【解決手段】不健全性予見情報取得部31は、袋処理システム5の過去の不健全性に関する情報に基づき、将来の不健全性発生の蓋然性を示す不健全性予見情報を得る。不健全性パラメータ検出部32は、正常稼働状態と遷移稼働状態又は不健全性稼働状態との間で大きな差異を示す不健全性パラメータを見つけ出す。不健全性パラメータ監視部34は、継続的に取得される不健全性パラメータと、遷移稼働状態又は不健全性稼働状態で得られた過去の不健全性パラメータとの間の差異が大きいか否かを監視する。報知部35は、上記の不健全性パラメータの差異が大きい場合に、不健全性パラメータに関する情報及び不健全性に関する情報のうち少なくともいずれか一方をユーザーに報知する。
過去の前記消耗品の不健全性の際における前記消耗品の色を示す不健全性色情報と、過去において前記消耗品が前記袋処理システムに装着されてから前記消耗品に不健全性が発生するまでの前記袋処理システムの稼働時間を示す不健全性発生稼働時間情報と、を取得する消耗品不健全性情報取得部と、
前記袋処理システムが置かれている現在の環境を示すリアルタイム環境情報と、前記消耗品の現在の色を示すリアルタイム色情報と、前記消耗品が前記袋処理システムに装着されてから現在までの前記袋処理システムの稼働時間を示すリアルタイム稼働時間情報と、を継続的に取得するリアルタイム前記消耗品状態取得部と、
前記リアルタイム色情報及び前記不健全性色情報の比較結果と、前記リアルタイム稼働時間情報及び前記不健全性発生稼働時間情報の比較結果と、のうちの少なくともいずれか一方に基づいて、前記消耗品の劣化度合いを示す劣化基準情報及び前記消耗品の次の交換の予測時期を示す交換予測時期基準情報のうちの少なくともいずれか一方を導出し、前記リアルタイム環境情報及び前記劣化基準情報に基づいて導き出される前記消耗品の劣化度合いを示す修正劣化情報と、前記リアルタイム環境情報及び前記交換予測時期基準情報に基づいて導き出される前記消耗品の次の交換の予測時期を示す修正交換予測時期情報と、のうちの少なくともいずれか一方を得る劣化状態導出部と、を備え、
前記報知部は、前記修正劣化情報及び前記修正交換予測時期情報のうちの少なくともいずれか一方を前記ユーザーに報知する請求項2に記載の不健全性予見装置。
過去の前記動作不良の際における前記袋処理システムの機械音を示す不健全性機械音情報と、過去における前記機械音を正常にするための保守点検が行われてから前記動作不良が発生するまでの期間を示す不健全性発生保守点検期間情報と、を取得する機械不健全性情報取得部と、
前記袋処理システムが置かれている現在の環境を示すリアルタイム環境情報と、前記袋処理システムの現在の前記機械音を示すリアルタイム機械音情報と、前記機械音を正常にするための直前の保守点検が行われてから現在までの期間を示すリアルタイム保守点検期間情報と、を継続的に取得するリアルタイム機械状態取得部と、
前記リアルタイム機械音情報及び前記不健全性機械音情報の比較結果と、前記リアルタイム保守点検期間情報及び前記不健全性発生保守点検期間情報の比較結果と、のうちの少なくともいずれか一方に基づいて、前記機械音を正常にするための次の保守点検の予測時期を示す保守点検予測時期基準情報を導出し、前記リアルタイム環境情報及び前記保守点検予測時期基準情報に基づいて導き出される前記機械音を正常にするための次の保守点検の予測時期を示す修正保守点検予測時期情報を得る保守点検予測時期導出部と、を備え、
前記報知部は、前記修正保守点検予測時期情報を前記ユーザーに報知する請求項3に記載の不健全性予見装置。
過去の前記動作不良の発生の際における前記袋処理システムが有するモーターの負荷を示す不健全性負荷情報と、過去における前記モーターの負荷を低減するための保守点検が行われてから前記動作不良の発生までの期間を示す不健全性発生保守点検期間情報と、を取得する機械不健全性情報取得部と、
前記袋処理システムが置かれている現在の環境を示すリアルタイム環境情報と、前記モーターの現在の負荷を示すリアルタイム負荷情報と、前記モーターの負荷を低減するための直前の保守点検が行われてから現在までの期間を示すリアルタイム保守点検期間情報と、を継続的に取得するリアルタイム機械状態取得部と、
前記リアルタイム負荷情報及び前記不健全性負荷情報の比較結果と、前記リアルタイム保守点検期間情報及び前記不健全性発生保守点検期間情報の比較結果と、のうちの少なくともいずれか一方に基づいて、前記モーターの負荷を低減するための次の保守点検の予測時期を示す保守点検予測時期基準情報を導出し、前記リアルタイム環境情報及び前記保守点検予測時期基準情報に基づいて導き出される前記モーターの負荷を低減するための次の保守点検の予測時期を示す修正保守点検予測時期情報を得る保守点検予測時期導出部と、を備え、
前記報知部は、前記修正保守点検予測時期情報を前記ユーザーに報知する請求項3に記載の不健全性予見装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面を参照して、本発明の様々な態様について例示する。以下の説明において袋処理とは、袋を使った処理全般を含みうるものであり、例えば、袋に内容物を投入する処理、袋をシールする処理、及びそれらの内容物投入処理及びシール処理を含む包装処理は、袋処理の例示バリエーションである。また不健全性とは、健全性が損なわれることであり、正常な状態から外れる状態(すなわち広義での異常状態)である。例えば、袋処理システム(袋処理機(例えば包装機)を含む)に異常が発生して、袋処理システムが稼働できない状態(すなわち停止状態)にある場合、袋処理システムには不健全性が生じていると言える。また袋処理システム(袋処理機を含む)は稼働できる状態にあるが袋処理に異常が生じている場合(例えば、袋処理機において袋処理を受けて袋処理機から排出される複数の袋に、正常な袋処理を受けた袋及び異常な袋処理を受けた袋の両方が含まれる場合、及び、袋処理が理想的な精度からは比較的大きく外れているが許容精度内で行われる場合)も、袋処理システムには不健全性が生じていると言える。このように袋処理システムが具備する機械の調子が悪く、たまに袋処理のミスが発生する場合、袋処理システムには不健全性が生じているといえる。
【0021】
[第1のモード]
図1は、袋Bの典型例を示す側方図である。図示の袋Bは、口部Bmと、口部Bmに対向する底部Bbと、口部Bmと底部Bbとの間に延在する両側部Bsとを有する。袋処理機では、開口状態の口部Bmを介して袋Bの内側に内容物(すなわち充填物)Cが投入され、その後、口部Bmが閉じられてシールされ、内容物Cが袋B内に密閉される。このようにシール部Sbは口部Bmによって構成される。内容物Cは限定されず、例えば液体及び/又は固体であってもよいし、食品又は日用品であってもよい。
【0022】
図2は、袋処理機10の一例を示すブロック図である。袋処理システム5の一部を構成する袋処理機10は、袋搬入部11、内容物投入部12、シール処理部13、袋搬出部14及び包装制御部15を含み、袋Bに内容物Cを投入して袋Bの口部Bmをシールする。具体的には、口部Bmが開かれ且つ内側に内容物Cが投入されていない状態の袋B(空袋)が、前段部16(例えば多数の袋Bを貯留するマガジン)から袋搬入部11に受け渡される。袋Bは袋搬入部11から内容物投入部12に送られ、内容物投入部12によって内容物Cが投入される。その後、袋Bは、内容物投入部12からシール処理部13に送られ、シール処理部13によって口部Bmがシールされる。そして袋B(製品袋)は、シール処理部13から袋搬出部14に送られ、袋搬出部14から後段部17に送り出される。典型的には、袋Bは、前段部16から袋処理機10のグリッパー(図示省略)に渡され、グリッパーによって搬送されつつ袋搬入部11、内容物投入部12、シール処理部13及び袋搬出部14が割り当てられた複数の処理ステーションを順次巡った後に、後段部17に送り出される。
【0023】
袋搬入部11、内容物投入部12、シール処理部13、袋搬出部14、及び袋処理機10を構成する他の要素は、包装制御部15の制御下で又は包装制御部15によって制御されることなく、作動する。包装制御部15は、状態検出センサ21から入力される検知情報及び記憶部22から入力される記憶情報に基づいて、袋処理機10を構成する要素を制御する。
【0024】
図3は、不健全性予見装置20を含む袋処理システム5の機能ブロック図である。袋処理システム5での不健全性の発生を予見する不健全性予見装置20は、状態検出センサ21及び記憶部22に接続されている。状態検出センサ21は、各種情報を検知し、検知結果自体を示す状態検出パラメータD1及び/又は検知結果から導き出される状態検出パラメータD1を、不健全性予見装置20、包装制御部15及び記憶部22に提供する。記憶部22は、自らが記憶する各種情報を記憶情報D2として不健全性予見装置20に提供する。なお記憶部22は各種データを記憶する。記憶部22は、例えば、状態検出センサ21からの状態検出パラメータD1、不健全性予見装置20からの不健全性検知情報D3、ユーザーによって入力されたデータ、及び他のデータを記憶することができる。
