテリーセンサー(10)であって、このバッテリーセンサーが、
車両用バッテリーにおける前記バッテリーセンサー(10)の接続のためのバッテリー電極端子(14)と、電流接続部(18)と、請求項1から6のいずれか一つによる抵抗アセンブリ(20)とを有しており、
前記抵抗アセンブリ(20)が、前記バッテリー電極端子(14)と前記電流接続部(18)とを、導電的に互いに結合し、且つ、
前記抵抗アセンブリ(20)、特に前記測定抵抗(24)を通って流れるバッテリー電流の検出のための測定装置が設けられている、
ことを特徴とするバッテリーセンサー。
【請求項8】
前記測定装置は、それぞれに、少なくとも1つの前記第1の接続要素(26)に設けられた第1の接点位置(32a、32b)、および、前記第2の接続要素(28)に設けられた第2の接点位置(34a、34b)と、導電的に結合されていることを特徴とする請求項7に記載のバッテリーセンサー。
【請求項9】
前記測定装置は、前記抵抗要素(24)を介しての電圧降下の検出のための電圧検出装置であることを特徴とする請求項7または8に記載のバッテリーセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内における、バッテリーセンサーのための抵抗アセンブリに関し、この抵抗アセンブリが、
第1の接続要素と、第2の接続要素と、所定の電気的な抵抗を有する測定抵抗とを有し、
その際、前記測定抵抗が、前記第1の接続要素と前記第2の接続要素との間に配置されており、且つ、導電的にこれら接続要素と結合されている。本発明は、更に、そのような抵抗アセンブリを有するバッテリーセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの用途、特に車両領域において、発生する電流を極めて正確に算出(ermitteln)もしくは測定(messen)することは必要である。
従来技術から、例えば、方法並びにセンサーが公知であり、これら方法並びにセンサーにおいて、電流強度は、電流経路内において配置された測定抵抗を介しての電圧降下によって算定される。測定抵抗の電気的な抵抗は、極めて精確に周知である。検出(erfassten)された電圧降下、並びに、周知の電気的な抵抗から、オームの法則により、測定抵抗を介して流れる電流、即ち、バッテリー電流は計算(berechnet)され得る。
【0003】
有利には、測定抵抗のために、特別の合金、例えば銅−ニッケル−マンガン合金が使用され、この合金は、低い抵抗−温度係数、即ち温度変化の際の電気的な抵抗の少ない変化を有しており、従って、電気的な抵抗が、全ての温度において、目標値の極めて近くにある。
【0004】
電圧降下の検出のための接点は、通常接続要素の上に配置されており、従って、測定区間は、測定抵抗にわたって、並びに、部分的に接続要素にわたって延在する。
【0005】
接続要素は、通常、低い電気的な抵抗を有するほぼ純粋な銅から成り、且つ、測定抵抗と溶接されている。ほぼ純粋な銅は、しかしながら、電気的な抵抗の比較的に高い温度依存性、即ち高い抵抗−温度係数を有している。
異なる温度における電気的な抵抗の特性は周知であり、従って、周知の温度において、精確な電気的な抵抗が決定(bestimmt)され得る。この温度の決定のために、付加的にバッテリーセンサーの温度算定装置が必要である。
【0006】
ほぼ純粋な銅は、それに加えて、熱電気的な特性において、測定抵抗の材料と相違している。測定抵抗および接続要素の相違する熱電気的な特性に基づいて、更に、この接続要素と測定抵抗との間の移行部において熱電気的な電圧の状態になり、これら熱電気的な電圧が、測定結果の不正を誘起する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、バッテリー電流のより精確な測定を可能にする、車両内におけるバッテリーセンサーのための抵抗アセンブリを提供することである。本発明の課題は、更に、そのような抵抗アセンブリを有するバッテリーセンサーに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するために、車両内における、バッテリーセンサーのための抵抗アセンブリが提供され、この抵抗アセンブリが、
