CNS疾患、障害および/または損傷の予防および/または処置のための方法であって、PDE1阻害剤(例えば、ここに記載する化合物のいずれか、例えば、式I〜XIの化合物のいずれか)の有効量を対象に投与することを含み、ここで、PDE1阻害剤の投与が対象の細胞内cAMPレベルを調節する、方法。
PDE1阻害剤が、遊離形態または塩形態の式II
【化1】
〔式中、
(i) QはC(=O)、C(=S)、C(=N(R
20))またはCH
2であり;
(ii) Lは単結合、−N(H)−、−CH
2−、−S−、−S(O)−または−S(O
2)−であり;
(iii) R
1はHまたはC
1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iv) R
4はHまたはC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)であり、R
2およびR
3は、独立して、
H
場合によりハロまたはヒドロキシで置換されていてよいC
1−6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル)(例えば、R
2およびR
3はいずれもメチルであるかまたはR
2がHであり、R
3がメチル、エチル、イソプロピルまたはヒドロキシエチルである)、
アリール、
ヘテロアリール、
(場合によりヘテロ)アリールアルコキシ、
(場合によりヘテロ)アリールC
1−6アルキルであるか;または
R
2およびR
3は一体となって3〜6員環を形成するか;
または
R
2がHであり、R
3およびR
4は一体となってジ−、トリ−またはテトラ−メチレン架橋を形成し(好ましくは、R
3およびR
4が一体となってcis配置を有する、例えば、R
3およびR
4を担持する炭素が、それぞれR配置およびS配置である);
または
(v) R
5は
g) −D−E−Fであり、ここで
DはC
1−4アルキレン(例えば、メチレン、エチレンまたはプロプ−2−イン−1−イレン)であり;
Eは単結合、C
2−4アルキニレン(例えば、−C≡C−)、アリーレン(例えば、フェニレン)またはヘテロアリーレン(例えば、ピリジレン)であり;
Fは
H、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル、ジアゾリル、トリアゾリル、例えば、ピリド−2−イル、イミダゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、
ハロ(例えば、F、Br、Cl)、
ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
−C(O)−R
15、
−N(R
16)(R
17)または
場合によりNまたはOからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含んでよいC
3−7シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル(例えば、ピロリジン−3−イル)、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルまたはモルホリニル)であり;
ここで、D、EおよびFは1個以上のハロ(例えば、F、ClまたはBr)、C
1−4アルキル(例えば、メチル)、ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C
1−4アルコキシ(例えば、メトキシ)、ヒドロキシ、C
1−4カルボキシまたはさらなるアリールもしくはヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)で、独立して、かつ場合により置換されていてよく、
例えば、Fは1個以上のハロで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、6−フルオロピリド−2−イル、5−フルオロピリド−2−イル、6−フルオロピリド−2−イル、3−フルオロピリド−2−イル、4−フルオロピリド−2−イル、4,6−ジクロロピリド−2−イル)、1個以上のハロC
1−4アルキルで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、5−トリフルオロメチルピリド−2−イル)または1個以上のC
1−4アルキルで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、5−メチルピリド−2−イル)であるかまたはFは1個以上のハロで置換されているアリール、例えば、フェニル(例えば、4−フルオロフェニル)であるかまたはFは場合によりC
1−6アルキルで置換されていてよいC
3−7ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル)(例えば、1−メチルピロリジン−3−イル)であるか;または
h) 例えば、ハロC
1−4アルキルで置換されている、置換ヘテロアリールアルキルであるか;
i) 式II−AまたはII−Bのピロロ部分の窒素に結合し、式A
【化2】
の部分であり、
ここで、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり、R
10は
ハロゲン、
C
1−4アルキル、
ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
C
1−4アルコキシ(例えばメトキシ)、
C
3−7シクロアルキル、
ヘテロC
3−7シクロアルキル(例えば、ピロリジニルまたはピペリジニル)、
C
1−4ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えばピリド−2−イルまたはピリド−4−イル)またはチアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル))、ジアゾリル(例えば、イミダゾール−1−イル)、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル、
アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、
アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、
ヘテロアリールカルボニルまたは
アルコキシカルボニルであり;
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、独立して、場合により1個以上のC
1−4アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、C
1−4カルボキシ、−SHまたはさらなるアリール、ヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)もしくはC
3−8シクロアルキルで置換されていてよく、
好ましくはR
10は、場合により先に定義した置換基で置換されていてよい、例えば場合によりハロまたはアルキルで置換されていてよいフェニル、ピリジル、ピペリジニルまたはピロリジニルであり、
ただし、X、YまたはZが窒素であるならば、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;
(vi) R
6は
H、
C
1−4アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル)、
C
3−7シクロアルキル(例えば、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)、
ヘテロC
3−7シクロアルキル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル)、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリド−4−イル)、
アリールC
1−4アルキル(例えば、ベンジル)、
アリールアミノ(例えば、フェニルアミノ)、
ヘテロアリールアミノ、
N,N−ジC
1−4アルキルアミノ、
N,N−ジアリールアミノ、
N−アリール−N−(アリールC
1−4アルキル)アミノ(例えば、N−フェニル−N−(1,1’−ビフェン−4−イルメチル)アミノ)または
−N(R
18)(R
19)であり、
ここで、アリールおよびヘテロアリールは、場合により1個以上のC
1−4アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、C
1−4カルボキシまたはさらなるアリール、ヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)もしくはC
3−8シクロアルキルで置換されていてよく;
(vii) R
7はH、C
1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、ハロゲン(例えば、Cl)、−N(R
18)(R
19)、ヒドロキシまたはC
1−6アルコキシであり;
(viii) n=0または1であり;
(ix) n=1であるとき、Aは−C(R
13R
14)−であり、ここで、R
13およびR
14は、独立して、HまたはC
1−4アルキル、アリール、ヘテロアリール、(場合によりヘテロ)アリールC
1−4アルコキシ、(場合によりヘテロ)アリールC
1−4アルキルであるか、またはR
14はR
2またはR
4と架橋を形成でき;
(x) R
15はC
1−4アルキル、ハロC
1−4アルキル、−OHまたは−OC
1−4アルキル(例えば、−OCH
3)であり;
(xi) R
16およびR
17は独立してHまたはC
1−4アルキルであり;
(xii) R
18およびR
19は独立して
H、
C
1−4アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル)、
C
3−8シクロアルキル(例えば、シクロヘキシルまたはシクロペンチル)、
ヘテロC
3−8シクロアルキル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル)、
アリール(例えば、フェニル)または
ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、
ここで、該アリールおよびヘテロアリーは、場合により1個以上の
ハロ(例えば、フルオロフェニル、例えば、4−フルオロフェニル)、
ヒドロキシ(例えば、ヒドロキシフェニル、例えば、4−ヒドロキシフェニルまたは2−ヒドロキシフェニル)、
C
1−4アルキル(例えば、メチル)、
ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
C
1−4カルボキシまたは
さらなるアリール、ヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)もしくはC
3−8シクロアルキル
で置換されていてよく、
(xiii) R
20はH、C
1−4アルキルまたはC
3−7シクロアルキルである。〕
の化合物である、請求項1に記載の方法。
PDE1阻害剤が遊離形態または塩形態の式IX
【化15】
〔式中、
(i) Qは−C(=S)−、−C(=N(R
6))−または−C(R
14)(R
15)−であり;
(ii) R
1はHまたはC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
(iii) R
2は
H、
C
1−6アルキル(例えば、イソプロピル、イソブチル、2−メチルブチルまたは2,2−ジメチルプロピル)であって、場合により1個以上のハロ(例えば、フルオロ)またはヒドロキシ(例えば、ヒドロキシC
1−6アルキル、例えば1−ヒドロキシプロプ−2−イルまたは3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)で置換されていてよいもの、
ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチルまたは2,2,2−トリフルオロエチル)、
N(R
14)(R
15)−C
1−6アルキル(例えば、2−(ジメチルアミノ)エチルまたは2−アミノプロピル)、
アリールC
0−6アルキル(例えば、フェニルまたはベンジル)であって、該アリールが場合により1個以上のC
1−6アルコキシで置換されていてよいもの、例えば、C
1−6アルコキシアリールC
0−6アルキル(例えば、4−メトキシベンジル)、
ヘテロアリールC
0−6アルキル(例えば、ピリジニルメチル)であって、該ヘテロアリールが場合により1個以上のC
1−6アルコキシで置換されていてよいもの(例えば、C
1−6アルコキシヘテロアリールC
1−6アルキル);
−G−Jであって、ここで、Gは単結合またはC
1−6アルキレン(例えば、メチレン)であり、JはC
3−8シクロアルキルまたはヘテロC
3−8シクロアルキル(例えば、オキセタン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリジン−2−イル)であり、該シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基は場合により1個以上のC
1−6アルキルまたはアミノで置換されていてよい、例えば、
−C
0−4アルキル−C
3−8シクロアルキル(例えば、−C
0−4アルキル−シクロペンチル、−C
0−4アルキル−シクロヘキシルまたは−C
0−4アルキル−シクロプロピル)であって、該シクロアルキルが場合により1個以上のC
1−6アルキルまたはアミノで置換されていてよいもの(例えば、2−アミノシクロペンチルまたは2−アミノシクロヘキシル)、
−C
0−4アルキル−C
3−8ヘテロシクロアルキル(例えば、−C
0−4アルキル−ピロリジニル、例えば、−C
0−4アルキルピロリジン−3−イル)であって、該ヘテロシクロアルキルは場合によりC
1−6アルキル(例えば、メチル)で置換されていてよいもの、例えば、1−メチルピロリジン−3−イル、1−メチル−ピロリンジン−2−イル、1−メチル−ピロリンジン−2−イル−メチルまたは1−メチル−ピロリンジン−3−イル−メチル)であり;
(iv) R
3は
4) −D−E−Fであり、ここで
Dは単結合、C
1−6アルキレン(例えば、メチレン)またはアリールC
1−6アルキレン(例えば、ベンジレンまたは−CH
2C
6H
4−)であり;
Eは
単結合、
C
1−4アルキレン(例えば、メチレン、エチニレン、プロプ−2−イン−1−イレン)、
C
0−4アルキルアリーレン(例えば、フェニレンまたは−C
6H
4−、−ベンジレン−または−CH
2C
6H
4−)であって、該アリーレン基が場合によりハロ(例えば、ClまたはF)で置換されていてよいもの、
ヘテロアリーレン(例えば、ピリジニレンまたはピリミジニレン)、
アミノC
1−6アルキレン(例えば、−CH
2N(H)−)、
アミノ(例えば、−N(H)−)、
場合によりNまたはOから選択される1個以上のヘテロ原子を含んでよいC
3−8シクロアルキレン(例えば、ピペリジニレン)であり、
Fは
H、
ハロ(例えば、F、Br、Cl)、
C
1−6アルキル(例えば、イソプロピルまたはイソブチル)、
ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
場合によりN、SまたはOから選択される1個以上のヘテロ原子を含んでよいおよび場合により1個以上のC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)で置換されていてよいC
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルまたはモルホリニル)、例えば、1−メチルピロリジン−2−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピペリジン−2−イル、1−メチルピペリジン−2−イル、1−エチルピペリジン−2−イル、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)、ピリミジニル(例えば、ピリミジン−2−イル)、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)、ジアゾリル(例えば、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル)またはイミダゾリル(例えば、イミダゾール−1−イル、4−メチルイミダゾリル、1−メチルイミダゾール−2−イル))、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル(例えば、テトラゾール−5−イル)、アルキルオキサジアゾリル(例えば、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール)であって、場合により1個以上のC
1−6アルキル、ハロ(例えば、フルオロ)またはハロC
1−6アルキルで置換されていてよいもの、
C
1−6アルコキシ、
−O−ハロC
1−6アルキル(例えば、−O−CF
3)、
C
1−6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニルまたは−S(O)
2CH
3)、
−C(O)−R
13であって、ここで、R
13は−N(R
14)(R
15)、C
1−6アルキル(例えば、メチル)、−OC
1−6アルキル(例えば、−OCH
3)、ハロC
1−6アルキル(トリフルオロメチル)、アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリール;
−N(R
14)(R
15)であるか;
または
5) 例えば、ハロC
1−6アルキルで置換されている、置換ヘテロアリールC
1−6アルキルであるか;
または
6) 式Iのピラゾロ部分の窒素の1個に結合し、式A
【化16】
の部分であり、
ここで、
X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、
R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはFであり);
R
10は
ハロゲン(例えば、フルオロまたはクロロ)、
C
1−6アルキル、
C
3−8シクロアルキル、
ヘテロC
3−8シクロアルキル(例えば、ピロリジニルまたはピペリジニル)、
ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)または、例えば、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)、ジアゾリル、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル(例えば、テトラゾール−5−イル)、アルキルオキサジアゾリル(例えば、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール)、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル)、