【0025】
不健全性予見装置20は、状態検出センサ21からの状態検出パラメータD1及び/又は記憶部22からの記憶情報D2に基づいて、袋処理システム5(袋処理機10を含む)での不健全性の発生を予見する。なお、不健全性予見装置20は、状態検出センサ21及び記憶部22以外の情報提供装置に接続されていてもよい。不健全性予見装置20は、上述の状態検出パラメータD1及び/又はD2に加え又は代わりに、そのような情報提供装置から得られる各種情報に基づいて、不健全性の発生を予見してもよい。
【0026】
不健全性予見装置20は、袋処理システム5での不健全性の発生の予見結果自体を示す不健全性検知情報D3及び/又は予見結果から導き出される不健全性検知情報D3を、記憶部22に記憶してもよいし、包装制御部15に提供してもよい。包装制御部15は、状態検出センサ21からの状態検出パラメータD1に加え、不健全性予見装置20からの不健全性検知情報D3及び/又は記憶部22からの記憶情報D2に基づいて、袋処理機10の各構成要素を制御し、袋処理機10の処理の最適化を図ってもよい。
【0027】
図4は、袋処理システム5の構成例を示す概念図である。
図4に示す袋処理システム5は、架台26上に据え付けられる袋処理機10及び制御盤25を備える。制御盤25は、入出力インターフェース24、表示部27、操作部28、警報部29及び処理制御部30を具備する。表示部27、操作部28及び警報部29は処理制御部30の制御下で作動する。また必要に応じて、入出力インターフェース24を介し、処理制御部30と外部デバイスとの間でデータ(指令を含む)の送受信が行われる。
【0028】
表示部27には袋処理システム5の各種の情報が表示され、ユーザー100は、表示部27に表示される各種情報を確認することで、袋処理システム5の状態及び他の状態をチェックすることができる。操作部28は、ユーザー100により操作されるレバー、ボタン、タッチパネル及び/又はその他の操作手段を含む。操作部28を介してユーザー100により入力された情報は、処理制御部30に送られる。警報部29は、必要に応じて警報音及び/又はその他の警報を発し、ユーザー100の注意を促す。なお、表示に基づく警報を発する場合には、表示部27にそのような警報が表示されてもよい。処理制御部30は、各種のデータが入力され、データ処理を行って、各種のデータを出力する。処理制御部30は、例えば演算処理部(例えばCPU:Central Processing Unit)、メモリ、及びその他の必要なデバイスを具備していてもよい。
【0029】
図3に示す不健全性予見装置20、状態検出センサ21、記憶部22及び包装制御部15の一部又は全部は、
図4に示す制御盤25により構成されていてもよい。例えば、不健全性予見装置20(例えば後述の
図5に示す不健全性予見情報取得部31、不健全性パラメータ検出部32、状態検出パラメータ取得部33及び不健全性パラメータ監視部34)は、処理制御部30により構成されていてもよい。また不健全性予見装置20(例えば後述の
図5に示す報知部35)は、表示部27及び/又は警報部29により構成されていてもよい。
【0030】
図5は、不健全性予見装置20の機能構成例を示す概念図である。本実施形態の不健全性予見装置20は、不健全性予見情報取得部31、不健全性パラメータ検出部32、状態検出パラメータ取得部33、不健全性パラメータ監視部34及び報知部35を有する。不健全性予見情報取得部31、不健全性パラメータ検出部32、状態検出パラメータ取得部33、不健全性パラメータ監視部34及び報知部35の各々は、単一のデバイスによって構成されていてもよいし、複数のデバイスが組み合わされて構成されていてもよい。また不健全性予見情報取得部31、不健全性パラメータ検出部32、状態検出パラメータ取得部33、不健全性パラメータ監視部34及び報知部35のうちの2以上が、少なくとも部分的に共通のデバイスによって構成されていてもよい。
【0031】
図6は、予見インプット情報D4(インプット情報)を例示する表1−1を示す。
図7は、予見インプット情報D4を例示する表1−2を示す。
図8は、予見インプット情報D4を例示する表1−3を示す。
図9は、不健全性予見装置20によって得られる不健全性検知情報D3(アウトプット情報)を例示する表2を示す。
【0032】
表1−1(
図6参照)に示す袋処理システムのスペック情報(表1−1の“1”参照)は、袋処理システム5を構成する各要素のスペックに関する情報を示し、例えば、表1−1に示す階層3の情報(“1−a”〜“1−p”参照)を含みうる。例えば、スペック情報のうち、インデックス割り付け角に関する情報は、袋処理機10が具備するモーター等の駆動系の割り付け角(index angle)の情報を含む。例えば回転テーブルを間欠的に回転させる駆動系において、連続する第1の間欠回転開始タイミングと第2の間欠回転開始タイミングとの間の時間間隔が360度という角度に割り当てられ、この角度のうちの所定角度範囲(例えば30〜180度の範囲)のみにおいて、回転テーブルの回転に応じて搬送される袋の処理が許容されている場合に、この所定角度範囲をインデックス割り付け角に関する情報によって表しうる。またスペック情報のうちのテーブル径に関する情報は、袋処理機10が具備する回転テーブルの径である。またスペック情報のうちの袋処理機稼働時の想定される消費電力に関する情報は、表現形式は限定されず、典型的には単位時間当たりの袋処理機10の消費電力によって表され、例えばユーザーの要望に応じて1時間当たりの或いは1分当たりの袋処理機10の消費電力によって表されうる。またスペック情報のうちの袋処理機稼働時の想定される圧空消費量に関する情報は、表現形式は限定されず、典型的には袋処理機10において単位時間当たりに消費される圧縮空気量によって表され、例えばユーザーの要望に応じて1時間当たりの或いは1分当たりの袋処理機10での圧縮空気の消費量によって表されうる。またスペック情報のうちの機械寿命に関する情報は、袋処理機10の全体及び/又は袋処理機10を構成する個々の部分の寿命の情報を含み、例えば回転テーブルを駆動するモーターの耐用年数の情報を含みうる。
【0033】
表1−1に示す調整情報(表1−1の“2”参照)は、袋処理システム5を構成する各要素の調整に関する情報を示し、例えば、表1−1に示す階層3の情報(“2−a”〜“2−e”参照)を含みうる。
【0034】
表1−1に示す保守点検情報(表1−1の“3”参照)は、袋処理システム5を構成する各要素の保守点検に関する情報を示し、例えば、表1−1に示す階層3の情報(“3−a”〜“3−e”参照)を含みうる。保守点検情報のうちの翌日の生産準備情報に関する情報は、一例として、翌日も袋処理システム5を使って同じ製品を生産する場合には、袋処理機10における洗浄部品の取付箇所を示す情報を含みうるものであり、翌日は袋処理システム5を使って異なる製品を生産する場合には、袋処理機10における部品調整箇所及び/又は部品交換箇所を示す情報を含みうる。
【0035】
表1−1に示す消耗品情報(表1−1の“4”参照)は、袋処理システム5を構成する各要素の保守点検に関する情報を示し、例えば、表1−1に示す階層3の情報(“4−a”〜“4−g”参照)を含みうる。
【0036】
表1−2(
図7参照)に示す環境情報(表1−2の“5”参照)は、袋処理システム5が置かれる環境に関する情報を示し、例えば、表1−2に示す階層3の情報(“5−a”〜“5−i”参照)を含みうる。
【0037】
表1−2に示す故障情報(物的破損情報)(表1−2の“6”参照)は、袋処理システム5の故障(典型的には物的破損に起因する故障)に関する情報を示し、例えば、表1−2に示す階層3の情報(“6−a”〜“6−g”参照)を含みうる。例えば故障情報のうちの復旧内容に関する情報は、例えば袋処理機10を構成する一部の部品が交換或いは補修されている場合、その部品が完全に同一のタイプの新たな部品(例えば同一型番の部品)に交換されたのか、タイプは異なるが同一機能を奏する新たな部品(例えば改良タイプの部品)に交換されたのか、或いは交換されずに単に補修されたのか、等の情報を含みうる。また故障情報のうちの復旧時間に関する情報は、例えば、実際に故障が発生してからその故障からの復旧が完了するまでの時間を示しうる。
【0038】