第1の接続要素と、第2の接続要素と、所定の電気的な抵抗を有する測定抵抗とを有し、
その際、前記測定抵抗が、前記第1の接続要素と前記第2の接続要素との間に配置されており、且つその際、導電的にこれら接続要素と結合されており、および、
前記測定抵抗が、低い抵抗−温度係数を有している様式の上記抵抗アセンブリにおいて、
前記第1の接続要素及び/または前記第2の接続要素が、それぞれに、少なくとも前記測定抵抗と隣接する接続領域内において、銅、特に銅合金よりも低い抵抗−温度係数を有する材料から成っていることを特徴としている。
特に1つの材料が選択され、この材料は、測定抵抗の材料と類似の熱電気的な特性を有しており、従って、熱電気的な電圧の発生が低減または回避され得る。
【発明の効果】
【0009】
有利には、1つの材料が使用され、この材料は、3200ppm/Kよりも低い、特に2000ppm/Kよりも低い抵抗−温度係数を有している。通常使用される銅合金は、約4000ppm/Kの抵抗−温度係数を有しており、従って、そのような材料によって、接続要素の電気的な抵抗の、および従って、測定区間の電気的な全抵抗の、温度依存性の明確な低減が達成され得る。
【0010】
第1の接続要素及び/または第2の接続要素は、有利には、少なくとも接続領域内において、銅−鉄−燐合金から成っており、この銅−鉄−燐合金が、低い抵抗−温度係数と、測定抵抗の材料と類似の熱電気的な特性とを有している。
更に、銅−鉄−燐合金は、従来使用される銅合金との比較において、向上された機械的な安定性を有しており、従って、付加的に、機械的な負荷に対する抵抗アセンブリの安定性が改善され得る。
【0011】
測定抵抗は、例えば、銅−マンガン−ニッケル合金から成っており、この銅−マンガン−ニッケル合金が、極めて低い抵抗−温度係数と、銅−鉄−燐合金と類似の熱電気的な特性とを有している。
【0012】
理想的な電流の流れを保証するために、第1の接続要素および第2の接続要素の厚さ、並びに、通電する断面積は、適宜選択され得る。第1の接続要素及び/または第2の接続要素は、少なくとも接続領域内において、前記測定抵抗と同じ厚さを有しており、従って、この測定抵抗との容易な接触が可能である。例えば、この厚さは、1.5と3.5mmとの間、有利には1.8と3mmとの間の値である。
これら接続要素が、同様に異なる厚さおよび異なる横断面サイズもしくは横断面形状を有することも可能である。
【0013】
測定装置の接触のために、有利には、それぞれに、第1の接続要素および第2の接続要素において、少なくとも1つの接点位置が設けられている。
これら接点位置は、銅合金から成る接続要素において、著しくより容易な接触または製造を可能にし、従って、抵抗アセンブリの製造が簡略化されている。例えば、接点位置は、接点ピンまたは接点棒として形成されており、これら接点位置が、それぞれの接続要素と1つの部材として形成されているか、この接続要素と溶接またははんだ付け接合されているか、または、この接続要素内に圧入されている。
【0014】
前記課題の解決のために、更に、車両のためのバッテリーセンサーが提案され、このバッテリーセンサーが、車両用バッテリーにおける前記バッテリーセンサーの接続のためのバッテリー電極端子と、電流接続部と、前記で述べられた抵抗アセンブリとを有している。
抵抗アセンブリは、バッテリー電極端子と電流接続部とを、導電的に互いに結合している。更に、抵抗アセンブリ、特に抵抗要素(測定抵抗)を通って流れる電流の検出のための測定装置が設けられている。
【0015】
バッテリー電極端子が、同様に第1の接続要素から形成されていることも可能である。電流接続部が、第2の接続要素から形成されていることは可能である。
【0016】
例えば抵抗アセンブリの作成のために、例えば前記で説明された銅−鉄−燐合金から成る平面状の材料が準備され、この材料内へと、測定抵抗の材料の条片が装入されている。例えば2つの縦長の銅−鉄−燐合金は、長手方向エッジ部において、測定抵抗のための1つの材料の長手方向エッジ部と結合、例えば溶接されている。
【0017】