(ここで、該アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、場合により1個以上のC
1−6アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、カルボキシ、−SHまたはさらなるアリールもしくはヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)で置換されていてよい)
C
1−6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、
アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、
ヘテロアリールカルボニル、
C
1−6アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル)、
アミノカルボニル、
−N(R
14)(R
15)であり;
好ましくはR
10は、場合により先に定義した置換基で置換されていてよい、例えば場合によりハロまたはアルキルで置換されていてよいフェニル、ピリジル、ピペリジニルまたはピロリジニルであり;
ただし、X、YまたはXが窒素であるとき、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;
(v) R
4およびR
5は独立して
H、
C
1−6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル、イソブチル、n−プロピル)、
C
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)、
C
3−8ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル(例えばピロリジン−3−イルまたはピロリジン−1−イル)、ピペリジニル(例えば、ピペリジン−1−イル)、モルホリニル)、
−C
0−6アルキルアリール(例えば、フェニルまたはベンジル)または
−C
0−6アルキルヘテロアリール(例えば、ピリド−4−イル、ピリド−2−イルまたはピラゾール−3−イル)であり、
ここで、該アリールまたはヘテロアリールは、場合により1個以上のハロ(例えば、4−フルオロフェニル)、ヒドロキシ(例えば、4−ヒドロキシフェニル)、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシまたは他のアリール基(例えば、ビフェニル−4−イルメチル)で置換されていてよく;
(vi) R
6はH、C
1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)またはC
3−8シクロアルキルであり;
(vii) R
14およびR
15は独立してHまたはC
1−6アルキルである。〕
の化合物である、請求項1に記載の方法。
PDE1阻害剤が遊離形態または塩形態の式X、例えば、式XAまたは式XB
【化17】
〔式中、
(i) Qは−C(=S)−、−C(=O)−、−C(=N(R
7))−または−C(R
14)(R
15)−であり;
(ii) R
1はHまたはC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
(iii) R
2はH、C
1−6アルキル(例えば、イソプロピル、イソブチル、2−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル)であって、場合によりハロ(例えば、フルオロ)またはヒドロキシで置換されていてよいもの(例えば、1−ヒドロキシプロパン−2−イル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)であり、例えば、R
2はトリフルオロメチルまたは2,2,2−トリフルオロエチルであってよい)、N(R
14)(R
15)−C
1−6アルキル(例えば、2−(ジメチルアミノ)エチルまたは2−アミノプロピル)、アリールC
1−6アルキル(例えば、フェニルまたはベンジル)、ヘテロアリールC
1−6アルキル(例えば、ピリジニルメチル)、C
1−6アルコキシアリール−C
1−6アルキル(例えば、4−メトキシベンジル)であるか;−G−Jであり、ここで、
Gは単結合またはアルキレン(例えば、メチレン)であり;Jは場合により1個以上のC
1−6アルキル(例えば、(1−メチルピロリジン−2−イル))、アミノ(例えば、−NH
2)で置換されていてよいシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル(例えば、オキセタン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリジン−2−イル)であり、例えば、−G−Jは、場合により1個以上のC
1−6アルキル、アミノ(例えば、−NH
2)で置換されていてよい−C
0−4アルキル−C
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロプロピルメチル)、例えば、2−アミノシクロペンチルまたは2−アミノシクロヘキシルであってよく、ここで、該シクロアルキルは、場合により、NおよびOから選択される1個以上のヘテロ原子を含んでよく(例えば、ピロリジニル、例えば、ピロリジン−3−イルまたはピロリジン−2−イル、1−メチル−ピロリンジン−2−イル、1−メチル−ピロリンジン−3−イル、1−メチル−ピロリンジン−2−イル−メチルまたは1−メチル−ピロリンジン−3−イル−メチル)であり;
(iv) R
3は
1) −D−E−Fであり、ここで
Dは単結合、C
1−6アルキレン(例えば、メチレン)またはアリールアルキレン(例えば、p−ベンジレンまたは−CH
2C
6H
4−)であり;
Eは単結合、
C
1−6アルキレン(例えば、メチレン)、C
2−6アルキニレン(例えば、エチニレン、プロプ−2−イン−1−イレン)、エチニレン、プロプ−2−イン−1−イレン)、−C
0−4アルキルアリーレン(例えば、フェニレンまたは−C
6H
4−、−ベンジレン−または−CH
2C
6H
4−)であって、該アリーレン基が場合によりハロ(例えば、ClまたはF)で置換されていてよいもの、ヘテロアリーレン(例えば、ピリジニレンまたはピリミジニレン)、アミノC
1−6アルキレン(例えば、−CH
2N(H)−)、アミノ(例えば、−N(H)−);
場合によりNまたはOから選択される1個以上のヘテロ原子を含んでよいC
3−8シクロアルキレン(例えば、ピペリジニレン)であり、
Fは
H、
ハロ(例えば、F、Br、Cl)、C
1−6アルキル(例えば、イソプロピルまたはイソブチル)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
場合によりNまたはOからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含んでよいC
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、N−シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルまたはモルホリニル)であって、場合によりC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)で置換されていてよいもの、例えば、1−メチルピロリジン−2−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピペリジン−2−イル、1−メチルペリジン−2−イル、1−エチルピペリジン−2−イル、場合によりC
1−6アルキルで置換されていてよいヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)、ピリミジニル(例えば、ピリミジン−2−イル)、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)、ジアゾリル(例えば、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル)またはイミダゾリル(例えば、イミダゾール−1−イル、4−メチルイミダゾリル、1−メチルイミダゾール−2−イル,)、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル(例えば、テトラゾール−5−イル)、アルコキサジアゾリル(例えば、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール)、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル))であって、場合によりハロ(例えば、フルオロ)またはハロC
1−6アルキルで置換されていてよいもの、例えば、6−フルオロピリド−2−イル;アミノ(例えば、−NH
2)、C
1−6アルコキシ、−O−ハロC
1−6アルキル(例えば、−O−CF
3)、C
1−6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニルまたは−S(O)
2CH
3)、
−C(O)−R
13、
−N(R
14)(R
15)であるか;または
2) 例えば、ハロアルキルで置換されている置換ヘテロアリールアルキルであるか;または
3) 式Iのピロロ部分の窒素に結合し、式A
【化18】
の部分であり、
ここで、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり;R
10はハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、C
3−8シクロアルキル、ヘテロC
3−8シクロアルキル(例えば、ピロリジニル)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)または、例えば、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)、ジアゾリル(例えば、イミダゾリルまたはピラゾリル)、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル(例えば、テトラゾール−5−イル)、アルコキサジアゾリル(例えば、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール)、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル)、C
1−6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル)、アミノカルボニルであり;ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、場合により1個以上のC
1−6アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、カルボキシ、−SHまたはさらなるアリールもしくはヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)で置換されていてよく、またはより好ましくはR
10は場合により先に定義した置換基で置換されていてよいフェニルまたはピリジル、例えば、2−ピリジルであり;
ただし、X、YまたはXが窒素であるとき、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;(v) R
4およびR
5は独立してH、C
1−6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル)、
C
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル)、C
3−8ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジン−3−イル)、アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリール(例えば、ピリド−4−イル、ピリド−2−イルまたはピラゾール−3−イル)であり、ここで、該アリールまたはヘテロアリールは、場合によりハロ(例えば、4−フルオロフェニル)、ヒドロキシ(例えば、4−ヒドロキシフェニル)、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシまたは他のアリール基(例えば、ビフェニル−4−イルメチル)で置換されていてよく;
(vi) R
6はH、C
1−6アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシ、C
1−6アルコキシ、アリールオキシ、−N(R
16)(R
17)、オキソ(例えば、=O)またはC
3−
8シクロアルキルであり;
(vii) R
7はH、C
1−6アルキル(例えば、メチル)またはC
3−8シクロアルキルであり、ここで、該シクロアルキルは場合により1個以上のオキソで置換されていてよく(例えば、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)であり;
(viii) R
13は−N(R
14)(R
15)、C
1−6アルキル(例えば、メチル)、−OC
1−6アルキル(例えば、−OCH
3)、ハロC
1−6アルキル(トリフルオロメチル)、アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリールであり;
(ix) R
14およびR
15は独立してHまたはC
1−6アルキルであり;
(x) R
16およびR
17は独立してH、C
1−6アルキル、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリールであり、ここで、該アリールまたはヘテロアリールは、場合によりハロ(例えば、フルオロ)、C
1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)で置換されていてよい。〕
の化合物である、請求項1に記載の方法。
CNS疾患、障害または損傷が神経学的外傷および損傷、手術関連外傷および/または損傷、網膜損傷および外傷、てんかんと関係する損傷、脊髄損傷、脳損傷、脳手術、外傷関連脳損傷、脊髄損傷と関係する外傷、癌処置と関係する脳損傷、癌処置と関係する脊髄損傷、感染と関係する脳損傷、炎症と関係する脳損傷、感染と関係する脊髄損傷、炎症と関係する脊髄損傷、環境毒素と関係する脳損傷および環境毒素と関係する脊髄損傷からなる群から選択される、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
神経変性疾患、障害または損傷がアルツハイマー病、多発性硬化症、緑内障、前頭側頭骨性認知症、レビー小体型認知症、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、プリオン障害、ハンチントン病、多系統萎縮症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、遺伝成痙性対麻痺、脊髄小脳萎縮症、フリートライヒ運動失調症、アミロイドーシス、代謝(糖尿病)関連障害、毒素関連障害、慢性CNS炎症およびシャルコー・マリー・トゥース病から選択される、請求項16に記載の方法。
PNS疾患、障害または損傷の処置または予防のための方法であって、対象のcAMPの細胞内レベルを上げるために有効量のPDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)を対象に投与することを含む、方法。
【発明の概要】
【0008】
発明の要約
PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)が神経保護剤および/または神経再生剤として働き得るのが本発明の利点である。CNS損傷(例えば、脊髄損傷)、疾患または障害の場合には、ここに開示する化合物および方法を、ミエリン阻害因子の存在下でさえ、神経突起伸長および軸索再生の補助または増強のために用い得る。
【0009】
理論はさておき、CNS疾患、障害または損傷の場合、PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)の投与が、細胞内cAMPの増加と、ミエリン阻害因子に打ち勝ち、神経突起伸長および/または軸索再生を促進するために必要な遺伝子の転写の開始に作用し得るのが本発明の少なくとも一つの利点であると考えられる。
【0010】
さらに、PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)の投与が、cAMPならびにcGMP両者の細胞内レベルを上昇させ得ることが利点であると考えられる。理論はともかく、このcAMPおよびcGMP両者の増加は、慢性的に増加した細胞内カルシウムレベルと関係し得る恐らく有害であろう作用に対する抵抗勢力として作用し得る。細胞内カルシウムのレベルの上昇は、種々の変性疾患の発症にある種の関与をしていることが観察されている。例えば、一つの可能な説明は、細胞内カルシウムレベルの上昇(例えば、慢性的に増加した細胞内カルシウムレベル)が、cAMPの発現に負に作用する、カルモジュリンによるPDE1の活性化を導き得る。
【0011】
しかしながら、理論はともかく、PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)の投与の一つの可能性のある利点は、cAMPだけでなく、cGMPの増加ももたらし得ることであると考えられる。細胞内cGMPのこの増加は、PKGの活性の増加をもたらし、細胞内カルシウムレベルのさらなる上昇を阻止し得る。それゆえに、理論はともかく、PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)の投与は、例えば、軸索再生における有益な役割を演じ(および/または神経保護的であり)、同時に恐らく細胞内カルシウムレベルの上昇と関係する変性作用を減少または低下させる二重の利点を有する。
【0012】
一つの態様において、本発明は、CNS疾患、障害または損傷(例えば、脊髄損傷、例えば、脊髄性筋萎縮症、例えば、運動神経損傷)を処置または予防する組成物および方法を含み、ここで、該方法は、cAMPの細胞内レベルを調節するための有効量のPDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)の投与を含む。一つの態様において、細胞内cAMPのこの増加は、神経保護および/または神経発生の増加または刺激における補助となる(例えば、PDE1阻害剤は神経突起伸長および/または軸索再生を増加する)。
【0013】
さらに別の態様において、本発明は、末梢神経系(PNS)の損傷を処置または予防するための組成物および方法を含み、ここで、該方法は、(直接的または間接的いずれかで)神経再生を増加させるおよび/またはさらなる神経損傷を防ぐ、cAMPの細胞内レベルを上昇させるための、PDE1阻害剤の投与を含む。