表1−2に示す動作不良情報(機械の停止、装置の動作不良)(表1−2の“7”参照)は、袋処理システム5の動作不良(典型的には機械の停止や袋処理システム5(特に袋処理機10)に含まれる各装置の動作不良)に関する情報を示し、例えば、表1−2に示す階層3の情報。例えば動作不良情報のうちの復旧内容に関する情報は、復旧のために行われた調整内容を示す情報及び/又は同じ動作不良の次の発生の予兆が発生した場合にユーザーに報知される情報(例えば表示情報)を含みうる。
【0039】
表1−3(
図8参照)に示す計測情報(表1−3の“8”参照)は、状態検出センサ21等のセンサによって計測された情報を示し、例えば、表1−3に示す階層3の情報(“8−a”〜“8−q”参照)を、より具体的には表1−3に示す階層4の情報を、更に具体的には表1−3に示す階層5の情報を含みうる。例えば計測情報のうちのジップ開口音に関する情報は、袋処理機10で処理される袋が具備するジップ部分(典型的には袋の口部を閉鎖する部分)が閉じた状態から開かれた際に発せられる音の情報を含みうる。また計測情報のうちの機械音に関する情報は、例えば袋処理機10を駆動する際に発せられる袋処理機10の各部(例えばモーター等の駆動部)の音の情報を含み、周波数やその他の物理情報によって表されうる。また計測情報のうちの内部温度に関する情報は、例えば袋処理機10の各部の温度(例えば内部温度)の情報を含みうる。また計測情報のうちのベルトの伸びに関する情報は、例えば袋処理機10で使用されるベルト(例えばコンベアマガジンのベルト)の伸び量を示す情報を含みうる。また計測情報のうちのベルトの蛇行に関する情報は、例えば袋処理機10で使用されるベルト(例えば搬送コンベアの搬送ベルト)の上下方向(高さ方向)の蛇行量を示す情報を含みうる。また計測情報のうちの匂いに関する情報は、例えば袋処理機10が具備するシール装置の熱板の近傍に設置された匂いセンサによって検出される匂い(例えば袋が焦げた匂い)を示す情報、及び/又は、袋処理機10によって包装処理が行われている間に袋処理機10の周囲の匂いに変化があるか否かを示す情報を含みうる。
【0040】
表2(
図9参照)に示す生産情報(表2の“1”参照)は、袋処理システム5(特に袋処理機10)によって生産される製品袋(すなわち内容物Cが封入され且つシール部Sbがシールされた袋B)に関する情報を示し、例えば、表2に示す階層2の情報(“1−a”〜“1−d”参照)を含みうる。
【0041】
表2に示す故障予知情報(部品の破損)(表2の“2”参照)は、袋処理システム5を構成する各部品の不具合(例えば破損)に関する情報を示し、例えば、表2に示す階層2の情報(“2−a”〜“2−c”参照)を、より具体的には表2に示す階層3の情報を、更に具体的には表2に示す階層4の情報を含みうる。
【0042】
表2に示す不良予知情報(表2の“3”参照)は、袋処理工程におけるミスの情報及び/又はそのようなミスの発生予測情報を示し、例えば、表2に示す階層2の情報(“3−a”〜“3−h”参照)を含みうる。
【0043】
表2に示す袋処理条件最適化情報(表2の“4”参照)は、袋処理システム5の最適化された条件に関する情報を示し、例えば、表2に示す階層2の情報(“4−a”〜“4−f”参照)を含みうる。
【0044】
図10は、不健全性予見情報取得部31の機能ブロック図である。不健全性予見情報取得部31は、予見インプット情報D4が入力され、予見インプット情報D4に基づいて不健全性予見情報D5を得て、不健全性予見情報D5を出力する。
【0045】
予見インプット情報D4は、状態検出センサ21、記憶部22及び/又は他のデバイスから不健全性予見情報取得部31に入力される。予見インプット情報D4は、不健全性予見情報D5を導き出すための基礎情報であり、様々な情報を予見インプット情報D4として用いることが可能である。不健全性予見情報D5は、袋処理システム5の将来の不健全性の発生の蓋然性を示す。不健全性予見情報D5の形式は限定されない。例えば、不健全性予見情報D5は、「高い/低い」という相対的な尺度によって蓋然性を示してもよいし、数値等の絶対的な尺度によって蓋然性を示してもよい。
【0046】
本実施形態の不健全性予見情報取得部31(
図10参照)は、例えば、袋処理システム5の過去の不健全性に関する情報を示す予見インプット情報D4に基づいて、袋処理システム5の将来の不健全性の発生の蓋然性を直接的又は間接的に示す不健全性予見情報D5を得る。一例として、不健全性予見情報取得部31は、消耗品情報(例えば寿命情報(表1−1の“4−e”参照)及び使用開始日時情報(表1−1の“4−g”参照))及び故障情報(例えば故障日時情報(表1−2の“6−c”参照))に基づいて、過去において消耗品が想定よりも短い期間で故障したか否かに基づく不健全性予見情報D5を得ることができる。過去において消耗品が想定よりも短い期間で故障した場合、不健全性予見情報D5は、袋処理システム5の将来の不健全性の発生の蓋然性が高いことを示すことができる。一方、過去において消耗品が想定よりも短い期間で故障しなかった場合、不健全性予見情報D5は、袋処理システム5の将来の不健全性の発生の蓋然性が低いことを示すことができる。
【0047】
図11は、不健全性パラメータ検出部32の機能ブロック図である。不健全性パラメータ検出部32は、不健全性予見情報D5、正常状態検出パラメータD11及び遷移状態検出パラメータD12(又は不健全性状態検出パラメータD13)が入力され、不健全性パラメータ情報D14を出力する。不健全性パラメータ検出部32は、不健全性判断基準に照らして袋処理システム5の将来の不健全性の発生の蓋然性が高いことを不健全性予見情報D5が示す場合、正常状態検出パラメータD11及び遷移状態検出パラメータD12(又は不健全性状態検出パラメータD13)に基づいて、袋処理システム5が正常稼働状態に置かれている間に得られた過去の複数の状態検出パラメータ(すなわち正常状態検出パラメータD11)と、袋処理システム5が正常稼働状態から不健全性稼働状態に遷移する遷移稼働状態又は不健全性稼働状態に置かれている間に得られた過去の複数の状態検出パラメータ(すなわち遷移状態検出パラメータD12又は不健全性状態検出パラメータD13)とを比較する。不健全性パラメータ検出部32は、この比較に基づいて、複数の状態検出パラメータD1の中から、正常稼働状態と遷移稼働状態又は不健全性稼働状態との間で第1基準差異よりも大きな差異を示す1又は2以上の不健全性パラメータを見つけ出す。不健全性パラメータ検出部32は、このようにして見つけ出された1又は2以上の不健全性パラメータを示す情報を、不健全性パラメータ情報D14として出力する。
【0048】
正常状態検出パラメータD11、遷移状態検出パラメータD12及び不健全性状態検出パラメータD13は、記憶部22及び/又は他のデバイスから不健全性パラメータ検出部32に入力される。正常状態検出パラメータD11は、袋処理システム5が正常稼働状態に置かれている間に得られた過去の複数の状態検出パラメータを示す。遷移状態検出パラメータD12は、袋処理システム5が遷移稼働状態に置かれている間に得られた過去の複数の状態検出パラメータを示す。不健全性状態検出パラメータD13は、袋処理システム5が不健全性稼働状態に置かれている間に得られた過去の複数の状態検出パラメータを示す。不健全性予見情報D5は、不健全性予見情報取得部31から不健全性パラメータ検出部32に入力される。
【0049】
不健全性判断基準に照らして袋処理システム5の将来の不健全性の発生の蓋然性が高いことを不健全性予見情報D5が示す場合、不健全性パラメータ検出部32は、正常状態検出パラメータD11に含まれる複数の状態検出パラメータと、遷移状態検出パラメータD12又は不健全性状態検出パラメータD13に含まれる複数の状態検出パラメータとを比較し、不健全性パラメータ情報D14を出力することができる。なお、不健全性判断基準に照らして袋処理システム5の将来の不健全性の発生の蓋然性が低いことを不健全性予見情報D5が示す場合、不健全性パラメータ検出部32は、正常状態検出パラメータD11と遷移状態検出パラメータD12(又は不健全性状態検出パラメータD13)との比較及び/又は不健全性パラメータ情報D14の出力を行わなくてもよい。
【0050】
図12は、状態検出パラメータ取得部33の機能ブロック図である。状態検出パラメータ取得部33は、リアルタイム状態検出パラメータD15が入力され、不健全性パラメータを含む1以上の状態検出パラメータを継続的に取得する。
【0051】
リアルタイム状態検出パラメータD15は、状態検出センサ21、記憶部22及び/又は他のデバイスから状態検出パラメータ取得部33に入力される情報である。リアルタイムの状態検出パラメータをリアルタイム状態検出パラメータD15として状態検出パラメータ取得部33に入力する観点からは、状態検出センサ21から状態検出パラメータ取得部33に直接的にリアルタイム状態検出パラメータD15が入力されることが好ましい。状態検出パラメータ取得部33によって取得されるリアルタイム状態検出パラメータD15のインターバルは限定されないが、そのようなインターバルが短いほど、即応的に不健全性をユーザー100に報知することが可能になる。