抵抗アセンブリは、この材料から加工、例えば型抜きされ得る。例えば、この材料から、同様に半製品も型抜きされ得、銅−鉄−燐合金から成るこの半製品において、それぞれにバッテリー電極端子並びに電流接続部のための基礎形状が型抜きされる。
引き続いて、このバッテリー電極端子並びに電流接続部は、変形プロセス、例えば打抜き−曲げプロセスによって成形され得る。
【0018】
有利には、測定装置は、それぞれに、第1の接続要素と第2の接続要素とにおける接点位置と、導電的に結合されている。
【0019】
測定装置は、例えば、測定抵抗を介しての電圧降下の検出のための電圧検出装置であり、従って、検出された電圧降下と周知の電気的な抵抗によって、バッテリーセンサーを通って流れるバッテリー電流の決定が行われ得る。
【0020】
更なる利点および特徴は、添付された図との関連における以下の説明から与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】バッテリーセンサーの透視図である。
図2図1のバッテリーセンサーの概略的な部分図である。
図3図1のバッテリーセンサーの抵抗アセンブリの詳細図である。
図4】本発明に従う抵抗アセンブリの製造のための第1の方法のステップの図である。
図5】本発明に従う抵抗アセンブリの製造のための第2の方法のステップの図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1内において、バッテリー電極端子14を有する第1の接続装置12、アースケーブルのためのケーブル接続部(電流接続部)18を有する第2の接続装置16、並びに、第1の接続装置12と第2の接続装置16とを電気的に互いに結合する抵抗アセンブリ20を備える、バッテリーセンサー10が示されている。
【0023】
抵抗アセンブリ20は、特に図2内において見て取れるように、測定抵抗(抵抗要素)24と、第1の接続装置12と結合されている第1の接続要素26と、第2の接続装置16と結合されている第2の接続要素28とを有している。
第1の接続装置12が、同様に第1の接続要素26と1つの部材として形成されていること、及び/または、第2の接続装置16が、第2の接続要素28と一致して(einstimmig)形成されていることは可能であり、もしくは、それぞれに接続要素から成形されていることは可能である。
【0024】
更に、バッテリーセンサー10は、ケーシング30を有し、このケーシング内において、バッテリーパラメータの検出のための、少なくとも1つの測定装置、並びに、検出されたバッテリーパラメータの評価のための評価回路が設けられている。
【0025】
図3内において見て取れるように、接続要素26、28は、測定装置との接触のための、それぞれに2つの接点位置32a、32b、34a、34bを有している。例えば、これら接点位置32a、32b、34a、34bは、接点ピンまたは接点棒として形成されており、これら接点位置が、接続要素26、28と1つの部材として形成されているか、または、これら接続要素と溶接またははんだ付け接合されている。
有利には、測定装置は、電圧検出装置を有しており、この電圧検出装置が、それぞれに、接続要素26、28の上の第1の接点位置32a、32bと、および、第2の接続要素28の上の第2の接点位置34a、34bと接触されている。有利には、2つの測定装置が設けられており、これら測定装置が、それぞれに、第1の接点位置32a、32bおよび第2の接点位置34a、34bと電気的に結合されている。
【0026】
バッテリーセンサー10は、車両の負荷電流経路内において配置されており、即ち、全バッテリー電流が、このバッテリーセンサーおよび測定抵抗24を通って流れる。測定抵抗24の電気的な抵抗に基づいて、この測定抵抗に沿って、もしくは、接点位置32aと接点位置34a、もしくは、接点位置32bと接点位置34bとの間で、電圧降下の状態になる。この電圧降下は、それぞれの電圧検出装置によって検出され得る。
接点位置32aと接点位置34a、もしくは、接点位置32bと接点位置34bとの間の電気的な抵抗が周知である場合、検出された電圧降下と周知の電気的な抵抗から、バッテリーセンサーを通って流れるバッテリー電流が決定され得る。
【0027】