【0014】
一つの態様において、本発明は、CNS疾患または障害を発症するリスクのある対象における、該疾患または障害の発症を予防するための組成物および方法を含み、ここで、該方法は
1.)対象からサンプルを得て;
2.)サンプルの細胞内カルシウムレベルを測定し;
3.)該生物学的サンプルの細胞内カルシウムレベルと標準的基準を比較し;
4.)標準的基準と比較した細胞内カルシウムレベルに基づき、患者がCNS疾患または障害を発症するリスクを有する否かを決定し;
5.)対象の細胞内カルシウムに基づき、対象にPDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)を投与する(例えば、標準的基準と比較して高い細胞内カルシウムレベルを有するために、対象にPDE1阻害剤を投与する)
ことを含む。
【0015】
発明の詳細な記載
本発明の方法で使用する化合物
一つの態様において、ここに記載する処置または予防法において使用するためのPDE1阻害剤は、場合により置換されていてよい4,5,7,8−テトラヒドロ−2H−イミダゾ[1,2−a]ピロロ[3,4−e]ピリミジンまたは4,5,7,8,9−ペンタヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピロロ[3,4−e]ピリミジン、例えば、遊離形態または塩形態の式II、例えば、II−AまたはII−B
【化1】
〔式中、
(i) QはC(=O)、C(=S)、C(=N(R
20))またはCH
2であり;
(ii) Lは単結合、−N(H)−、−CH
2−、−S−、−S(O)−または−S(O
2)−であり;
(iii) R
1はHまたはC
1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iv) R
4はHまたはC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)であり、R
2およびR
3は、独立して、
H
場合によりハロまたはヒドロキシで置換されていてよいC
1−6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル)(例えば、R
2およびR
3はいずれもメチルであるかまたはR
2がHであり、R
3がメチル、エチル、イソプロピルまたはヒドロキシエチルである)、
アリール、
ヘテロアリール、
(場合によりヘテロ)アリールアルコキシ、
(場合によりヘテロ)アリールC
1−6アルキルであるか;または
R
2およびR
3は一体となって3〜6員環を形成するか;
または
R
2はHであり、R
3およびR
4は一体となってジ−、トリ−またはテトラ−メチレン架橋を形成し(好ましくは、R
3およびR
4が一体となってcis配置を有する、例えば、R
3およびR
4を担持する炭素が、それぞれR配置およびS配置である);
または
【0016】
(v) R
5は
a) −D−E−Fであり、ここで
DはC
1−4アルキレン(例えば、メチレン、エチレンまたはプロプ−2−イン−1−イレン)であり;
Eは単結合、C
2−4アルキニレン(例えば、−C≡C−)、アリーレン(例えば、フェニレン)またはヘテロアリーレン(例えば、ピリジレン)であり;
Fは
H、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル、ジアゾリル、トリアゾリル、例えば、ピリド−2−イル、イミダゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、
ハロ(例えば、F、Br、Cl)、
ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
−C(O)−R
15、
−N(R
16)(R
17)または
場合によりNまたはOからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含んでよいC
3−7シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル(例えば、ピロリジン−3−イル)、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルまたはモルホリニル)であり;
ここで、D、EおよびFは1個以上のハロ(例えば、F、ClまたはBr)、C
1−4アルキル(例えば、メチル)、ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C
1−4アルコキシ(例えば、メトキシ)、ヒドロキシ、C
1−4カルボキシまたはさらなるアリールもしくはヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)で、独立して、かつ場合により置換されていてよく、
例えば、Fは1個以上のハロで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、6−フルオロピリド−2−イル、5−フルオロピリド−2−イル、6−フルオロピリド−2−イル、3−フルオロピリド−2−イル、4−フルオロピリド−2−イル、4,6−ジクロロピリド−2−イル)、1個以上のハロC
1−4アルキルで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、5−トリフルオロメチルピリド−2−イル)または1個以上のC
1−4アルキルで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、5−メチルピリド−2−イル)であるかまたはFは1個以上のハロで置換されているアリール、例えば、フェニル(例えば、4−フルオロフェニル)であるかまたはFは場合によりC
1−6アルキルで置換されていてよいC
3−7ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル)(例えば、1−メチルピロリジン−3−イル)であるか;または
b) 例えば、ハロC
1−4アルキルで置換されている、置換ヘテロアリールアルキルであるか;
c) 式II−AまたはII−Bのピロロ部分の窒素に結合し、式A
【化2】
の部分であり、
ここで、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり、R
10は
ハロゲン、
C
1−4アルキル、
ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)
C
1−4アルコキシ(例えばメトキシ)、
C
3−7シクロアルキル、
ヘテロC
3−7シクロアルキル(例えば、ピロリジニルまたはピペリジニル)、
C
1−4ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えばピリド−2−イルまたはピリド−4−イル)またはチアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル))、ジアゾリル(例えば、イミダゾール−1−イル)、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル、
アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、
アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、
ヘテロアリールカルボニルまたは
アルコキシカルボニルであり;
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、独立して、場合により1個以上のC
1−4アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、C
1−4カルボキシ、−SHまたはさらなるアリール、ヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)もしくはC
3−8シクロアルキルで置換されていてよく、
好ましくはR
10は、場合により先に定義した置換基で置換されていてよい、例えば場合によりハロまたはアルキルで置換されていてよいフェニル、ピリジル、ピペリジニルまたはピロリジニルであり、
ただし、X、YまたはZが窒素であるならば、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;
【0017】
(vi) R
6は
H、
C
1−4アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル)、
C
3−7シクロアルキル(例えば、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)、
ヘテロC
3−7シクロアルキル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル)、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリド−4−イル)、
アリールC
1−4アルキル(例えば、ベンジル)、
アリールアミノ(例えば、フェニルアミノ)、
ヘテロアリールアミノ、
N,N−ジC
1−4アルキルアミノ、
N,N−ジアリールアミノ、
N−アリール−N−(アリールC
1−4アルキル)アミノ(例えば、N−フェニル−N−(1,1’−ビフェン−4−イルメチル)アミノ)または
−N(R
18)(R
19)であり、
ここで、アリールおよびヘテロアリールは、場合により1個以上のC
1−4アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、C
1−4カルボキシまたはさらなるアリール、ヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)もしくはC
3−8シクロアルキルで置換されていてよく;
(vii) R
7はH、C
1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、ハロゲン(例えば、Cl)、−N(R
18)(R
19)、ヒドロキシまたはC
1−6アルコキシであり;
(viii) n=0または1であり;
(ix) n=1であるとき、Aは−C(R
13R
14)−であり、ここで、R
13およびR
14は、独立して、HまたはC
1−4アルキル、アリール、ヘテロアリール、(場合によりヘテロ)アリールC
1−4アルコキシ、(場合によりヘテロ)アリールC
1−4アルキルであるか、またはR
14はR
2またはR
4と架橋を形成でき;
(x) R
15はC
1−4アルキル、ハロC
1−4アルキル、−OHまたは−OC
1−4アルキル(例えば、−OCH
3)であり;
(xi) R
16およびR
17は独立してHまたはC
1−4アルキルであり;
(xii) R
18およびR
19は独立して
H、
C
1−4アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル)、
C
3−8シクロアルキル(例えば、シクロヘキシルまたはシクロペンチル)、
ヘテロC
3−8シクロアルキル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル)、
アリール(例えば、フェニル)または
ヘテロアリール(例えば、ピリジル)であり、
ここで、該アリールおよびヘテロアリーは、場合により1個以上の
ハロ(例えば、フルオロフェニル、例えば、4−フルオロフェニル)、
ヒドロキシ(例えば、ヒドロキシフェニル、例えば、4−ヒドロキシフェニルまたは2−ヒドロキシフェニル)、
C
1−4アルキル(例えば、メチル)、
ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
C
1−4カルボキシまたは
さらなるアリール、ヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)もしくはC
3−8シクロアルキル
で置換されていてよく、
(xiii) R
20はH、C
1−4アルキルまたはC
3−7シクロアルキルである。〕
の化合物である。
【0018】
他の態様において、ここに記載する処置または予防法において使用するためのPDE1阻害剤は、遊離形態または塩形態の式I、例えば式I−AおよびI−B
【化3】
〔式中、
(i) QはC(=O)、C(=S)、C(=N(R
20))またはCH
2であり;
(ii) Lは単結合、−N(H)−、−CH
2−、−S−、−S(O)−または−S(O
2)−であり;
(iii) R
1はHまたはC
1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iv) R
4はHまたはC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)であり、R
2およびR
3は、独立して、
Hまたは場合によりハロまたはヒドロキシで置換されていてよいC
1−6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル)(例えば、R
2およびR
3はいずれもメチルであるかまたはR
2がHであり、R
3がメチル、エチル、イソプロピルまたはヒドロキシエチルである)、
アリール、
ヘテロアリール、
(場合によりヘテロ)アリールアルコキシまたは
(場合によりヘテロ)アリールC
1−6アルキルであるか;
または
R
2はHであり、R
3およびR
4は一体となってジ−、トリ−またはテトラ−メチレン架橋を形成し(好ましくは、R
3およびR
4が一体となってcis配置を有する、例えば、R
3およびR
4を担持する炭素が、それぞれR配置およびS配置である);
【0019】
(v) R
5は
a) −D−E−Fであり、ここで
DはC
1−4アルキレン(例えば、メチレン、エチレンまたはプロプ−2−イン−1−イレン)であり;
Eは単結合、C
2−4アルキニレン(例えば、−C≡C−)、アリーレン(例えば、フェニレン)またはヘテロアリーレン(例えば、ピリジレン)であり;
Fは
H、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル、ジアゾリル、トリアゾリル、例えば、ピリド−2−イル、イミダゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、
ハロ(例えば、F、Br、Cl)、
ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
−C(O)−R
15、
−N(R
16)(R
17)または
場合によりNまたはOからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含んでよいC
3−7シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル(例えば、ピロリジン−3−イル)、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルまたはモルホリニル)であり;
ここで、D、EおよびFは、独立して、場合により1個以上のハロ(例えば、F、ClまたはBr)、C
1−4アルキル(例えば、メチル)、ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)で置換されていてよく、例えば、Fは1個以上のハロで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、6−フルオロピリド−2−イル、5−フルオロピリド−2−イル、6−フルオロピリド−2−イル、3−フルオロピリド−2−イル、4−フルオロピリド−2−イル、4,6−ジクロロピリド−2−イル)、1個以上のハロC
1−4アルキルで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、5−トリフルオロメチルピリド−2−イル)または1個以上のC
1−4アルキルで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、5−メチルピリド−2−イル)であるかまたはFは1個以上のハロで置換されているアリール、例えば、フェニル(例えば、4−フルオロフェニル)であるかまたはFは場合によりC
1−6アルキルで置換されていてよいC
3−7ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル)(例えば、1−メチルピロリジン−3−イル)であるか;または
b) 例えば、ハロアルキルで置換されている、置換ヘテロアリールアルキルであるか;
c) 式I−AまたはI−Bのピロロ部分の窒素に結合し、式A
【化4】
の部分であり、
ここで、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり、R
10は
ハロゲン、
C
1−4アルキル、
C
3−7シクロアルキル、
C
1−4ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えばピリド−2−イル)またはチアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル))、ジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、
アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、
アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、
ヘテロアリールカルボニルまたは
アルコキシカルボニルであり;
ただし、X、YまたはZが窒素であるならば、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;
【0020】
(vi) R
6は
H、
C
1−4アルキル、
C
3−7シクロアルキル(例えば、シクロペンチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリド−4−イル)、
アリールC
1−4アルキル(例えば、ベンジル)、
アリールアミノ(例えば、フェニルアミノ)、
ヘテロアリールアミノ、
N,N−ジC
1−4アルキルアミノ、
N,N−ジアリールアミノ、
N−アリール−N−(アリールC
1−4アルキル)アミノ(例えば、N−フェニル−N−(1,1’−ビフェン−4−イルメチル)アミノ)または
−N(R
18)(R
19)であり;
ここで、アリールまたはヘテロアリールは、場合により1個以上のハロ(例えば、F、Cl)、ヒドロキシまたはC
1−6アルコキシで置換されていてよく;
(vii) R
7はH、C
1−6アルキル、ハロゲン(例えば、Cl)、−N(R
18)(R
19)であり;
(viii) n=0または1であり;
(ix) n=1であるとき、Aは−C(R
13R
14)−であり、ここで、R
13およびR
14は、独立して、HまたはC
1−4アルキル、アリール、ヘテロアリール、(場合によりヘテロ)アリールC