【0052】
図13は、不健全性パラメータ監視部34の機能ブロック図である。不健全性パラメータ監視部34は、遷移状態検出パラメータD12(又は不健全性状態検出パラメータD13)、不健全性パラメータ情報D14及びリアルタイム状態検出パラメータD15が入力され、不健全性検知情報D3を出力する。
【0053】
不健全性パラメータ監視部34は、不健全性パラメータ情報D14に基づいて、リアルタイム状態検出パラメータD15と遷移状態検出パラメータD12(又は不健全性状態検出パラメータD13)との各々から、不健全性パラメータに該当する状態検出パラメータ(すなわち不健全性検知情報D3を得るために比較される状態検出パラメータ)を選定する。そして不健全性パラメータ監視部34は、状態検出パラメータ取得部33によって継続的に取得される不健全性パラメータ(リアルタイム状態検出パラメータD15)と、袋処理システム5が遷移稼働状態又は不健全性稼働状態に置かれている間に得られた過去の不健全性パラメータ(遷移状態検出パラメータD12又は不健全性状態検出パラメータD13)との間の差異である不健全性パラメータ差異が第2基準差異よりも小さいか否かを監視する。不健全性パラメータ監視部34は、不健全性パラメータ差異が第2基準差異よりも小さいか否かの監視結果を不健全性検知情報D3として報知部35に出力する。
【0054】
なお不健全性パラメータ監視部34には、遷移状態検出パラメータD12、不健全性状態検出パラメータD13及びリアルタイム状態検出パラメータD15のうち不健全性パラメータに該当する状態検出パラメータのみが入力されてもよい。この場合、不健全性パラメータ監視部34は、実際に入力されるリアルタイム状態検出パラメータD15と遷移状態検出パラメータD12又は不健全性状態検出パラメータD13との差異(すなわち不健全性パラメータ差異)が第2基準差異よりも小さいか否かを監視し、監視結果を不健全性検知情報D3として報知部35に出力する。
【0055】
報知部35は、不健全性パラメータ差異が第2基準差異よりも小さいことが不健全性パラメータ監視部34によって検出された場合に、不健全性パラメータに関する情報及び不健全性に関する情報のうち少なくともいずれか一方を不健全性検知情報D3としてユーザー100に報知する。すなわち報知部35は、不健全性パラメータ監視部34からの不健全性検知情報D3が、不健全性パラメータ差異が第2基準差異よりも小さいことを示す場合、不健全性があることをユーザー100に報知する。
【0056】
[袋処理システム5の消耗品/動作不良の不健全性]
上述の不健全性予見装置20によって予見される袋処理システム5の不健全性は、上述の表2に例示されているが、限定されない。例えば不健全性予見装置20によって予見される袋処理システム5の不健全性は、袋処理システム5に含まれる消耗品の不健全性、及び/又は、袋処理システム5の動作不良を含んでいてもよい。
【0057】
袋処理システム5の消耗品は、定期的に置き換えられることが予定されている部品である。比較的短い期間で経時的に劣化しうる部品がここでいう消耗品に該当し、例えば袋処理機10が備えるゴム製又は樹脂製の部品や通電される部品が消耗品に該当する。袋処理システム5の動作不良は、突発的に生じうる動作の不良全般を含みうるものであり、例えばメンテナンス作業によって不良が解消しうる袋処理機10の動作の不良である。
【0058】
図14は、不健全性予見情報取得部31の一例を示す機能ブロック図である。不健全性予見情報取得部31に入力される予見インプット情報D4(
図10参照)は、
図14に示すように消耗品に関する情報(すなわち消耗品関連情報D41)及び過去の消耗品の不健全性に関する情報(すなわち消耗品不健全性蓋然性情報D51)を含んでいてもよい。そして不健全性予見情報取得部31から出力される不健全性予見情報D5(
図10参照)は、
図14に示すように消耗品に関する情報(消耗品関連情報D41)及び過去の消耗品の不健全性に関する情報(消耗品不健全性情報D42)に基づいて得られる将来の消耗品の不健全性の発生の蓋然性を示す情報(すなわち消耗品不健全性蓋然性情報D51)を含んでいてもよい。
【0059】
この場合、不健全性パラメータ検出部32(
図11参照)は消耗品に関する不健全性パラメータ情報D14を出力し、不健全性パラメータ監視部34(
図13参照)は消耗品に関する不健全性検知情報D3を出力し、報知部35(
図13参照)は消耗品に関する不健全性をユーザー100に報知することができる。
【0060】
図15は、不健全性予見情報取得部31の他の例を示す機能ブロック図である。不健全性予見情報取得部31に入力される予見インプット情報D4(
図10参照)は、
図15に示すように袋処理システム5の過去の動作不良に関する情報(すなわち過去動作不良情報D43)を含んでいてもよい。そして不健全性予見情報取得部31から出力される不健全性予見情報D5(
図10参照)は、
図15に示すように袋処理システム5の過去の動作不良に関する情報(過去動作不良情報D43)に基づいて得られる袋処理システム5の将来の動作不良の発生の蓋然性を示す情報(すなわち動作不良蓋然性情報D52)を含んでいてもよい。
【0061】
この場合、不健全性パラメータ検出部32(
図11参照)は袋処理システム5の動作不良に関する不健全性パラメータ情報D14を出力し、不健全性パラメータ監視部34(
図13参照)は袋処理システム5の動作不良に関する不健全性検知情報D3を出力し、報知部35(
図13参照)は袋処理システム5の動作不良に関する不健全性をユーザー100に報知することができる。
【0062】
不健全性予見装置20は、上述されていない機能を有していてもよい。例えば不健全性予見装置20は、消耗品の色に基づいて、消耗品の劣化の程度に関する情報や消耗品の交換予測時期に関する情報をユーザー100に報知してもよい(
図16〜
図18参照)。
【0063】
図16は、消耗品不健全性情報取得部41の機能ブロック図である。
図17は、リアルタイム消耗品状態取得部42の機能ブロック図である。
図18は、劣化状態導出部43の機能ブロック図である。不健全性予見装置20(
図5参照)は、
図16〜
図18に示す消耗品不健全性情報取得部41、リアルタイム消耗品状態取得部42及び劣化状態導出部43を含みうる。消耗品不健全性情報取得部41、リアルタイム消耗品状態取得部42及び劣化状態導出部43は、上述の機能ブロックによって構成されてもよいし、他の機能ブロックによって構成されてもよい。例えば、消耗品不健全性情報取得部41は不健全性パラメータ検出部32によって構成されてもよく、リアルタイム消耗品状態取得部42は状態検出パラメータ取得部33によって構成されてもよく、劣化状態導出部43は不健全性パラメータ監視部34によって構成されてもよい。
【0064】
図16に示す消耗品不健全性情報取得部41は、過去の消耗品(以下「注目消耗品」とも称する)の不健全性の際における注目消耗品の色を示す不健全性色情報D61と、過去において注目消耗品が袋処理システム5に装着されてから注目消耗品に不健全性が発生するまでの袋処理システム5の稼働時間を示す不健全性発生稼働時間情報D62とを取得する。稼働時間は、袋処理システム5(例えば袋処理機10)が駆動されている時間であり、例えば袋処理機10を構成する部品の動きを伴う時間である。不健全性色情報D61及び不健全性発生稼働時間情報D62は、記憶部22から消耗品不健全性情報取得部41に入力されうる。
【0065】
図17に示すリアルタイム消耗品状態取得部42は、袋処理システム5が置かれている現在の環境を示すリアルタイム環境情報D63と、注目消耗品の現在の色を示すリアルタイム色情報D64と、注目消耗品が袋処理システム5に装着されてから現在までの袋処理システム5の稼働時間を示すリアルタイム稼働時間情報D65と、を継続的に取得する。リアルタイム環境情報D63、リアルタイム色情報D64及びリアルタイム稼働時間情報D65は、状態検出センサ21及び/又は記憶部22からリアルタイム消耗品状態取得部42に入力されうる。
【0066】
図18に示す劣化状態導出部43が有する第1劣化状態導出部44は、リアルタイム色情報D64及び不健全性色情報D61の比較結果と、リアルタイム稼働時間情報D65及び不健全性発生稼働時間情報D62の比較結果と、のうちの少なくともいずれか一方に基づいて、注目消耗品の劣化度合いを示す劣化基準情報D66及び注目消耗品の次の交換の予測時期を示す交換予測時期基準情報D67のうちの少なくともいずれか一方を導出する。