バッテリー電流の可能な限り精確な測定を達成するために、測定抵抗のために、電気的な抵抗の少ない温度依存性を有する材料、即ち、低い抵抗−温度係数を有する材料が使用される。このことによって、電気的な抵抗は温度に依存せずに、十分に常に一定である。例えば、銅−マンガン−ニッケル合金が使用される。
【0028】
接続要素26、28のために、通常、特に打抜き−曲げプロセスにおいて比較的に容易に加工され得、且つ、例えば溶接またははんだ付けによって更に別の構造部材との容易な結合が可能である、ほぼ純粋な銅が使用される。ほぼ純粋な銅は、測定抵抗の合金よりも、明確により高い抵抗−温度係数を有している。このことによって、測定区間の全抵抗の温度係数は、単独の測定抵抗との比較において増大される。
全測定区間の抵抗−温度係数は周知である。この抵抗−温度係数は、例えば一度の校正によって決定され得る。電気的な抵抗の精確な算出のために、付加的に、温度測定が必要であり、この温度測定は、例えばそれぞれの測定装置によって行われる。
検出された温度と周知の抵抗−温度係数とによって、接続要素26、28の抵抗から影響を及ぼされる測定区間の全抵抗は算出される。
【0029】
付加的に、接続要素26、28と測定抵抗24との間の温度差の際に、これら接続要素26、28とこの測定抵抗24との間の熱電気的な電圧(Thermospannung)の状態になる可能性があり、これら熱電気的な電圧は、検出された電圧降下の不正を誘起する。
【0030】
このことを回避するために、接続要素26、28のために、1つの材料が使用され、この材料が、従来使用される銅合金よりも明確により低い抵抗−温度係数を有している。
ここで示された実施形態において、銅−鉄−燐合金が使用され、この銅−鉄−燐合金は、3200ppm/Kよりも低い抵抗−温度係数を有している。そのような銅−鉄−燐合金は、更に、測定抵抗24のために使用される材料と類似の熱電気的な特性を有しており、従って、接続要素26、28と測定抵抗24との間の温度差に基づいての熱電気的な電圧は低減または回避され得る。
【0031】
特に、同様に1つの材料も使用され得、この材料は、より低い抵抗−温度係数を有している。この使用される材料は、しかしながら、更に、例えば曲げ−及び/または打抜き方法によって容易に加工され得るべきである。更に、完全な(volles)材料は、例えば溶接またははんだ付けによって、容易に、バッテリーセンサーの更に別の構造部材と共に使用可能である。
【0032】
3つの縦長の部分38、40、42から成る、平面状の基礎材料36が準備され、その際、中間の部分40が測定抵抗の材料から成っているというやり方で、例えば抵抗アセンブリが製造される。
中間の部分40の長手方向エッジ部において、接続要素26、28の材料から成る部分38、42が設けられており、これら接続要素が、例えば、この中間の部分40と溶接されている。この基礎材料は、例えば、巻体で、または、エンドレス材料として供給され得る。
【0033】
この基礎材料36から、抵抗アセンブリ20の形状に相応する基礎体44が型抜きされ得、この抵抗アセンブリが、第1の接続装置12と第2の接続装置16と結合される(図4参照)。引き続いて、この基礎体から第1の接続装置12と第2の接続装置16とが成形される。
【0034】
選択的に、1つの基礎体が型抜きされ得、この基礎体は、第1の接続装置12と第2の接続装置16とのための、それぞれに1つの基礎形状を有している。この基礎形状から、次いで、例えば曲げ−及び/または打抜き方法によって、第1の接続装置12と第2の接続装置16とが成形される(図5参照)。第1の接続装置12と、測定抵抗24と、第2の接続装置16とは、引き続いて互いに溶接される。
【符号の説明】
【0035】
10 バッテリーセンサー
12 第1の接続装置
14 バッテリー電極端子
16 第2の接続装置
18 ケーブル接続部、電流接続部
20 抵抗アセンブリ
24 測定抵抗、抵抗要素
26 第1の接続要素
28 第2の接続要素
30 ケーシング
32a、32b 第1の接点位置
34a、34b 第2の接点位置
36 基礎材料
38 基礎材料の部分
40 基礎材料の中間の部分
42 基礎材料の部分
44 基礎体
図1
図2
図3
図4
図5