1−4アルコキシまたは(場合によりヘテロ)アリールC
1−4アルキルであり;
(x) R
15はC
1−4アルキル、ハロC
1−4アルキル、−OHまたは−OC
1−4アルキル(例えば、−OCH
3)であり;
(xi) R
16およびR
17は独立してHまたはC
1−4アルキルであり;
(xii) R
18およびR
19は独立してH、C
1−4アルキルまたはアリール(例えば、フェニル)であり、ここで、該アリールは場合により1個以上のハロ(例えば、フルオロフェニル、例えば、4−フルオロフェニル)またはヒドロキシ(例えば、ヒドロキシフェニル、例えば、4−ヒドロキシフェニルまたは2−ヒドロキシフェニル)で置換されていてよく;
(xiii) R
20はH、C
1−4アルキルまたはC
3−7シクロアルキルである。〕
の化合物である。
【0021】
本発明は、さらに、遊離形態または塩形態の、場合により置換されていてよい4,5,7,8−テトラヒドロ−(場合により4−チオキソまたは4−イミノ)−(1Hまたは2H)−イミダゾ[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジンまたは4,5,7,8,9−ペンタヒドロ−(1Hまたは2H)−ピリミド[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン化合物、例えば、(1または2および/または3および/または5)−置換4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン、4,5,7,8−テトラヒドロ−2H−イミダゾ[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン、4,5,7,8−テトラヒドロ−(1Hまたは2H)−ピリミド[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン−4(5H)−イミン、7,8−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン−4(5H)−チオンまたは7,8−ジヒドロ−2H−イミダゾ[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン−4(5H)−チオン化合物、例えば、遊離形態または塩形態の式III
【化5】
〔式中、
(xiv) QはC(=S)、C(=N(R
20))またはCH
2であり;
(xv) Lは単結合、−N(H)−、−CH
2−であり;
(xvi) R
1はHまたはC
1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
(xvii) R
4はHまたはC
1−6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル)であり、R
2およびR
3は独立して
Hまたは場合によりハロまたはヒドロキシで置換されていてよいC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)(例えば、R
2およびR
3はいずれもメチルであるかまたはR
2がHであり、R
3がメチル、エチル、イソプロピルまたはヒドロキシエチルである)、
アリール、
ヘテロアリール、
(場合によりヘテロ)アリールアルコキシ、
(場合によりヘテロ)アリールC
1−6アルキルであるかまたは
R
2およびR
3は一体となって3〜6員環を形成するか;
または
R
2はHであり、R
3およびR
4は一体となってジ−、トリ−またはテトラ−メチレン架橋を形成し(好ましくは、R
3およびR
4が一体となってcis配置を有する、例えば、R
3およびR
4を担持する炭素が、それぞれR配置およびS配置である);
【0022】
(xviii) R
5は
d) −D−E−Fであり、ここで
DはC
1−4アルキレン(例えば、メチレン、エチレンまたはプロプ−2−イン−1−イレン)であり;
Eは単結合、C
2−4アルキニレン(例えば、−C≡C−)、アリーレン(例えば、フェニレン)またはヘテロアリーレン(例えば、ピリジレン)であり;
Fは
H、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル、ジアゾリル、トリアゾリル、例えば、ピリド−2−イル、イミダゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、
ハロ(例えば、F、Br、Cl)、
ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
−C(O)−R
15、
−N(R
16)(R
17)、
−S(O)
2R
21または
場合によりNまたはOからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含んでよいC
3−7シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル(例えば、ピロリジン−3−イル)、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルまたはモルホリニル)であり;
ここで、D、EおよびFは、独立して、場合により1個以上の
ハロ(例えば、F、ClまたはBr)、
C
1−4アルキル(例えば、メチル)、
ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
C
1−4アルコキシ)または
C
1−4アルキル(例えば、5−メチルピリド−2−イル)
で置換されていてよく、
例えば、Fは1個以上のハロで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、6−フルオロピリド−2−イル、5−フルオロピリド−2−イル、6−フルオロピリド−2−イル、3−フルオロピリド−2−イル、4−フルオロピリド−2−イル、4,6−ジクロロピリド−2−イル)であるか、
またはFは1個以上のハロで置換されているアリール、例えば、フェニル(例えば、4−フルオロフェニル)であるか、
またはFは場合によりC
1−6アルキルで置換されていてよいC
3−7ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル)(例えば、1−メチルピロリジン−3−イル)であるか;
または
e) 例えば、ハロアルキルで置換されている、置換ヘテロアリールアルキルであるか;
f) 式IIIのピラゾロ部分の窒素の1個に結合し、式A
【化6】
の部分であり、
ここで、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり、R
10は
ハロゲン、
C
1−4アルキル、
C
3−7シクロアルキル、
hetC
3−7シクロアルキル(例えば、ピロリジニルまたはピペリジニル)、
C
1−4ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えばピリド−2−イル)またはチアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル))、ジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、
アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、
アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、
ヘテロアリールカルボニルまたは
アルコキシカルボニルであり;
ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、独立して、場合により1個以上のハロ(例えば、FまたはCl)、C
1−4アルキル、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、−SHで置換されていてよく;
好ましくはR
10は、場合により先に定義した置換基で置換されていてよい、例えば場合によりハロまたはアルキルで置換されていてよいフェニル、ピリジル、ピペリジニルまたはピロリジニルであり
ただし、X、YまたはZが窒素であるならば、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;
【0023】
(xix) R
6は
H、
C
1−4アルキル、
C
3−7シクロアルキル(例えば、シクロペンチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル、例えば、ピリド−4−イル)、
アリールC
1−4アルキル(例えば、ベンジル)、
アリールアミノ(例えば、フェニルアミノ)、
ヘテロアリールアミノ、
N,N−ジC
1−4アルキルアミノ、
N,N−ジアリールアミノ、
N−アリール−N−(アリールC
1−4アルキル)アミノ(例えば、N−フェニル−N−(1,1’−ビフェン−4−イルメチル)アミノ)または
−N(R
18)(R
19)であり;
ここで、アリールまたはヘテロアリールは場合により1個以上のハロ(例えば、F、Cl)、ヒドロキシ、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、C
3−8シクロアルキルで置換されていてよく、例えば、R
6は4−ヒドロキシフェニルまたは4−フルオロフェニルであり、
(xx) n=0または1であり;
(xxi) n=1であるとき、Aは−C(R
13R
14)−であり、ここで、R
13およびR
14は、独立して、HまたはC
1−4アルキル、アリール、ヘテロアリール、(場合によりヘテロ)アリールC
1−4アルコキシ、(場合によりヘテロ)アリールC
1−4アルキルであるかまたはR
13またはR
14はR
2またはR
4と架橋を形成でき;
(xxii) R
15はC
1−4アルキル、ハロC
1−4アルキル、−OHまたは−OC
1−4アルキル(例えば、−OCH
3)であり;
(xxiii) R
16およびR
17は独立してHまたはC
1−4アルキルであり;
(xxiv) R
18およびR
19は独立して
H、
C
1−4アルキル、
C
3−8シクロアルキル、
ヘテロC
3−8シクロアルキル、
アリール(例えば、フェニル)または
ヘテロアリールであり、
ここで、該アリールまたはヘテロアリールは、場合により1個以上の
ハロ(例えば、フルオロフェニル、例えば、4−フルオロフェニル)、
ヒドロキシ(例えば、ヒドロキシフェニル、例えば、4−ヒドロキシフェニルまたは2−ヒドロキシフェニル)、
C
1−6アルキル、
ハロC
1−6アルキル、
C
1−6アルコキシ、
アリール、
ヘテロアリールまたは
C
3−8シクロアルキル
で置換されていてよく;
(xxv) R
20はH、C
1−4アルキル(例えば、メチル)またはC
3−7シクロアルキルであり、
(xxvi) R
21はC
1−6アルキルである。〕
の化合物を提供する。
【0024】
さらに別の態様において、本発明はまた、遊離形態または塩形態の式IV
【化7】
〔式中、
(i) QはC(=S)、C(=N(R
20))またはCH
2であり;
(ii) Lは単結合、−N(H)−、−CH
2−であり;
(iii) R
1はHまたはC
1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
(iv) R
4はHまたはC
1−6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル)であり、R
2およびR
3は、独立して、Hまたは場合によりハロまたはヒドロキシで置換されていてよいC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)(例えば、R
2およびR
3はいずれもメチルであるかまたはR
2がHであり、R
3がメチル、エチル、イソプロピルまたはヒドロキシエチルである)、アリール、ヘテロアリール、(場合によりヘテロ)アリールアルコキシまたは(場合によりヘテロ)アリールC
1−6アルキルであるか;
または
R
2はHであり、R
3およびR
4は一体となってジ−、トリ−またはテトラ−メチレン架橋を形成し(好ましくは、R
3およびR
4が一体となってcis配置を有する、例えば、R
3およびR
4を担持する炭素が、それぞれR配置およびS配置である);
【0025】
(v) R
5は
a) −D−E−Fであり、ここで
DはC
1−4アルキレン(例えば、メチレン、エチレンまたはプロプ−2−イン−1−イレン)であり;
Eは単結合、C
2−4アルキニレン(例えば、−C≡C−)、アリーレン(例えば、フェニレン)またはヘテロアリーレン(例えば、ピリジレン)であり;
FはH、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル、ジアゾリル、トリアゾリル、例えば、ピリド−2−イル、イミダゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、ハロ(例えば、F、Br、Cl)、ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、−C(O)−R
15、−N(R
16)(R
17)、−S(O)
2R
21または場合によりNもしくはOからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含んでよいC
3−7シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル(例えば、ピロリジン−3−イル)、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルまたはモルホリニル)であり;
ここで、D、EおよびFは、独立して、場合により1個以上の
ハロ(例えば、F、ClまたはBr)、
C
1−4アルキル(例えば、メチル)、
ハロC
1−4アルキル(例えば、トリフルオロメチル)
で置換されていてよく、
例えば、Fは1個以上のハロで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、6−フルオロピリド−2−イル、5−フルオロピリド−2−イル、6−フルオロピリド−2−イル、3−フルオロピリド−2−イル、4−フルオロピリド−2−イル、4,6−ジクロロピリド−2−イル)、1個以上のハロC
1−4アルキルで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、5−トリフルオロメチルピリド−2−イル)または1個以上のC
1−4アルキルで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、5−メチルピリド−2−イル)であるか、
またはFは1個以上のハロで置換されているアリール、例えば、フェニル(例えば、4−フルオロフェニル)であるか、
またはFは場合によりC
1−6アルキルで置換されていてよいC
3−7ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル)(例えば、1−メチルピロリジン−3−イル)であるか;
または
b) 例えば、ハロアルキルで置換されている、置換ヘテロアリールアルキルであるか;
c) 式IVのピラゾロ部分の窒素の1個に結合し、式A
【化8】
の部分であり、
ここで、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり、R
10は
ハロゲン、
C
1−4アルキル、
C
3−7シクロアルキル、
C
1−4ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えばピリド−2−イル)または
チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル))、ジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、
アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、
アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、
ヘテロアリールカルボニルまたは
アルコキシカルボニルであり;
ただし、X、YまたはZが窒素であるならば、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;
【0026】
(vi) R
6は
H、
C
1−4アルキル、
C
3−7シクロアルキル(例えば、シクロペンチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル、例えば、ピリド−4−イル)、
アリールC
1−4アルキル(例えば、ベンジル)、
アリールアミノ(例えば、フェニルアミノ)、
ヘテロアリールアミノ、
N,N−ジC
1−4アルキルアミノ、
N,N−ジアリールアミノ、
N−アリール−N−(アリールC
1−4アルキル)アミノ(例えば、N−フェニル−N−(1,1’−ビフェン−4−イルメチル)アミノ)または
−N(R
18)(R
19)であり;
ここで、アリールまたはヘテロアリールは、場合により1個以上のハロ(例えば、F、Cl)、ヒドロキシまたはC
1−6アルコキシで置換されていてよく、例えば、R
6は4−ヒドロキシフェニルまたは4−フルオロフェニルであり;
(vii) n=0または1であり;
(viii) n=1であるとき、Aは−C(R
13R
14)−であり、ここで、R
13およびR
14は、独立して、HまたはC
1−4アルキル、アリール、ヘテロアリール、(場合によりヘテロ)アリールC
1−4アルコキシまたは(場合によりヘテロ)アリールC
1−4アルキルであり;
(ix) R
15はC
1−4アルキル、ハロC
1−4アルキル、−OHまたは−OC
1−4アルキル(例えば、−OCH
3)であり;
(x) R
16およびR
17は独立してHまたはC
1−4アルキルであり;
(xi) R
18およびR
19は独立してH、C
1−4アルキルまたはアリール(例えば、フェニル)であり、ここで、該アリールは場合により1個以上のハロ(例えば、フルオロフェニル、例えば、4−フルオロフェニル)またはヒドロキシ(例えば、ヒドロキシフェニル、例えば、4−ヒドロキシフェニルまたは2−ヒドロキシフェニル)で置換されていてよく;
(xii) R
20はH、C
1−4アルキル(例えば、メチル)またはC
3−7シクロアルキルであり、
(xiii) R
21はC
1−6アルキルである。〕
の化合物も提供する。
【0027】
なおさらに別の態様において、本発明は、ここに記載する処置および予防法に使用するためのPDE1阻害剤が、出願人自身の公報および出願であるUS2008−0188492A1、US2010−0173878A1、US2010−0273754A1、US2010−0273753A1、WO2010/065153、WO2010/065151、WO2010/065151、WO2010/065149、WO2010/065147、WO2010/065152、WO2011/153129、WO2011/133224、WO2011/153135、WO2011/153136、WO2011/153138、米国出願番号12/064,599、米国出願番号12/514,712、米国出願番号12/517,945、米国出願番号13/203,365、米国出願番号13/319,807、米国出願番号13/500,941およびUS14/209,258(これら各々の全内容を、引用によりその全体を本明細書に包含させる)のいずれかから選択されるものを提供する。