図18に示す劣化状態導出部43が有する第2劣化状態導出部45は、リアルタイム環境情報D63及び劣化基準情報D66に基づいて導き出される注目消耗品の劣化度合いを示す修正劣化情報D68と、リアルタイム環境情報D63及び交換予測時期基準情報D67に基づいて導き出される注目消耗品の次の交換の予測時期を示す修正交換予測時期基準情報D69と、のうちの少なくともいずれか一方を得る。
【0067】
リアルタイム色情報D64及びリアルタイム稼働時間情報D65は、リアルタイム消耗品状態取得部42を介して第1劣化状態導出部44に入力されうる。不健全性色情報D61及び不健全性発生稼働時間情報D62は、消耗品不健全性情報取得部41を介して第1劣化状態導出部44に入力されうる。リアルタイム環境情報D63は、リアルタイム消耗品状態取得部42を介して第2劣化状態導出部45に入力されうる。
【0068】
リアルタイム色情報D64及び不健全性色情報D61が比較されることによって、現在の注目消耗品の色が過去の不健全性発生の際の注目消耗品の色に近づいている程度を検出することができ、第1劣化状態導出部44は、当該検出結果に基づいて現在の注目消耗品の劣化度合い(すなわち劣化基準情報D66)を評価することができる。またリアルタイム稼働時間情報D65及び不健全性発生稼働時間情報D62が比較されることによって、袋処理システム5の現在までの稼働時間が、過去の注目消耗品に不健全性が発生するまでの袋処理システム5の稼働時間に近づいている程度を検出することができ、第1劣化状態導出部44は、当該検出結果に基づいて現在の注目消耗品の交換予測時期(すなわち交換予測時期基準情報D67)を評価することができる。
【0069】
そして劣化基準情報D66及び交換予測時期基準情報D67がリアルタイム環境情報D63に基づいて修正されることによって、第2劣化状態導出部45は、実際の環境条件を考慮した、より信頼性の高い現在の注目消耗品の劣化度合い及び交換予測時期(すなわち修正劣化情報D68及び修正交換予測時期基準情報D69)を導き出すことができる。
【0070】
そして報知部35(
図5参照)は、劣化状態導出部43(第2劣化状態導出部45)からの修正劣化情報D68及び修正交換予測時期基準情報D69のうちの少なくともいずれか一方をユーザー100に報知する。このように
図18に示す修正劣化情報D68及び修正交換予測時期基準情報D69が、不健全性検知情報D3(
図13参照)として報知部35に入力されてもよい。
【0071】
上述の消耗品不健全性情報取得部41、リアルタイム消耗品状態取得部42及び劣化状態導出部43を含む不健全性予見装置20は、比較的短いサイクルで劣化しうる部品(例えばゴム製又は樹脂製の部品や通電される部品)を上述の注目消耗品として使用する場合に、特に有効である。
【0072】
不健全性予見装置20は、袋処理システム5(特に袋処理機10)を構成する要素の機械音に基づいて、保守点検予測時期に関する情報をユーザー100に報知してもよい(
図19〜
図21参照)。
【0073】
図19は、機械不健全性情報取得部51の機能ブロック図である。
図20は、リアルタイム機械状態取得部52の機能ブロック図である。
図21は、保守点検予測時期導出部53の機能ブロック図である。不健全性予見装置20(
図5参照)は、
図19〜
図21に示す機械不健全性情報取得部51、リアルタイム機械状態取得部52及び保守点検予測時期導出部53を含みうる。機械不健全性情報取得部51、リアルタイム機械状態取得部52及び保守点検予測時期導出部53は、上述の機能ブロックによって構成されてもよいし、他の機能ブロックによって構成されてもよい。例えば、機械不健全性情報取得部51は不健全性パラメータ検出部32によって構成されてもよく、リアルタイム機械状態取得部52は状態検出パラメータ取得部33によって構成されてもよく、保守点検予測時期導出部53は不健全性パラメータ監視部34によって構成されてもよい。
【0074】
図19に示す機械不健全性情報取得部51は、袋処理システム5の過去の動作不良(以下「注目動作不良」とも称する)の際における袋処理システム5の機械音(以下「注目機械音」とも称する)を示す不健全性機械音情報D71と、過去における注目機械音を正常にするための保守点検が行われてから注目動作不良が発生するまでの期間を示す不健全性発生保守点検期間情報D72とを取得する。不健全性機械音情報D71及び不健全性発生保守点検期間情報D72は、記憶部22から機械不健全性情報取得部51に入力されうる。
【0075】
図20に示すリアルタイム機械状態取得部52は、袋処理システム5が置かれている現在の環境を示すリアルタイム環境情報D73と、袋処理システム5の現在の注目機械音を示すリアルタイム機械音情報D74と、注目機械音を正常にするための直前の保守点検が行われてから現在までの期間を示すリアルタイム保守点検期間情報D75と、を継続的に取得する。リアルタイム環境情報D73、リアルタイム機械音情報D74及びリアルタイム保守点検期間情報D75は、状態検出センサ21及び/又は記憶部22からリアルタイム機械状態取得部52に入力されうる。
【0076】
図21に示す保守点検予測時期導出部53が有する第1時期導出部54は、リアルタイム機械音情報D74及び不健全性機械音情報D71の比較結果と、リアルタイム保守点検期間情報D75及び不健全性発生保守点検期間情報D72の比較結果と、のうちの少なくともいずれか一方に基づいて、注目機械音を正常にするための次の保守点検の予測時期を示す保守点検予測時期基準情報D76を導出する。
図21の保守点検予測時期導出部53が有する第2時期導出部55は、リアルタイム環境情報D73及び保守点検予測時期基準情報D76に基づいて導き出される注目機械音を正常にするための次の保守点検の予測時期を示す修正保守点検予測時期情報D77を得る。
【0077】
リアルタイム機械音情報D74及びリアルタイム保守点検期間情報D75は、リアルタイム機械状態取得部52を介して第1時期導出部54に入力されうる。不健全性機械音情報D71及び不健全性発生保守点検期間情報D72は、機械不健全性情報取得部51を介して第1時期導出部54に入力されうる。リアルタイム環境情報D73は、リアルタイム機械状態取得部52を介して第2時期導出部55に入力されうる。
【0078】
リアルタイム機械音情報D74及び不健全性機械音情報D71が比較されることによって、現在の注目機械音が過去の不健全性発生の際の注目機械音に近づいている程度を検出することができ、第1時期導出部54は、当該検出結果に基づいて現在の機械の状態(すなわち保守点検予測時期基準情報D76)を評価することができる。またリアルタイム保守点検期間情報D75及び不健全性発生保守点検期間情報D72が比較されることによって、現在までの期間が、過去の注目動作不良が発生するまでの期間に近づいている程度を検出することができ、第1時期導出部54は、当該検出結果に基づいて現在の機械の状態(すなわち保守点検予測時期基準情報D76)を評価することができる。
【0079】
そして保守点検予測時期基準情報D76がリアルタイム環境情報D73に基づいて修正されることによって、第2時期導出部55は、実際の環境条件を考慮した、より信頼性の高い現在の機械の状態(すなわち修正保守点検予測時期情報D77)を導き出すことができる。
【0080】
そして報知部35(
図5参照)は、保守点検予測時期導出部53(第2時期導出部55)からの修正保守点検予測時期情報D77をユーザー100に報知する。このように
図21に示す修正保守点検予測時期情報D77が、不健全性検知情報D3(
図13参照)として報知部35に入力されてもよい。
【0081】
不健全性予見装置20は、袋処理システム5(特に袋処理機10)を構成する要素に作用する負荷に基づいて、保守点検予測時期に関する情報をユーザー100に報知してもよい(
図22〜
図24参照)。
【0082】
図22は、機械不健全性情報取得部61の機能ブロック図である。
図23は、リアルタイム機械状態取得部62の機能ブロック図である。
図24は、保守点検予測時期導出部63の機能ブロック図である。不健全性予見装置20(
図5参照)は、
図22〜
図24に示す機械不健全性情報取得部61、リアルタイム機械状態取得部62及び保守点検予測時期導出部63を含みうる。機械不健全性情報取得部61、リアルタイム機械状態取得部62及び保守点検予測時期導出部63は、上述の機能ブロックによって構成されてもよいし、他の機能ブロックによって構成されてもよい。例えば、機械不健全性情報取得部61は不健全性パラメータ検出部32によって構成されてもよく、リアルタイム機械状態取得部62は状態検出パラメータ取得部33によって構成されてもよく、保守点検予測時期導出部63は不健全性パラメータ監視部34によって構成されてもよい。
【0083】
図22に示す機械不健全性情報取得部61は、袋処理システム5の過去の動作不良(以下「注目動作不良」とも称する)の発生の際における袋処理システム5が有するモーター(以下「注目モーター」とも称する)の負荷を示す不健全性負荷情報D81と、袋処理システム5の過去における注目モーターの負荷を低減するための保守点検が行われてから注目動作不良の発生までの期間を示す不健全性発生保守点検期間情報D82と、を取得する。不健全性負荷情報D81及び不健全性発生保守点検期間情報D82は、記憶部22から機械不健全性情報取得部61に入力されうる。
【0084】
図23に示すリアルタイム機械状態取得部62は、袋処理システム5が置かれている現在の環境を示すリアルタイム環境情報D83と、注目モーターの現在の負荷を示すリアルタイム負荷情報D84と、注目モーターの負荷を低減するための直前の保守点検が行われてから現在までの期間を示すリアルタイム保守点検期間情報D85と、を継続的に取得する。リアルタイム環境情報D83、リアルタイム負荷情報D84及びリアルタイム保守点検期間情報D85は、状態検出センサ21及び/又は記憶部22からリアルタイム機械状態取得部62に入力されうる。
【0085】
図24に示す保守点検予測時期導出部63が有する第1時期導出部64は、リアルタイム負荷情報D84及び不健全性負荷情報D81の比較結果と、リアルタイム保守点検期間情報D85及び不健全性発生保守点検期間情報D82の比較結果と、のうちの少なくともいずれか一方に基づいて、注目モーターの負荷を低減するための次の保守点検の予測時期を示す保守点検予測時期基準情報D86を導出する。
図24に示す保守点検予測時期導出部63が有する第2時期導出部65は、リアルタイム環境情報D83及び保守点検予測時期基準情報D86に基づいて導き出される注目モーターの負荷を低減するための次の保守点検の予測時期を示す修正保守点検予測時期情報D87を得る。
【0086】
リアルタイム負荷情報D84及びリアルタイム保守点検期間情報D85は、リアルタイム機械状態取得部62を介して第1時期導出部64に入力されうる。不健全性負荷情報D81及び不健全性発生保守点検期間情報D82は、機械不健全性情報取得部61を介して第1時期導出部64に入力されうる。リアルタイム環境情報D83は、リアルタイム機械状態取得部62を介して第2時期導出部65に入力されうる。
【0087】
リアルタイム負荷情報D84及び不健全性負荷情報D81が比較されることによって、現在の注目モーターに作用している負荷が過去の不健全性発生の際の負荷に近づいている程度を検出することができ、第1時期導出部64は、当該検出結果に基づいて現在の注目モーターの劣化度合いから導き出される保守点検予測時期(すなわち保守点検予測時期基準情報D86)を評価することができる。またリアルタイム保守点検期間情報D85及び不健全性発生保守点検期間情報D82が比較されることによって、現在までの期間が、過去の注目モーターの動作不良が発生するまでの期間に近づいている程度を検出することができ、第1時期導出部64は、当該検出結果に基づいて保守点検予測時期(すなわち保守点検予測時期基準情報D86)を評価することができる。
【0088】
そして保守点検予測時期基準情報D86がリアルタイム環境情報D83に基づいて修正されることによって、第2時期導出部65は、実際の環境条件を考慮した、より信頼性の高い保守点検予測時期(すなわち修正保守点検予測時期情報D87)を導き出すことができる。
【0089】
そして報知部35(
図5参照)は、保守点検予測時期導出部63(第2時期導出部65)からの修正保守点検予測時期情報D87をユーザー100に報知する。このように
図24に示す修正保守点検予測時期情報D87が、不健全性検知情報D3(
図13参照)として報知部35に入力されてもよい。
【0090】
[不健全性予見方法]
上述の不健全性予見装置20によって行われる「袋処理システム5での不健全性の発生を予見する不健全性予見方法」は、以下のようにして行われる。
【0091】
袋処理システム5の過去の不健全性に関する情報を示す予見インプット情報D4に基づいて、袋処理システム5の将来の不健全性の発生の蓋然性を示す不健全性予見情報D5を得るステップが、不健全性予見情報取得部31によって行われる。
【0092】
不健全性判断基準に照らして上記蓋然性が高いことを不健全性予見情報D5が示す場合、袋処理システム5が正常稼働状態に置かれている間に得られた過去の複数の状態検出パラメータ(正常状態検出パラメータD11)と、袋処理システム5が遷移稼働状態又は不健全性稼働状態に置かれている間に得られた過去の複数の状態検出パラメータ(遷移状態検出パラメータD12又は不健全性状態検出パラメータD13)とを比較し、複数の状態検出パラメータの中から、正常稼働状態と遷移稼働状態又は不健全性稼働状態との間で第1基準差異よりも大きな差異を示す不健全性パラメータを見つけ出すステップが、不健全性パラメータ検出部32によって行われる。
【0093】
上記不健全性パラメータを含む1以上の状態検出パラメータ(リアルタイム状態検出パラメータD15)を継続的に取得するステップが、状態検出パラメータ取得部33によって行われる。
【0094】
継続的に取得される上記不健全性パラメータと、袋処理システム5が遷移稼働状態又は不健全性稼働状態に置かれている間に得られた過去の不健全性パラメータとの間の差異である不健全性パラメータ差異が第2基準差異よりも小さいか否かを監視するステップが、不健全性パラメータ監視部34によって行われる。
【0095】
上記不健全性パラメータ差異が第2基準差異よりも小さいことが検出された場合に、上記不健全性パラメータに関する情報及び上記不健全性に関する情報のうち少なくともいずれか一方を不健全性検知情報D3としてユーザー100に報知するステップが、報知部35によって行われる。
【0096】
なお上記の不健全性予見方法に含まれる1以上のステップ(手順)をコンピュータに実行させるためのプログラム、及びそのようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として、本開示が具現化されてもよい。
【0097】
[第2のモード]
上述のように、インプット情報(表1−1、表1−2及び表1−3参照)に基づいてアウトプット情報(表2参照:例えば生産情報、故障予知情報(部品の破損の情報)、不良予知情報(袋処理工程におけるミス発生予測情報)、及び/又は袋処理条件最適化情報)を導出することが可能である。特に袋処理システムの生産効率に好影響を与える情報をアウトプット情報として導き出して表示することも可能である。そのようなアウトプット情報は特に限定されず、例えば予測や最適化に関するアウトプット情報がユーザーにとって有益な情報となりうる。
【0098】
<消耗品交換時期到来情報(劣化度合い含む)のアウトプット>
消耗品交換時期到来情報(劣化度合い含む)(表2の“2−a”参照)がアウトプット情報として導出されてもよい。例えば、以下のようにして、消耗品交換時期到来情報が導出される。なお以下の工程は、例えば上述の不健全性予見装置20を構成する要素によって適宜実施可能である。
【0099】
故障予知情報の提供判定工程
スペック情報(表1−1の“1”参照)、消耗品情報(表1−1の“4”参照)及び故障情報(物的破損情報)(表1−2の“6”参照)を含むインプット情報に基づいて、「予め定められた消耗品の交換時期よりも早い時期に消耗品の破損が確認される可能性ある」ことを示す消耗品交換時期到来情報の提供が必要か否かが判断される。
【0100】
情報処理工程
計測情報(表1−3の“8”参照)を含むインプット情報に基づいて、袋処理システムの故障発生前(すなわち正常運転時)と故障発生直前(すなわち正常運転時と故障時との間の遷移時)との間で計測情報に関するパラメータが比較され、計測情報に関する不健全性なパラメータが特定される。次回の袋処理システムの運転において、特定された計測情報に関する不健全性なパラメータが、故障発生直前に検出された不健全性直前状態(不健全性直前数値)若しくは不健全性直前状態(不健全性直前数値)に近い状態(数値)を示した場合には、袋処理システムに不健全性が発生していると認定される。
【0101】
情報表示工程
袋処理システムに不健全性が発生していると認定された場合には、その不健全性の内容がユーザーに報知される。
【0102】
<チャックゴム、グリッパーゴム等の袋挟持部に利用されるゴムの不健全性情報のアウトプット>