【0028】
さらに別の態様において、本発明は、ここに記載する処置または予防法において使用するためのPDE1阻害剤が、エナンチオマー、ジアステレオ異性体およびラセミ体を含む、遊離形態、塩形態またはプロドラッグ形態の式V
【化9】
〔式中、
(i) R
1はHまたはC
1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(ii) R
4はHまたはC
1−4アルキルであり、R
2およびR
3は、独立して、HまたはC
1−4アルキル(例えば、R
2およびR
3はいずれもメチルであるかまたはR
2がHであり、R
3がイソプロピルである)、アリール、ヘテロアリール、(場合によりヘテロ)アリールアルコキシまたは(場合によりヘテロ)アリールアルキルであるか;
または
R
2はHであり、R
3およびR
4は一体となってジ−、トリ−またはテトラ−メチレン架橋を形成し(好ましくは、R
3およびR
4が一体となってcis配置を有する、例えば、R
3およびR
4を担持する炭素が、それぞれR配置およびS配置である);
(iii) R
5は、例えば、ハロアルキルで置換されている、置換ヘテロアリールアルキルであるか
または
R
5は式Vのピラゾロ部分の窒素の1個に結合し、式A
【化10】
の部分であり、
ここで、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり、R
10はハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えばピリド−2−イル)またはチアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル))、ジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、ヘテロアリールカルボニルまたはアルコキシカルボニルであり;ただし、X、YまたはZが窒素であるならば、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;
(iv) R
6はH、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、アリールアミノ(例えば、フェニルアミノ)、ヘテロアリールアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、N,N−ジアリールアミノまたはN−アリール−N−(アリールアルキル)アミノ(例えば、N−フェニル−N−(1,1’−ビフェン−4−イルメチル)アミノ)であり;
(v) n=0または1であり;
(vi) n=1であるとき、Aは−C(R
13R
14)−であり、
ここで、R
13およびR
14は、独立して、HまたはC
1−4アルキル、アリール、ヘテロアリール、(場合によりヘテロ)アリールアルコキシまたは(場合によりヘテロ)アリールアルキルである。〕
の化合物であるものを提供する。
【0029】
一つの態様において、本発明は、ここに記載する処置または予防法において使用するためのPDE1阻害剤が、遊離形態、塩形態または生理学的に加水分解可能かつ許容されるエステルプロドラッグ形態の式VI
【化11】
〔式中、
(i) R
1はHまたはアルキルであり;
(ii) R
2はH、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルまたはアルコキシアリールアルキルであり;
(iii) R
3はヘテロアリールメチルまたは式A
【化12】
であり、
ここで、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲンであり;R
10はハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルスルホニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニルまたはアミノカルボニルであり;
(iv) R
4はアリールまたはヘテロアリールであり;
(v) R
5はH、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、p−ベンジルアリールであり;
ただし、X、YまたはXが窒素であるとき、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;
ここで、“alk”または“アルキル”はC
1−6アルキルをいい、“シクロアルキル”はC
3−6シクロアルキルをいう。〕
の化合物であるものを提供する。
【0030】
一つの態様において、本発明は、ここに記載する処置または予防法において使用するためのPDE1阻害剤が、遊離形態、塩形態またはプロドラッグ形態の式VII
【化13】
〔式中、
(i) XはC
1−6アルキレン(例えば、メチレン、エチレンまたはプロプ−2−イン−1−イレン)であり;
(ii) Yは単結合、アルキニレン(例えば、−C≡C−)、アリーレン(例えば、フェニレン)またはヘテロアリーレン(例えば、ピリジレン)であり;
(iii) ZはH、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル、例えば、ピリド−2−イル)、ハロ(例えば、F、Br、Cl)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、−C(O)−R
1、−N(R
2)(R
3)または場合によりNもしくはOからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含んでよいC
3−7シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルまたはモルホリニル)であり;
(iv) R
1はC
1−6アルキル、ハロC
1−6アルキル、−OHまたは−OC
1−6アルキル(例えば、−OCH
3)であり;
(v) R
2およびR
3は独立してHまたはC
1−6アルキルであり;
(vi) R
4およびR
5は独立してH、C
1−6アルキルまたは場合により1個以上のハロ(例えば、フルオロフェニル、例えば、4−フルオロフェニル)、ヒドロキシ(例えば、ヒドロキシフェニル、例えば、4−ヒドロキシフェニルまたは2−ヒドロキシフェニル)もしくはC
1−6アルコキシで置換されていてよいアリール(例えば、フェニル)であり;
(vii) ここで、X、YおよびZは、独立して、場合により1個以上のハロ(例えば、F、ClまたはBr)、C
1−6アルキル(例えば、メチル)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)で置換されていてよく、例えば、Zは1個以上のハロで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、6−フルオロピリド−2−イル、5−フルオロピリド−2−イル、6−フルオロピリド−2−イル、3−フルオロピリド−2−イル、4−フルオロピリド−2−イル、4,6−ジクロロピリド−2−イル)、1個以上のハロC
1−6アルキルで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、5−トリフルオロメチルピリド−2−イル)または1個以上のC
1−6−アルキルで置換されているヘテロアリール、例えば、ピリジル(例えば、5−メチルピリド−2−イル)であるかまたはZは1個以上のハロで置換されているアリール、例えば、フェニル(例えば、4−フルオロフェニル)である。〕
の化合物であるものを提供する。
【0031】
一つの態様において、本発明は、ここに記載する処置または予防法において使用するためのPDE1阻害剤が遊離形態または塩形態の式VIII
【化14】
〔式中、
(i) R
1はHまたはC
1−6アルキルであり;
(ii) R
2は
H、
C
1−6アルキル、
場合により1個以上のアミノで置換されていてよいC
3−8シクロアルキル、
場合によりC
1−6アルキルで置換されていてよいC
3−8ヘテロシクロアルキル、
C
3−8シクロアルキル−C
1−6アルキル、
C
1−6ハロアルキル、
C
0−6アルキルアミノC
0−6アルキル、
ヒドロキシC
1−6アルキル、
アリールC
0−6アルキル、
ヘテロアリールアルキル、
C
1−6アルコキシアリールC
1−6アルキルまたは
−G−Jであり、ここで、
Gは単結合またはアルキレンであり;
Jは場合によりアルキルで置換されていてよいシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルであり;
(iii) R
3は
a) −D−E−Fであり、ここで、
1. Dは単結合、C
1−6アルキレンまたはアリールC
1−6アルキレンであり;
2. EはC
1−6アルキレン、アリーレン、C
1−6アルキルアリーレン、アミノC
1−6アルキレンまたはアミノであり;
3. Fは場合によりC
1−6アルキルで置換されていてよいヘテロC
3−8シクロアルキルであり;
(iv) R
4は場合により1個以上のハロ、ヒドロキシルまたはC
1−6アルコキシで置換されていてよいアリール;ヘテロアリール;またはヘテロC
3−6シクロアルキルであり;
(v) R
5はH、C
1−6アルキル、C
3−8シクロアルキル、ヘテロアリール、アリールまたはp−ベンジルアリールであり;
ここで、“alk”、“アルキル”、“ハロアルキル”または“アルコキシ”は、C
1−6アルキルをいい、“シクロアルキル”はC
3−8シクロアルキルをいう。〕
の化合物であるものを提供する。
【0032】
一つの態様において、本発明は、ここに記載する処置または予防法において使用するためのPDE1阻害剤が、遊離形態または塩形態の式IX
【化15】
〔式中、
(i) Qは−C(=S)−、−C(=N(R
6))−または−C(R
14)(R
15)−であり;
(ii) R
1はHまたはC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
(iii) R
2は
H、
C
1−6アルキル(例えば、イソプロピル、イソブチル、2−メチルブチルまたは2,2−ジメチルプロピル)であって、場合により1個以上のハロ(例えば、フルオロ)またはヒドロキシ(例えば、ヒドロキシC
1−6アルキル、例えば1−ヒドロキシプロプ−2−イルまたは3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)で置換されていてよいもの、
ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチルまたは2,2,2−トリフルオロエチル)、
N(R
14)(R
15)−C
1−6アルキル(例えば、2−(ジメチルアミノ)エチルまたは2−アミノプロピル)、
アリールC
0−6アルキル(例えば、フェニルまたはベンジル)であって、該アリールが場合により1個以上のC
1−6アルコキシで置換されていてよいもの、例えば、C
1−6アルコキシアリールC
0−6アルキル(例えば、4−メトキシベンジル)、
ヘテロアリールC
0−6アルキル(例えば、ピリジニルメチル)であって、該ヘテロアリールは場合により1個以上のC
1−6アルコキシで置換されていてよいもの(例えば、C
1−6アルコキシヘテロアリールC
1−6アルキル);
−G−Jであって、ここで、Gは単結合またはC
1−6アルキレン(例えば、メチレン)であり、JはC
3−8シクロアルキルまたはヘテロC
3−8シクロアルキル(例えば、オキセタン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリジン−2−イル)であり、該シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基は場合により1個以上のC
1−6アルキルまたはアミノで置換されていてよく、例えば、
−C
0−4アルキル−C
3−8シクロアルキル(例えば、−C
0−4アルキル−シクロペンチル、−C
0−4アルキル−シクロヘキシルまたは−C
0−4アルキル−シクロプロピル)であって、該シクロアルキルが場合により1個以上のC
1−6アルキルまたはアミノで置換されていてよいもの(例えば、2−アミノシクロペンチルまたは2−アミノシクロヘキシル)、
−C
0−4アルキル−C
3−8ヘテロシクロアルキル(例えば、−C
0−4アルキル−ピロリジニル、例えば、−C
0−4アルキルピロリジン−3−イル)であって、該ヘテロシクロアルキルが場合によりC
1−6アルキル(例えば、メチル)で置換されていてよいもの、例えば、1−メチルピロリジン−3−イル、1−メチル−ピロリンジン−2−イル、1−メチル−ピロリンジン−2−イル−メチルまたは1−メチル−ピロリンジン−3−イル−メチル)であり;
【0033】
(iv) R
3は
1) −D−E−Fであり、ここで
Dは単結合、C
1−6アルキレン(例えば、メチレン)またはアリールC
1−6アルキレン(例えば、ベンジレンまたは−CH
2C
6H
4−)であり;
Eは
単結合、
C
1−4アルキレン(例えば、メチレン、エチニレン、プロプ−2−イン−1−イレン)、
C
0−4アルキルアリーレン(例えば、フェニレンまたは−C
6H
4−、−ベンジレン−または−CH
2C
6H
4−)であって、該アリーレン基が場合によりハロ(例えば、ClまたはF)で置換されていてよいもの、
ヘテロアリーレン(例えば、ピリジニレンまたはピリミジニレン)、
アミノC
1−6アルキレン(例えば、−CH
2N(H)−)、
アミノ(例えば、−N(H)−)、
場合によりNまたはOから選択される1個以上のヘテロ原子を含んでよいC
3−8シクロアルキレン(例えば、ピペリジニレン)であり、
Fは
H、
ハロ(例えば、F、Br、Cl)、
C
1−6アルキル(例えば、イソプロピルまたはイソブチル)、
ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
場合によりN、SまたはOから選択される1個以上のヘテロ原子を含んでよいおよび場合により1個以上のC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)で置換されていてよいC
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルまたはモルホリニル)、例えば、1−メチルピロリジン−2−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピペリジン−2−イル、1−メチルピペリジン−2−イル、1−エチルピペリジン−2−イル、
ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)、ピリミジニル(例えば、ピリミジン−2−イル)、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)、ジアゾリル(例えば、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル)またはイミダゾリル(例えば、イミダゾール−1−イル、4−メチルイミダゾリル、1−メチルイミダゾール−2−イル))、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル(例えば、テトラゾール−5−イル)、アルキルオキサジアゾリル(例えば、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール)であって、場合により1個以上のC
1−6アルキル、ハロ(例えば、フルオロ)またはハロC
1−6アルキルで置換されていてよいもの、
C
1−6アルコキシ、
−O−ハロC
1−6アルキル(例えば、−O−CF
3)、
C
1−6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニルまたは−S(O)
2CH
3)、
−C(O)−R
13(ここで、R
13は−N(R
14)(R
15)、C
1−6アルキル(例えば、メチル)、−OC
1−6アルキル(例えば、−OCH
3)、ハロC
1−6アルキル(トリフルオロメチル)、アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリールである)、
−N(R
14)(R
15)であるか;
または
2) 例えば、ハロC
1−6アルキルで置換されている、置換ヘテロアリールC
1−6アルキルであるか;
または
【0034】
3) 式Iのピラゾロ部分の窒素の1個に結合し、式A
【化16】
の部分であり、
ここで、
X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、
R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり;
R
10は
ハロゲン(例えば、フルオロまたはクロロ)、
C
1−6アルキル、
C
3−8シクロアルキル、
ヘテロC
3−8シクロアルキル(例えば、ピロリジニルまたはピペリジニル)、
ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)または、例えば、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)、ジアゾリル、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル(例えば、テトラゾール−5−イル)、アルキルオキサジアゾリル(例えば、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール)、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル)、
(ここで、該アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、場合により1個以上のC
1−6アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、カルボキシ、−SHまたはさらなるアリールもしくはヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)で置換されていてよい)
C
1−6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、
アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、
ヘテロアリールカルボニル、
C
1−6アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル)、