チャックゴム、グリッパーゴム等の袋挟持部に利用されるゴムの不健全性情報(表2の“2−a−I”参照)がアウトプット情報として導出されてもよい。例えば、以下のようにして、チャックゴム、グリッパーゴム等の袋挟持部に利用されるゴムの不健全性情報が導出される。なお以下の工程は、例えば上述の不健全性予見装置20を構成する要素によって適宜実施可能である。
【0103】
情報処理工程
ゴム又は樹脂の変色の不健全性情報(表1−3の“8−f−II”参照)を含むインプット情報に基づいて、故障発生時の消耗品の色が特定される。環境情報(表1−2の“5”参照)及び空運転・実運転情報(稼働時間と停止時間)(表1−3の“8−e−III”参照)に基づいて、消耗品の劣化度合い又は交換時期が特定される。
【0104】
情報表示工程
特定された消耗品の劣化度合い又は交換時期がユーザーに報知される。
【0105】
<真空袋処理機のインパルスシールの電熱線の不健全性情報のアウトプット>
真空袋処理機のインパルスシールの電熱線の不健全性情報(表2の“2−a−III”参照)がアウトプット情報として導出されてもよい。例えば、以下のようにして、真空袋処理機のインパルスシールの電熱線の不健全性情報が導出される。なお以下の工程は、例えば上述の不健全性予見装置20を構成する要素によって適宜実施可能である。
【0106】
情報処理工程
通電プレートの変色の不健全性情報(表1−3の“8−f−I”参照)に基づいて、故障発生時の通電プレートの色に関する情報が特定される。環境情報(表1−2の“5”参照)及び空運転/実運転情報(稼働時間と停止時間)(表1−3の“8−e−III”参照)に基づいて、消耗品の劣化度合い又は交換時期が特定される。
【0107】
情報表示工程
特定された消耗品の劣化度合い又は交換時期がユーザーに報知される。
【0108】
<メンテナンス時期到来情報のアウトプット>
メンテナンス時期到来情報(表2の“2−b”参照)がアウトプット情報として導出されてもよい。例えば、以下のようにして、メンテナンス時期到来情報が導出される。なお以下の工程は、例えば上述の不健全性予見装置20を構成する要素によって適宜実施可能である。
【0109】
故障予知情報の提供判定工程
スペック情報(表1−1の“1−1”参照)、音情報(表1−3の“8−a”参照)及び動作抵抗値情報(表1−3の“8−h”参照)を含むインプット情報に基づいて、「予め定められた保守点検時期でなくても不健全性が確認される可能性があること」を示す情報の提供が必要か否かが判断される。機械音は、袋処理システムを構成する要素から発せられる音であり、例えばモーターの回転音、摺動部が他の部材上を摺動する際の音、及び減速機の音を含みうる。
【0110】
情報処理工程
環境情報(表1−2の“5”参照)及び音情報(表1−3の“8−a”参照)を含むインプット情報に基づいてメンテナンス時期(オイル又はグリスの塗布時期)が特定される。
【0111】
情報表示工程
特定されたメンテナンス時期(オイル又はグリスの塗布時期)がユーザーに報知される。
【0112】
<開口不足情報のアウトプット>
開口不足情報(表2の“3−c”参照)がアウトプット情報として導出されてもよい。例えば、以下のようにして、開口不足情報が導出される。なお以下の工程は、例えば上述の不健全性予見装置20を構成する要素によって適宜実施可能である。
【0113】
不良予知情報の提供判定工程
動作不良情報(機械の停止、装置の動作不良)(表1−2の“7”参照)に基づいて、開口不足情報の提供が必要か否かが判断される。
【0114】
情報処理工程
動作不良情報(機械の停止、装置の動作不良)(表1−2の“7”参照)及びジップ開口音の情報(表1−3の“8−a−I”)に基づいて、開口不良の有無を示す開口不良情報が特定される。
【0115】
情報表示工程
特定された開口不良情報がユーザーに報知される。袋処理システムで扱う袋のジップの開口音(特にジップ部の係合が外れる際の音)は、袋の種類やジップの強度によって異なる。そのため、実際に不良が発生した際のジップ開口音を特定し、不良発生以降の運転時に上記不健全性時のジップ開口音を検出した際に、ユーザーに不良が報知される。
【0116】
<充填量過不足情報のアウトプット>
充填量過不足情報(表2の“3−e”参照)がアウトプット情報として導出されてもよい。例えば、以下のようにして、充填量過不足情報が導出される。なお以下の工程は、例えば上述の不健全性予見装置20を構成する要素によって適宜実施可能である。
【0117】
不良予知情報の提供判定工程
動作不良情報(機械の停止、装置の動作不良)(表1−2の“7”参照)及びサーボモーターの負荷の情報(表1−3の“8−h−I”参照)に基づいて、充填量過不足情報の提供が必要か否かが判断される。
【0118】
情報処理工程
環境情報(表1−2の“5”参照)及び充填物の粘度の情報(表1−3の“8−k−II”参照)を含むインプット情報に基づいて、充填量過不足情報が特定される。充填物(すなわち内容物)は環境の変化によって粘度が変わり、袋に対して内容物を充填する際のサーボモーターの駆動部の負荷が想定よりも増えることがある。その際に不健全性が発生する。
【0119】
情報表示工程
特定された充填量過不足情報がユーザーに報知される。
【0120】
<不良予知情報(袋処理工程におけるミス発生予測情報)のアウトプット>
不良予知情報(袋処理工程におけるミス発生予測情報)(表2の“3”参照)がアウトプット情報として導出されてもよい。例えば、以下のようにして、不良予知情報(袋処理工程におけるミス発生予測情報)が導出される。なお以下の工程は、例えば上述の不健全性予見装置20を構成する要素によって適宜実施可能である。
【0121】
不良予知情報の提供判定工程
モーションキャプチャによる機械の動作監視の情報(表1−3の“8−o−II”参照)及び位置センサ及び/又はサーボモーターによる位置検出の情報(表1−3の“8−o−III”参照)に基づいて、不良予知情報(袋処理工程におけるミス発生予測情報)の提供が必要か否かが判断される。
【0122】
情報処理工程
正常動作時のモーションキャプチャによる機械の動作監視の情報(表1−3の“8−o−II”参照)及び位置センサ及び/又はサーボモーターによる位置検出の情報(表1−3の“8−o−III”参照)を基準情報とし、当該基準情報に基づいて定められる範囲から外れる動作が確認された場合、不良予知情報(袋処理工程におけるミス発生予測情報)に関して不良があると判定される。
【0123】
情報表示工程
特定された不良予知情報(袋処理工程におけるミス発生予測情報)がユーザーに報知される。
【0124】
<最適環境の提案の情報のアウトプット>
最適環境の提案の情報(表2の“4−a”参照)がアウトプット情報として導出されてもよい。例えば、以下のようにして、最適環境の提案の情報が導出される。なお以下の工程は、例えば上述の不健全性予見装置20を構成する要素によって適宜実施可能である。
【0125】
最適化情報の提供判定工程
生産中の人の動線の情報(表1−3の“8−o−I−A”参照)に基づいて、ユーザーの動きが特定され、人の動きが停滞しているデッドスペースの情報が判断される。
【0126】
情報処理工程
生産中の人の動線の情報(表1−3の“8−o−I−A”参照)に基づいて、人の動きの停滞状況が特定され、当該停滞状況に基づいて作業に時間を要している箇所の特定及び作業に時間のかからない箇所の特定が行われ、適切な人員配置が判断される。またデッドスペースの情報に基づいて新しい装置の設置個所の予測や機械増設時のレイアウトの提供が行われる。
【0127】
情報表示工程
情報処理工程で求められた情報をユーザーに報知する。
【0128】
[第3のモード]
袋処理システムの生産やメンテナンスなどの管理を行う際にユーザー(作業者(オペレーターや機械メーカー担当者)や管理者(顧客や機械メーカー)を含む)に有益なアウトプット情報を、インプット情報から抽出することが望まれている。例えば故障発生時のインプット情報を記録し、記録した情報を基に同様の条件下の場合に事前に情報を出力したり、故障発生時のインプット情報から人工知能(AI:Artificial Intelligence)を用いて異なった条件下であっても故障を予知し事前に情報を出力したりすることは、非常に好ましい。
【0129】
例えば、インプット情報収集装置は、インプット情報を取得して収集(例えば記録)する取得部を備える。この取得部は、温度、気温、及び/又は湿度などの袋処理システム周囲の環境情報を取得してもよい。また取得部は、予め記憶部(記録媒体)に記録されている機械納入日、機械寿命、工程数、消耗品の寿命、及び消耗品の注文納期などの機械情報(設定情報)を取得してもよい。また取得部は、不良個所や故障個所などの保守点検情報を取得してもよい。また取得部は、袋処理システムの運転時に検出される生産情報を取得してもよい。
【0130】
情報処理装置は、インプット情報収集装置によって得られたインプット情報を処理する処理部を備える。この処理部は環境情報、機械情報、保守点検情報及び生産情報のうちの少なくとも1以上の情報を出力し、保守点検、稼働率、及び/又は良品生産数などの生産情報に必要な情報を、インプット情報から抽出(出力)してもよい。また情報処理装置は、抽出した情報を表示する表示機能を具備していてもよく、更に抽出した情報を基にアラーム(音)を鳴らしてもよい。
【0131】
このように情報処理システムは、袋処理システムに関連するインプット情報が入力されるインプット部と、インプット情報からアウトプット情報を導出する処理部と、アウトプット情報に基づく報知情報を発する報知部と、を備えることができる。そしてインプット情報は、環境情報、設定情報、保守情報及び生産情報のうちの少なくとも1以上を含むことが可能であり、アウトプット情報は、保守予測情報及び生産予測情報のうちの少なくとも1以上を含むことが可能である。
【0132】
上記の情報処理装置の処理部は、調整時の情報、故障時の情報、不良発生の情報、及び保守点検に関する履歴情報を、インプット情報から抽出してもよい。すなわち情報処理装置の処理部は、インプット情報から、調整情報、故障情報、不良発生情報及び保守履歴情報のうちの少なくとも1以上を保守予測情報として導出してもよい。
【0133】
また情報処理装置は、チャック付袋の開口不良情報をチャックの開口音から抽出してもよい。例えば、チャックが閉じた状態で一対の吸盤によって袋を開口させる。この際、袋の開口と同時にチャックも開く。チャックが開いた場合と開かない場合の音の違いから、チャックが適切に開口できたかどうかを検出することが可能である。このように袋処理システムは、口部及び口部に設けられるチャックを有する袋を処理し、インプット部には、チャックの係合により口部が閉じられている状態から、チャックの係合が開放されて口部が開かれる状態に移行する際に発生する開口音の情報が保守情報として入力され、処理部は、開口音の情報に基づいて不良発生情報を導出してもよい。
【0134】
情報処理装置の処理部は、メンテナンス時期到来情報、消耗品交換時期到来情報及び機械寿命到来情報に関する保守点検時期に関する時期情報をインプット情報から抽出してもよい。この場合、情報処理装置の処理部は、インプット情報から、メンテナンス時期情報、消耗品交換時期情報、及び装置寿命情報のうちの少なくとも1以上を保守予測情報として導出することができる。
【0135】
また情報処理装置において、メンテナンス時期到来情報は、インプット情報である保守点検情報(調整、故障、不良発生、及び保守点検内容等)のインプット情報を処理することで、抽出されうる。予め定められた定期的なメンテナンス情報だけでなく、上記のような過去のトラブルや保守点検内容にも応じて、メンテナンス時期情報を提供することが可能である。このように、インプット情報は保守点検情報を含み、処理部は保守点検情報に基づいてメンテナンス時期情報を導出することも可能である。
【0136】
情報処理装置において、昇降軸や袋処理機の回転テーブルの回転軸などの摺動部を有する機構のメンテナンス情報はオイルの粘度から抽出されてもよい。オイルは劣化すると粘度が低下し、本来の役割を果たさなくなる。生産状況や環境状況によってオイルの劣化度合いは変わるので、単純に決められた時期ではなくオイル粘度から判断することによって、より正確なオイルの劣化度合いを知ることができる。このように袋処理システムの袋処理機は、2以上の部材がお互いに接触しながら移動するスライド部であってオイルが与えられているスライド部を有し、保守点検情報は、オイルの粘度の情報を含み、処理部は、オイルの粘度の情報に基づいてメンテナンス時期情報を導出してもよい。
【0137】
また情報処理装置において、昇降軸や袋処理機の回転テーブルの回転軸などの摺動部を有する機構のメンテナンス情報は、オイルの色から抽出されてもよい。すなわち袋処理システムの袋処理機は、2以上の部材がお互いに接触しながら移動するスライド部であってオイルが与えられているスライド部を有し、保守点検情報は、オイルの色の情報を含み、情報処理装置の処理部は、オイルの色の情報に基づいてメンテナンス時期情報を導出してもよい。
【0138】
また情報処理装置において、消耗品交換時期到来情報はインプット情報に含まれる部品情報、故障情報、調整情報、不良情報及び/又は環境情報を処理することによって抽出されてもよい。インプット情報は保守点検情報を含み、保守点検情報は、部品情報、故障情報、調整情報、不良情報及び環境情報のうちの1以上を含み、処理部は、部品情報、故障情報、調整情報、不良情報及び環境情報のうちの1以上に基づいて消耗品交換時期情報を導出する。
【0139】
また情報処理装置において、消耗品交換時期到来情報は、インプット情報のうち少なくとも環境情報から抽出されることができる。例えば情報処理装置は、気温、湿度及び気圧の周囲の環境状況を判断し、消耗品の状態を把握して抽出情報を表示してもよい。このように保守点検情報は環境情報を含み、処理部は、環境情報に基づいて消耗品交換時期情報を導出してもよい。
【0140】
また情報処理装置は、環境情報のうち、紫外線情報を基に消耗品交換時期到来情報を抽出してもよく、紫外線による樹脂製品の劣化(日焼け)を想定し、部品の交換時期に紫外線情報が反映されてもよい。また環境情報は紫外線情報を含み、情報処理装置の処理部は、紫外線情報に基づいて消耗品交換時期情報を導出してもよい。
【0141】
部品の歪みが生じた場合に電気抵抗値が変わることを処理に利用するために、消耗品交換時期到来情報は、インプット情報のうち電気抵抗値の情報から抽出されてもよい。例えば袋処理システムは、歪みに応じて電気抵抗値が変動する抵抗値可変部品を有し、保守点検情報は、部品情報を含み、部品情報は、抵抗値可変部品の電気抵抗値を示す抵抗値情報を含み、処理部は、抵抗値情報に基づいて消耗品交換時期情報を導出してもよい。
【0142】
また情報処理装置の処理部は、装置の故障の予知に関する故障予知情報をインプット情報から抽出してもよい。例えばアウトプット情報は保守予測情報を含み、保守予測情報は袋処理システムの故障の予知に関する故障予知情報を含んでいてもよい。
【0143】
また情報処理装置において、故障予知情報は、袋処理機の装置全体又は個々の部品の運転時の振動値から抽出されてもよい。袋処理機は、一定の周期で同様の動作を繰り返して、複数の袋を処理する。そのため、一定の周期の時間を基準に振動の波形を得ることができ、その波形の変化から故障を予知しうる。部品の故障によって動作に不具合が出ると、動作のタイミングに遅れが発生し、波形に変化が出現しうる。また情報処理装置において、故障予知情報は、袋処理機の装置又は部品によって運転時にもたらされる音から抽出されてもよい。振動と同様に、音からも波形を得ることが可能である。
【0144】
情報処理装置の処理部は、仕様変更に伴い変化する装置の調整箇所及び調整量に関する仕様変更時の袋処理条件最適化情報をインプット情報から抽出してもよい。例えば、袋の品種登録を予め記憶部に記憶しておき、袋の品種登録の切り替えに応じて上記調整箇所及び調整量を表示することも可能である。品種登録されていない新たな袋に関しても、情報処理装置の処理部は、袋のサイズ及び種類、投入物の種類、及びその他の入力情報に基づいて、調整箇所及び調整量などを判断して特定しうる。したがって、アウトプット情報は生産予測情報を含み、生産予測情報は、袋処理システムの最適設定に関する条件最適化情報を含み、処理部は、インプット情報に基づいて条件最適化情報を導出してもよい。
【0145】
情報処理装置の処理部は、生産中に変化するパラメータ(例えば液体温度、タンク内の貯留量、粘度、環境情報の温度、湿度及び気圧)に基づいて、袋処理条件(調整)の最適化情報をインプット情報から抽出してもよい。生産時に変化する項目として、環境情報が考えられる。それ以外の項目として、被包装物の状態も生産時に変化しうる。例えば、タンク内の内容物の温度や貯留量の変化に応じて、ヘッド圧が変わる可能性があり、計量シリンダに入りこむ内容物の体積及び重さが変わる可能性があり、袋内に投入される実際の内容物の体積及び重さが変わる可能性がある。また内容物の粘度が変わると充填ノズルからの内容物の吐出時間と吐出量との関係が変わる可能性があるため、内容物の粘度に応じて充填ノズルを開閉するタイミングを変えることが求められうる。したがって、インプット情報は環境情報を含み、アウトプット情報は生産予測情報を含み、生産予測情報は、袋処理システムの最適設定に関する条件最適化情報を含み、処理部は、環境情報に基づいて条件最適化情報を導出してもよい。
【0146】
上述のような処理を行うことによって、精度の高い情報を提供することが可能である。