アミノカルボニル、
−N(R
14)(R
15)であり;
好ましくはR
10は、場合により先に定義した置換基で置換されていてよい、例えば場合によりハロまたはアルキルで置換されていてよいフェニル、ピリジル、ピペリジニルまたはピロリジニルであり;
ただし、X、YまたはXが窒素であるとき、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;
【0035】
(v) R
4およびR
5は独立して
H、
C
1−6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル、イソブチル、n−プロピル)、
C
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)、
C
3−8ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル(例えばピロリジン−3−イルまたはピロリジン−1−イル)、ピペリジニル(例えば、ピペリジン−1−イル)、モルホリニル)、
−C
0−6アルキルアリール(例えば、フェニルまたはベンジル)または
−C
0−6アルキルヘテロアリール(例えば、ピリド−4−イル、ピリド−2−イルまたはピラゾール−3−イル)であり、
ここで、該アリールまたはヘテロアリールは、場合により1個以上のハロ(例えば、4−フルオロフェニル)、ヒドロキシ(例えば、4−ヒドロキシフェニル)、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシまたは他のアリール基(例えば、ビフェニル−4−イルメチル)で置換されていてよく;
(vi) R
6はH、C
1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)またはC
3−8シクロアルキルであり;
(vii) R
14およびR
15は独立してHまたはC
1−6アルキルである。〕
の化合物であるものを提供する。
【0036】
一つの態様において、本発明は、ここに記載する処置または予防法において使用するためのPDE1阻害剤が遊離形態または塩形態の式X、例えば、式XAまたは式XB
【化17】
〔式中、
(i) Qは−C(=S)−、−C(=O)−、−C(=N(R
7))−または−C(R
14)(R
15)−であり;
(ii) R
1はHまたはC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
(iii) R
2はH、C
1−6アルキル(例えば、イソプロピル、イソブチル、2−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル)であって、場合によりハロ(例えば、フルオロ)またはヒドロキシで置換されていてよいもの(例えば、1−ヒドロキシプロパン−2−イル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)であり、例えば、R
2はトリフルオロメチルまたは2,2,2−トリフルオロエチルであってよい)、N(R
14)(R
15)−C
1−6アルキル(例えば、2−(ジメチルアミノ)エチルまたは2−アミノプロピル)、アリールC
1−6アルキル(例えば、フェニルまたはベンジル)、ヘテロアリールC
1−6アルキル(例えば、ピリジニルメチル)、C
1−6アルコキシアリール−C
1−6アルキル(例えば、4−メトキシベンジル)であるか;−G−Jであり、ここで、
Gは単結合またはアルキレン(例えば、メチレン)であり;Jは場合により1個以上のC
1−6アルキル(例えば、(1−メチルピロリジン−2−イル))、アミノ(例えば、−NH
2)で置換されていてよいシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル(例えば、オキセタン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリジン−2−イル)であり、例えば、−G−Jは、場合により1個以上のC
1−6アルキル、アミノ(例えば、−NH
2)で置換されていてよい−C
0−4アルキル−C
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロプロピルメチル)、例えば、2−アミノシクロペンチルまたは2−アミノシクロヘキシルであってよく、ここで、該シクロアルキルは、場合により、NおよびOから選択される1個以上のヘテロ原子を含んでよく(例えば、ピロリジニル、例えば、ピロリジン−3−イルまたはピロリジン−2−イル、1−メチル−ピロリンジン−2−イル、1−メチル−ピロリンジン−3−イル、1−メチル−ピロリンジン−2−イル−メチルまたは1−メチル−ピロリンジン−3−イル−メチル)であり;
(iv) R
3は
1) −D−E−Fであり、ここで
Dは単結合、C
1−6アルキレン(例えば、メチレン)またはアリールアルキレン(例えば、p−ベンジレンまたは−CH
2C
6H
4−)であり;
Eは単結合、
C
1−6アルキレン(例えば、メチレン)、C
2−6アルキニレン(例えば、エチニレン、プロプ−2−イン−1−イレン)、エチニレン、プロプ−2−イン−1−イレン)、−C
0−4アルキルアリーレン(例えば、フェニレンまたは−C
6H
4−、−ベンジレン−または−CH
2C
6H
4−)であって、該アリーレン基が場合によりハロ(例えば、ClまたはF)で置換されていてよいもの、ヘテロアリーレン(例えば、ピリジニレンまたはピリミジニレン)、アミノC
1−6アルキレン(例えば、−CH
2N(H)−)、アミノ(例えば、−N(H)−);
場合によりNまたはOから選択される1個以上のヘテロ原子を含んでよいC
3−8シクロアルキレン(例えば、ピペリジニレン)であり、
Fは
H、
ハロ(例えば、F、Br、Cl)、C
1−6アルキル(例えば、イソプロピルまたはイソブチル)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、
アリール(例えば、フェニル)、
場合によりNまたはOからなる群から選択される少なくとも1個の原子を含んでよいC
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、N−シクロヘキシル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルまたはモルホリニル)であって、場合によりC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)で置換されていてよいもの、例えば、1−メチルピロリジン−2−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピペリジン−2−イル、1−メチルペリジン−2−イル、1−エチルピペリジン−2−イル、場合によりC
1−6アルキルで置換されていてよいヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)、ピリミジニル(例えば、ピリミジン−2−イル)、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)、ジアゾリル(例えば、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル)またはイミダゾリル(例えば、イミダゾール−1−イル、4−メチルイミダゾリル、1−メチルイミダゾール−2−イル,)、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル(例えば、テトラゾール−5−イル)、アルコキサジアゾリル(例えば、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール)、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル))であって、場合によりハロ(例えば、フルオロ)またはハロC
1−6アルキルで置換されていてよいもの、例えば、6−フルオロピリド−2−イル;アミノ(例えば、−NH
2)、C
1−6アルコキシ、−O−ハロC
1−6アルキル(例えば、−O−CF
3)、C
1−6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニルまたは−S(O)
2CH
3)、
−C(O)−R
13、
−N(R
14)(R
15)であるか;または
2) 例えば、ハロアルキルで置換されている置換ヘテロアリールアルキルであるか;または
【0037】
3) 式Iのピロロ部分の窒素に結合し、式A
【化18】
の部分であり、
ここで、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり;R
10はハロゲン、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、C
3−8シクロアルキル、ヘテロC
3−8シクロアルキル(例えば、ピロリジニル)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)または、例えば、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)、ジアゾリル(例えば、イミダゾリルまたはピラゾリル)、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル(例えば、テトラゾール−5−イル)、アルコキサジアゾリル(例えば、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール)、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル)、C
1−6アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル)、アミノカルボニルであり;ここで、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、場合により1個以上のC
1−6アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、カルボキシ、−SHまたはさらなるアリールもしくはヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)で置換されていてよく、またはより好ましくはR
10は場合により先に定義した置換基で置換されていてよいフェニルまたはピリジル、例えば、2−ピリジルであり;
ただし、X、YまたはXが窒素であるとき、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;(v) R
4およびR
5は独立してH、C
1−6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル)、
C
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル)、C
3−8ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジン−3−イル)、アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリール(例えば、ピリド−4−イル、ピリド−2−イルまたはピラゾール−3−イル)であり、ここで、該アリールまたはヘテロアリールは、場合によりハロ(例えば、4−フルオロフェニル)、ヒドロキシ(例えば、4−ヒドロキシフェニル)、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシまたは他のアリール基(例えば、ビフェニル−4−イルメチル)で置換されていてよく;
(vi) R
6はH、C
1−6アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシ、C
1−6アルコキシ、アリールオキシ、−N(R
16)(R
17)、オキソ(例えば、=O)またはC
3−
8シクロアルキルであり;
(vii) R
7はH、C
1−6アルキル(例えば、メチル)またはC
3−8シクロアルキルであり、ここで、該シクロアルキルは場合により1個以上のオキソで置換されていてよく(例えば、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル);
(viii) R
13は−N(R
14)(R
15)、C
1−6アルキル(例えば、メチル)、−OC
1−6アルキル(例えば、−OCH
3)、ハロC
1−6アルキル(トリフルオロメチル)、アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリールであり;
(ix) R
14およびR
15は独立してHまたはC
1−6アルキルであり;
(x) R
16およびR
17は独立してH、C
1−6アルキル、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリールであり、ここで、該アリールまたはヘテロアリールは、場合によりハロ(例えば、フルオロ)、C
1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)で置換されていてよい。〕
の化合物であるものを提供する。
【0038】
一つの態様において、本発明は、ここに記載する処置または予防法において使用するためのPDE1阻害剤が、遊離形態または塩形態の式XI
【化19】
〔式中、
(i) LはS、SOまたはSO
2であり;
(ii) R
2はHまたはC
1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり;
(iii) R
2は
H、
C
1−6アルキル(例えば、イソプロピル、イソブチル、ネオペンチル、2−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル)であって、場合によりハロ(例えば、フルオロ)またはヒドロキシで置換されていてよいもの(例えば、1−ヒドロキシプロパン−2−イル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)、場合により1個以上のアミノ(例えば、−NH
2)で置換されていてよい−C
0−4アルキル−C
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル)、例えば、2−アミノシクロペンチルまたは2−アミノシクロヘキシル)であって、場合によりNおよびOから選択される1個以上のヘテロ原子を含んでよく、場合によりC
1−6アルキルで置換されていてよいもの(例えば、1−メチル−ピロリンジン−2−イル、1−メチル−ピロリンジン−3−イル、1−メチル−ピロリンジン−2−イル−メチルまたは1−メチル−ピロリンジン−3−イル−メチル)、場合によりC
1−6アルキル(例えば、メチル)で置換されていてよいC
3−8ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル、例えば、ピロリジン−3−イル)、例えば、1−メチルピロリジン−3−イル、C
3−8シクロアルキル−C
1−6アルキル(例えば、シクロプロピルメチル)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル)、−N(R
14)(R
15)−C
1−6アルキル(例えば、2−(ジメチルアミノ)エチル,2−アミノプロピル)、ヒドロキシC
1−6アルキル(例えば(例えば、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、1−ヒドロキシプロプ−2−イル)、アリールC
0−6アルキル(例えば、ベンジル)、ヘテロアリールC
1−6アルキル(例えば、ピリジニルメチル)、C
1−6アルコキシアリールC
1−6アルキル(例えば、4−メトキシベンジル)であるか;−G−Jであり、ここで、Gは単結合またはアルキレン(例えば、メチレン)であり;
Jは場合によりC
1−6アルキルで置換されていてよいシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル(例えば、オキセタン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリジン−2−イル)(例えば、(1−メチルピロリジン−2−イル))であり;
(iv) R
3は式Iのピラゾロ部分の窒素の1個に結合し、式A
【化20】
の部分であり、
ここで、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R
8、R
9、R
11およびR
12は独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり;R
10はハロゲン、C
1−6アルキル、C
3−8シクロアルキル、ヘテロC
3−8シクロアルキル(例えば、ピロリジニルまたはピペリジニル)、ハロC
1−6アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)または、例えば、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)、ジアゾリル、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル(例えば、テトラゾール−5−イル)、アルコキサジアゾリル(例えば、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール)、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル)、アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)またはヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル)、アミノカルボニルであり;好ましくはフェニル、ピリジル、例えば、2−ピリジル、ピペリジニルまたはピロリジニルであり;ここで、アリール、ヘテロアリールシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、場合により1個以上のハロ(例えば、FまたはCl)、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、C
1−4ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)および/または−SHで置換されていてよく、ただし、X、YまたはXが窒素であるとき、R
8、R
9またはR
10はそれぞれ存在せず;
(v) R
4は
H、C
1−6アルキル(例えば、メチル、イソプロピル)、C
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル)、C
3−8ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジン−3−イル)、アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリール(例えば、ピリド−4−イル、ピリド−2−イルまたはピラゾール−3−イル)であり、ここで、該アリールまたはヘテロアリールは、場合によりハロ(例えば、4−フルオロフェニル)、ヒドロキシ(例えば、4−ヒドロキシフェニル)、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシまたは他のアリール基(例えば、ビフェニル−4−イルメチル)で置換されていてよく;
(vi) R
14およびR
15は独立してHまたはC
1−6アルキルである。〕
の化合物であるものを提供する。
【0039】
本発明は、さらに、前記式(例えば、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI)のいずれかのPDE1阻害剤の使用を提供し、ここで、化合物が次のいずれかから選択される。
【化21】
【化22】
【化23】
【0040】
本発明は、さらに、前記式(例えば、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI)のいずれかのPDE1阻害剤の使用を提供し、ここで、化合物が次のいずれかから選択される。
【化24】
【化25】
【0042】
さらに別の態様において、本発明は、さらに、前記式(例えば、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI)のいずれかのPDE1阻害剤の使用を提供し、ここで、化合物が次のいずれかから選択される。
【化29】
【化30】
【0044】
さらに別の態様において、本発明は、さらに、前記式(例えば、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI)のいずれかのPDE1阻害剤の使用を提供し、ここで、化合物が次のいずれかから選択される。
【化34】
【化35】
【化36】
【0045】
さらに別の態様において、選択的PDE1阻害剤を、単独でまたは他のPDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれか)と組み合わせて使用できる、次の化合物から選択する。
【化37】
【0046】
一つの態様において、先の式(例えば、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI)のいずれかの選択的PDE1阻害剤は、cGMPのホスホジエステラーゼ介在(例えば、PDE1介在、特にPDE1AまたはPDE1C介在)加水分解を阻害する化合物であり、例えば、好ましい化合物は、遊離形態または塩形態で、固定化金属親和性粒子試薬PDEアッセイで1μM未満、好ましくは500nM未満、好ましくは50nM未満および好ましくは5nM未満のIC
50を有する。
【0047】
他に特定しない限りまたは文脈から明らかではない限り、ここでの次の用語は、次の意味を有する。
(a) ここで使用する“アルキル”は、好ましくは飽和の、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する、飽和または不飽和炭化水素基であり、これは、直鎖でも分枝鎖でもよく、場合により、例えば、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ヒドロキシまたはカルボキシで一、二または三置換されていてよい。
【0048】
(b) ここで使用する“シクロアルキル”は、好ましくは飽和の、好ましくは3〜9個の炭素原子を有す、少なくともそのいくつかが非芳香族単環または二環または架橋環状構造を形成する、飽和または不飽和非芳香族炭化水素基であり、これは、場合により、例えば、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ヒドロキシまたはカルボキシで置換されていてよい。シクロアルキルが場合によりNおよびOおよび/またはSから選択される1個以上の原子を含んでよいとき、該シクロアルキルはヘテロシクロアルキルでもあり得る。
【0049】
(c) “ヘテロシクロアルキル”は、特に断らない限り、好ましくは飽和の、好ましくは3〜9個の炭素原子を含み、少なくともそのいくつかが非芳香族単環または二環または架橋環状構造を形成する、少なくとも1個の炭素原子がN、OまたはSに置き換えられている、飽和または不飽和非芳香族炭化水素基であり、このヘテロシクロアルキルは、場合により、例えば、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ヒドロキシまたはカルボキシで置換されていてよい。
【0050】
(d) ここで使用する“アリール”は、場合により、例えば、アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、カルボキシまたはさらなるアリールもしくはヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)で置換されていてよい、単環または二環式芳香族炭化水素、好ましくはフェニルである。
【0051】
(e) ここで使用する“ヘテロアリール”は、芳香環を形成する原子の1個以上が炭素ではなく硫黄または窒素である芳香族基、例えば、ピリジルまたはチアジアゾリルであり、これは、場合により、例えば、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシまたはカルボキシで置換されていてよい。
【0052】
(f) 参照しやすいように、本発明の化合物のピラゾロ−ピリミジンコアの原子は、特に断らない限り、式Iに記載する番号付けに従い番号付けする。
【0053】
(g) Eがフェニレンであるとき、番号付けは次のとおりである。
【化38】
【0054】
(h) 置換基が“エン”で終わるとき、例えば、アルキレン、フェニレンまたはアリールアルキレンであるとき、該置換基は、2個の他の置換基と架橋または連結することが意図される。それゆえに、メチレンは−CH
2−であることを意図し、フェニレンは−C
6H
4−であることを意図し、アリールアルキレンは−C
6H
4−CH
2−または−CH
2−C
6H
4−であることを意図する。
【0055】
(i) 本発明の化合物は、次のとおり番号付けすることを意図する。
【化39】
【0056】
本発明の化合物、例えば、置換4,5,7,8−テトラヒドロ−2H−イミダゾ[1,2−a]ピロロ[3,4−e]ピリミジンまたは4,5,7,8,9−ペンタヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピロロ[3,4−e]ピリミジン、例えば、式I(式I−AおよびI−B)の化合物または式II(例えば、II−AまたはII−B)の化合物は、遊離形態または塩形態で、例えば、酸付加塩類として存在し得る。本明細書では、特に断らない限り、“本発明の化合物”のような用語は、あらゆる形態の、例えば遊離形態もしくは酸付加塩形態の、または化合物が酸性置換基を含むとき、塩基付加塩形態の化合物を含むと解釈すべきである。本発明の化合物は医薬としての用途が意図され、それゆえに薬学的に許容される塩が好ましい。医薬用途に不適な塩類は、例えば、本発明の遊離化合物またはその薬学的に許容される塩類の単離または精製に有用である可能性があり、それゆえにまた包含される。
【0057】
ここに開示するあらゆる化合物を含む本発明の化合物、例えば、場合により置換されていてよい4,5,7,8−テトラヒドロ−(場合により4−チオキソまたは4−イミノ)−(1Hまたは2H)−イミダゾ[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジンまたは4,5,7,8,9−ペンタヒドロ−(1Hまたは2H)−ピリミド[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン化合物、例えば、(1または2および/または3および/または5)−置換4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン、4,5,7,8−テトラヒドロ−2H−イミダゾ[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン、4,5,7,8−テトラヒドロ−(1Hまたは2H)−ピリミド[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン−4(5H)−イミン、7,8−ジヒドロ−1H−イミダゾ[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン−4(5H)−チオンまたは7,8−ジヒドロ−2H−イミダゾ[1,2−a]ピラゾロ[4,3−e]ピリミジン−4(5H)−チオン化合物、例えば、ここに記載する式IIIの化合物または式IVの化合物は、遊離形態または塩形態で、例えば、酸付加塩類として存在し得る。
【0058】
本発明の化合物は、ある場合、プロドラッグ形態でも存在し得る。プロドラッグ形態は、体内で本発明の化合物に変わる化合物である。例えば、本発明の化合物がヒドロキシ置換基またはカルボキシ置換基を含むとき、これらの置換基は生理学的に加水分解可能かつ許容されるエステル類を形成し得る。ここで使用する“生理学的に加水分解可能かつ許容されるエステル”は、生理的条件下で加水分解可能であり、投与される量でそれ自体生理学的に容認できる酸類(ヒドロキシ置換基を有する本発明の化合物の場合)またはアルコール類(カルボキシ置換基を有する本発明の化合物の場合)を形成する、本発明の化合物のエステル類を意味する。それゆえに、本発明の化合物がヒドロキシ基を含むとき、例えば、化合物−OHであるとき、このような化合物のアシルエステルプロドラッグ、すなわち、化合物−O−C(O)−C
1−4アルキルは、体内で加水分解されて、一方で生理学的に加水分解可能なアルコール(化合物−OH)および他方で酸(例えば、HOC(O)−C
1−4アルキル)を形成できる。あるいは、本発明の化合物がカルボン酸を含むとき、例えば、化合物−C(O)OHであるとき、このような化合物の酸エステルプロドラッグ、すなわち、化合物−C(O)O−C
1−4アルキルは、体内で加水分解されて、化合物−C(O)OHおよびHO−C
1−4アルキルを形成できる。当然であるが、本用語は、それゆえに、慣用の医薬品プロドラッグ形態を包含する。
【0059】
他の態様において、本発明は、さらに、遊離形態、薬学的に許容される塩形態またはプロドラッグ形態の本発明の化合物を薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して含む、医薬組成物を提供する。
【0060】
本発明の化合物は、ある場合、プロドラッグ形態でも存在し得る。プロドラッグ形態は、体内で本発明の化合物に変わる化合物である。例えば、本発明の化合物がヒドロキシ置換基またはカルボキシ置換基を含むとき、これらの置換基は生理学的に加水分解可能かつ許容されるエステル類を形成し得る。ここで使用する“生理学的に加水分解可能かつ許容されるエステル”は、生理的条件下で加水分解可能であり、投与される量でそれ自体生理学的に容認できる酸類(ヒドロキシ置換基を有する本発明の化合物の場合)またはアルコール類(カルボキシ置換基を有する本発明の化合物の場合)を形成する、本発明の化合物のエステル類を意味する。それゆえに、本発明の化合物がヒドロキシ基を含むとき、例えば、化合物−OHであるとき、このような化合物のアシルエステルプロドラッグ、すなわち、化合物−O−C(O)−C
1−4アルキルは、体内で加水分解されて、一方で生理学的に加水分解可能なアルコール(化合物−OH)および他方で酸(例えば、HOC(O)−C
1−4アルキル)を形成できる。あるいは、本発明の化合物がカルボン酸を含むとき、例えば、化合物−C(O)OHであるとき、このような化合物の酸エステルプロドラッグ、すなわち、化合物−C(O)O−C
1−4アルキルは、体内で加水分解されて、化合物−C(O)OHおよびHO−C
1−4アルキルを形成できる。当然であるが、本用語は、それゆえに、慣用の医薬品プロドラッグ形態を包含する。
【0061】
他の態様において、本発明は、さらに、遊離形態、薬学的に許容される塩形態またはプロドラッグ形態の本発明の化合物を薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して含む、医薬組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明の化合物の製造法
本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩類は、ここに記載し、例示する方法を使用して、およびそれに類似する方法によりおよび化学分野で知られる方法により製造できる。このような方法は、下記のものを含むが、これらに限定されない。これらの方法のための出発物質は、市販されていなければ、既知化合物の合成に類するまたは準ずる技術を使用して、化学技術から選択される方法により製造し得る。
【0063】
種々の出発物質および/または本発明の化合物は、US2008−0188492A1、US2010−0173878A1、US2010−0273754A1、US2010−0273753A1、WO2010/065153、WO2010/065151、WO2010/065151、WO2010/065149、WO2010/065147、WO2010/065152、WO2011/153129、WO2011/133224、WO2011/153135、WO2011/153136、WO2011/153138に記載の方法を使用して製造し得る。ここに引用する全ての文献は、その全体を引用により本明細書に包含させる。
【0064】
本発明の化合物は、そのエナンチオマー、ジアステレオ異性体およびラセミ体、ならびにその多形、水和物、溶媒和物および複合体を含む。本発明の範囲内のある個々の化合物は、二重結合を含み得る。本発明における二重結合の描写は、二重結合のEおよびZ異性体の両者を含むことを意図する。さらに、本発明の範囲内のある化合物は、1箇所以上の不斉中心を含み得る。本発明は、光学的に純粋な立体異性体のいずれかならびに立体異性体のあらゆる組み合わせの使用を含む。
【0065】
本発明の化合物は、その安定なおよび不安定な同位体を含むことも意図される。安定な同位体は、同じ種(すなわち、元素)の豊富な核種と比較して、1個の付加的中性子を含む、非放射性同位体である。このような同位体を含む化合物の活性は維持され、このような化合物はまた非同位体アナログの薬物動態の測定にも有用であることが期待される。例えば、本発明の化合物のある位置の水素原子を重水素(非放射性である安定な同位体)に置き換え得る。知られる安定な同位体の例は、重水素、
13C、
15N、
18Oを含むが、これらに限定されない。あるいは、同じ種(すなわち、元素)の豊富な核種と比較して、さらなる中性子を含む放射性同位体である不安定な同位体、例えば、
123I、
131I、
125I、
11C、
18Fを、I、CおよびFの対応する豊富な種と置き換え得る。本発明の化合物の有用な同位体の他の例は
11C同位体である。これらの放射性同位体は、本発明の化合物の放射線画像診断および/または薬物動態試験に有用である。
【0066】
融点は未補正であり、(dec)は分解を示す。温度は摂氏度(℃)で示す;特に断らない限り、操作は室温または環境温度、すなわち18〜25℃の範囲の温度で行う。クロマトグラフィーはシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを意図し;薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカゲルプレート上で行う。NMRデータは、主要な特徴的プロトンのデルタ値であり、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で示す。シグナル形の慣用の略語を使用する。カップリング定数(J)はHzで示す。マススペクトル(MS)に関して、同位体分裂が複数マススペクトルピークをもたらすとき、分子について最低質量主イオンを報告する。溶媒混合物組成を体積パーセンテージまたは体積比で示す。NMRスペクトルが複雑であるとき、特徴的シグナルのみを記載する。
【0067】
用語および略語:
BuLi=n−ブチルリチウム、
Bu
tOH=tert−ブチルアルコール、
CAN=硝酸アンモニウムセリウム(IV)、
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン、
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド、
DMSO=ジメチルスルホキシド、
Et
2O=ジエチルエーテル、
EtOAc=酢酸エチル、
equiv.=当量
h=時間、
HPLC=高速液体クロマトグラフィー、
LDA=リチウムジイソプロピルアミド
MeOH=メタノール、
NBS=N−ブロモスクシンイミド
NCS=N−クロロスクシンイミド
NaHCO
3=重炭酸ナトリウム、
NH
4OH=水酸化アンモニウム、
Pd
2(dba)
3=トリス[ジベンジリデンアセトン]ジパラジウム(0)
PMB=p−メトキシベンジル、
POCl
3=リンオキシクロライド、
SOCl
2=塩化チオニル、
TFA=トリフルオロ酢酸、
TFMSA=トリフルオロメタンスルホン酸
THF=テトラヒドロフラン。
【0068】
本発明の化合物の使用法
一つの態様において、本発明は方法Iを提供し、ここで、方法Iはさらに中枢神経系の疾患、障害および損傷の予防および/または処置を含み、ここで、該方法は、細胞内cAMPのレベルを調節するために有効量のPDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)を投与することを含む。
【0069】
例えば、方法Iはまた次のものを含む。
1.1. PDE1阻害剤の投与が軸索成長または再生を増強するおよび/または神経変性状態におけるこのような細胞の喪失を遅延または回復させる、方法I。
1.2. CNS疾患、障害または損傷が、CNSの正常機能に直接的または間接的に影響する損傷である、前記の方法I以降のいずれか。
1.3. CNS疾患、障害または損傷が、構造的、身体的または器質的機能障害であり、身体的衝撃、例えば神経線維の挫滅、圧迫または伸展が原因であり得る、前記の方法I以降のいずれか。
1.4. CNS疾患、障害または損傷が脊髄損傷である、前記の方法I以降のいずれか。
1.5. PDE1阻害剤が脊髄損傷の進行を遅延または停止させる、1.4の方法。
1.6. PDE1阻害剤が軸索線維分解を遅延または停止させる、前記の方法I以降のいずれか。
1.7. CNS疾患、障害または損傷が運動神経外傷と関係する、前記の方法I以降のいずれか。
1.8. 疾患、障害または損傷が神経学的外傷および損傷、手術関連外傷および/または損傷、網膜損傷および外傷、てんかんと関係する損傷、脊髄損傷、脳損傷、脳手術、外傷関連脳損傷、脊髄損傷と関係する外傷、癌処置と関係する脳損傷、癌処置と関係する脊髄損傷、感染と関係する脳損傷、炎症と関係する脳損傷、感染と関係する脊髄損傷、炎症と関係する脊髄損傷、環境毒素と関係する脳損傷および環境毒素と関係する脊髄損傷からなる群から選択される、前記の方法I以降のいずれか。
1.9. CNS疾患、障害または損傷が、病気(例えば、パーキンソン病)、化学的不均衡または無酸素(例えば、卒中)、瘤または再灌流のような生理学的機能不全により破壊または分解され得る神経細胞または神経線維を含む、前記の方法I以降のいずれか。
1.10. CNS疾患、障害または損傷が神経変性障害である、前記の方法I以降のいずれか。
1.11. 神経変性疾患、障害または損傷がアルツハイマー病、多発性硬化症、脊髄性筋萎縮症、緑内障、前頭側頭骨性認知症、レビー小体型認知症、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺、プリオン障害、ハンチントン病、多系統萎縮症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、遺伝成痙性対麻痺、脊髄小脳萎縮症、フリートライヒ運動失調症、アミロイドーシス、代謝(糖尿病)関連障害、毒素関連障害、慢性CNS炎症、シャルコー・マリー・トゥース病、糖尿病性ニューロパチー、癌化学療法(例えば、ビンカアルカロイドおよびドキソルビシンによる)、卒中を伴う脳損傷および卒中を伴う虚血および三叉神経痛、舌咽神経痛、ベル麻痺、重症筋無力症、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、進行性筋萎縮症、遺伝性進行性延髄性筋萎縮、脱出性、破裂性または逸脱性椎間板症候群、頸椎症、神経叢障害、胸郭出口破壊症候群、例えば、鉛、アクリルアミド類、ガンマ−ジケトン類、二硫化炭素、ダプソン、マダニ類、ポルフィリン症およびギラン・バレー症候群が原因であるような末梢ニューロパチーを含むが、これらに限定されない神経変性と関係する種々の末梢神経障害性および神経学的障害を含むが、これらに限定されない神経学的障害からなる群から選択される、1.10の方法。
【0070】
1.12. CNS疾患、障害または損傷がCNS病変、発作(例えば、電撃性発作処置;てんかん発作)、放射線、化学療法および/または卒中または他の虚血性損傷である、前記の方法I以降のいずれか。
1.13. PDE1阻害剤の投与を神経細胞および/またはグリア細胞の補充、置換および/または追加のために使用する、前記の方法I以降のいずれか。
1.14. PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)を、これを必要とする対象または患者に投与する、前記の方法I以降のいずれか。
1.15. PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)が細胞内cAMPのレベルまたは発現を高める、前記の方法I以降のいずれか。
1.16. PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)が細胞内cAMPのレベルまたは発現を下げる、前記の方法I以降のいずれか。
1.17. PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)がPKAまたはPKGの活性を調節する、前記の方法I以降のいずれか。
1.18. PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)がPKAまたはPKGの活性を高める、前記の方法I以降のいずれか。
1.19. PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)の投与がcAMPおよびcGMPの両者のレベルを高める、前記の方法I以降のいずれか。
1.20. PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)の投与が細胞内cAMPのレベルを上昇させ、細胞内cAMPレベルのこの上昇が神経保護および/または神経再生特性を有する、前記の方法I以降のいずれか。
1.21. PDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)の有効量を細胞内カルシウムレベルの上昇(例えば、慢性的上昇)と関係する疾患または障害を有する患者に投与することを含み、ここで、PDE1阻害剤が該カルシウムレベルのさらなる上昇を阻止する、前記の方法I以降のいずれか。
1.22. PDE1阻害剤を単独でまたは他の活性剤と組み合わせて投与する、前記の方法I以降のいずれか。
1.23. 疾患、障害または損傷が運動神経と関係し、運動神経疾患、障害または損傷が多発性硬化症である、前記の方法I以降のいずれか。
1.24. PDE1阻害剤を、多発性硬化症を処置するために他の活性剤と組み合わせて投与する、前記の方法II以降のいずれか。
1.25. 活性剤がインターフェロン、酢酸グラチラマー、ナタリズマブ、ジレニア(登録商標)(フィンゴリモド)、Fampyra(登録商標)、免疫抑制剤およびコルチコイド類からなる群から選択される、2.11の方法。
【0071】
他の態様において、本発明は方法IIを提供し、ここで、方法IIは末梢神経系(PNS)疾患、障害または損傷の処置または予防の組成物およ方法を含み、該方法は、cAMPの細胞内レベルを高めるための有効量のPDE1阻害剤の投与を含む。
【0072】
例えば、方法IIはまた次のものを含む。
2.1. PNS疾患、障害または損傷が、CNSの正常機能に直接的または間接的に影響する損傷である、方法II。
2.2. PDE1阻害剤を、これを必要とする対象または患者に投与する、前記の方法II以降のいずれか。
2.3. PDE1阻害剤が細胞内cAMPのレベルまたは発現を上昇させる、前記の方法II以降のいずれか。
2.4. PDE1阻害剤が(例えば、直接的または間接的に)PKAおよび/またはPKGの活性を調節する、前記の方法II以降のいずれか。
2.5. PDE1阻害剤(例えば、直接的または間接的に)がPKAおよび/またはPKGの活性を高める、前記の方法II以降のいずれか。
2.6. PDE1阻害剤の投与がcAMPおよび/またはcGMPのレベルを高める、前記の方法II以降のいずれか。
2.7. PDE1阻害剤の投与が細胞内cAMPのレベルを高め、細胞内cAMPレベルのこの上昇が神経線維を保護し、神経線維を再生しまたは神経線維成長(例えば、軸索再生)を促進する、前記の方法II以降のいずれか。
2.8. 細胞内カルシウムレベルの上昇(例えば、慢性的上昇)と関係する疾患または障害を有する患者にPDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)の有効量を投与することを含む、前記の方法II以降のいずれか。
2.9. PDE1阻害剤を単独でまたは他の活性剤と組み合わせて投与する、前記の方法II以降のいずれか。
2.10. 活性剤がIGF(例えば、IGF−1)またはステロイドから選択される、2.9の方法。
2.11. PNS疾患、障害または損傷がニューロパチー(例えば、末梢ニューロパチー、自律神経ニューロパチーおよび単ニューロパチー)、坐骨神経痛、手根管症候群、多発ニューロパチー、糖尿病性ニューロパチー、ヘルペス後神経痛および胸郭出口症候群からなる群から選択される、前記の方法II以降のいずれか。
【0073】
他の態様において、本発明は、方法IIIを提供し、ここで、方法IIIは、CNS疾患または障害を、該疾患または障害を発症するリスクのある対象において予防する組成物および方法を含み、害方法は方法
1.)対象からサンプルを得て;
2.)サンプルの細胞内カルシウムレベルを測定し;
3.)該生物学的サンプルの細胞内カルシウムレベルと標準的基準を比較し;
4.)標準的基準と比較した細胞内カルシウムレベルに基づき、患者がCNS疾患または障害を発症するリスクにあるか否かを決定し;
5.)対象の細胞内カルシウムに基づき、対象にPDE1阻害剤(例えば、式I〜XIのいずれかの化合物)を投与する(例えば、標準的基準と比較して高い細胞内カルシウムレベルを有するために、対象にPDE1阻害剤を投与する)
ことを含む。
【0074】
例えば、方法IIIはまた次のものを含む。
3.1. サンプルが生物学的サンプルである、方法III。
3.2. 患者の細胞内カルシウムレベルを化学蛍光プローブを使用して測定する、前記の方法III以降のいずれか。
3.3. 患者の細胞内カルシウムレベルが対照(例えば、標準的基準)と比較して上昇している、前記の方法III以降のいずれか。
3.4. PDE1阻害剤を、対照(例えば、標準的基準)と比較して高い細胞内カルシウムレベルを示す患者に投与する、前記の方法III以降のいずれか。
3.5. PDE1阻害剤の投与がCNSおよび/またはPNS疾患または障害の発症を治験または予防し、CNS疾患または障害が、上昇した(例えば、慢性的に上昇した)細胞内カルシウムレベルと相関するものである、前記の方法III以降のいずれか。
3.6. PDE1阻害剤の投与が、個体がCNSおよび/またはPNS疾患または障害を発症する可能性を減少させ、CNSおよび/またはPNS疾患または障害が、上昇した(例えば、慢性的に上昇した)細胞内カルシウムレベルと相関するものである(例えば、方法I以降および方法II以降に挙げた疾患、障害または損傷)、前記の方法III以降のいずれか。
3.7. 方法が、所望により患者のcAMPまたはcGMP細胞内レベルを測定することを含む、前記の方法III以降のいずれか。
3.8. PDE1阻害剤を単独でまたは他の活性剤と組み合わせて投与する、前記の方法III以降のいずれか。
3.9. PDE1阻害剤を、患者が対照対象と比較して、低いレベルのcAMPおよび/またはcGMPを有するために投与する、前記の方法III以降のいずれか。
【0075】
用語“本発明の化合物”または“本発明のPDE1阻害剤”は、ここに開示する任意かつ全ての化合物、例えば、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式Xまたは式XIおよびあらゆる下位式の化合物を包含する(例えば、式IIは、“式IIaおよび式IIbの両者を含むと解釈すべきである)。
【0076】
用語“処置”および“処置する”は、適宜、疾患の症状の予防および処置または改善ならびに疾患原因の処置を含むと解釈すべきである。
【0077】
処置法に関して、ここで使用する用語“治療有効量”は、CNSまたはPNS疾患、障害または損傷を処置するまたは病理学的影響を軽減するのに十分な薬物(例えば、PDE1阻害剤)の量をいう。例えば、PDE1阻害剤の治療有効量は、例えば、cAMPまたはcGMPの細胞内レベルを上昇させ、カルシウムの細胞内レベルを低下させおよび/または神経再生を高めるのに十分な量であり得る。適切であるとき、治療有効量はまたCNSまたはPNS疾患または障害の発症の遅延または予防に必要なPDE1阻害剤の量であり得る。
【0078】
用語“患者”または“対象”はヒトまたは非ヒト(すなわち、動物)患者をいう。具体的態様において、本発明はヒトおよび非ヒトの両者を含む。他の態様において、本発明は非ヒトを含む。他の態様において、本用語はヒトを含む。
【0079】
ここで使用する用語“対照対象”は、障害、症候群、疾患、状態および/または症状を有しないおよび/または有することが疑われない任意のヒトまたは非ヒト生物をいう。ここで使用する用語“標準的基準”は、対照集団における前もっての測定および結果の獲得をいう。
【0080】
ここで使用する用語“生物学的サンプル”は、例えば、生物、体液、老廃物、細胞またはその細胞の一部、細胞株、生検、組織培養または細胞内カルシウム、cAMPまたはcGMPレベルを含む他の源から得られる、生物的物質を含む任意のサンプルを含み得る。
【0081】
“神経原性剤”は、化学薬品または試薬として定義され、これは、該薬品または試薬の非存在下の、神経発生の量、程度または働きと比較して、インビボまたはエクスビボまたはインビトロで神経発生の量または程度または働きを促進、刺激または他の点で増加できる。
【0082】
ここで使用する“CNS損傷”は、例えば、網膜神経節細胞の損傷、外傷性脳損傷、卒中関連損傷、脳脳動脈瘤関連損傷、単麻痺、両麻痺、対麻痺、片麻痺および四肢麻痺、神経増殖性障害または神経障害性疼痛症候群を含む、脊髄損傷または外傷を含み得る。
【0083】
ここで使用する“PNS損傷”は、例えば、脊髄または脳神経の損傷を含み得て、該損傷は、病変またはいくぶんかの急性または慢性外傷を含み得る。
【0084】
遊離形態または薬学的に許容される塩形態の上に記載する本発明の化合物(例えば、式I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、XおよびXIのいずれか)は唯一の治療剤として使用し得るだけでなく、他の活性剤組み合わせて使用しても、共投与のために使用してもよい。
【0085】
本発明の実施に際して使用する投与量は、当然、例えば処置する特定の疾患または状態、使用する特定の本発明の化合物、投与法および所望の治療により変わる。本発明の化合物を、経口的、非経腸的、経皮的または吸入を含む、任意の適切な経路で投与してよいが、好ましくは経口的に投与する。一般に、例えば、前記疾患の処置について満足いく結果が、約0.01〜2.0mg/kgの程度の投与量の経口投与で得られることが示される。大型哺乳動物、例えばヒトにおいて、経口投与の指示される1日投与量は、従って約0.75〜150mgの範囲であり、好都合には1日1回または2〜4回の分割投与量でまたは徐放形態で投与する。経口投与のための単位投与形態は、それゆえに、例えば約0.2〜75または150mg、例えば約0.2mgまたは2.0〜50mg、75mgまたは100mgの本発明の化合物を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含み得る。
【0086】
本発明の化合物を含む医薬組成物は、ガレヌス分野で知られる慣用の希釈剤または添加物および技術を使用して製造し得る。それゆえに、経口投与形態は錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁液剤などを含み得る。
【実施例】
【0087】
実施例1
IMAPホスホジエステラーゼアッセイキットを使用するインビトロPDEIB阻害測定
ホスホジエステラーゼ1B(PDEIB)は、環状グアノシン一リン酸(cGMP)を5’−グアノシン一リン酸(5’−GMP)に変換するカルシウム/カルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼ酵素である。PDEIBはまた蛍光分子cGMP−フルオレセインのようなcGMP基質を、対応するGMP−フルオレセインに変換もできる。cGMP−フルオレセインからのGMP−フルオレセインの産生を、例えば、IMAP(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)固定化金属親和性粒子試薬を使用して定量できる。
【0088】
要約すれば、IMAP試薬は遊離5’−ホスフェートに高親和性で結合し、これはGMP−フルオレセインでおこるが、cGMP−フルオレセインではおこらない。得られたGMP−フルオレセイン−IMAP複合体はcGMP−フルオレセインに比して大きい。大きな、ゆっくり回転する複合体に結合した小さいフルオロフォアは、蛍光を発するときに放出される光子が、蛍光の励起に使用した光子と同じ偏光を維持するため、未結合フルオロフォアと区別できる。
【0089】
ホスホジエステラーゼアッセイにおいて、IMAPと結合できず、それゆえにほとんど蛍光偏光を保持しないcGMP−フルオレセインを、IMAPと結合したとき、蛍光偏光の大きな増大(Δmp)を生じるGMP−フルオレセインに変換する。ホスホジエステラーゼの阻害は、それゆえに、Δmpの低下として測定される。
【0090】
酵素アッセイ
材料:Molecular Devices(Sunnyvale, CA)から入手可能なIMAP試薬(反応緩衝液、結合緩衝液、FL−GMPおよびIMAPビーズ)以外、全ての化学物質はSigma-Aldrich(St. Louis, MO)から入手可能である。
アッセイ:次のホスホジエステラーゼ酵素群を使用し得る:当業者により、例えば、HEKまたはSF9細胞で産生され得る、3’,5’−環状−ヌクレオチド−特異的ウシ脳ホスホジエステラーゼ(Sigma, St. Louis, MO)(主にPDEIB)および組み換え完全長ヒトPDE1AおよびPDE1B(それぞれr−hPDE1Aおよびr−hPDE1B)。PDE1酵素を、50%グリセロールで2.5U/mlに再構成する。1単位の酵素は、pH7.5で、30℃で、1分あたり1.0μmoleの3’,5’−cAMPを、5’−AMPに加水分解する。1部の酵素を1999部の反応緩衝液(30μM CaCl
2、10U/mlのカルモジュリン(Sigma P2277)、10mM トリス−HCl pH7.2、10mM MgCl
2、0.1%BSA、0.05%NaN
3)に添加し、1.25mU/mlの最終濃度とする。99μlの希釈酵素溶液を、平底96ウェルポリスチレンプレートの各ウェルに添加し、そこに100%DMSOに溶解した1μlの試験化合物を添加する。化合物を混合し、酵素と、10分、室温でプレインキュベートする。
【0091】
FL−GMP変換反応を、384ウェルマイクロタイタープレート中、4部の酵素および阻害剤ミックスと1部の基質溶液(0.225μM)を合わせることにより開始する。反応物を、暗所で、室温で15分インキュベートする。384ウェルプレートの各ウェルへの60μlの結合試薬(1:1800希釈の消泡剤を添加した結合緩衝液中の1:400希釈のIMAPビーズ)の添加により反応を停止させる。プレートを、室温で1時間インキュベートして、IMAP結合を最後まで進行させ、Envisionマルチモードマイクロプレートリーダー(PerkinElmer, Shelton, CT)に入れて、蛍光偏光(Δmp)を測定する。
【0092】
Δmpの低下として測定されるGMP濃度減少が、PDE活性阻害の指標である。IC
50値を、非線形回帰ソフトウェア(XLFit; IDBS, Cambridge, MA)を使用したIC
50値の概算を可能とする、0.0037nM〜80,000nMの範囲の8〜16濃度の化合物の存在下の酵素活性を測定し、薬物濃度対ΔmPをプロットすることにより決定する。
【0093】
実施例2
選択的本発明のPDE1阻害剤は、ヒトミクロソーム安定性アッセイにおいてミクロソーム安定性を示す。前記選択的PDE1阻害剤は、0.005未満のK値を示し、約275分の半減期T1/2を示す。
【0094】
実施例3
本発明の選択的PDE1阻害剤は、血液脳関門を通過する能力を示す。適切なマウスモデルに10mg/Kgを注射後、前記選択的PDE1阻害剤は、注射後約0.5時間以内に約3μMで検出可能である。
本発明の選択的PDE1阻害剤は、血液脳関門を通過する能力を示す。適切なマウスモデルに10mg/Kgを注射後、前記選択的PDE1阻害剤は、注射後約0.5時間以内に約3μMで検出可能である。